JPH11216723A - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法

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JPH11216723A
JPH11216723A JP10022075A JP2207598A JPH11216723A JP H11216723 A JPH11216723 A JP H11216723A JP 10022075 A JP10022075 A JP 10022075A JP 2207598 A JP2207598 A JP 2207598A JP H11216723 A JPH11216723 A JP H11216723A
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thermoplastic resin
resin composition
fine particles
particles
silica fine
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Tomokatsu Ura
僚克 浦
Masahiko Kosuge
雅彦 小菅
Hideyori Kurihara
英資 栗原
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Teijin Ltd
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    • B29C48/36Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 疎水化処理されたシリカ微粒子を熱可塑性樹
脂に容易に添加することができ、得られた組成物での粒
子の分散性が良好な熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提
供する。 【解決手段】 ベント式2軸混練押出機にて熱可塑性樹
脂と、表面疎水化処理したシリカ微粒子を水及び/又は
沸点が該熱可塑性樹脂の融点未満である極性有機化合物
と分散剤との混合液に分散させた分散液として添加・混
練することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物
の製造方法に関し、さらに詳しくはベント式2軸混練押
出機にて熱可塑性樹脂とシリカ微粒子を混練して熱可塑
性樹脂組成物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、特にポリエステルは優れ
た物理的、化学的性質を有することから、繊維、フィル
ム、樹脂等として大量に使用されている。一方で、その
ような成形品を得る成形工程あるいは製品自体を取り扱
う際に滑り性不良による作業性、生産性の悪化、製品価
値の低下といったトラブルが生じることが知られてい
る。
【0003】このような問題に対して、熱可塑性樹脂中
に微粒子を存在せしめて成形品の表面に適度の凹凸を付
与し、滑り性を向上させる方法が提案され、該微粒子と
して例えば、シリカ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、
タルク、カオリナイトなどの無機微粒子が採用されてい
る。中でもシリカは、価格、粒度、ハンドリング等の点
で好ましい無機微粒子の一つである。
【0004】シリカをはじめ無機微粒子を添加する場合
には、粗大粒子の混入が間題となる。このような粗大粒
子が存在すると、例えば磁気テープ用フィルムにおいて
は、電磁変換特性を低下させたり、ドロップアウトを引
起こす原因になったりするなど、重要なフィルム品質を
損なうことになる。
【0005】この粗大粒子を除去する方法として、通
常、無機微粒子を熱可塑性樹脂の合成反応時に添加する
場合に、該微粒子をスラリー状態あるいは懸濁状態と
し、粉砕、分級操作を経て添加する方法が用いられる。
【0006】しかし、この方法ではスラリー化、粉砕、
分級操作に多大な費用、作業時間がかかること、この操
作を行ったとしても、熱可塑性樹脂合成反応中に添加さ
れたのち再擬集を起こし、粗大粒子の混入を避けきれな
いことなどの問題が生じる。また、一種のマスターポリ
マーから多品種の付加価値を付与したポリマーを製造す
るときにも、微粒子を重合反応時に添加していたので
は、その銘柄の切替により大量のロスを生じる。
【0007】そのため、粒子を媒体に分散させた液状ス
ラリーを添加する方法(特開平6−91635号公報)
などが提案されている。
【0008】しかしながら、これらの方法を、粒子表面
上にシラノール基が多数存在する凝集性の高いシリカに
適用した場合、剪断応力が不足した場合には、凝集や粗
大粒子の壊砕不足のため樹脂中の粒子の分散性が悪くな
