JP2007046019A - 熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 容器、包装、生活雑貨の他、自動車部品、電器部品、建築材料等のさまざまな分野に適用可能な、軽量でかつ優れた機械強度を有する熱可塑性樹脂発泡体を提供する。
【解決手段】ポリ乳酸を主成分とする熱可塑性樹脂100質量部と発泡核剤0.1〜50質量部とを含む樹脂組成物から構成され、下記式(1)を満たすことを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体。
K’f/K’p≧ρf/ρp (1)
〔式(1)において、K’fは熱可塑性樹脂発泡体の圧縮弾性率、K’pは樹脂組成物の圧縮弾性率、ρfは熱可塑性樹脂発泡体のかさ密度(g/cm3)、ρpは樹脂組成物の真密度(g/cm3)を表す。〕
【選択図】 なし

Description

本発明は、環境に対する負荷の小さいポリ乳酸と、発泡核剤とを主成分とした熱可塑性樹脂の発泡体及びその製造方法に関する。特に、軽量で、かつ機械物性と耐熱性に優れた環境低負荷性発泡体及びその製造方法に関する。
従来から、熱可塑性樹脂にガスを含浸または溶解させた後脱ガスさせ、熱可塑性樹脂の発泡体を得る技術は幅広く用いられ、得られた発泡体は様々な用途に用いられてきた。
しかし近年、大量に使用され、その後大量に廃棄される熱可塑性樹脂発泡体は、使用時や廃棄時に環境に大きな負荷を与え、地球温暖化問題、資源枯渇問題、廃棄物処理問題など、様々な社会問題の原因となっている。
そこで、環境負荷を低減するための解決策の一つとして、ポリ乳酸などの植物由来の原料から製造される生分解性樹脂を原料とする発泡体が種々提案されている(例えば、特許文献1)。しかし、これらの方法はいずれも、発泡に伴い機械物性が低下するため、機械物性が要求される用途に使用することができなかった。
また、熱可塑性樹脂(生分解性樹脂を含む)と層状珪酸塩からなる樹脂組成物、あるいは合成樹脂(生分解性樹脂を含む)と層状チタン酸からなる樹脂組成物に、超臨界流体等の発泡剤を浸透させた後、脱ガスさせて得られる発泡体が提案されている(特許文献2、3)。さらに、本出願人は、生分解性樹脂と層状珪酸塩からなる樹脂組成物に、超臨界流体等の発泡剤を浸透させた後、脱ガスさせて得られる比較的小さな気泡径を有する発泡体(特許文献4)を提案した。
特許第3311371号公報 特開2004−59725号公報 特開2004−331844号公報 特開2004−292499号公報
しかしながら、特許文献2、3で得られた発泡体においては、発泡による機械物性の低下を避けることができず、耐熱性にも劣るものであった。
また、特許文献4においても、依然として、発泡による機械物性の低下を避けることができないものであった。
本発明は、上記の問題点を解決しようとするものであり、環境に対する負荷の小さい樹脂を原料とした、軽量で、優れた機械物性と耐熱性とを有する発泡体およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリ乳酸を主体とした樹脂と発泡核剤とからなる樹脂組成物を特定の方法で発泡させてなる成形体は、軽量で、機械物性と耐熱性に優れることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、第一に、ポリ乳酸を主成分とする熱可塑性樹脂100質量部と発泡核剤0.1〜50質量部とを含む樹脂組成物から構成され、下記式(1)を満たすことを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体である。
K’f/K’p≧ρf/ρp (1)
〔式(1)において、K’fは熱可塑性樹脂発泡体の圧縮弾性率、K’pは樹脂組成物の圧縮弾性率、ρfは熱可塑性樹脂発泡体のかさ密度(g/cm3)、ρpは樹脂組成物の真密度(g/cm3)を表す。〕
また、要旨の第二は、ポリ乳酸を主成分とする熱可塑性樹脂100質量部と発泡核剤0.1〜50質量部とからなる樹脂組成物にガス及び/又は超臨界流体を加圧下で含浸させる含浸工程と、含浸圧力を開放することにより脱ガスさせて樹脂を発泡させる発泡工程とを有する熱可塑性樹脂発泡体の製造方法であって、発泡工程の前に、樹脂組成物を結晶化させる結晶化工程を含む熱可塑性樹脂発泡体の製造方法である。
本発明によれば、気泡径が微小で、高い独立気泡率、圧縮弾性率比が高く、耐衝撃性、耐熱性に優れた、軽量の環境低負荷性の発泡体を得ることができ、この発泡体は、容器、包装、生活雑貨の他、自動車部品、電器部品、建築材料等のさまざまな用途に使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の発泡体は、ポリ乳酸を主成分とする熱可塑性樹脂と発泡核剤とを含む樹脂組成物から構成され、これを発泡させてなるものである。
