JPS6410187B2 - - Google Patents

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JPS6410187B2
JPS6410187B2 JP58135203A JP13520383A JPS6410187B2 JP S6410187 B2 JPS6410187 B2 JP S6410187B2 JP 58135203 A JP58135203 A JP 58135203A JP 13520383 A JP13520383 A JP 13520383A JP S6410187 B2 JPS6410187 B2 JP S6410187B2
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film
coating
polyurethane
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JP58135203A
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Rikuo Miura
Sadami Miura
Tamaki Kanai
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6410187B2 publication Critical patent/JPS6410187B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J7/00Chemical treatment or coating of shaped articles made of macromolecular substances
    • C08J7/04Coating
    • C08J7/0427Coating with only one layer of a composition containing a polymer binder
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J7/00Chemical treatment or coating of shaped articles made of macromolecular substances
    • C08J7/04Coating
    • C08J7/046Forming abrasion-resistant coatings; Forming surface-hardening coatings
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/73Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
    • G11B5/739Magnetic recording media substrates
    • G11B5/73923Organic polymer substrates
    • G11B5/73927Polyester substrates, e.g. polyethylene terephthalate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2367/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
    • C08J2367/02Polyesters derived from dicarboxylic acids and dihydroxy compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2475/00Characterised by the use of polyureas or polyurethanes; Derivatives of such polymers

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
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  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は多数の微小突起を有するコーテイング
層をフイルム面上に設け、他面が実質的に平坦で
ある易滑性ポリエステルフイルムに関する。 従来技術 ポリエステルフイルム、特にポリエチレンテレ
フタレートの二軸延伸フイルムは、優れた機械的
性質、耐熱性あるいは耐薬品性等を有するため、
磁気テープ、写真フイルム、包装用フイルム、コ
ンデンサー用メタライジングフイルム、電気絶縁
フイルムあるいは書写フイルム等の素材として、
その需要の伸びは最近特に著しい。 しかしながら、ポリエステルフイルムの生産お
よび上記の如き用途への適用を円滑に行うために
は、ポリエステルフイルムの滑り性を改善するこ
とが必至である。 すなわち、特に薄いポリエステルフイルムの場
合にフイルムの滑り性が不足すると、例えば捲取
り、捲返し、塗布あるいはスリツト等の作業に重
大な支障を及ぼし、例えば捲き皺の発生あるいは
発生した静電気による塵埃吸着などの好ましから
ざる現象をもたらす。例えば、ポリエチレンテレ
フタレートの未延伸あるいは一軸延伸のフイルム
を加圧成形あるいは真空成形に付して製造した
種々の成形物を重ね合せた場合、表面滑性が不足
しているときには成形物を相互にかつ円滑に抜き
取ることができず、従つて加工工程における流れ
