JP2002173580A - 樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いて成る成形物 - Google Patents

樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いて成る成形物

Info

Publication number
JP2002173580A
JP2002173580A JP2000368102A JP2000368102A JP2002173580A JP 2002173580 A JP2002173580 A JP 2002173580A JP 2000368102 A JP2000368102 A JP 2000368102A JP 2000368102 A JP2000368102 A JP 2000368102A JP 2002173580 A JP2002173580 A JP 2002173580A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inorganic particles
resin composition
polyester resin
film
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000368102A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4586264B2 (ja
Inventor
Tsukasa Iguchi
司 井口
Seiji Sawada
誠司 澤田
Nobuyuki Uchida
信幸 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP2000368102A priority Critical patent/JP4586264B2/ja
Publication of JP2002173580A publication Critical patent/JP2002173580A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4586264B2 publication Critical patent/JP4586264B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】加工成型時に気泡のような空隙、特にフィルム
成型時に発泡やブツ凝集やボイド、粒子脱落等の発生が
改善された樹脂組成物を提供することである。 【解決手段】シリカ、ゼオライト、アルミナまたは酸化
鉄から選ばれる無機粒子の表面をオルガノポリシロキサ
ンで被覆してなることを特徴とする表面処理無機粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面処理無機粒子、
表面処理無機粒子とポリエステル樹脂を含む樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より熱可塑性樹脂、特にポリエステ
ル樹脂は優れた機械的特性や寸法安定性、耐薬品性等の
物理的、化学的性質を有することから、繊維、フィルム
用途、包装用等の分野で大量に利用されている。一方
で、そのような成形品を得る成形工程あるいは製品自体
を取り扱う際に滑り性不良による作業性、生産性の悪化
あるいは製品価値の低下といったトラブルが生じること
が知られている。
【0003】このような問題に対して、ポリエステル樹
脂中に微粒子を配合せしめて成形品の表面に適度の凹凸
を付与し、滑り性を向上させる方法が提案され、該微粒
子として例えば、シリカ、二酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、アルミナ、タルク、カオリナイトなどの無機粒子が
採用されている。しかし、このような無機粒子は粒子表
面の親水性および粒子形状や粒径が不揃いである理由か
ら、粒子凝集しやすく樹脂への分散不良や濡れ性不良お
よび樹脂の劣化を引き起こし、得られた成形品中に気泡
のような空隙が生じたり、特に高温高速加工されたフィ
ルムに発泡やブツ凝集、ボイド、粒子脱落等が生じるた
め、良好なフィルムが得られないのが現状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無機
粒子をオルガノポリシロキサンで処理することにより、
無機粒子の樹脂への分散性や濡れ性が向上するため、加
工成型時に気泡のような空隙、特にフィルム成型時に発
泡やブツ凝集やボイド、粒子脱落等の発生が改善された
樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、シリ
カ、ゼオライト、アルミナまたは酸化鉄から選ばれる無
機粒子の表面をオルガノポリシロキサンで被覆してなる
ことを特徴とする表面処理無機粒子である。
【0006】更に本発明は、上記オルガノポリシロキサ
ンの動的粘度が50〜10000cStである上記表面
処理無機粒子である。
【0007】更に本発明は、オルガノポリシロキサンの
被覆量が無機粒子重量の0.01〜10重量%である上
記表面処理無機粒子である。
【0008】更に本発明は、無機粒子の形状がアスペク
ト比0.5〜1の球状粒子であるこ上記表面処理無機粒
子である。
【0009】更に本発明は、上記表面処理無機粒子から
なるアンチブロッキング剤である。
【0010】更に本発明は、上記アンチブロッキング剤
およびポリエステル樹脂を含有することを特徴とする樹
脂組成物である。
【0011】更に本発明は、ポリエステル樹脂の極限粘
度が0.3〜1.1である上記樹脂組成物である。
【0012】更に本発明は、ポリエステル樹脂の極限粘
度保持率が70%以上である上記樹脂組成物である。
【0013】更に本発明は、無機粒子のポリエステル樹
脂への分散性の指標である樹脂組成物のΔPが50以下
である上記樹脂組成物である。
【0014】更に本発明は、上記樹脂組成物から得られ
る成型物である。
【0015】
【発明の実施の形態】
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いる無機粒子は具体例として、シリカ、ゼオライト、
アルミナまたは酸化鉄が好適である。また、無機粒子の
形状は特に限定されないが、球状のものが好ましい。こ
こで、球状とは、アスペクト比が0.5〜1の粒子形状
をいう。すなわち、電子顕微鏡観察による短径と長径の
比(短径/長径)が0.5〜1であるものをいう。もち
ろん、滑り性等が良好なフィルムを得るためには、真球
状(短径/長径=1)であることが最も好ましい。
【0017】本発明で用いる無機粒子の平均粒子径は、
0.03〜30μmが適当であり、好ましくは0.5〜
10μmである。平均粒子径が0.03μmより小さい
場合は粒子凝集、分散不良が発生すると共にアンチブロ
ッキング効果を出す粒径としては小さすぎるため、フィ
ルムの走行性や耐摩耗性が不十分であり、30μmより
大きい場合は、フィルムの表面粗さが大きくなりすぎ、
透明性の低下、フィッシュアイの発生によるフィルムの
外観不良となる。
【0018】本発明で使用するオルガノポリシロキサン
としては、ジメチルポリシロキサンやメチル水素ポリシ
ロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、及び各種変
性ポリシロキサン等のポリジメチルシロキサンを挙げる
ことができる。例えば、アルコール変性ポリシロキサ
ン、エーテル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロ
キサンなどが用いることができる。
【0019】また、上記例示した表面処理剤のうちメチ
ル水素ポリシロキサンは、下記式で表されるメチル水素
ポリシロキサンであることが望ましい。
【0020】
【化1】 (式中nは正の整数を表し、12以下であることが好まし
い。)
【0021】本発明で使用するオルガノポリシロキサン
は、25℃における動的粘度が50〜10000cSt
であることが重要であり、好ましくは80〜6000c
Stである。動的粘度が50cSt未満であると引火点
が低下すると共に分解し易くなるので高温で加工するこ
とが難しくなる。一方、10000cStを越えると無
機粒子表面を均一に処理し得ず、粗大凝集粒子が発生し
やすくなる。
【0022】本発明で用いられるオルガノポリシロキサ
ンは、無機粒子重量の0.01〜10重量%添加するの
が好ましい。10重量%を越えると、オルガノポリシロ
キサンそのものの分解等によって、製造された成形品に
発泡やブツ等が生じて好ましくない。0.01重量%未
満では、無機粒子表面へのオルガノポリシロキサンの量
が充分でなく、無機粒子の樹脂への分散が不良となり、
上記フィルム等の成形品として不良な物性を引き起こし
て好ましくない。
【0023】これらのオルガノポリシロキサンで無機粒
子を処理する方法としては一般的に湿式処理法または乾
式処理法を利用することができる。湿式処理としては、
溶媒中に無機粒子とオルガノポリシロキサンを加え、ヘ
ンシェルミキサー、スーパーミキサーなどの高剪断力混
合機を用いて均一に混合した後、溶媒を除去することに
よって表面処理を行う。また乾式処理としては無機粒子