この樹脂組成物において、熱可塑性樹脂100質量部中におけるポリ乳酸の含有量は、50質量部以上が好ましく、より好ましくは75質量部以上、特に好ましくは90質量部以上である。ポリ乳酸の含有量が低いと、本発明の目的の一つである環境負荷低減が不十分となる。
ポリ乳酸としては、ポリ(L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、およびこれらの混合物または共重合体もしくは共重合体と混合物の両方を用いることができる。好ましくは、異性体含有量が5%以下のポリ(L−乳酸)またはポリ(D−乳酸)、より好ましくは異性体含有量が2%以下のポリ(L−乳酸)またはポリ(D−乳酸)である。異性体の含有量が多いものは、結晶性が低下する傾向にある。
本発明においては、ポリ乳酸以外の他の重合体を、混合もしくは主成分であるポリ乳酸と共重合して使用してもよい。混合もしくは共重合される重合体は特に限定されないが、融点もしくは軟化点が280℃以下の熱可塑性樹脂であることが好ましい。融点もしくは軟化点が280℃を超えると、加工温度が高くなりすぎてポリ乳酸が分解劣化する傾向が現れる。
ポリ乳酸に混合もしくは共重合される重合体の具体例としては、生分解性の樹脂として、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート−co−ブチレンアジペート)等に代表されるジオールとジカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル、ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(3−ヒドロキシカプロン酸)等のポリヒドロキシカルボン酸、ポリ(ε−カプロラクトン)やポリ(δ−バレロラクトン)に代表されるポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)、さらに芳香族成分を含んでいても生分解性を示すポリ(ブチレンサクシネート−co−ブチレンテレフタレート)やポリ(ブチレンアジペート−co−ブチレンテレフタレート)の他、ポリエステルアミド、ポリエステルカーボネート、澱粉等の多糖類等が挙げられる。
また、非生分解性の樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンなどのビニルポリマー類、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリブタジエン、ブタジエン/スチレン共重合体、アクリルゴム、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/プロピレン/ジエン共重合体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン等のエラストマー又はこれらの無水マレイン酸等による酸変性物、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/フェニルマレイミド共重合体、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアリレートなどが挙げられる。
樹脂組成物の生分解性という側面から、本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂成分の75質量%以上が生分解性樹脂であることが好ましく、より好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは99質量%以上である。
また、植物由来原料を使用することによる環境低負荷性という側面からは、本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂成分のうち、植物由来原料からなる樹脂を75質量%以上使用することが好ましく、90質量%以上の使用がより好ましく、99質量%以上の使用が最も好ましい。植物由来原料からなる樹脂としては、植物から直接得られる高分子量体もしくはその誘導体でもよいし、植物から得られた化合物をそのまま、もしくは変性させた後重合して製造したものでもよい。植物由来原料からなる樹脂の具体例としては、ポリ乳酸のほかに、セルロースおよびその誘導体、デンプンおよびその誘導体、ポリアミド11、天然ゴムおよびその誘導体などが挙げられる。
発泡体を構成する樹脂組成物は、熱可塑性樹脂100質量部に対して発泡核剤が0.1〜50質量部を含んでいる。発泡核剤の量は、好ましくは0.5〜20質量部、より好ましくは1〜10質量部である。発泡核剤が0.1質量部より少ないと、核剤としての効果が小さくなり、気泡が微細になり難いので好ましくない。発泡核剤が50質量部を超えると、樹脂組成物を製造する工程での操業性が悪化するだけでなく、樹脂の発泡が阻害されるため好ましくない。
