JP2008310116A - 液晶表示素子用基板の製造方法 - Google Patents

液晶表示素子用基板の製造方法 Download PDF

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洋之 三浦
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勝治 井上
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Abstract

【課題】透明電極基板に、スペーサをフォトリソグラフィーにより形成し、かつシール部を形成する液晶表示素子用基板の製造において、タクトアップを回避するために、工程数を削減し得る液晶表示素子用基板の製造方法を提供する。
【解決手段】液晶表示素子を構成する対向する一対の透明電極基板の少なくとも一方に、液晶表示素子内に液晶を封止するためのシール部と、該対向する一対の透明電極基板間の間隔を保持するためのスペーサとを、感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィーにより同時に形成することを特徴とする液晶表示装置用基板の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、シール部と、スペーサとを有する液晶表示素子用基板の製造方法および該製造方法により製造された液晶表示素子用基板に関するものである。
マイクロコンピュータ、ワードプロセッサ、テレビ、時計や電卓に用いられる液晶表示素子には、2枚で一対をなす透明電極基板の間でネマチック液晶分子の配列方向を90度に捻った構造のツイスト・ネマチック(以下、TNと略す)モードが採用されている。また、ねじれ角を180〜300度と大きくしたスーパーツイステッドネマチック(以下、STNと略す)モードも開発され、大画面でも表示品位の良好な液晶表示素子が得られるようになった。さらに、近年では、マトリックス表示やカラー表示等を行うようになってきたため、多数の画素電極とこれらのON−OFFを行うことのできるアクティブ型TNモードを採用したMIM(金属−絶縁相−金属)素子やTFT(薄膜トランジスタ)素子の開発が盛んになってきた。また、高速応答が可能な強誘電性液晶や高精細な表示を可能にする反強誘電性液晶を用いた液晶表示素子も開発されている。さらに、横方向電界を用いたIPS(In-Plane Switching)方式、液晶のベンドモードと補償フィルムを組合せたOCB(Optically Compensated Bend)方式、ホメオトロピック配向(基板に垂直な配向、垂直配向)を利用したVA(Vertically Aligned Nematic)方式等を用いた液晶表示素子も開発されている。
これらのモード、方式全てに共通して、液晶表示素子の対向する透明電極基板間の間隔を一定に保持する技術が必要であり、その技術としては、スペーサをフォトリソグラフィーにより形成する方法が提案されている。
この方法によれば、透明基板の表面に透明導電膜、カラーフィルタ層、透明保護層等を形成して透明電極基板を製造し、感光性樹脂をその透明電極基板に塗布し所定のマスクを介し紫外線を照射した後、現像してドット状やストライプ状のスペーサを形成し、さらに別工程でシール部を形成して液晶表示素子用基板を製造する(例えば、特許文献1参照。)。
また従来、液晶表示素子の対向する透明電極基板の間に液晶化合物(液晶組成物)を密閉して保持する(封止する)ために透明電極基板の周辺または遮光部にシール部を形成して、得られた液晶表示素子用基板を貼り合わせる必要があり、このシール部は、シール剤をスクリーン印刷もしくはディスペンス印刷方式により透明電極基板に塗布して形成されていた(例えば、特許文献2参照。)。
特開2006−113563号公報 特開平6−235925号公報
液晶表示素子用基板は、一般的には、カラーフィルタ層が必要な場合は着色画素層と遮光層(ブラックマトリックス)からなるカラーフィルタ層を透明基板に設け、その上にさらに必要に応じて、透明保護層、透明導電層を設けて透明電極基板となし、さらにその上にそれぞれの配向方法に応じた配向制御用突起およびスペーサ、さらに液晶を封止するためのシール部を遮光層上に設けて製造される。このようなシール部およびスペーサを形成するためには、ネガ型レジストでスペーサを形成し、さらにスクリーン印刷もしくはディスペンス印刷方式でシール剤を透明電極基板に塗布してシール部を形成する。しかし、この方法ではレジスト塗布、露光、現像というフォトリソグラフィー工程に加えて、さらに別工程でシール部の形成を行うことから、タクトアップにつながっていた。
本発明の目的は、透明電極基板に、スペーサをフォトリソグラフィーにより形成し、かつシール部を形成する液晶表示素子用基板の製造において、タクトアップを回避するために、工程数を削減し得る液晶表示素子用基板の製造方法を提供することにある。
本発明者は、液晶表示素子用基板のスペーサの形成方法とシール部の形成方法について鋭意検討の結果、シール部とスペーサを、共に感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィーにより形成することで、上記の課題を解決することができることを見出した。
即ち、(1)第1の発明は、液晶表示素子を構成する対向する一対の透明電極基板の少なくとも一方に、液晶表示素子内に液晶を封止するためのシール部と、該対向する一対の透明電極基板間の間隔を保持するためのスペーサとを、感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィーにより同時に形成することを特徴とする液晶表示素子用基板の製造方法である。
