JP2003041125A - 樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いて成る成形物 - Google Patents

樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いて成る成形物

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JP2003041125A JP2001228315A JP2001228315A JP2003041125A JP 2003041125 A JP2003041125 A JP 2003041125A JP 2001228315 A JP2001228315 A JP 2001228315A JP 2001228315 A JP2001228315 A JP 2001228315A JP 2003041125 A JP2003041125 A JP 2003041125A
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Tsukasa Iguchi
司 井口
Toshifumi Kamimura
敏文 上村
Seiji Sawada
誠司 澤田
Nobuyuki Uchida
信幸 内田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂組成物において加工成型時に気泡のよう
な空隙、特にフィルム成型時に発泡やブツ凝集やボイ
ド、粒子脱落等の発生が問題となっており、これらが改
善された樹脂組成物の提供。 【解決手段】 樹脂と無機粒子とを含む樹脂組成物に
おいて、無機粒子の表面張力(γpowder)と樹脂の表面
張力(γpolymer)の関係が|γpowder−γpolymer|≦
10mN/mの関係にあることを特徴とする樹脂組成物
及び当該樹脂から得られる成形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂と無機粒子とを
含む樹脂組成物及び樹脂組成物を用いて成る成型物に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より熱可塑性樹脂、特にポリエステ
ル樹脂は優れた機械的特性や寸法安定性、耐薬品性等の
物理的、化学的性質を有することから、繊維、フィルム
用途、包装用等の分野で大量に利用されている。一方
で、それらの樹脂から成形品を得るに際し、成形工程あ
るいは製品自体を取り扱う際の滑り性不良による作業
性、生産性の悪化あるいは製品価値の低下といったトラ
ブルが生じることが知られている。
【0003】このトラブルに対して、ポリエステル樹脂
中に微粒子を配合せしめて成形品の表面に適度の凹凸を
付与し、滑り性を向上させる方法が提案され、該微粒子
として例えば、シリカ、二酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、アルミナ、タルク、カオリナイトなどの無機粒子が
採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の樹脂組
成物は無機粒子の粒子表面の親水性および粒子形状や粒
径が不揃いであるなどの理由から、樹脂組成物中の無機
粒子が凝集しやすく樹脂への分散不良や濡れ性不良およ
び樹脂の劣化を引き起こし、得られた成形品中に気泡の
ような空隙が生じたり、特に高温高速加工されたフィル
ムに発泡やブツ凝集、ボイド、粒子脱落等が生じるた
め、良好なフィルムが得られないのが現状であった。
【0005】そこで本発明は樹脂組成物中における無機
粒子の凝集がなくIV値(樹脂の極限粘度)低下がない
樹脂組成物の提供を目的とする。また、本発明は樹脂組
成物の加工成型時における気泡のような空隙、特にフィ
ルムにおける発泡やブツ凝集、ボイド、粒子脱落の発生
が改善され、フィルムすべり性の指標となる動摩擦係数
や静摩擦係数またはヘイズや視覚透明度が良好な成型物
の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に対し、無機粒子の表面張力(γpowder)と樹脂の表面
張力(γpolymer)の関係が|γpowder−γpolymer|≦
10mN/mの関係になるように調整することにより無
機粒子の樹脂に対する分散性や濡れ性を向上させ、上記
課題が改善された樹脂組成物が得られることを見出し、
本発明に至った。
【0007】すなわち本発明は、樹脂と無機粒子とを含
む樹脂組成物において、無機粒子の表面張力(γpowde
r)と樹脂の表面張力(γpolymer)の関係が|γpowder
−γpolymer|≦10mN/mの関係にあることを特徴
とする樹脂組成物を提供する。
【0008】また、本発明は、該樹脂組成物から得られ
る成型物を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は一定の表面張力を有する樹脂中に
一定の表面張力を有する無機粒子を分散させる際、樹脂
と無機粒子の表面張力の差が10mN/m以下であるこ
とを特徴とする樹脂組成物である。樹脂の表面張力と無
機粒子の表面張力を同じにするかまたは近づけることに
より樹脂に対する無機粒子の濡れ性を向上させ、無機粒
