JPH07137128A - 二軸配向フィルム - Google Patents

二軸配向フィルム

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JPH07137128A
JPH07137128A JP5285057A JP28505793A JPH07137128A JP H07137128 A JPH07137128 A JP H07137128A JP 5285057 A JP5285057 A JP 5285057A JP 28505793 A JP28505793 A JP 28505793A JP H07137128 A JPH07137128 A JP H07137128A
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JP
Japan
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particles
film
biaxially oriented
oriented film
particle
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Pending
Application number
JP5285057A
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English (en)
Inventor
Masaaki Kotoura
正晃 琴浦
Iwao Okazaki
巌 岡崎
Koichi Abe
晃一 阿部
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
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Publication of JPH07137128A publication Critical patent/JPH07137128A/ja
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 平均粒径dが0.05〜3μmの粒子Aを
0.01〜10重量%含有し、少なくとも片面の空気洩
れ指数が1×102 〜2×104 秒、長手方向、幅方向
のうち少なくとも一方向のF5値が12kg/mm2
上であることを特徴する二軸配向フィルム。 【効果】 含有粒子の粒径、含有量を特定範囲とし、さ
らに、空気洩れ指数も特定範囲としたので、巻姿に優
れ、フィルム表面が傷つきにくく、また、磁気媒体用と
した時に、優れた画質、ドロップアウト特性を得ること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸配向フィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】二軸配向フィルム、例えば二軸配向ポリ
エステルフィルムとしては、ポリエステルに滑剤を含
み、表面に微細な突起を有し、空気抜け速さを規定した
フィルムが知られている(例えば特公平5−37817
号公報)。
【0003】しかし、上記従来の二軸配向フィルムで
は、例えば、磁気媒体用途における磁性層塗布、カレン
ダー工程、あるいは、できたビデオテープ等をダビング
してソフトテープ等を製造する工程等の工程速度の増大
に伴い、接触するロールやガイドでフィルム表面に傷が
つくという欠点があった。また、従来のものでは、上記
ダビング時の画質低下のために、ビデオテープにした時
の画質、すなわち、S/N(シグナル/ノイズ比)も不
十分という欠点があった。また、これらの欠点を克服し
ても、フィルムの巻姿が不良という問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる課題を
解決し、特に高速工程でフィルムに傷がつきにくく(以
下耐スクラッチ性に優れるという)、しかもダビング時
の画質低下の少なく(以下耐ダビング性に優れるとい
う)、かつ、フィルムの巻姿に優れた二軸配向フィルム
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
二軸配向フィルムは、平均粒径dが0.05〜3μmの
粒子Aを0.01〜10重量%含有し、少なくとも片面
の空気洩れ指数が1×102 〜2×104 秒、長手方
向、幅方向のうち少なくとも一方向のF5値が12kg
/mm2 以上であることを特徴する。
【0006】本発明の二軸配向フィルムを構成するポリ
マは、特に限定されないがポリエステルが好ましい。ポ
リエステルとしては特に限定されないが、エチレンテレ
フタレ−ト、エチレン−α,β−ビス(2-クロルフェノ
キシ)エタン-4,4'-ジカルボキシレ−ト、エチレン-2,6
- ナフタレ−ト単位から選ばれた少なくとも一種の構造
単位を主要構成成分とする場合に巻姿、耐スクラッチ
性、耐ダビング性がより良好となるので好ましい。なか
でも、エチレンテレフタレ−トを主要構成成分とするポ
リエステルの場合に巻姿、耐ダビング性、耐スクラッチ
性がより一層良好となるので特に好ましい。また、2種
