JP5353003B2 - カラーフィルタ - Google Patents
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また、本発明によれば、少なくとも赤色有機顔料、青色有機顔料および紫色有機顔料からなる群から選択される1種類以上の有機顔料を含有させることにより、露光光の吸収が少なく、露光光を透過しやすい液晶配向制御用突起形成用組成物とすることができ、製版性良く液晶配向制御用突起を形成することができる。
また、本発明によれば、有機顔料を含有させていることにより、通常有機顔料は導電性が低いため、液晶配向制御用突起とした際、液晶の配向不良が起こるおそれのないものとすることができる。
本発明のカラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上に形成された着色層と、上記着色層上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上の上記着色層に対応する領域に形成された液晶配向制御用突起とを有するカラーフィルタであって、上記液晶配向制御用突起が、赤色有機顔料、青色有機顔料および紫色有機顔料からなる群から選択される少なくとも1種類以上の有機顔料を含有することを特徴とするものである。
まず、本発明に用いられる液晶配向制御用突起について説明する。
本発明に用いられる液晶配向制御用突起は、後述する透明電極層上に形成され、液晶の配向を制御するものである。また、本発明に用いられる液晶配向制御用突起は、赤色有機顔料、青色有機顔料および紫色有機顔料からなる群から選択される1種類以上の有機顔料を含有することを特徴とするものである。
本発明に用いられる液晶配向性突起用組成物に使用される有機顔料としては、赤色有機顔料、青色有機顔料、および紫色有機顔料からなる群から選択される一種類以上の有機顔料である。以下、各顔料について説明する。
また上記青色有機顔料として具体的には、PB(ピグメントブルー)15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6等が挙げられ、上記の中でもPB15:6が用いられることが好ましい。
また上記紫色有機顔料として具体的には、PV(ピグメントバイオレット)19、23等が挙げられ、上記の中でもPV23が用いられることが好ましい。
本発明に用いられる分散剤は、上記有機顔料を分散するために使用されるものである。
本発明に用いられる分散剤は、上記有機顔料を均一に分散することができるものであれば特に限定されるものではない。
本発明においては、使用される分散剤が、下記一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。これにより製版性が良く、かつ高信頼性の顔料分散体を形成することができるからである。
本発明に用いられる液晶配向制御用突起は、上述した有機顔料および分散剤を含む液晶配向制御用突起形成用組成物を用いて形成される。
上記液晶配向制御用突起形成用組成物としては、少なくとも上述した有機顔料、分散剤および樹脂組成物を含むものである。以下、樹脂組成物について説明する。
本発明に用いられる樹脂組成物としては、所望する液晶配向制御用突起を形成することができるのであれば、その種類は特に限定されるものではなく、ネガ型の樹脂組成物であってもよく、またポジ型の樹脂組成物であってもよい。本発明においては特に、ネガ型の樹脂組成物が用いられることが好ましい。一般的なカラーフィルタの着色層や柱状スペーサ等、他の部材はネガ型の樹脂組成物を用いて形成されているため、液晶配向制御用突起形成用組成物としてネガ型樹脂組成物を用いることにより、液晶配向制御用突起を形成する際に現像液を変える工程等が不要であり、効率よくカラーフィルタを製造することができるからである。
ネガ型の樹脂組成物としては、例えば多官能アクリレートモノマー、ポリマー及び光重合開始剤を含有する組成物とすることができる。
上記ネガ型の樹脂組成物に用いられる多官能アクリレートモノマーとしては、アクリル基やメタクリル基等のエチレン性不飽和結合含有基を2つ以上有する化合物が用いられ、具体的には、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等を例示することができる。
またネガ型の硬化性樹脂組成物に用いられるポリマーとしては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−ビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレン−メタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等を例示することができる。
本発明に用いられる光重合開始剤としては、一般的なものを用いることができ、例えばミヒラーズケトン等のラジカル型光重合開始剤や、トリアリールスルフォニウム塩、ジアリールヨウドニウム塩等のカチオン型光重合開始剤などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を併用することもできる。
本発明においては、ポジ型の樹脂組成物も用いることができる。
上記ポジ型の樹脂組成物として具体的には、一般的なカラーフィルタの形成に用いられるポジ型樹脂と各種添加剤等とを混合したもの等とすることができる。上記ポジ型の樹脂としては、例えばナフトキノンジアジド、ベンゾキノンジアジドなどのキノンジアジド類や、ジアゾメチルドラム酸、ジアゾジメドン、3−ジアゾ−2,4−ジオンなどのジアゾ化合物や、o−ニトロベンジルエステル、オニウム塩、オニウム塩とポリフタルアルデヒド、コリン酸t−ブチルの混合物の様な光分解剤(溶解抑制剤)と、OH基を持ちアルカリに可溶なハイドロキノン、フロログルシン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンなどのモノマーや、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂などのノボラック樹脂、スチレンとマレイン酸、マレイミドの共重合物、フェノール系とメタクリル酸、スチレン、アクリロニトリルの共重合物などのポリマーの混合物や縮合物、あるいはポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ヘキサフルオロブチル、ポリメタクリル酸ジメチルテトラフルオロプロピル、ポリメタクリル酸トリクロロエチル、メタクリル酸メチル−アクリルニトリル共重合体、ポリメチルイソプロペニルケトン、ポリα−シアノアクリレート、ポリトリフルオロエチル−α−クロロアクリレートなどが挙げられる。この中でも汎用性の面から、ノボラック樹脂を主成分とする混合・縮合物が好ましく用いられる。
