JPH06195689A - 塗布型磁気記録媒体 - Google Patents

塗布型磁気記録媒体

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JPH06195689A
JPH06195689A JP4358207A JP35820792A JPH06195689A JP H06195689 A JPH06195689 A JP H06195689A JP 4358207 A JP4358207 A JP 4358207A JP 35820792 A JP35820792 A JP 35820792A JP H06195689 A JPH06195689 A JP H06195689A
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JP
Japan
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film
layer
magnetic
particles
recording medium
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JP4358207A
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English (en)
Inventor
Koichi Abe
晃一 阿部
Hidehito Minamizawa
秀仁 南沢
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 支持体フイルムに少なくとも2層の磁性層が
設けられた磁気記録媒体において、支持体フイルムが少
なくとも2層以上の積層構造からなり、磁性面と反対側
の層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径dと該層の厚さ
tとの関係が0.2≦t/d≦5の範囲であることを特
徴とする塗布型磁気記録媒体。 【効果】 ダブルコートの磁気記録媒体にあっても、優
れたドロップアウト特性を満足させることができ、しか
も、支持体フイルムをポリエチレンナフタレートから構
成すれば、薄膜、高弾性率の要求も満足させることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、支持体フイルムに少な
くとも2層の磁性層を設けた塗布型磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】支持体フイルムに磁性層を設けた磁気テ
ープの該支持体フイルムとしては、二軸配向積層フイル
ム、例えばポリエステルにコロイド状シリカに起因する
実質的に球形のシリカ粒子を含有せしめた二軸配向積層
ポリエステルフイルムが知られている(たとえば特開昭
59−171623号公報)。
【0003】しかし、フイルムの加工工程、特に磁気媒
体用途における磁性層塗布・カレンダー及び巻取、カセ
ット組み込み工程などの工程速度の増大に伴い、接触す
るロールやガイドでフイルム表面、とくに微小凹凸を有
するフイルム表面が削り取られやすいという欠点があっ
た。また、磁気テープ等をより薄膜化するため、より高
強度のベースフイルムが求められている。
【0004】上記の耐削れ性に関する欠点を解消するた
め、先に本出願人により、積層フイルムの最外層を薄層
とし、該層厚さに対し比較的粒径の大きな粒子を含有さ
せ、該層厚さと粒子の粒径を特定の関係にすることによ
り、フイルム表面に削り取られにくい微小突起を形成す
るようにした二軸配向積層フイルムが提案されている
(特開平2−77431号公報)。また、より高強度、
高弾性率にする要望を満たすために、ポリエチレンナフ
タレートを主要構成成分とするベースフイルムの開発が
進められつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近、塗布型磁気記録
媒体においては、支持体フイルムに2層以上の磁性層を
設ける、いわゆるダブルコートの開発が活発に行われて
いる(例えば特開平3−173926、4−11761
8号公報)。このようなダブルコートの塗布型磁気記録
媒体にあっては、広い周波数域にわたって、S/Nが高
く、高画質が得られやすい。
【0006】ところが、このようなダブルコートにおい
ては、磁性層を精度良くダブルコートするために塗布時
の位置規制が厳しく要求され、その分、塗布時にフイル
ムがダイコーターに接触しやすくなるおそれがある。フ
イルムがダイコーターに接触すると、その接触面が削れ
てドロップアウトの原因となる。特にポリエチレンナフ
タレートを主要構成成分とするフイルムは削られやす
い。
【0007】本発明は、このような問題点に着目し、い
わゆるダブルコートの塗布型磁気記録媒体において、ド
ロップアウトが生じないようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
塗布型磁気記録媒体は、支持体フイルムに少なくとも2
層の磁性層が設けられた磁気記録媒体において、支持体
フイルムが少なくとも2層以上の積層構造からなり、磁
性面と反対側の層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径d
と該層の厚さtとの関係が0.2≦t/d≦5の範囲で
あるものから成る。
【0009】まず、本発明の塗布型磁気記録媒体におい