発泡核剤としては、無機系では、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、層状珪酸塩、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維等が挙げられる。また、有機系では、澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ等の天然に存在するポリマーやこれらの変性品、またソルビトール化合物、安息香酸およびその化合物の金属塩、燐酸エステル金属塩、ロジン化合物等が挙げられる。中でも、ナノレベルの分散により、気泡径が均一化され、結晶化が促進されるため、層状珪酸塩が好適に使用される。
層状珪酸塩の具体例としては、スメクタイト、バーミキュライト、および膨潤性フッ素雲母等が挙げられる。スメクタイトの例としては、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト等が挙げられる。膨潤性フッ素雲母の例としては、Na型フッ素四ケイ素雲母、Na型テニオライト、Li型テニオライト等が挙げられる。また、カネマイト、マカタイト、マガディアイト、ケニアイト等のアルミニウムやマグネシウムを含まない層状珪酸塩を使用することもできる。層状珪酸塩は天然品でも合成品でもよい。合成方法は、溶融法、インターカレーション法、水熱法等、いずれの方法であってもよい。また、これらの層状珪酸塩は単独で使用してもよいし、鉱物の種類、産地、製法、粒径等が異なるものを2種類以上組み合わせて使用してもよい。上記層状珪酸塩の中では、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、膨潤性フッ素雲母が好ましく使用される。特に好ましく使用されるのはモンモリロナイトまたは膨潤性フッ素雲母である。
また、層状珪酸塩は、樹脂組成物中での分散性を向上させるために、あらかじめその層間に有機化合物を挿入させておくことが好ましい。挿入の方法としては、(A)層間に存在する交換性金属イオンを有機カチオンとイオン交換させる方法や、(B)単に層間に有機物を挿入し膨潤させる方法が挙げられる。(A)(B)両法を併用してもよい。なお、交換や挿入のための具体的な手段としては、公知の方法を適宜使用することができる。
前記(A)の方法で使用する有機カチオンとしては、1級ないし3級アミン、アミノカルボン酸などをプロトン化したカチオン、4級アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン等が挙げられる。1級アミンとしては、オクチルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン等が挙げられる。2級アミンとしては、ジオクチルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジオクタデシルアミン等が挙げられる。3級アミンとしては、トリオクチルアミン、ジメチルドデシルアミン、ジドデシルモノメチルアミン等が挙げられる。4級アンモニウムイオンとしては、テトラエチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジヒドロキシエチルメチルオクタデシルアンモニウム、メチルドデシルビス(ポリエチレングリコール)アンモニウム、メチルジエチル(ポリプロピレングリコール)アンモニウム等が挙げられる。さらに、ホスホニウムイオンとしては、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、ヘキサデシルトリブチルホスホニウム、テトラキス(ヒドキシメチル)ホスホニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム等が挙げられる。アミノカルボン酸の例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などが挙げられる。アミノカルボン酸は、対応するラクタムの形で混合し、層間において開環してアミノカルボン酸のカチオンとなって挿入される場合も含まれる。これらのうち、特に好ましいのは、1級ないし3級アミンのカチオン、4級アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンである。これらの化合物は単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記(B)の方法で使用する化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのジオール類、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などのカルボン酸類、乳酸、ラクチド等のヒドロキシカルボン酸類等が挙げられる。
発泡体を構成する樹脂組成物中において、層状珪酸塩は、その層間に樹脂のポリマー分子が挿入され、層間距離が増大した状態で均一に分散していることが好ましい。これにより、気泡径が均一化され、優れた機械強度を有する成形体を得ることができる。具体的な層間距離としては、X線回折法によって測定された値を指標にした場合、2.6nm以上が好ましく、2.8nm以上がより好ましく、3.0nm以上がさらに好ましい。また、最も好ましくは層状珪酸塩が単層に近い状態まで剥離した状態であり、X線回折で層間距離に由来するピークが観測されない状態である。