以上のポリエステルを混合してもよいし、共重合ポリマ
を用いてもよい。
【0007】本発明の二軸配向フィルムには、平均粒径
dが0.05〜3μmの粒子Aを少なくとも1種類以上
含有する必要がある。粒子Aの種類としては、無機粒
子、有機粒子のいずれでもよい。無機粒子としては、特
に限定されないが、炭酸カルシウム粒子、コロイダルシ
リカ粒子、酸化チタン粒子等が好ましく例示される。炭
酸カルシウム粒子の場合には、特に限定されないが、結
晶形がカルサイト型、バテライト型の場合に、耐スクラ
ッチ性、耐ダビング性が特に良好となる。有機粒子とし
ては、特に限定されないが、架橋有機粒子が好ましい。
架橋有機粒子の場合には、特に限定されないが、ジビニ
ルベンゼン粒子および/またはシリコーン粒子が好まし
い。ジビニルベンゼン粒子とは、架橋成分としてジビニ
ルベンゼンを主体とするものをいう。つまり、ジビニル
ベンゼンが粒子成分の51%以上、好ましくは60%以
上、さらに好ましくは75%以上のジビニルベンゼン共
重合体粒子が好ましい。他の成分としては、特に限定さ
れないが、例えばエチルビニルベンゼン、ジエチルベン
ゼン等の架橋しない成分があげられる。また、シリコー
ン粒子としてはオルガノポリシロキサンを主たる成分と
するものなどが例示される。
【0008】この粒子Aの粒径は、平均粒径dが0.0
5〜3μm、好ましくは0.2〜1.5μm、さらに好
ましくは0.3〜1μmである。平均粒径dが上記範囲
を外れると、巻姿、耐スクラッチ性、耐ダビング性がと
もに良好とならない。また、粒子Aの含有量は特に限定
されないが、0.01〜10重量%、好ましくは0.0
5〜8重量%、さらに好ましくは0.1〜6重量%の場
合に巻姿、耐スクラッチ性、耐ダビング性が特に良好と
なる。
【0009】本発明の二軸配向フィルムには、巻姿、耐
スクラッチ性、耐ダビング性の点から、上記の粒子Aの
他に、さらに他の粒子Bを含有してもよい。他の粒子B
としては特に限定されないが、結晶形がδ型、θ型、η
型、γ型のアルミナ、ジルコニア、シリカ等の凝集粒子
等が好ましく例示される。これらの粒子を複数併用して
用いてもよい。凝集粒子の一次径は特に限定されない
が、5〜200nm、好ましくは10〜150nm、さ
らに好ましくは15〜100nm、二次径は特に限定さ
れないが、30〜1000nm、好ましくは40〜80
0nm、さらに好ましくは50〜600nmの場合に、
巻姿、耐スクラッチ性、耐ダビング性が良好となる。
【0010】本発明の二軸配向フィルムは、上記のポリ
マと粒子Aを主要成分とするが、本発明の目的を阻害し
ない範囲内で他種ポリマをブレンドしてもよいし、また
酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの各種
添加剤が通常添加される程度添加されていてもよい。
【0011】本発明の二軸配向フィルムとは、上記組成
物を二軸配向せしめたフィルムである。一軸あるいは無
配向フィルムでは耐スクラッチ性が不良となるので好ま
しくない。この配向の程度は特に限定されないが、長手
方向、幅方向のうち少なくとも一方向のF5値を12k
g/mm2 以上とする必要がある。12kg/mm2
満である場合には、耐スクラッチ性が悪化して好ましく
ない。また、高分子の分子配向の程度の目安であるヤン
グ率が長手方向、幅方向ともに350kg/mm2 以上
である場合に耐スクラッチ性がより一層良好となる。
【0012】また、本発明フィルムは、ヤング率が上記
範囲内であっても、フィルムの厚さ方向の一部分、例え
ば表層付近のポリマ分子の配向が無配向、あるいは一軸
配向になっていない、すなわち厚さ方向の全部分の分子
配向が二軸配向である場合に耐スクラッチ性、耐ダビン
グ性がより一層良好となる。特にアッベ屈折率計、レー
ザーを用いた屈折率計、全反射レーザーラマン法などに
よって測定される分子配向が、表面、裏面ともに二軸配
向である場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一
層良好となる。
【0013】本発明の二軸配向フィルムは、巻姿、耐ス
クラッチ性、耐ダビング性の点から、片面の空気洩れ指
数が1×102 〜2×104 秒である必要があり、好ま
しくは、1×103 〜1×104 秒、さらに好ましく
は、2×103 〜5×103 秒である。空気洩れ指数が
この範囲より大きいと、フィルム/フィルム間にかみ込
んだ空気を排出することができず、縦じわやロ−ル端面
の不揃い等が発生し巻姿が不良となる。一方、空気洩れ
指数がこの範囲より小さいと、フィルム表面が粗くなり
すぎ、耐スクラッチ性、耐ダビング性が悪化する。
【0014】本発明の二軸配向フィルムは、巻姿の点か
ら、フィルム対フィルムの摩擦係数μsが0.4以上で
あることが好ましい。また、幅方向の摩擦係数μsTD
は縦方向の摩擦係数μsMDに対して0.7〜1.3倍
が好ましく、より好ましくは、0.8〜1.2倍であ
る。この値が小さいと、横方向に滑りすぎ、ロ−ル端面
のずれを生じ易くなり、一方、この値が大きいと縦方向
に滑りすぎ、瘤状のしわが生じ、巻姿が悪化し易くな
る。
【0015】本発明の二軸配向フィルムは、耐スクラッ
