JP2743713B2 - 二軸配向積層フイルム - Google Patents

二軸配向積層フイルム

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JP2743713B2
JP2743713B2 JP4150055A JP15005592A JP2743713B2 JP 2743713 B2 JP2743713 B2 JP 2743713B2 JP 4150055 A JP4150055 A JP 4150055A JP 15005592 A JP15005592 A JP 15005592A JP 2743713 B2 JP2743713 B2 JP 2743713B2
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秀仁 南沢
巌 岡崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸配向積層フイルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】二軸配向積層フイルム、例えば二軸配向
ポリエステルフイルムとしては、ポリエステルにコロイ
ド状シリカに起因する実質的に球形のシリカ粒子を含有
せしめたフイルムが知られている(たとえば特開昭59
−171623号公報)。
【0003】しかし、フイルムの加工工程、特に磁気媒
体用途における磁性層塗布・カレンダー及び巻取、カセ
ット組み込み工程などの工程速度の増大に伴い、接触す
るロールやガイドでフイルム表面、とくに微小凹凸を有
するフイルム表面が削り取られやすいという欠点があっ
た。また、従来のものでは、特に磁気テープとしたと
き、強度が不十分であったため、再生したときの輝度信
号の出力(RF出力)が不十分であるという欠点もあっ
た。
【0004】上記走行性を改良するため、積層フイルム
の最外層を薄層とし、該層厚さに対し比較的粒径の大き
な粒子を含有させ、該層厚さと粒子の粒径を特定の関係
にすることにより、フイルム表面に削り取られにくい微
小突起を形成するようにした二軸配向積層フイルムが提
案されている(特開平2−77431号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術における問題点を解決するとともに、特開平2−7
7431号公報提案の技術をさらに改良するもので、フ
イルム表面の微小突起をより最適化して走行性を一層向
上するとともに、特に磁気テープとしたときに十分な強
度の得られる二軸配向積層フイルムを提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
二軸配向積層フイルムは、少なくとも3層以上の積層構
造からなる二軸配向積層フイルムにおいて、その少なく
とも片面側の最外層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径
d(nm)と該最外層の層厚さt(nm)との関係が 0.2d≦t≦10d であり、該最外層側のフイルム表面の高さ20nm以上
突起個数が3×103 〜2×105 個/mm2 であ
り、かつ軸配向係数Δnが+10以上、フイルム長手方
向のF−5値が12kg/mm2 以上であるものから成
る。
【0007】また、もう一つの本発明の二軸配向積層フ
イルムは、少なくとも3層以上の積層構造からなる二軸
配向積層フイルムにおいて、その少なくとも片面側の最
外層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径d(nm)と該
最外層の層厚さt(nm)との関係が 0.2d≦t≦10d であり、該式の関係を満たす粒径の粒子数が3×103
〜1.5×105 個/mm2 であり、かつ軸配向係数Δ
nが+10以上、フイルム長手方向のF−5値が12k
g/mm2 以上であるものから成る。
【0008】まず、本発明のフイルムは少なくとも3層
以上の積層構造である必要がある。3層以上であれば、
4層でも5層でもかまわないが3層構造の場合に本発明
の効果がより一層良好となり好ましい。しかし、単層や
2層構造のフイルムでは走行耐久性(高速削れ性)やR
F出力を十分に満足させることはできない。
【0009】次に、本発明のフイルムは、これを構成す
る上記各層の少なくとも一層が二軸に配向している必要
がある。3層以上の積層構造の内、全部の層が二軸に配
向していると特に好ましい。全ての層が無配向や一軸配
向では本発明の特性を満足することはできない。
【0010】本発明の二軸配向積層フイルムを構成する
ポリマーは特に限定されないが、磁気媒体用途としては
ポリエステルが好ましい。ポリエステルとしては特に限
定されないが、エチレンテレフタレート、エチレンα,
β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−