(2)第2の発明は、感光性樹脂組成物が、バインダー樹脂(A)、感光性成分(B)および溶剤(C)を含有する感光性樹脂組成物である(1)に記載の製造方法である。
(3)第3の発明は、感光性樹脂組成物が、さらに不飽和結合を有するモノマー(D)を含有する感光性樹脂組成物である(2)に記載の製造方法である。
(4)第4の発明は、不飽和結合を有するモノマー(D)が、カプロラクトン変性された3官能以上の不飽和結合を有するモノマーである(3)に記載の製造方法である。
(5)第5の発明は、(1)〜(4)に記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする液晶表示装置用基板である。
(6)第6の発明は、着色画素層と遮光層からなるカラーフィルタ層を有し、前記シール部とスペーサとが当該遮光層上もしくは対向する基板の遮光層上に対応する位置に形成されている(5)に記載の液晶表示装置用基板である。
(7)第7の発明は、一対の液晶表示装置用基板とそれに挟持された液晶を有する液晶表示装置において、少なくとも一方の基板に(5)または(6)に記載の液晶表示装置用基板を用いることを特徴とする液晶表示装置である。
本発明によれば、液晶表示素子を構成する対向する一対の基板を封止するためのシール部と該対向する基板間の間隔を保持するためのスペーサとを、感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィーにより同時に形成することができるので、工程数を削減することができる。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の液晶表示素子用基板の製造方法は、液晶表示素子を構成する対向する一対の透明電極基板の少なくとも一方に、液晶表示素子内に液晶を封止するためのシール部と、該対向する一対の透明電極基板間の間隔を保持するためのスペーサとを、感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィーにより同時に形成することを特徴とする。
まず、本発明のシール部およびスペーサの同時形成方法について説明する。
透明基板上に、必要に応じて、カラーフィルタ層、透明導電層、必要ならばさらに保護膜層、液晶配向突起、配向膜等が積層された透明電極基板上に、シール部およびスペーサを同時に形成することが出来る感光性樹脂組成物を、バーコーター、アプリケーター、ワイヤーバー、スピンコーター、ロールコーター、スリットコーター、カーテンコーター、ダイコーター、コンマコーター等の公知の塗工方法を用いて積層する。あるいは、シール部およびスペーサを同時に形成することが出来る感光性樹脂組成物を公知の方法でドライフィルム化し、これを、ラミネーターを用いて基板上に転写し積層してもよい。
その後所定のパターンを有するマスクを通して光照射してパターン露光を行い、次いで現像を行い、不必要部分を溶解除去することによりシール部およびスペーサを同時に形成して液晶表示素子用基板を製造する。
本発明において用いるマスクは、光完全透過部、完全遮光部の他に、必要ならば半透過部を有するフォトマスクである。
露光用の光源としては、例えば超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ等を用いることができる。露光後、所定の現像液にて現像することにより、マスクパターンに忠実な画像を得ることができる。現像液としては、有機溶剤系またはアルカリ水溶液系が一般的であるが、作業の安全性、環境安全性の確保の観点からアルカリ水溶液系のものが好ましく、特に無機アルカリ系が好ましい。ただし、TFTアレイ基板上に画像を形成する場合は、無機アルカリ水溶液中のNaやKイオンが汚染の原因となるので有機アルカリ現像液を使用することが好ましい。またこれらは、界面活性剤等の公知の種々の添加物を混合することもできる。
本発明においては、現像工程後に、さらに露光もしくは熱硬化工程を施してもよい。該工程を施すことにより、感光性樹脂組成物が露光を受けて生成した樹脂の架橋密度が上昇するために、アウトガス成分、液晶の汚染等をさらに防御することが出来る。露光用の光源としては、前記の光源が使われ、熱硬化工程では、ドライヤー、ホットプレート、熱風炉あるいは遠赤外線炉等の工業的に通常用いられる加熱手段が使われる。
現像工程後に、必要に応じて現像工程後の露光工程もしくは熱硬化工程後に、得られた液晶表示素子用基板同士または液晶表示素子用基板と透明電極基板の位置を合わせ、液晶を滴下し、加熱工程を行うことにより液晶表示素子を製造する。
液晶の滴下は、高精度微量吐出注射器やピペットあるいは定量吐出ポンプ等により行い、必要量より若干多めに滴下する。
本発明に用いる液晶としては、公知の液晶を用いることができ、例えば、フッ素系、シアノ系、シクロヘキサン系、フェニルシクロへキサン系、ビフェニル系、シッフベース系、共誘電性液晶、反強誘電液晶等を挙げることができる。
加熱工程は、液晶表示素子用基板同士または液晶表示素子用基板と透明電極基板との密着性を向上させたり、耐溶剤性、耐薬品性を向上させたり、液晶への汚染を一層防止したり、さらには液晶の再配向を行ったりするために行うことができる。加熱工程は、ホットプレート、熱風炉あるいは遠赤外線炉等で熱硬化成分が十分反応する温度と時間、例えば50〜180℃で15〜300分、行えばよい。加熱工程が前記条件であると、カラーフィルタの色特性に影響を与えることがなく、さらに液晶の劣化を招かない。
