JP2662031B2 - ポリエステルフイルム - Google Patents

ポリエステルフイルム

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JP2662031B2
JP2662031B2 JP1150484A JP15048489A JP2662031B2 JP 2662031 B2 JP2662031 B2 JP 2662031B2 JP 1150484 A JP1150484 A JP 1150484A JP 15048489 A JP15048489 A JP 15048489A JP 2662031 B2 JP2662031 B2 JP 2662031B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は優れた透明性を有しかつ易滑易接特性を有す
るポリエステルフイルムに関し、更に詳しくはポリエス
テルフイルムの少なくとも片面に多数の微小突起を有す
る高透明塗膜を形成し、かつ該突起の耐削れ性を向上さ
せた、高透明易滑易接着性のポリエステルフイルムに関
する。
<従来技術> ポリエステルフイルム、特にポリエチレンテレフタレ
ートの二軸延伸フイルムは、優れた機械的性質,耐熱性
あるいは耐薬品性等を有するため、磁気テープ,強磁性
薄膜テープ,写真フイルム,包装用フイルム,コンデン
サー用メタライジングフイルム,電気絶縁フイルム,ス
タンピングホイル用フイルム,ラベル用フイルムあるい
は書写フイルム等の素材として広く用いられ、その需要
の伸びは最近特に著しい。
しかしながら、ポリエステルフイルムの生産および上
記の如き用途への適用を円滑に行うためには、ポリエス
テルフイルムの滑り性を改善することが必要である。ま
た用途によっては高い透明性,易接着性が求められる。
例えば、フイルムの滑り性が不足する場合、特に薄いポ
リエステルフイルムのときに、捲取り,捲返し,塗布,
スリット等の如き作業に重大な支障を及ぼし、捲き皺の
発生,発生した静電気による塵埃吸着などの好ましから
ざるトラブルをもたらす。
従来、ポリエステルフイルムの滑り性を改善する手段
として、例えば酸化珪素,カオリン,タルク,炭酸カル
シウムあるいはアルミナ等の種々のフイラーの微小粒子
を添加したポリエステルを用いて製膜し、次いで二軸延
伸工程でフイルム厚みが減る際にフイラーがフイルム面
に微小突起として突出する現象を利用することが実用化
されている。同様に微小突起を利用する滑り性の改善技
術としては、ポリエステルの重合時に用いる触媒を重合
体に不溶性の粒子に変換させる方法も知られている。
これらの技術は、フイルムの滑り性を改善する点では
事実ある程度の成功をおさめているが、フイルム組成内
に微小粒子が存在するため当然のことながらフイルムの
透明度を低下させたり、あるいはフイルム組成内にボイ
ドを生成するなどの改善されるべき問題を残している。
特に、ジアゾフイルム,メタライジングフイルム,写真
フイルム,スタンピングホイル用フイルム,ラベル用フ
イルム,磁気テープフイルム等の素材としてのポリエス
テルフイルムにとって、フイルムの透明度の低下および
ボイドの生成は重大な障害となる。
また、ポリエステルフイルム上にある種の粗面化物質
を塗布する方法も知られている。例えば、アクリル系樹
脂に粗面化物質をフイラーとして添加し、粗面化塗布膜
を形成することで滑り性の向上がはかられる。このアク
リル系樹脂は種々の官能基を構造中に組み込みやすく、
多種多用の共重合体を製造することができるので、耐ブ
ロッキング性のあるフイラーバインダーとして用いられ
ている。しかし、本発明者の研究結果、該アクリル系樹
脂単独ではフイラーの保持力が弱く、フイラーの削れに
よる脱落問題を生じやすく、また易接機能に対しても効
果不足であることが明らかとなった。
<発明の目的> 本発明者は、更に、アクリル系樹脂の特徴を保持しな
がら上記欠点を解消し、高い透明性を有し、かつ易接着
性,易滑性,耐削れ性,耐ブロッキング性,ハンドリン
グ性等にすぐれたポリエステルフイルムを開発すべく鋭
意研究した結果、本発明に到達した。
本発明の目的は、高い透明性を有し、かつ易接着性,