ジカルボキシレート、エチレン2,6─ナフタレート単
位から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成成
分とする場合に特に好ましい。中でもエチレンテレフタ
レート又はエチレン2,6─ナフタレートを主要構成成
分とするポリエステルの場合が特に好ましい。なお、本
発明を阻害しない範囲内で、2種以上のポリエステルを
混合しても良いし、共重合ポリマを用いても良い。
【0011】本発明の二軸配向積層フイルムの少なくと
も片面の最外層には、まず、粒子が、該粒子の平均粒径
d(nm)と該最外層の層厚さt(nm)との関係が 0.2d≦t≦10d になるように含有される。tが0.2dよりも小さいと
粒子が脱落し易くなり、tが10dよりも大きいと走行
性が悪化する。したがって、tが上記範囲を外れると、
走行性と粒子の脱落防止が両立できないため走行耐久性
が低下する。
【0012】上記範囲を満足する粒子により、最外層の
フイルム表面には微小突起が効率よく形成されるが、そ
高さ20nm以上の突起個数は、本発明の二軸配向
積層フイルムでは3×103 〜2×105 個/mm2
好ましくは5×103 〜1×105 個/mm2 とされ
る。
【0013】最外層フイルム表面の突起個数が上記範囲
よりも少ないと、摩擦係数が高くなって、良好な走行耐
久性が得られない。逆に突起個数が上記範囲よりも多い
と、粒子が脱落し易くなり、やはり良好な走行耐久性が
得られない。
【0014】また、最外層含有粒子は、上記式の関係を
満たす粒径の粒子数が3×103 〜1.5×105 個/
mm2 、好ましくは5×103 〜8×104 個/mm2
になるように含有される。この上記突起個数の範囲がこ
の粒子数の範囲よりも若干広いのは、他の粒径の粒子、
あるいは、中間層からの転写的影響によっても突起が形
成されることがあるからである。
【0015】最外層含有粒子の、前記式を満たす粒径の
粒子数が前記範囲よりも少ないと、やはり摩擦係数が高
くなって、良好な走行耐久性が得られず、前記範囲より
も多いと、粒子が脱落し易くなってやはり良好な走行耐
久性が得られない。
【0016】そして、本発明の二軸配向積層フイルムに
おいては、軸配向係数Δnが+10以上、好ましくは+
20以上、更に好ましくは+30〜+300の範囲、フ
イルム長手方向のF−5値が12kg/mm2 以上、好
ましくは15kg/mm2 以上、更に好ましくは15〜
45kg/mm2 とされる。軸配向係数Δnが+10未
満であると、磁気テープとしたときの、再生時の輝度信
号の出力(RF出力)が不十分(不良)であり、F−5
値が上記範囲にない場合、磁気テープとしたときのテー
プのスティフネスが不足するため、やはりRF出力が不
良となる。
【0017】なお、本発明のフイルム中には、本発明の
目的を阻害しない範囲内で、異種ポリマをブレンドして
もよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸
収剤などの有機添加剤が通常添加される程度添加されて
いてもよい。
【0018】次に本発明フイルムの製造方法を、ポリエ
ステルフイルムの場合について説明する。まず、ポリエ
ステルに粒子を含有せしめる方法としては、例えばジオ
ール成分であるエチレングリコールに粒子を所定割合に
てスラリーの形で分散せしめ、このエチレングリコール
を所定のジカルボン酸成分と重合せしめる方法が好まし
い。粒子を添加する際には、例えば、粒子を合成時に得
られる水ゾルやアルコールゾルを一旦乾燥させることな
く添加すると粒子の分散性が非常によく、走行耐久性、
磁気テープとしたときの電磁変換特性を共に良好とする
ことができる。また、粒子の水スラリーを直接所定のポ
リエステルペレットと混合し、ベント方式の2軸混練押
出機に供給しポリエステルに練り込む方法も、本発明の
効果をより一層良好とするのに非常に有効である。粒子
の含有量、個数を調節する方法としては、上記方法で高
濃度の粒子マスターを作っておき、それを製膜時に粒子
を実質的に含有しないポリエステルで希釈して粒子の含
有量を調節する方法が有効である。
【0019】次にこのポリエステルのペレットを用いて
3層以上の積層構造をもったポリエステルフイルムとす
る。上記の方法にて得られたポリエステルのペレットを
所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用
押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出
し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸
フイルムを作る。すなわち、2または3台以上の押出
機、3層以上のマニホールドまたは合流ブロック(例え
ば角型合流部を有する合流ブロック)を用いて、各最外
層を構成するフイルム層、中間層を構成するフイルム層
を積層し、口金から3層以上のシートを押し出し、キャ