本発明では、液晶注入後、必要ならば液晶表示素子用基板同士または液晶表示素子用基板と透明電極基板との仮固定を行う為に紫外線照射機により紫外線を照射して光硬化させてから加熱工程を行ってもよい。紫外線照射量は、通常、500〜6,000mJ/cm2、好ましくは1000〜4,000mJ/cm2の照射量である。光硬化工程が前記条件であると、基板どおしの位置ずれが起りにくく、さらには液晶素子の劣化しにくいため、好ましい。
以下、本明細書では、透明基板上に着色画素層および遮光層からなるカラーフィルタ層を設け、この上にシール部およびスペーサを形成した液晶表示素子用基板について主に述べているが、これは本発明による液晶表示素子用基板または液晶表示素子が、カラーフィルタ層を必ず具備しなければならないことを意味するものではない。
本発明の液晶表示素子用基板を構成する透明電極基板用の透明基板としては、透明な板状のものが好ましく、ガラスあるいはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォンやポリアクリレートなどのプラスチックからなる基板が挙げられる。
また、シール部およびスペーサを形成した後、加熱工程を行うことから、耐熱性に優れたガラス基板が好ましく、さらには熱膨張率が小さく加熱工程での寸法安定性に優れたガラスを選択することが好ましい。
一般的にカラーフィルタとは透明基板上にコントラスト向上のためのブラックマトリックス(K、遮光層)、次いで赤(R)、緑(G)、青(B)の着色画素層を形成せしめたものであり、これを液晶表示素子用とする場合は、さらに透明導電層、必要により配向膜層を順次積層し、スペーサとシール部を形成し、液晶表示素子用基板とする。
この明細書中では、この遮光層(ブラックマトリックス)と赤、緑、青の着色画素層とを合わせてカラーフィルタ層と呼ぶこととする。
カラーフィルタ層を構成する遮光層は既に公知の方法を用いて形成することができる。
例えば、クロムやチタンなどの金属あるいは金属酸化物の薄膜をスパッタ等の方法により透明基板上に形成し、それをエッチングなどの手法によりパターニングを施し形成するもの、あるいは、感光性樹脂組成物中にカーボンブラックや金属酸化物などの遮光性微粒子や複数種からなる顔料あるいは染料などの着色剤を混在させ、これを透明基板上に感光性樹脂組成物層として形成しフォトリソグラフィー法により形成するもの、などが挙げられるが本発明においてはいずれの方法により形成してもよい。
着色画素層は前記遮光層の開口部に設けられ、通常、赤色(R)画素パターン、緑色(G)画素パターン、および青色(B)画素パターンの3原色からなる画素パターンが所望の形状により配置されたものである。その形成方法としては顔料分散法、染料法、電着法、印刷法、転写法やインクジェットにより各画素を形成する方法など既に公知の方法が挙げられ、本発明においてはいずれの方法により形成してもよい。
本発明で用いる透明電極基板は、透明導電膜を有する。
透明導電膜は液晶表示素子に必須の構成である。通常は液晶の配向方向を規制する配向膜あるいは配向突起の直下に形成され、電気信号を伝達することで透明電極基板の間に挟持された液晶の挙動を制御する。もしくは配向突起の上層に蒸着等で設けることも可能である。
透明導電膜は、透明で導電性があり薄膜状に形成できる物質が用いられ、通常、ITO(インジウムと錫の複合酸化物)膜が、他にはIZO膜(インジウムと亜鉛との複合酸化物)やSnO2(二酸化錫)膜などが選択され、各々、スパッタ法、真空蒸着法などの手法にて形成される。
本発明において用いる2枚の透明電極基板の少なくとも一方には、通常は配向膜層が設けられる。配向膜層には、液晶化合物を垂直配向させ、かつ透明で絶縁性の物質が用いられる。通常ポリイミド樹脂が用いられる。ポリイミド樹脂用液、ポリアミック酸溶液などを公知の塗布方法あるいは印刷方法にて形成し、その後加熱して硬化させることにより形成される。
カラーフィルタ層上には、必要に応じて、保護膜層が形成される。該保護膜層は、遮光層および着色画素層を形成したときに生ずる段差を平坦化するため、あるいは遮光層や着色画素層中に含まれる成分が液晶層へ混入するのを防ぐため、に形成されるものであり、該保護膜層には透明性が要求される。該保護膜層を形成する材料としては、光硬化型、熱硬化型、光および熱硬化型の樹脂組成物、エポキシ、アクリルやポリイミドなどの樹脂硬化物、あるいはスパッタや蒸着による無機化合物等、前述の目的を達成できる材料であればよい。カラーフィルタ層の表面状態を考慮して0.5から3μmの範囲の厚さにて形成することができる。
必要に応じてカラーフィルタ層上に設けられる液晶配向突起は、VA方式を用いた液晶表示素子の画素分割による視野角向上のための突起である。該液晶配向突起を形成する材料としては、ネガ型感光性樹脂組成物またはポジ型樹脂組成物のいずれでもよい。配向突起の高さとしては、好ましくは0.1〜8μmであり、より好ましくは0.1〜4μmである。
本発明におけるシール部とスペーサとを有する液晶表示素子用基板の一形態としては、これらカラーフィルタ層、透明導電層上にシール部およびスペーサを設け、更に配向膜を形成した構成、あるいはカラーフィルタ層、透明導電層、配向膜層上にシール部およびスペーサを形成した構成、もしくは必要ならばこのいずれかの層の間に保護膜層および液晶配向突起を設けた複数の層からなる構成を有するものが挙げられる。
本発明で用いるシール部およびスペーサを同時に形成することができる感光性樹脂組成物としては、ネガ型シール部スペーサ同時形成感光性樹脂組成物およびポジ型シール部スペーサ同時形成感光性樹脂組成物が挙げられ、好ましくはネガ型シール部スペーサ同時形成感光性樹脂組成物が挙げられる。