易滑性,耐削れ性,耐ブロッキング性,ハンドリング性
等にすぐれたポリエステルフイルムを提供することにあ
る。
<発明の構成・効果> 本発明の目的は、本発明によれば、ポリエステルフイ
ルムの少なくとも片面に、塗膜形成樹脂が二次転移点
(Tg)が5〜110℃のアクリル系樹脂(A)及び二次転
移点(Tg)が5〜100℃のポリエステル系樹脂(B)か
らなり、かつ粗面化物質(C)がアクリル系架橋重合
体、スチレン系架橋重合体、フッ素樹脂、ベンゾグアナ
ミン樹脂およびフェノール樹脂からなる群から選ばれた
少なくとも1種の樹脂からなる平均粒径0.01〜0.5μm
の有機質微粒子からなり、量比が(A)10〜80重量%、
(B)15〜85重量%及び(C)5〜30重量%である成分
を用いた塗膜が形成されており、かつヘーズ値4%以
下、摩擦係数(μs)0.33以下であることを特徴とする
ポリエステルフイルムによって達成される。
本発明においてポリエステルフイルムを構成するポリ
エステルとは、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成
性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体と
から合成される線状飽和ポリエステルである。かかるポ
リエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレー
ト,ポリエチレンイソフタレート,ポリブチレンテレフ
タレート,ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテ
レフタレート),ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレート等が例示でき、これらの共重合体または
これらと小割合の他樹脂とのブレンド物なども含まれ
る。
かかるポリエステルには、必要により、適当なフイラ
ーを含有させることができる。
ポリエステルフイルムは、かかる線状飽和ポリエステ
ル樹脂を溶融押出し、常法でフイルム状となし、配向結
晶化及び熱処理結晶化せしめることで得ることができ
る。ポリエステルフイルムとしては、結晶融解熱として
差動走査型熱量計によって窒素気流中[10℃/分の昇温
速度において]で測定した値が通常4cal/g以上を呈する
程度に結晶配向したものが好ましい。
本発明において塗膜形成成分のアクリル系樹脂(A)
は二次転移点(Tg)が5〜110℃,好ましくは10〜90℃
のアクリル系樹脂である。かかるアクリル系樹脂は、例
えばアクリル酸エステル(アルコール残基としては、メ
イル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−
ブチル基,イソブチル基,t−ブチル基,2−エチルヘキシ
ル基,シクロヘキシル基,フェニル基,ベンジル基,フ
ェニルエチル基等を例示できる);メタクリル酸エステ
ル(アルコール残基は上記と同じ。);2−ヒドロキシエ
チルアクリレート,2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト,2−ヒドロキシプロピルアクリレート,2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート等の如きヒドロキシ含有モノマ
ー;アクリルアミド,メタクリルアミド,N−メチルメタ
クリルアミド,N−メチルアクリルアミド,N−メチロール
アクリルアミド,N−メチロールメタクリルアミド,N,N−
ジメチロールアクリルアミド,N−メトキシメチルアクリ
ルアミド,N−メトキシメチルメタクリルアミド,N−フェ
ニルアクリルアミド等の如きアミド基含有モノマー;N,N
−ジエチルアミノエチルアクリレート,N,N−ジエチルア
ミノエチルメタクリレート等の如きアミノ基含有モノマ
ー;グリシジルアクリレート,グリシジルメタクリレー
ト,アリルグリシジルエーテル等の如きエポキシ基含有
モノマー;スチレンスルホン酸,ビニルスルホン酸,お
よびそれらの塩(例えばナトリウム塩,カリウム塩,ア
ンモニウム塩等)等の如きスルホン酸基またはその塩を
含有するモノマー;クロトン酸,イタコン酸,アクリル
