JPH0691751A - 磁気記録媒体用積層ポリエステルフィルム - Google Patents

磁気記録媒体用積層ポリエステルフィルム

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JPH0691751A
JPH0691751A JP4244441A JP24444192A JPH0691751A JP H0691751 A JPH0691751 A JP H0691751A JP 4244441 A JP4244441 A JP 4244441A JP 24444192 A JP24444192 A JP 24444192A JP H0691751 A JPH0691751 A JP H0691751A
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film
particles
thickness
polyester film
laminated
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JP4244441A
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Takeshi Tsuchiya
剛 土屋
Masanobu Tsuchibuchi
正信 土渕
Akira Otonashi
皓 音無
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Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】実質的に粒子を含まない厚さ0.05〜1.0
μmのポリエステルフィルムAが、該ポリエステルフィ
ルムAの厚さより大きな粒子を含有する厚さ3μm以上
のポリエステルフィルムBの少なくとも片面に積層され
ていることを特徴とする磁気記録媒体用積層ポリエステ
ルフィルム。 【効果】本発明の磁気記録媒体用積層ポリエステルフィ
ルムは、高速走行時におけるフィルム表面への傷の発
生、画質の低下防止性能に優れるため、特にビデオテー
プに最適である。また製膜工程内での積層により達成で
きることからコスト面、品質安定性などにおいても有利
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体用ポリエス
テルフィルムに関するものであり、特に耐削れ性、耐ス
クラッチ性などの表面特性に優れ、かつ高温、高湿下で
の摩擦係数が小さく、ダビング時の画質低下が少ない磁
気記録媒体用積層ポリエステルフィルムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体用ポリエステルフィルムと
して、ポリエステルに炭酸カルシウムやコロイダルシリ
カなどの不活性粒子を含有せしめ表面特性を改良したフ
ィルムが知られている(たとえば特開昭59−1716
23号公報)。このようなポリエステルフィルムにおい
ては、含有する粒子により、フィルム表面に突起を形成
し、表面の摩擦係数を下げてハンドリング性、走行特性
などを向上することが可能である。
【0003】しかしながら、上記従来の磁気記録媒体用
ポリエステルフィルムでは、含有する粒子がフィルム表
面にも存在するため、これらの粒子による一部の突起が
削れたり、フィルム表面に傷がつく結果、フィルムの加
工工程、例えば磁性層塗布・カレンダー工程などで接触
するロールが汚れるという問題が顕在化している。この
問題を解決するため、例えば含有する粒子を脱落しにく
くするため界面活性剤あるいは高分子化合物や表面改質
剤などで粒子をあらかじめ表面処理しポリエステルとの
親和性を改良することも試みられているが、その効果は
不十分であり、ロール汚れの解消には至っていない。ま
た、上記従来の磁気記録媒体用フィルムには高温・高湿
下でフィルムを取り扱う時に摩擦係数が高くなり、ハン
ドリング性が不良になるという問題点もあった。
【0004】さらに、磁気記録媒体用ポリエステルフィ
ルムは最近ソフト(製作された映像等の作品をパッケー
ジ媒体に記録固定、複製・増製したもの)用のベースフ
ィルムとして用いられるケースが多く、この場合、上記
従来のポリエステルフィルムをベースとする磁気テープ
では、高速でダビング(記録複写)するときのS/N
(シグナル/ノイズ比、画質のパラメータ)の低下が大