ては、磁気記録媒体の支持体フイルムは少なくとも2層
以上の積層構造である必要がある。2層以上であれば、
3層でも4層でもかまわない。しかし、単層のフイルム
では所望の表面形態、つまり削り取られにくい所望の微
小突起を均一に形成した表面形態を得ることができな
い。
【0010】上記2層以上の積層構造は、共押出によっ
て構成される。つまり、所定の厚み比率となるように、
ポリマー合流ブロックまたは口金でポリマーが2層以上
に積層され、シート状に吐出された後フイルムに成形さ
れる。共押出により、磁性面と反対側の面を形成する層
に、所定粒径の粒子を所定密度で効率よく含有させるこ
とができ、その表面に、均一な高さの所望の突起を効率
よく形成することができる。
【0011】次に、本発明の支持体フイルムは、これを
構成する上記各層の少なくとも一層が二軸に配向してい
ることが好ましい。2層以上の積層構造の内、全部の層
が二軸に配向していると特に好ましい。全ての層が無配
向や一軸配向では本発明の特性を満足させにくい。
【0012】本発明の支持体フイルムを構成するポリマ
ーは、ポリエステルであり、該ポリエステルとしては特
に限定されないが、エチレンテレフタレート、エチレン
α,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,
4’−ジカルボキシレート、エチレン2,6─ナフタレ
ート単位から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要
構成成分とするものが挙げられる。中でもエチレン2,
6−ナフタレートを主要構成成分とするポリエチレンナ
フタレートからなる場合、つまり、支持体フイルムが実
質的にポリエチレンナフタレートからなる場合、特に好
ましい。なお、本発明を阻害しない範囲内で、2種以上
のポリエステルを混合しても良いし、共重合ポリマを用
いても良い。
【0013】上記2層以上の積層構造からなる支持体フ
イルムの磁性面と反対側の層に、粒子が、該粒子の平均
粒径dと該最外層の層厚さtとの関係が 0.2≦t/d≦5 になるように含有される。tが0.2dよりも小さいと
目標とする、削り取られにくい表面形態の形成が困難に
なり、tが5dよりも大きいと、表面微小突起形成効果
が小さくなり、テープの良好な走行性が得られない。
【0014】このように上記磁性面と反対側の層に含有
される粒子の平均粒径dと該層の厚さtとの関係を特定
の関係とすることにより、反磁性面に均一な高さの突起
が均一な密度で形成され、該フイルムを磁気記録媒体に
加工する際、ダイコーター等において反磁性面とローラ
ー等との接触が均一になり、削れが生じにくくなってド
ロップアットの問題が解消される。
【0015】また、上記磁性面と反対側の粒子含有層に
含有される粒子としては、とくに限定されないが、架橋
ポリジビニルベンゼン等の架橋有機高分子粒子、コロイ
ダルシリカ、炭酸カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化
アルミニウム等の無機粒子が挙げられる。このような粒
子の中から選ばれた1種類の粒子を用いても、2種類以
上の粒子を併用してもかまわない。また、特に限定され
ないが、粒子の含有量は0.1〜20重量%の場合本発
明の効果を得るのに有効である。
【0016】さらに、上記含有粒子の平均粒径は、特に
限定されないが、0.1〜0.8μmの範囲である場合
本発明の効果を得るのに有効である。
【0017】本発明の支持体フイルムは、ポリエステ
ル、例えばポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテ
レフタレートからなることが好ましく、とくに、ポリエ
チレンナフタレートを主要構成成分とするフイルムであ
ることが好ましい。ポリエチレンナフタレートからなる
フイルムは、一般にポリエチレンテレフタレートを主要
構成成分とするフイルムに比べ高い機械的強度が得られ
るが、本発明フイルムの場合、フイルム幅方向のヤング
率が600kg/mm2 以上とされることが好ましく、
より好ましくは650kg/mm2 以上、更に好ましく
は680kg/mm2 以上とされる。このように高いフ
イルム幅方向ヤング率とすることにより、磁気テープと
したときに高い電磁変換特性が得られる。
【0018】フイルム長手方向のヤング率については、
特に限定されないが、フイルム長手方向のヤング率が
(幅方向のヤング率ー50kg/mm2 )以下である場
合、本発明の効果を得るのに有効である。
【0019】なお、前記最表層における、0.2≦t/
d≦5の関係を満足する粒径の粒子数は、とくに限定さ
れないが、良好なドロップアウト特性を得ることのでき
る望ましい表面形態を得るためには、3000個/mm
2 〜1000万個/mm2 の範囲とすることが好まし
い。
【0020】なお、本発明の支持体フイルム中には、本
発明の目的を阻害しない範囲で、異種ポリマをブレンド
してもよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外
線吸収剤などの有機添加剤が通常添加される程度添加さ
れていてもよい。
【0021】このような支持体フイルムの片面に、少な
くとも2層の磁性層を設けることにより、つまり、いわ
ゆるダブルコートすることにより、本発明の塗布型磁気
記録媒体が形成される。
【0022】本発明の塗布型磁気記録媒体において、少
なくとも2層の磁性層のうち下層の磁性層の膜厚は0.
