JP2008175877A - 液晶ディスプレイ用フォトスペーサー及びその製造方法並びに液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂層形成工程と露光工程と現像工程とポスト露光工程とを有する液晶ディスプレイ用フォトスペーサーの製造方法であって、前記ポスト露光工程における、支持体の感光性樹脂層の形成された面の露光量が、感光性樹脂層を硬化するのに最低限必要な露光量の5倍以上の露光量であり、支持体の感光性樹脂層の形成された面とは反対の面の露光量が、20mJ/cm2以下であることを特徴とする液晶ディスプレイ用フォトスペーサーの製造方法及びその方法により得られた液晶ディスプレイ用フォトスペーサー並びにこの液晶ディスプレイ用フォトスペーサーを備えた液晶表示装置。
【選択図】なし
Description
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
本発明の液晶ディスプレイ用フォトスペーサーの製造方法は、支持体上に架橋性基を有する高分子化合物を少なくとも含有する感光性樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、前記感光性樹脂層をパターン状に露光する露光工程と、前記感光性樹脂層の未露光部分を除去する現像工程と、未露光部分を除去された前記感光性樹脂層を露光するポスト露光工程と、を有し、前記ポスト露光工程における、前記支持体の前記感光性樹脂層の形成された面の露光量が、前記感光性樹脂層を硬化するのに最低限必要な露光量の5倍以上の露光量であり、前記支持体の前記感光性樹脂層の形成された面とは反対の面の露光量が、20mJ/cm2以下であることを特徴とするものである。
感光性組成物は、分岐構造及び環状構造から選択される少なくとも一種を有する繰り返し単位と、酸性基を有する繰り返し単位と、エチレン性不飽和基を有する繰り返し単位と、を含有する樹脂(A)(以下、単に「樹脂(A)」とも言う。)、重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)を少なくとも含有することが好ましい。また、必要に応じて、着色剤や界面活性剤などのその他の成分を用いて構成することができる。
樹脂(A)は分岐構造及び環状構造から選択される少なくとも一種を有する繰り返し単位:X(xモル%)と、酸性基を有する繰り返し単位:Y(yモル%)と、エチレン性不飽和基を有する繰り返し単位:Z(zモル%)を含有してなり、必要に応じてその他の繰り返し単位を有していてもよい。また、樹脂(A)中の一つの繰り返し単位が上記X、Y及びZのうちの2つ以上に該当してもよい。さらに、樹脂(A)中に含有される繰り返し単位X、Y及びZは、各々一種でもよいし二種以上であってもよい。
前記「分岐構造及び環状構造から選択される少なくとも一種を有する繰り返し単位」について説明する。
まず、分岐構造としては、炭素原子数3〜12個の分岐状のアルキル基を示し、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、i−アミル基、t−アミル基、3−オクチル、t−オクチル等が挙げられる。これらの中でも、i−プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基等が好ましく、さらにi−プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が好ましい。
前記酸性基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カルボキシル基、スルホニル基、スルホンアミド基、リン酸基、フェノール性水酸基等が挙げられる。これらの中でも、現像性、及び硬化膜の耐水性が優れる点から、カルボキシ基、フェノール性水酸基であることが好ましい。
前記エチレン性不飽和基としては、特に制限はなく、(メタ)アクリロイル基が好ましい。また、エチレン性不飽和基と単量体との連結はエステル基、アミド基、カルバモイル基などの2価の連結基であれば特に制限はない。樹脂(A)にエチレン性不飽和基を導入する方法は公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、酸性基を持つ繰り返し単位にエポキシ基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法、ヒドロキシル基を持つ繰り返し単位にイソシアネート基を持つ(メタ)アクリレートを付加した付加する方法、イソシアネート基を持つ繰り返し単位にヒドロキシ基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法などが挙げられる。
その中でも、酸性基を持つ繰り返し単位にエポキシ基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法が最も製造が容易であり、低コストである点で好ましい。
前記その他の繰り返し単位としては、特に制限はなく、例えば分岐構造および/または脂環構造をもたない(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエーテル基、二塩基酸無水物基、ビニルエステル基、炭化水素アルケニル基等を有する単量体からなる繰り返し単位などが挙げられる。
前記ビニルエーテル基としては、特に制限はなく、例えば、ブチルビニルエーテル基などが挙げられる。
前記ビニルエステル基としては、特に制限はなく、例えば、酢酸ビニル基などが挙げられる。