ってしまい、逆に剪断応力が高すぎた場合には、粒子が
壊砕されすぎてしまい粒子サイズが低下し、本来の目的
である滑り性等を損なってしまう。
【0009】一般的に、粒子表面のシラノール基をマス
クするためには、ケイ素含有有機化合物による疎水化処
理がなされている。
【0010】また、用途によっては、シリカ粒子と熱可
塑性樹脂の間に高い親和性が要求されれるため、粒子表
面を疎水化したシリカ粒子が必要となる場合も多い。
【0011】実際、ケイ素含有有機化合物により表面疎
水化処理したシリカ微粒子は商業ベースで生産されてい
て、さまざまな用途に利用されている。
【0012】しかし、前記提案の方法を用いて、表面を
疎水化処理したシリカ粒子に適用した場合、その表面の
疎水性のため、非極性媒体には容易に分散するが、極性
媒体に分散させることは容易ではない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来採
用されている粒子の添加方法の欠点を改良し、特に易滑
性とフィルム表面の均一性に優れた熱可塑性樹脂フィル
ムを得るために鋭意検討した結果、本発明に到達したも
のである。
【0014】本発明の目的は、疎水化処理されたシリカ
微粒子を熱可塑性樹脂に容易に添加することができ、得
られた組成物での微粒子の分散性が良好な熱可塑性樹脂
組成物の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、ベント式2軸混練押出機にて熱可塑性樹脂と
シリカ微粒子を混練して熱可塑性樹脂組成物を製造する
方法において、該シリカ微粒子が表面をケイ素含有有機
物により疎水化処理したシリカ微粒子であり、これを水
及び/又は沸点が該熱可塑性樹脂の融点未満である極性
有機化合物と分散剤との混合液に分散させた分散液とし
て供給することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造
方法によって達成される。
【0016】本発明における熱可塑性樹脂には、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステルな
どが用いられる。中でもポリエステルが好ましい。
【0017】前記ポリエステルとしては、芳香族ジカル
ボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主たる
グリコール成分とする芳香族ポリエステルが特に好まし
い。
【0018】この芳香族ジカルボン酸としては、テレフ
タル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−
ジフェニルジカルボン酸等を例示することができ、中で
もテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ま
しい。
【0019】また、この脂肪族グリコールとしては、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を例
示することができ、中でもエチレングリコールが好まし
い。
【0020】前記ポリエステルとしては上記の芳香族ジ
カルボン酸成分と脂肪族グリコール成分からなるホモポ
リマーが好ましいが、その特徴が損なわれない範囲で少
量の共重合成分が共重合したコポリマーであることもで
きる。
【0021】この第三成分としては、例えば主たる構成
成分がエチレンテレフタレートである場合、脂肪族ジオ
ール成分としては、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの
ジオール、またカルボン酸成分としては、コハク酸、ア
ジピン酸、セパシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸などの多官能多価カルボン酸
などが例示できる。また、主たる構成成分がエチレンー
2,6−ナフタレートである場合、上記と同じ成分(ただ
し、2,6−ナフタレンジカルボン酸の替わりにテレフタ
ル酸を挙げる)を挙げることができる。
【0022】本発明における熱可塑性樹脂の製造方法
は、従来から知られている方法又は当業界に蓄積されて
いる方法で効率よく製造できる方法であれば特に限定は
されない。その際、必要に応じ触媒や安定剤を用いる事
ができ、また他の添加剤を添加することができる。因み
に、ポリエステルの製造時に用いられる金属系触媒とし
ては、例えばリチウム、ナトリウム、カルシウム、マグ
ネシウム、マンガン、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウ
ム、チタンなどの化合物を、また安定剤としてはリン化
合物などを例示することができる。
【0023】本発明において、シリカ微粒子はケイ素含
有有機物(化合物)で表面が疎水化処理されていること