1〜4.0μm、更には0.3〜3.0μmがよく、よ
り好ましくは0.5〜2.5μmである。上層の磁性層
の膜厚、又は中間層および上層の磁性層の合計膜厚は
1.0μm以下が好ましく、より好ましくは0.5〜
1.0μmである。
【0023】各磁性層には磁性粉を含有せしめうるが、
用いる磁性粉としてはCo含有Fe3 4 をはじめ、γ
−Fe2 3 、Co含有γ−Fe2 3 等の酸化鉄磁性
粉、Fe、Ni、Co、Fe−Ni−Co合金、Fe−
Ni合金、Fe−Al合金、Fe−Al−Ca合金、F
e−Al−Ni合金、Fe−Al−Co合金、Fe−M
n−Zn合金、Fe−Ni−Zn合金、Fe−Al−N
i−Co合金、Fe−Al−Ni−Cr合金、Fe−A
l−Co−Cr合金、Fe−Co−Ni−Cr合金、F
e−Co−Ni−P合金、Co−Ni合金等Fe、N
i、Co等を主成分とするメタル磁性粉等各種の強磁性
粉が挙げられる。
【0024】これらの磁性粉の中から、各磁性層に好適
なものを選択できる。特に、磁性層の下層の少なくとも
一層にFe2+/Fe3+のCo含有酸化鉄を含有すること
により、このCo含有酸化鉄は黒色なのでカーボンブラ
ックを減らせる。ただしこの場合、、磁性面の走行性は
多少悪くなるが、これは上記した支持体裏面の突起特性
により改善される。
【0025】各磁性層中にはまた、潤滑剤(例えばシリ
コーンオイル、グラファイト、二硫化モリブデン、二硫
化タングステン、炭素原子数12〜20の一塩基性脂肪
酸(例えばステアリン酸)や、炭素原子総数13〜40
個の脂肪酸エステル等、研磨剤(例えば溶融アルミ
ナ)、帯電防止剤(例えばカーボンブラック、グラファ
イト)、分散剤(例えば粉レシチン)等を添加してもよ
【0026】また、各磁性層に使用可能な結合剤として
は、平均分子量が約10000〜200000のものが
よく、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロ
ニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ウレタン樹脂、ブ
タジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹
脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロ
ースアセテートブチレート、セルロースダイアセテー
ト、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネ
ート、ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジエン共
重合体、ポリエステル樹脂、各種の合成ゴム系、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フ
ェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系反応樹脂、高
分子量ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマー
の混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネー
トの混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリ
コール/高分子量ジオール/イソシアネートの混合物、
及びこれらの混合物等が例示される。
【0027】これらの結合剤は、−SO3 M、−COO
M、−PO(OM’)2 (但しMは水素又はリチウム、
カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、M’は水素、
リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属又は
炭化水素残基)等の親水性極性基を含有した樹脂である
のがよい。即ち、こうした樹脂は分子内の極性基によっ
て、磁性粉とのなじみが向上し、これによって磁性粉の
分散性を更に良くし、かつ磁性粉の凝集も防止して塗液
安定性を一層向上させることができ、ひいては媒体の耐
久性も向上させ得る。
【0028】こうした結合剤、特に塩化ビニル系共重合
体は塩化ビニルモノマー、スルホン酸、カルボン酸若し
くはリン酸のアルカリ塩を含有した共重合性モノマー及
び必要に応じ他の共重合性モノマーを共重合することに
よって得ることができる。この共重合体はビニル合成に
よるものであるので合成が容易であり、かつ共重合成分
を種々選ぶことができ、共重合体の特性を最適に調製す
ることができる。
【0029】上記したスルホン酸、カルボン酸若しくは
リン酸等の塩の金属はアルカリ金属(特にナトリウム、
カリウム、リチウム)であり、特にカリウムが溶解性、
反応性、収率等の点で好ましい。