チ性、耐ダビング性の点から、前記の少なくとも1種類
の粒子Aを含有するフィルムが、少なくとも2層構造か
らなる積層フィルムの外層であることが好ましい。
【0016】前記粒子Aを含有するフィルム層の厚さ
は、特に限定されないが、耐スクラッチ性、耐ダビング
性の点から、0.005〜3μm、好ましくは0.01
〜2μm、さらに好ましくは0.02〜1μmである。
【0017】さらに、粒子Bを併用する場合、粒子Aと
粒子Bは、同じ層に含有されていてもよいし、また、異
なる層に含有されていてもよいが、巻姿、耐スクラッチ
性、耐ダビング性の点から特に好ましいのは、粒子A
と粒子Bが少なくとも片面側の同じ最外層に含有され、
そのフィルム層厚さtと、粒子Aの粒径dの関係が、
0.2d≦t≦10d、好ましくは0.5d≦t≦5
d、さらに好ましくは0.5d≦t≦3dの場合、また
は、粒子Aを含有するフィルム層の厚さtと粒子Aの
粒径dの関係が、0.2d≦t≦10d、好ましくは
0.5d≦t≦5d、さらに好ましくは0.5d≦t≦
3dであって、その外側に粒子Bを含有する層が最外層
として存在し、その最外層の厚さが0.005〜1μ
m、好ましくは0.01〜0.5μm、さらに好ましく
は0.02〜0.3μmの場合である。
【0018】上記積層構成において、前記粒子Aを含有
するフィルム層以外の層を構成するポリマは、特に限定
されないがポリエステルが好ましい。ポリエステルとし
ては特に限定されないが、エチレンテレフタレ−ト、エ
チレン−α,β−ビス(2-クロルフェノキシ)エタン-
4,4'-ジカルボキシレ−ト、エチレン-2,6- ナフタレ−
ト単位から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構
成成分とする場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がよ
り良好となるので好ましい。なかでも、エチレンテレフ
タレ−トを主要構成成分とするポリエステルの場合に耐
ダビング性、耐スクラッチ性がより一層良好となるので
特に好ましい。
【0019】また、上記積層構成において、前記粒子A
を含有するフィルム層以外の層を構成するポリマ中に粒
子を含有していてもかまわない。例えば、炭酸カルシウ
ム、アルミナ、シリカ、チタン、カーボンブラック等が
挙げられる。
【0020】本発明の二軸配向フィルムは、特に限定さ
れないが、巻姿、耐スクラッチ性、耐ダビング性の点か
ら、少なくとも片面の突起個数が2×103 〜5×10
5 個/mm2 が好ましい。少なくとも片面の突起個数
は、好ましくは3×103 〜4×105 個/mm2 、よ
り好ましくは5×103 〜3×105 個/mm2 であ
る。
【0021】本発明の二軸配向フィルムの厚さがは用途
によって適宜選択できるが、通常は500μm程度以下
の膜状物であり、好ましくは3〜150μm、さらに好
ましくは4〜80μmの範囲のものである。
【0022】次に本発明フィルムの製造方法を、ポリエ
ステルフィルムの場合について説明する。
【0023】まず、ポリエステルに粒子A(およびB)
を含有せしめる方法としては、ジオ−ル成分であるエチ
レングリコールにスラリーの形で分散せしめ、このエチ
レングリコールを所定のジカルボン酸成分と重合せしめ
るのが好ましい。また粒子A(およびB)の水スラリー
を直接所定のポリエステルペレットと混合し、ベント式
の2軸混練押出機を用いてポリエステルに練り込む方法
は、本発明の効果をより一層良好とするのに非常に有効
である。
【0024】粒子の含有量を調節する方法としては、上
記方法で高濃度マスターを作っておき、それを製膜時に
粒子を実質的に含有しないポリエステルで希釈して粒子
の含有量を調節する方法が有効である。
【0025】次に、粒子A(およびB)を所定量含有す
るペレットを必要に応じて乾燥したのち、公知の溶融押
出機に供給し、スリット状のダイからシ−ト状に押出
し、キャスティングロ−ル上で冷却固化せしめて未延伸
フィルムを作る。積層ポリエステルフィルムの場合は、
2または3台の押出機、2または3層のマニホ−ルドま
たは合流ブロックを用いて、溶融状態のポリエステルを
積層せしめて未延伸フィルムを作る。この場合、凝集粒
子を含有するポリマ流路に、スタティックミキサー、ギ
ヤポンプを設置する方法は本発明の効果をより一層良好
とするのに有効である。
【0026】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。また、これ
らの延伸を行なった後、再縦延伸、再横延伸を行なって
もよい。例えば、最初に長手方向、次に幅方向の延伸を
行なう逐次二軸延伸法を用い、その後、再縦延伸を行な
う方法を用いることもできる。長手方向の延伸を3段階
以上に分けて、縦延伸温度は80〜150℃、好ましく
は80〜110℃、縦延伸倍率は3.0〜5.5倍、好
ましくは、3.5〜5.0倍、延伸速度は5,000 〜50,0
00%/分の範囲が好ましい。幅方向の延伸方法としては
例えばテンタ−を用いる方法が好ましく、延伸温度は8
0〜160℃、幅方向延伸倍率は縦倍率より大きく3.