をマイクロナイザー、ジェットミルなどの流体エネルギ
ー粉砕機で粉砕する際にオルガノポリシロキサンを添加
することによって行うことができ、流体としては、通常
は圧縮空気、加熱圧縮空気、スチーム等が用いられる。
【0024】特に、表面処理後または処理中に、表面処
理無機粒子を加熱乾燥させることにより疎水性表面がよ
り強固なものとなるため、水分吸着等による含水量が大
きく低減する。このようにして得られた低含水量の表面
処理無機粒子は樹脂へ混練分散の際、樹脂劣化が抑えら
れるため、分散力や分散時間を上げられる等様々な利点
がある。
【0025】本発明の表面処理無機粒子は、樹脂への添
加剤として用いることができるが、好ましくはフィルム
用、なかでも延伸ポリエステルフィルム用アンチブロッ
キング剤として用いるのが好適である。
【0026】本発明で使用するポリエステル樹脂は、そ
れぞれ従来公知の樹脂である。テレフタル酸、イソフタ
ル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、4,4’−
ジフェニルジカルボン酸の如き芳香族ジカルボン酸、又
はそのエステルと、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール等の如き脂肪族グリコールとを縮重合
させて得ることのできるポリエステルである。代表的な
ものとしてポリエチレンテレフタレートやポリブチレン
テレフタレートが挙げられる。
【0027】これらのポリエステル樹脂は、複数種のカ
ルボン酸成分と複数種のジオール成分とを組み合わせた
ものであっても良い。すなわち、前記ポリエステル樹脂
は上記の芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族グリコール成
分からなるホモポリマーが好ましいが、第三成分を小割
合共重合したコポリマーであることもできる。この第三
成分としては、例えば主たる構成成分がエチレンテレフ
タレートである場合、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレ
ングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールな
どのジオール;コハク酸、アジピン酸、セパシン酸、フ
タル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸などのジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット
酸などの多官能多価カルボン酸などが例示できる。ま
た、主たる構成成分がエチレン−2,6−ナフタレート
である場合、上記と同じ第三成分(ただし2,6−ナフ
タレンジカルボン酸をテレフタル酸とする)を挙げるこ
とができる。
【0028】本発明のポリエステル樹脂組成物は、表面
処理無機粒子を高濃度に含有し、成形時に希釈樹脂(熱
可塑性樹脂)で希釈して成形に供されるペレット状のポ
リエステル樹脂組成物(以下マスターバッチという)で
あっても良いし、あるいはまた、表面処理無機粒子の濃
度が比較的小さく、希釈樹脂で希釈せずにそのまま成形
に供されるペレット状のポリエステル樹脂組成物(以下
コンパウンドという)であっても良い。マスターバッチ
とコンパウンドとを比較すると、これらを得る加工工程
に大差はない。しかし、マスターバッチの方が表面処理
無機粒子を高濃度に含有する分、コンパウンドよりやや
コスト高である。しかしながらマスターバッチの場合
は、マスターバッチを安価な希釈樹脂で希釈して成形品
を得ることができるため、コンパウンドから製造した成
形品よりもマスターバッチから製造した成形品の方が安
価であり、好ましい。
【0029】表面処理無機粒子とポリエステル樹脂の配
合比についてより具体的には、本発明のポリエステル樹
脂組成物は、表面処理無機粒子とポリエステル樹脂とを
0.01/99.99〜80/20の割合で配合すれば
良く、種々の混合機や分散機や混練機を用いて表面処理
無機粒子とポリエステル樹脂とを加熱混練すれば良い。
また、本発明の樹脂組成物は、ペレット状やフレーク状
のマスターバッチであることが好ましい。
【0030】本発明の樹脂組成物中のポリエステル樹脂
の極限粘度は、該ポリエステル樹脂の劣化(加水分解)
の状態を示すものである。無機粒子とポリエステル樹脂
とを含有し、加熱混練して成る樹脂組成物を適当な溶媒
を用いて、樹脂組成物中のポリエステル樹脂を溶解せし
め、無機粒子を分離してなる、濃度の異なるポリエステ
ル樹脂溶液を複数用いて、各樹脂溶液の粘度を求め、定
法に従い、粘度/濃度の値を濃度に対してプロットし、