【0030】次に本発明における支持体フイルムおよび
塗布型磁気記録媒体の製造方法について説明する。ま
ず、ポリエステルに粒子を含有せしめる方法としては、
例えばジオール成分であるエチレングリコールに粒子を
所定割合にてスラリーの形で分散せしめ、このエチレン
グリコールを所定のジカルボン酸成分と重合せしめる方
法が好ましい。粒子を添加する際には、例えば、粒子を
合成時に得られる水ゾルやアルコールゾルを一旦乾燥さ
せることなく添加すると粒子の分散性が非常によく、高
速削れ性、電磁変換特性を共に良好とすることができ
る。また粒子の水スラリーを直接所定のポリエステルペ
レットと混合し、ベント方式の2軸混練押出機に供給し
ポリエステルに練り込む方法も本発明の効果をより一層
良好とするのに非常に有効である。粒子の含有量、個数
を調節する方法としては、上記方法で高濃度の粒子マス
ターを作っておき、それを製膜時に粒子を実質的に含有
しないポリエステルで希釈して粒子の含有量を調節する
方法が有効である。
【0031】次にこのポリエステルのペレットを用いて
2層以上の積層構造をもったポリエステルフイルムとす
る。上記の方法にて得られたポリエステルのペレットを
所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用
押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出
し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸
フイルムを作る。すなわち、2台以上の押出機、2層以
上のマニホールドまたは合流ブロック(例えば角型合流
部を有する合流ブロック)を用いて260〜330℃の
温度で、粒子を含有するポリエステルが少なくとも片側
の最表層となるように積層し、スリット状口金から溶融
押出し、20〜60℃のキャスティングロール上で冷却
固化せしめて未延伸フイルムを作る。この場合、ポリマ
流路にスタティックミキサー、ギヤポンプを設置する方
法は有効である。また、最表層積層部側のポリマーを押
出す押出機の溶融温度を基層部側より5〜10℃低くす
ることが、有効である。
【0032】次にこの未延伸フイルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸法
を用いた方が好適である。
【0033】長手方向の延伸は、通常用いられるロール
を用いて行なわれるが、予熱、延伸ロールは、テフロ
ン、シリコンなどの非粘着性の材質のロールを用いるこ
とが、フイルム表面の平滑性が良好となり、磁気テープ
としたときの電磁変換特性が向上するので好ましい。延
伸温度は110〜160℃、好ましくは115〜150
℃で、3.5〜7倍延伸する方法を用いる。なお、延伸
は1段でも、2段以上の段階延伸でもかまわない。ただ
し延伸倍率が上記範囲を外れると、延伸むらや破れ等が
発生し良好な特性のフイルムが得られない。
【0034】幅方向の延伸は、公知のテンターを用い
て、100〜160℃の温度で3〜8倍延伸することが
好ましい。延伸温度、延伸倍率がこの範囲より外れると
延伸むらや破れ等が発生し良好な特性のフイルムが得ら
れない。幅方向の延伸倍率を長手方向の延伸倍率より高
くして、幅方向の配向を大きくすることは本発明におけ
る好ましい幅方向ヤング率を得るのに特に有効である。
また、一旦、二軸延伸したフイルムを少なくとも一方
向、特に幅方向に更に延伸しても良い。次に、この延伸
フイルムを熱処理する。熱処理条件としては、定長下で
160〜230℃、好ましくは170〜210℃の範囲
で0.5〜30秒間行なう。
【0035】次に、このフイルムに所定の磁性層を塗布
する。磁性層を塗布する方法は公知の方法で行なうこと
ができ、塗布後の乾燥工程は、温度を90〜120℃と
するのが好ましい。また、カレンダー工程は、ポリアミ
ドまたはポリエステルを弾性ロールに用い、25〜90
℃、特に40〜70℃の温度範囲で行ない、またその時
の工程張力を13kg/m、好ましくは8kg/m以下
にすることが望ましい。その後、所定のテープ幅にスリ
ットして磁気テープを得、それを巻いて本発明の塗布型
磁気記録媒体を得る。
【0036】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明における特性値は次の測定法、評価基準によ
るものである。 (1)積層厚さt 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフイルム中の粒子の内もっと
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層では表
面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざかる
につれて粒子濃度は高くなる。本発明フイルムの場合は
一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この
濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2と
なる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深い)を
求め、これを積層厚さとした。条件は次の通り。 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA 社製 A-DIDA3000 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域 :400μm□ 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :6.0×10-9Torr E−GUN :0.5KV−3.0A なお、表層から深さ3000nmの範囲にもっとも多く含
有する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定
が難しいので、表面からエッチングしながらXPS(X
線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様
のデプスプロファイルを測定し積層厚さを求めても良い
し、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変
化状態やポリマの違いによるコントラストの差から界面
を認識し積層厚さを求めることもできる。さらには積層
ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚さを求
めることもできる。
【0037】(2)平均粒径d、粒子個数 フイルムからポリマをプラズマ灰化処理で除去し、粒子
を露出させる。処理条件はポリマは灰化されるが粒子は
ダメージをうけない条件を選択する。その粒子を走査型
電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子画像をイメージア
ナライザーで処理する。SEMの倍率は、およそ200
0〜100000倍、また、1回の測定視野が1辺およ
そ10〜50μmから適宜選択する。観察箇所を変えて
粒子数5000個以上で粒径とその体積分率から次式で
体積平均径dを得る。 d=Σd1 ・Nv1 ここでd1 は粒径、Nv1 はその粒径の粒子の体積分率
である。粒子個数は、積層厚さと平均粒径の関係を満足
するものについて、体積分立から求め、1mm2 当たり
に換算する。また、上記プラズマ灰化処理法では粒子が
ダメージを受ける場合は、フイルム断面を透過方電子顕
微鏡(TEM)を用い、3000〜100000倍で観
察する。TEMの切片厚さは約1000オングストロー
ムとし、場所を変えて100視野以上測定し、上記の式
から体積平均径dを求める。
【0038】(3)ヤング率 ASTM−D−882にしたがって、インストロン式の
引張試験機を用いて、25℃、65%RHにて測定し
た。
【0039】(4)磁気テープにおけるドロップアウト
評価 フイルムの磁気テープとしての特性を評価するために、
フイルムに磁性塗料をグラビヤロールを用いて塗布す
る。磁性塗料は次のようにして調製した。 (上層用塗料の調製) 強磁性粉末 100部 (組成:Fe:Al=100:5) スルホン酸カリウム含有塩化ビルニ系樹脂 10部 スルホン酸ナトリウム含有ポリウレタン 5部 アルミナ(平均粒径0.2μm) 5部 カーボンブラック 1部 ミリスチン酸 1部 ステアリン酸 1部 ブチルステアレート 1部 メチルエチルケトン 100部 シクロヘキサノン 100部 トルエン 100部 (下層用塗料の調整)上層用処方において(Fe2+/F
3+)を有するCo含有酸化鉄を用いる以外は上層と同様
にして、塗料を調製した。上記組成物をそれぞれボール
ミルで48時間混合分散した後、硬化剤6部を添加して
得られた混練物をそれぞれフィルターで濾過して磁性塗
布液を準備し、上記フイルム上に順次塗布、磁場配向さ
せ、110℃で乾燥し(ここまでの工程張力は10kg/
m)、さらにカレンダー装置(スチールロール/ナイロ
ンロール、5段)で、温度70℃、線圧200kg/cm 、
工程張力7kg/mでカレンダー処理した後、ロール状に巻
取って70℃で24時間キュアリングし、さらに40℃
で72時間エージングして磁気記録テープを得た。この
ようにして得られた磁気テープにVTRを用い、TV試
験信号発生機(シバソク製TG−7/1型)からの信号
を録画させた後、25℃、50%RHで100パス(1
20分×100パス)走行させた。このテープをドロッ
プアウトカウンターを用いて、ドロップアウトの幅が5
μ秒以上で、再生された信号の減衰がマイナス16dB