5〜6.5倍、幅方向の延伸速度は1,000 〜20,000%/
分、の範囲が好ましい。再縦延伸温度は120〜160
℃、倍率は1.1〜1.5倍、延伸速度は5,000 〜50,0
00%/分の範囲が好ましい。
【0027】次に必要に応じて、この延伸フィルムを熱
処理してもよい。この場合の熱処理温度は170〜22
0℃、特に170〜190℃、時間は0. 5〜60秒の
範囲が好適である。
【0028】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は
次のとおりである。
【0029】(1)粒子Aの平均粒径 フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1
0万倍以上の倍率で観察する。TEMの切片厚さは約1
00nmとし、場所を変えて100視野以上測定する。
粒子Aの粒径は単分散粒子について、粒子Bの一次粒径
は、粒子Bの分割できない粒子最小単位について、粒子
Bの二次粒径は凝集体について、それぞれ等価円相当径
の平均値である。なお、粒子Aの粒径は、重量平均、粒
子Bの一次粒径、二次粒径は個数平均とする。
【0030】(2)粒子の含有量 フィルムを構成するポリマは溶解し粒子は溶解させない
溶媒を選択し、粒子をフィルムを構成するポリマから遠
心分離し、粒子の全体重量に対する比率(重量%)をも
って粒子含有量とする。場合によっては赤外分光法の併
用も有効である。
【0031】(3)空気洩れ指数 (株)東洋精機製、デジベック平滑度試験機を用いて、
25℃、65%RHにて測定した。まず、フィルムを試
料台上に乗せ、0.2kg/cm2 の荷重を加えて、真
空到達度を383mmHgに設定する。383mmHg
に到達した後、常圧に戻ろうとするため、フィルムと試
料台間を空気が流れ込んでいく。この時、真空度が38
1mmHgから379mmHgになる時間を測定し、空
気洩れ指数とした。
【0032】(4)巻姿 速度200m/分でフィルムを巻き、巻上がったフィル
ムロ−ルを見て、しわ等が全然ないものを、巻姿、優、
しわ等がある程度見られるが、実用的には問題のないレ
ベルにあるものを巻姿、良、しわ等が多数発生したもの
を巻姿、不良とした。
【0033】(5)フィルム表面の分子配向 ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッベ屈
折率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレ
ンを用い、25℃、65%RHにて測定した。ポリマの
二軸配向性は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN
1 、N2 、N3とした時、(N1 −N2 )の絶対値が
0.07以下、かつ、N3 /[(N1 +N2 )/2]が
0.95以下であることをひとつの基準とできる。ま
た、レーザー型屈折率計を用いて屈折率を測定しても良
い。さらに、この方法では測定が難しい場合は全反射レ
ーザーラマン法を用いることもできる。レーザー全反射
ラマンの測定は、Jobin-Yvon社製Ramanor U−1000
ラマンシステムにより、全反射ラマンスペクトルを測定
し、例えばPETの場合では、1615cm-1(ベンゼ
ン環の骨格振動)と1730cm-1(カルボニル基の伸
縮振動)のバンド強度比の偏光測定比(YY/XX比な
ど。ここでYY:レーザーの偏光方向をYにしてYに対
して平行なラマン光検出、XX:レーザーの偏光方向を
XにしてXに対して平行なラマン光検出)が分子配向と
対応することを利用できる。ポリマの二軸配向性はラマ
ン測定から得られたパラメータを長手方向、幅方向の屈
折率に換算して、その絶対値、差などから判定できる。
この場合の測定条件は次のとおりである。
【0034】光源 アルゴンイオンレ−ザ−(5145A) 試料のセッティング フィルム表面を全反射プリズムに圧着させ、レ−ザのプ
リズムへの入射角(フィルム厚さ方向との角度)は60
゜とした。
【0035】検出器 PM:RCA31034/Photon Counting System(Hamamatsu C1
230) (supply 1600V) 測定条件 スリット 1000μm レ−ザ− 100mW ゲ−ト時間 1.0sec 測定速度 12cm-1/min サンプリング間隔 0.2cm-1 繰り返し回数 6 (6)ヤング率 JIS−K−7127に規定された方法にしたがって、
インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25
℃、65%RHにて測定した。
【0036】(7)F5値 JIS−K−7127に規定された方法により、25
℃、65%RH下で引っ張り、5%伸張時の荷重を初期
の断面積で割り、 kg/mm2 単位で表した。
【0037】(8)摩擦係数(μs) ASTM−D1894−63に規定された方法にしたが
って、スリップテスタ−を用いて、25℃、65%RH
にて測定した。
【0038】(9)積層フィルムの積層厚み 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフィルム中の粒子のうち最