スティングロールで冷却して未延伸フイルムを作る。こ
の場合、ポリマ流路にスタティックミキサー、ギヤポン
プを設置する方法は有効である。また、最表層積層部側
のポリマーを押出す押出機の溶融温度を基層部側より5
〜10℃低くすることが、有効である。
【0020】次にこの未延伸フイルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総縦
延伸倍率を3.5〜6.5倍で行なう方法は特に好まし
い。長手方向延伸温度はポリエステルの種類によって異
なり一概には言えないが、通常、50〜130℃とする
ことが有効である。長手方向延伸速度は5000〜50
000%/分の範囲が好適である。幅方向の延伸方法と
してはステンタを用いる方法が一般的である。延伸倍率
は、3.0〜5.0倍の範囲が適当である。幅方向の延
伸速度は、1000〜20000%/分、温度は80〜
160℃の範囲が好適である。このとき、縦延伸の倍率
を横延伸の倍率よりも大きくすると、本発明範囲のΔ
n、F−5値を得るのに望ましい。また、二軸に延伸し
たフイルムを更に縦に延伸する方法を用いてもよい。次
にこの延伸フイルムを熱処理する。この場合の熱処理温
度は170〜230℃、特に180〜220℃、時間は
0.2〜20秒の範囲が好適である。
【0021】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は
次の通りである。 (1)粒子の平均粒径、粒子数 フイルムからポリマをプラズマ低温灰化処理法で除去
し、粒子を露出させる。処理条件はポリマは灰化される
が粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。その
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子画像
をイメージアナライザーで処理する。SEMの倍率はお
よそ2000〜10000倍、また、1回の測定での視
野は1辺がおよそ10〜50μmから適宜選択する。観
察箇所をかえて粒子数5000個以上で、粒径とその体
積分率から、次式で体積平均径dを得る。 d=Σdi ・Nvi ここでdi は粒径、Nvi はその体積分率である。粒子
数は、積層厚みと平均粒径の関係を満たすものについ
て、体積分率から求め、mm2 あたりに換算する。粒子
が有機粒子等で、プラズマ低温灰化処理法で大幅にダメ
ージを受ける場合には、以下の方法を用いてもよい。フ
イルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、30
00〜100000倍で観察する。TEMの切片厚さは
約1000Åとし、場所を変えて500視野以上測定
し、上記の式から体積平均径dを求める。
【0022】(2)積層ポリエステル層の厚さ(最外層
の厚さ:t) 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフイルム中の粒子の内もっと
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層では表
面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざかる
につれて粒子濃度は高くなる。本発明フイルムの場合は
一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この
濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2と
なる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深い)を
求め、これを積層厚さとした。条件は次の通り。 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA 社製 A-DIDA3000 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域 :400μm□ 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :6.0×10-9Torr E−GUN :0.5KV−3.0A なお、表層から深さ3000nmの範囲にもっとも多く含
有する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定
が難しいので、表面からエッチングしながらXPS(X
線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様
のデプスプロファイルを測定し積層厚さを求めても良い
し、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変
化状態やポリマの違いによるコントラストの差から界面