前記炭化水素アルケニル基としては、特に制限はなく、例えば、ブタジエン基、イソプレン基などが挙げられる。
前記樹脂(A)は、単量体(モノマー)を(共)重合反応させて(共)重合反応物を得る工程と、この(共)重合反応物にエチレン性不飽和基を導入する工程の二段階の工程から製造される。
まず、(共)重合反応物は種々のモノマーを(共)重合反応させることによって得られる。例えば、重合の活性種については、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、配位重合などを適宜選択することができる。これらの中でも合成が容易であり、低コストである点からラジカル重合であることが好ましい。また、重合方法についても特に制限はなく公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、バルク重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法などを適宜選択することができる。これらの中でも、溶液重合法であることがより望ましい。
樹脂(A)の重量平均分子量は、7,000〜10万が好ましく、8,000〜8万が更に好ましく、9,000〜5万が特に好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、樹脂(A)の製造適性、現像性の点で望ましい。
樹脂(A)として好適なガラス転移温度(Tg)は、40〜180℃であることが好ましく、45〜140℃であることがより好ましく、50〜130℃であることが特に好ましい。ガラス転移温度(Tg)が前記好ましい範囲内であると、良好な現像性、力学強度を有するフォトスペーサーが得られる。
樹脂(A)として好適な酸価はとりうる分子構造により好ましい範囲は変動するが、一般には20mgKOH/g以上であることが好ましく、50mgKOH/g以上であることがより好ましく、70〜130mgKOH/gであることが特に好ましい。酸価が前記好ましい範囲内であると、良好な現像性、力学強度を有するフォトスペーサーが得られる。
更に、前記樹脂(A)の好ましい例は、好ましい前記分子量、ガラス転移温度(Tg)、及び酸価のそれぞれの組合せがより好ましい。
また、「酸性基を有する繰り返し単位」は5〜70モル%が好ましく、10〜60モル%が更に好ましく、20〜50モル%が特に好ましい。酸性基を有する繰り返し単位が前記範囲内であると、良好な硬化性、現像性が得られる。
また、「エチレン性不飽和基を有する繰り返し単位」は10〜70モル%が好ましく、20〜70モル%が更に好ましく、30〜70モル%が特に好ましい。エチレン性不飽和基を有する繰り返し単位が前記範囲内であると、顔料分散性に優れると共に、現像性及び硬化性も良好である。
前記樹脂(A)と併用することができる樹脂としては、アルカリ性水溶液に対して膨潤性を示す化合物が好ましく、アルカリ性水溶液に対して可溶性である化合物がより好ましい。
アルカリ性水溶液に対して膨潤性又は溶解性を示す樹脂としては、例えば、酸性基を有するものが好適に挙げられ、具体的には、エポキシ化合物にエチレン性不飽和二重結合と酸性基とを導入した化合物(エポキシアクリレート化合物)、側鎖に(メタ)アクリロイル基、及び酸性基を有するビニル共重合体、エポキシアクリレート化合物と、側鎖に(メタ)アクリロイル基、及び酸性基を有するビニル共重合体との混合物、マレアミド酸系共重合体、などが好ましい。
前記酸性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、などが挙げられ、これらの中でも、原料の入手性などの観点から、カルボキシル基が好ましく挙げられる。
前記樹脂(A)と併用することができる樹脂との合計の含有量としては、前記感光性組成物全固形分に対して、5〜70質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。該固形分含有量が、5質量%以上であれば、感光性樹脂層の膜強度を強くすることができ、該感光性樹脂層の表面のタック性を改善することができる。また、70質量%以下であれば、露光感度を向上することができる。なお、前記含有量は、固形分含有量のことを示している。
本発明において、重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、その他の成分として公知の組成物を構成する成分を好適に用いることができ、例えば、特開2006−23696号公報の段落番号[0010]〜[0020]に記載の成分や、特開2006−64921号公報の段落番号[0027]〜[0053]に記載の成分が挙げられる。
前記光重合開始剤(C)の感光性組成物中の含有量としては、樹脂(A)に対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
前記感光性組成物において、微粒子を添加することが好ましい。前記微粒子(D)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、特開2003−302639号公報[0035]〜[0041]に記載の体質顔料が好ましく、中でも良好な現像性、力学強度を有するフォトスペーサーが得られるという観点からコロイダルシリカが好ましい。
以下、上記各工程について説明する。
本発明における樹脂層形成工程は、支持体上に架橋性基を有する高分子化合物を少なくとも含有する感光性樹脂層を形成する工程である。