作業性が著しく低下する。 従来、ポリエステルフイルムの滑り性を改善す
る手段として、例えば酸化珪素、カオリン、タル
ク、炭酸カルシウムあるいはアルミナ等の種々の
フイラーの微小粒子を添加したポリエステルを用
いて製膜し、次いで二軸延伸工程でフイルム厚み
が減る際にフイラーがフイルム面に微小突起とし
て突出する現象を利用することが実用化されてい
る。同様に微小突起を利用する滑り性の改善技術
としては、ポリエステルの重合時に用いる触媒を
重合体に不溶性の粒子に変換させる方法も知られ
ている。 これらの技術は、フイルムの滑り性を改善する
点では事実ある程度の成功をおさめているが、フ
イルム組成内に微小粒子が存在するため当然のこ
とながらフイルムの透明度を低下させたりあるい
はフイルム組成内にボイドを生成するなどの改善
されるべき問題を残している。特に、ジアゾフイ
ルム、メタライジングフイルム、写真フイルムあ
るいは磁気テープフイルム等の素材としてのポリ
エステルフイルムにとつて、フイルムの透明度の
低下およびボイドの生成は重大な障害となる。例
えば、最近とみに需要の伸びが著しいビデオ用磁
気フイルムは、ドロツプアウト(記録損失)ある
いはカラーノイズの如き望ましくない現象の発生
を防止するため、特に優れた電磁特性を持つこと
を要求されている。このようなビデオ用磁気テー
プのための素材としてのポリエステルフイルム
に、それ故、フイラーに基づく微小突起がフイル
ムの両面にほぼ等しく発生する上記の如きフイル
ムを用いることはビデオ用磁気テープの滑り性を
改善することにはなつてもボイドが生成してドロ
ツプアウトやカラーノイズを発生することが少な
くなく望ましくない。 すなわち、両表面に等しく微小突起を有するフ
イルムを素材とした磁気テープは、磁気塗料を塗
布した面では微小突起の上に磁気塗料層が形成さ
れるためこの微小突起の影響が該磁気塗料層の外
表面にまで及ぶことは少なく比較的平坦な磁気塗
料層表面を形成するが、磁気塗料層を持たない他
方の面には該微小突起が存在する。そのため、巻
取られた磁気テープにおいて、上記他方の面の微
小突起が比較的平坦な磁気塗料層に押し付けられ
るため、この微小突起が磁気塗料層に転写される
のを完全に防止することは不可能となる。微小突
起を形成せしめる方法により得られたフイルム
は、加えて、往往にして、比較的粗大な粒子に基
づく比較的粗大な突起を有していることが多く、
このような粗大な突起は上記の如き転写をもたら
すことになる。 磁気塗料層に凹凸を有する磁気テープはビデオ
ハードのヘツドとの接触に際し、スペースロスを
発生し、ドロツプアウト、カラーノイズをもたら
す。 微小突起によるこのような欠点を改善するた
め、微小粒子の粒径を一層小さくする工夫もなさ
れているが、結局転写と滑り性との妥協が必要と
される。 一方、微小粒子をポリエステルに添加してフイ
ルム面に微小突起を形成せしめる上記方法とは異
なり、そのような微小粒子を含有しないポリエス
テルから製造したフイルムの両面に特定の塗布液
を塗布する方法によつて、フイルムの両面にミミ
ズ状皮膜構造を形成せしめてフイルムに易滑性を
付与する方法が提案されている。 この方法は、シリコーンあるいはスチレン−ブ
タジエンゴムの少なくとも1つと水溶性高分子化
合物を含む特定の塗布液を用いるものではある
が、フイルムに後処理によつて易滑性を付与する
点で、ポリエステルに微粒子を添加してフイルム
に易滑性を付与する方法とは相違する。 しかしながら、上記方法はフイルムの両面に塗
布液を塗布しフイルムの両面にミミズ状皮膜構造
を形成しなければ十分な易滑性を得られないのが
難点である。フイルムの片面のみにミミズ状皮膜
構造を形成せしめた場合には、ミミズ状皮膜構造
を有する面と有さない面との摩擦係数が依然とし
て大きく、十分な易滑性が得られない。 発明の目的 本発明の目的は、フイルムの片面上にのみ多数
の微小突起を有するコーテイング層を持ち、フイ
ルムの他方の面上にはそのようなコーテイング層
を持たず、この他方の面は実質的に平坦であるデ
ユアル構造の易滑性ポリエステルフイルムを提供
することにある。 本発明の他の目的は、種々の用途、例えば磁気
テープ用等の用途に対して、障害となる程度の転
写を起さないか、または実質的に起さない易滑性
ポリエステルフイルムを提供することにある。 本発明の別な目的は、熔融ポリエステルをスリ
ツトから押出して未延伸薄膜を形成し、更に逐次
二軸延伸する連続工程のうちに、フイルムの連続
生産を維持しながら、フイルム表面に多数の微小
突起を有するコーテイング層を形成せしめる手順
を組入れて、工業的に極めて有利に易滑性ポリエ
ステルフイルムを製造する方法を提供することに
ある。 なお本発明では水を溶媒とした組成物を用いる
ため、工程的、経済的及び安全上の点からもすぐ
れた利点を有する。一方従来技術にあつては、ポ
リエステルフイルム表面の易滑性表面への変性方
法は、多くの場合、有機溶剤に溶解せしめた組成
物をフイルム表層部に塗設することによつて達成
されてきた。しかし、かかる方法をフイルム製膜
中に施す場合、逸散有機溶剤による周囲環境の汚
染、安全および衛生上好ましからざる悪影響を及
ぼすため、有機溶媒の使用は極力最少限にとどめ
るべきである。 発明の構成 本発明の上述の目的は、結晶配向が完了する前
のポリエステルフイルムの片面に自己架橋性ポリ
ウレタン(A)、シリコーン(B)及び平均粒径1μm以
下の粗面化物質(C)を主成分とする水溶液、水分散
液または乳化液組成物を塗布し、フイルム面上で
この塗膜を架橋反応させて固化し、多数の微小突
起をもつ塗膜に形成せしめた易滑性ポリエステル
フイルムによつて達成される。 本発明においてポリエステルとは、芳香族二塩
