JP2017003930A - 液晶レンズ用基板の製造方法および液晶レンズ用基板用製造装置 - Google Patents

液晶レンズ用基板の製造方法および液晶レンズ用基板用製造装置 Download PDF

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【課題】本発明は、焼成工程における焼成環境の汚染を抑制し、液晶レンズとした際の液晶層の電気信頼性の低下を抑制することが可能な液晶レンズ用基板の製造方法を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、基板上に感光性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成する塗布工程と、上記塗膜をパターン状に露光するパターン露光工程と、露光された上記塗膜を現像することにより、上記基板および液晶レンズとした際に用いられる対向基板の間を保持する柱状形成物を形成する現像工程と、上記柱状形成物を露光することにより、上記柱状形成物に含有される上記感光性樹脂組成物の硬化反応を促進する再露光工程と、露光された上記柱状形成物を焼成する焼成工程とを有することを特徴とする液晶レンズ用基板の製造方法を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶レンズに用いられる液晶レンズ用基板を製造する液晶レンズ用基板の製造方法および液晶レンズ用基板用製造装置に関する。
近年、表示装置の分野においては、三次元表示をすることへの要望が高まってきている。表示装置において、三次元表示をするには、何らかの方法により観察者に対して右目用の映像と左目用の映像とを分けて観察させる必要がある。三次元表示の方式としては、例えば偏光レンズ等を有する三次元表示用のメガネを用いる方式もあるが、近年、観察者に裸眼で三次元表示を観察させる裸眼式三次元表示方式が注目を集めている。
裸眼式三次元表示方式としては、例えば、パラックスバリア方式と、液晶レンズ方式とを挙げることができる。液晶レンズ方式は、2枚の電極を有する基板と、両基板間に形成された液晶層とを有する液晶レンズを用いた方式である。液晶レンズにおいては、両電極間に電圧を印加させることにより液晶層中の液晶の配向を変化させることでレンズ機能を付与することができるため、液晶レンズの駆動の有無により、1つの表示装置において、二次元表示と三次元表示との2態様の表示を行うことができるといった利点を有する。
特開2006−293241号公報 特開2012−173517号公報
上記液晶レンズにおいては、レンズ厚を確保するために、上記両基板間の距離(セルギャップ)を20μm〜110μmの範囲内とすることが必要とされている。上記液晶レンズにおける基板間を所定の距離に保持する方法としては、例えば特許文献1および特許文献2に示すように、2枚の電極を有する基板間にビーズスペーサ、もしくは柱状形成物を配置することが検討されている。このうち、柱状形成物は、液晶レンズにおける所定の位置に配置することが可能であり、ビーズスペーサを用いた場合に比べて良好な表示ができると期待されている。
しかしながら、上述したセルギャップを保持するためには、柱状形成物を高アスペクト比で高さを高くする必要があるが、感光性樹脂組成物の塗膜を露光、現像および焼成するフォトリソグラフィ法により、上記柱状形成物を形成する場合は、焼成環境を汚染する場合がある。また、このような柱状形成物を用いた液晶レンズにおいては、液晶層の電気信頼性が低下する場合がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、焼成工程における焼成環境の汚染を抑制し、液晶レンズとした際の液晶層の電気信頼性の低下を抑制することが可能な液晶レンズ用基板の製造方法および液晶レンズ用基板用製造装置を提供することを主目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、フォトリソグラフィ法を用いて、高アスペクト比であり高さの高い柱状形成物を形成する場合には、柱状形成物の側面部分、特に、柱状形成物の基板近傍の側面部分が十分に硬化していない場合があることを知見した。また、本発明者らは、柱状形成物に含有される未硬化成分が焼成工程において昇華することにより焼成環境を汚染する場合があること、さらに、このような液晶レンズ用基板を用いて液晶レンズを形成した際に、柱状形成物の側面部分から感光性樹脂組成物の未硬化成分等の汚染物質が液晶層中に移行する結果、液晶層に含まれる液晶に印加される実効電圧が局所的に異なり液晶層の電気信頼性の低下を引き起こす場合があることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、基板上に感光性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成する塗布工程と、上記塗膜をパターン状に露光するパターン露光工程と、露光された上記塗膜を現像することにより、上記基板および液晶レンズとした際に用いられる対向基板の間を保持する柱状形成物を形成する現像工程と、上記柱状形成物を露光することにより、上記柱状形成物に含有される上記感光性樹脂組成物の硬化反応を促進する再露光工程と、露光された上記柱状形成物を焼成する焼成工程とを有することを特徴とする液晶レンズ用基板の製造方法を提供する。
本発明によれば、再露光工程を有することにより、柱状形成物に含有される感光性樹脂組成物の硬化反応を促進することができるため、焼成工程において、柱状形成物中の未硬化成分による焼成環境の汚染を抑制することができる。また、柱状形成物中の未硬化成分を少なくすることができるから、液晶レンズとした際に液晶層の電気信頼性の低下を抑制することができる。
上記発明においては、上記再露光工程では、上記基板を搬送しながら、上記柱状形成物を露光することが好ましい。液晶レンズ用基板の製造方法をより簡便に行なうことができるからである。
上記発明においては、上記再露光工程では、拡散光を照射することにより、上記柱状形成物を露光することが好ましい。柱状形成物の側面部分の硬化度を高くすることができるため、焼成環境の汚染を抑制することができる。また、液晶レンズとした際の液晶層の電気信頼性を良好にすることができる。
本発明は、基板上に感光性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成する塗布部と、上記塗膜をパターン状に露光するパターン露光部と、露光された上記塗膜を現像することにより、上記基板および液晶レンズとした際に用いられる対向基板の間を保持する柱状形成物を形成する現像部と、上記柱状形成物を露光することにより、上記柱状形成物に含有される上記感光性樹脂組成物の硬化反応を促進する再露光部と、露光された上記柱状形成物を焼成する焼成部とを有する液晶レンズ用基板用製造装置であって、上記再露光部が、上記基板を搬送する搬送部と、上記搬送部の搬送経路に配置された露光光源とを有することを特徴とする液晶レンズ用基板用製造装置を提供する。
