JP4569119B2 - 突起および/またはスペーサー形成用の感放射線性樹脂組成物並びに突起および/またはスペーサーの形成方法 - Google Patents
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Description
TFT−LCDの中で現在最も利用されている方式はTN(Twisted Nematic)型LCDであり、この方式は、それぞれ透明電極を有する2枚の基板(以下、この基板を「透明電極基板」という。)の外側に配向方向が90度異なる偏光膜をそれぞれ配置し、2枚の透明電極基板の内側に配向膜を配置するとともに、両配向膜間にネマチック型液晶を配置して、液晶の配向方向が一方の電極側から他方の電極側にかけて90度ねじれるようにしたものである。
TN型LCDに無偏光の光が入射すると、一方の偏光板を透過した直線偏光が液晶中を偏光方向がずれながら透過するため他方の偏光板を透過できて、明状態となる。次に、両透明電極に電圧を印加して液晶分子を直立させると、液晶に達した直線偏光が偏光方向がずれずにそのまま透過するため他方の偏光板を透過できず、暗状態となる。その後、再び電圧を印加しない状態にすると、明状態に戻ることになる。
この問題を解決するものとして、MVA(Multi-domain Vertically Aligned)型LCD(垂直配向型液晶表示素子)が開発されている。
この垂直配向型液晶表示素子は、非特許文献1および特許文献1に記載されているように、TN型LCDのような旋光モードではなく、負の誘電率異方性を有するネガ型液晶と垂直方向の配向膜を組み合わせた複屈折モードを利用したものであり、電圧を印加していない状態でも、配向膜に近い位置にある液晶の配向方向がほぼ垂直に維持されるため、コントラスト、視野角などに優れ、また液晶を配向させるためのラビング処理を行なわなくてもよいなど、製造工程の面でも優れている。
また一般に、従来の液晶ディスプレイでは、2枚の透明電極基板の間隙(セルギャップ)を一定に維持するために、樹脂やセラミック等の球形または棒状のスペーサーが使用されており、このスペーサーは2枚の透明電極基板を貼り合わせるときに、いずれか一方の基板の上に散布され、セルギャップをスペーサーの直径により決定している。
しかし、突起やスペーサーの直径にはある程度のバラツキが避けられないため、このバラツキに起因するセルギャップの不均一等の不具合発生を回避する方法として、特許文献2に、フォトレジストを用いて突起およびスペーサーを形成する方法が提案されている。この方法は、微細加工が可能で形状の制御も容易であるという利点を有するが、特許文献2にはフォトレジストの組成が具体的には記載されておらず、形成された突起およびスペーサーの性能も明らかでない。
即ち、高い膜硬度を有し、突起およびスペーサーの表面平滑性に優れるとともに、放射線の未照射部の基板上に現像残りや地汚れを生じ難いことが要求される。また、得られる垂直配向型液晶表示素子には焼き付きや表示ムラが生じないものであることも要求されている。
本出願人は既に、 [A] (a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、(a2)エポキシ基含有不飽和化合物、並びに(a3)これら以外の不飽和化合物の共重合体、 [B] 不飽和重合性化合物、並びに [C] 感放射線重合開始剤を含有する、突起およびスペーサーを同時に形成するための感放射線性樹脂組成物、それから形成した突起およびスペーサー、並びに該突起および該スペーサーを具備する液晶表示素子を提案している(特許文献3参照。)。
しかし、垂直配向型液晶表示素子の突起およびスペーサーの形成に有用な感放射線性樹脂組成物の開発は緒についたばかりであり、TFT−LCDの急速な普及とますます厳しくなる要求性能に対応して、優れた性能を有する突起およびスペーサーを形成しうる新たな感放射線性樹脂組成物の開発は重要な技術課題となっている。
(A)ゲルパーミエーションクロマトグラフ測定によるポリスチレン換算重量平均分子量が2,000〜20,000のノボラック系樹脂および/またはゲルパーミエーションクロマトグラフ測定によるポリスチレン換算重量平均分子量が10,000〜100,000のヒドロキシスチレン系樹脂からなるアルカリ可溶性樹脂、(B)アルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類、ポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類、3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類もしくはそれらのジカルボン酸変性物、両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類およびトリス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕フォスフェートの群から選ばれる少なくとも1種の多官能性モノマー、(C)光ラジカル発生剤、(D)下記一般式(1)で表されるメラミン系化合物、および(E)ゲルパーミエーションクロマトグラフ測定によるポリスチレン換算重量平均分子量が10,000未満のフェノール性化合物を含有する感放射線性樹脂組成物であって、それから形成された突起および/またはスペーサーを有する垂直配向型液晶表示素子における残像消去時間が100秒以下であることを特徴とする、垂直配向型液晶表示素子用の突起および/またはスペーサーの形成に用いられる感放射線性樹脂組成物、からなる。