酸,マレイン酸,フマール酸,及びそれらの塩(例えば
ナトリウム塩,カリウム塩,アンモニウム塩等)等の如
きカルボキシル基またはその塩を含有するモノマー;無
水マレイン酸,無水イタコン酸等の酸無水物を含有する
モノマー;その他、ビニルイソシアネート,アリルイソ
シアネート,スチレン,ビニルメチルエーテル,ビニル
エチルエーテル,ビニルトリスアルコキシシラン,アル
キルマレイン酸モノエステル,アルキルフマール酸モノ
エステル,アクリロニトリル,メタクリロニトリル,ア
ルキルイタコン酸モノエステル,塩化ビニリデン,酢酸
ビニル,塩化ビニル等の単量体の組合せからつくられる
が、アクリル酸エステル,メタクリル酸エステルの如き
(メタ)アクリル酸エステル系単量体の成分が50モル%
以上含まれているものが好ましく、特にメタクリル酸メ
チルの成分を含有しているものが好ましい。
また、塗膜形成成分のポリエステル系樹脂(B)は二
次転移点(Tg)が5〜100℃,好ましくは10〜70℃のポ
リエステル系樹脂である。かかるポリエステル系樹脂を
構成する酸成分としてはテレフタル酸,イソフタル酸,
フタル酸,1,4−シクロヘキサンジカルボン酸,2,6−ナフ
タレンジカルボン酸,4,4′−ジフェニルジカルボン酸,
アジピン酸,セバシン酸,ドデカンジカルボン酸,コハ
ク酸,5−Naスルホイソフタル酸,2−Kスルホテレフタル
酸,トリメリット酸,トリメシン酸,無水トリメリット
酸,無水フタル酸,P−ヒドロキシ安息香酸,トリメリッ
ト酸モノカリウム塩等の多価カルボン酸を例示しうる。
また、ヒドロキシ化合物成分としてはエチレングリコー
ル,プロピレングリコール,1,3−プロパンジオール,1,4
−ブタンジオール,1,6−ヘキサンジオール,1,4−ブタン
ジオール,1,6−ヘキサンジオール,ネオペンチルグリコ
ール,1,4−シクロヘキサンジメタノール,P−キシリレン
グリコール,ビスフェノールA−エチレンオキシド付加
物,ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,
ポリエチレンオキシドグリコール,ポリテトラメチレン
オキシドグリコール,ジメチロールプロピオン酸,グリ
セリン,トリメチロールプロパン,ジメチロールエチル
スルホン酸ナトリウム,ジメチロールプロピオン酸カリ
ウム,等の多価ヒドロキシ化合物を例示しうる。これら
の化合物から、常法によってポリエステル系樹脂をつく
ることができる。水性塗布液をつくる場合には、5−Na
スルホイソフタル酸成分又はカルボン酸塩基を含有する
ポリエステル系樹脂を用いるのが好ましい。ポリエステ
ル系樹脂には前記アクリル系単量体をグラフト重合させ
た変性共重合体も含まれる。
さらに、塗膜形成成分の粗面化物質(C)は、塗膜中
で平均粒径0.01〜0.5μmの微粒子を形成するものであ
り、好ましい平均粒径は0.01〜0.1μmである。かかる
粗面化物質とは、ベンゾグアナミン樹脂およびフェノー
ル樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂か
らなる有機質微粒子である。
かかる粗面化物質は、塗膜自体の微小突起の均一形成
を促進する作用と微粉末自体による塗膜の補強作用とを
奏し、更には塗膜への耐ブロッキング性,摩擦力の低減
性等への作用及び両者の相乗作用による塗膜への耐スク
ラッチ性向上とあいまってポリエステルフイルムに優れ
た滑り性を賦与する。
本発明において、塗膜形成の主成分、すなわち成分
(A),成分(B)及び成分(C)の配合割合は、これ
らの合計量当り、成分(A)が10〜80重量%,成分
(B)が15〜85重量%,成分(C)が5〜30重量%であ
る必要がある。もっとも、成分(C)の割合に耐削れ性
と透明性をバラスさせるために粒径と配合量の組合せを
選定するのが好ましく、例えば平均粒径が0.1μm以
上、0.5μm以下の比較的大きな粒子を用いるときには
5〜10重量%の範囲内から、また平均粒径が0.01μm以
上0.1μm未満の粒子を用いるときには8〜30重量%の
範囲内から選定するのが好ましい。また遮光性の強い粒
子は配合割合を少なくして、滑り性,耐削れ性を付与す