ネガ型シール部スペーサ同時形成感光性樹脂組成物としては、バインダー樹脂(A)、感光性成分(B)、溶剤(C)および不飽和結合を有するモノマー(D)を含有する感光性樹脂組成物が挙げられる。
ポジ型シール部スペーサ同時形成感光性樹脂組成物としては、バインダー樹脂(A)、感光性成分(B)および溶剤(C)を含有する感光性樹脂組成物が挙げられる。
バインダー樹脂(A)としては、アルカリ溶解性を有する樹脂、またはアルカリ溶解性を有し、かつ光や熱の作用による反応性を有する樹脂が好ましい。
そのようなバインダー樹脂(A)の一例としては、以下の(A2)〜(A5)の構成成分のいずれか2種((A2)、(A3)、(A4)、(A5)をそれぞれ1種と称する。例えば、(A2)に属しかつ異なる2つの化合物は1種とする。)以上を含む化合物を共重合させて得られる高分子からなる樹脂が挙げられる。
(A2);(A4)と共重合可能な不飽和結合を有する化合物
(A3);不飽和結合を有するカルボン酸
(A4);一分子中に不飽和結合とエポキシ基とを有する化合物
(A5);酸無水物
ただし、(A2)〜(A5)は、それぞれ、互いに同一ではない((A2)〜(A5)のうち2種以上のいずれにも該当する化合物は、種類が多くなるように分類する。)。
(A4)と共重合可能な不飽和結合を有する化合物(A2)としては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびアミノエチル(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸の無置換または置換アルキルエステル;
シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘブチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、シクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキセニル(メタ)アクリレート、シクロヘプテニル(メタ)アクリレート、シクロオクテニル(メタ)アクリレート、メンタジエニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ピナニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルネニル(メタ)アクリレート、ピネニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸の脂環式基を含むエステル化合物;
オリゴエチレングリコールモノアルキル(メタ)アクリレートのようなグリコール類のモノ飽和カルボン酸エステル化合物;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸の芳香環を含むエステル化合物;
スチレン、α−メチルスチレン、α−フェニルスチレンおよびビニルトルエンのような芳香族ビニル化合物;
酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニルのようなカルボン酸ビニルエステル;
(メタ)アクリロニトリルおよびα−クロロアクリロニトリルのようなシアン化ビニル化合物;
N−シクロヘキシルマレイミドやN−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミドのようなN−置換マレイミド化合物などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、または組合せて用いることができる。
ここで、本明細書中における(メタ)アクリレートの記載は、アクリレートおよびメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。また、(メタ)アクリル酸の記載は、アクリル酸およびメタクリル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。
不飽和結合を有するカルボン酸(A3)としては、具体的には、アクリル酸およびメタクリル酸が挙げられる。アクリル酸およびメタクリル酸は、それぞれ単独で、または両者を組合せて用いることができる。また、これらのアクリル酸やメタクリル酸に加えて、その他の不飽和基を有するカルボン酸を用いることができる。その他の不飽和基を有するカルボン酸としては、具体的に、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。また、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基およびカルボキシル基を含有する不飽和基を有するカルボン酸を併用することもできる。
一分子中に不飽和結合とエポキシ基とを有する化合物(A4)としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸−β−エチルグリシジル、(メタ)アクリル酸−β−プロピルグリシジル、α−エチルアクリル酸−β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−3−エチル−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル、グリシジルビニルエーテルなどが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸グリシジルが挙げられる。