−CH 2 ORを示し、Rは水素原子または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示す。)
前記感放射線性樹脂組成物から形成してなる垂直配向型液晶表示素子用の突起、
からなる。
前記感放射線性樹脂組成物から形成してなる垂直配向型液晶表示素子用のスペーサー、
からなる。
(イ)基板上に前記感放射線性樹脂組成物の被膜を形成する工程、(ロ)該被膜の一部に放射線を照射する工程、(ハ)照射後の該被膜を現像してパターンを形成する工程および(ニ)現像後の該被膜を加熱する工程を備えてなる垂直配向型液晶表示素子用の突起および/またはスペーサーの形成方法、
からなる。
前記突起および/または前記スペーサーを具備し、残像消去時間が100秒以下である垂直配向型液晶表示素子、
からなる。
感放射線性樹脂組成物
以下、本発明の垂直配向型液晶表示素子用の突起および/またはスペーサーの形成に用いられる感放射線性樹脂組成物(以下、単に「感放射線性樹脂組成物」という。)を構成する各成分について説明する。
−(A)アルカリ可溶性樹脂−
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂は、ノボラック系樹脂および/またはヒドロキシスチレン系樹脂からなる。
ノボラック樹脂の製造に用いられるフェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、カテコール、4−メチルカテコール、ピロガロール、フロログルシノール、チモール、イソチモール等を挙げることができる。
これらのフェノール類のうち、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール等が好ましい。
前記アルデヒド類は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
アルデヒド類の使用量は、フェノール類1モルに対して、好ましくは0.4〜2.0モル、さらに好ましくは0.6〜1.5モルである。
これらの酸性触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
酸性触媒の使用量は、フェノール類1モルに対して、通常、1×10-5〜5×10-1モルである。
前記溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類等を挙げることができる。
これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
重縮合反応を溶媒中で行う場合の溶媒の使用量は、反応原料100重量部に対して、通常、20〜1,000重量部、好ましくは50〜800重量部である。
重縮合反応を実施する操作としては、(i)フェノール類、アルデヒド類、酸性触媒等を反応容器に一括して仕込む方法、(ii)反応容器に予め酸性触媒を仕込み、その存在下にフェノール類、アルデヒド類等を反応の進行とともに加えていく方法等を適宜採用することができる。
また、重縮合反応終了後のノボラック樹脂の回収方法としては、例えば、(iii)反応系内の温度を130〜230℃に昇温させ、減圧下で揮発分を除去して、ノボラック樹脂を回収する方法、(iv)無溶媒下での重縮合により得られたノボラック樹脂あるいは前記(iii)の方法により回収されたノボラック樹脂を、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、3−メトキシプロピオン酸メチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、ジオキサン、メタノール、酢酸エチル等の良溶媒に溶解したのち、水、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の貧溶媒を混合して析出させ、次いで析出した樹脂を分離して、ノボラック樹脂の高分子量フラクションを回収する方法等を挙げることができる。
本発明において、ノボラック樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
スチレン、α−アルキルスチレン類(アルキル基は炭素数は1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基である。以下同様。)や、スチレン中のベンゼン環がアルキル基、ハロアルキル基、炭素数は1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミド基、エステル基等の1種以上の置換基で置換されたスチレン誘導体類;
1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジオレフィン類;
等を挙げることができる。
ヒドロキシスチレン系樹脂の製造に用いられる前記溶媒としては、例えば、
メタノール、エタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールエーテル類;エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のジエチレングリコールエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールn−プロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールn−ブチルエーテルプロピオネート等のプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類;
等を挙げることができる。