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C- )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層では
表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざか
るにつれて粒子濃度は高くなる。本発明フィルムの場合
は、一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。
この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/
2となる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深
い)を求め、これを積層厚みとした。条件は次のとお
り。
【0039】測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 独、ATOMI
KA社製 A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種 O2 + 1次イオン加速電圧 12kV 1次イオン電流 200nA ラスタ−領域 400μm□ 分析領域 ゲ−ト30% 測定真空度 6.0×10-9Torr E−GUN 0.5kV−3.0A なお、表層からの深さ3000nmの範囲に最も多く含
有する粒子が有機高分子粒子の場合は、SIMSでは測
定が難しいので、表層からエッチングしながらXPS
(X線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記
同様のデプスプロファイルを測定し積層厚みを求めても
良いし、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度
の変化状態やポリマの違いによるコントラストの差から
界面を認識し積層厚みを求めることもできる。さらには
積層ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚み
を求めることもできる。
【0040】(10)耐スクラッチ性 フィルムを幅1/2 インチのテ−プ状にスリットしたもの
をテ−プ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面粗
度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度25
0m/分、走行回数1パス、巻き付け角:60゜、走行
張力:90g)。この時、フィルムに入った傷を顕微鏡
で観察し、幅1μm以上の傷がテ−プ幅あたり2本未満
は優、2本以上10本未満は良、10本以上は不良と判
定した。優が望ましいが、良でも実用的には使用可能で
ある。
【0041】(11)耐ダビング性 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダ−装置(スチ−ルロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカ
レンダ−処理した後、70℃、48時間キュアリングす
る。上記テ−プ原反を1/2インチにスリットし、パン
ケーキを作成した。このパンケーキから長さ250mの
長さをVTRカセットに組み込みVTRカセットテープ
とした。
【0042】(磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄 :100重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 : 10重量部 ・ポリウレタンエラストマ : 10重量部 ・ポリイソシアネート) : 5重量部 ・レシチン : 1重量部 ・メチルエチルケトン : 75重量部 ・メチルイソブチルケトン : 75重量部 ・トルエン : 75重量部 ・カーボンブラック : 2重量部 ・ラウリン酸 :1.5重量部 このテープに家庭用VTRを用いてテレビ試験波形発生
器により100%クロマ信号を記録し、その再生信号か
らカラ−ビデオノイズ測定器でクロマS/Nを測定しA
とした。また上記と同じ信号を記録したマスタ−テープ
のパンケーキを磁界転写方式のビデオソフト高速プリン
トシステム(スプリンタ)を用いてAを測定したのと同
じ試料テープ(未記録)のパンケーキへダビングした後
のテープのクロマS/Nを上記と同様にして測定し、B
とした。このダビングによるクロマS/Nの低下(A−
B)が3dB未満の場合は耐ダビング性:優、3dB以
上5dB未満の場合は良、5dB以上は不良と判定し
た。優が望ましいが、良でも実用的には使用可能であ
る。
【0043】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明を更に詳細に説
明する。
【0044】実施例1(表1) 粒子Aとして、粒子中の組成がジビニルベンゼン81%
である平均粒径dが0.45μmのジビニルベンゼン粒
子の水スラリーを直接ポリエチレンテレフタレートペレ
ットと混合し、ベント式の2軸混練押出機を用いて練り
込み、ポリエチレンテレフタレ−トのマスタペレットを
得た(ポリマA)。また、別途、粒子を含有しないポリ
エチレンテレフタレートのマスタペレットを常法により
得た(ポリマB)。
【0045】これらのポリマを適当量混合し、180℃