基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオール
またはそのエステル形成性誘導体とから合成され
る線状飽和ポリエステルである。ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレンジカルボキシレート等が例示で
き、これらの共重合体、またはこれらと小割合の
他樹脂とのブレンド物なども含まれる。上記の線
状飽和ポリエステル樹脂を熔融押出し、常法でフ
イルム状となし、配向結晶化並びに熱処理結晶化
せしめたものが本発明のポリエステルフイルムで
ある。このポリエステルフイルムは、結晶融解熱
として走査型熱量計によつて窒素気流中〔10℃/
分の昇温速度において〕で測定した値が通常
4cal/g以上を呈する程度に結晶配向したもので
ある。 本発明において、結晶配向が完了する前のポリ
エステルフイルムとは、ポリマーを熱熔融してそ
のままフイルム状となした未延伸状フイルム;未
延伸フイルムをタテ方向またはヨコ方向の何れか
一方に配向せしめた一軸延伸フイルム;さらには
タテ方向およびヨコ方向の二方向に低倍率延伸配
向せしめたもの(最終的にタテ方向またはヨコ方
向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前
の二軸延伸フイルム)等を含むものである。 本発明のフイルムは、結晶配向が完了する前の
未延伸或は少くとも一軸方向に延伸された状態の
フイルムに特定の組成物を適用し、そのままタテ
延伸及び/またはヨコ延伸と熱固定とを施す所謂
インラインコーテイング方式で製造するものであ
る。 未延伸或は少くとも一軸方向に延伸されたフイ
ルムに前記の水系組成物(液)を塗布し、そのま
ま経時させたあと二軸延伸を完結せしめても効果
的な表面状態を得ることはむづかしく、あくまで
も塗布、延伸、熱固定の一連の工程が連続して行
なわれることが本発明を達成する上で極めて重要
な条件となる。 本発明のフイルム表面上で塗膜を形成する自己
架橋性ポリウレタン(A)とは、主たるポリウレタン
重合体が分子中に反応性基を含有し、水性液の状
態では反応が起らず安定化しているが、加熱やエ
ネルギー線の照射によつて反応が起つて架橋構造
が生成するものである。 自己架橋性ポリウレタン重合体中に含まれる反
応性基としてはエポキシ基、ブロツクドイソシア
ネート基、水酸基、カルボキシル基、カルボン酸
塩基、メチロール基、アルコキシアルキル基、エ
チレンイミノ基、アミノ基、酸無水物基、ハロゲ
ン基等を例示することが出来る。これらの反応性
基がポリウレタン重合体中に適当に組合されて存
在する。反応性基の組合せとしてはエポキシ基/
カルボキシル基、エポキシ基/アミノ基、ブロツ
クドイソシアネート基/水酸基、水酸基/アルコ
キシアルキル基、エポキシ基/酸無水物基等が例
示でき、またカルボン酸塩基やメチロール基のよ
うに単独でも自己架橋性を有する場合もある。こ
れらの反応性基又は2種以上の反応性基の組合せ
は1種のポリウレタン分子又は2種以上のポリウ
レタン分子に導入することができる。 例えばポリウレタンAの中にエポキシ基が含
まれ、ポリウレタンBの中にアミノ基が含まれる
場合;ポリウレタンAの中にエポキシ基と酸無
水物基とが含まれる場合;ポリウレタンAの中
にエポキシ基とアミノ基が含まれる場合;ポリ
ウレタンAの中にエポキシ基が含まれ、ポリウレ
タンBの中に酸無水物基が含まれる場合;ポリ
ウレタンAの中にエポキシ基とカルボキシル基と
が含まれる場合;ポリウレタンAの中にブロツ
クドイソシアネート基と水酸基とが含まれる場
合;ポリウレタンAの中にブロツクドイソシア
ネートが含まれ、ポリウレタンBの中に水酸基が
含まれる場合;ポリウレタンAの中にカルボン
酸亜鉛基が含まれる場合;ポリウレタンAの中
にメチロール基と水酸基とが含まれる場合;ポ
リウレタンAの中にアルコキシメチル基が含まれ
る場合;ポリウレタンAの中にエチレンイミノ
基が含まれ、ポリウレタンBの中にカルボキシル
基が含まれる場合等を挙げることができる。 これらの反応性基は加熱等によつて互に反応し
て加橋構造を形成するが、ポリウレタン分子とし
ては1種又は2種以上がこの架橋構造に関与する
ことができる。ポリウレタン分子以外に他の種類
の重合体でポリウレタン中の反応性基と加熱時互
に反応しうる基を有するものを1種以上添加する
ことができるし、低分子量物質でポリウレタン中
の反応性基と加熱時互に反応しうる基を有するも
のを1種以上添加することもできる。本発明にお
ける自己架橋性ポリウレタンの製造は公知の任意
の方法で実施することができる。前記反応性基は
ポリウレタンの原料であるポリヒドロキシ化合
物、ポリイソシアネート、鎖延長剤、その他の原
料、等のいずれかによつて導入することができ
る。自己架橋性ポリウレタンに親水性を付与させ
て水性液を造る方法としては種々の方法を採用し
うる。例えば、親水性はポリウレタン分子中にス
ルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩、アンモニ
ウム塩等の水溶性塩型の基を導入することによつ
て付与できる。これらの水溶性塩基の導入はポリ
ウレタン原料にこれらの基を含む物質を使う方
法、ポリウレタン生成後にポリウレタン分子中の
官能基を中和等の塩形成反応によつて変性させる
方法等任意の方法を選定しうる。自己架橋性ポリ
ウレタン原料としては次の物質を使用することが
できる。 () ポリヒドロキシ化合物:末端に水酸基を有
する化合物であり、例えば脂肪族ポリエステ
ル、ポリラクトン、芳香族ポリエステル、脂肪
族ポリエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリ
チオエーテル、ポリアセタール、グルセリン、
トリメチロールプロパン、ビスフエノールA−
エチレンオキシド付加物、ジメチロールプロピ
オン酸、ソルビツト、トリエタノールアミン、
エポキシ基含有グリコール、アミノ基含有グリ
コール、塩素含有グリコール、カルボン酸塩含
有グリコール、スルホン酸塩含有グリコール、
ブロツクドイソシアネート基含有グリコール等
を挙げることができる。 () ポリイソシアネート;1,4−ブタンジイ
ソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネ
ート、2,2,4−及び2,4,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘ
キサンジイソシアネート、4,4′−ジイソシア
ネート−ジフエニルメタン、4,4′−ジイソシ
アネート−ジシクロヘキシルメタン、2,4−
または2,6−トルイレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、第3級アミノ基
含有ポリイソシアネート、エポキシ基含有ポリ
イソシアネート、ポリイソシアネートと多価ア
ルコールの反応生成物、ポリイソシアネートと
ポリアミンの反応生成物、ブロツクドポリイソ
シアネート、部分ブロツクドポリイソシアネー
ト、スルホン酸塩基含有ポリイソシアネート等
を挙げることができる。 () 鎖延長剤:エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブタジエンジオール−1,3、
1,4−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール、シクロヘキサンジオール、2,2′−ビ
ス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパ
ン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、エチレンジアミン、ヒドラジン、ピペ
ラジン、ジアミノジフエニルメタン、スルホン
酸塩基含有グリコール、ブロツクドイソシアネ
ート基含有ポリオール、カルボン酸塩基含有ポ
リオール、エポキシ基含有ポリオール等を挙げ
ることができる。 () 他の原料:アミノ基含有カルボン酸塩、ア
ミノ基含有スルホン酸塩、エポキシ基含有アル
コール、エポキシ基含有カルボン酸、エチレン
イミノ基含有アルコール、酸無水物基含有アル
コール、ハロゲン含有エポキシ化合物、ブロツ
クイソシアネート基含有アルコール等を挙げる
ことができる。 これらの原料から任意の方法でポリウレタンを
生成させ、場合によつては中和、ブロツク化等の
後処理を施し、最終的には実質的に溶剤を含有し
ない水性ポリウレタン液を得ることができる。 かくして得られた自己架橋性ポリウレタン単
独、2種以上の混合物もしくはこれと通常の非架
橋性ポリウレタンとの混合物、低分子架橋剤との
混合物、又は反応性のある他の高分子樹脂もしく
は反応性を有しない他の高分子樹脂との混合物を
バインダー成分として用い得る。 自己架橋性ポリウレタン水性液の一例として
は、花王石けん(株)のUE−296A(商品名:ハード
タイプ)およびソフテツクスU−100(商品名:ソ
フトタイプ)が代表的に例示される。 ハードタイプのUE−296Aは主鎖構造中にポリ
ヒドロキシ成分として、芳香族化合物を含有し、
ソフトタイプのソフテツクスU−100は脂肪族化
合物を含有している。 UE−296AとソフテツクスU−100との混合割
合は通常、9/1〜4/6重量%(固形分)であ
り、好ましくは7/3〜5/5重量%(固形分)
である。 次に、本発明においてシリコーン(B)とは、シロ
キサンの置換基が主としてメチル基よりなるポリ
オルガノシロキサンを主成分とし、メチル基以外
には水酸基、α−メチルスチレン基、オキシアル
キレン基、不飽和基、クロロフエニル基、トリフ
ルオロプロピル基、エポキシ基、ビニル基、カル
ボン酸基、フエニル基、アミノ基、シアノエチル
基、α−オレフイン基、水素基、メルカプト基、
ハロゲン化アルキル基等が置換基として一部導入
されていてもよい。尚、末端にアミノ基、エポキ
シ基、水酸基等上記の有機基を有していてもよ
い。シリコーン(B)は25℃における粘度で10センチ
ストークス以上10万センチストークス以下の範囲
のものが好ましく、また分子量5000以上のものが
好ましい。上記オルガノポリシロキサンは水性媒
体中に乳化若しくは水溶化させるか、シラン若し
くはシロキサンの乳化重合によつて得られる水性
エマルジヨン等公知の製造方法によつて水性化が
可能である。 かくして得られたシリコーン水性液は単独また
は2種以上の混合物であつてもよい。またこれら
のうち、塗液としての自己架橋性ポリウレタン(A)
との相溶安定性等から、アミノ変性、ヒドロキシ
変性、エポキシ変性−ジメチルポリシロキサン等
が好ましい。 本発明におけるシリコーン(B)は磁気テープでの
走行耐久性、特に耐スクラツチ性への寄与効果を
賦与することにある。 次に、本発明において自己架橋性ポリウレタン
(A)及びシリコーン(B)の水性液(水溶液または分散
液若しくは乳化液)と混合させる粗面化物質とし
ては、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリビニリデンフルオライド若しくはポリア
クリロニトリル、ベンゾグアナミン樹脂等の如き
有機質微粉末、またはシリカ、アルミナ、二酸化
