JP7040111B2 - 積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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[I]熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に樹脂層(A)を有し、前記樹脂層(A)の熱可塑性樹脂フィルムと接する反対側の面に樹脂層(B)を有する積層フィルムであって、前記樹脂層(A)と前記樹脂層(B)の層界面に、前記樹脂層(A)の成分と前記樹脂層(B)の成分が混在する領域を有し、該領域の厚みが0.1μm以上1.5μm以下であり、前記樹脂層(A)と前記樹脂層(B)との剥離力が、0.03N/25mm以上、5.0N/25mm以下である積層フィルム、
[II]熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に樹脂層(A)を有し、前記樹脂層(A)の熱可塑性樹脂フィルムと接する反対側の面に樹脂層(B)を有する積層フィルムであって、前記樹脂層(B)がポリビニルアルコール樹脂を含有し、前記樹脂層(A)と前記樹脂層(B)との剥離力が、0.03N/25mm以上、5.0N/25mm以下である積層フィルム、
[III]前記樹脂層(A)の前記樹脂層(B)と接する面の表面エネルギー(Ea)と、前記樹脂層(B)の前記樹脂層(A)と接する面の表面エネルギー(Eb)の差(|Ea-Eb|)が、5mN/m以上50mN/m以下である[I]または[II]に記載の積層フィルム、
[IV]前記樹脂層(B)の厚みが3μm以上、50μm以下であり、且つ、破断強度が5MPa以上、300MPa以下である[I]~[III]のいずれかに記載の積層フィルム、
[V]前記樹脂層(A)がアクリル樹脂を含有する[I]~[IV]のいずれかに記載の積層フィルム、
[VI]前記樹脂層(B)がポリビニルアルコール樹脂を含有する[I]、[III]~[V]のいずれかに記載の積層フィルム、
である。
本発明の積層フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に樹脂層(A)を有し、前記樹脂層(A)の熱可塑性樹脂フィルムと接する反対側の面に樹脂層(B)を有することが必要であり、樹脂層(A)と樹脂層(B)とが一定の剥離力によって剥離することが必要である。
本発明の積層フィルムにおいて、樹脂層(A)は、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に有する。樹脂層(A)は、積層フィルムにおいて、熱可塑性樹脂フィルムと樹脂層(B)を粘着する粘着層として機能し、粘着剤を含む塗剤(a)を熱可塑性樹脂フィルム上に塗布することで形成させることができる。本発明において粘着剤とは、ガラス転移点が20℃未満である物質を表すものである。樹脂層(A)を塗布によって形成させることで、樹脂層(A)の粘着力を調整することが可能となるだけでなく、後述する積層フィルムの製造方法(インラインコート製法)にて、熱可塑性樹脂フィルムと同時に樹脂層(A)を形成させることができる。なお、樹脂層(A)は塗布によって形成させることで、結晶化度を抑えることが可能となる。樹脂層(A)が、粘着剤を含む塗剤(a)を熱可塑性樹脂フィルム上に塗布後、熱処理することによって形成させると、後述する示差走査熱量分析(DSC)において測定される溶解熱(|ΔHf|)が、樹脂を溶融製膜して樹脂層(A)を得るときよりも圧倒的に低い25mJ/mg以下となる。したがって、本発明の積層フィルムにおいて、樹脂層(A)の溶解熱(|ΔHf|)は、25mJ/mg以下であることが好ましい。
本発明の積層フィルムにおいて、樹脂層(B)は、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に有する樹脂層(A)の上に、積層されることが必要であり、樹脂層(B)の上に熱可塑性樹脂フィルムが積層されることや、熱可塑性樹脂フィルムの上に樹脂層(B)を積層した離型フィルムを樹脂層(A)と貼合することはない。樹脂層(B)は、積層フィルムにおいて、剥離層として機能し、硬化性樹脂を含む塗剤(b)を塗布することで形成させることができる。また、粘着剤を含む塗剤(a)と、硬化性樹脂を含む塗剤(b)を同時に塗布することで形成させることが好ましい。なお、樹脂層(B)は、樹脂層(A)と同様に、塗布によって形成させることで、結晶化度を抑えることが可能となる。樹脂層(B)が、硬化性樹脂を含む塗剤(b)を熱可塑性樹脂フィルム上に塗布後、熱処理することによって形成させると、後述する示差走査熱量分析(DSC)において測定される溶解熱(|ΔHf|)が、樹脂を溶融製膜して樹脂層(B)を得るときよりも圧倒的に低い25mJ/mg以下となる。したがって、本発明の積層フィルムにおいて、樹脂層(B)の溶解熱(|ΔHf|)は、25mJ/mg以下であることが好ましい。樹脂層(B)の組成は特に限定されることはないが、ポリエステル樹脂やポリビニルアルコール樹脂からなる硬化性樹脂を含むことが好ましい。硬化性樹脂を含むことで、樹脂層(B)を剥離層とし、粘着層である樹脂層(A)上から剥離させることが容易となる。本発明において硬化性樹脂とは、物質単独、もしくは他の反応性物質と架橋反応して硬化する特性を有する物質を表すものである。