上記液晶配向制御用突起組成物には通常、上記材料に合わせて界面活性剤、密着助剤、および溶剤等が用いられることとなる。以下、それぞれについて説明する。
本発明においては、必要に応じて、界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤は、本発明における液晶配向制御用突起形成用組成物の塗布性を向上させるため、あるいは塗膜の現像性を向上させるため用いられる。
本発明においては、必要に応じて、密着助剤を含有していてもよい。密着助剤は、本発明における液晶配向制御用突起形成用組成物を透明電極層上に塗布した場合、塗膜と透明電極層等との密着性を向上させるために用いられる。このような密着助剤としては、例えばシランカップリング剤などが挙げられる。
本発明においては、必要に応じて、溶剤を含有していてもよい。溶剤は、液晶配向制御用突起形成用組成物中の各成分を均一に溶解し、透明電極層上への塗布を容易にするために用いられる。
本発明においては、必要に応じて、添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば帯電防止剤、保存安定剤、消泡剤、重合禁止剤、可塑剤、レベリング剤などが挙げられる。
本発明に用いられる液晶配向制御用突起の形成方法としては、一般的なカラーフィルタを形成する際に行われる方法と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
次に、本発明に用いられる着色層について説明する。本発明に用いられる着色層は通常、赤色、緑色、および青色の3色が含まれているものとされるが、本発明においては例えば4色以上含まれているものであってもよい。
次に、本発明のカラーフィルタに用いられる透明電極層について説明する。本発明のカラーフィルタに用いられる透明電極層としては、一般的なカラーフィルタに用いられる透明電極層と同様とすることができ、例えば酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、および、その合金等を用いて、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な成膜方法により形成することができる。このような透明電極層の厚みは、通常0.01μm〜1μm程度とすることができる。
次に、本発明に用いられる透明基板について説明する。本発明に用いられる透明基板は、上記着色層が形成可能なものであれば特に限定されるものではない。このような透明基板としては、例えば無アルカリガラス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。
本発明のカラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上に形成された着色層と、上記着色層上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上の上記着色層に対応する領域に形成された液晶配向制御用突起とを有するものである。
(ブラックマトリクス層の形成)
まず、下記分量の成分を混合し、サンドミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調製した。
<黒色顔料分散液>
・黒色顔料 23重量部
・高分子分散剤(ビックケミー・ジャパン(株) Disperbyk111) 2重量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) 75重量部
<遮光層用組成物>
・上記黒色顔料分散液 61重量部
・硬化性樹脂組成物 20重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル 30重量部
上記のようにしてブラックマトリクス層を形成した基板上に、下記組成の赤色硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布(塗布厚み1.5μm)し、その後、70℃のオーブン中で3分間乾燥した。次いで、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を180℃の雰囲気下に30分間放置することにより、加熱処理を施して赤色画素を形成すべき領域に赤色のレリーフパターンを形成した。
次に、下記組成の緑色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、緑色画素を形成すべき領域に緑色のレリーフパターンを形成した。
さらに、下記組成の青色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、青色画素を形成すべき領域に青色のレリーフパターンを形成し、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色からなる着色層を形成した。
・C.I.ピグメントレッド177 10重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3重量部
・硬化性樹脂組成物 5重量部
・酢酸−3−メトキシブチル 82重量部
<緑色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントグリーン36 10重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3重量部
・硬化性樹脂組成物 5重量部
・酢酸−3−メトキシブチル 82重量部
<青色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントブルー15:6 10重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3重量部
