JPH05338023A - 二軸配向ポリエステルフイルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフイルム

Info

Publication number
JPH05338023A
JPH05338023A JP17598892A JP17598892A JPH05338023A JP H05338023 A JPH05338023 A JP H05338023A JP 17598892 A JP17598892 A JP 17598892A JP 17598892 A JP17598892 A JP 17598892A JP H05338023 A JPH05338023 A JP H05338023A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
film
particles
biaxially oriented
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17598892A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Abe
晃一 阿部
Katsuya Okamoto
克哉 岡本
Shoji Nakajima
彰二 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP17598892A priority Critical patent/JPH05338023A/ja
Publication of JPH05338023A publication Critical patent/JPH05338023A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気記録媒体とした場合の優れた画質(S/
N)を確保しつつ、カールしにくい磁気記録媒体を製造
できる二軸配向ポリエステルフイルムを提供する。 【構成】 粒子を含有するポリエステル組成物Aをポリ
エステル組成物Bの少なくとも片面に積層してなるフイ
ルムであって、ポリエステルA層含有粒子の平均粒径d
とポリエステルA層の厚さtとの比t/dが、0.1≦
t/d≦10を満たし、フイルム長手方向、幅方向の湿
度膨張係数が、いずれも0〜7×10-6/%RHであ
り、かつ、フイルム長手方向と幅方向の湿度膨張係数の
差が4×10-6%RH以下である二軸配向ポリエステル
フイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸配向ポリエステル
フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】二軸配向ポリエステルフイルムとして
は、ポリエステルにコロイド状シリカに起因する実質的
に球形のシリカ粒子を含有せしめたフイルムが知られて
いる(たとえば特開昭59−171623号公報)。
【0003】しかし、フイルムの加工工程、特に磁気媒
体用途における磁性層塗布・カレンダー及び巻取、カセ
ット組み込み工程などの工程速度の増大に伴い、接触す
るロールやガイドでフイルム表面、とくに微小凹凸を有
するフイルム表面が傷つきやすく、粒子も脱落しやすい
という欠点があった。
【0004】上記のような欠点を改良するため、積層フ
イルムの最外層を薄層とし、該層厚さに対し比較的粒径
の大きな粒子を含有させ、該層厚さと粒子の粒径を特定
の関係にすることにより、フイルム表面に削り取られに
くい微小突起を形成するようにした二軸配向積層フイル
ムが提案されている(特開平2−77431号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
2−77431号公報に提案されている二軸配向ポリエ
ステルフイルムを支持体として用いた磁気記録媒体を、
ハイビジョン用などの高密度磁気記録媒体として使用す
る場合、磁気記録媒体がカールしやすく、磁気ヘッドへ
の接触状態が不良になりやすいことが問題となってきて
いる。
【0006】本発明は、特開平2−77431号公報提
案の技術をさらに改良するもので、このフイルムを用い
た磁気記録媒体が本来有している優れた画質(S/N)