本発明の積層フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に樹脂層(A)を有し、前記樹脂層(A)の熱可塑性樹脂フィルムと接する反対側の面に樹脂層(B)を有する積層フィルムである。本発明でいう熱可塑性樹脂フィルムとは、熱可塑性樹脂を用いてなり、熱によって溶融もしくは軟化するフィルムの総称であって、特に限定されるものではない。熱可塑性樹脂の例として、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンフィルムなどのポリオレフィン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリレート樹脂やポリスチレン樹脂などのアクリル樹脂、ナイロン樹脂などのポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレン樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂フィルムに用いられる熱可塑性樹脂はモノポリマーでも共重合ポリマーであってもよい。また、複数の樹脂を用いても良い。
これらの熱可塑性樹脂を用いた熱可塑性樹脂フィルムの代表例として、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリ乳酸フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメタクリレートフィルムやポリスチレンフィルムなどのアクリル系フィルム、ナイロンなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリウレタンフィルム、フッ素系フィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムなどを挙げることができる。
本発明の積層フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に樹脂層(A)を有し、前記樹脂層(A)の熱可塑性樹脂フィルムと接する反対側の面に樹脂層(B)を有する積層フィルムであり、樹脂層(A)と樹脂層(B)の層界面に、樹脂層(A)と樹脂層(B)の成分が混在した混在領域を有することが好ましい。混在領域の有無は、GCIB-TOF-SIMS(GCIB:ガスクラスターイオンビーム、TOF-SIMS:飛行時間型二次イオン質量分析法)を用いて確認できる。測定方法の詳細は後述する。樹脂層(A)ならびに熱可塑性樹脂フィルムの樹脂成分からは発生せず、樹脂層(B)のみに由来する負2次イオンのうち、最もイオン強度が大きいものを積層フィルムの表面側から深さ方向に追跡した際の強度プロファイルにおいて、樹脂層(B)の樹脂層(A)と接する面とは反対側の表面から深さ方向100nm以上300nm以下の領域における該イオンの強度の平均値を100%とした際、該イオンの相対強度が10%以上90%以下である領域を混在領域と判定した。混在領域の厚みは、特に限定されるものではないが、0.1μm以上1.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上1.0μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上0.5μm以下である。混在領域の厚みが1.5μmより大きいと、樹脂層(A)と樹脂層(B)がアンカー効果によって剥離困難となる場合がある。また、混在領域の厚みが0.1μmより小さいと、樹脂層(A)と樹脂層(B)の剥離力が0.03N/25mm未満となり、両者の密着が不十分となる結果、製膜工程中で樹脂層(B)が経時で自然に剥離し、樹脂層(A)の粘着剤が巻取機に付着するといった工程汚染が生じ、ハンドリング性が問題となる場合がある。