きく画質が悪くなるという問題点が生じている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の問題
点を解決し、表面が削れにくく(以下、耐削れ性とい
う)、傷がつきにくく(以下、耐スクラッチ性とい
う)、高温・高湿下での摩擦係数が小さく、かつダビン
グによる画質(S/N)の低下が少ない(以下、耐ダビ
ング性という)磁気記録媒体用積層ポリエステルフィル
ムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、実質的に粒子
を含まない厚さ0.05〜1.0μmのポリエステルフ
ィルムAが、該ポリエステルフィルムAの厚さより大き
な粒子を含有する厚さ3μm以上のポリエステルフィル
ムBの少なくとも片面に積層されていることを特徴とす
る磁気記録媒体用積層ポリエステルフィルムである。
【0007】本発明を構成するポリエステルは、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レートなどのポリエステルであり、これらにカルボン酸
成分あるいはグリコール成分など共重合成分を含んでい
てもよいし、熱安定剤、改質剤、酸化防止剤などを含ん
でいても何等差し支えない。さらに、積層フィルムを構
成するAおよびBは同一種ポリエステル成分であっても
異種のポリエステル成分であっても差し支えない。特に
ビデオテープ用の二軸配向ポリエステルフィルムにおい
てはポリエステルフィルムA,Bとも同一種のポリエス
テルを主成分とするのが生産性、製造費用の面からも好
適である。さらに、これらのポリエステルは、フィルム
の強度、加工性及び耐スクラッチ性の点から固有粘度が
0.5以上であることが好ましく、さらには0.55以
上が好ましい。
【0008】本発明における積層部のポリエステルフィ
ルムAは実質的に粒子を含まないポリエステルである。
ここにいう実質的に粒子を含まないとは、表面突起を形
成する不活性粒子を全く含まないかあるいはその含有量
が極めて少ないことをいう。当該不活性粒子を含有する
場合であっても、ポリエステルフィルムA中に含有す
る、炭酸カルシウム、シリカ、架橋高分子などの外部粒
子および、カルシウムあるいはリチウムなどを含む残存
触媒塩起因の内部粒子などからなる不活性粒子の総量は
0.1容量%以下とすることが好ましく、さらには0.
05容量%以下とすることが好ましい。粒子の総量が
0.1容量%を越えるポリエステルフィルムが積層され
ると、積層部のポリエステルフィルムAに含まれる粒子
に起因する削れが顕在化し好ましくない。また、当該不
活性粒子の上記量を含有する場合には、その粒子径は
0.05μm以下であることが好ましい。
【0009】本発明における基層部のポリエステルフィ
ルムBは、積層フィルムとした際のフィルム表面への突
起形成に寄与し、表面の摩擦係数を下げて、走行性など
の改良のために必要な粒子を含有するポリエステルであ
り、このため基層部ポリエステルフィルムBにはポリエ
ステルフィルムAの厚さより大きな粒子径をもつ粒子を
含有せしめることが必要である。ポリエステルフィルム
Aの厚さと同じかあるいはそれ以下の粒子径の場合に
は、積層部に前記の突起形成が不十分となる。ポリエス
テルフィルムAの厚さの1.5倍以上の粒子径である
0.08〜1.5μmの不活性粒子を0.05〜1.5
容量%含有せしめることが十分な表面突起を形成できる
ために好ましい。不活性粒子としては炭酸カルシウム、
シリカ、カオリン、アルミナ、硫酸バリウム、酸化チタ
ンなどポリエステルに不溶な微細無機粒子、架橋ポリス
チレンなどの有機粒子、カルシウムあるいはリチウムな
どを含む内部粒子を挙げることができ、これらの各粒子
は単独あるいは併用して用いることができる。また、例
えば粒子径の小さい粒子と大きい粒子の組み合わせ、硬
度の高い粒子と柔らかい粒子の組み合わせなどのように
異なった特徴を有する粒子を組み合わせた混合系も好ま
しく採用することができる。これらの粒子の総量は、前
記の表面突起を十分に形成させるためにはポリエステル
フィルムBに対して0.005容量%含有せしめること
が好ましく、さらには0.05〜1.5容量%、特には
0.2〜1.0容量%含有せしめることが磁気記録媒体
用フィルムとして要求される走行特性、電気特性に必要
な表面突起を形成し、走行性、耐スクラッチ性などを発
揮する点で好ましい。さらに、含有するそれぞれの不活
性粒子の粒径は均一で、粗大粒子を実質的に含まないこ