濃度0に補外して求めた値である。極限粘度保持率と
は、該樹脂組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度の、
該樹脂組成物に用いられるポリエステル樹脂(ブラン
ク)の極限粘度に対する比であって、係る値が大きいほ
ど、つまり該樹脂組成物中のポリエステル樹脂の極限粘
度がブランクの極限粘度に近いほど、該樹脂組成物中の
ポリエステル樹脂は劣化していない。
【0031】本発明の樹脂組成物中のポリエステル樹脂
の極限粘度は、0.3〜1.1であることが重要であ
る。樹脂組成物の製造に供されるポリエステル樹脂自体
の極限粘度は大きくても1.3程度であるが、マスター
バッチを製造する際の加熱混練によって程度の差こそあ
れ劣化(加水分解)し、極限粘度が低下する傾向にあ
る。ポリエステル樹脂自体の極限粘度はかなり大きくて
も、適度に劣化(加水分解)したり、あるいはポリエス
テル樹脂自体の極限粘度は比較的小さくても、極限粘度
が低下し難く、樹脂組成物中のポリエステル樹脂の極限
粘度が上記範囲にあれば良い。即ち、樹脂組成物中のポ
リエステル樹脂の極限粘度が0.3未満であるような樹
脂組成物をフィルム等の成型品に用いるとフィルム等の
成型品の強度低下を引き起こす原因となる。一方、樹脂
組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度が1.1を越え
るような樹脂組成物をフィルム等の成型品に用いると樹
脂組成物が、希釈用ポリエステル樹脂中に簡単には分散
・分配し難くなり、その結果、表面処理無機粒子をポリ
エステル樹脂中に均一かつ速やかに分散することが困難
となり、フィルム等成型品の高温加工性を損なう。従っ
て、樹脂組成物中のポリエステル樹脂は上記範囲にある
ことが重要である。
【0032】本発明の樹脂組成物のΔPは、該樹脂組成
物中のポリエステル樹脂への無機粒子の分散性の度合い
を示すものである。具体的には、ラボプラストミル単軸
押出機20mm(東洋精機社製)の出口の40/80/
120/500と順次メッシュの細かくなるスクリーン
を装着し、50rpm、押出温度300 ℃にて、マス
ターバッチを通過させ、通し始めた時の初期圧力(P
1)を求め、前記マスターバッチを所定量( 該マスター
バッチ中に無機粒子を100g含有する量) を通過させ
た時の終了圧力(P2)を求める。分散性が不良な無機
粒子は凝集状態としてポリエステル樹脂中に存在し、そ
の凝集度によってはメッシュを通過することなく、メッ
シュに目詰まりを起こさせるため、圧力増加を招く。従
って、この圧力差ΔP=P2−P1が小さい程無機粒子
の分散性が良好であることを示す。
【0033】本発明の樹脂組成物のΔPは50以下であ
ることが好ましい。分散性の指標であるΔPが50以下
であれば、フィルム等成型時の樹脂圧上昇が低いため、
生産作業上のロングラン性がよく、またフィルム等成型
品のブツ、透明性などの諸物性が良好となるが、ΔPが
50以上では生産作業性への悪影響、成型品に外観不良
等の物性不良が起こる。
【0034】本発明の樹脂組成物はどのような成型品と
しても使用できるが、好ましくはフィルムとして使用さ
れ、中でも延伸ポリエステルフィルムとして好適であ
る。延伸ポリエステルフィルムは、一軸延伸されたもの
でも二軸延伸されたものであっても良いが、アンチブロ
ッキング剤の脱落等の問題がより顕著に生じることか
ら、二軸延伸フィルムにおいて特に効果的である。
【0035】このような延伸ポリエステルフィルムは、
上記方法で得られるポリエステル系樹脂組成物(コンパ
ウンド)、あるいはポリエステル系樹脂組成物(マスタ
ーバッチ)をさらにポリエステル系樹脂で希釈して得ら
れる樹脂組成物をシート状に成形し一軸または二軸に延
伸する方法により製造される。
【0036】ポリエステルフィルム中のアンチブロッキ
ング剤(表面処理された無機粒子)の含有量は、0.0
1〜3重量%、好ましくは0.05〜2重量%が好適で
ある。アンチブロッキング剤の含有量が0.01重量%
より少ない場合は、アンチブロッキング効果が得られ
ず、また、3重量%より多い場合はフィルムにフィッシ
ュアイ等が多発し、外観が不良となる。
【0037】フィルムの厚みは、一般的に10〜100
μmである。また、フィルムには、必要に応じて、酸化
防止剤、滑剤等、界面活性剤からなる帯電防止剤や防曇
剤を配合しても良い。さらに、フィルムにはコロナ処理
等を施しても良い。
【0038】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明するが、
本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例について説明する。