重合反応における溶媒の使用量は、反応原料100重量部当たり、通常、20〜1,000重量部、好ましくは100〜500重量部である。
なお、本発明においては、ヒドロキシスチレン系樹脂を水素添加等の処理により透明性や軟化点を改善して使用することもできる。
本発明において、トリス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕フォスフェート以外の多官能性モノマーとしては、より具体的には、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物;
両末端ヒドロキシポリ−1,3−ブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトン等の両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類を挙げることができる。
前記多官能性モノマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記単官能性モノマーとしては、例えば、前記ヒドロキシスチレン系樹脂におけるヒドロキシスチレン類や他のラジカル重合性モノマーについて例示した化合物と同様のモノマーのほか、
メトキシジエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングルコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の他の不飽和カルボン酸エステル類
等を挙げることができる。
前記単官能性モノマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
単官能性モノマーの使用割合は、多官能性モノマーと単官能性モノマーの合計量に対して、通常、90重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
本発明における光ラジカル発生剤とは、放射線の照射(以下、「露光」という。)により分解または結合の開裂を生じ、前記(B)多官能性モノマーや場合により使用される単官能性モノマーの重合を開始することができるラジカルを発生する化合物を意味する。
このような光ラジカル発生剤剤としては、例えば、ビイミダゾール系化合物、アセトフェノン系化合物、他の光ラジカル発生剤等を挙げることができる。
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,
2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,
2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
等を挙げることができる。
これらのビイミダゾール系化合物は、溶剤に対する溶解性に優れ、未溶解物、析出物等の異物を生じることがなく、しかも感度が高く、少ない露光量の露光により硬化反応を十分進行させるとともに、コントラストが高く、未露光部で硬化反応が生じることがないため、露光後の被膜は、アルカリ現像液に対して不溶性の硬化部分と、アルカリ現像液に対して高い溶解性を有する未硬化部分とに明確に区分され、欠落、欠損やアンダーカットのない優れた突起およびスペーサーを形成することができる。
本発明において、光ラジカル発生剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記増感剤の具体例としては、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等を挙げることができる。
さらに、前記高分子光架橋・増感剤は、光架橋剤および/または光増感剤として機能しうる官能基を主鎖および/または側鎖中に有する高分子化合物であり、その具体例としては、4−アジドベンズアルデヒドとポリビニルアルコールとの縮合物、4−アジドベンズアルデヒドとフェノールノボラック樹脂との縮合物、4−アクリロイルフェニルシンナモイルエステルの単独重合体あるいは共重合体、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,2−ブタジエン等を挙げることができる。
前記特に好ましい組み合わせの具体例としては、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/1−(4−モルフォリノフェニル)−2−ベンジル−2−ジメチルアミノブタン−1−オン、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕2−メチル−−2−モルフォリノプロパン−1−オン、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン/1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕2−メチル−−2−モルフォリノプロパン−1−オン/2−メルカプトベンゾチアゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/1−(4−モルフォリノフェニル)−2−ベンジル−2−ジメチルアミノブタン−1−オン、
2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕2−メチル−−2−モルフォリノプロパン−1−オン、
2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン/1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕2−メチル−−2−モルフォリノプロパン−1−オン/2−メルカプトベンゾチアゾール