が必要である。また、表面が該処理を施されているシリ
カ微粒子であれば粒径、製造方法、形状などには特に制
限はされない。
【0024】本発明において、シリカ微粒子の表面上の
SiOH基数Aは少ないほどよく、粒子表面上のSiO
H基数Aを2μmol/m2以下としたシリカ微粒子が
好ましい。特に好ましくは、1.5μmol/m2以下
としたシリカ微粒子である。ここで、A=(粒子表面上
のSiOH基数[μmol/g])/(粒子の比表面積
[g/m2]) である。
【0025】また、粒子表面上のSiOH基数[μmo
l/g]は、かさ高いアミン、例えばトリエチルアミ
ン、を用いて滴定した値である。
【0026】かさ高いアミンは、そのかさ高さゆえ、粒
子内の細孔中のSiOHとは反応しにくいため、粒子間
相互作用の可能なSiOHについての評価が可能であ
る。
【0027】前記ケイ素含有有機物としては、シリカ表
面のシラノール基と結合できる官能基をケイ素末端に持
ちかつ疎水性基を持つケイ素含有有機物であれば、任意
に使用することができる。
【0028】このような化合物としては、アルキルシラ
ン化合物が好ましい。このアルキルシラン化合物として
は、ハロゲノシラン類、アルキルジシラザン類、アルコ
キシシラン類、などを好ましく例示できる。さらに具体
的に説明すると、ハロゲノシラン類としては、モノメチ
ルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチル
クロロシラン等を例示できる。アルキルジシラザン類と
しては、ヘキサメチルジシラザンを例示できる。また、
アルコキシシラン類としては、トリメチルメトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン等を例示できる。これら
の中、取り扱い上の簡便さから、トリメチルメトキシシ
ランが特に好ましい。
【0029】本発明においてシリカ微粒子の熱可塑性樹
脂に対する添加量は0.01〜10重量%(対熱可塑性
樹脂)であり、好ましくは0.01〜5重量%である。
この量が10重量%を超えると、十分な分散性が得られ
ない。また、この分散を促すべく剪断力を増大させる
と、粒子が壊砕されてしまい、粒子サイズが低下してし
まったり、表面疎水化の効果が十分得られない。一方、
0.01重量%未満であると、粒子添加の効果が十分に
発現しない。
【0030】本発明において分散剤としては、極性部分
と非極性部分を同一分子内に持ち、その後の加工工程、
加工製品に悪影響を与えるものであれば、特に限定され
ることなく使用することができる。極性部分と非極性部
分を同一分子内に持つ化合物としては、いわゆる界面活
性剤を例示できる。例えば、アルキルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、アルキルリン酸ナ
トリウム、ポリカルボン酸ナトリウム、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルなどの、一般的に分散剤や界面活
性剤として使用されているものを使用することができ
る。特に、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、コ
ハク酸ナトリウム等のスルホン酸塩化合物及び/又はカ
ルボン酸塩化合物が好ましい。
【0031】前記分散剤の量は、、その後の加工工程、
加工製品に悪影響を与える量でなければ任意に使用する
ことができるが、効果、及び分散液のハンドリングの容
易さの兼ね合いにより決定するほうが経済的にも好まし
い。好ましくは0.01〜100重量%(対シリカ微粒
子)であり、特に好ましくは0.1〜50重量%であ
る。
【0032】この分散剤が0.01重量%未満の場合に
は、疎水化処理したシリカ微粒子を十分に極性有機溶媒
に分散させることはができなくなってしまう。一方、分
散剤が100重量%を超える場合には、混練して得た組
成物の物性が、混練する前の熱可塑性樹脂組成物の物性
と著るしく異なってしまうし、経済的にも好ましくな
い。
【0033】本発明に使用する分散液の媒体としては、
表面疎水化処理したシリカ微粒子を、前述の分散剤共存
下に分散可能な極性有機化合物であればよく、特に限定
されるものではない。例えば、水、沸点200℃以下の液
体等の公知の極性媒体の殆ど全てを使用することができ
る。中でも、水、メタノーノ、エタノール、エチレング
リコール等が経済面、取り扱い性の上から好ましい。ま
た、これらの極性媒体は、必要により混合して使用する
こともできる。水は安全性の面から最も好ましい媒体で
ある。
【0034】本発明において、ベント式2軸混練押出機
に表面処理したシリカ微粒子を含む分散液を供給する方
法は、効率よく、安全に、定量性があり、かつ分散性に
影響を与えなければ特に限定はされない。例えば、ベン
ト式2軸混練押出機において、熱可塑性樹脂が該押出機