とが好ましい。これらの好ましい粒子特性を満足する粒
子としては炭酸カルシウム、コロイダルシリカ、架橋有
機粒子、アルミナ、酸化チタンなどの粒子が用いられ
る。炭酸カルシウムは合成法によって製造されたものが
粒径分布が均一であり好ましく、コロイダルシリカはア
ルコキシド法、水ガラス法などで製造された球形なシリ
カ粒子が粒径分布が均一で好ましい。架橋有機粒子とし
ては、例えば架橋ポリスチレンなどの耐熱性に優れた架
橋高分子粒子が好ましい。また、アルミナ、酸化チタン
等の粒子については適当な分散処理等を施し、平均粒径
および粒度分布を適切にコントロールすることによって
用いることができる。また、ポリエステルフィルムBに
含有するこれらの不活性粒子は、特に重合過程での分散
性の改良、フィルム中でのポリエステルとの親和性改良
効果のため、粒子表面を界面活性剤、高分子化合物など
で処理あるいはコーティングして用いることもできる。
【0010】本発明を構成する磁気記録媒体用積層ポリ
エステルフィルムは、ポリエステルフィルムAを厚さ3
μm以上のポリエステルフィルムBの少なくとも片面に
積層したものであり、常法により二軸配向され、積層フ
ィルムの厚みは3〜30μm、好ましくは6〜20μm
の範囲のものが適用される。積層フィルム中のポリエス
テルフィルムAの厚さは0.05〜1.0μmであるこ
とが必要であり、好ましい厚さは0.1〜0.8μmで
ある。ポリエステルフィルムAの厚さが0.05μmに
満たないとポリエステルフィルムBの含有粒子、突起な
どを保護するに不十分であり、逆に1.0μmを越える
とポリエステルフィルムBによって形成される表面突起
の効果が減少し好ましくない。
【0011】本発明を構成する少なくとも片面の積層部
のフィルム表面は、中心線平均表面粗さ(Ra)が6〜
40nmであることが適度な摩擦係数により走行性、耐
削れ性に優れ、かつ良好な画質が得られるため好まし
く、さらには9〜30nmであることが好ましい。
【0012】さらに、本発明の磁気記録媒体用積層ポリ
エステルフィルムには、磁性剤との接着性の改良、帯電
防止などのために、帯電防止剤などの塗布層を設けても
何等差し支えない。
【0013】本発明の磁気記録媒体用積層ポリエステル
フィルムは、上記のごとく厚さ3μm以上のポリエステ
ルフィルムBの少なくとも片面にポリエステルフィルム
Aを共押出することにより積層し製造できる。少なくと
も片面に積層することにより積層面の表面特性の改良が
可能となり、ポリエステルフィルムAを積層した面を加
工工程でのロールなどの接触面、テープの走行面とする
ことで本発明の目的を達成できる。両面にポリエステル
フィルムAを積層した場合はロールとの接触面とテープ
の走行面が異なっていても改良効果が得られるのでさら
に好ましい。共押出により積層しシート状に成形された
後二軸に延伸され、二軸配向積層ポリエステルフィルム
とされる。本発明における共押出による積層とは、ポリ
エステルフィルムA、Bをそれぞれ異なる押出装置で押
出し、口金からシート状に吐出する前にこれらを積層す
ることをいう。この積層はシート状に成形、吐出するた
めの口金内(例えばマニホールド)で行っても良いが、
前述のごとく積層厚みが薄いことから口金に導入する前
のポリマー配管内で行うことが好ましい。特に、ポリマ
ー管内の積層部を矩形に形成しておくと、幅方向に均一
に積層できるので特に好ましい。ポリマー管内矩形積層
部で積層された溶融ポリマーは、口金内マニホールドで
シート幅方向に所定幅まで拡幅され、口金からシート状
に吐出された後二軸に延伸される。したがって、たとえ
二軸配向後の積層フィルムが極薄であっても、ポリマー
管内矩形積層部では、各々のポリマーを比較的大きな厚
みで積層することになるので、容易にかつ精度良く最終
的な積層フィルムの厚みをコントロールできる。2台の
溶融押出機、2層または3層用の合流ブロックあるいは
口金を用いることにより、目的の積層シートを得ること
ができる。合流ブロックを用いる場合は積層部分を前述
のごとく矩形のものとしておくことが本発明の範囲の積
層フィルムを安定して、幅方向に斑なく工業的に生産す
るのに有効である。
【0014】次に、この積層未延伸シートを二軸延伸し
二軸配向せしめる。二軸延伸の方法は同時二軸延伸、逐
次二軸延伸のいずれであってもよいが、長手方向、幅方
向の順に延伸する逐次二軸延伸法の場合がフィルムを安
定して、幅方向に斑なく、工業的に製造するのに有効で
ある。逐次二軸延伸法の場合、長手方向の延伸を2段階