等を挙げることができる。
本発明における光ラジカル発生剤の使用量は、(B)多官能性モノマーと場合により使用される単官能性モノマーとの合計100重量部に対して、通常、0.01〜500重量部、好ましくは1〜300重量部、さらに好ましくは10〜200重量部である。この場合、光ラジカル発生剤の使用量が0.01重量部未満では、露光による硬化が不十分となり、形成された突起やスペーサーに欠落、欠損やアンダーカットを生じるおそれがあり、一方500重量部を超えると、形成された突起やスペーサーが現像時に基板から脱落しやすくなったり、また突起および/またはスペーサーが形成される部分以外の領域で地汚れ、膜残り等を生じやすくなったりする傾向がある。
本発明におけるメラミン系化合物は、前記一般式(1)で表される化合物(以下、「(D)メラミン系化合物」という。)からなる。
本発明における(D)メラミン系化合物の使用量は、(A)アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜500重量部、さらに好ましくは5〜250重量部である。(D)メラミン系化合物をこの範囲の量において使用することにより、アルカリ現像液に対して適切な溶解性を示す組成物を得ることができ、良好な形状の突起およびスペーサーを形成することができる。
本発明におけるフェノール性化合物は、Mwが10,000未満のフェノール性化合物(以下、「(E)フェノール性化合物」という。)からなる。
ポリ(o−ビニルフェノール)、ポリ(m−ビニルフェノール)、ポリ(p−ビニルフェノール)、ポリ(p−イソプロペニルフェノール)、ポリ(3−メチル−4−ビニルフェノール)等のポリ(ビニルフェノール)類;
等を挙げることができる。
また、ポリ(ビニルフェノール)類の市販品としては、例えば、MARUKALYNCUR−M(丸善石油化学製)を挙げることができる。
また、低分子フェノール性化合物のMwは、好ましくは1,000以下である。この場合、低分子フェノール性化合物のMwが1,000を超えると、解像度が低下する傾向がある。
本発明における(E)フェノール性化合物の使用量は、(A)アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜300重量部、さらに好ましくは1〜150重量部である。(E)フェノール性化合物をこの範囲の量において使用することにより、感度や解像度を改善することができる。
さらに、本発明の感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、種々の他の添加剤を配合することもできる。
前記他の添加剤としては、例えば、
銅フタロシアニン誘導体等の青色顔料誘導体や黄色顔料誘導体等の分散助剤;
ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ポリ(フロロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;
ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;
2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;
2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;
ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤
等を挙げることができる。
本発明の感放射線性組成物は、通常、その使用に際して、適当な溶剤に溶解した組成物溶液として調製される。
前記組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、(A)〜(E)各成分および他の添加剤と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
このような溶剤としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソ酪酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド類
等を挙げることができる。
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
これらの高沸点溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、組成物溶液は、孔径0.5μm程度のミリポアフィルターなどを用いてろ過したのち、使用に供することもできる。
次に、本発明の垂直配向型液晶表示素子用の突起および/またはスペーサーの形成方法について説明する。
本発明においては、基板上に、垂直配向型液晶表示素子用の突起のみ、あるいは該突起および垂直配向型液晶表示素子用のスペーサーを形成することが好ましい。
以下、これらの工程について順次説明する。
前記基板としては、例えば、フロートガラス、ソーダガラス等のガラスや、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート等の透明プラスチックからなるものを使用することができる。また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
組成物溶液の塗布方法としては、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法等の適宜の方法を採用することができる。