酸無水物(A5)は、分子中に酸無水物基を1個有する化合物であり、具体的には、マレイン酸無水物、コハク酸無水物、イタコン酸無水物、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、トリメリット酸無水物などが挙げられ、好ましくはテトラヒドロフタル酸無水物が挙げられる。
バインダー樹脂(A)のポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは300〜100,000である。分子量が前記の範囲にあると、これを含有する感光性樹脂組成物を用いて塗膜を形成する際に、塗膜の膜内の面内均一性がよく、さらに現像性が良好となる傾向があり、好ましい。分子量分布が300以下であると得られたバインダー樹脂の製造効率が悪くなる可能性があり、一方分子量が100,000以上であると溶剤に対する溶解性が悪くなる可能性がある。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられるバインダー樹脂(A)の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは10〜70質量%である。バインダー樹脂(A)の含有量が、前記の範囲にあると、現像液への溶解性が十分であり、未露光部分の基板上に現像残渣が発生しにくく、また現像時に露光部の画素部分の膜減りが生じにくく、未露光部分の抜け性が良好な傾向にあり、好ましい。
ネガ型感光性樹脂組成物として用いられる感光性成分(B)としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエチルチオキサントン、ベンゾフェノン、2−エチルアンスラキノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、3,6−ビス(d2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾール、1,7−ビス(9−アクリジル)ヘプタン等を挙げることができる。これらのうち、好ましいものとしては、3,6−ビス(d2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾールや1,7−ビス(9−アクリジル)ヘプタン、アジド化合物を挙げることができる。
ポジ型感光性成分として用いられる感光性成分(B)としては、ナフトキノン系化合物が挙げられ、例えば3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルなどのトリヒドロキシベンゾフェノン類の1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル;
2,2’,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,2’,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2’,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,2’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,2’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルなどのテトラヒドロキシベンゾフェノン類の1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル;
2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルなどのペンタヒドロキシベンゾフェノン類の1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル;
2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルなどのヘキサヒドロキシベンゾフェノン類の1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル;
ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,2’−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2’−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルなどの(ポリヒドロキシフェニル)アルカン類の1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを挙げることができる。
感光性成分(B)の含有量は、感光性樹脂組成物中のバインダー樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1〜70質量部、より好ましくは5〜60質量部である。感光性成分(B)の含有量が、前記の範囲にあると、表面平滑性が良好になる傾向があり、好ましい。
溶剤(C)としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテルおよびエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテルおよびジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類;
メチルセロソルブアセテートおよびエチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテートおよびメトキシペンチルアセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;