発泡体を構成する樹脂組成物の単位粘度あたりの溶融張力は、溶融張力測定装置(東洋精機社製キャピログラフ1D型、ダイスのL/D=4、流入角90度、押出し速度10mm/min)を用いて190℃の温度で引き取り、引き取り速度を2m/min2にて速度を増し、破断したときの溶融張力を、溶融粘度測定装置(島津製作所社製フローテスターCFT−500型、ダイスのL/D=10)において、190℃、せん断速度100(1/s)の条件における溶融粘度で割った値にて表示した。この値を用いると、単位粘度当りの溶融張力が評価できる。この値は11mgf/Pa・s以上であることが好ましく、15mgf/Pa・s以上であることがより好ましい。11mgf/Pa・s未満であると、発泡体作製時に気泡が合一したり、破裂したり、気泡形状が不均一になったりするため、機械強度の低下を抑制することが困難になる。上限は特にないが、現実に調製が可能な樹脂組成物は1000mgf/Pa・s以下のものである。
樹脂組成物に上記した好ましい単位粘度あたりの溶融張力を付与する方法としては、層状珪酸塩等の発泡核剤をナノレベルで分散する方法、架橋剤あるいは架橋助剤等を用いて樹脂組成物を架橋する方法、電子線等により樹脂組成物を架橋する方法、高い溶融張力を有する別の樹脂組成物を添加する方法等があるが、中でも架橋剤及び/または架橋助剤等を用いて樹脂組成物を架橋する方法が好ましい。
架橋剤としては、ポリ乳酸樹脂との反応性が高くモノマーが残りにくく、樹脂の着色も少ないことから、分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有するか、又は1個以上の(メタ)アクリル基と1個以上のグリシジル基もしくはビニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物が好ましい。具体的な化合物としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリセロールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、またこれらのアルキレングリコール部が様々な長さのアルキレンの共重合体でもよく、さらにブタンジオールメタクリレート、ブタンジオールアクリレート等が挙げられる。中でも、ポリエチレングリコールジメタクリレートが得に好ましい。好ましい添加量は、熱可塑性樹脂100質量部あたり、0.01〜20質量部である。
架橋助剤としては、分散性が良好な有機過酸化物が好ましく、具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、ビス(ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ブチルビス(ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキシン、ブチルパーオキシクメン等が挙げられる。中でも、ジブチルパーオキサイドが得に好ましい。好ましい添加量は、熱可塑性樹脂100質量部あたり、0.1〜10質量部である。
発泡体を構成する樹脂組成物は、末端封鎖剤により末端カルボキシル基の一部または全部を封鎖することが好ましい。末端カルボキシル基を封鎖する方法としては、重合後の樹脂を再溶融させた時に、付加反応型の末端封鎖剤を添加することが好ましい。付加反応型の末端封鎖剤としてはカルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、アジリジン化合物から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。末端カルボキシル基を封鎖することにより、加水分解による分子量の低下、すなわち機械物性の低下を抑制することが可能となり、良好な耐久性を付与することができる。
発泡体を構成する樹脂組成物には、その特性を大きく損なわない限りにおいて、顔料、染料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、分散剤等を添加することも可能である。熱安定剤や酸化防止剤としては、たとえばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物を使用することができる。
なお、樹脂組成物に上記の熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤等を混合する方法は特に限定されるものではなく、原料樹脂の製造工程、あるいは原料樹脂と発泡核剤とを混合する工程、樹脂組成物にガス及び/又は超臨界流体を含浸させる工程、脱ガスさせて発泡させる工程のいずれの工程においても添加することができる。好ましくは、原料樹脂と発泡核剤とを混合する工程、もしくは原料樹脂を製造する工程において混合される。