を維持したまま、カールしにくい磁気記録媒体を製造で
きる二軸配向ポリエステルフイルムを提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
二軸配向ポリエステルフイルムは、粒子を含有するポリ
エステル組成物Aをポリエステル組成物Bの少なくとも
片面に積層してなるフイルムであって、ポリエステルA
に含有する粒子の平均粒径dとポリエステルA層の厚さ
tとの比t/dが次式を満たし、 0.1≦t/d≦10 フイルム長手方向、幅方向の湿度膨張係数が、いずれも
0〜7×10-6/%RHであり、かつ、フイルム長手方
向と幅方向の湿度膨張係数の差が4×10-6%RH以下
であるものから成る。
【0008】まず、本発明のフイルムは、ポリエステル
組成物AからなるポリエステルA層とポリエステル組成
物BからなるポリエステルB層との少なくとも2層以上
の積層構造である必要がある。2層以上であれば、3層
でも4層でもかまわない。しかし、単層のフイルムでは
本発明で目標とする特性を満足することはできない。
【0009】次に、本発明のフイルムは、これを構成す
る上記各層の少なくとも一層が二軸に配向している必要
がある。2層以上の積層構造の内、全部の層が二軸に配
向していると特に好ましい。全ての層が無配向や一軸配
向では本発明の特性を満足することはできない。
【0010】本発明の二軸配向ポリエステルフイルムを
構成するポリエステルとしては特に限定されないが、エ
チレンテレフタレート、エチレンα,β−ビス(2−ク
ロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレー
ト、エチレン2,6─ナフタレート単位から選ばれた少
なくとも一種の構造単位を主要構成成分とする場合に特
に好ましい。中でもエチレンテレフタレート又はエチレ
ン2,6─ナフタレートを主要構成成分とするポリエス
テルの場合が特に好ましい。なお、本発明を阻害しない
範囲内で、2種以上のポリエステルを混合しても良い
し、共重合ポリマを用いても良い。
【0011】本発明の二軸配向ポリエステルフイルムの
ポリエステルA層には、平均粒径dとポリエステルA層
の厚さtとの比t/dが次式を満たす粒子が含有され
る。 0.1≦t/d≦10 t/dが0.1よりも小さいと、ポリマの粒子保持力が
小さくなり、粒子が脱落し易くなり、t/dが10より
も大きいと、表面突起が不揃いになってやはり粒子脱落
性が不良となる。式を満たすことにより、高さの揃っ
た、粒子が脱落しにくい表面微小突起が形成され、耐ス
クラッチ性、走行性等に優れたフイルム表面特性が得ら
れる。そして、本発明の二軸配向ポリエステルフイルム
を用いた磁気記録媒体においては、優れた画質(S/
N)が得られる。
【0012】上記式の範囲を満足する粒子により、最
外層のフイルム表面には微小突起が効率よく形成される
が、その突起個数は、本発明の二軸配向積層フイルムで
は3×103 〜1×106 個/mm2 の範囲とすること
が好ましい。この範囲とすることにより、特に磁気記録
媒体用として使用した場合に、望ましい耐スクラッチ
性、走行性等が得られる。
【0013】フイルム表面の突起個数が上記範囲よりも
少ないと、摩擦係数が高くなって、良好な走行性が得ら
れないとともに、良好な耐スクラッチ性が得られない。
逆に突起個数が上記範囲よりも多いと、粒子が脱落し易
くなり、粒子脱落性が不良となる。
【0014】また、ポリエステルA層には、上記式の関
係を満たす粒径の粒子数が3×103 〜2×106 個/
mm2 の範囲になるように含有されることが好ましい。
このような含有粒子数の範囲とすることにより、上記同
様、特に磁気記録媒体用として使用した場合に、望まし
い耐スクラッチ性、走行性等が得られる。
【0015】ポリエステルA層含有粒子の、前記式を満
たす粒径の粒子数が前記範囲よりも少ないと、やはり摩
擦係数が高くなって、良好な走行性が得られず、かつ良
好な耐スクラッチ性が得られない。前記範囲よりも多い
と、粒子が脱落し易くなって粒子脱落性が不良となる。
【0016】そして、本発明の二軸配向ポリエステルフ
イルムにおいては、フイルム長手方向、幅方向の湿度膨