粘着剤を含む塗剤(a)、硬化性樹脂を含む塗剤(b)を作成する場合、溶媒は水系溶媒(D)を用いることが好ましい。粘着剤を含む塗剤(a)は、必要に応じて水分散化または水溶化した粘着剤と水系溶媒(D)を任意の順番で所望の重量比で混合、撹拌することで作製することができる。次いで必要に応じて硬化剤や界面活性剤などの各種添加剤を、樹脂組成物により設けた樹脂層の特性を悪化させない程度に任意の順番で混合、撹拌することができる。
ポリエステルフィルムへの樹脂組成物の塗布方式は、公知の塗布方式、例えばバーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ブレードコート法等の任意の方式を用いることができる。特に、同時塗布の場合は、多層ダイコート法、特に2層塗布が可能な2層スリットダイコート法が好ましい。
本発明の積層フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に、樹脂層(A)を有し、前記樹脂層(A)の熱可塑性樹脂フィルムと接する反対側の面に樹脂層(B)を有する積層フィルムであって、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に粘着剤を含む塗剤(a)、硬化性樹脂を含む塗剤(b)を同時塗布して、樹脂層(A)、樹脂層(B)を形成せしめる工程を有する製造方法により得られることが好ましい。
本発明における特性の測定方法、および効果の評価方法は次のとおりである。
積層フィルムを長さ150mm×幅25mmの矩形に切り出し測定サンプルとする。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT-100)を用いて、上部チャックに熱可塑性樹脂フィルムと樹脂層(A)を把持し、下部チャックに樹脂層(B)を把持させ、引張速度を300mm/分、移動距離100mm、180°の角度で引張試験を行った。樹脂層(B)が樹脂層(A)を剥離した100mm間の荷重の平均値を読み取り、剥離力とした。なお、測定は3回行い、その平均値を剥離力とした。なお、測定中に樹脂層(B)が破断した場合は、剥離不可(樹脂層(A)と樹脂層(B)との剥離力が、5.0N/25mmより大きい)とした。
示差走査熱量測定装置”ロボットDSC-RDC220”(セイコー電子工業(株)製)を、データ解析にはディスクセッション”SSC/5200” (セイコー電子工業(株)製)を用いて、JIS K7122(1999)に基づいて、溶解熱(|ΔHf|)を算出した。まず、樹脂層(A)、または樹脂層(B)を5mgずつ採取した。採取したサンプルを、アルミ製パンに入れ、昇温速度は5℃/minで、25℃~250℃まで走査した。測定は各サンプル毎に3回ずつ実施し、結晶融解時のピークトップを融点とし、ベースラインからの積分値である溶解熱の吸熱ピーク面積の平均値を溶解熱(|ΔHf|)とした。
まず、(1)の条件にて剥離した樹脂層(A)と樹脂層(B)を室温23℃相対湿度65%の雰囲気中に24時間放置後した。その後、同雰囲気下で、樹脂層(A)の樹脂層(B)と接していた面、樹脂層(B)の樹脂層(A)と接していた面に対して、純水、エチレングリコール、ホルムアミド、ジヨードメタンの4種の溶液のそれぞれの接触角を、接触角計CA-D型(協和界面科学(株)社製)により、それぞれ5点測定する。5点の測定値の最大値と最小値を除いた3点の測定値の平均値をそれぞれの溶液の接触角とする。
γS : 樹脂層の表面エネルギー
γL : 表1に記載の既知の溶液の表面エネルギー
γS d: 樹脂層の表面エネルギーの分散力成分
γS p: 樹脂層の表面エネルギーの極性力成分
γS h: 樹脂層の表面エネルギーの水素結合力成分
γL d : 表1に記載の既知の溶液の表面エネルギーの分散力成分
γL p : 表1に記載の既知の溶液の表面エネルギーの極性力成分
γL h: 表1に記載の既知の溶液の表面エネルギーの水素結合力成分
γS L=γS+γL-2(γS d・γL d)1/2-2(γS p・γLp)1/2-2(γS h・γL h)1/2 ・・・ 数式(1)。
(γS d・γL d)1/2+(γS p・γL p)1/2+(γS h・γL h)1/2=γL(1+cosθ)/2 ・・・ 数式(3)。
GCIB-TOF-SIMS(GCIB:ガスクラスターイオンビーム、TOF-SIMS:飛行時間型二次イオン質量分析法)を用いて、積層フィルムの樹脂層(A)、樹脂層(B)、及び混在領域の厚みを測定した。測定条件は、下記の通りであった。
<スパッタリング条件>
イオン源:アルゴンガスクラスターイオンビーム
<検出条件>
1次イオン:Bi3++(25keV)
2次イオン極性:Negative
質量範囲:m/z 0~1000
測定範囲:200×200μm2