ベンゼン、トルエン、キシレンおよびメシチレンなどの芳香族炭化水素類;
メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノンなどのケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールおよびグリセリンなどのアルコール類;
3−エトキシプロピオン酸エチルおよび3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類が挙げられる。
これらの溶剤(C)は、それぞれ単独で、または2種類以上混合して用いることができる。
溶剤(C)の含有量は、感光性樹脂組成物に対して質量分率で、好ましくは60〜95質量%、より好ましくは70〜90質量%である。溶剤(C)の含有量が、前記の範囲にあると、スピンコーター、スリット&スピンコーター、スリットコーター(ダイコーター、カーテンフローコーターとも呼ばれることがある。)、インクジェットなどの塗布装置で塗布したときに塗布性が良好になる傾向があり、好ましい。
不飽和結合を有するモノマー(D)としては、例えば、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を含むモノマーや、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラトリメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類、カプロラクトン変性された3官能以上の不飽和結合を有するモノマーを挙げることができる。
上記不飽和結合を有するモノマー(D)としては、一対の基板を封止する観点からカプロラクトン変性された3官能以上の不飽和結合を有するモノマーが好ましい。
上記カプロラクトン変性された3官能以上の不飽和結合を有するモノマーしては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性体、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性体が好適である。これらのカプロラクトン変性された3官能以上の(メタ)アクリレート化合物は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
不飽和結合を有するモノマーをカプロラクトン変性する具体的な方法としては、例えば、好ましくは錫系触媒の存在下にアルコールとカプロラクトンとを反応させ、カプロラクトン変性アルコールを合成した後に、該カプロラクトン変性アルコールと(メタ)アクリル酸とを酸性触媒の存在下、脱水溶媒を使用してエステル化反応させる方法;
(メタ)アクリル酸とカプロラクトンとを反応させ、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸を合成した後に、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸とアルコールとをエステル化反応させる方法などが挙げられる。
上記カプロラクトン変性された3官能以上の不飽和結合を有するモノマーは、上述の方法により(メタ)アクリレート化合物をカプロラクトン変性して用いてもよいし、日本化薬社製の「KAYARAD DPCA−120」(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、新中村化学工業社製の「NKエステル AD−TMP−4CL」(カプロラクトン変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート)等の市販品を用いてもよい。
カプロラクトン変性された3官能以上の不飽和結合を有するモノマーの変性度としては、反応前の3官能以上の(メタ)アクリレート化合物の官能基数をnとしたときに、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物1モルに対して0.5n〜5nモルのカプロラクトンを導入して変性することが好ましい。カプロラクトンの導入量は、1n〜3nモルであれば好ましい。
カプロラクトンの導入量が前記の範囲にあると、得られるシール部とスペーサとの柔軟性が充分となることがあり、5nモルを超えると、露光時に反応性が低下してシール部とスペーサのパターニングが困難となることがある。より好ましくは1n〜3nモルである。
本発明で用いるシール部およびスペーサを同時に形成することができる感光性樹脂組成物には、必要に応じて、アニソール、ハイドロキノン、ピロカテコール、第三ブチルカテコール、フェノチアジン等の重合抑制剤、シランカップリング剤、分散剤、レベリング剤、硬化剤、充填剤、可塑剤、消泡剤、連鎖移動剤、増感剤、紫外線吸収剤、カーボンブラック、顔料、染料、無機フィラー、光酸発生剤等の添加物を添加することができる。
以下、本発明の実施の形態について具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明は下述する実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いる感光性樹脂組成物層は光に対して極めて敏感であるため、自然光など不必要な光による感光を防ぐ必要があり、全ての作業を黄色、または赤色灯下で行うことは言うまでもない。
実施例1