以上のものをピックアップしてドロップアウトとした。
測定は10巻について行ない、1分間当りに換算したド
ロップアウト個数が10個未満の場合はドロップアウト
良好、10個以上の場合を不良とした。
【0040】(5)S/N 上記(4)項で作製した磁気テープに家庭用VTRを用
いてテレビ試験波形発生器により100%クロマ信号を
記録し、その再生信号からカラービデオノイズ測定器で
クロマS/Nを測定した。
【0041】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明の実施態様を説
明する。 実施例1(表1) 公知の方法により得られたポリエチレン−2,6−ナフ
タレートのペレットに粒径0.35μmのポリジビニル
ベンゼン粒子をベント式二軸混練押出機を用いてペレッ
ト中の粒子含有量が3重量%となるように混合した。こ
の粒子含有ペレットを170℃で6時間真空乾燥しポリ
マAとした。粒子を含有しないポリエチレン−2,6−
ナフタレートのペレットを170℃で6時間真空乾燥し
たもの95重量部と、ポリマA5重量部とを混合しポリ
マBとした。ポリマAを押出機Aに、ポリマBを押出機
Bに供給し295℃で溶融させ、それぞれを高精度濾過
後、合流部が矩形の2層合流ブロックで合流積層して、
スリット幅1mmのフィッシュテール型口金よりシート
状に押出し、静電印加キャスト法により30℃のキャス
ティングドラムに巻き付けて冷却固化し厚さ約140μ
mの未延伸フイルムを得た。この未延伸フイルムをシリ
コン製のロールにより、ロール表面温度130℃にて長
手方向に4.2倍延伸した。この一軸延伸フイルムを公
知のテンターにて雰囲気温度135℃で幅方向に5.0
倍延伸し、180℃の雰囲気温度で1.5秒間熱処理を
行ないついで150℃に加熱された、周速の異なる2本
のロールの間でフイルムを長手方向に弛緩させ厚さ5μ
mの二軸配向積層フイルムを得た。
【0042】次に、得られたフイルムのポリマA面に前
述の如き所定のダブルコートの磁性層(2層の磁性層)
を設けて塗布型磁気記録媒体を作成した。t/dは、好
ましい範囲内であり、得られた塗布型磁気記録媒体は、
優れたドロップアウト特性、S/Nを示した。
【0043】実施例2〜6、比較例1〜4(表1) t/d、磁性層およびフイルムの積層構成等を各種変更
して実施例1と同様に二軸配向積層フイルムを作成した
(但し比較例1は単層フイルム、比較例1、2は単層磁
性層、実施例4、比較例4は3層フイルムで両面が粒子
含有ポリマA層、実施例5、6、比較例3はポリエチレ
ンテレフタレートフイルム)。本発明で特定した範囲、
要件を満足する場合は、いずれも、優れたドロップアウ
ト特性が得られたが(実施例2〜6)、いずれかの条件
が本発明で特定した範囲から外れる場合には(比較例1
〜4)、目標とするドロップアウト特性、S/Nを満足
させることはできなかった。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の塗布型磁気記録媒体において
は、支持体フイルムを2層以上の積層構造からなる、い
わゆるダブルコートの塗布型磁気記録媒体とし、磁性面
と反対側の層の含有粒子の平均粒径と該粒子含有層の厚
さとを特定の関係にコントロールしたので、削り取られ
にくい突起を反磁性面に均一に形成でき、位置規制の厳
しいダブルコートにあっても、優れたドロップアウト特
性を得ることができ、しかも、支持体フイルムをポリエ
チレンナフタレートから構成すれば、薄膜、高弾性率の
要求も満足させることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体フイルムに少なくとも2層の磁性
    層が設けられた磁気記録媒体において、支持体フイルム
    が少なくとも2層以上の積層構造からなり、磁性面と反
    対側の層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径dと該層の
    厚さtとの関係が0.2≦t/d≦5の範囲であること
    を特徴とする塗布型磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記支持体フイルムが実質的にポリエチ
    レンナフタレートからなる請求項1の塗布型磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記磁性面と反対側の層に含有する粒子
    の平均粒径が0.1〜0.8μmである請求項1又は2
    の塗布型磁気記録媒体。
JP4358207A 1992-12-24 1992-12-24 塗布型磁気記録媒体 Pending JPH06195689A (ja)

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