るように工夫するとよい。好ましい配合割合は、成分
(A)が20〜70重量%,成分(B)が25〜70重量%,成
分(C)が7〜25重量%である。成分(A)の割合が10
重量%より小さくなると、成分(A)の特徴が塗膜特性
に反映されなくなり、一方80重量%より大きくなると、
成分(A)の欠点が塗膜特性を左右するようになり、好
ましくない。成分(B)の割合が15重量%より小さい
と、塗膜の耐削れ性,易接特性が不足するので、好まし
くない。また成分(C)の割合が5重量%より小さくな
ると、滑り性が不足し、一方30重量%より大きくなると
耐削れ性,透明性が悪くなるので、好ましくない。
これら成分の配合法は特に制限はないが、好ましくは
水分散液の状態として混合を行なってもよく、成分
(A)若しくは成分(B),又は成分(A)及び成分
(B)の混合物の水分散液中に成分(C)を添加し、撹
拌分散してもよい。
本発明における塗膜は、ポリエステルフイルム製造過
程で塗布液を塗布することで形成するのが好ましい。例
えば、配向結晶化の過程が完了する前のポリエステルフ
イルムの表面に水性塗布液を塗布するのが好ましい。
ここで、結晶配向が完了する前のポリエステルフイル
ムとは、該ポリマーを熱溶融してそのままフイルム状と
なした未延伸状フイルム:未延伸フイルムを縦方向また
は横方向の何れか一方に配向せしめた一軸延伸フイル
ム:さらには縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸
配向せしめたもの(最終的に縦方向または横方向に再延
伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フイ
ルム)等を含むものである。
本発明のフイルムは、好ましくは結晶配向が完了する
前の未延伸或いは少なくとも一軸方向に延伸された状態
のフイルムに上記組成物の塗布液を適用し、そのまま縦
延伸及び/又は横延伸と熱固定とを施す、所謂インライ
ンコーティング方式でせ製造する。その際、配向結晶化
の過程が完了する前のポリエステルフイルムの表面に塗
膜を円滑に塗設できるようにするために、予備処理とし
てフイルム表面にコロナ放電処理を施すか、または塗膜
組成物とともにこれと化学的に不活性な界面活性剤を併
用することが好ましい。かかる界面活性剤は塗液(水性
液)の表面張力を40dyne/cm以下に降下できるようなポ
リエステルフイルムへの濡れを促進するものであり、例
えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル,
ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪
酸エステル,グリセリン脂肪酸エステル,脂肪酸金属石
鹸,アルキル硫酸塩,アルキルスルホン酸塩,アルキル
スルホコハク酸塩等のアニオン型,ノニオン型界面活性
剤等を挙げることができる。更に、本発明の効果を消失
させない範囲において、例えば紫外線吸収剤,潤滑剤等
の他の添加剤を混合することができる。
本発明において、塗布液殊に水性塗布液の固形分濃度
は、通常30重量%以下であり、15重量%以下が好まし
い。粘度は100cps以下、好ましくは20cps以下が適当で
ある。塗布量は走行しているフイルム1m2当り約0.5〜20
g、更には1〜10gが好ましい。換言すれば、最終的に得
られる二軸延伸フイルムにおいて、フイルムの一表面に
1m2当り約0.001〜1g、更には約0.01〜0.3gの固形分が好
ましい。
塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用でき
る。例えばロールコート法,グラビアコート法,ロール
ブラッシュ法,スプレーコート,エアーナイフコート,
含浸法およびカーテンコート法などを単独または組合せ
て適用するとよい。
本発明における好ましい製造法によれば、上記水性液
は、好ましくは縦一軸延伸が施された直後のフイルムに
塗布され、次いで、横延伸および熱固定のためのテンタ
ーに導かれる。その際、塗布物は未固化の塗膜の状態で
フイルムの延伸に伴ってその面積が拡大されかつ加熱さ
れて水を揮散し、二軸延伸されたフイルム表面上で微小