に供給された直後に、前記分散液をミルトンポンプ等を
用い、大気圧下に該押出機に供給する方法が好ましく挙
げられる。
【0035】本発明において、ベント式2軸混練押出機
に上記の表面処理を施したシリカ粒子を含む分散液を供
給する方法は、効率よく、安全で、定量性があり、かつ
分散性に影響を与えなければ特に限定はされない。ま
た、ベント式2軸混練押出機及び混練条件については、
効率よく、安全に混練押出しを行うことができれば特に
限定されるものではないが、水および/又は沸点が熱可
塑性樹脂の融点未満の有機化合物を効率良く除去するた
め、ベント孔の少なくとも一つを減圧下に保持すること
が好ましい。その際のベント孔の減圧度は100Tor
r以下に保持する事が好ましく、50Torr以下がよ
り好ましく、30Torr以下が更に好ましい。また、
ベント式2軸混練押出機及び混練条件については、剪断
応力を所望の範囲に制御する必要があるが、これは混練
時の剪断速度領域において熱可塑性樹脂の溶融粘度によ
り制御することが好ましい。この際の熱可塑性樹脂の溶
融粘度は100〜10000Poiseであることが好
ましく、500〜5000Poiseであることがより
好ましい。溶融粘度が小さすぎる場合添加したシリカ粒
子の分散性が不十分となり、一方大きすぎると添加した
シリカ粒子が解砕されてしまい、粒子サイズが低下して
しまう。また、熱可塑性樹脂の種類とフィルム品質との
兼ね合いにより、ベント式2軸混練押出機内のニーディ
ングディスク等の混練用エレメントの数、回転数、温度
等を決定することが好ましい。
【0036】本発明によれば、熱可塑性樹脂中にシリカ
粒子を均一、高濃度に含有させることができる。従っ
て、シリカ粒子を高濃度に分散含有した熱可塑性樹脂組
成物を製造し、該組成物を実質的に粒子を含まない熱可
塑性樹脂で希釈して使用することもできる。さらに、得
られた熱可塑性樹脂組成物中のシリカ粒子は凝集するこ
となく、均一に分散しており、従って、該組成物を延伸
フィルムにした場合には、粗大突起のない均一な凹凸表
面が得られ、易滑性、耐摩耗性に優れたフィルムが得ら
れる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例によって限定されるものではない。なお、実施例に
おける種々の物性および特性の測定方法、定義は以下の
通りである。
【0038】(1)粒子表面上のSiOH基数 シリカ微粒子を、120℃、6h真空乾燥した後、トル
エン溶媒中トリエチルアミンを用いて滴定を行う。
【0039】(2)粒子の平均粒径 粒子の粒径の測定は、次の手法にて行う。
【0040】1)分散液より求める場合 シリカ粒子を媒体に分散させた分散液に、エチレングリ
コールもしくは水を加えて低濃度の溶液とした後、島津
製作所製レーザー解析装置SALD−2000を用い
て、平均粒子径を測定する。
【0041】2)フィルム中粒子からの場合 試料フィルム小片を走査型電子務徴鏡用試料台に固定
し、エイコーエンジニアリング(株)製スバッターリン
グ装置(1B−2型イオンコーター装置)を用いてフイル
ム表面に下記条件にてイオンエッチング処理を施す。
【0042】条件は、シリンダージャー内に試料を設置
し、約5×10-2To r rの真空状態まで其空度を上げ、
電圧0.90kV、電流5mAにて約5分間イオンエッチン
グを実施する。更に同装置にてフイルム表面に金スパッ
ターを施し、走査型電子縮微鏡にて20000〜300
00倍で観察し、1)と同様に面積円相当の平均粒径を
求める。
【0043】(3)分散性 二軸配向フィルムを用い、光学顕微鏡下で、100cm
2 当りの、径が10μm以上の粗大粒子(凝集粒子)
を測定し、下記の判定基準による評価を行う。ただし、
フイルム中のシリカ粒子の濃度は、ポリエステルに対し
て0.06重量%となるように設定する。 [判断基準] ○:100個未満 △:100〜1000個 ×:1000個超
【0044】(4)フィルムの摩擦係数 各実施例で得られたフィルムを、東洋テスター工業製摩
擦係数測定器を用いてて静摩擦係数、動摩擦係数を測定
する。
【0045】(5)フィルムヘーズ 各実施例で得られたフィルムを、日本精密工業株式会社
製POICヘーズメーター SET−HS−D1型を用
いてて表面ヘーズを測定する。
【0046】[実施例1]比表面積300m2/gの湿
式合成非晶質シリカ微粒子を水に分散させ、撹拌下に、
粒子重量に対して4%に相当するトリメチルメトキシシ
ランを滴下した。その後、65℃まで加温し、その温度
にて1時間保持しながら撹拌を行った後放冷した。
【0047】該反応液を減圧蒸留し、続いて2時間真空
乾燥を行い、処理シリカ微粒子を得た。
【0048】この微粒子のSiOH基数を測定した所、
110μmol/gであり、粉体表面上のSiOH基数
Aは0.36μmol/m2であった。
【0049】得られた微粒子、及びコハク酸ナトリウム