・硬化性樹脂組成物 5重量部
・酢酸−3−メトキシブチル 82重量部
着色層を形成した基板に、基板温度200℃でアルゴンと酸素を放電ガスとし、DCマグネトロンスパッタリング法によってITOをターゲットとして透明電極層を形成した。
透明電極を形成した上記基板上に、ノボラック樹脂を含有するポジ型感光性レジストに下記の方法に従って調製した分散液を顔料濃度が10%となるように添加した。得られたポジ型感光性レジストを着色レリーフパターン形成と同様の方法でパターニングを行い、液晶配向制御用突起の形成を行った。
<分散液の調製>
PGMEAにPB15:6を40%、PR177を40%、PV23を20%の比率で加え、顔料全体の固形分濃度が15%となるように溶剤で希釈を行った後に、ペイントシェーカーを使用して分散処理を行い、着色分散液を得た。
上記のようにして着色層及び保護層を形成した基板上に、硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し塗布膜を形成した。硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置して、プロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いてスペーサの形成領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後基板を200℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施して、3.5μmの高さを有するフォトスペーサを形成し、カラーフィルタを得た。
上記のようにして得られたカラーフィルタの膜形成表面にポリイミドよりなる配向膜を形成した。次いで配向膜を形成したガラス基板上に液晶を必要量滴下し、上記カラーフィルタを重ね合わせ、UV硬化性樹脂をシール材として用い、常温で0.3kgf/cm2の圧力をかけながら400mJ/cm2の照射量で露光することにより接合して、セル組みし、本発明の液晶セルを得た。
光源として東芝メロウ5D FL10EX-D-Hを使用し、2枚の偏光板の間に作製した液晶セルを2枚の偏光板に水平に設置し、偏光板を互いにクロスニコルになるように配置した場合の輝度と、パラレルに配置した場合の輝度を輝度計(ミノルタ輝度計LS-100)を使用して測定した。得られた輝度から下記の式に従ってコントラストを得た。
C/R=パラニコル輝度/クロスニコル輝度
液晶配向制御用突起形成用に用いる分散液に添加する顔料の比率を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして液晶セルを作製した。得られた液晶セルを使用して実施例1の方法に従いコントラスト評価を行った。
<顔料比率>
・PB15:6 30%
・PR254 70%
液晶配向制御用突起形成用に用いる分散液に添加する顔料の比率を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして液晶セルを作製した。得られた液晶セルを使用して実施例1の方法に従いコントラスト評価を行った。
<顔料比率>
・PR254 20%
・PV23 80%
液晶配向制御用突起形成用に用いる分散液に添加する顔料の比率を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして液晶セルを作製した。得られた液晶セルを使用して実施例1の方法に従いコントラスト評価を行った。
<顔料比率>
・PB15:6 40%
・PV23 60%
液晶配向制御用突起形成用に用いる分散液に添加する顔料の比率を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして液晶セルを作製した。得られた液晶セルを使用して実施例1の方法に従いコントラスト評価を行った。
<顔料比率>
・PB15:6 35%
・PR254 35%
・PG36 30%
液晶配向制御用突起形成用に用いる分散液に添加する顔料の比率を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして液晶セルを作製した。得られた液晶セルを使用して実施例1の方法に従いコントラスト評価を行った。
<顔料比率>
・PG36 10%
・PR254 90%
スペーサの高さを3.75μmとし、液晶配向制御形成用に用いる分散液に添加する顔料の比率を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして得られた液晶セルを使用してコントラスト評価を行った。
<顔料比率>
・PG36 40%
・PY150 60%
液晶配向制御用突起形成用に用いる分散液に顔料を添加しないこと以外は、実施例1と同様にして液晶セルを作製した。得られた液晶セルを使用して実施例1の方法に従いコントラスト評価を行った。
赤色顔料、青色顔料、および紫色顔料のいずれかの有機顔料を含有する液晶配向制御用突起を用いた例では、いずれもコントラストの高いものが得られた。
2 … 着色層
3 … 透明電極層
4 … 液晶配向制御用突起
5 … ブラックマトリクス層
Claims (2)
- 透明基板と、前記透明基板上に形成された着色層と、前記着色層上に形成された透明電極層と、前記透明電極層上の前記着色層に対応する領域に形成された液晶配向制御用突起とを有するカラーフィルタであって、
前記液晶配向制御用突起が、赤色有機顔料および青色有機顔料を含有し、または、紫色有機顔料を含有し、
前記液晶配向制御用突起が、カーボンブラック顔料及び金属顔料を含有せず、
前記有機顔料を分散するために使用される分散剤が下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とするカラーフィルタ。
- 前記液晶配向制御用突起がネガ型の樹脂組成物を含有する液晶配向制御用突起形成用組成物を用いて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
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