突起を有する薄い固体塗膜層に変換され、二軸延伸され
たフイルム表面に強固に固着される。
本発明によれば、上記塗布液は基材の延伸工程および
熱処理工程によって、上記の如く、多数の微小突起を有
する塗膜に変換される。
この加熱は、好ましくは約100〜約240℃の温度で約1
〜約20秒間行われる。
ポリエステルフイルムの配向結晶化条件、例えば延
伸,熱固化等の条件は、従来から当業界に蓄積された条
件で行うことができる。
本発明においては、塗膜はポリエステルフイルムの片
面または両面に形成され得るが、例えば片面のみに塗膜
を形成して得られ二軸延伸ポリエステルフイルムは、一
方の面に微小突起を有し、他方が平坦であるデュアルサ
ーフェース構造を有するため、平坦易滑用素材として特
に好適である。さらに、塗膜がアクリル系樹脂及びポリ
エステル系樹脂のバインダーより構成されていることか
ら易接着性を有しており、特に各種インキの易接着(易
印刷性)フイルム素材として好適である。
本発明のポリエステルフイルムは、ヘーズ値が4%以
下、更に3.5%以下である必要があり、かつ摩擦係数
(μs)が0.33以下である必要がある。これら特性の一
つでも不足すると、透明易滑の特性を満足することがで
きない。
本発明のポリエステルフイルムは、高い透明性を有す
るとともに、滑り性,,耐削れ性,耐ブロッキング性,作
業性等にすぐれ、かつ塗膜上に表層材を設ける場合該表
層材に対してすぐれ接着性を示す。それ故、本発明のポ
リエステルフイルムはこれら特性を求める用途に有用で
あり、特にラベル用,スタンピングホイル用,メタライ
ジング用に有用である。また該ポリエステルフイルム
は、上記特性の少くとも一部を利用して上記以外の用途
に用いることもできる。
本明細書における種々の特性値は下記のとおりにして
測定され、かつ定義される。
1.フイルム摩擦係数(μs) ASTM D1894−63に準じ、東洋テスター社製のスリッ
パリー測定器を使用し、塗膜面とポリエチレンテレフタ
レートフイルム(非塗設面)との静摩擦係数(μs)を
測定する。但し、スレッド板はガラス板とし、荷重は1k
gする。滑り性は、次の基準で判定する。
○:良 好(μs:0.8以下) △:やや不良(μs:0.8〜1.0) ×:不 良(測定不可能) 2.ハンドリング性(易滑面の耐久性) 添付図はフイルム走行性を評価するための動摩擦係数
μkを測定する模式図である(使用装置,日本自動制御
(株)製NJS101型)。図面において、1は繰出しリー
ル,2はテンションコントローラー,3,5,6,8,9,11はフリ
ーロール,4はテンション検出機(入口),7はクロムメッ
キ固定ピン(5mmφ),10はテンション検出機(出口),1
2はガイドローラ,13は捲取りリールを夫々示す。
図に示す如く、20℃,60%RH雰囲気下で、易滑化をは
かったフイルム処理面を、外径5mmの固定ピンに角度θ
=(152/180)πラジアン(152゜)で接触させ、毎秒3,
3cmの速さで移動,摩擦させる。入口テンション(T1
が30gとなるようテンションコントローラー2を調整
し、走行させる。
(1) 削れ性 固定ピン上に堆積する物質があるか、ないかを観察
し、堆積する物質が発生しはじめる時間を測定する。
◎:30分以上堆積物が殆んど認められない ○:10分〜30分で堆積物が認められる △:1〜10分間で堆積物が認められる ×:1分以下で堆積物が認められる (2) 滑り性 繰り返し走行中のフイルムとピンの摩擦状態を摩擦係
数(μk)で測定、評価する ○:良 好(μk:<0.5) △:やや不良(μk:0.5〜1.0) ×:不 良(μk:≧1.0(測定不可能)) 3.耐ブロッキング性 2枚のフイルムを処理面と非処理面同士が接するよう
に重ね合せて、これに6kg/cm2の圧力を60℃×80%RHの
雰囲気下17hrのかけたのち剥離し、その剥離力で評価す
る。
○:15g/5cm巾以下 △:15〜20g/5cm巾 ×:20g/5cm巾以上 4.易接着性 インキ易接着性を評価するため下記の表に示す各種イ
ンキを被覆処理面上に印刷(3〜4μ)し、ニチバンセ
ロテープ(ニチバン社製)巾18mmを気泡のはいらないよ