塗布厚さは、プレベーク後の膜厚として、通常、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5.0μm、さらに好ましくは1.0〜4.0μmである。
また、プレベークの条件は、各成分の種類や配合割合などによっても異なるが、70〜120℃で1〜15分間程度の条件が適切である。
被膜の一部に露光するには、通常、フォトマスクが使用されるが、フォトマスクおよび露光操作としては、基板に突起とスペーサーの両方を形成する場合、(a)突起部分とスペーサー部分の両パターンを有する1種類のフォトマスクを用いて、1回露光する方法、(b)突起部分のみを有するフォトマスクとスペーサー部分のみを有するフォトマスクの2種類を用いて、2回露光する方法を挙げることができる。また、(a)の方法に使用するフォトマスクとして、突起部分とスペーサー部分とで異なる透過率を有するものを使用することもできる。
また、基板に突起とスペーサーの何れか一方のみを形成する場合、(c)突起部分のみを有するフォトマスクとスペーサー部分のみを有するフォトマスクの何れかを用いて、1回露光する方法を挙げることができる。この場合、垂直配向型液晶表示素子に必要な残りの突起あるいはスペーサーを形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば公知の方法に依ることができる。
露光に使用される放射線としては、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、紫外線が好ましい。
放射線の露光量は、好ましくは10〜10,000J/m2 程度である。
前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミン等の一級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の二級アミン類;トリメチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエチルアミン等の三級アミン類;ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;ピロール、ピペリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の脂環族三級アミン類;ピリジン、コリジン、ルチジン、キノリン等の芳香族三級アミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の四級アンモニウム塩等の水溶液を使用することができる。
また、前記アルカリ現像液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒および/または界面活性剤を適当量添加することもできる。
現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、シャワー法等の何れでもよく、現像時間は、通常、5〜300秒程度である。
アルカリ現像後、例えば流水洗浄を30〜90秒間行って、例えば圧縮空気や圧縮窒素で乾燥する。
ポストベークの処理条件は、処理温度が、通常、150〜250℃程度であり、処理時間は、ホットプレート上では5〜30分間程度、オーブン中では30〜90分間程度である。
また、スペーサーの高さは、通常、1〜10μm、好ましくは2〜8μm、特に好ましくは3〜5μmであり、底部寸法は、通常、5〜150μm、好ましくは5〜100μm、特に好ましくは10〜50μmである。
本発明の垂直配向型液晶表示素子は、本発明の感放射線性樹脂組成物から形成された突起および/または本発明の感放射線性樹脂組成物から形成されたスペーサーを具備するものであり、その残像消去時間は100秒以下、好ましくは50秒以下秒以下である。
(ホ) 基板の一面に所定のパターン形状の透明導電膜を設け、その上に前述した方法により突起を形成し、その上に液晶配向剤を、例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法等の方法によって塗布したのち、塗布面を加熱することにより、液晶配向膜を形成する。
前記基板としては、前記突起および/またはスペーサーの形成方法で挙げたガラス、透明プラスチック等が使用される。
前記透明導電膜としては、酸化スズ(SnO2 )膜、酸化インジウム−酸化スズ
(In2 O3 −SnO2 )からなるITO膜等を使用することができる。
パターン形状の透明導電膜を形成する際には、フォト・エッチング法やフォトマスクを用いる方法を採用することができる。
液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面や透明導電膜と液晶配向膜との接着性をさらに改善するために、透明導電膜を形成した基板の表面に、予め官能性シラン化合物、官能性チタン化合物等を塗布しておくこともできる。
液晶配向剤を塗布後の加熱温度は、通常、80〜300℃、好ましくは120〜250℃である。
液晶配向膜の膜厚は、通常、0.001〜1μm、好ましくは0.005〜0.5μmである。
前記接着剤としては、例えば、硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂等を使用することができる。
前記ネマティック型液晶の具体例としては、シッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶等を挙げることができる。