GCIB-TOF-SIMSにより、樹脂層(A)ならびに熱可塑性樹脂フィルムの樹脂成分からは発生せず、樹脂層(B)のみに由来する負2次イオンのうち、最もイオン強度が大きいものを積層フィルムの表面側から深さ方向に追跡した際の強度プロファイルにおいて、樹脂層(B)の樹脂層(A)と接する面とは反対側の表面から深さ方向100nm以上300nm以下の領域における該イオンの強度の平均値を100%とした際、該イオンの相対強度が90%より大きい領域を樹脂層(B)、10%以上90%以下である領域を混在領域、10%未満である領域を樹脂層(A)と判定し、それぞれの厚みを樹脂層(B)、混在領域、樹脂層(A)の厚みとした。なお、積層フィルム表面側からの深さ方向の距離については、樹脂層(B)のエッチング速度で換算することにより算出した。
A4カットサイズに裁断した積層フィルムを縦横それぞれ3分割し、合計9点を測定サンプルとして用い、樹脂層(A)、樹脂層(B)の厚みを(4)に記載の方法によって測定し、樹脂層(A)、樹脂層(B)の厚みの公差から、以下の評価基準で評価した。
B:樹脂層(A)、樹脂層(B)の厚みの公差が、いずれかが±10%以上±15%未満
C:樹脂層(A)、樹脂層(B)の厚みの公差がともに±10%以上±15%未満であるか、いずれかが±15%以上。
(1)にて剥離した樹脂層(B)を長さ150mm×幅25mmの矩形に切り出しサンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT-100)を用いて、初期チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分として、フィルムの長手方向と幅方向にそれぞれ引張試験を行った。サンプルが破断する直前のフィルムにかかっていた荷重を読み取り、試験前の試料の断面積(フィルム厚み×10mm)で除した値を破断強度とした。なお、測定は各サンプル、各方向に5回ずつ行い、その平均値で評価を行った。
粘着剤を含む塗剤(a)、硬化性樹脂を含む塗剤(b)を(株)東京計器製B型粘度計B-8Lを用いて、温度25℃で測定したときの粘度を求めた。測定は5回実施し、その平均値を粘度とした。
粘着剤を含む塗剤(a)、硬化性樹脂を含む塗剤(b)を協和界面科学(株)製自動表面張力計DY-200/プレート法を用いて、温度25℃で測定したときの表面張力を求めた。測定は5回実施し、その平均値を表面張力とした。
粘着剤を含む塗剤(a)と、硬化性樹脂を含む塗剤(b)を以下のように調整した。
・粘着剤を含む塗剤(a):
日本カーバイド工業(株)製 アクリル系樹脂エマルジョン
“ニカゾール”(登録商標)MH-5484L
・硬化性樹脂を含む塗剤(b):
ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製 ポリビニルアルコール“ポバール”(登録商標)PVA-205)、メチル化メラミン樹脂(日本カーバイド工業(株)製“ニカラック”(登録商標)MW-12LF)を95質量部/5質量部に調整した。さらに、フッ素系界面活性剤(互応化学(株)製 プラスコート(登録商標)RY-2)を、調整した塗剤の重量100質量部に対して0.06質量部になるよう添加したものを、固形分重量が20重量%となるよう水を溶媒として用いて、硬化性樹脂を含む塗剤(b)を調整した。
・積層フィルム:
PETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.3倍延伸し、一軸配向フィルム(Bフィルム)を得た。
粘着剤を含む塗剤(a)の塗布量を変更し、樹脂層(A)の膜厚を表に記載の厚みに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。樹脂層(B)は剥離可能であり、剥離力は良好であった。
硬化性樹脂を含む塗剤(b)をアクリル・ウレタン共重合樹脂水分散体(山南合成化学(株)製“サンナロン”WG-658)に変更した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。樹脂層(B)は剥離可能であり、剥離力は良好であった。
硬化性樹脂を含む塗剤(b)の塗布量を変更し、樹脂層(B)の膜厚を表に記載の厚みに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。樹脂層(B)は剥離可能であり、剥離力は良好であった。
硬化性樹脂を含む塗剤(b)を水系感光性樹脂(中京油脂(株)製 O-391)に変更した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。樹脂層(B)は剥離可能であり、剥離力は良好であった。