うに粘着させ、この上をJIS C2701記載の手動式荷重ロ
ールでならす。この試料の粘着テープを高速T字剥離
し、インキの接着性を評価する。
○:全くインキがはがれない △:50%以上インキが残る ×:すべてインキがはがれてしまう 5.ヘーズ値測定 日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−2D)を使用
し、塗布フイルムのヘーズ値を測定する。
ヘーズ値は次の基準で判定する。
○:良 好(3.5%未満) △:やや良い(3.5〜4.0%) ×:不 良(4.0%越) 6.固有粘度([η]) オルソクロロフェノール溶剤を用い、35℃で測定した
溶液粘度から求める。
7.二次転移点(Tg) 示差走査熱量計(DSC)を用いて測定する。
<実施例> 以下、実施例をあげて本発明を更に説明する。
尚、例中の「部」は「重量部」を意味する。
比較例1 溶融ポリエチレンテレフタレート([η]=0.65)を
ダイより押出し、約40℃に維持した冷却ドラム上で静電
印加を行ないながら冷却して未延伸フイルムとし、次に
これを機械軸方向に3.6倍延伸し、続いて横方向に3.7倍
延伸し、更に熱固定(235℃)を行ない、結晶配向を完
結させた。そのあと捲き取りを行ない、12μmの厚さの
二軸延伸フイルムを得た。
得られたフイルムの特性を第1表に示す。
比較例2 アクリル系樹脂水分散体(メチルメタクリレート/エ
チルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/N
−メチロールアクリルアミド=65/28/2/5;Tg=45℃)90
部および平均粒径0.03μの水分散体フイラー(アクリル
系架橋樹脂粒子)10部をイオン交換水で希釈し、固形分
濃度2.7重量%の塗布液を調製した。
比較例と同じ二軸延伸フイルムの製法において、縦延
伸(機械軸方向延伸)が終了した一軸延伸フイルムがテ
ンターに入る直前の位置で、このフイルムの片面上に上
記の塗布液を均一に塗布した。このときの平均塗布量は
上記一軸延伸フイルム1m2当り、約3g wet量であった。
片面塗布を施した一軸延伸フイルムをテンター内に導き
95℃の予熱ゾーンを通過せしめ、120℃で横方向に3.7倍
延伸し、更に235℃で熱固定した。
かくして、二軸延伸されたフイルムは皺の発生もな
く、捲取ることができた。このフイルムの特性を第1表
に示す。
実施例1 アクリル系樹脂水分散体(メチルメタクリレート/エ
チルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/N
−メチロールアクリルアミド=65/28/2/5;Tg=45℃)40
部;ポリエステル系樹脂水分散体「ペスレジン2000」
(高松油脂(株)製:Tg=68℃)50部および平均粒径0.0
3μmの水分散体フイラー(アクリル系架橋樹脂粒子)1
0部をイオン交換水で希釈し、固形分濃度2.7重量%の塗
布液を調製した。
比較例1と同じ二軸延伸フイルムの製法において、縦
延伸が終了した一軸延伸フイルムがテンターに入る直前
の位置で、このフイルムの片面上に上記の塗布液を均一
に塗布した。このときの平均塗布量は上記一軸延伸フイ
ルム1m2当り、約3g wet量であった。片面塗布を施した
一軸延伸フイルムをテンター内に導き95℃の予熱ゾーン
を通過せしめ、120℃で横方向に3.7倍延伸し、更に235
℃で熱固定した。
かくして、二軸延伸されたフイルムは皺の発生もな
く、捲取ることができた。このフイルムの特性を第1表
に示す。
実施例2 実施例1においてアクリル系樹脂水分散体/ポリエス
テル系樹脂水分散体の重量部を30部/60部に変える以外
は実施例1と全く同様にして二軸延伸フイルムを得た。
このフイルムの特性を第1表に示す。
実施例3 実施例1においてアクリル系樹脂水分散体/ポリエス
テル系樹脂水分散体の重量部を30部/60部に変える以外
は実施例1と全く同様にして二軸延伸フイルムを得た。
このフイルムの特性を第1表に示す。
実施例4 実施例1においてアクリル系樹脂水分散体/ポリエス
テル系樹脂水分散体/水分散体フイラーの重量部を36/4
4/20に変える以外は実施例1と全く同様にして二軸延伸