張係数が、いずれも0〜7×10-6/%RHであり、か
つ、フイルム長手方向と幅方向の湿度膨張係数の差が4
×10-6%RH以下とされる。フイルム長手方向と幅方
向の湿度膨張係数、およびそれらの湿度膨張係数の差を
このような範囲にすることにより、特に、磁気テープの
キュア時のフイルムの動きがスムーズになり、カール戻
し効果が大きくなる。したがって、本発明の二軸配向ポ
リエステルフイルムを用いた磁気記録媒体を、極めてカ
ールしにくいものとできる。
【0017】なお、本発明のフイルム中には、本発明の
目的を阻害しない範囲内で、異種ポリマをブレンドして
もよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸
収剤などの有機添加剤が通常添加される程度添加されて
いてもよい。
【0018】次に本発明の二軸配向ポリエステルフイル
ムの製造方法について説明する。まず、ポリエステルに
粒子を含有せしめる方法としては、例えばジオール成分
であるエチレングリコールに粒子を所定割合にてスラリ
ーの形で分散せしめ、このエチレングリコールを所定の
ジカルボン酸成分と重合せしめる方法が好ましい。粒子
を添加する際には、例えば、粒子を合成時に得られる水
ゾルやアルコールゾルを一旦乾燥させることなく添加す
ると粒子の分散性が非常によく、高速削れ性、電磁変換
特性を共に良好とすることができる。また粒子の水スラ
リーを直接所定のポリエステルペレットと混合し、ベン
ト方式の2軸混練押出機に供給しポリエステルに練り込
む方法も本発明の効果をより一層良好とするのに非常に
有効である。粒子の含有量、個数を調節する方法として
は、上記方法で高濃度の粒子マスターを作っておき、そ
れを製膜時に粒子を実質的に含有しないポリエステルで
希釈して粒子の含有量を調節する方法が有効である。こ
こで、積層ポリエステルフイルムを構成する表層側の原
料の固有粘度を基層側のそれよりも高くし、かつポリエ
ステル中に含有されるジエチレングリコール量を1.5
重量%以下に抑えることが好ましい。
【0019】次にこのポリエステルのペレットを用いて
2層以上の積層構造をもったポリエステルフイルムとす
る。上記の方法にて得られたポリエステルのペレットを
所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用
押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出
し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸
フイルムを作る。すなわち、2台以上の押出機、2層以
上のマニホールドまたは合流ブロック(例えば角型合流
部を有する合流ブロック)を用いて、外層を構成するフ
イルム層、基層を構成するフイルム層を積層し、口金か
ら2層以上のシートを押し出し、キャスティングロール
で冷却して未延伸フイルムを作る。この場合、ポリマ流
路にスタティックミキサー、ギヤポンプを設置する方法
は有効である。また、表層積層部側のポリマーを押出す
押出機の溶融温度を基層部側より5〜10℃低くするこ
とが、有効である。
【0020】次にこの未延伸フイルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を2段階以上に分けて、総縦
延伸倍率を5〜7倍で行なう方法は本発明の湿度膨張係
数を得るのに有効である。長手方向延伸温度はポリエス
テルの種類によって異なり一概には言えないが、通常、
その1段目を50〜100℃の範囲とするのが本発明の
湿度膨張係数を得るのに有効である。また、長手方向延
伸速度は30000〜50000%/分の範囲が好適で
ある。幅方向の延伸方法としてはステンタを用いる方法
が一般的である。延伸倍率は、4〜5倍の範囲で、延伸
速度は、1000〜20000%/分、温度は80〜1
60℃の範囲が好適である。また、一旦二軸延伸された
フイルムを長手方向、幅方向の順に、1.3〜1.8倍
延伸する方法が、本発明の湿度膨張係数、長手方向と幅
方向の湿度膨張係数の差を得るのに有効である。次にこ
の延伸フイルムを熱処理する。この場合の熱処理温度は
170〜200℃、特に170〜190℃、時間は0.