チタン、カオリン、タルク、グラフアイト、炭酸
カルシウム、長石、二硫化モリブデン、カーボン
ブラツクもしくは硫酸バリウム等の如き無機質微
粉末等が挙げられ、これらは乳化剤等を用いて水
性分散液としたものであつてもよく、また、微粉
末状でポリウレタン水性液、シリコーン水性液に
添加できるものであつてもよい。この粗面化物質
は平均粒径1μm以下の微粒子であり、好ましく
は平均粒径0.005〜0.5μm、特に好ましくは0.01〜
0.3μmである。また、これらの水不溶性の固体物
質は水分散液中で沈降するのを避けるため、比重
が3を超えない超微粒子を選ぶことが好ましい。 本発明における粗面化物質(C)は自己架橋性ポリ
ウレタン(A)塗膜自体の微小突起の均一形成を促進
する効果と微粉末自体による塗膜の補強効果とを
奏し、更にはシリコーン(B)の塗膜への耐スクラツ
チ性寄与効果とあいまつて、ポリエステルフイル
ムに優れた易滑性効果を賦与する。 本発明における主成分たる自己架橋性ポリウレ
タン(A)、シリコーン(B)及び粗面化物質(C)の混合割
合は、通常〔(A)+(B)〕/(C)=98/2〜40/60、且
つ(A)/(B)=98/2〜40/60(固形分換算:重量%)
の範囲であり、好ましくは〔(A)+(B)〕/(C)=95/
5〜80/20(重量比)である。シリコーン(B)の混
合割合が少なすぎると、走行耐久性(特に耐スク
ラツチ性)が低下し、また多すぎると被覆材と基
材との密着性を低下させたり、塗膜がべとつき現
像を呈したりして、フイルムの易滑性が低減して
くる。また、粗面化物質(C)の混合割合が少なすぎ
ると、添加される粗面化物質の、塗膜中での微細
突起形成物質としての突起均一形成効果の減少、
微粉末自体としての塗膜への補強効果の減少によ
り、フイルムの易滑性が低減してくる。また、こ
の割合が多すぎると、粗面化物質の比率が高くな
り、被覆材と基材との密着性が低下したり、塗膜
が脆くなるなどにより、微小突起が使用時にフイ
ルムに負荷される程度の摩擦力で破壊され、被覆
層が摩滅することから、易滑化効果の持続性が損
われる。 自己架橋性ポリウレタン(A)及びシリコーン(B)と
粗面化物質(C)との混合は、水分散液の状態として
混合を行なつてもよく、(A)若しくは(B)または両者
の水分散液の中に粉末状粗面化物質を、要すれば
乳化剤を添加し、撹拌分散してもよい。 本発明において、配向結晶化の過程が完了する
前のポリエステルフイルムの表面に塗膜を円滑に
塗設できるようにするために、予備処理としてフ
イルム表面にコロナ放電処理を施すか、または被
覆組成物とともにこれと化学的に不活性な界面活
性剤を併用することが好ましい。 かかる界面活性剤は組成物水性液の表面張力を
40dyne/cm以下に降下できるようなポリエステ
ルフイルムへの濡れを促進するものであり、例え
ば、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテ
ル、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステ
ル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキル
スルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、第4
級アンモニウムクロライド、アルキルアミン−塩
酸塩やシリコーン系、シリコーン−フツ素系、フ
ツ素系界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げるこ
とができる。 本発明の被覆組成物は、その寄与効果を消失し
ない限りにおいて、架橋剤、架橋促進剤、帯電防
止剤、潤滑剤、紫外線吸収剤、樹脂類等の種々の
添加剤と混合し、これらと併用することは何ら差
し支えない。また、迅速乾燥や溶解性向上をはか
るため、製膜工程での環境を著しく妨げない範囲
で組成物水性液にアルコール、エステル、エーテ
ル系溶媒などを追加することもできる。 本発明によれば、かくして調整された水溶液、
水分散液または乳化液は結晶配向が完了する前の
未延伸または少くとも一軸方向に延伸されたポリ
エステルフイルム表面に塗布される。その際の水
溶液、水分散液または乳化液の固形分濃度は、通
常50wt%以下、好ましくは20wt%以下が適当で
あり、粘度は200cps以下、好ましくは50cps以下
が適当である。 これらの水溶液、水分散液または乳化液は走行
しているフイルム1m2当り約0.5〜約20g、好ま
しくは約2〜約10gの量が附着されるように適用
される。換言すれば、最終的に得られる二軸延伸
フイルムにおいて、フイルムの一表面に1m2当り
約0.001〜約1g、好ましくは約0.01〜0.5g、よ
り好ましくは約0.03〜約0.3gの固形分が形成さ
れる量でフイルムに適用される。 本発明によれば、上述した水性液、すなわち水
溶液、水分散液または乳化液は走行している未延
伸または一軸延伸フイルムに塗布される。二軸延
伸熱固定して結晶配向を完了した後のフイルム
に、この水溶液や水分散液を塗布し、次いで加熱
しても、フイルム表面に多数の微細突起を有する
易滑性フイルムを製造することはできない。 本発明によれば、上記水性液は、好ましくは一
軸延伸が施された直後のフイルムに塗布され、次
いで二軸延伸および熱固定のためのテンターに導
びかれる。塗布物はポリエステルフイルムの延伸
に伴いその面積を拡大し、且つ加熱されて水を揮
散し、架橋反応により二軸延伸されたフイルムの
上に多数の微小突起を有する薄い固体塗膜層に変
換され、二軸延伸されたフイルム面上に強固に塗
設される。非架橋性ポリウレタン水溶液ないし水