を認識し積層厚さを求めることもできる。さらには積層
ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚さを求
めることもできる。
【0023】(3)フイルム表面の突起個数、突起高さ 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、エリ
オニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリ
オニクス(株)製]においてフイルム表面の平坦面の高
さを0として走査したときの突起の高さ測定値を画像処
理装置[IBAS2000、カールツァイス(株)製]に送
り、画像処理装置上にフイルム表面突起画像を再構築す
る。次に、この表面突起画像で突起部分を2値化して得
られた個々の突起部分の中で最も高い値をその突起の高
さとし、これを個々の突起について求める。この測定を
場所をかえて500回繰返し、20nm以上の高さのも
のを突起とし、突起個数を求め、測定された突起につい
てその高さの平均値を平均高さとした。また走査型電子
顕微鏡の倍率は、1000〜8000倍の間を選択する。なお、
場合によっては、高精度光干渉式3次元表面解析装置
(WYKO社製TOPO−3D、対物レンズ:40〜2
00倍、高解像度カメラ使用が有効)を用いて得られる
高さ情報を上記SEMの値に読み替えて用いてもよい。
【0024】(4)軸配向係数Δn ナトリウムD線(589nm)を光源としてアッペ屈折
計を用いて25℃、65%RHにてMD(機械軸)方向
の屈折率(nMD)、およびTD(幅)方向の屈折率(n
TD)を測定し次式により求める。 Δn=(nMD−nTD)×103 用いるマウント液(ヨウ化メチレンなど)、テストピー
スは素材、配向状態に応じて適宜選択する。
【0025】(5)F−5値 ASTM−D−882にしたがって、インストロン式の
引張試験機を用いて、25℃、65%RHにて引張試験
を行い、試料の5%伸びでの応力をF−5値(kg/m
2 )とした。
【0026】(6)RF出力 フイルムに下記組成の磁性塗料をグラビアロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカ
レンダー処理した後、70℃、48時間キュアリングす
る。上記テープ原反を1/2インチにスリットし、パン
ケーキを作成した。このパンケーキから長さ250mの
長さをVTRカセットに組み込みVTRカセットテープ
とした。 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄 :100重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:10重量部 ・ポリウレタンエラストマ :10重量部 ・ポリイソシアネート :5重量部 ・レシチン :1重量部 ・メチルエチルケトン :75重量部 ・メチルイソブチルケトン :75重量部 ・トルエン :75重量部 ・カーボンブラック :2重量部 ・ラウリン酸 :1.5重量部 このテープに家庭用VTRを用いてテレビ試験波形発生
器により輝度信号を記録し、再生したときの輝度信号の
出力(RF出力)を測定した。
【0027】(7)走行耐久性 RF出力の測定と同様にしてカセットに組み込んだビデ
オテープ250mを市販のビデオデッキで早送り、巻戻
しを繰り返し50回行い、テープ走行面に付着している
削れ粉の量、およびテープ走行面の傷により判定した。
次の基準で目視(場合によっては観察倍率50倍程度で
顕微鏡により観察する)により判定し、○、△、×の3
段階評価を行い、○、△を特性良好とした。 ○: 削れ粉、傷ともにほとんど見られない △: 削れ粉、傷が僅かに見られる ×: 削れ粉、傷が多量に見られる
【0028】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明の実施態様を説
明する。 実施例1(表1) 最外層に含有させる粒子をエチレングリコール中にて、
50μm径のガラスビーズをメディアとして分散させ、
ガラスビーズを除去したのちテレフタル酸と重合し、ポ
リエチレンテレフタレートのマスターペレットとした。
【0029】上記のマスターペレットを、粒子を含有し
ないポリエチレンテレフタレートのペレットで所定割合
にて希釈し、該希釈した粒子含有ペレットと、粒子を含
有しないポリエチレンテレフタレートのペレットを、そ
れぞれ180℃で8時間減圧乾燥(3Torr)した
後、押出機1、押出機2(たとえばベント式二軸混練押
出機)にそれぞれ供給し、280℃、290℃で溶解し
た。この2つのポリマを、それぞれ高精度濾過した後、
矩形積層部を備えた3層合流ブロックにて、中間層部に
粒子を含有しないポリマが、両面表層積層部に前記粒子
含有ポリマがくるように積層し、フィッシュテール型の
口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャス
ト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに
巻きつけて冷却固化し、厚さ約250μmの未延伸フイ
ルムを作った。この時のドラフト比は6.5であった。
【0030】この未延伸フイルムを長手方向に3段階に
分け、120℃で1.1倍、125℃で1.15倍、1
15℃で2.5倍それぞれ延伸した。この一軸フイルム
をステンタを用いて幅方向に、95℃で3.4倍延伸
し、更に縦方向に110℃で1.7倍延伸後、ステンタ
内で定長下で200℃にて5秒間熱処理し、厚さ13μ
mのフイルムを得た。得られたフイルムの最外層部積層
厚さtは、1000nmで、最外層含有粒子の平均粒径
dは、600nmで、最外層の積層厚さtと含有粒子の
平均粒径dとの関係t/dは1.67であった。また、
両表面の突起数は同じであり、該表面突起数は2200
0個/mm2 であった。さらに、t/dが0.2〜10
の粒子数は18000個/mm2 であった。
【0031】このフイルムの軸配向係数Δnは+42、
F−5値は18.3kg/mm2 であった。また、この
フイルムで作成したVTRテープのRF出力を測定する
と、2.8dBと良好であった。また、フイルムの走行
耐久性も良好であった。このように、最外層積層部に含
有される粒子と積層厚さとの関係、該関係を満たす粒子
数、表面突起数が本発明の範囲内であり、かつ、Δn、
F−5値が本発明の範囲内である場合には、優れたRF
出力、良好な走行耐久性が得られる。
【0032】実施例2〜5、比較例1〜6(表1) 実施例1と同様にして、最外層の積層厚さ、該最外層含
有粒子の平均粒径d、該最外層の積層厚さtと含有粒子
の平均粒径dとの関係t/d、表面突起数、t/dが
0.2〜10の粒子数、およびΔn、F−5値を種々変
更した場合について、各種二軸配向積層ポリエステルフ
イルムを作成した(なお、実施例5においては、最外層
および基層部のポリマ種をポリエチレンナフタレートと
した)。最外層の積層厚さ、該最外層含有粒子の平均粒
径d、該最外層の該積層厚さtと含有粒子の平均粒径d
との関係t/d、表面突起数、t/dが0.2〜10の
粒子数が本発明の範囲内であり、かつ、Δn、F−5値
が本発明の範囲内である場合には、いずれも優れたRF
出力、良好な走行耐久性が得られたが(実施例2〜
5)、いずれかの特性が本発明の範囲外である場合に
は、RF出力、走行耐久性の両方を共に満足させること
はできなかった(比較例1〜6)。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明の二軸配向積層フイルムによれ
ば、少なくとも3層以上の積層構造の少なくとも片面側
の最外層に、特定の粒子平均粒径と最外層の層厚さとの
関係を満たすように粒子を含有させ、表面突起数あるい
は該関係を満たす粒径の粒子数を特定の範囲とするとと
もに、軸配向係数Δn、F−5値を特定の範囲としたの
で、積層フイルムの表面に削れにくいかつ所望の突起を
効率よく形成して望ましい表面形態にすることができ、
良好な走行耐久性を得ることができるとともに、磁気磁
気テープとしたときにも十分な強度を得ることができ、
優れたRF出力を得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 67:00 B29L 7:00 9:00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3層以上の積層構造からなる
    二軸配向積層フイルムにおいて、その少なくとも片面側
    の最外層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径d(nm)
    と該最外層の層厚さt(nm)との関係が 0.2d≦t≦10d であり、該最外層側のフイルム表面の高さ20nm以上
    突起個数が3×103 〜2×105 個/mm2 であ
    り、かつ軸配向係数Δnが+10以上、フイルム長手方
    向のF−5値が12kg/mm2 以上であることを特徴
    とする二軸配向積層フイルム。
  2. 【請求項2】 少なくとも3層以上の積層構造からなる
    二軸配向積層フイルムにおいて、その少なくとも片面側
    の最外層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径d(nm)
    と該最外層の層厚さt(nm)との関係が 0.2d≦t≦10d であり、該式の関係を満たす粒径の粒子数が3×103
    〜1.5×105 個/mm2 であり、かつ軸配向係数Δ
    nが+10以上、フイルム長手方向のF−5値が12k
    g/mm2 以上であることを特徴とする二軸配向積層フ
    イルム。
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