フイルムを得た。このフイルムの特性を第1表に示す。
比較例3 実施例1においてフイラーとして平均粒径0.2μmの
水分散体フイラー(シリカ)7部を用いる以外は実施例
1と全く同様にして二軸延伸フイルムを得た、このフイ
ルムの特性を第1表に示す。
実施例5 実施例1において水分散体フィラーフィラーとしてア
クリル系樹脂粒子の変わりにスチレン系架橋重合体粒子
を用いる以外は実施例1と全く同様にして二軸延伸フイ
ルムを得た。このフイルムの特性を第2表に示す。
実施例6 実施例1において水分散体フィラーフィラーとしてア
クリル系樹脂粒子の変わりにフッ素樹脂体粒子を用いる
以外は実施例1と全く同様にして二軸延伸フイルムを得
た。このフイルムの特性を第2表に示す。
実施例7 実施例1において水分散体フィラーフィラーとしてア
クリル系樹脂粒子の変わりにベンゾグアナミン樹脂粒子
を用いる以外は実施例1と全く同様にして二軸延伸フイ
ルムを得た。このフイルムの特性を第2表に示す。
実施例8 実施例1において水分散体フィラーフィラーとしてア
クリル系樹脂粒子の変わりにフェノール樹脂粒子を用い
る以外は実施例1と全く同様にして二軸延伸フイルムを
得た。このフイルムの特性を第2表に示す。
比較例4 実施例1においてポリエステル系樹脂水分散体の重量
部を90部に変え、アクリル系樹脂水分散体を用いない以
外は実施例1と全く同様にして二軸延伸フイルムを得
た。このフイルムの特性を第2表に示す。
比較例5 実施例1において水分散体フィラーの重量量を1部に
変える以外は実施例1と全く同様にして二軸延伸フイル
ムを得た。このフイルムの特性を第2表に示す。
比較例6 実施例1においてアクリル系樹脂水分散体40部/ポリ
エステル系樹脂水分散体を50部の変わりに、自己架橋型
ポリウレタン50部/シリコーン50部を用いる以外は実施
例1と全く同様にして二軸延伸フイルムを得た。このフ
イルムの特性を第2表に示す。
比較例7 実施例1においてアクリル系樹脂水分散体の重量部を
30部、ポリエステル系樹脂水分散体の重量部を40部と
し、セルロース系樹脂としてメチルセルロースを20部加
える以外は実施例1と全く同様にして二軸延伸フイルム
を得た。このフイルムの特性を第2表に示す。
以上の結果から、本発明のポリエステルフイルムは優
れた透明性,易滑性,易接着性等を有していることが明
らかである。
【図面の簡単な説明】
図はフイルムのハンドリング性を評価するための動摩擦
係数(μK)を測定する模式図である。 1:繰出しリール,2:テンションコントローラー,3,5,6,8,
9,11:フリーロール,4:テンション検出機(入口),7:固
定ピン,10:テンション検出機(出口),12:ガイドロー
ラ,13:捲取りリール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−61259(JP,A) 特開 昭62−152850(JP,A) 特開 昭60−27539(JP,A) 特開 昭63−309533(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルフイルムの少なくとも片面
    に、塗膜形成樹脂が二次転移点(Tg)が5〜110℃のア
    クリル系樹脂(A)及び二次転移点(Tg)が5〜100℃
    のポリエステル系樹脂(B)からなり、かつ粗面化物質
    (C)がアクリル系架橋重合体、スチレン系架橋重合
    体、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂およびフェノー
    ル樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂か
    らなる平均粒径0.01〜0.5μmの有機質微粒子からな
    り、量比が(A)10〜80重量%、(B)15〜85重量%及
    び(C)5〜30重量%である成分を用いた塗膜が形成さ
    れており、かつヘーズ値4%以下、摩擦係数(μs)0.
    33以下であることを特徴とするポリエステルフイルム。
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