粘着剤を含む塗剤(a)の塗布量を変更し、樹脂層(A)の膜厚を表に記載の厚みに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。樹脂層(A)と樹脂層(B)の剥離力は5.0N/25mmより大きく、樹脂層(B)は樹脂層(A)から剥離する途中で破断した。そのため、Ea、Ebを測定できなかった。
硬化性樹脂を含む塗剤(b)の塗布量を変更し、樹脂層(B)の膜厚を表に記載の厚みに変更した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。樹脂層(B)の強度がなかったため、樹脂層(A)から剥離する途中で破断した。そのため、Ea、Ebを測定できなかった。
粘着剤を含む塗剤(a)の粘度を水希釈により変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。粘着剤を含む塗剤(a)の粘度が低いため、塗布後に硬化性樹脂を含む塗剤(b)と混合し、樹脂層(A)と樹脂層(B)の混在領域の厚みが大きくなった。また、樹脂層(B)は樹脂層(A)から剥離する途中で破断した。そのため、Ea、Ebを測定できなかった。
硬化性樹脂を含む塗剤(b)の粘度を水希釈により変更した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。硬化性樹脂を含む塗剤(b)の粘度が低いため、塗布後に粘着剤を含む塗剤(a)と混合し、樹脂層(A)と樹脂層(B)の混在領域の厚みが大きくなった。また、樹脂層(B)は樹脂層(A)から剥離する途中で破断した。そのため、Ea、Ebを測定できなかった
(比較例5)
樹脂層(A)と樹脂層(B)の組成は実施例1と同様であるが、厚み50μmの二軸配向PETフィルムに、樹脂層(A)を積層後、熱風オーブンにて120℃×2分の乾燥処理を施し、次いで樹脂層(A)の上に樹脂層(B)を積層後、120℃×2分の乾燥処理を施した。さらに、240℃×1分の熱処理を施すことにより、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの物性等を表に示す。樹脂層(A)と樹脂層(B)の剥離力が0.03N/25mmより小さいため、樹脂層(B)が製膜工程中で自然に剥離し、樹脂層(A)の粘着剤が巻取機に付着する問題が発生した。
樹脂層(A)と樹脂層(B)を同時塗布により設けたこと、240℃×1分の熱処理を施さなかったこと以外は、比較例5と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの物性等を表に示す。樹脂層(A)と樹脂層(B)の剥離力が5.0N/25mmより大きく、樹脂層(B)は樹脂層(A)から剥離する途中で破断した。そのため、Ea、Ebを測定できなかった。
Claims (6)
- 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に樹脂層(A)を有し、前記樹脂層(A)の熱可塑性樹脂フィルムと接する反対側の面に樹脂層(B)を有する積層フィルムであって、前記樹脂層(A)と前記樹脂層(B)の層界面に、前記樹脂層(A)の成分と前記樹脂層(B)の成分が混在する領域を有し、該領域の厚みが0.1μm以上1.5μm以下であり、前記樹脂層(A)と前記樹脂層(B)との剥離力が、0.03N/25mm以上、5.0N/25mm以下である積層フィルム。
- 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に樹脂層(A)を有し、前記樹脂層(A)の熱可塑性樹脂フィルムと接する反対側の面に樹脂層(B)を有する積層フィルムであって、前記樹脂層(B)がポリビニルアルコール樹脂を含有し、前記樹脂層(A)と前記樹脂層(B)との剥離力が、0.03N/25mm以上、5.0N/25mm以下である積層フィルム。
- 前記樹脂層(A)の前記樹脂層(B)と接する面の表面エネルギー(Ea)と、前記樹脂層(B)の前記樹脂層(A)と接する面の表面エネルギー(Eb)の差(|Ea-Eb|)が、5mN/m以上50mN/m以下である請求項1または2に記載の積層フィルム。
- 前記樹脂層(B)の厚みが3μm以上、50μm以下であり、且つ、破断強度が5MPa以上、300MPa以下である請求項1~3のいずれかに記載の積層フィルム。
- 前記樹脂層(A)がアクリル樹脂を含有する請求項1~4のいずれかに記載の積層フィルム。
- 前記樹脂層(B)がポリビニルアルコール樹脂を含有する請求項1、3~5のいずれかに記載の積層フィルム。
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