以上、特に3段階以上に分け、40〜150℃の温度範
囲で、かつ、1,000〜5,000%/分の延伸速度
で3〜6倍行う方法が有効である。幅方向の延伸方法と
してはステンタを用いる法が一般的である。延伸温度、
延伸速度は80〜170℃、1,000〜2,000%
/分の範囲が好適である。また、延伸倍率は3〜10倍
が好適である。さらに必要に応じて長手方向、幅方向の
少なくとも1方向に再延伸することもできる。次にこの
フィルムを熱処理する。この場合の熱処理条件として
は、幅方向に弛緩、微延伸、定長下のいずれかの状態
で、140〜250℃の温度範囲において、0.5〜6
0秒間とするのが好適である。
【0015】本発明のフィルムを構成する実質的に粒子
を含まないポリエステルフィルムAは、原料ポリエステ
ルに実質的に粒子を添加せず、かつ実質的に内部粒子を
生成しない通常公知の重合条件を採用することにより達
成できる。
【0016】ポリエステルフィルムBは粒子を含むもの
であるが、その代表的な方法としては、実質的に粒子を
含まないポリエステルに、粒子を含んだポリエステルマ
スターを任意の比率でブレンドして原料とする方法が好
ましく利用できる。例えば、炭酸カルシウム、コロイダ
ルシリカ、架橋有機粒子などの不活性粒子をエチレング
リコールのスラリーとした後、必要に応じてサンドグラ
インダーなどで粉砕処理を行い、さらにスパーデカンタ
ーなどを用いた分級処理および粗大粒子を除去するため
の濾過工程を併用することにより、本発明に好適な粒子
径、粒子径分布の粒子スラリーを準備できる。特に、コ
ロイダルシリカ、架橋有機粒子など粒子の製造段階で実
質的な球形均一粒径に製造可能なものについては、粉砕
処理、分級処理などを省略し直接粒子スラリーを準備で
きる。このスラリーを通常のポリエステル重合工程で添
加し、重合反応を完結することによりポリエステルマス
ターが準備できる。粒子ポリエステルマスター中の粒子
濃度は特に制限されるものではないが1〜5%であると
好都合である。もちろん粒子ポリエステルマスターの調
製は前述の重合時添加法以外にも、例えば実質的に粒子
を含まないポリエステルに粒子径、粒子径分布を調整し
た粒子を直接溶融混練する方法によっても達成できる。
【0017】本発明の特性値は、次の測定方法、評価基
準による。 (1)中心線平均表面粗さ(Ra) JIS−B−0601に従い小坂研究所製触針型表面粗
さ計SE−3FAを用いて、中心線平均表面粗さ(R
a)を測定した。条件は下記の通りであり、20回の測
定の平均値をもって値とした。 ・検出器 :PUDA5 ・縦倍率 :50,000倍 ・カットオフ :0.25mm ・測定長 :4mm ・測定速度 :500μm/秒
【0018】(2)粒子の含有量 ポリエステルを溶解し粒子は溶解しない溶媒を選択し、
粒子を溶媒から遠心分離し、粒子の量を全体重量に対す
る比率(容量%)で算出する。場合によっては赤外分光
法、蛍光X線分析法などの併用も有効である。
【0019】(3)粒子の粒子径 フィルムからポリエステルをプラズマ低温灰化処理法
(例えばヤマト科学製PR−503型)で除去し粒子を
露出させる。処理条件はポリエステルは灰化されるが粒
子はダメージを受けない条件を選択する。これをSEM
(走査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像をイメージ
アナライザー(例えばケンブリッジインスルメント製Q
TM900)に結び、観察箇所を変えて0.03〜5μ
mの円相当径をもつ粒子を1000個以上観察して数値
処理を行い、個々の粒子の円相当径をもとに粒度分布n
(D)を求める。ここでn(D)は円相当径Dの粒子個
数である。これにより、
【0020】
【式1】 となるD50を算出し、これを粒子径とする。
【0021】 (4)積層フィルム中のポリエステルフィルムAの厚さ 二次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、ポリエ
ステルフィルムBの内最も高濃度の粒子に起因する元素
とポリエステルの炭素元素の濃度比率(M* /C)を粒
子濃度とし、ポリエステルフィルムA層の表面から深さ
(厚さ)方向の分析を行う。本発明のフィルムの場合は
深さが深くなるにつれ粒子濃度が上昇し、深さI以上で
濃度が一定値[MI]になる。この濃度分布曲線をもと
に粒子濃度が[MI]/2となる深さII(ここでII