5〜60秒の範囲が好適であり、さらに、キャスティン
グドラムに接した面のフイルム温度をその反対面の温度
よりも5〜25℃低くすることは磁気記録媒体のカール
を一層小さくするのに有効である。
【0021】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は
次の通りである。 (1)粒子の平均粒径、粒子数 フイルムからポリマをプラズマ低温灰化処理法で除去
し、粒子を露出させる。処理条件はポリマは灰化される
が粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。その
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子画像
をイメージアナライザーで処理する。SEMの倍率はお
よそ2000〜10000倍、また、1回の測定での視
野は1辺がおよそ10〜50μmから適宜選択する。観
察箇所をかえて粒子数5000個以上で、粒径とその体
積分率から、次式で体積平均径dを得る。 d=Σdi ・Nvi ここでdi は粒径、Nvi はその体積分率である。粒子
数は、積層厚みと平均粒径の関係を満たすものについ
て、体積分率から求め、mm2 あたりに換算する。粒子
が有機粒子等で、プラズマ低温灰化処理法で大幅にダメ
ージを受ける場合には、以下の方法を用いてもよい。フ
イルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、30
00〜100000倍で観察する。TEMの切片厚さは
約1000Åとし、場所を変えて500視野以上測定
し、上記の式から体積平均径dを求める。
【0022】(2)積層ポリエステル層の厚さ(最外層
の厚さ:t) 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフイルム中の粒子の内もっと
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層では表
面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざかる
につれて粒子濃度は高くなる。本発明フイルムの場合は
一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この
濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2と
なる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深い)を
求め、これを積層厚さとした。条件は次の通り。 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA 社製 A-DIDA3000 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域 :400μm□ 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :6.0×10-9Torr E−GUN :0.5KV−3.0A なお、表層から深さ3000nmの範囲にもっとも多く含
有する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定
が難しいので、表面からエッチングしながらXPS(X
線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様
のデプスプロファイルを測定し積層厚さを求めても良い
し、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変
化状態やポリマの違いによるコントラストの差から界面
を認識し積層厚さを求めることもできる。さらには積層
ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚さを求
めることもできる。
【0023】(3)フイルム表面の突起個数、突起高さ 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、エリ
オニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリ
オニクス(株)製]においてフイルム表面の平坦面の高
さを0として走査したときの突起の高さ測定値を画像処
理装置[IBAS2000、カールツァイス(株)製]に送
り、画像処理装置上にフイルム表面突起画像を再構築す
る。次に、この表面突起画像で突起部分を2値化して得
られた個々の突起部分の中で最も高い値をその突起の高
さとし、これを個々の突起について求める。この測定を
場所をかえて500回繰返し、20nm以上の高さのも
のを突起とし、突起個数を求め、測定された突起につい
てその高さの平均値を平均高さとした。また走査型電子
顕微鏡の倍率は、1000〜8000倍の間を選択する。なお、
場合によっては、高精度光干渉式3次元表面解析装置
(WYKO社製TOPO−3D、対物レンズ:40〜2
00倍、高解像度カメラ使用が有効)を用いて得られる
高さ情報を上記SEMの値に読み替えて用いてもよい。
【0024】(4)湿度膨張係数 10mm幅にフイルムを切り出し、恒温恒湿槽(大栄化
学製:PKL−50D)にセットされた定荷重伸び量試
験機(日本自動制御(株))のチャック間(距離L=1
50mm)にフイルムを把持し、20℃で湿度5%RH
から85%RHに変化させた時の寸法変化量ΔLから下
記式を使って求めた。ただし、L=150mm、ΔH=
85−5=80%RHである。 湿度膨張係数=(ΔL/L)/ΔH
【0025】(5)画質(クロマS/N)(後述の表1
における特性1) フイルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cm でカレン
ダー処理した後、70℃、48時間キュアリングする。
上記テープ原反を1/2インチにスリットし、長さ25
0mの長さをVTRカセットに組み込みVTRカセット