この感光性樹脂層は、後述する製造工程を経て、変形回復性が良好でセル厚を均一に保持し得るフォトスペーサーを構成する。該フォトスペーサーを用いることにより特にセル厚の変動で表示ムラが生じやすい液晶表示装置における、画像中の表示ムラが効果的に解消される。
感光性組成物を含む溶液の塗布は、公知の塗布法、例えば、スピンコート法、カーテンコート法、スリットコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、あるいは米国特許第2681294号明細書に記載のポッパーを使用するエクストルージョンコート法等により行なうことができる。中でも、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリットノズルあるいはスリットコーターによる方法が好適である。
転写による場合、感光性転写フイルムを用いて、仮支持体上に膜状に形成された感光性樹脂層を支持体面に加熱及び/又は加圧したローラー又は平板で圧着又は加熱圧着することによって貼り合せた後、仮支持体の剥離により感光性樹脂層を支持体上に転写する。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法が挙げられ、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。
該感光性転写フイルムを構成する仮支持体、酸素遮断層、熱可塑性樹脂層、その他の層や該感光性転写フイルムの作製方法については、特開2006−23696号公報の段落番号[0024]〜[0030]に記載の構成、作製方法と同様である。
本発明におけるパターニング工程では、支持体上に形成された感光性樹脂層を露光及び現像してパターニングする。パターニング工程の具体例としては、特開2006−64921号公報の段落番号[0071]〜[0077]に記載の形成例や、特開2006−23696号公報の段落番号[0040]〜[0051]に記載の工程などが、本発明においても好適な例として挙げられる。
ポスト露光工程においては、未露光部分を除去された前記感光性樹脂層が露光される。ポスト露光工程における露光(ポスト露光)は、現像後のパターンが形成されている基板に対し、感光性樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射することにより行われる。ポスト露光に用いられる光源は特に限定されるものではないが、具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。
ポスト露光工程における支持体の感光性樹脂層の形成された面とは反対の面の露光量は少なければ少ないほど好ましく、0mJ/cm2であることが最も好ましい。
本発明においてポスト露光の照度は、50〜500mW/cm2であることが好ましい。上記照度が50mW/cm2以上であることにより、より高度の変形回復性を得ることができる。一方500mW/cm2以下であることにより、ベーク時のレチキュレーションの発生をより効率的に抑制することができる。
また上記照度は100〜350mW/cm2であることがより好ましく、150〜250mW/cm2であることが特に好ましい。
本発明の液晶表示装置用基板は、前記本発明の液晶ディスプレイ用フォトスペーサーの製造方法により得られたフォトスペーサーを備えたものである。フォトスペーサーは、支持体上に形成されたブラックマトリクス等の表示用遮光部の上やTFT等の駆動素子上に形成されることが好ましい。また、ブラックマトリクス等の表示用遮光部やTFT等の駆動素子とフォトスペーサーとの間にITO等の透明導電層(透明電極)やポリイミド等の液晶配向膜が存在していてもよい。
本発明の液晶表示装置用基板には更に、必要に応じて赤色(R)、青色(B)、緑色(G)3色等の着色画素が設けられていてもよい。
前記本発明の液晶表示装置用基板を用いて液晶表示素子を構成することができる。液晶表示素子の1つとして、少なくとも一方が光透過性の一対の支持体(本発明の液晶表示装置用基板を含む。)間に液晶層と液晶駆動手段(単純マトリックス駆動方式及びアクティブマトリックス駆動方式を含む。)とを少なくとも備えたものが挙げられる。
この場合も、本発明の液晶表示装置用基板は、複数のRGB画素群を有し、該画素群を構成する各画素が互いにブラックマトリックスで離画されたカラーフィルタ基板として構成されている。
また、前記カラーフィルタ基板の前記画素群は、互いに異なる色を呈する2色の画素からなるものでも、3色の画素、4色以上の画素からなるものであってもよい。例えば3色の場合、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3つの色相で構成される。RGB3色の画素群を配置する場合には、モザイク型、トライアングル型等の配置が好ましく、4色以上の画素群を配置する場合にはどのような配置であってもよい。カラーフィルタ基板の作製は、例えば2色以上の画素群を形成した後ブラックマトリックスを形成してもよいし、逆にブラックマトリックスを形成した後に画素群を形成するようにしてもよい。RGB画素の形成については、特開2004−347831号公報等を参考にすることができる。
本発明の液晶表示装置は、本発明の液晶ディスプレイ用フォトスペーサーを備えるものである。本発明の液晶表示装置は、前記液晶表示装置用基板を備えていてもよい。また、本発明の液晶表示装置は、前記液晶表示素子を備えていてもよい。本発明の液晶表示装置は、互いに向き合うように対向配置された一対の基板間を既述のように、本発明の液晶ディスプレイ用フォトスペーサーの製造方法により作製されたフォトスペーサーで所定幅に規制し、規制された間隙に液晶材料を封入(封入部位を液晶層と称する。)して構成されており、液晶層の厚さ(セル厚)が所望の均一厚に保持されるようになっている。
反応容器中に1−メトキシ−2−プロパノール5.11部、及び1−メトキシ−2−プロピルアセテート5.11部をあらかじめ加え90℃に昇温し、スチレン5.10部、メタクリル酸9,84部、アゾ系重合開始剤(和光純薬社製、V−601)1部、及び1−メトキシ−2−プロパノール5.11部、及び1−メトキシ−2−プロピルアセテート5.11部からなる混合溶液を窒素ガス雰囲気下、90℃の反応容器中に2時間かけて滴下した。滴下後4時間反応させて、アクリル樹脂溶液を得た。
次いで、前記アクリル樹脂溶液に、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.036部、及びテトラエチルアンモニウムブロマイド0.082部を加えた後、グリシジルメタクリレート9.28部を2時間かけて滴下した。滴下後、空気を吹き込みながら90℃で4時間反応させ後、固形分濃度が45%になるように溶媒を添加することにより調製し、下記化合物P−24(固形分酸価;114mgKOH/g、Mw;15,000、1−メトキシ−2−プロパノール/1−メトキシ−2−プロピルアセテート45%溶液)を得た。下記化合物P−24で表される樹脂は、下記化合物P−24中のx:y:zが30mol%:30mol%:40mol%であった。
反応容器中に1−メトキシ−2−プロパノール13.56部をあらかじめ加え90℃に昇温し、シクロヘキシルメタクリレート8.24部、メタクリル酸9.84部、アゾ系重合開始剤(和光純薬社製、V−601)1部、及び1−メトキシ−2−プロパノール13.56部からなる混合溶液を窒素ガス雰囲気下、90℃の反応容器中に2時間かけて滴下した。滴下後4時間反応させて、アクリル樹脂溶液を得た。
次いで、前記アクリル樹脂溶液に、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.0415部、及びテトラエチルアンモニウムブロマイド0.068部を加えた後、グリシジルメタクリレート9.28部を2時間かけて滴下した。滴下後、空気を吹き込みながら90℃で4時間反応させ後、固形分濃度が45%になるように溶媒を添加することにより調製し、不飽和基を持つ前記化合物P−10で表される樹脂溶液(固形分酸価;100mgKOH/g、Mw;18,000、1−メトキシ−2−プロパノール45%溶液)を得た。前記P−10で表される樹脂は、前記化合物P−10中のx:y:zが30mol%:30mol%:40mol%であった。
なお、合成例1及び合成例2で得られた樹脂の分子量Mwは、重量平均分子量のことを示し、前記分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用いて測定した。
−スペーサー用感光性転写フイルムの作製−
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(PET仮支持体)上に、下記処方Aからなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥層厚6.0μmの熱可塑性樹脂層を形成した。
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=55/11.7/4.5/28.8[モル比]、重量平均分子量90,000) … 25.0部
・スチレン/アクリル酸共重合体 … 58.4部
(=63/37[モル比]、重量平均分子量8,000)
・2,2−ビス〔4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン
… 39.0部
・下記界面活性剤1 … 10.0部
・メタノール … 90.0部
・1−メトキシ−2−プロパノール … 51.0部
・メチルエチルケトン … 700部
・ポリビニルアルコール … 3.22部
(PVA−205、鹸化率80%、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン … 1.49部
(PVP K−30、アイエスピー・ジャパン株式会社製)
・メタノール … 42.3部
・蒸留水 … 524部
特開2005−3861号公報の段落番号[0084]〜[0095]に記載の方法でブラックマトリクス、R画素、G画素、B画素を有するカラーフィルタを作製した。次いで、カラーフィルタ基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。
得られたスペーサー用感光性転写フイルム(1)のカバーフィルムを剥離し、露出した感光性樹脂層の表面を、上記で作製したITO膜がスパッタ形成されたカラーフィルタ基板のITO膜上に重ね合わせ、ラミネーターLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用いて、線圧100N/cm、130℃の加圧・加熱条件下で搬送速度2m/分にて貼り合わせた。その後、PET仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離除去し、感光性樹脂層を熱可塑性樹脂層及び中間層と共に転写した(樹脂層形成工程)。
得られたスペーサーパターンは、直径24μm、平均高さ3.6μmの円柱状であった。尚、得られたフォトスペーサーの任意の1000個の各々について、三次元表面構造解析顕微鏡(メーカー:ZYGO Corporation、型式:New View 5022)を用いてITOの透明電極形成面からの最も高い位置を測定し、その平均をフォトスペーサーの平均高さとした。