本発明によれば、再露光部を有することにより、上記未硬化成分の昇華物による焼成部の汚染を抑制することができる。また、得られた液晶レンズ用基板を液晶レンズに用いた場合に、液晶層の電気信頼性の低下を抑制することができる。
また、本発明によれば、再露光部が上述の搬送部および露光光源を有することにより、上述の液晶レンズ用基板の製造方法における柱状形成物の再露光工程を簡便な方法で行なうことができる。
本発明の液晶レンズ用基板の製造方法においては、焼成工程における焼成環境の汚染を抑制し、液晶レンズとした際の液晶層の電気信頼性の低下を抑制することが可能であるといった効果を奏する。
本発明の液晶レンズ用基板の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明により製造される液晶レンズ用基板の一例を示す概略断面図である。 液晶レンズの一例を示す概略断面図である。 本発明により形成される柱状形成物の形状を説明する説明図である。 本発明の液晶レンズ用基板用製造装置の一例を示す模式図である。 本発明の液晶レンズ用基板用製造装置の他の例を示す模式図である。
以下、本発明の液晶レンズ用基板の製造方法、および液晶レンズ用基板用製造装置について、詳細を説明する。
A.液晶レンズ用基板の製造方法
本発明の液晶レンズ用基板の製造方法は、基板上に感光性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成する塗布工程と、上記塗膜をパターン状に露光するパターン露光工程と、露光された上記塗膜を現像することにより、上記基板および液晶レンズとした際に用いられる対向基板の間を保持する柱状形成物を形成する現像工程と、上記柱状形成物を露光することにより、上記柱状形成物に含有される上記感光性樹脂組成物の硬化反応を促進する再露光工程と、露光された上記柱状形成物を焼成する焼成工程とを有することを特徴とする製造方法である。
本発明の液晶レンズ用基板の製造方法の一例について図を用いて説明する。
図1(a)〜(e)は本発明の液晶レンズ用基板の製造方法の一例を示す工程図である。本発明の液晶レンズ用基板の製造方法は、まず図1(a)に示すように、基板2上に感光性樹脂組成物を塗布して塗膜4を形成する(塗布工程)。次に図1(b)に示すように、フォトマスクMを介して露光光L1を照射することにより、塗膜4をパターン状に露光する(露光工程)。露光された塗膜4を現像することにより、次に図1(c)に示すように、基板2および液晶レンズとした際に用いられる対向基板の間を保持する柱状形成物3’を形成する(現像工程)。次に図1(d)に示すように、露光光L2を照射して柱状形成物3’を露光することにより、柱状形成物3’に含有される感光性樹脂組成物の硬化反応を促進する(再露光工程)。図1(d)においては、露光光源Lampが露光光L2として拡散光を発するものを用いている例を示している。次に図示はしないが、オーブン等を用いて露光された柱状形成物を焼成する(焼成工程)。以上の工程により、図1(e)に示すように、基板2と、基板2上に形成された柱状形成物3とを有する液晶レンズ用基板1を製造することができる。
本発明により製造される液晶レンズ用基板は液晶レンズに用いられるものである。液晶レンズ用基板および液晶レンズについて図を用いて説明する。
図2は本発明により製造される液晶レンズ用基板の一例を示す概略断面図であり、図3は液晶レンズの一例を示す概略断面図である。図2に示す液晶レンズ用基板1は、基板2と、基板2上に形成された柱状形成物3とを有するものである。また、液晶レンズ用基板1は、基板2上に形成された電極層5を有していてもよい。
また、図3に示す液晶レンズ10は、液晶レンズ用基板1と、対向基板12と、液晶レンズ用基板1および対向基板12の間に形成された液晶層20とを有する。対向基板12は、通常、対向基板12上に形成された電極層15を有する。液晶レンズ20においては、通常、液晶レンズ用基板1の柱状形成物3側の面と、対向基板12の電極層15が形成された面とが対向するように配置される。また、液晶レンズ用基板1に形成された電極層5と、対向基板12上に形成された電極層15とは、例えば、一方が連続的に形成されたものであり、他方が長尺の電極層がストライプ状に配列されたものである。また、液晶レンズ10は、通常、液晶層20を封止するためのシール材30を有する。
本発明によれば、再露光工程を有することにより、柱状形成物に含有される感光性樹脂組成物の硬化反応を促進することができる。よって、焼成工程前に柱状形成物に含有される未硬化成分を少なくすることができる。したがって、焼成工程において上記未硬化成分の昇華物による焼成環境の汚染を抑制することができる。
また、本発明によれば、再露光工程を有することにより、柱状形成物に含有される未硬化成分を少なくすることができるため、本発明により製造された液晶レンズ用基板を液晶レンズに用いた場合に、液晶層の電気信頼性の低下を抑制することができる。
ここで、感光性樹脂組成物を用いて塗膜を形成し、上記塗膜に対して露光および現像を行うフォトリソグラフィ法により、高さの高い柱状形成物を形成する場合、柱状形成物の側面および基板近傍側についても十分に硬化させる方法として、露光光の光強度を高めることや露光時間を長くする方法も考えられる。しかしながらこの方法では、平面視上、目的とする柱状形成物を得るために硬化させるべき領域の周辺でも硬化が進行し、アスペクト比の高い柱状形成物を得ることが困難となる。このようなことから、高さおよびアスペクト比の高い柱状形成物を感光性樹脂組成物を用いて形成する場合には、柱状形成物の基板近傍側は上部側と比較して到達する露光光の光強度が弱い箇所を含むことになり、上部側に比べて基板近傍側および側面については硬化度が低くなる。
そして、このような到達する光強度が弱い箇所は硬化度が低いものとなるため、焼成工程においては、感光性樹脂組成物の未硬化成分が昇華して、例えば、オーブンの壁面に付着する等により焼成環境の汚染が生じる場合がある。
また、得られた液晶レンズ用基板を液晶レンズに適用した場合、感光性樹脂組成物の未硬化成分等の汚染物質が液晶層中に移行する結果、上記汚染物質により液晶層に含まれる液晶に印加される実効電圧が局所的に異なることにより電気信頼性が低下する場合がある。
これに対して、本発明においては、再露光工程を行なうことにより、柱状形成物に含有される感光性樹脂組成物の硬化反応を促進させることができることから、焼成工程前における柱状形成物に含有される上記未硬化成分を少なくすることができる。よって、焼成環境の汚染を抑制することができ、液晶レンズとした際の液晶層の電気信頼性を抑制することができる。
また、ここで、液晶レンズとした際の液晶層の電気信頼性の低下を抑制する方法としては、例えば、柱状形成物上に無機材料もしくは有機材料の保護層をさらに形成することも考えられるが、この場合は、保護層を形成する工程をさらに行なう必要がある。これに対して、本発明は焼成工程前に柱状形成物を再露光することで電気信頼性の低下を抑制することができるため、より簡便な方法で液晶レンズ用基板を製造することができる。
なお、本発明における課題は、液晶レンズに用いられる液晶レンズ用基板に特有の課題である。ここで、液晶材料を用いたデバイスは、従来から液晶表示装置が広く知られており、液晶表示装置においても2枚の電極基板間の保持のため柱状スペーサが用いられることが知られている。しかしながら、液晶表示装置の基板の単位面積(mm)当たりに形成される柱状スペーサの個数は、例えば、2個〜30個程度であり、柱状スペーサ1個当たりの体積は、例えば、80μm〜800μm程度である。これに比べて、本発明により製造される液晶レンズ用基板の単位面積(mm)に形成される柱状形成物の個数は、例えば、2個〜30個程度であり、柱状形成物1個当たりの体積は、例えば、1000μm〜100000μm程度である。したがって、液晶表示装置と液晶レンズとでは、液晶レンズの方が、焼成時における感光性樹脂組成物の未硬化成分の昇華物の量ははるかに大きい。また、液晶レンズの方が液晶層に接触する樹脂層の面積が大きく、未硬化成分による液晶層への影響ははるかに大きい。したがって、感光性樹脂組成物の未硬化成分による焼成環境の汚染および液晶層の電気信頼性の低下は液晶レンズの分野において、顕在化された問題である。
以下、本発明の液晶レンズ用基板の製造方法における各工程について説明する。
1.塗布工程
本発明における塗布工程は、基板上に感光性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成する工程である。
(1)感光性樹脂組成物
本発明に用いられる感光性樹脂組成物としては、感光性樹脂組成物を塗布することにより得られる塗膜に対して露光および現像を行うことにより所望の形状および強度の柱状形成物を得ることができるものであれば良く、フォトリソグラフィ法等に一般的に用いられるものを使用することができる。また、感光性樹脂組成物としては、通常、ネガ型感光性樹脂組成物が用いられる。
具体的には、モノマー、ポリマーおよび光重合開始剤を含むものを用いることができる。
(a)モノマー
上記モノマーとしては、例えば、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、および、上記のアクリレート基をメタクリレート基に置換したもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、3−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、フェノール−エチレンオキサイド変性アクリレート、フェノール−プロピレンオキサイド変性アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、ビスフェノールA−エチレンオキサイド変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のアクリレートモノマー、および、これらのアクリレート基をメタクリレート基に置換したもの、ポリウレタン構造を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたエポキシアクリレートオリゴマー、ポリウレタン構造を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたウレタンメタクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたポリエステルメタクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたエポキシメタクリレートオリゴマー、アクリレート基を有するポリウレタンアクリレート、アクリレート基を有するポリエステルアクリレート、アクリレート基を有するエポキシアクリレート樹脂、メタクリレート基を有するポリウレタンメタクリレート、メタクリレート基を有するポリエステルメタクリレート、ならびにメタクリレート基を有するエポキシメタクリレート樹脂等が挙げられる。これらのモノマーを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。本発明においては、市販のモノマーを用いることもでき、例えば、SR399(サートマー(株)製)、アロニックスM−400(東亞合成(株)製)、およびアロニックスM−450(東亞合成(株)製)が好ましい。
上記モノマーの含有量としては、所望の形状の柱状形成物を形成することができれば特に限定されないが、具体的には、感光性樹脂組成物の固形分中の、60質量%〜95質量%の範囲内、中でも65質量%〜93質量%の範囲内、特に70質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましい。
なお、固形分とは、感光性樹脂組成物中の溶剤以外の全ての成分をいうものである。
(b)ポリマー
上記ポリマーとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレンビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等、および、重合可能なモノマーであるメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレートの1種以上と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の2量体、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、ならびにこれらの酸無水物等の一種以上とからなるポリマーまたはコポリマー等が挙げられる。これらのポリマーを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。本発明においては、市販のポリマーを用いることもでき、例えば、エピコート180S70(油化シェルエポキシ(株)製)、アロニックスM−5600(東亞合成(株)製)、アロニックスM−6200(東亞合成(株)製)、アロニックスM−7100(東亞合成(株)製)、およびアロニックスM−9050(東亞合成(株)製)が好ましい。
上記ポリマーの含有量としては、所望の形状の柱状形成物を形成することができれば特に限定されないが、具体的には、感光性樹脂組成物の固形分中に5質量%〜40質量%の範囲内、中でも7質量%〜35質量%の範囲内、特に10質量%〜30質量%の範囲内であることが好ましい。
(c)光重合開始剤
上記光重合開始剤としては、露光光によりフリーラジカルを発生する化合物であって、具体的には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、アデカ社製N1717、四臭化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブルー等の光還元性色素とアスコルビン酸やトリエタノールアミンのような還元剤との組み合わせ等を例示できる。
本発明では、これらの光重合開始剤を1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記光重合開始剤の含有量としては、所望の形状の柱状形成物を得られるように塗膜に所望の感光性を付与できれば特に限定されないが、具体的には、感光性樹脂組成物の固形分中に0.5質量%〜5.0質量%の範囲内、中でも1.0質量%〜4.0質量%の範囲内、特に1.5質量%〜3.0質量%の範囲内であることが好ましい。
(d)その他
上記感光性樹脂組成物は、通常、モノマー、ポリマーおよび光重合開始剤を含むものであるが、必要に応じて溶剤や添加剤を含むことができる。
上記溶剤としては、一般的な樹脂組成物に用いられるものと同様とすることができ、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α−もしくはβ−テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、および3−メトキシブチルアセテート等の酢酸エステル類等が挙げられる。
上記添加剤としては、例えば、レベリング剤、架橋剤、硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤、界面活性剤等を挙げることができる。これらの添加剤については公知のものを用いることができる。
上記感光性樹脂組成物の色としては、透明であることが好ましい。柱状形成物を目立たなくすることができるからである。
上記感光性樹脂組成物中に含有される上記モノマーの質量および上記ポリマーの質量の比率としては、所望の柱状形成物を形成することができれば特に限定されないが、モノマーの質量:ポリマーの質量=70:30〜90:10の範囲内、中でも73:27〜87:13の範囲内、特に75:25〜85:15の範囲内であることが好ましい。
上記比率が上述の範囲内であることにより、柱状形成物を安定的に形成することができるからである。
上記感光性樹脂組成物の固形分濃度、および粘度については、柱状形成物を形成する際の、基板への透明樹脂組成物の塗布方法に応じて適宜選択することができる。なお、固形分濃度とは、溶剤を含む感光性樹脂組成物の質量に対する固形分の質量の比率をいう。
(2)基板
本発明に用いられる基板は、感光性樹脂組成物が塗布されて塗膜が形成されるものであり、後述する柱状形成物を支持するものである。
上記基板としては透明性を有することが好ましく、例えば、全光線透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
ここで、全光線透過率の測定方法は、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光線透過率の試験方法)により測定することができる。
上記基板としては、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のないリジッド材、あるいは、樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有するフレキシブル材等を用いることができる。
上記基板の厚さとしては、上記柱状形成物を形成することができれば特に限定されないが、例えば、0.05mm〜1.1mmの範囲内とすることができる。
(3)電極層
本発明においては、基板上に形成された電極層を有していてもよい。電極層は、液晶レンズを形成した際に、対向基板に形成される電極層と共に液晶層内に電界をかけて液晶層中の液晶の配向を変化させるものである。
このような電極層を構成する導電材料としては、一般的な表示装置に用いられるものと同様とすることができ、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)等の導電性無機材料を好適に用いることができる。電極層は、基板上の全面に連続的に形成されていてもよく、例えば、ストライプ状等のパターン状に形成されていてもよい。電極層の厚さとしては、所定の導電性を有することができれば特に限定されず、例えば、10nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。
電極層の形成方法としては、一般的な方法を用いることができ、例えば蒸着法もしくはスパッタリング法等を挙げることができる。また、電極層をパターン状に形成する場合は、蒸着法もしくはスパッタリング法等により薄膜を形成した後、例えばフォトリソグラフィ法によりパターニングする方法が好適に用いられる。
(4)塗布方法
透明樹脂組成物の塗布方法としては、一般的な塗布方法とすることができ、例えば、例
えばスピンコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコー
ト法、ビードコート法、バーコート等を挙げることができる。
また、塗膜の形成後に必要に応じて乾燥処理を行ってもよい。乾燥処理としては、自然乾燥であってもよく、加熱乾燥であってもよい。加熱乾燥としては、例えばホットプレートを用いて塗膜が形成された基板を加熱することにより行なうことができる。加熱温度については、塗膜中の溶媒の種類に応じて適宜調整される。
(5)塗布工程
本発明において形成される乾燥後の塗膜の厚さとしては、後述する高さを有する柱状形成物を形成することが可能な程度である。塗膜の厚さについては、例えば、後述する柱状形成物の高さと同等とすることができる。
2.パターン露光工程
本発明における露光工程は、上記塗膜をパターン状に露光する工程である。
本工程に用いられる露光方法としては、一般的なフォトリソグラフィ法に用いられるものと同様とすることができ、具体的には、公知の露光装置を用いて、フォトマスクを介して露光光を塗膜に照射する方法を挙げることができる。フォトマスクについては、一般的なフォトリソグラフィ法で用いられるものと同様とすることができる。
露光光としては、通常、平行光が用いられる。また、露光光としては、上述した感光性樹脂組成物の光反応開始剤による光反応を進行させることができる波長を含んでいればよい。例えば、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、i線(波長365nm)を含む光を用いることができる。露光光源としては、一般的な露光装置に用いられる露光光源と同様とすることができ、例えば、高圧水銀ランプ等の水銀ランプを用いることができる。
露光工程における露光量については、感光性樹脂組成物の組成、塗膜の厚さ、柱状形成物の平面視形状等に応じて適宜調整することができる。
3.現像工程
本発明における現像工程は、露光された上記塗膜を現像することにより、上記基板および液晶レンズとした際に用いられる対向基板の間を保持する柱状形成物を形成する工程である。
塗膜の現像液としては、所定のパターン状に塗膜を現像することができれば特に限定されず、例えば、水、アルカリ水溶液(KOHやKCO)が挙げられる。
また、塗膜の現像方法としては、一般的なフォトリソグラフィ法に用いられる方法と同様とすることができ、特に限定されない。本発明においては、例えば、塗膜が形成された基板を移動させながら塗膜表面に現像液を接触させることにより現像を行なう方法を好適に用いることができる。この場合、基板としては現像液との接触部を一方向に移動させてもよく、現像液との接触部の間を繰り返し移動させてもよい。現像液との接触部としては、例えば、シャワー等を挙げることができる。
また、本発明においては、基板を搬送しながら、上記塗膜を現像することが好ましい。本発明の液晶レンズ用基板の製造方法をより簡便な方法で行なうことができるからである。本発明においては、例えば、露光工程が行われる露光部から再露光工程が行われる再露光部までの搬送部の搬送経路に現像工程が行われる現像液との接触部を配置することができる。
本発明においては、現像後に、柱状形成物が形成された基板表面に洗浄処理を行なってもよい。洗浄液としては例えば、水等を挙げることができる。また、現像後あるいは洗浄後に、基板上に付着した液体を除去する液体除去処理を行なってもよい。
液体除去処理の方法としては、例えば、エアナイフ等のエアーを用いて液体を飛ばず方法、加熱により乾燥させる方法等を挙げることができる。
本発明においては、中でも、液体除去処理を行なうことが好ましい。柱状形成物が形成された基板表面に付着した液体を除去することにより、後述する再露光工程において、柱状形成物に含有される感光性樹脂組成物の硬化反応を良好に促進することができるからである。
また、液体除去処理は、基板を搬送しながら行なうことが好ましい。本発明の液晶レンズの製造方法を効率よく行うことができるからである。
本工程により得られる柱状形成物の形状、高さ等については、後述する「7.液晶レンズ用基板」の項で説明する。
4.再露光工程
本発明における再露光工程は、上記柱状形成物を露光することにより、上記柱状形成物に含有される上記感光性樹脂組成物の硬化反応を促進する工程である。
「感光性樹脂組成物の硬化反応を促進する」とは、再露光工程の前後で、少なくとも柱状形成物表面の樹脂の硬化度を高くすることをいう。硬化反応の促進により、柱状形成物表面の樹脂の硬化度が高くなったことは、例えば、以下の評価方法により判断することができる。
再露光工程の有無以外は、同一の条件で形成された2つの液晶レンズ用基板を準備する。次にそれぞれの液晶レンズ用基板を用いて、液晶レンズ(液晶レンズセル)を作製する。両者の液晶レンズの電圧保持率を測定した場合に、再露光工程を行なったものの方が、再露光工程を行なわなかったものに比べて電圧保持率が高ければ、硬化度が高くなったと判断することができる。液晶レンズセルの電圧保持率は、例えば、東陽テクニカ社製、電圧保持率測定システムVHR−1型を用いて測定することができる。
本工程に用いられる露光方法としては、柱状形成物に含有される感光性樹脂組成物の硬化反応を促進することができれば特に限定されない。露光光としては、例えば、電離放射線を用いることができ、中でも紫外線を好適に用いることができる。
「電離放射線」とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものをいい、例えば、紫外線や電子線の他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線が挙げられる。
また、露光光としては、平行光であってもよく、拡散光であってもよいが、拡散光であることがより好ましい。拡散光は露光光源からあらゆる方向に照射されることから、柱状形成物の側面に露光光を照射させやすい。よって、柱状形成物の側面の硬化度を高くすることができるからである。
また、露光光としては、上述したパターン露光工程における露光光と同じであってもよく、異なってもよい。
露光光が異なるとは、露光光の発光スペクトルの波形が異なることをいい、具体的には、露光光に含まれる光のピーク波長が異なる場合、および複数の光のピーク波長を含む場合であってピーク強度が異なる場合の少なくともいずれかをいう。
上記露光光としては、中でも、上述したパターン露光工程における露光光と異なることが好ましく、上述のパターン露光工程における露光光よりも短波長側の光を多く含むことが好ましい。パターン露光工程および再露光工程で照射される露光光の種類を変えることにより、パターン露光工程における感光性樹脂組成物の未硬化成分を再露光工程において硬化させやすくなるからである。また、再露光工程における露光光が上述のパターン露光工程における露光光よりも短波長側の光を多く含むことにより、上記未硬化成分の硬化反応を促進させやすくなるからである。
露光光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ等を挙げることができ、メタルハライドランプを用いることがより好ましい。パターン露光工程の露光光源としては通常水銀ランプが用いられる。この場合、メタルハライドランプは水銀ランプに比べて短波長側の光を多く含むことから、硬化反応を好適に進行させることができるからである。
本工程においては、基板を固定して露光光を照射してもよく、基板を移動しながら露光光を照射してもよい。また、基板位置を移動しながら露光光を照射する場合は、基板を搬送しながら、柱状形成物を露光を行なうことが好ましい。本発明の液晶レンズ用基板の製造方法をより効率よくすることができるからである。この場合、例えば、現像工程が行われる現像部から焼成工程が行われる焼成部までの搬送部の搬送経路に再露光工程に用いられる露光光源を配置することができる。また、上述した現像工程についても搬送しながら行なう場合は、現像工程および再露光工程を、基板を搬送しながら行なうことができる。
また、露光光の照射面としては、基板における柱状形成物の形成面側から露光光を照射してもよく、上記柱状形成物の形成面側とは反対側から露光光を照射してもよく、両側から照射してもよい。例えば、柱状形成物の形成面側から露光光を照射した場合は、露光光を柱状形成物に直接照射することができることから、柱状形成物の側面を良好に硬化することができる。一方、柱状形成物の形成面側とは反対側から露光光を照射した場合は、柱状形成物において感光性樹脂組成物の硬化度の低い基板側に多くの露光光を照射することができる。本発明においては、製造コストの観点から、基板における柱状形成物の形成面側から露光光を照射することがより好ましい。
本工程における露光量としては、感光性樹脂組成物の種類、厚さ等に応じて適宜選択される。再露光工程の露光量としては、例えば、100mJ/cm〜1000mJ/cmの範囲内、中でも200mJ/cm〜800mJ/cmの範囲内、特に200mJ/cm〜600mJ/cmの範囲内であることが好ましい。上記露光量が少ないと、感光性樹脂組成物の硬化反応を十分に促進させることが困難となる可能性があるからである。また、露光量が多いと、製造コストに無駄を生じる可能性があるからである。
また、本工程においては、上述した「2.露光工程」で用いられた露光装置を用いて再露光を行なってもよい。
5.焼成工程
本発明における焼成工程は、露光された上記柱状形成物を焼成する工程である。
本工程においては、通常、オーブンを使用して焼成が行われる。焼成温度および焼成時間については、一般的な樹脂層の形成方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
6.その他の工程
本発明の液晶レンズ用基板の製造方法は、塗布工程、パターン露光工程、現像工程、再露光工程および焼成工程を有していれば特に限定されず、必要な工程を適宜選択して追加することができる。例えば、保護層を形成する工程、配向膜を形成する工程等を挙げることができる。
7.液晶レンズ用基板
本発明により製造される液晶レンズ用基板は、基板と、基板上に形成された柱状形成物とを有するものである。なお、基板については、上述した「1.塗布工程」の項で説明した内容と同様とすることができる。
(1)柱状形成物
本発明における柱状形成物は、基板上に形成されるものである。また、柱状形成物は、上記基板および液晶レンズとした際に用いられる対向基板の間を一定の距離に保持するものである。
また、本発明における柱状形成物は、基板上の表示領域内に形成されるものである。
本発明において、「表示領域」とは、本発明の液晶レンズ用基板を液晶レンズに用いた場合、液晶層が形成される領域である。また、「表示領域」は、液晶レンズが用いられた表示装置において、画像を表示する表示領域に対応する領域である。
本発明における柱状形成物の形状について説明する。
柱状形成物の平面視形状としては、液晶レンズにおける上記基板および対向基板の間を一定の距離に保持することができれば特に限定されないが、例えば、円形状、楕円形状等や、四角形状等の多角形状等が挙げられる。本発明においては、中でも長辺および短辺の差が小さい形状であることが好ましく、円形状または正方形状であることが好ましい。良好な強度を有し、液晶レンズとした際に液晶層の液晶の配向乱れ等を抑制することができるからである。
柱状形成物の正面形状としては、例えば、図4(a)および図4(b)に示すように、上底の幅rおよび下底の幅sが同等の幅であってもよく、図4(c)に示すように上底の幅rが下底の幅sより小さくなる順テーパー形状であってもよく、図4(d)に示すように、上底の幅rが下底の幅sより大きくなる逆テーパー形状であってもよい。また、図4(a)および図4(b)に示すように、上底の幅rおよび下底の幅sが同等の場合、図4(a)に示すように側面が基板に対して垂直な垂直形状であってもよく、図4(b)に示すように上底および下底の間の幅tが上底の幅rおよび下底の幅sよりも大きくなる樽形状であってもよい。
ここで、「柱状形成物の上底」とは、柱状形成物の基板側とは反対側の面をいう。また、「柱状形成物の下底」とは、柱状形成物の基板側の面をいう。
「柱状形成物の正面形状」とは、柱状形成物を正面方向から見た場合の柱状形成物の形状をいう。また、柱状形成物が、その平面視形状において、例えば、長方形状、楕円形状等の長辺と短辺とを有する形状である場合は短辺を有する面を正面方向とする。また、柱状形成物が、その平面視形状において、例えば正方形状である場合は、一辺を有する面を正面方向とする。
「柱状形成物の上底の幅」とは、柱状形成物の正面形状において、柱状形成物の最上部における基板と水平方向に沿って延長した直線と、柱状形成物のそれぞれの側面に沿って延長した直線との2つの交点間の距離をいう。「柱状形成物の上底の幅」とは、具体的には、図4(a)〜(d)においてrで示される距離をいう。
「柱状形成物の下底の幅」とは、柱状形成物の正面形状において、柱状形成物が形成された基板表面と、柱状形成物のそれぞれの側面に沿って延長した直線との2つの交点間の距離をいう。すなわち、「柱状形成物の下底の幅」とは、基板自体の表面と上述した2本の直線との2つの交点間の距離をいう。また、柱状形成物が他の層を介して基板上に形成されている場合は、「柱状形成物の下底の幅」とは、他の層の表面と上述した2本の直線との2つの交点間の距離をいう。「柱状形成物の下底の幅」とは、具体的には、図4(a)〜(d)においてsで示される距離をいう。
なお、図4(a)〜(d)は、本発明における柱状形成物について説明する説明図である。
柱状形成物の高さとしては、基板および液晶レンズとした際に用いられる対向基板の間の距離を保持し、液晶層を所定の厚さとすることができる程度であれば特に限定されない。具体的な柱状形成物の高さとしては、20μm〜110μmの範囲内であることが好ましく、中でも20μm〜80μmの範囲内、特に20μm〜60μmの範囲内であることが好ましい。
柱状形成物の高さが上記範囲に満たない場合は、液晶レンズのセルギャップを良好に保持することが困難となる可能性があるからである。また、柱状形成物の高さが上記範囲を超える場合は、後述するアスペクト比が良好な柱状形成物を得ることが困難となる可能性があるからである。
「柱状形成物の高さ」とは、柱状形成物が形成された基板表面から基板とは反対側の面までの垂直方向の距離をいい、柱状形成物の正面形状において下底から最上部までの垂直方向の距離をいう。「柱状形成物の高さ」とは、具体的には、図4(a)〜(d)においてqで示される距離をいう。
また、柱状形成物における上底の幅および下底の幅の差の絶対値としては、基板および液晶レンズとした際に用いられる対向基板の間の距離を保持し、液晶層を所定の厚さとすることができる程度であれば特に限定されない。具体的な柱状形成物の上底の幅および下底の幅の差の絶対値としては、5.0μm以下であることが好ましく、中でも4.5μm以下、特に4.0μm以下であることが好ましい。
上記上底の幅および下底の幅の差の絶対値が大きいと、柱状形成物に十分な強度を付与することが困難となる可能性があるからである。
具体的な下底の幅としては、液晶レンズ用基板が用いられる液晶レンズの用途に応じて適宜選択され、特に限定されないが、例えば、15μm〜50μmの範囲内、中でも25μm〜47μmの範囲内、特に30μm〜45μmの範囲内であることが好ましい。
下底の幅が小さいと柱状形成物の強度が低下する可能性や、柱状形成物自体を形成することが困難となる可能性があるからであり、下底の幅が大きいと、液晶レンズにおいて観察者から視認されやすくなるため、液晶レンズを用いた表示装置において良好な表示をすることが困難となる可能性があるからである。
具体的な上底の幅としては、液晶レンズ用基板が用いられる液晶レンズの用途に応じて適宜選択され、特に限定されないが、例えば、上述した下底の幅に対して、上述した上底の幅および下底の幅の絶対値を有するように調整される。
また、柱状形成物のアスペクト比としては、基板および液晶レンズとした際に用いられる対向基板の間の距離を保持し、液晶層を所定の厚さとすることができる程度であれば特に限定されない。具体的な柱状形成物のアスペクト比としては、1.7〜2.3の範囲内であることが好ましく、中でも1.8〜2.2の範囲内、特に1.9〜2.1の範囲内であることが好ましい。
上記アスペクト比が上述した範囲に満たない場合は、柱状形成物を用いてセルギャップを良好に保持することが困難となる場合や、液晶レンズを用いた表示装置において良好な表示をすることが困難となる可能性があるからである。また、上記アスペクト比が上述した範囲を超える場合は、柱状形成物自体を形成することが困難となる可能性があるからである。
アスペクト比とは、柱状形成物の下底の幅に対する高さの比率をいう。
柱状形成物の平面視形状、正面形状は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて確認することができる。また、柱状形成物の高さ、上底の幅、下底の幅、他の部分の幅等はSEMの観察像の計測値を基に算出することができる。走査型電子顕微鏡(SEM)は、一般的なものを用いることができる。
また、液晶レンズ用基板における柱状形成物の1個当たりの体積としては、液晶レンズのセルギャップを保持することができれば特に限定されないが、1000μm〜100000μmの範囲内、中でも1200μm〜95000μmの範囲内、特に1500μm〜95000μmの範囲内であることが好ましい。
柱状形成物の個数が上述した範囲内であることにより、液晶レンズとした際のセルギャップを良好に保持することができるからである。
また、液晶レンズ用基板における柱状形成物の個数としては、通常、液晶レンズの大きさ等に応じて適宜選択される。液晶レンズ用基板の単位面積(1mm)当たりに形成される柱状形成物の個数としては、例えば、2個〜30個の範囲内、中でも2個〜20個の範囲内、特に2個〜18個の範囲内であることが好ましい。
柱状形成物の個数が上述した範囲内であることにより、液晶レンズとした際のセルギャップを良好に保持することができるからである。
(2)その他
本発明により製造される液晶レンズ用基板は、上述した基板および柱状形成物以外にも、必要な構成を適宜選択して追加することができる。このような構成としては、例えば、配向膜、電極層、保護層等を挙げることができる。
本発明により製造される液晶レンズ用基板は、対向基板および液晶層とともに液晶レンズに用いられるものである。対向基板および液晶層等については適宜選択される。
B.液晶レンズ用基板用製造装置
本発明の液晶レンズ用基板用製造装置は、基板上に感光性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成する塗布部と、上記塗膜をパターン状に露光するパターン露光部と、露光された上記塗膜を現像することにより、上記基板および液晶レンズとした際に用いられる対向基板の間を保持する柱状形成物を形成する現像部と、上記柱状形成物を露光することにより、上記柱状形成物に含有される上記感光性樹脂組成物の硬化反応を促進する再露光部と、露光された上記柱状形成物を焼成する焼成部とを有するものであって、上記再露光部が、上記基板を搬送する搬送部と、上記搬送部の搬送経路に配置された露光光源とを有することを特徴とするものである。
本発明の液晶レンズ用基板用製造装置について図を用いて説明する。
図5(a)、(b)は本発明の液晶レンズ用基板用製造装置の一例を示す模式図であり、図5(a)は本発明の液晶レンズ用基板用製造装置全体の模式図であり、図5(b)は各構成の一例を示す模式図である。図5(a)、(b)に示すように、本発明の液晶レンズ用基板用製造装置100は、基板2上に塗布装置101を用いて感光性樹脂組成物を塗布して塗膜4を形成する塗布部Aと、フォトマスクMを介して露光光L1を照射することにより、塗膜4をパターン状に露光するパターン露光部Bと、露光された塗膜4を現像することにより、柱状形成物3’を形成する現像部Cと、柱状形成物3’を露光することにより、柱状形成物3’に含有される感光性樹脂組成物の硬化反応を促進する再露光部Dと、オーブン103等を用いて露光された柱状形成物3を焼成する焼成部Eとを有する。また、本発明においては、再露光部Dが、ベルトコンベア102等の基板2を搬送する搬送部Fと、搬送部Fの搬送経路に配置された露光光源Lampとを有することを特徴とするものである。また、図5(b)においては、現像部Cが、搬送部Fと搬送部Fの搬送経路に配置されたシャワー等の現像液wとの接触部を有する例について示している。なお、図5(a)、(b)において説明していない符号については図1(a)〜(e)で説明した符号と同様とすることができる。
図6(a)、(b)は本発明の液晶レンズ用基板用製造装置の一例を示す模式図であり、図6(a)は本発明の液晶レンズ用基板用製造装置全体の模式図であり、図6(b)は現像部、液体除去部および再露光部の一例を示す模式図である。本発明においては、例えば、現像部Cと再露光部Dとの間に、エアナイフ104等の液体除去部Gを有していてもよい。
本発明によれば、再露光部を有することにより、上記未硬化成分の昇華物による焼成部の汚染を抑制することができる。また、得られた液晶レンズ用基板を液晶レンズに用いた場合に、液晶層の電気信頼性の低下を抑制することができる。
また、本発明によれば、再露光部が上述の搬送部および露光光源を有することにより、上述の液晶レンズ用基板の製造方法における柱状形成物の再露光工程を簡便な方法で行なうことができる。
以下、本発明の液晶レンズ用基板用製造装置の各構成について説明する。
1.塗布部
本発明における塗布部は、基板上に感光性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成するものである。塗布部に用いられる塗布装置については、一般的な塗布方法に用いられる塗布装置と同様とすることができる。
2.パターン露光部
本発明におけるパターン露光部は、上記塗膜をパターン状に露光するものである。
パターン露光部に用いられる露光装置については、一般的なフォトリソグラフィ法に用いられる露光装置と同様とすることができる。また、パターン露光部に用いられる露光光、フォトマスク等については、上述した「A.液晶レンズ用基板の製造方法」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
3.現像部
本発明における現像部は、露光された上記塗膜を現像することにより、上記基板および液晶レンズとした際に用いられる対向基板の間を保持する柱状形成物を形成するものである。現像部としては、上記塗膜を現像して柱状形成物を形成することができれば特に限定されないが、後述する搬送部と、現像液との接触部とを有することが好ましい。現像液との接触部については、上述した「A.液晶レンズ用基板の製造方法」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
4.再露光部
本発明における再露光部は、上記柱状形成物を露光することにより、上記柱状形成物に含有される上記感光性樹脂組成物の硬化反応を促進するものである。また、本発明においては、上記再露光部が、上記基板を搬送する搬送部と、上記搬送部の搬送経路に配置された露光光源とを有することを特徴とする。
搬送部としては、基板を所定の位置に搬送することができれば特に限定されず、一般的な基板素子の搬送に用いられるものと同様とすることができる。
露光光源については、上述した「A.液晶レンズ用基板の製造方法 4.再露光工程」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明においては、露光光源が拡散光であることが好ましい。また、露光光源の位置が、少なくとも搬送部の搬送経路であって、少なくとも基板における柱状形成物の形成面側から露光光を照射可能な位置であることが好ましい。この場合、露光光源としては、基板における柱状形成物の形成面側のみに配置されていてもよく、柱状形成物の形成面側および上記形成面側とは反対側の両側に配置されていてもよい。柱状形成物の側面に露光光を良好に照射することができるからである。
5.焼成部
本発明における焼成部は、露光された上記柱状形成物を焼成するものである。
焼成部としては、例えば、一般的な樹脂層の形成方法に用いられるオーブン等を使用することができる。
6.その他の構成
本発明の液晶レンズ用基板用製造装置は、上述した各構成を有していれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。このような構成としては、例えば、現像部および再露光部の間に配置される洗浄部および液体除去部、塗布工程およびパターン露光部の間、ならびに現像部および再露光部の間に配置される乾燥部等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について、実施例および比較例を挙げてより詳細に説明する。
[実施例]
(硬化性樹脂組成物の調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63重量部、アクリル酸(AA)を12重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88重量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7重量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7重量部、トリエチルアミンを0.4重量部、及びハイドロキノンを0.2重量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50質量%)を得た。
次に下記の材料を室温で攪拌、混合して硬化性樹脂組成物とした。
・上記硬化性樹脂組成物(固形分50質量%):14.5重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399)
:59重量部
・Irgacure369(BASF社製):1.5重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル:25重量部
(液晶レンズ用基板の作製)
ITO付ガラス基板の遮光部が形成された表面上に、上述した透明樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、乾燥させて厚さ55μmの塗膜を得た。
液晶レンズ用柱状形成物の表示領域に形成される柱状形成物に対応する開口と、非表示領域に形成される台座部に対応する開口を有するフォトマスクを準備した。フォトマスクを塗膜表面から200μmの距離に配置し、プロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて紫外線を10秒間(露光量:100mJ/cm)照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、塗膜の未硬化部分のみを除去した後、メタルハライドランプを用いて紫外線を500mJ/cm照射後した。
上記基板を200℃の雰囲気中に30分間の加熱処理を施すことにより、膜厚50μmの柱状形成物を形成した。以上の工程により、液晶レンズ用基板を作製した。
(液晶レンズセルの作製)
上記のようにして得られた液晶レンズ基板の膜形成表面に、ポリイミドよりなる配向膜を形成した。次いでTFT基板上にTN液晶を必要量滴下し、上記液晶レンズ基板を重ね合わせ、UV硬化性樹脂をシール材として用い、常温で0.3kgf/cmの圧力をかけながら400mJ/cmの照射量で露光することにより接合して、セル組みし、液晶レンズセルを作製した。
[比較例1]
再露光工程を実施しなかった以外は実施例1と同様にして液晶レンズセルを作製した。
[比較例2]
膜厚を5μmで形成した以外は比較例1と同様にして液晶レンズセルを作製した。比較例2では、柱状形成物が、液晶表示装置における柱状スペーサと同等の高さを有するように調整した。
[評価]
作製した液晶レンズセルに60Hz、5Vの電圧を印加し電圧保持率(東陽テクニカ社製、VHR−1)を測定した。結果を表1に示す。表1中、電圧保持率90%以上を◎、電圧保持率80%以上を○、電圧保持率80%未満を×と表わす。
Figure 2017003930
再露光工程を行なった実施例は、再露光工程を行なわなかった比較例1に比べて、電圧保持率を高くすることができることが確認された。
また、実施例および比較例2の結果から、実施例では、再露光工程を行なうことにより、柱状形成物の硬化度を、液晶ディスプレイ用の柱状スペーサと同等の硬化度とすることができることが確認された。
1 … 液晶レンズ用基板
2 … 基板
3 … 柱状形成物
3’ … 塗膜
100 … 液晶レンズ用基板用製造装置
A … 塗布部
B … パターン露光部
C … 現像部
D … 再露光部
E … 焼成部
F … 搬送部

Claims (4)

  1. 基板上に感光性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成する塗布工程と、
    前記塗膜をパターン状に露光するパターン露光工程と、
    露光された前記塗膜を現像することにより、前記基板および液晶レンズとした際に用いられる対向基板の間を保持する柱状形成物を形成する現像工程と、
    前記柱状形成物を露光することにより、前記柱状形成物に含有される前記感光性樹脂組成物の硬化反応を促進する再露光工程と、
    露光された前記柱状形成物を焼成する焼成工程と
    を有することを特徴とする液晶レンズ用基板の製造方法。
  2. 前記再露光工程では、前記基板を搬送しながら、前記柱状形成物を露光することを特徴とする請求項1に記載の液晶レンズ用基板の製造方法。
  3. 前記再露光工程では、拡散光を照射することにより、前記柱状形成物を露光することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶レンズ用基板の製造方法。
  4. 基板上に感光性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成する塗布部と、
    前記塗膜をパターン状に露光するパターン露光部と、
    露光された前記塗膜を現像することにより、前記基板および液晶レンズとした際に用いられる対向基板の間を保持する柱状形成物を形成する現像部と、
    前記柱状形成物を露光することにより、前記柱状形成物に含有される前記感光性樹脂組成物の硬化反応を促進する再露光部と、
    露光された前記柱状形成物を焼成する焼成部と
    を有する液晶レンズ用基板用製造装置であって、
    前記再露光部が、前記基板を搬送する搬送部と、前記搬送部の搬送経路に配置された露光光源とを有することを特徴とする液晶レンズ用基板用製造装置。
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