【0039】[無機粒子の表面処理法] 実施例1〜9、比較例1〜9 無機粒子をジェットミルにより粉砕(使用流体:圧縮空
気、0.3MPa)しながらジメチルポリシロキサンま
たはメチル水素ポリシロキサンのアルコール溶液を添加
し表面処理無機粒子を得た。ポリシロキサンの無機粒子
への被覆量は表1に基づき、所定の被覆量となるよう
に、無機粒子の処理重量と処理剤の供給濃度または供給
流量を変化させることにより被覆量を調整した。
【0040】[マスターバッチの作成法]ホモポリエチ
レンテレフタレート((η)=0.630)50重量%、表面処理
無機粒子50重量%を溶融混練機にて、溶融混練し、ペ
レット状の樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。
【0041】得られたマスターバッチ中のポリエステル
樹脂の極限粘度保持率を下記の方法に従って求めた。ま
た、得られたマスターバッチの分散性を評価すると共
に、得られたマスターバッチを用いて下記の方法に従い
フィルムを作成し、その物性等を評価した。結果を表1
に示す。
【0042】[極限粘度(η)]および[極限粘度
(η)保持率] 極限粘度(η)は、ポリエステル樹脂をそれぞれ0.1
g、0.3g、0.5gを含有するマスターバッチを、
フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量
比)の混合溶媒100mlを用いて、マスターバッチ中
のポリエステル樹脂を溶解し、表面処理無機粒子を遠心
分離によって除去した後の各ポリエステル樹脂溶液の3
0℃における粘度を測定し、定法に従い、求めた。な
お、ブランクの場合は、マスターバッチの代わりに、ポ
リエステル樹脂そのものを用い、遠心分離による表面処
理無機粒子の除去を経ない以外は、上記と同様にして極
限粘度を求めた。極限粘度保持率は、マスターバッチ中
のポリエステル樹脂の極限粘度/ブランクの極限粘度で
ある。
【0043】[分散性評価方法]ラボプラストミル単軸
押出機20mm(東洋精機社製)の出口の40/80/
120/500と順次メッシュの細かくなるスクリーン
を装着し、50rpm、押出温度300 ℃にて、マス
ターバッチを通過させ、通し始めた時の初期圧力(P
1)を求め、前記マスターバッチを所定量( 該マスター
バッチ中に無機粒子を100g含有する量) を通過させ
た時の終了圧力(P2)を求める。分散性が不良な無機
粒子は凝集状態としてポリエステル樹脂中に存在し、そ
の凝集度によってはメッシュを通過することなく、メッ
シュに目詰まりを起こさせるため、圧力増加を招く。従
って、この圧力差ΔP=P2−P1が小さい程、表面処
理無機粒子の分散性が良好であることを示す。
【0044】[フィルム製膜方法]得られたマスターバ
ッチ40重量部、ホモポリエチレンテレフタレート
((η)=0.630)60重量を混合し、270〜300℃で溶
融押出し、200μmのシートを得た。該シートを90
℃で同時二軸延伸し、20μmのフィルムを作成した。
フィルムの製膜状態と、得られたフィルムの平滑性を評
価した。
【0045】[フィルムの製膜状態] ◎:全く破断なし。 ○:ほとんど破断なし。 △:ときどき破断する。 ×:頻繁に破断する。
【0046】[フィルムのブツ発生]:目視評価。 ◎:全くブツが無い。 ○:ほとんどブツが無い。 △:若干ブツが生じる。 ×:著しくブツが生じる。
【0047】
【表1】
【0048】シリカ1:球状(アスヘ゜クト比0.80)、平
均粒径1.6μm、沈降法合成シリカ DMPS:ジメチルポリシロキサン シリカ2:平均粒径2.7μm、ゲル法合成シリカ MHPS:メチル水素ポリシロキサン ゼオライト1:球状(アスヘ゜クト比0.94)、平均粒径5
μm ゼオライト2:平均粒径4.2μm
【0049】
【発明の効果】 本発明により、無機粒子をオルガノポ
リシロキサンで処理することで無機粒子の樹脂への分散
性や濡れ性が向上するため、加工成型時に気泡のような
空隙、特にフィルム成型時に発泡やブツ凝集やボイド、
粒子脱落等の発生が改善された樹脂組成物を提供するこ
とが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA45 AA46 AA88 AB18 AB26 AD02 AH04 AH05 AH19 BA01 BB06 BB07 BB08 BC01 4G030 AA27 AA36 AA37 GA03 GA04 GA07 GA14 4J002 CF061 CF071 CF081 DE116 DE146 DJ006 DJ016 FB096