テープとした。 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄(BET値50m2 /g) :100 重量部 ・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体) :10重量部 ・ニッポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレタンエラストマ):10重量部 ・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネ―ト) :5重量部 ・レシチン :1重量部 ・メチルエチルケトン :75重量部 ・メチルイソブチルケトン :75重量部 ・トルエン :75重量部 ・カーボンブラック :2重量部 ・ラウリン酸 :1.5 重量部 このテ―プに家庭用VTRを用いてシバソク製のテレビ
試験波形発生器(TG7/U706 )により100 %クロマ
信号を記録し、その再生信号からシバソク製カラービデ
オノイズ測定器(925 D/1)でクロマS/Nを測定し
た。
【0026】(6)磁気記録媒体とした時のカール(後
述の表1における特性2) 下記方法にしたがって磁気テープを作成し、長さ10c
mに切り出したテープをカールの凸面を下にして平滑な
ガラス板上に静置し、万能投影機で長手方向から観察
し、ガラス板からの距離を両端部について測定し、平均
値を幅方向のカール量とした。このカール量が2mm以
下の場合はカール良好、2mmを越える場合は不良とし
た。幅方向のカールが2mmを越えると磁気ヘッドとの
接触性が極端に悪くなる。 (磁気テープの作成方法)得られたフイルムに、磁性塗
料をグラビヤロールにより塗布する。磁性塗料の組成は
次のようにして調節した。ただし、ステアリン酸の量を
変えて磁性面の摩擦係数を調節した。 ・Fe 100部 平均粒子サイズ 長さ :0.3μm 針状比:10/1 抗磁力 2000 Oe ・ポリウレタン樹脂 15部 ・塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体 5部 ・ニトロセルロール樹脂 5部 ・酸化アルミ粉末 3部 平均粒径 :0.3μm ・カーボンブラック 1部 ・レシチン 2部 ・メチルエチルケトン 100部 ・メチルイソブチルケトン 100部 ・トルエン 100部 ・ステアリン酸 2部 上記組成物をボールミルで48時間混合分散した後、硬
化剤6部を添加して得られた混練物をフィルターでろ過
して磁性塗布液を準備し、上記フイルム上に塗布、磁場
配向させ、110℃で乾燥し(ここまでの工程張力は1
0kg/m)、さらにカレンダー装置(スチールロール/ナ
イロンロール、5段)で、温度70℃、線圧200kg/c
m 、工程張力7kg/mでカレンダー処理した後、ロール状
に巻取って70℃で24時間キュアリングし、幅1mの
磁気記録テープ原反を得た。この原反をマイクロスリッ
ターで、幅1/2インチのテープにスリットし、磁気テ
ープを作成した。
【0027】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明の実施態様を説
明する。 実施例1〜5、比較例1〜4 粒径の異なるいくつかの種類の粒子をエチレングリコー
ルにスラリーの形で分散せしめ、テレフタル酸ジメチル
とエステル交換反応後、重縮合し、該粒子を所定量含有
するポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記す
る)のチップを作った。また、常法によって、実質的に
不活性粒子を含有しないPETを製造し、これらのポリ
マを適宜混合して、表1に示した組み合わせとし、18
0℃で3時間減圧乾燥(3Torr)し、2台の押出機
に供給し290℃で溶融し、これらのポリマを、2また
は3層用の矩形の合流ブロック(フィードブロック)で
合流積層し、静電印加キャスト法を用いて表面温度30
℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて冷却固化し、
2〜3層構造の未延伸フイルムを作った。実施例4、比
較例3はA/B/A層からなる3層構造、それ以外はA
/Bの2層構造とした。B層は全て平均径が0.2μm
の球形シリカを0.4重量%含有するPETを用いた。
この時、それぞれの押出機の吐出量を調節してポリエス
テルA層の厚さを変更した。この未延伸フイルムをキャ
スティング・ドラムに接した面が上になるように延伸機
に導き、温度80℃にて長手方向に4.5倍延伸した。
この延伸は2組のロールの周速差で行った。この一軸延
伸フイルムをステンタを用いて延伸速度4000%/分
で100℃で幅方向に4.0倍延伸し、さらに、温度1
50℃にて、長手方向に1.5倍、幅方向に1.5倍延
伸した後、定長下で、フイルム上面の温度は180℃、
下面は200℃に制御して、5秒間熱処理し、総厚さ
5.5μmの二軸配向積層ポリエステルフイルムを得
た。
【0028】実施例6 粒子をエチレングリコールにスラリーの形で分散せし
め、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸とエステル交換
反応後、重縮合し、該粒子を所定量含有するポリエチレ
ン−2,6−ナフタレートのチップを作った。延伸温度
を長手、幅方向ともに140℃とし、熱処理温度を21
0℃とした以外は、実質的に上記実施例と同じ方法で総
厚さ5.5μmの二軸配向積層ポリエステルフイルムを
得た。
【0029】これらのフイルムのパラメータは表1に示
した通りであり、本発明のパラメータが本発明で特定し
た範囲内である場合には、画質のパラメータであるS/
N比(特性1)とカール(特性2)がともに良好である
が、そうでない場合には目的を達し得ないことがわか
る。
【0030】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明の二軸配向ポリエステルフイルム
によれば、ポリエステルA層の厚さと含有粒子の粒径と
の関係を特定するとともに、フイルム長手方向、幅方向
の湿度膨張係数およびそれらの差を特定の範囲としたの
で、磁気記録媒体としたときの優れた画質(S/N)を
得ることができるとともに、カールしにくい磁気記録媒