本発明の発泡体は、上記樹脂組成物に、ガスもしくは超臨界流体を含浸させた後、脱ガスさせることによって製造される。超臨界流体とは、気体と液体の中間の性質を有するものであり、ガス種類により定まった温度及び圧力(臨界点)以上になると超臨界流体となる。本発明においては、超臨界流体を含浸させる方法が好ましい。ガスの種類は特に限定されず、ブタン、フロン、代替フロン、二酸化炭素、窒素等が挙げられるが、環境への負荷が低い二酸化炭素、窒素が好ましく、超臨界状態を得やすいため二酸化炭素が最も好ましい。
本発明の発泡体の製造方法は、上記樹脂組成物にガス及び/又は超臨界流体を加圧下で含浸させる含浸工程と、含浸圧力を開放させることにより脱ガスさせて樹脂を発泡させる発泡工程とを有し、さらに、発泡工程の前に、熱可塑性樹脂組成物の結晶化を促進するための結晶化工程を有する。具体的には、密閉したオートクレーブ中にガス及び/又は超臨界流体を封入し、一定時間含浸させ、さらに所定の温度にて結晶化を促進させたのち、オートクレーブの圧力を開放して発泡させる方法、あらかじめ結晶化を促進した樹脂組成物を、密閉したオートクレーブ中にガス及び/又は超臨界流体を封入し、一定時間含浸させたのち、オートクレーブの圧力を開放して発泡させる方法、射出成形機のシリンダー途中からガス及び/又は超臨界流体を注入し、金型内で所定の温度で一定時間保持した後、金型の容積を増加させることにより圧力を開放して発泡させる方法等が挙げられる。
含浸工程の温度は特に限定されないが、280℃以下であることが好ましい。280℃を超えると、樹脂組成物が分解劣化する傾向が現れる。
また、樹脂組成物にガス及び/又は超臨界流体を含浸させる際の圧力にも特に制限はないが、ガスが超臨界状態になる圧力以上であることが好ましい。例えば二酸化炭素の場合、35℃、7.5MPaで超臨界状態となるため、35℃以上であれば、7.5MPa以上が好ましく、10MPa以上であることがより好ましい。
結晶化工程の温度は特に限定されないが、樹脂組成物の結晶化温度(Tc)±20℃の範囲であることが好ましい。結晶化温度は、パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7型を用い、樹脂組成物を昇温速度20℃/分で200℃まで昇温した後、降温速度20℃/分で−50℃まで降温した際の融解吸収曲線の初期極値を与える温度を結晶化温度(以降Tcと記す)とした。この温度範囲であれば、短時間で所望の結晶化度にすることができ、生産コストを低減できる。また、この温度範囲で結晶化と同時に含浸も実施すれば、さらに生産上好ましい。
また、結晶化工程において達成する樹脂組成物の結晶化度としては、X線で測定した値で10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましい。樹脂組成物の結晶化度が上昇することで、微細でかつ均一な気泡径と高い独立気孔率を有する成形体が得られ、優れた機械物性を得ることができる。また、この工程で結晶化を促進させることにより、発泡体の耐熱性を向上させることができる。
発泡工程の温度は、樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)以上融点(Tm)以下であることが好ましい。ガス及び/又は超臨界流体を含浸させると、樹脂組成物のTg及びTmは低下するため、ガス含浸時のTg以上でTm以下がより好ましく、(ガス含浸時のTg+20)℃〜(ガス含浸時のTm−10)℃がさらに好ましい。この温度範囲で発泡させることにより、気泡径が均一で、独立気泡率の高い成形体を実現でき、優れた機械物性を得ることができる。一方、Tgに満たない場合には発泡が起こらず、Tmを超えると樹脂の粘度が低下するため、気泡が大きくなりすぎ、均一な気泡径を実現することが困難になる。また、破泡して独立気泡率が低下するため、成形体の機械物性の低下を引き起こす恐れがある。
発泡工程において、含浸圧力を開放する際の放圧速度は、5MPa/sec以上、より好ましくは10MPa/sec以上、さらに20MPa/sec以上であることが好ましい。5MPa/secに満たない場合には、気泡径の分布が大きくなり、機械物性のバラツキを引き起こす恐れがある。
以上の方法によって製造された発泡体は、その圧縮弾性率等の特性値が、下記式(1)を満たす。
K’f/K’p≧ρf/ρp (1)
式(1)において、K’fは本発明の熱可塑性樹脂発泡体の圧縮弾性率であり、K’pは発泡体を構成する樹脂組成物の発泡させていない状態の圧縮弾性率である。また、ρfは本発明の熱可塑性樹脂発泡体のかさ密度(g/cm3)であり、ρpは発泡体を構成する樹脂組成物の発泡させていない状態の真密度(g/cm3)を表す。
より優れた機械物性を実現するためには、K’f/K’p≧1.0であることが好ましい。これは、気泡を含まない成形体よりも圧縮弾性率が高く、耐衝撃性にも優れることを表している。