別途、対向基板としてガラス基板を用意し、上記で得られたカラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施し、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
実施例1において、ポスト露光を行う際に、フォトスペーサーを形成した面の露光量を600mJ/cm2とした以外は実施例1と同様にしてフォトスペーサー及び液晶表示装置を得た。
実施例1において、ポスト露光を行う際に、フォトスペーサーを形成した面の露光量を600mJ/cm2とし、フォトスペーサーを形成した面とは反対の面の露光量を10mJ/cm2とした以外は実施例1と同様にしてフォトスペーサー及び液晶表示装置を得た。
実施例1において、ポスト露光を行う際に、平行光を照射することができるパターニング用露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いた以外は実施例3と同様にしてフォトスペーサー及び液晶表示装置を得た。
表1の処方1からなる感光性樹脂層用塗布液に代えて、表1の処方2からなる感光性樹脂層用塗布液を用いた以外は実施例2と同様にしてフォトスペーサー及び液晶表示装置を得た。
表1の処方1からなる感光性樹脂層用塗布液に代えて、表1の処方3からなる感光性樹脂層用塗布液を用いた以外は実施例2と同様にしてフォトスペーサー及び液晶表示装置を得た。
ポスト露光を行わない以外は実施例1と同様にしてフォトスペーサー及び液晶表示装置を得た。
カラーフィルタ基板の裏表両面から600mJ/cm2でポスト露光を行った以外は実施例1と同様にしてフォトスペーサー及び液晶表示装置を得た。
フォトスペーサーを形成した面とは反対の面の露光量を600mJ/cm2とし、フォトスペーサーを形成した面の露光量を0mJ/cm2とした以外は実施例1と同様にしてフォトスペーサー及び液晶表示装置を得た。
−変形回復率−
フォトスペーサーに対して、微小硬度計(DUH−W201、(株)島津製作所製)により次のようにして測定を行ない、変形回復率を求めた。測定は、50μmφの円錘台圧子を採用し、負荷速度3.1mN/sec、保持時間5秒として、負荷−除荷試験法により行なった。最大荷重を変化させ、総変形量が0.5μmになる最大荷重における弾性回復率を測定した。測定は、22±1℃、50%RHの環境下で行った。任意のフォトスペーサー5つについて変形回復率を求め、その平均値を表2に示す。
(加重による変形量[μm]/加重開放後の回復量[μm])×100
液晶表示装置の各々について、5kg/cm2の荷重を5秒間押し当てて、その部分の表示ムラがどの程度残るかを評価した。表示ムラの発生の有無を下記評価基準にしたがって評価した。各評価結果を表2に示す。
5:まったくムラがみられない(非常に良い)
4:ガラス基板の縁部分にかすかにムラが見られるが、表示部に問題なし(良い)
3:表示部にかすかにムラが見られるが実用レベル(普通)
2:表示部にムラがある(やや悪い)
1:表示部に強いムラがある(非常に悪い)
Claims (6)
- 支持体上に架橋性基を有する高分子化合物を少なくとも含有する感光性樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、前記感光性樹脂層をパターン状に露光する露光工程と、前記感光性樹脂層の未露光部分を除去する現像工程と、未露光部分を除去された前記感光性樹脂層を露光するポスト露光工程と、を有する液晶ディスプレイ用フォトスペーサーの製造方法であって、
前記ポスト露光工程における、前記支持体の前記感光性樹脂層の形成された面の露光量が、前記感光性樹脂層を硬化するのに最低限必要な露光量の5倍以上の露光量であり、前記支持体の前記感光性樹脂層の形成された面とは反対の面の露光量が、20mJ/cm2以下であることを特徴とする液晶ディスプレイ用フォトスペーサーの製造方法。 - 前記ポスト露光工程における、前記支持体の前記感光性樹脂層の形成された面の露光量が、前記感光性樹脂層を硬化するのに最低限必要な露光量の10倍以上の露光量であることを特徴とする請求項1に記載の液晶ディスプレイ用フォトスペーサーの製造方法。
- 前記ポスト露光工程に用いる光線が、平行光であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶ディスプレイ用フォトスペーサーの製造方法。
- 前記架橋性基を有する高分子化合物が、分岐構造及び環状構造から選択される少なくとも一種を有する繰り返し単位と、酸性基を有する繰り返し単位と、エチレン性不飽和基を有する繰り返し単位と、を含有する樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液晶ディスプレイ用フォトスペーサーの製造方法。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液晶ディスプレイ用フォトスペーサーの製造方法により製造されたことを特徴とする液晶ディスプレイ用フォトスペーサー。
- 請求項5に記載の液晶ディスプレイ用フォトスペーサーを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
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