で8時間減圧乾燥(3Torr)した後、押出機に供給し2
80℃で溶融した。これらのポリマを高精度瀘過したの
ち、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃のキャ
スティング・ドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フ
ィルムを作った。この時、口金スリット間隙/未延伸フ
ィルム厚さの比を10とした。また、押出機の吐出量を
調節しフィルム厚さを調節した。
【0046】この未延伸フィルムを温度95℃にて長手
方向に4.0倍延伸した。この延伸は2組ずつのロ−ル
の周速差で、4段階で行なった。この一軸延伸フィルム
をテンタ−を用いて延伸速度2,000 %/分で110℃で
幅方向に4.5倍延伸し、定長下で、200℃にて5秒
間熱処理し、フィルム厚さ14μm二軸配向フィルムを
得た。このフィルムの特性は表1に示したとおりであ
り、巻姿、耐スクラッチ性、耐ダビング性が良好であっ
た。
【0047】実施例2(表1) 実施例1で得られたポリマAとポリマBを適当量混合し
てポリマCとした。このポリマCおよびポリマBをそれ
ぞれ180℃で8時間減圧乾燥(3Torr)した後、ポリ
マCを押出機1、ポリマBを押出機2に供給し、それぞ
れ283℃、280℃で溶融した。これらのポリマを高
精度瀘過した後、矩形合流部にてポリマCを両外層、ポ
リマBを芯層とする3層積層とした(C/B/C)。
【0048】これを静電印加キャスト法を用いて表面温
度25℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて冷却固
化し、未延伸フィルムを作った。この時、口金スリット
間隙/未延伸フィルム厚さの比を10とした。また、そ
れぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、熱可塑性樹脂
C層の厚さを調節した。
【0049】この未延伸フィルムを温度95℃にて長手
方向に3.6倍延伸した。この延伸は2組ずつのロ−ル
の周速差で、4段階で行なった。この一軸延伸フィルム
をテンタ−を用いて延伸速度2,000 %/分で110℃で
幅方向に5.2倍延伸し、定長下で、200℃にて7秒
間熱処理し、総厚さ15μm、積層部厚さ0.5μmの
二軸配向積層フィルムを得た。このフィルムの特性は第
1表に示したとおりであり、巻姿、耐スクラッチ性、耐
ダビング性が良好であった。
【0050】 実施例3〜5、比較例1〜4(表1および表2) 実施例1または実施例2と同様にして、粒子の種類、粒
径、含有量、空気洩れ指数等を変更したフィルムを得
た。表1に示すように本発明範囲のフィルムは巻姿、耐
スクラッチ性、耐ダビング性が良好であるが、そうでな
いものは良好な巻姿、耐スクラッチ性、耐ダビング性を
達成することができない。
【0051】
【表1】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明の二軸配向フィルムによれば、含
有粒子の粒径、含有量を特定範囲とし、さらに、空気洩
れ指数も特定範囲としたので、巻姿に優れ、フィルム表
面が傷つきにくく、また、磁気媒体用とした時に、優れ
た画質、ドロップアウト特性を得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:16 B29L 7:00 C08L 67:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径dが0.05〜3μmの粒子A
    を0.01〜10重量%含有し、少なくとも片面の空気
    洩れ指数が1×102 〜2×104 秒、長手方向、幅方
    向のうち少なくとも一方向のF5値が12kg/mm2
    以上であることを特徴する二軸配向フィルム。
  2. 【請求項2】 前記粒子Aを含有するフィルムが、少な
    くとも2層構造からなる積層フィルムの1つの最外層で
    あることを特徴とする請求項1記載の二軸配向フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 前記粒子Aの平均粒径d(nm)と粒子
    Aを含有する層厚さt(nm)との関係が 0.2d≦t≦10d (1) である請求項1または請求項2に記載の二軸配向フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 前記粒子Aが、炭酸カルシウム粒子、コ
    ロイダルシリカ粒子、酸化チタン粒子、架橋有機粒子か
    ら選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする請
    求項1から請求項3のいずれかに記載の二軸配向フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 フィルム対フィルムの幅方向の摩擦係数
    μsTDが縦方向の摩擦係数μsMDに対して、0.7
    〜1.3倍の範囲にあることを特徴とする請求項1から
    請求項4のいずれかに記載の二軸配向フィルム。
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