発泡体のかさ密度は、好ましくは0.5g/cm3以上、より好ましくは0.8g/cm3以上、さらに好ましくは1.0g/cm3以上である。かさ密度が0.5g/cm3未満になると、気泡数が増加するため、気泡径を均一に制御することが困難になる傾向にある。
発泡体中の気泡の平均気泡径は、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.8μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下である。気泡径が1μmを超えると、機械物性が低下する恐れがある。
発泡体の独立気泡率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。独立気泡率が80%に満たない場合、機械物性が低下する恐れがある。
発泡体を構成する熱可塑性樹脂の結晶化度は、X線で測定した値で30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。熱可塑性樹脂の結晶化度が上昇することで、高い耐熱性を実現することができる。
本発明の発泡体は、軽量性に優れ、かつ非発泡体と比較して機械物性がほとんど低下しないもしくは向上し、高い耐熱性を有することから、軽量性、機械物性及び耐熱性が要求される用途において特に好適に使用される。具体的には、容器、包装、生活雑貨の他、自動車部品、電器部品、建築材料等にも好適に使用される。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
なお、実施例および比較例の樹脂組成物および発泡体の評価に用いた測定法は次のとおりである。
(1)分子量:示差屈折率検出器を備えたゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)装置(島津製作所製)を用い、テトラヒドロフランを溶出液として40℃、標準ポリスチレン換算で求めた。
(2)溶融張力:溶融張力測定装置(東洋精機社製キャピログラフ1D型、ダイスのL/D=4、流入角90度、押出し速度10mm/min)を用いて190℃の温度で引き取り、引き取り速度を2m/min2にて速度を増し、破断したときの張力を溶融張力とした。
(3)溶融粘度:溶融粘度測定装置(島津製作所社製フローテスターCFT−500型、ダイスのL/D=10)を用いて、190℃、せん断速度100(1/s)の条件で測定した。
(4)結晶化温度:パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7型を用い、樹脂組成物を昇温速度20℃/分で200℃まで昇温した後、降温速度20℃/分でー50℃まで降温した際の融解吸収曲線の初期極値を与える温度を結晶化温度(以降Tcと記す)とした。
(5)結晶化度:RAD−rBX線回折装置(理学電機工業社製)を用い、WAXD反射粉末法(X線:Cu−Kα線/50kV/200mA、スキャンスピード:2°/min)により測定した。具体的には、まず、結晶化度が0.1〜40%付近になるサンプルを数点作製して、密度法測定(乾式密度計)により密度Aを測定する。完全非晶では密度が1.245(結晶化度0%)、完全結晶では密度が1.290(結晶化度100%)であると仮定し(これらの値には複数の値の提案があるため、本特許ではこの値をもって計算する。)、結晶化度X(%)を、1.245(1−X/100)+1.29・X/100=Aの式から求め、密度法による結晶化度を決定する。そしてこのサンプルのX線強度を測定し、密度法の結晶化度とX線での測定との相関関係を求めておく。
この時に用いたサンプルは例えば、200℃にて1mm以下の厚みに溶融プレス成形したサンプルを直ちに液体窒素へつけて、結晶化度0%に近い非晶試料を作製したり、このサンプルを適宜熱処理するなどして、結晶化度の違うサンプルを作製する。
次に、測定したいサンプルのX線強度を測定し、結晶部と非晶部のピークを多重ピーク離解析法にて分離し、上記の相関関係より、容器を構成する樹脂の結晶化度を求めた。
(6)密度:比重計(A&D社製Electronic Densimeter ED−120T)を用い、成形体を水中に浸漬した際の重量減少量から体積を算出し、成形体の質量をその体積で割って算出した。
(7)平均気泡径:透過型電子顕微鏡(日本電子製JEM−200CX)を用い、2万倍の倍率で、気泡が20以上観察される視野内で、各気泡の直径を目視で測定して平均値を算出した。この作業を20ヶ所の異なる視野で行い、平均値を算出して平均気泡径とした。
(8)独立気泡率:乾式密度計(島津製作所製AccuPyc1330 Cas Pycnometer)を用い、成形体を8mm×8mm×8mmに切り出して、見かけ体積と樹脂組成物密度を測定し、下記式によって独立気泡率を求めた。
(見かけ体積−(試料重量/樹脂組成物密度))/理想体積×100 (%)
ただし、理想体積とは、0.8×0.8×0.8=0.512(cm3)である。