また、前記液晶は、例えば、コレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネート等のコレステリック型液晶や、C−15、CB−15等の商品名(メルク社製)で市販されているようなカイラル剤等を添加して使用することもできる。
液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜からなる偏光板、該H膜からなる偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板等を挙げることができる。
また、本発明の垂直配向型カラー液晶表示素子の突起および/またはスペーサーの形成方法によると、微細加工が可能で、また形状およびサイズ(高さや底部寸法)の制御も容易であり、前記した優れた特性を有する微細な突起およびスペーサーを安定して生産性よく形成することができる。
合成例1
冷却管、攪拌機および温度計を装着したフラスコに、m−クレゾール57g、p−クレゾール38g、37重量%ホルムアルデヒド水溶液75.5g、しゅう酸二水和物0.63g、メチルイソブチルケトン264gを仕込んだのち、フラスコを油浴中に浸し、溶液を還流させながら、攪拌下で4時間重縮合を行った。その後、油浴の温度を3時間かけて150℃に昇温させ、フラスコ内の圧力を30〜50mmHgまで減圧して揮発分を除去したのち、溶融している樹脂を室温まで冷却して回収した。その後、この樹脂を酢酸エチルに濃度が30重量%になるように溶解し、この溶液重量の1.3倍量のメタノールと0.9倍量の水を加えて、攪拌して放置した。その後、2層に分離した下層を取り出し、濃縮し、乾燥して、Mwが8,000のノボラック樹脂を得た。このノボラック樹脂を「樹脂(A−1)とする。
冷却管、攪拌機および温度計を装着したフラスコに、p−t−ブトキシスチレン176gおよびアゾビスブチロニトリル5.8gを仕込み、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル250ミリリットルを加えて溶解させたのち、75℃で4時間重合を行った。その後、得られた樹脂溶液に5重量%硫酸水溶液50gを混合し、100℃で3時間加水分解反応を行った。その後、反応溶液にプロピレングリコールメチルエーテルアセテート500ミリリットルを加え、脱イオン水1000ミリリットルで3回洗浄したのち、有機層を分離して減圧下で溶剤を除去し、真空乾燥して、Mwが24,000のポリ(p−ヒドロキシスチレン)を得た。このポリ(p−ヒドロキシスチレン)を「樹脂(A−2)」とする。
冷却管、攪拌機および温度計を装着したフラスコに、アゾビスイソブチロニトリル3gおよびプロピレングリコールモノエチルエーテル300gを仕込み、さらにメタクリル酸25g、スチレン15gおよびベンジルメタクリレート60gを加えて、窒素置換したのち、ゆるやかに撹拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合を行った。その後、反応溶液から減圧下で溶剤を除去し、真空乾燥して、Mwが8,000のメタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合重量比=25/15/60)を得た。この共重合体を「樹脂(a−1)」とする。
(A)成分として樹脂(A−1)100重量部、(B)成分としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート40重量部、(C)成分として2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,
2’−ビイミダゾール10重量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン10重量部および2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン20重量部、(D)成分としてサイメル300(商品名、三井サイアナミッド(株)製)20重量部、(E)成分としてポリ(p−ビニルフェノール)(Mw=8,000)10重量部、溶剤として3−エトキシプロピオン酸エチル1,500重量部を混合して溶解させたのち、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過して、感放射線性樹脂組成物の溶液(以下、「組成物溶液(S1)」という。)を調製した。
組成物溶液(S1)を、表面にナトリウムイオンの溶出を防止するシリカ(SiO2)膜が形成されたソーダガラス製基板の表面上に、スピンコーターを用いて塗布したのち、90℃で4分間プリベークを行なって、膜厚1.3μmの被膜を形成した。
次いで、基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して、被膜に波長365nmの紫外線を2,000J/m2 の露光量で露光して硬化させた。その後、基板を23℃の0.04重量%水酸化カリウム水溶液中に1分間浸漬して現像したのち、超純水で洗浄し、風乾して、パターンを形成した。その後、250℃で30分間ポストベークを行なって、基板上に所定形状の突起を形成した。
得られた基板には、未露光部の基板上に現像残りが認められず、また突起の剥がれ、欠落および欠損も認められず、かつ突起表面を光学顕微鏡で観察したところ表面荒れが認められず、突起の表面平滑性が良好であった。