分散液では、基材の延伸工程および熱処理工程を
経でも、単に水が揮発されて、ほぼ平坦な塗膜層
を形成するのみで、易滑性発現の効果は低い。 かかる非架橋性ポリウレタンの水分散液の一例
としては、日本ライヒホールド社のハイドラン
HW−140、ボンデイツク1150、同1150NSなどや
バイエル社のインプラニルDLH、同DLN、或は
住友バイエル社のデスモコールKA−8100、同
8066(何れも商品名)等が挙げられる。 本発明における被覆層の微小突起発現の理由は
充分に判つていないが、加熱されることによつて
進行する塗膜の自己架橋反応による構造変化に基
づく自己架橋性ポリウレタン塗膜特有の効果とポ
リエステルフイルムの延伸に伴う面積拡大に基づ
く塗膜の延伸効果との相乗効果によつて発現する
ものと推定される。 本発明においては、上述の水性液は未延伸又は
一軸延伸フイルムの片面に適用され得る。片面の
みに塗布されて得られた本発明の易滑性二軸延伸
フイルムは、一方の面が多数の微小突起を有し他
方の面が円滑であるデユアルサーフエス(dual
surface)構造を有し、磁気テープ用素材として
特に好適に使用できる。 水性液の適用は、それ自体公知の技術手段例え
ばリバースコート(ボトムフイード3本リバー
ス、ボトムフイード4本リバース、2本ロールリ
バースあるいはトツプフイード3本リバース等)、
キスマイヤーコート、グラビアコート(ダイレク
トグラビアあるいはオフセツトグラビア)、スロ
ツトダイコート又はカーテンコート等によつて行
うことができる。 本発明によれば、上記デユアルサーフエス構造
を有する本発明の易滑性フイルムは、好ましくは
上記水性液を、ニツプローラー群を離れた実質的
に水平に走る一軸延伸フイルムの下面からロール
コーターを用いて塗布する方法により有利に製造
することができる。 ポリエステル表面上に上記の如き手段によつて
均一な厚さに塗布された水溶液や水分散液あるい
は乳化液は、未固化の塗膜の状態でフイルムの延
伸に伴つてその面積が拡大されかつ加熱されて水
を揮散し、二軸延伸されたフイルム表面上で多数
の微小突起を有する薄い固体塗膜層に変換され、
二軸延伸されたフイルム表面に強固に固着され
る。 本発明によれば、上記水性液は基材の延伸工程
および熱処理工程によつて、上記の如く、多数の
微小突起を有する固体塗膜に変換される。 なお、上記多数の微小突起の形成には加熱が必
要であり、例えば一軸延伸フイルムに水性液を適
用し、次いで加熱せずに風乾せしめた場合には、
フイルムの被覆層に実質的に形態保持性を有する
多数の微小突起を形成せしめることはできないも
のである。 この加熱は、好ましくは約100〜約240℃の温度
で約1〜約20秒間行われる。 さらに、多数の微小突起を有する固体塗膜層の
形成は、例えば延伸倍率、フイルムに適用する水
性液の組成あるいは塗布量等によつても微妙に影
響される。 発明の効果 本発明の易滑性二軸延伸ポリエステルフイルム
は、後に実施例において具体的なデータを用いて
説明するとおり、極めて優れた滑り性を有してお
り、優れた滑り性が要求される種々の分野に、特
に磁気テープの素材として好適に用いられる。 本明細書における種々の値は下記のとおりにし
て測定され、かつ定義される。 (1) CLA値 東京精密社製触針式表面粗さ計(Surcom
3B)を使用して、針の半径2μm、荷重0.19gr
の条件下に、フイルム粗さ曲線を求め、その中
心線の方向に測定長さL(基準長2mm)の部分
を抜きとり、この抜きとり部分の中心線をX
軸、縦倍率の方向をY軸として粗さ曲線をY=
f(x)で表わしたとき、次の式で与えられた
値をμm単位で表わす。 RCLA=1/L∫L p|f(x)|dx この測定は、基準長を0.25mmとして8個測定
し、値の大きい方向から3個除外し5個の平均
値で表わす。 (2) 動摩擦係数(走行性) 添附図はフイルム走行性を評価するための動
摩擦係数μkを測定する模式図である(使用装
置、日本自動制御K.K.NJS101型)。図面にお
いて、1は繰出しリール、2はテンシヨンコン
トローラー、3,4,6,8,9,11はフリ
ーロール、5はテンシヨン検出機(入口)、7
はクロムメツキ固定ピン(5mmφ)、10はテ
ンシヨン検出機(出口)、12はガイドローラ、
13は捲取りリールを夫々示す。 図に示す如く、20℃60%RH雰囲気下で、易
滑化をはかつた処理面が外径5mmの固定ピン
(152/180)kラジアンで接触するようフイル
ムを通し、毎秒3.3cmの速さで移動摩擦させる。
そして入口テンシヨンが30grとなるようテンシ
ヨンコントローラー2を調整した時の出口テン
シヨンT210を求めて下式で動摩擦係数μkを
算出する。 μk=0.868logT2/30 尚、μkは100回パス後の値で表示する。 (3) 削れ性 100回パス後に固定ピン上に堆積する物質が
あるか、ないかを観察した。堆積物が殆んど認
められないものを〇、若干付着の形跡のあるも
のを△、多いものを×で表示する。 (4) 耐スクラツチ性 固定ピンとの100回パス後のフイルム表面の
摩耗状態(スクラツチの発生度合)を観察し
た。スクラツチが殆んど認められないものを
〇、可成発生しているものを×で表示する。 (5) フイルム摩擦係数 東洋テスター社製のスリツパリー測定器を使
用し、塗設面とポリエチレンテレフタレートフ
イルム(非処理)との摩擦係数を測定した。 実施例 以下、実施例を掲げて本発明を更に説明する。 比較例 1 25℃のオルソクロロフエノール中で測定した極
限粘度数が0.62の、無機質フイラーを全く含まな
いポリエチレンテレフタレート(結晶融解熱
9.8cal/g)をエクストルーダーで口金から押出