まず、例えば360mm×465mm角で0.7mm厚の無アルカリガラス(♯1737:コーニング社製)からなる透明基板21A上へ、アクリル系樹脂にカーボンブラックを分散した黒色の感光性樹脂を、スピンナーを用いて塗布し、黒色感光性樹脂組成物層を形成し、石英ガラス製フォトマスクと基板との間隔を150μm程度とし、超高圧水銀灯を使って所定の露光マスクを使って露光、現像等のパターニング処理、加熱処理を行って、幅14μm、高さ1.3μm程度の遮光層22を形成する。
次に、アクリル系樹脂にジアントラキノン系顔料を分散した感光性樹脂を、スピンナーを用いて塗布し、赤色感光性樹脂組成物層を形成し、所定の露光マスクを使って露光、現像等のパターニング処理、加熱処理を行って、幅100μm、膜厚1.3μm程度の赤色画素層23Rを形成する。
同様に、アクリル系樹脂にフタロシアニングリーン系顔料を分散した感光性樹脂を、スピンナーを用いて塗布し、緑色感光性樹脂組成物層を形成し、所定の露光マスクを使って露光、現像等のパターニング処理、加熱処理を行って、幅100μm、膜厚1.3μm程度の緑色画素層23Gを形成する。
同様に、アクリル系樹脂にフタロシアニンブルー系顔料を分散した感光性樹脂を、スピンナーを用いて塗布し、青色感光性樹脂組成物層を形成し、所定の露光マスクを使って露光、現像等のパターニング処理、加熱処理を行って、幅100μm、膜厚1.3μm程度の青色画素層23Bを形成する。
次に、ITOをターゲットとしたスパッタリングにより、赤色、緑色、青色からなる着色画素層23および遮光層22上に200nm厚程度の透明導電膜24Aを形成する。
次に、ノボラック系ポジ型感光性樹脂を、スピンナーを用いて塗布し、露光、現像等のパターニング処理、加熱処理を行って、幅10μm、膜厚1.5μm程度の液晶配向突起を形成する。
次に、ポリイミド系配向材を、スピンナーを用いて均一に塗布し、150℃で3分間程度乾燥した後に、230℃で1時間程度焼成して硬化させ、配向膜を形成する。
次に、下記<処方1>の成分を有する感光性樹脂組成物をスピンナーで塗布し、透明導電膜24A上に厚さ4.2μm程度の感光性樹脂組成物層を形成し、所定の露光マスクを使って露光、感光性樹脂組成物層に150mJ/cm2で60秒間程度の露光を行い硬化させ、アルカリ現像液で現像処理を行い、スペーサとシール部を同時に形成する。こうして液晶表示素子用基板を作製する。
なお、露光の際に使用するマスクは、石英ガラス製フォトマスクで、一辺が10μm程度である正方形とスペース部の間隔が100μm程度のパターンであり、さらに基板の周縁部を200μm程度の幅でパターン化するマスクで行う。
次に、液晶(JC−5004LA;チッソ社製)を上記で作製される液晶表示素子用基板の枠面全面に滴下し、すぐに他方のあらかじめ配向膜を形成しておいた透明基板を重ね合わせてシール部に高圧水銀灯を用い50mW/cm2で60秒間程度照射する。その後、液晶アニ−ルを150℃/1時間程度行い熱硬化させ、液晶表示素子を作製する。
<接着性試験>
<処方1>の成分を有する感光性樹脂組成物を製造した。2インチ角0.7mm厚のガラス基板(♯1737;コーニング社製)に<処方1>の成分を有する感光性樹脂組成物をスピンナーで塗布し、フォトマスクなしで露光、現像を行った後、該ガラス基板を、1cm×5cmにカットした。その後、同サイズのガラス基板(♯1737;コーニング社製)を、硬化樹脂パターンを介して、十字状に重ね合わせて試験片を作成した(貼り合わせた面積は1cm2)。超高圧水銀灯を用い20mW/cm2で150秒間照射し、150℃/1時間熱硬化を行った。加熱後試験片を取り出し、冷却後、荷重計(型番:SBL−100N;(株)島津製作所社製)を用いて貼り合わせたガラス基板の引き剥がし試験を行った。接着力は25.8N/cm2であった。
処方1に使用したバインダー樹脂Aの構造およびモル比等を、式(X)および表1に示す。表1中、a〜dは、モル比を示す。
Figure 2008310116
Figure 2008310116
上記のバインダーポリマーのポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定については、GPC法を用いて、以下の条件で行った。
装置;HLC-8120GPC(東ソー(株)製)
カラム;TSK−GELG4000HXL+TSK−GELG2000HXL(直列接続)
カラム温度;40℃
溶媒;THF
流速;1.0mL/min
注入量;50μL
検出器;RI
測定試料濃度;0.6質量%(溶媒;THF)
校正用標準物質;TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−1、A−2500、A−500(東ソー(株)製)
上記で得られた重量平均分子量および数平均分子量の比を分子量分布(Mw/Mn)とした。
<処方1>
・バインダー樹脂 (A) 60重量部
・感光性成分(B)
イルガキュア369(チバスペシャリティケミカルズ社製) 6重量部
EAB−F(保土谷化学(株)製) 1重量部
・溶剤(C)
プロピオグリコールモノエチルエーテルアセテート 38重量部
3−エトキシプロピオン酸エチル 24重量部
・不飽和結合を有するモノマー(D)
KAYARAD DPCA−60(日本化薬(株)製) 40重量部
その他の添加剤
テクモア VG3101L(三井化学(株)製) 10重量部
実施例2
実施例1において液晶を滴下、透明基板を重ね合わせた後に、シール部を、高圧水銀灯を用いた50mW/cm2で60秒間程度照射を行わない以外は、実施例1と同様の操作で、液晶表示素子を作製する。
<接着性試験>
ガラス基板を重ねた後、超高圧水銀灯を用いた20mW/cm2で150秒間の照射を行わなかった以外は実施例1<接着性試験>と同様の操作で接着性試験を実施した。接着性試験を行ったところ、接着性は44.3N/cm2であった。