(9)圧縮弾性率:JIS規格K−7220に準じて、10mm×10mm×4mmの試験片を作製し、オートクレーブ中で含浸及び発泡後に、圧縮試験を実施した。
(10)アイゾット衝撃強度:ASTM−D−256に準じて、64mm×12.8mm×3.2mmの試験片を作製し、オートクレーブ中で含浸及び発泡後に、ノッチ(V字型切込み)を付け、アイゾット衝撃強度を測定した。
(11)DTUL(荷重たわみ温度):JIS規格K−7207に準じて、荷重1.81MPaで測定した。
実施例及び比較例に用いた原料は次のとおりである。
(1)
ポリ乳酸(PLA)A:ネイチャー・ワークス社製NatureWorks、Mw18万、L体99%、D体1%、Tg=58℃、Tm=168℃
ポリ乳酸(PLA)B:ネイチャー・ワークス社製NatureWorks、Mw12万、L体99%、D体1%、Tg=58℃、Tm=168℃
ポリ乳酸(PLA)C:ネイチャー・ワークス社製NatureWorks、Mw15万、L体96%、D体4%、Tg=58℃、Tm=150℃
(2)
発泡核剤A:エスベンE:層間カチオンがトリメチルステアリルアンモニウムイオンで置換されたモンモリロナイト、ホージュン社製
発泡核剤B:ODA−CWC:層間カチオンがオクタデシルアンモニウムイオンで置換されたモンモリロナイト、ナノコール社製
発泡核剤C:MWHST:微粉タルク、平均粒径2.5μm、林化成製
発泡核剤D:白艶華R06:炭酸カルシウム、平均粒径0.08μm、白石工業製
実施例1:
ポリ乳酸(PLA)A100質量部に対し、発泡核剤Aを5質量部混合し、スクリュー径30mmφの2軸押出機(池貝製PCM−30)を用いて190℃、スクリュー回転数200rpm、滞留時間2分の条件で溶融混練し、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の溶融張力と溶融粘度を測定し、単位粘度当たりの溶融張力を算出した。また、この樹脂組成物の結晶化温度もあわせて測定した。
次に、溶融混練して得られた樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械製、IS−80G)を用いて、190℃、金型温度30℃の条件で射出成形し、80mm×10mm×4mmサイズの樹脂組成物の成形片を得た。この成形片の密度(真密度)と、圧縮弾性率を測定した。
得られた成形片を110℃で2時間熱処理して結晶化させた。結晶化させた成形片をオートクレーブ中に投入し、100℃、30MPaの条件で、超臨界状態の二酸化炭素を4時間含浸させた。その後、オートクレーブ内の圧力を5MPa/secの開放速度で放圧することにより、発泡体を得た。この成形体について密度、気泡径、独立気泡率、圧縮弾性率、アイゾット衝撃強度、及び結晶化度を測定した。得られた結果を表1に示す。
一方で、結晶化させた同組成の成形片をオートクレーブ中、同条件で超臨界状態の二酸化炭素を含浸した後、オートクレーブ内の温度を室温まで下げて、容器内の圧力を徐々に開放することにより、気泡を含まない成形体を作製し、この成形体の結晶化度を測定し、発泡直前における熱可塑性樹脂の結晶化度とした。
実施例2〜9:
ポリ乳酸と発泡核剤を表1の組み合わせと比率に変えた以外は実施例1と同様の方法で、発泡体を得た。この発泡体について各種測定を行い、結果を表1に示した。
実施例1〜3ではポリ乳酸の種類を、実施例4〜6では発泡核剤の添加量を、実施例7〜9では、発泡核剤の種類を変更した。いずれの場合も、気泡径が微小で、高い独立気泡率で、さらに圧縮弾性率比、アイゾット衝撃強度において優れた機械物性を示し、荷重たわみ温度においても良好な耐熱性を有する発泡体を得ることができた。
実施例10〜12:
ポリ乳酸(PLA)A100質量部に対し、発泡核剤Aを5質量部と、架橋剤として、ポリエチレングリコールジメタクリレート(ブレンマーPDE50、日本油脂製)0.1質量部と、架橋助剤として、ジーt−ブチルパーオキサイド(パーブチルD、日本油脂製)0.2質量部とをそれぞれ混合し、スクリュー径30mmφの2軸押出機(池貝製PCM−30)を用いて190℃、スクリュー回転数200rpm、滞留時間2分の条件で溶融混練し、樹脂組成物を得た。表2に示される架橋剤と架橋助剤を添加し、実施例1と同様の方法にて、発泡体を得た。この発泡体について各種測定を行い、結果を表2に示した。
実施例10〜12では、架橋剤及び架橋助剤を用いることで、単位粘度あたりの溶融張力が増加し、気泡径がより微細で、非常に高い独立気泡率を実現でき、さらに圧縮弾性率比、アイゾット衝撃強度において優れた機械物性を示し、荷重たわみ温度においても良好な耐熱性を有する発泡体を得ることができた。
実施例13〜16:
実施例1において、成形片の結晶化を表3に示される結晶化条件でおこなった以外は、実施例1と同様の操作をおこなって発泡体を得た。なお、このとき得られた樹脂組成物の結晶化温度は110℃であった。この発泡体について各種測定を行い、結果を表3に併記した。