し、これを40℃に冷却したドラム上で静電印加を
行いながら厚さ152μmの押し出しフイルムとし、
続いてこれを93℃に加熱した金属ロール上で長手
方向に3.6倍に延伸した。次いで、テンター内に
導き98℃の予熱ゾーンを通過せしめ、105℃で横
方向に3.9倍に延伸し、更に225℃で6.3秒間熱固
定を行い、結晶配向を完結させたあとエツジをス
リツトしながら捲取テンシヨン9.8Kgの条件にお
いて500mm幅で捲取りを行つた。最終的にフイル
ムは平均12.1μmの厚さを有していた。 フイルム間相互の滑りが悪いためフイルムロー
ルに皺が発生した。一度この皺が発生すると、そ
れが次々と表層部へ伝播集中して、ロール端部の
一方側は固く、中央部が柔くなると云つた到底商
品形態をなさない捲姿となつた。 別に捲取テンシヨンを極度におとし4.66Kgで捲
取つたが、端部が不揃いとなる以外に捲皺もみら
れ、完全なものが得られなかつた。このフイルム
を1/2インチ巾にマイクロスリツトしようと試み
たが、不可能であつた。 得られた結果を第1表に示す。 実施例 1 自己架橋性ポリウレタンの30wt%自己乳化液
〔花王石けん(株)製;商品名UE−296A、ハードタ
イプ〕45重量部(固形分として)、自己架橋性ポ
リウレタンの10wt%自己乳化液〔花王石けん(株)
製;商品名ソフテツクス−U−100、ソフトタイ
プ〕30重量部(固形分として)、アミノ変性シリ
コーンの20wt%エマルジヨン液・10重量部(固
形分として)、コロイダルシリカの19wt%水分散
液(平均粒径40〜50μm)10重量部(固形分とし
て)およびポリオキシエチレンノニルフエニルエ
ーテル〔HLB=12.8;日本油脂(株)製、商品名
NS208.5〕5重量部を、最初ホモジナイザーで次
いで超音波分散機で充分に混合して塗布用組成物
を調製した。この塗布用組成物をイオン交換水に
て稀釈溶解せしめ、全固形分濃度9%の塗布液と
した。 次いで、比較例1と同じ二軸延伸フイルムの製
法においてタテ延伸が終了した一軸延伸フイルム
がテンターに入る直前の位置で、このフイルムの
片面上に、上記の塗布液を3本のロールから成る
コーターヘツドから均一に塗布した。 塗布液の塗布量は上記一軸延伸フイルム1m2
り約4gとした(この量は、下記の二軸延伸フイ
ルムでは1m2当り約0.092gに相当する)。片面塗
布を施した一軸延伸フイルムをテンター内に導き
98℃の予熱ゾーンを通過せしめ、105℃で横方向
に3.9倍に延伸し、更に225℃で6.3秒間熱固定し
た(塗布液を塗布されたフイルムが加熱を受けた
時間は合計で11秒間に相当する)。 かくして、二軸延伸されたフイルムは9.8Kgの
テンシヨンでしわの発生もなくして捲取ることが
できた。このフイルムを半インチ巾にマイクロス
リツトし、500m捲きのテープ52本を製造した。
この間、フイルムのスリツト化は何んらのトラブ
ルもなく良好に行われた。 上記本発明フイルムの表面特性、走行性等を第
1表に示す。 比較例1で得られたフイルム(塗布液を塗布さ
れていない)と比較すれば明らかな通り、本発明
のフイルムは特に磁気テープ用のベースフイルム
として極めて優れた基本特性を有する。 なお、処理面をアルミニウム蒸着し、微分干渉
顕微鏡で400倍に拡大して観察したところ、多数
の微小突起が形成されている事が確認できた。 比較例 2 比較例1の製膜条件で得られた二軸延伸フイル
ムの片面に、実施例1と同じ塗布組成物をマイヤ
ーバーを用いて、約1g/m2(ウエツト)と約4
g/m2(ウエツト)になるように2種類コーテイ
ングし、100℃で1分間予備乾燥し、次いでフイ
ルムを木枠で周囲を緊張固定し、約225℃の温度
雰囲気下で10秒間熱処理を施した。このあと、塗
布面側にアルミニウム蒸着を施して、これを微分
干渉顕微鏡を用いて400倍に拡大し表層を観察し
たが、微小突起状表面が殆ど形成されておらず、
平坦フイルム面が存在するにすぎなかつた。一
方、処理面と非処理面のスリツパリーは静摩擦係
数及び動摩擦係数とも0.5〜0.7であり、塗布の効
果は認められたものの、際立つて良いとは云えな
いレベルであつた。 比較例 3 非架橋性ポリウレタンの40wt%自己乳化液
〔バイエル社製、商品名インプラニルDLH〕75重
量部(固形分として)、アミノ変性シリコーンの
20wt%エマルジヨン液・10重量部(固形分とし
て)、コロイダルシリカ水分散液〔平均粒径40〜
50mμ〕10重量部(固形分として)およびポリオ
キシエチレンノニル・フエニルエーテル〔日本油
脂(株)製、商品名NS208.5〕5重量部を実施例11と
同様にして調整し、全固形分濃度9%の塗布液と
した。 尚、一軸延伸フイルムでの塗布量も含め、実施
例1と全く同様にして、二軸延伸フイルムを製造
した。 比較例1と同様な現象がみられ、フイルム間相
互の滑りが悪く、皺が発生した。更に、シリカの
量を30重量部(固形分として)に増加させてみた
ところ、捲取り性はやゝ改善されるものの、捲皺
の発生を回避することができず、1/2インチ幅の
テープの走行性テストも滑りが悪かつた。 比較例 4 実施例1においてアミノ変性シリコーンを使用
せず、その分自己架橋性ポリウレタンの量を増大
させること以外は実施例1と同様にして二軸延伸
フイルムを得た。このフイルムは削れ性が劣り
(△)、耐スクラツチ性も劣つていた(△)。 比較例 5 実施例1においてコロイダルシリカを使用せ
ず、その分自己架橋性ポリウレタンの量を増大さ
せること以外は実施例1と同様にして二軸延伸フ
イルムを得た。このフイルムはミルロールの巻き
が不良であり、スリツト不可であつた。 実施例 2 自己架橋性ポリウレタンの30wt%自己乳化液