実施例3
シール部およびスペーサの現像工程後に、高圧水銀灯を用いて50mW/cm2で60秒間程度硬化させる以外は、実施例1と同様の操作で、液晶表示素子を作製する。
<接着性試験>
ガラス基板(♯1737;コーニング社製)に<処方1>の成分を有する感光性樹脂組成物をスピンナーで塗布し、フォトマスクなしで露光、現像を行った後、超高圧水銀灯を用いて20mW/cm2で60秒間程度硬化させる以外は実施例1と同様の操作で接着性試験を実施した。接着性試験を行ったところ、接着性は25.8N/cm2であった。
実施例4
実施例1と同様な方法で、遮光層、赤色、緑色、青色層を形成後、ITOをターゲットとしたスパッタリングにより、赤色、緑色、青色からなる着色画素層23および遮光層22上に200nm厚の透明導電膜24Aを形成する。
次に、<処方1>の成分を有するシール部およびスペーサを同時に形成することが出来る感光性樹脂組成物をスピンナーで塗布し、透明導電膜24A上に厚さ4.2μm程度の感光性樹脂組成物層を形成し、所定の露光マスクを使って露光、感光性樹脂組成物層に150mJ/cm2程度の露光を行い硬化させ、アルカリ現像液で現像処理を行う。
なお、露光の際に使用するマスクは、石英ガラス製フォトマスクで、一辺が10μm程度である正方形とスペース部の間隔が100μm程度のパターンであり、さらに基板の周縁部を200μm幅程度でパターン化するマスクである。
次に、ポリイミド系配向材を、スピンナーを用いて均一に塗布し、150℃で3分間程度乾燥した後に230℃で1時間程度焼成して硬化させ、配向膜を形成する。以後は、実施例1と同様の方法で行う。
<処方1>に示すバインダー樹脂Aの代わりに用いることができるバインダーBを製造した。
処方1に使用したバインダー樹脂Bの構造およびモル比等を、式(Y)および表2に示す。表2中、a〜dは、モル比を示す。

Figure 2008310116
Figure 2008310116
樹脂Bのポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定については、バインダー樹脂Aと同様の方法で行った。
処方1において樹脂Aから樹脂Bに変更することで、実施例1から4と同様な実験結果を得ることが出来る。
本発明の液晶表示素子は、一対の基板の間に液晶を封止して接着するための接着性が良好であり、シール部と、対向する基板間のギャップを保持するためのスペーサとを、フォトリソグラフィーにより同時に形成できる基板、およびそれを用いた製造方法である。
本発明でシール部と該対向する基板間のギャップを保持するためのスペーサとを、フォトリソグラフィーにより同時に形成した基板は、接着性、色むらともに良好である。さらに、フォトスペーサとシール部を同時に形成するので、セルギャップ精度よく、配向不良を防止でき、さらに液晶の溶出を防止できる。さらに、解像度の高い接着剤として、シール部と該対向する基板間のギャップを保持するためのスペーサとを、フォトリソグラフィーにより同時に形成できるほか、同種異種材質の接着、小型部材のコーティング、電気部品のコーティングにも用いることができる。さらに、それらの接着に用いられる接着剤として使用しうる。
本発明によってシール部とスペーサを、同時に形成した液晶表示素子用基板を示す説明図である。液晶表示素子には、必ずしも液晶配向突起を具備しなくてもよい。
符号の説明
20;液晶表示素子用カラーフィルタ
21A、21B、27A、27B;透明基板
22;遮光層(ブラックマトリックス)
23R;赤色画素層
23G;緑色画素層
23B;青色画素層
23;着色画素層
24A、24B、28A、28B;透明導電膜
25;配向制御用突起
26;シール部とスペーサ
29;カラーフィルタ層
30;アレイ基板
31;液晶素子
40;カラー液晶表示素子

Claims (7)

  1. 液晶表示素子を構成する対向する一対の透明電極基板の少なくとも一方に、液晶表示素子内に液晶を封止するためのシール部と、該対向する一対の透明電極基板間の間隔を保持するためのスペーサとを、感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィーにより同時に形成することを特徴とする液晶表示装置用基板の製造方法。
  2. 感光性樹脂組成物が、バインダー樹脂(A)、感光性成分(B)および溶剤(C)を含有するポジ型感光性樹脂組成物である請求項1に記載の製造方法。
  3. 感光性樹脂組成物が、バインダー樹脂(A)、感光性成分(B)および溶剤(C)および不飽和結合を有するモノマー(D)を含有するネガ型感光性樹脂組成物である請求項1に記載の製造方法。
  4. 不飽和結合を有するモノマー(D)が、カプロラクトン変性された3官能以上の不飽和結合を有するモノマーである請求項3に記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4に記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする液晶表示装置用基板。
  6. 着色画素層と遮光層からなるカラーフィルタ層を有し、前記シール部とスペーサとが当該遮光層上もしくは対向する基板の遮光層上に対応する位置に形成されている請求項5に記載の液晶表示装置用基板。
  7. 一対の液晶表示装置用基板とそれに挟持された液晶を有する液晶表示装置において、少なくとも一方の基板に請求項5または6に記載の液晶表示装置用基板を用いることを特徴とする液晶表示装置。
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