実施例13〜16では、得られた樹脂組成物の結晶化温度近傍で結晶化させ、その結晶化度を10%以上にすることにより、気泡径がより微細で、高い独立気泡率を実現でき、さらに圧縮弾性率比、アイゾット衝撃強度において優れた機械物性を示し、荷重たわみ温度においても良好な耐熱性を有する発泡体を得ることができた。
実施例17〜24:
実施例1で得られた結晶化された成形片をオートクレーブ中に投入し、表4に示される含浸条件、及び発泡条件にて、発泡体を得た。この発泡体について各種測定をおこない、結果を表4に併記した。
実施例17〜24いずれにおいても、気泡径がより微細で、高い独立気泡率を実現でき、さらに圧縮弾性率比、アイゾット衝撃強度において優れた機械物性を示し、荷重たわみ温度においても良好な耐熱性を有する発泡体を得ることができた。
比較例1:
ポリ乳酸(PLA)A100質量部のみに対し、実施例1と同様の方法で発泡体を作製し、密度、気泡径、独立気泡率、圧縮弾性率、アイゾット衝撃強度、及び結晶化度を測定した。測定した結果は表1に併記した。
比較例2:
実施例1において、発泡核剤の使用量を、ポリ乳酸(PLA)A100質量部に対し55質量部とした以外は実施例1と同様の方法で発泡体を作製し、密度、気泡径、独立気泡率、圧縮弾性率、アイゾット衝撃強度、及び結晶化度を測定した。測定した結果は表1に併記した。
比較例1は、発泡核剤を用いずに発泡体の作製を行ったため、気泡径が大きくなり、独立気泡率も低く、圧縮弾性率比が密度比よりも低くなり、アイゾット衝撃強度が著しく低いものであった。
比較例2では、発泡核剤の量が多すぎたため、発泡そのものが困難であった。そのため、得られたものは軽量性に乏しく、また、アイゾット衝撃強度が著しく低いものであった。
実施例1において作製した本発明の熱可塑性樹脂発泡体の破断表面のFESEM写真である。

Claims (11)

  1. ポリ乳酸を主成分とする熱可塑性樹脂100質量部と発泡核剤0.1〜50質量部とを含む樹脂組成物から構成され、下記式(1)を満たすことを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体。
    K’f/K’p≧ρf/ρp (1)
    〔式(1)において、K’fは熱可塑性樹脂発泡体の圧縮弾性率、K’pは樹脂組成物の圧縮弾性率、ρfは熱可塑性樹脂発泡体のかさ密度(g/cm3)、ρpは樹脂組成物の真密度(g/cm3)を表す。〕
  2. 樹脂組成物の190℃での単位粘度当りの溶融張力が11mgf/Pa・s以上である請求項1記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  3. かさ密度が0.5g/cm3以上である請求項1または2記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  4. 含有する気泡の平均気泡径が1μm以下である請求項1〜3いずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  5. 独立気泡率が80%以上である請求項1〜4いずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  6. 発泡核剤が層状珪酸塩である請求項1〜5いずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  7. 熱可塑性樹脂成分の結晶化度が30%以上であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  8. ポリ乳酸を主成分とする熱可塑性樹脂100質量部と発泡核剤0.1〜50質量部とを含む樹脂組成物にガス及び/又は超臨界流体を加圧下で含浸させる含浸工程と、含浸圧力を開放することにより脱ガスさせて樹脂を発泡させる発泡工程とを有する熱可塑性樹脂発泡体の製造方法であって、発泡工程の前に、樹脂組成物を結晶化させる結晶化工程を含むことを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
  9. 結晶化工程において、熱可塑性樹脂成分の結晶化度を10%以上とすることを特徴とする請求項8記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
  10. 含浸圧力を開放するときの放圧速度が5MPa/sec以上であることを特徴とする請求項8まはた9記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
  11. 樹脂組成物の190℃での単位粘度当りの溶融張力が11mgf/Pa・s以上である請求項8〜10いずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。


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