〔花王石けん(株)製、商品名UE−296A〕26重量部
(固形分として)、自己架橋性ポリウレタンの
10wt%自己乳化液〔花王石けん(株)製、商品名ソ
フテツクスU−100〕17重量部(固形分として)、
エポキシ変性シリコーンの30wt%エマルジヨン
液・9重量部(固形分として)、コロイダルシリ
カ水分散液(平均粒径12〜15mμ)43重量部(固
形分として)およびポリオキシエチレンノニルフ
エニルエーテル〔日本油脂(株)製、商品名
NS208.5〕5重量部を、実施例1と同様にして調
整し、全固形分濃度5%の塗布液とした。 尚、一軸延伸フイルムでの塗布量約2.5g/m2
〔ウエツト;二軸延伸フイルムで約0.032g/m2
ライに相当〕で塗布する以外は実施例1と全く同
様にして二軸延伸フイルムを製造した。 実施例1と同様に、良好に捲取ることができ、
スリツト化にも何のトラブルも発生しなかつた。 本実施例のフイルムの表面特性及び走行性等を
第1表に示す。 実施例 3 自己架橋性ポリウレタンの30wt%自己乳化液
〔花王石けん(株)製、商品名UE−296A〕42重量部
(固形分として)、自己架橋性ポリウレタンの
10wt%自己乳化液〔花王石けん(株)製、商品名ソ
フテツクスU−100〕28重量部(固形分として)、
ヒドロキシ変性シリコーンの40wt%エマルジヨ
ン液・10重量部(固形分として)、イソオクチル
ミリステートの25wt%エマルジヨン液・5重量
部(固形分として)、コロイダルシリカ水分散液
(平均粒径40〜50mμ)10重量部(固形分として)
およびポリオキシエチレンノニルフエニルエーテ
ル〔日本油脂(株)製、商品名NS208.5〕5重量部
を、実施例1と同様にして調整し、全固形分濃度
9%の塗布液とした。 尚、一軸延伸フイルムでの塗布量も含め、実施
例1と全く同様にして、二軸延伸フイルムを製造
したところ良好に捲取ることができ、スリツト化
にも何のトラブルも発生しなかつた。 この実施例のフイルムの表面特性及び走行性等
を第1表に示す。 実施例 4 自己架橋性ポリウレタンの30wt%自己乳化液
〔花王石けん(株)製、商品名UE−296A〕45重量部
(固形分として)、自己架橋性ポリウレタンの
10wt%自己乳化液〔花王石けん(株)製、商品名ソ
フテツクスU−100〕30重量部(固形分として)、
エポキシ変性シリコーンの30wt%エマルジヨン
液・10重量部(固形分として)、四弗化ポリエチ
レン〔ダイキン工業(株)製、商品名ルブロンL−
2;平均粒径約0.2μm〕10重量部および非イオン
性界面活性剤NS208.5〔日本油脂(株)製、商品名〕
5重量部を実施例1と同様にして調整し、全固形
分濃度16%の塗布液とした。 次いで、比較例1のタテ延伸が終了した一軸延
伸フイルムがテンターに至る直前の位置で、この
フイルムの片面上に、上記塗布液を3本のロール
から成るコーターヘツドから均一に塗布した。 塗布量は一軸延伸フイルムで約7g/m2〔ウエ
ツト;二軸延伸フイルムで約0.287g/m2ドライ
に相当する〕とした。片面塗布を受けた一軸延伸
フイルムをテンター内に導き、98℃の予熱ゾーン
を通過せしめ、105℃で横方向に3.9倍に延伸し、
更に235℃で10秒間熱固定した(塗布液を塗布さ
れたフイルムが加熱を受けた時間は合計で20秒間
に相当する)ところ、良好に捲取ることができ、
スリツト化にも何のトラブルも発生しなかつた。
この実施例の表面特性及び走行性等を第1表に示
す。 実施例 5 実施例1で得られた易滑化二軸配向ポリエステ
ルフイルムの非処理面側に、下記に示す磁性塗料
をグラビアロールにより塗布し、ドクターナイフ
により磁性塗料層をスムージングし、磁性塗料の
未だ乾かぬ間に常法により磁気配向させ、しかる
後オーブンに導びいて乾燥キユアリングした。更
にカレンダー加工して塗布表面を均一にし、約
4μmの磁性層を形成した1/2インチ幅のテープを
作成した。尚、上記各加工・工程中何んらトラブ
ルもなく且つ易滑化処理面の走行耐久性(削れ
性、耐スクラツチ性)も良好であつた。 磁性塗料の組成 針状Fe粒子(平均長径0.4μ;比表面積約40m2
g) 100重量部 エスレツクA(積水化学製;塩化ビニル/酢酸ビ
ニル共重合体) 10 〃 ニツポラン2304(日本ポリウレタン製;ポリウレ
タンエラストマー) 10 〃 コロネートL(日本ポリウレタン製;ポリイソシ
アネート) 5 〃 レシチン 2 〃 添加剤(潤滑剤、シリコン樹脂) 1 〃 MEK 75 〃 MIBK 75 〃 トルエン 75 〃
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
図はフイルム走行性を評価するための動摩擦係
数(μk)を測定する模式図である。 1:繰出しリール、2:テンシヨンコントロー
ラー、3,4,6,8,9,11:フリーロー
ル、5:テンシヨン検出機(入口)、7:固定ピ
ン、10:テンシヨン検出機(出口)、12:ガ
イドローラ、13:捲取りリール。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 結晶配向が完了する前のポリエステルフイル
    ムの片面に自己架橋性ポリウレタン(A)、シリコー
    ン(B)及び平均粒径1μm以下の粗面化物質(C)を主
    成分とする水溶液、水分散液または乳化液組成物
    を塗布し、フイルム面上においてこの組成物を架
    橋反応せしめて多数の微小突起をもつ塗膜を形成
    せしめてなる易滑性ポリエステルフイルム。
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