<I)を積層厚さとした。条件は下記の通りである。 測定装置 ドイツ、ATOMIKA 社製 A-DIDA3000 測定条件 一次イオン種 :O2 一次イオン印加電圧:12KV 一次イオン電流 :120nA ラスター領域 :400μm×400μm 分析領域 :120μm×120μm 測定真空度 :1.0×10-8Torr E−GUN :0.4KV−3.0A
【0022】なお、フィルム中に最も多く含有する粒子
が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難しいの
で、表面からエッチングしながらXPS(X線光電子分
光法)、IR(赤外分光法)あるいはコンフォーカル顕
微鏡などで、その粒子濃度のデプスプロフィルを測定
し、上記同様の手法から積層厚みを求めても良い。さら
に、上述の粒子濃度のデプスプロフィルからでなく、フ
ィルムの断面観察あるいは薄膜段差測定器などによって
ポリエステルフィルムAの厚みを求めても良い。
【0023】(5)耐スクラッチ性 フィルムを1/2インチのテープ状にスリットしたもの
をテープ走行試験機を使用して、ガイドピン(表面粗
度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度10
00m/分,走行回数10パス、巻き付け角度60゜、
走行張力20g)。この時、フィルムに入った傷を顕微
鏡で観察し、幅2.5μm以上の傷がテープ幅あたり2
本未満は優、2本以上10本未満は良、10本以上は不
良と判定した。優が望ましいが、良でも実用的には使用
可能である。
【0024】(6)耐ダビング性 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型カレ
ンダー装置(スチロール/ナイロンロール、5段)で温
度70℃、線圧200kg/cmでカレンダー処理後、
70℃で48時間キュアリングする。この原反を1/2
インチにスリットし、パンケーキを作成した。このパン
ケーキをVTRカセットに組み込み、VTRカセットテ
ープとした。 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄(BET値50m2 /g) :100重量部 ・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体) :10重量部 ・ノッポラン2304(日本ウレタン性ポリウレタンエラストマ) :10重量部 ・コトネートL(日本ウレタン性ポリイソシアネート) :5重量部 ・レシチン :1重量部 ・メチルエチルケトン :75重量部 ・メチルイソブチルケトン :75重量部 ・トルエン :75重量部 ・カーボンブラック :2重量部 ・ラウリン酸 :1.5重量部
【0025】このテープを家庭用VTRを用いてシバソ
ク製のテレビ試験波形発生器(TG7/U706)によ
り100%クロマト信号を記録し、その再生信号からシ
バソク製カラーノイズ測定機(925D/1)でクロマ
S/Nを測定し、Aとした。また上記と同じ信号を記録
したマスターテープのパンケーキを磁界転写方式のビデ
オソフト高速プリントシステム(例えばソニーマグネス
ケール(株)製のスプリンター)を用いて、Aを測定し
たのと同じ試料テープ(未記録)のパンケーキへダビン
グした後のテープのクロマS/Nを上記と同様にして測
定し、Bとした。このダビングによるクロマS/Nの低
下(A−B)が3dB未満の場合には優、3dB以上5
dB未満の場合には良、5dB以上は不良と判定した。
優が望ましいが、良でも実用的には使用可能である。
【0026】(7)摩擦係数μk フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行試験機TBT−300型((株)横浜シ
ステム研究所製)を使用し、60℃、80%RH雰囲気
下で走行させ、初期の摩擦係数を下記の式より求めた。 μk=0.733log(T2 /T1
【0027】ここでT1 は入側張力、T2 は出側張力で
ある。ガイド径は6mmφ,ガイド材質はSUS27
(表面粗度0.2S)、巻き付け角度180゜、走行速
度3.3cm/秒である。この測定によって得られたμ
kが0.35以下の場合は摩擦係数が良、0.35を越
える場合は不良と判断した。このμkはフィルムを磁気
記録媒体用に加工する時のハンドリング性を左右する限
界点である。
【0028】(8)耐削れ性 フィルムを1/2インチのテープ状にスリットしたもの