を1重量%(対シリカ微粒子)を、メタノールを100
重量%(対シリカ微粒子)に添加し、撹拌を行う。撹拌
を行いながら、水を添加し、10重量%のシリカ粒子を
含む水−メタノール混合分散液を調製した。
【0050】水分0.4重量%を含有する未乾燥ポリエ
チレンテレフタレートチップを振動式定量フイーダより
12kg/hの割合で、ニーディングディスクパドルを
スクリュー構成要素として有するペントタイプ同方向回
転噛合型2軸混練押出機に供給し、同時にミルトン式定
量ポンプを用い組成物中の粒子濃度が0.4重量%とな
るように前述の水−メタノール混合分散液を添加した。
さらに、分散液添加の後振動式定量フイーダより8kg
/hの割合で水分0.4重量%を含有する未乾燥ポリエ
チレンテレフタレートチップを供給した。この際、ベン
ト口の真空度を1mmHgに設定し、シリンダ温度28
5℃にて溶融混練し、押出した。
【0051】得られたシリカ微粒子含有ポリエステル組
成物と粒子を含有しないポリエステルとを用いて、フイ
ルム中の粒子濃度が0.06重量%、厚さ約240μm
の未延伸フイルムを常法により製造したのち、通常の逐
次二軸延伸法により縦方向3.1倍、横方向3.1倍に
延伸して、二軸配向ポリエステルフイルムを作製した。
【0052】この結果は表1に示した。得られたポリエ
ステルフイルム中のシリカ微粒子の分散性は良好で、透
明性の高いフィルムを得ることができた。
【0053】[実施例2〜4]シリカ微粒子の表面処理
を行う際の処理剤の濃度、分散剤とその濃度、を表1に
示すように変える以外は、実施例1と同様に行った。結
果をあわせて表1にまとめて示した。
【0054】[比較例1]表面処理を行わない比表面積
300m2/gの湿式合成非晶質シリカ粒子を、実施例
1と同様の手法で、ベントタイプ同方向回転噛合型2軸
混練押出機を用い、混練、押出しをおこなった。結果を
表1に示した。
【0055】[比較例2]実施例1と同様にして表面処
理したシリカ微粒子とメタノールを100重量%(対シ
リカ粒子)に添加し、撹拌を行う。撹拌を行いながら、
水を添加し、10重量%のシリカ微粒子を含む水−メタ
ノール混合分散液を調整しようとしたところ、該シリカ
微粒子が水層より分離してしまい、分散液を得ることは
できなかった。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、表面が疎水化処理され
たシリカ微粒子を熱可塑性樹脂に容易に添加することが
でき、得られた組成物での粒子の分散性が良好で、高機
能を有する熱可塑性樹脂組成物の製造することができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベント式2軸混練押出機にて熱可塑性樹
    脂とシリカ微粒子を混練して熱可塑性樹脂組成物を製造
    する方法において、該シリカ微粒子が表面をケイ素含有
    有機物により疎水化処理したシリカ微粒子であり、これ
    を水及び/又は沸点が該熱可塑性樹脂の融点未満である
    極性有機化合物と分散剤との混合液に分散させた分散液
    としてベント式2軸混練押出機に供給することを特徴と
    する熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 分散剤がスルホン酸塩化合物及び/又は
    カルボン酸塩化合物である請求項1に記載の熱可塑性樹
    脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 疎水化処理したシリカ微粒子が、粒子表
    面上の単位面積当たりのSiOH基数Aが2μmol/
    2以下の粒子である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組
    成物の製造方法。ただし、A=(粒子表面上のSiOH
    基数[μmol/g])/(粒子の比表面積[g/m2]) である。
  4. 【請求項4】 表面をケイ素含有有機物により疎水化処
    理したシリカ微粒子が、アルキルシラン化合物により表
    面処理したシリカ微粒子である請求項1または3に記載
    の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂がポリエステルである請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の
    製造方法。
JP10022075A 1998-02-03 1998-02-03 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 Pending JPH11216723A (ja)

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