子同士の凝集や無機粒子と樹脂との密着性不良による無
機粒子周りの空隙の発生を抑えることが出来る。ここで
表面張力については樹脂と無機粒子の表面張力を同じに
することにより樹脂中の無機粒子の分散性が最も良好な
樹脂組成物を得ることが出来るが、必ずしも同値にする
必要はない。すなわち、樹脂と無機粒子の表面張力はそ
の差が10mN/m以下の範囲が適当であり、好ましく
は5mN/m以下の範囲である。表面張力の差が10m
N/m以下の範囲であれば無機粒子と樹脂の濡れ性は良
好な状態を保つことが出来、粒子同士の凝集などを防ぐ
ことが出来る。一方、表面張力の差が10mN/mより
大きくなると無機粒子の樹脂への濡れ性悪化から分散性
が不良となり、フィルム等の成型品として不良な物性を
引き起こすため不適当である。
【0010】無機粒子及び樹脂の表面張力は接触角法
(丸善(株)新実験科学講座18巻「界面とコロイド」
(1977)の93−106項記載の方法)によりジス
マンプロットに基づき算出した臨界表面張力を求め測定
することが出来る。測定は以下の手順に従い行う。固体
表面に既知の表面張力をもつ液体を滴下し滴下直後の固
体表面とのなす角(接触角θ)を実測(協和界面科学
(株)製自動接触角計CA−Xを使用)する。滴下した
液体の表面張力をX軸にCOSθをY軸にプロット(Z
isman Plot)すると右肩下がりの直線が得ら
れる。この直線がY=1(θ=0)となるときの表面張力
を無機粒子及び樹脂の表面張力とする。なお、測定に際
し無機粒子については錠剤状に成型したものを又樹脂に
ついてはフィルム状にしたものを固体表面とし測定に使
用する。
【0011】本発明において無機粒子としてはどのよう
なものでも使用できるが、樹脂組成物をフィルムとし樹
脂中の無機粒子をアンチブロッキング剤として作用させ
る場合は、シリカ、ゼオライト、アルミナまたは酸化鉄
から選ばれる少なくとも一種が好適である。また上記目
的における無機粒子の形状は特に限定されないが、球状
のものが好ましい。ここで、球状とはアスペクト比が
0.5〜1の粒子形状をいう。すなわち、電子顕微鏡観
察による短径と長径の比(短径/長径)が0.5〜1で
あるものをいう。もちろん、滑り性等が良好なフィルム
を得るためには、真球状(短径/長径=1)であること
が最も好ましい。
【0012】また無機粒子の大きさについては、樹脂組
成物をフィルム状成型物として使用する場合は、無機粒
子の平均粒子径は0.03〜30μm(レーザー回折・
散乱式粒度分布測定による体積平均粒径)が好ましく、
特に好ましくは0.5〜10μmである。平均粒子径が
0.03μmより小さい場合は粒子凝集、分散不良が発
生すると共に、例えばフィルム状成形物として使用する
場合などは、アンチブロッキング効果を示す粒径として
は小さすぎるため、フィルムの走行性や耐摩耗性が不十
分であり、30μmより大きい場合は、フィルムの表面
粗さが大きくなりすぎ、透明性の低下、フィッシュアイ
の発生によるフィルムの外観不良となる。
【0013】樹脂と無機粒子の表面張力を調整する方法
としては、無機粒子を表面処理することにより無機粒子
の表面張力を変化させ樹脂の表面張力に合わせる方法が
ある。この表面処理としては従来のあらゆる表面処理剤
と表面処理法を利用することが可能である。処理剤は樹
脂組成物の樹脂の持つ表面張力との関係で選択される。
すなわち、その処理剤を使用したときの表面処理無機粒
子の表面張力と樹脂の表面張力との差が10mN/m以
下となるような処理剤を選択する必要がある。処理剤の
選択に際しては上記所望の表面張力となるような処理剤
であればどのようなものでもかまわないが、ポリエチレ
ンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートを
主成分とした重合体に対して無機粒子の分散性を向上さ
せるには、具体的には炭素数nがn=10〜25好まし
くはn=15〜20のアルキル基を持つ処理剤で表面処
理を行うことができる。このような処理剤として、アル
コールとしては、デシルアルコール、ラウリルアルコー
ル、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステア
リルアルコール、ベヘニルアルコールなど、脂肪酸とし
ては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸など、脂肪酸アミド
としては、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パ
ルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸ア
ミド、ベヘニン酸アミドなど、アミンとしては、デシル
アミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルア
ミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミンなどが挙げら
れる。またセチル基やステアリル基、ベヘニル基などを
分子内に持つ重量平均分子量が2000〜40000の
高分子化合物でもよい。またポリ乳酸に対して無機粒子
の分散性を向上させるには、具体的には炭素数nがn=
1〜15好ましくはn=1〜10のアルキル基を持つ処
理剤で表面処理を行うことができる。このような処理剤
としてはトリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ンなどが挙げられる。表面処理法としては一般的に湿式
処理法または乾式処理法を利用することができる。湿式
処理としては、溶媒中に無機粒子と処理剤を加え、ヘン
シェルミキサー、スーパーミキサー、クレアミックスな
どの高剪断力混合機を用いて均一に混合した後、溶媒を
除去することによって表面処理を行う。例えば、クロロ
ホルムとゼオライト「シルトンJC30」(水澤化学工
業製)とステアリルアルコールを重量比で200対10
0対2の割合で混合した後、クレアミックスで回転速度
6000rpm、処理時間10分の条件で均一に混合
し、最後にクロロホルムを乾燥除去することによってス
テアリルアルコールで処理されたゼオライトを得ること
が出来る。また乾式処理としては無機粒子をマイクロナ
イザー、ジェットミルなどの流体エネルギー粉砕機で粉
砕する際に処理剤を添加することによって行うことがで
き、流体としては、通常は圧縮空気、加熱圧縮空気、ス
チーム等が用いられる。またヘンシェルミキサーなどの
高剪断力混合機の中に直接無機粒子と処理剤を添加し温
度を加えながら混合することによっても乾式で処理を行
うことが出来る。この乾式処理方法では例えば、シリカ
を1時間あたり3Kgの割合でジェットミルにより粉砕
(使用流体:圧縮空気0.3MPa)しながらトリメチ
ロールエタンのエタノール溶液(20重量%)を1時間
あたり0.3kgの割合で添加する事によってトリメチ
ロールエタンによって表面処理されたシリカを得ること
が出来る。また表面処理により無機粒子の表面張力を変
化させるのではなく、無機粒子の母体構造自身を変える
ことにより表面張力を変化させることもできる。この方
法としては例えば、無機粒子を焼成処理する事により無
機粒子表面に存在する水酸基や水分子が除去されるため
表面張力を変化させることができる。また、ゼオライト
などでは粒子中に含有するイオンを異種イオンに交換す
ることにより表面張力を変化させることが出来る。この
イオンとしてはCdイオン、Pbイオン、Hgイオン、
Feイオン、Alイオン、Caイオン、Mgイオン、K
イオン、NH4イオン、Naイオン、リン酸イオン、硝
酸イオンなどが挙げられる。一般に樹脂組成物における
樹脂の選択に際してはその樹脂組成物の加工成型後の用
途が大きく影響し、その用途において引っ張り強度や、
透明性など必要とされる物性は様々であるが、樹脂選択
に際してはそれらの物性を満たす樹脂を選択する必要が
ある。そのため、樹脂と無機粒子の表面張力の差を調整
する場合、無機粒子の表面張力を変化させることが通常
の方法であるが、樹脂が上記用途において必要とされる
物性を満たす限り、樹脂の表面張力を変化させ無機粒子
との表面張力の差を調整しても良い。樹脂の表面張力を
変化させる方法としては以下記載する方法に限定される
ことなく様々な方法があるが、樹脂の平均分子量、分子
量分布、架橋密度または立体規則性などを変化させた
り、共重合体にあっては組成モノマーの組成比を変化さ
せたりする事によって表面張力を変化させることが出来
る。
【0014】本発明において使用する樹脂としては、従
来公知の樹脂であればどんなものでも使用できる。すな
わち、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、スチロール系樹
脂(ポリスチレンなど)、ポリプロピレン、メタクリル
樹脂、ポリ酢酸ビニール、ポリビニルアルコール、セル
ロース系樹脂、ポリイソブチレン、フッ素樹脂、フェノ
ール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレン
スルフィド、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレートなど
が挙げられる。これら従来公知の樹脂の中でも好ましく
はポリエステル樹脂やポリ乳酸樹脂が挙げられる。これ
らの樹脂は優れた機械的特性や寸法安定性などの物理
的、化学的性質を有し、更には環境低負荷型樹脂として
の役割などといった樹脂の特性面からの優位性が強いか
らである。
【0015】本発明で使用するポリエステル樹脂は、テ
レフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカ
ルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸の如きジ
カルボン酸化合物と、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール等の如きジオール化合物とをエステ
ル結合させて得ることのできるポリエステルである。代
表的なものとしてポリエチレンテレフタレートやポリブ
チレンテレフタレートが挙げられる。
【0016】これらのポリエステル樹脂は、複数種のジ
カルボン酸化合物と複数種のジオール化合物とをエステ
ル結合させたものであっても良い。すなわち、前記ポリ
エステル樹脂は1種のジカルボン酸化合物とジオール化
合物からなるホモポリマーでもよいが、2種以上のジオ
ール化合物とジカルボン酸とをエステル結合させたもの
であっても良い。第三成分を共重合したコポリマーであ
ることもできる。この第三成分としては、例えば主たる