体を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 4F 9:00 4F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子を含有するポリエステル組成物Aを
    ポリエステル組成物Bの少なくとも片面に積層してなる
    フイルムであって、ポリエステルAに含有する粒子の平
    均粒径dとポリエステルA層の厚さtとの比t/dが次
    式を満たし、 0.1≦t/d≦10 フイルム長手方向、幅方向の湿度膨張係数が、いずれも
    0〜7×10-6/%RHであり、かつ、フイルム長手方
    向と幅方向の湿度膨張係数の差が4×10-6%RH以下
    であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフイル
    ム。
  2. 【請求項2】 前記ポリエステルA層表面の突起数が3
    ×103 〜1×106 個/mm2 の範囲である請求項1
    の二軸配向ポリエステルフイルム。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステルA層中において、式
    を満たす粒子の数が3×103 〜2×106 個/mm2
    の範囲である請求項1の二軸配向ポリエステルフイル
    ム。
  4. 【請求項4】 前記ポリエステルA、Bがエチレンテレ
    フタレートを主成分とするポリエステルである請求項1
    ないし3のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフイ
    ルム。
  5. 【請求項5】 前記ポリエステルA、Bがエチレンナフ
    タレートを主成分とするポリエステルである請求項1な
    いし3のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフイル
    ム。
  6. 【請求項6】 前記ポリエステルAがエチレンテレフタ
    レートを主成分とするポリエステルであり、前記ポリエ
    ステルBがエチレンナフタレートを主成分とするポリエ
    ステルである請求項1ないし3のいずれかに記載の二軸
    配向ポリエステルフイルム。
JP17598892A 1992-06-11 1992-06-11 二軸配向ポリエステルフイルム Pending JPH05338023A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17598892A JPH05338023A (ja) 1992-06-11 1992-06-11 二軸配向ポリエステルフイルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17598892A JPH05338023A (ja) 1992-06-11 1992-06-11 二軸配向ポリエステルフイルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05338023A true JPH05338023A (ja) 1993-12-21

Family

ID=16005742

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17598892A Pending JPH05338023A (ja) 1992-06-11 1992-06-11 二軸配向ポリエステルフイルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05338023A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002319122A (ja) * 2001-04-24 2002-10-31 Toray Ind Inc 磁気記録媒体用支持体および磁気記録テープ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002319122A (ja) * 2001-04-24 2002-10-31 Toray Ind Inc 磁気記録媒体用支持体および磁気記録テープ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5266376A (en) Magnetic recording medium
JP2803771B2 (ja) 二軸配向積層フイルム
JP2692320B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフイルム
JPH05338023A (ja) 二軸配向ポリエステルフイルム
JP2705398B2 (ja) 二軸配向積層フイルム
JPH07223288A (ja) 二軸配向積層フィルム
JP2820176B2 (ja) 二軸配向積層フイルム
JP2658680B2 (ja) 二軸配向積層フィルム
JP2803770B2 (ja) 二軸配向積層フイルム
JP2530747B2 (ja) 二軸配向積層ポリエステルフイルム
JP2743695B2 (ja) 二軸配向積層フイルム
JP2803774B2 (ja) 二軸配向積層フイルム
JP2867789B2 (ja) 二軸配向積層フイルム
JP2897554B2 (ja) 二軸配向フィルム
JP2743713B2 (ja) 二軸配向積層フイルム
JP3123665B2 (ja) 二軸配向積層フイルム
JP2803772B2 (ja) 二軸配向積層フイルム
JPH07101025A (ja) 二軸配向ポリエステルフイルム
JPH05298672A (ja) オーディオテープ
JPH08244110A (ja) 二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートフィルムおよびその製造方法
JPH06195689A (ja) 塗布型磁気記録媒体
JPH05269841A (ja) 二軸配向積層フイルム
JPH05298660A (ja) パンケーキ
JPH05318583A (ja) 二軸配向積層フイルム
JPH05318584A (ja) 二軸配向積層フイルム