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ、ゼオライト、アルミナまたは酸
    化鉄から選ばれる無機粒子の表面をオルガノポリシロキ
    サンで被覆してなることを特徴とする表面処理無機粒
    子。
  2. 【請求項2】 オルガノポリシロキサンの動的粘度が5
    0〜10000cStである請求項1記載の表面処理無
    機粒子。
  3. 【請求項3】 オルガノポリシロキサンの被覆量が無機
    粒子重量の0.01〜10重量%である請求項1または
    2記載の表面処理無機粒子。
  4. 【請求項4】 無機粒子の形状がアスペクト比0.5〜
    1の球状粒子であることを特徴とする請求項1ないし3
    いずれか記載の表面処理無機粒子。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4いずれか記載の表面処
    理無機粒子からなるアンチブロッキング剤。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のアンチブロッキング剤お
    よびポリエステル樹脂を含有することを特徴とする樹脂
    組成物。
  7. 【請求項7】 ポリエステル樹脂の極限粘度が0.3〜
    1.1である請求項6記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 ポリエステル樹脂の極限粘度保持率が7
    0%以上である請求項6記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 無機粒子のポリエステル樹脂への分散性
    の指標である樹脂組成物のΔPが50以下である請求項
    6記載の樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項6ないし9いずれか記載の樹脂
    組成物から得られる成型物。
JP2000368102A 2000-12-04 2000-12-04 樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いて成る成形物 Expired - Fee Related JP4586264B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000368102A JP4586264B2 (ja) 2000-12-04 2000-12-04 樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いて成る成形物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000368102A JP4586264B2 (ja) 2000-12-04 2000-12-04 樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いて成る成形物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002173580A true JP2002173580A (ja) 2002-06-21
JP4586264B2 JP4586264B2 (ja) 2010-11-24