構成成分がエチレンテレフタレートである場合、ジエチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキ
レングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
などのジオール化合物、コハク酸、アジピン酸、セパシ
ン酸、フタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸化合
物などが例示できる。代表的なものとして上記モノマー
を複数重合させて得られる共重合体であるイーストマン
ケミカル社製「Easter PETG6763」、
「Easter GN071」、「Easter GN
007」、「EasterDN004」、「Easte
r AN004」が挙げられる。
【0017】本発明で使用するポリ乳酸は生分解性樹脂
の中でも代表的な樹脂である。近年では合成高分子の生
産量増大とともに廃棄高分子の処理方法が大きな社会問
題となっているが、ポリ乳酸はこの問題に対して効果的
な解決手段と期待されている樹脂である。また、ポリ乳
酸は結晶化度が高く疎水性であるため、高透明性で耐湿
性があり堅く、つやがあるのに加えポリエチレンテレフ
タレート樹脂のようににおいを遮断する能力にも優れて
いる。更にポリエチレンやポリプロピレンに比べ、引っ
張り、曲げともに強度、弾性率が高く、伸びの小さな材
料であるため、二軸延伸フィルム、容器やコーティング
等の用途において優れており本発明に使用すれば特に好
適な効果を得ることができる。ポリ乳酸の安全性につい
ては、食品中や体内に存在する乳酸を構成モノマーとし
ており極めて安全性に優れる。中間産物であるオリゴ乳
酸についても変異原生は認められず、静菌・防黴作用が
あり安全性も高い。
【0018】本発明で用いるポリ乳酸は、L−乳酸、D
−乳酸、またはこれらの混合物を脱水縮合して得られる
ものであるが、好ましくは乳酸の環状二量体であるラク
チドを開環重合して得られるものである。ラクチドに
は、L−乳酸の環状二量体であるL−ラクチド、D−乳
酸の環状二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳
酸とが環状二量化したメソ−ラクチド、D−ラクチドと
L−ラクチドの混合物であるDL−ラクチドがあるが、
これらのうち一種以上を開環重合して得られるものであ
る。
【0019】無機粒子と樹脂の配合比についてより具体
的には、本発明の樹脂組成物は、無機粒子と樹脂とを重
量比で0.01/99.99〜80/20の割合で配合
すれば良く、種々の混合機や分散機や混練機を用いて無
機粒子と樹脂とを加熱混練すれば良い。また、本発明の
樹脂組成物は、ペレット状やフレーク状のマスターバッ
チであることが好ましい。
【0020】本発明の樹脂組成物はどのような成型品と
しても使用できるが、好ましくはフィルムとして使用さ
れ、中でも延伸フィルムとして好適である。延伸フィル
ムは、一軸延伸されたものでも二軸延伸されたものであ
っても良いが、無機粒子の脱落等の問題がより顕著に生
じることから、二軸延伸フィルムにおいて特に効果的で
ある。
【0021】このような延伸フィルムは樹脂組成物をシ
ート状に成形し一軸または二軸に延伸する方法により製
造される。ただし樹脂組成物中の無機粒子濃度が大きい
場合は次に示すように適当な濃度となるよう熱可塑性樹
脂で希釈してフィルム成型される。すなわちフィルム中
の無機粒子の含有量(フィルム重量に対しての重量%)
は、0.01〜3重量%、好ましくは0.05〜2重量
%となるようにするのが適当である。無機粒子の含有量
が0.01重量%より少ない場合は、アンチブロッキン
グ効果が得られず、また、3重量%より多い場合はフィ
ルムにフィッシュアイ等が多発し、外観が不良となる。
【0022】フィルムの厚みは、一般的に10〜100
μmである。また、フィルムには、必要に応じて、酸化
防止剤、滑剤等、界面活性剤からなる帯電防止剤や防曇
剤を配合しても良い。
【0023】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明するが、
本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例について説明する。
【0024】[表面張力を調整した無機粒子の作製法] 実施例1〜8、比較例1〜6 表面処理剤による調整法としては、三井鉱山株式会社製
「ヘンシェルミキサー」を用い、表1に基づき所定量の
処理剤と無機粒子を所定の温度で加熱しながら攪拌処理
するホットブレンド法を用いることにより表面張力を調
整した無機粒子を得た。又処理剤がトリメチロールエタ
ンの場合はトリメチロールエタンのメタノール溶液をヘ
ンシェルミキサー中に噴霧しながら加熱攪拌を同時に行
う事によりホットブレンド処理を行った。
【0025】[表面張力の測定方法]無機粒子及び樹脂
の表面張力は先に記載の方法により測定した。
【0026】[樹脂組成物の作製法]表1の混合比に基
づき樹脂と無機粒子とを溶融混練機にて溶融混練(20
0℃(表1中PLA樹脂使用時)240 ℃(表1中P
ETG樹脂使用時)又は300 ℃(表1中PET樹脂
使用時)にて)し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