組成物溶液(S1)を、厚さ1mmのガラス基板の一面に設けたITO膜からなる透明導電膜上に、スピンコーターを用いて塗布したのち、90℃で4分間プリベークを行なって、膜厚1.3μmの被膜を形成した。その後、基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、被膜の全面に波長365nmの紫外線を2,000J/m2 の露光量で露光して硬化させた。その後、基板を23℃の0.04重量%水酸化カリウム水溶液中に1分間浸漬して現像したのち、超純水で洗浄し、風乾した。その後、250℃で30分間ポストベークを行なって、基板上に感放射線性樹脂組成物の被膜を形成した。
−垂直配向性の評価−
電圧OFF時および交流12V(ピーク−ピーク)印加時の垂直配向型液晶表示素子をクロスニコル下にて観察し、液晶に配向不良が認められない場合、垂直配向性が良好として評価した。
−電圧保持率の評価−
垂直配向型液晶表示素子に、5Vの電圧を印加時間60マイクロ秒、スパン167ミリ秒として印加したのち、印加を最後に解除した時点から167ミリ秒後の電圧保持率を、(株)東陽テクニカ製VHR−1により測定した。
−残像消去時間の評価−
垂直配向型液晶表示素子に、直流6.0V(ピーク値)−交流6.0V(ピーク値)を重畳した30Hz、3.0Vの矩形波を、70℃で167時間印加したのち、印加を解除して、目視により残像が消去するまでの時間を測定した。
実施例1において、(A)成分として樹脂(A−1)100重量部に代えて樹脂(A−2)を使用した他は実施例1と同様にして、感放射線性組成物の溶液(以下、「組成物溶液(S2)」という。)を調製した。
次いで、組成物溶液(S1)に代えて組成物溶液(S2)を用いた他は実施例1と同様にして、突起の形成および液晶表示素子の作製を行って評価を行った。評価結果を表1に示す。
アルカリ可溶性樹脂として樹脂(a−1)100重量部、(B)成分としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート80重量部、(C)成分として2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール20重量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン20重量部および2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン40重量部、溶剤として3−エトキシプロピオン酸エチル1,500重量部を混合して溶解させたのち、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過して、感放射線性組成物の溶液(以下、「組成物溶液(s1)」という。)を調製した。
次いで、組成物溶液(S1)に代えて組成物溶液(s1)を用いた他は実施例1と同様にして、突起の形成および液晶表示素子の作製を行って評価を行った。評価結果を表1に示す。
Claims (5)
- (A)ゲルパーミエーションクロマトグラフ測定によるポリスチレン換算重量平均分子量が2,000〜20,000のノボラック系樹脂および/またはゲルパーミエーションクロマトグラフ測定によるポリスチレン換算重量平均分子量が10,000〜100,000のヒドロキシスチレン系樹脂からなるアルカリ可溶性樹脂、(B)アルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類、ポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類、3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類もしくはそれらのジカルボン酸変性物、両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類およびトリス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕フォスフェートの群から選ばれる少なくとも1種の多官能性モノマー、(C)光ラジカル発生剤、(D)下記一般式(1)で表されるメラミン系化合物、および(E)ゲルパーミエーションクロマトグラフ測定によるポリスチレン換算重量平均分子量が10,000未満のフェノール性化合物を含有する感放射線性樹脂組成物であって、それから形成された突起および/またはスペーサーを有する垂直配向型液晶表示素子における残像消去時間が100秒以下であることを特徴とする、垂直配向型液晶表示素子用の突起および/またはスペーサーの形成に用いられる感放射線性樹脂組成物。
−CH 2 ORを示し、Rは水素原子または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示す。) - 請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物から形成してなる垂直配向型液晶表示素子用の突起。
- 請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物から形成してなる垂直配向型液晶表示素子用のスペーサー。
- (イ)基板上に請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物の被膜を形成する工程、(ロ)該被膜の一部に放射線を照射する工程、(ハ)照射後の該被膜を現像してパターンを形成する工程および(ニ)現像後の該被膜を加熱する工程を備えてなる垂直配向型液晶表示素子用の突起および/またはスペーサーの形成方法。
- 請求項2に記載の突起および/または請求項3に記載のスペーサーを具備し、残像消去時間が100秒以下である垂直配向型液晶表示素子。
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