に片刃を垂直に押しあて、さらに0.5mm押し込んだ
状態で20cm走行させる(走行張力500g、走行速
度6.7cm/秒)。この時片刃の先に付着したフィル
ム表面の削れの高さを顕微鏡で読み取り、削れ量とした
(単位はμm)。判定基準は下記の通りであり、ランク
4以上であればカレンダー工程などの加工工程でフィル
ム表面が削れることによる工程上、製品性能上のトラブ
ルがなく良好である。
【0029】
【実施例】本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
【0030】実施例1〜7、比較例1〜6 粒子を添加することなく、重合反応を完結した実質的に
粒子を含まない固有粘度0.63のポリエチレンテレフ
タレートを準備し、積層部ポリエステルフィルムAの原
料とした。次に、スパーデカンターで遠心分級処理した
合成炭酸カルシウム、および実質的に球形の水ガラス法
で合成したコロイダルシリカおよび架橋ポリスチレン粒
子についてそれぞれ10重量%のエチレングリコールス
ラリーを調整し、このスラリーを2μmのフィルターで
濾過後、常法によって準備したビス(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレートあるいはその低重合体に添加し、
引続き減圧下で重合反応を行い、固有粘度0.63、粒
子濃度2容量%のポリエチレンテレフタレートのマスタ
ーチップを得た。これらの粒子含有ポリエステルマスタ
ーおよび実質的に粒子を含まない固有粘度0.63のポ
リエチレンテレフタレートを種類、混合量を変えて混合
し、基層部ポリエステルフィルムBの原料とした。
【0031】これらのポリエステルフィルムA,Bをそ
れぞれ別に180℃で3時間減圧(3Torr)乾燥し
た。基層部ポリエステルフィルムB原料を押出機1に供
給し、一方積層部ポリエステルフィルムA原料を押出機
2に供給し、それぞれ310℃、280℃で溶融した。
これらのポリマーを矩形積層部を備えた合流ブロックで
口金に入る前に合流積層し、静電印加キャスト法を用い
て表面温度45℃のキャスティング・ドラムに巻き付け
て冷却固化し、基層部ポリエステルフィルムBの両面に
ポリエステルフィルムAを積層した3層構造の未延伸フ
ィルムを作った。この時、それぞれの押出機の吐出量を
調節し、総厚さ、積層厚さを調節した。この未延伸フィ
ルムを80℃で長手方向に4.5倍延伸した。この延伸
は2組ずつのロールの周速差で、2段階で行った。この
一軸延伸フィルムをステンタを用いて延伸速度2,00
0%/分で100℃の温度下で幅方向に4.0倍延伸
し、定長下で200℃の温度下5秒間熱処理し積層二軸
配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。この
フィルムの諸物性を評価するとともに、磁性体を塗布し
耐削れ性、耐ダビング性、耐スクラッチ性を評価した。
【0032】得られたフィルムの各パラメーターおよび
フィルム品質は表1に示した通りであり、これらが本発
明の範囲内の場合には、良好な耐スクラッチ性、耐削れ
性などが得られており、そうでない場合には満足しうる
効果が得られなかった。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体用積層ポリエステ
ルフィルムは、高速走行時におけるフィルム表面への傷
の発生、画質の低下防止性能に優れるため、特にビデオ
テープに最適である。また製膜工程内での積層により達
成できることからコスト面、品質安定性などにおいても
有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 B29L 7:00 4F 9:00 4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に粒子を含まない厚さ0.05〜
    1.0μmのポリエステルフィルムAが、該ポリエステ
    ルフィルムAの厚さより大きな粒子を含有する厚さ3μ
    m以上のポリエステルフィルムBの少なくとも片面に積
    層されていることを特徴とする磁気記録媒体用積層ポリ
    エステルフィルム。
JP4244441A 1992-09-14 1992-09-14 磁気記録媒体用積層ポリエステルフィルム Pending JPH0691751A (ja)

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