【0027】得られた樹脂組成物の分散性を評価すると
共に、得られた樹脂組成物を用いて下記の方法に従いフ
ィルムを作成し、その物性等を評価した。結果を表1 に
示す。
【0028】[分散性評価方法]ラボプラストミル単軸
押出機20mm(東洋精機製)の出口に40/80/1
20/500と順次メッシュの細かくなるスクリーンを
装着し、50rpm、押出温度200℃(表1中PLA
樹脂使用時)、240 ℃(表1中PETG樹脂使用
時)、又は300 ℃(表1中PET樹脂使用時)に
て、樹脂組成物を通過させ、通し始めた時の初期圧力
(P1)を求め、前記樹脂組成物を所定量(該樹脂組成
物中に無機粒子を100g含有する量) を通過させた時
の終了圧力(P2)を求める。分散性が不良な無機粒子
は凝集状態として樹脂中に存在し、その凝集度によって
はメッシュを通過することなく、メッシュに目詰まりを
起こさせるため、圧力増加を招く。従って、この圧力差
ΔP=P2−P1が小さい程、表面処理無機粒子の分散
性が良好であることを示す。
【0029】[フィルム製膜方法]得られた樹脂組成物
および樹脂組成物中の樹脂と同種の樹脂とを混合し(こ
の時の混合比は最終成型時のフィルムにおける無機粒子
含有量がフィルム重量に対して1重量%となるようにす
る)、220℃(表1中PLA樹脂使用時)、240℃
(表1中PETG樹脂使用時)、又は300℃(表1中
PET樹脂使用時)で溶融押出し、厚さ200μmのシ
ートを得た。該シートを90℃で同時二軸延伸し、20
μmのフィルムを作成した。フィルムの製膜状態と、得
られたフィルムの平滑性を評価した。
【0030】[フィルムの製膜状態] ◎:全く破断なし。 ○:ほとんど破断なし。 △:ときどき破断する。 ×:頻繁に破断する。
【0031】[フィルムのブツ発生]:目視評価。 ◎:全くブツが無い。 ○:ほとんどブツが無い。 △:若干ブツが生じる。 ×:著しくブツが生じる。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】 本発明により、無機粒子と樹脂の表面
張力の関係をその差が10mN/m以下になるように調
整することで樹脂組成物中における無機粒子の凝集がな
くIV値(樹脂の極限粘度)低下がない樹脂組成物の提
供や樹脂組成物の加工成型時における気泡のような空
隙、特にフィルムにおける発泡やブツ凝集、ボイド、粒
子脱落の発生が改善され、フィルムすべり性の指標とな
る動摩擦係数や静摩擦係数またはヘイズや視覚透明度が
良好な成型物の提供が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/02 C08L 67/02 67/04 67/04 (72)発明者 内田 信幸 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA01 AA43 AB01 AB18 AB26 BA01 BB08 BC01 4J002 AA001 AA011 CF031 CF061 CF181 DE146 DJ006 DJ016 FD016

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂と無機粒子とを含む樹脂組成物にお
    いて、無機粒子の表面張力(γpowder)と樹脂の表面張
    力(γpolymer)の関係が|γpowder−γpolymer|≦1
    0mN/mの関係にあることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 樹脂がジカルボン酸化合物とジオール化
    合物とをエステル結合させてなるポリエステル樹脂であ
    って、前記ジカルボン酸化合物の一部または全部がテレ
    フタル酸であり、前記ジオール化合物の一部または全部
    がエチレングリコールである請求項1記載の樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 樹脂がポリ乳酸である請求項1記載の樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 無機粒子がシリカ、ゼオライト、アルミ
    ナまたは酸化鉄から選ばれる少なくとも一種の無機粒子
    である請求項1ないし3いずれか記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4いずれか記載の樹脂組
    成物から得られる成型物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2788427A4 (en) * 2011-11-29 2015-07-15 Polyone Corp BIOPOLYESTER COMPOSITION WITH GOOD TRANSPARENCY AND SLIDE PROPERTIES
CN106854348A (zh) * 2016-12-19 2017-06-16 巨石集团有限公司 一种聚乳酸增韧改性复合材料及其制备方法
CN112852068A (zh) * 2021-01-07 2021-05-28 台州市天达源科技股份有限公司 一种弹性pvc透明软管及其制备方法

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