Family

ID=18838414

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000368102A Expired - Fee Related JP4586264B2 (ja) 2000-12-04 2000-12-04 樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いて成る成形物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4586264B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006062977A1 (en) * 2004-12-07 2006-06-15 E.I. Dupont De Nemours And Company Hydrolysis resistant polyester compositions and articles made therefrom
JP2009161707A (ja) * 2008-01-10 2009-07-23 Toyo Ink Mfg Co Ltd 複合樹脂組成物およびそれを用いてなる成形体
JP2020200364A (ja) * 2019-06-06 2020-12-17 東洋インキScホールディングス株式会社 液状マスターバッチ組成物、熱可塑性樹脂組成物、及び成形体
CN113547811A (zh) * 2020-04-24 2021-10-26 南亚塑胶工业股份有限公司 双轴拉伸聚酯薄膜及其制造方法
JP2021172810A (ja) * 2020-04-24 2021-11-01 南亞塑膠工業股▲分▼有限公司Nan Ya Plastics Corporation ドライフィルム用ポリエステルフィルム

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06313114A (ja) * 1993-05-06 1994-11-08 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 熱可塑性樹脂組成物
JPH07228732A (ja) * 1993-12-22 1995-08-29 Sumitomo Chem Co Ltd ポリプロピレン組成物およびその延伸フィルム
JPH07233290A (ja) * 1994-02-25 1995-09-05 Idemitsu Petrochem Co Ltd フィルム成形用ポリプロピレン系樹脂組成物
JPH09316387A (ja) * 1996-05-27 1997-12-09 Toyo Ink Mfg Co Ltd 着色剤組成物およびその着色剤組成物を用いて成る成形物
JPH1036702A (ja) * 1996-07-30 1998-02-10 Mizusawa Ind Chem Ltd 疎水性の樹脂配合剤及びその製法
JPH111567A (ja) * 1997-06-13 1999-01-06 Teijin Ltd 透明な二軸配向ポリエステルフィルム
JPH1160710A (ja) * 1997-08-12 1999-03-05 Nippon Ester Co Ltd 不活性微粒子含有ポリエステルの製造法
JPH11216722A (ja) * 1998-02-03 1999-08-10 Teijin Ltd 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法
JP2000143996A (ja) * 1998-11-16 2000-05-26 Toyo Ink Mfg Co Ltd 着色用樹脂組成物及びその成形品並びに該成形品の製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06313114A (ja) * 1993-05-06 1994-11-08 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 熱可塑性樹脂組成物
JPH07228732A (ja) * 1993-12-22 1995-08-29 Sumitomo Chem Co Ltd ポリプロピレン組成物およびその延伸フィルム
JPH07233290A (ja) * 1994-02-25 1995-09-05 Idemitsu Petrochem Co Ltd フィルム成形用ポリプロピレン系樹脂組成物
JPH09316387A (ja) * 1996-05-27 1997-12-09 Toyo Ink Mfg Co Ltd 着色剤組成物およびその着色剤組成物を用いて成る成形物
JPH1036702A (ja) * 1996-07-30 1998-02-10 Mizusawa Ind Chem Ltd 疎水性の樹脂配合剤及びその製法
JPH111567A (ja) * 1997-06-13 1999-01-06 Teijin Ltd 透明な二軸配向ポリエステルフィルム
JPH1160710A (ja) * 1997-08-12 1999-03-05 Nippon Ester Co Ltd 不活性微粒子含有ポリエステルの製造法
JPH11216722A (ja) * 1998-02-03 1999-08-10 Teijin Ltd 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法
JP2000143996A (ja) * 1998-11-16 2000-05-26 Toyo Ink Mfg Co Ltd 着色用樹脂組成物及びその成形品並びに該成形品の製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006062977A1 (en) * 2004-12-07 2006-06-15 E.I. Dupont De Nemours And Company Hydrolysis resistant polyester compositions and articles made therefrom
JP2009161707A (ja) * 2008-01-10 2009-07-23 Toyo Ink Mfg Co Ltd 複合樹脂組成物およびそれを用いてなる成形体
JP2020200364A (ja) * 2019-06-06 2020-12-17 東洋インキScホールディングス株式会社 液状マスターバッチ組成物、熱可塑性樹脂組成物、及び成形体
JP7358787B2 (ja) 2019-06-06 2023-10-11 東洋インキScホールディングス株式会社 液状マスターバッチ組成物、熱可塑性樹脂組成物、及び成形体
CN113547811A (zh) * 2020-04-24 2021-10-26 南亚塑胶工业股份有限公司 双轴拉伸聚酯薄膜及其制造方法
JP2021172810A (ja) * 2020-04-24 2021-11-01 南亞塑膠工業股▲分▼有限公司Nan Ya Plastics Corporation ドライフィルム用ポリエステルフィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4586264B2 (ja) 2010-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009161707A (ja) 複合樹脂組成物およびそれを用いてなる成形体
JP2002173580A (ja) 樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いて成る成形物
JPH07331038A (ja) ポリエステル系樹脂用改質剤、ポリエステル組成物およびそれからなる成形品
JPS6410187B2 (ja)
KR100589890B1 (ko) 열가소성수지 조성물, 그 제조방법 및 그 조성물로이루어진 2축 배향 필름
JPH08217961A (ja) ポリエステル組成物およびそれからなる成形品
JP4581235B2 (ja) 樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いて成る成形物
JP4856388B2 (ja) 熱可塑性樹脂フィルム
JP3826933B2 (ja) 熱可塑性樹脂用着色剤及びその利用
JP2000109660A (ja) ポリエステル樹脂組成物の製造方法
JP2000080293A (ja) 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法およびその組成物よりなる二軸配向フィルム
JPS6071632A (ja) ポリエステルの製造法
JP3555352B2 (ja) 着色剤組成物およびその着色剤組成物を用いて成る成形物
JP3193180B2 (ja) ポリエステル組成物の製造方法
JP2003041125A (ja) 樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いて成る成形物
JP2003155351A (ja) ポリエステル樹脂組成物の製造方法
JP2002220540A (ja) 樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いて成る成形物
JP3869752B2 (ja) ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法およびポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム
JP4311106B2 (ja) 脂肪族ポリエステル組成物およびそれからなるフイルム
JP3776034B2 (ja) ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法
JP2728780B2 (ja) 粗面化ポリエステルフィルムの製造法
JP2002220541A (ja) 樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いて成る成形物
JPH09124910A (ja) ポリエステル樹脂用着色剤組成物
JPH10237275A (ja) ポリエステル組成物およびそれからなる成形品
JPH0726000B2 (ja) ポリエステル組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060811

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090304

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100413

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100810

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100823

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4586264

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130917

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130917

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees