JP2015022195A - 液晶レンズ用基板 - Google Patents

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Atsuko Chigira
敦子 千吉良
陽介 和田
Yosuke Wada
陽介 和田
俵屋 誠治
Seiji Tawaraya
誠治 俵屋
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Abstract

【課題】 基板間に液晶を挟持して、液晶レンズ基板を面付け作製する際に、基板の一方側に液晶を垂らした状態で、真空中で貼り合わせて、液晶を封止する方法を採る場合において、基板間の間隔保持に不具合が発生しない、液晶レンズを面付け作製するための液晶レンズ用基板を提供する。【解決手段】 単位の液晶レンズ形成用部材は、基材の一面側に、液晶レンズ形成用の電極と、液晶レンズ形成用の液晶の厚さに対応した高さを有する柱状の柱状スペーサと、液晶レンズ形成用領域の外側に、液晶レンズ形成用領域を囲むように配された、スペーサ構造物とを、備えている。【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶レンズの作製に用いられる単位の液晶レンズ形成用部材を、透明基板からなる基材と一体で、複数、面付けした状態で配した液晶レンズ用基板に関する。
近年、2次元/3次元(2D/3D)表示の切り替えが可能な裸眼立体表示装置が注目されている。
かかる裸眼立体表示装置で用いられる立体表示方式としては、液晶レンズを用いたレンチキュラ方式や、パララックスバリア方式等が知られている。
パララックスバリア方式は、右目用の画素と左目用の画素とが交互に縦列に配置された画像を、視差バリア層を通して、裸眼で、観察する方式であり、右目からは右目用の画素しか見えず、左目からは左目用の画素しか見えないように構成することで、両目視差作用により立体視を可能としている。
このパララックスバリア方式は、視差バリア層を設ける必要があるため、輝度が低下するという問題がある。
一方、液晶レンズを用いたレンチキュラ方式は、液晶レンズにより光学的にレンチキュラレンズに相当するものを形成し、右目用の画素と左目用の画素とが交互に縦列に配置された画像を、液晶レンズにより形成されたレンチキュラレンズを介して、裸眼で、観察する方式であり、パララックスバリア方式と同様に右目からは右目用の画素しか見えず、左目からは左目用の画素しか見えないように構成することで立体視を可能としている。
液晶レンズを用いたレンチキュラ方式は、パララックスバリア方式と比較して輝度の低下が少ない点で優れており、特に、最近では、小型ゲーム機の2D/3D表示として、表示装置に用いられるようになってきている。
このような液晶レンズ機能を呈する基板である液晶レンズ基板は、例えば、対向して配置される2つの基板のうちの一方の基板上に所定の間隔をあけて複数の電極を形成し、他方の基板上の全面に亘って電極を形成し、両基板間に液晶を封入するとともに、両基板間の距離(液晶層の厚さ,セルギャップとも言う)を制御するスペーサが配設されてなる構成を有する。
液晶レンズ基板においては、電極に電圧を印加する際に、複数の電極の位置に応じて異なる強さの電界が液晶にかかるようにすることで、液晶分子の配向を場所によって異ならせることができ、レンズ状の屈折率分布を得ることができ、レンズ機能を得ることができる。
このような液晶レンズ基板の作製は、通常、生産性の面から、単位の液晶レンズ基板1つ分の、前述の対向して配置される2つの基板の各基板を、それぞれ、面付けして配設した大サイズの第1の基板、第2の基板間に、液晶を挟持して、液晶レンズを面付けした状態で作製した後に、個片化して、作製する。
特に、第1の基板、第2の基板を、第5世代サイズ(1100mm×1250mm)以上の大型の基板とした場合には、液晶を封止する際に、第1の基板、第2の基板の一方側に高粘度の液晶を垂らした状態で、真空中で第1の基板、第2の基板間の間隔(ギャップとも言う)を所定の間隔に保持しながら、液晶を挟持して貼り合わせて液晶を封止する方法が採られるようになってきた。
しかし、液晶レンズ基板を形成するためには、前記大型の基板間に挟持する液晶の厚さを、液晶ディスプレイパネルの場合に比べて、10倍以上の厚さとする必要があることもあり、このような方法においては、従来の液晶ディスプレイパネルにおける液晶封止の場合と同様の基板を用いた場合、液晶ディスプレイパネルにおける液晶封止の際には起こらなかった、大型の基板間の間隔(ギャップ)保持困難という不具合が発生するようになり、品質面で歩留りが落ちる、貼り合わせに時間がかかる等で、問題となっていた。
特開2009−105137号公報 特開2008−9370号公報 特願2011−035576 特願2011−031931
上記のように、近年、2次元/3次元(2D/3D)表示の切り替えが可能な裸眼立体表示装置が注目されている中、液晶レンズを用いたレンチキュラ方式は、パララックスバリア方式と比較して輝度の低下が少ない点で優れており、特に、最近では、小型ゲーム機の2D/3D表示として、表示装置に用いられるようになってきている。
そして、液晶レンズ基板作製の生産性の面から、液晶レンズ基板は面付け作製され、大型の基板間に液晶を挟持して貼り合わせて液晶を封止する際、大型の基板の一方側に液晶を垂らした状態で、真空中で貼り合わせて液晶を封止する方法が採られるようになってきた。
しかし、この方法を用いて、液晶ディスプレイパネルの液晶を封止する際には、大型の基板間の間隔(ギャップ)保持に不具合が発生しないにもかかわらず、この方法で、従来の液晶ディスプレイパネルにおける液晶封止の場合と同様の基板を用いて、液晶レンズの液晶を封止する場合には、大型の基板間の間隔(ギャップ)保持に不具合が発生するようになり、品質面で歩留りが落ちる、貼り合わせに時間がかかる等で、問題となっていた。 本発明は、これらに対応するもので、基板間に液晶を挟持して、液晶レンズ基板を面付け作製する際、基板の一方側に液晶を垂らした状態で、真空中で貼り合わせて液晶を封止する方法を採る場合において、基板間の間隔(ギャップ)保持に不具合が発生しない、液晶レンズ用基板を提供しようとするものである。
請求項1の発明の液晶レンズ用基板は、表示エリアに対応する単位の液晶レンズ形成用領域を含む単位の液晶レンズ形成用部材を、透明基板からなる基材と一体で、複数、面付けした状態で配した液晶レンズ用基板であって、前記単位の液晶レンズ形成用部材は、前記基材の一面側に、液晶レンズ形成用の電極と、液晶レンズ形成用の液晶の厚さに対応した(前記基材の一面からの距離である)高さを有する柱状の柱状スペーサと、前記液晶レンズ形成用領域の外側に、前記液晶レンズ形成用領域を囲むように配された、スペーサ構造物とを、備えていることを特徴とする。
請求項2の発明の液晶レンズ用基板は、請求項1記載の液晶レンズ用の基板であって、前記柱状スペーサと前記スペーサ構造物とは、同じ高さであることを特徴とする。
尚、ここでは、前記柱状スペーサと前記スペーサ構造物との高さの差が小さく、液晶を封止する際の貼り合わせにおいて、液晶の厚さを決める間隔(ギャップ)保持に不具合が生じない場合も、「前記柱状スペーサと前記スペーサ構造物とは、同じ高さ」として扱う。
請求項3の発明の液晶レンズ用基板は、請求項1ないし2のいずれか1項に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記柱状スペーサと前記スペーサ構造物は、同一材料からなることを特徴とする。
請求項4の発明の液晶レンズ用基板は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記スペーサ構造物は、前記基材面に沿う断面形状が、線配列形状、丸(丸ドット)配列形状、四角(四角ドット)配列形状のいずれか1つ、あるいは、線配列形状、丸配列形状、四角配列形状の2つ以上の組み合わせからなることを特徴とする。
請求項5の発明の液晶レンズ用基板は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記電極として、透明導電性層をベタ状にして配しているものであることを特徴とする。
請求項6の発明の液晶レンズ用基板は、請求項5に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記ベタ状の透明導電性層上に線状の遮光性層を配していることを特徴とする。
請求項7の発明の液晶レンズ用基板は、請求項5ないし6のいずれか1項に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記柱状スペーサは、前記透明導電性層上に、もしくは、前記遮光性層上に、設けられていることを特徴とする。
請求項8の発明の液晶レンズ用基板は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記電極として、透明導電性層を線状配列にして配しているものであることを特徴とする。
請求項9の発明の液晶レンズ用基板は、請求項8に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記線状配列の透明導電性層上に柱状スペーサを配していることを特徴とする。
請求項10の発明の液晶レンズ用基板は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記柱状スペーサは、円筒状で、高さは20μm以上で、径は20μm以上であることを特徴とする。
(作用)
本発明の液晶レンズ用基板は、このような構成にすることにより、基板間に液晶を挟持して、液晶レンズ基板を面付け作製する際、基板の一方側に液晶を垂らした状態で、真空中で貼り合わせる貼り合わせ方法を採る場合において、基板間の間隔(ギャップ)保持に不具合が発生しない、液晶レンズ用基板の提供を可能としている。
特に大型の基板において有効である。
具体的には、表示エリアに対応する単位の液晶レンズ形成用領域を含む単位の液晶レンズ形成用部材を、透明基板からなる基材と一体で、複数、面付けした状態で配した液晶レンズ用基板であって、前記単位の液晶レンズ形成用部材は、前記基材の一面側に、液晶レンズ形成用の電極と、液晶レンズ形成用の液晶の厚さに対応した(前記基材の一面からの距離である)高さを有する柱状の柱状スペーサと、前記液晶レンズ形成用領域の外側に、前記液晶レンズ形成用領域を囲むように配された、スペーサ構造物とを、備えていることにより、これを達成している。
詳しくは、本願発明は、液晶レンズを形成するためには、基板間に挟持する液晶の厚さを、液晶ディスプレイの場合に比べて、10倍以上の厚さとする必要があることもあり、液晶を封止する際に、一方の基板に液晶を垂らした状態で、真空中で、液晶レンズ面付け形成用の基板間の間隔(ギャップ)を所定の間隔に保持しながら、液晶を挟持して貼り合わせる方法を採る場合、液晶レンズの面付け間(チップ間とも言う)における一方の基材の撓みの影響が、基板間の間隔(ギャップ)保持を損ない、品質面、生産性の面で、無視できなくなるということを見い出して成したものです。
尚、液晶を封止する際に、一方の基板に液晶を垂らした状態で、真空中で基板間の間隔(ギャップ)を所定の間隔に保持しながら、液晶を挟持して貼り合わせる方法を採る場合、図8(c)に示すように、従来の液晶レンズの面付け作製においては、液晶ディスプレイパネルの液晶の封止の場合と同様、各液晶レンズの表示領域には、液晶の厚さを制御するための、柱状スペーサは、設けられているが、液晶レンズの面付け間(チップ間とも言う)には、スペーサ構造物はなかった。
特に、本願発明は、前記液晶レンズ形成用領域の外側に、前記液晶レンズ形成用領域を囲むように、スペーサ構造物を配すことにより、上記撓みの発生をなくしている。
更に具体的には、請求項1記載の液晶レンズ用の基板であって、前記柱状スペーサと前記スペーサ構造物とは、同じ高さである請求項2の発明の形態が好ましく、特に、前記柱状スペーサと前記スペーサ構造物は、同一材料からなる場合には、材料コスト面や作業性の面から好ましく、1回のフォトリソ法により、前記柱状スペーサと前記スペーサ構造物とを作製する場合には、前記柱状スペーサと前記スペーサ構造物とを、ほぼ同じ高さに形成でき、好ましい。
また、1回のフォトリソ法においては、形成する厚さにばらつきが発生したとしても、液晶レンズ領域周辺の前記柱状スペーサと前記スペーサ構造物とを、ほぼ同じ高さに形成できる。
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液晶レンズ用の基板であって、スペーサ構造物としては、基材面に沿う断面形状が、線配列形状、丸配列形状、四角配列形状のいずれか1つ、あるいは、線配列形状、丸配列形状、四角配列形状の2つ以上の組み合わせからなる形態が挙げられる。
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記電極として、透明導電性層をベタ状にして配している形態があり、更に、前記ベタ状の透明導電性層上に線状の遮光性層を配している形態が挙げられる。
尚、ここでのベタ状の透明導電性層は、図8に示すベタ状の透明導電性層122に相当する層で、また、ここでの遮光性層は、この液晶レンズ用基板を用いて液晶レンズを形成する際の、この液晶レンズ用基板のベタ状の透明導電性層に対向する線状の電極(図8の122に相当)と対向する位置のベタ状の透明導電性層に配されて、線状の電極を見え難くするものである。
そして、前記柱状スペーサが、前記透明導電性層上に、もしくは、前記遮光性層上に、設けられている形態が挙げられる。
また、別の形態としては、 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記電極として、透明導電性層を線状配列にして配している形態が挙げられ、更に、前記線状配列の透明導電性層上に柱状スペーサを配している形態も挙げられる。
また、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記柱状スペーサが円筒状である場合、液晶を封止して液晶でレンズ効果を得るためには、柱状のスペーサの高さが20μm以上であることが必要であり、また、柱状のスペーサの高さがこのように高くても、柱状のスペーサ自体が壊れてないためには、径が20μm以上であることが必要である。
本発明は、このように、基板間に液晶を挟持して、液晶レンズを面付け作製する際に、基板の一方側に液晶を垂らした状態で、真空中で貼り合わせる貼り合わせ方法を採る場合において、基板間の間隔(ギャップ)保持に不具合が発生しない、液晶レンズ用基板の提供を可能とした。
図1(a)は、本発明の液晶レンズ用基板の実施の形態の第1の例における1つ分の液晶レンズ領域の面付け配置を説明するための平面図で、図1(b)は、図1(a)のA1−A2における断面図で、図1(c)は、図1(a)、図1(b)に示す液晶レンズ用基板を用いて液晶レンズ基板を面付け配置した面付け基板の、A1−A2に相当する位置における断面を示した図である。 図2(a)は、図1(a)、図1(b)に示す第1の例の液晶レンズ用基板におけるスペーサ構造物の配設置状態を示した平面図で、図2(b)は、1つ分の液晶レンズ領域における柱状スペーサの配設状態と該領域の外周のスペーサ構造物の配設状態を示した平面図である。 図3(a)、図3(b)は、それぞれ、スペーサ構造物の別の配設状態を示した平面図である。 図4(a)は、本発明の液晶レンズ用基板の実施の形態の第2の例における1つ分の液晶レンズ領域の面付け配置を説明するための平面図で、図4(b)は、図4(a)のB1−B2における断面図で、図4(c)は、図4(a)、図4(b)に示す液晶レンズ用基板を用いて液晶レンズ基板を面付け配置した面付け基板の、B1−B2に相当する位置における断面を示した図である。 図5(a)は、本発明の液晶レンズ用基板の実施の形態の第3の例の、図1(a)のA1−A2に相当する位置における断面図で、図5(b)は、図5(a)に示す液晶レンズ用基板を用いて液晶レンズ基板を面付け配置した液晶レンズ基板の断面を示した図である。 図6(a)は、本発明の液晶レンズ用基板の実施の形態の第4の例の、図1(a)のA1−A2に相当する位置における断面図で、図6(b)は、図6(a)に示す液晶レンズ用基板を用いて液晶レンズ基板を面付け配置した液晶レンズ基板の断面を示した図である。 図7(a)は、本発明の液晶レンズ用基板の実施の形態の第5の例の、図4(a)のB1−B2に相当する位置における断面図で、図7(b)は、図7(a)に示す液晶レンズ用基板を用いて液晶レンズ基板を面付け配置した液晶レンズ基板の断面を示した図である。 図8(a)は、単位の液晶レンズ基板を面付け形成した従来の液晶レンズ形成基板における1つ分の液晶レンズ基板領域の面付け配置を説明するための平面図で、図8(b)は、図8(a)のD1−D2における断面図で、図8(c)は、図8(a)、図8(b)に示す液晶レンズ用基板を用いて液晶レンズ基板を面付け配置した面付け基板の、D1−D2に相当する位置における断面を示した図である。
先ず、本発明の液晶レンズ用基板の実施形態の第1の例を、図1に基づいて説明する。 第1の例の液晶レンズ用基板10は、表示エリアに対応する単位の液晶レンズ形成用領域10Lを含む単位の液晶レンズ形成用部材(10Ma〜10Md)を、透明基板からなる基材11と一体で、複数、面付けした状態で配している。
ここでは、分かり易くするために、面付け数を実際よりも減らして、図1(a)に示すように、単位の液晶レンズ形成用部材(10Ma〜10Md)を4面付けとして図示しているが、使用する基材11としては、第5世代サイズ(1100mm×1250mm)以上の大サイズの基材に適用でき、面付け数は、使用する基材のサイズに対応し、例えば、ゲーム機の表示装置用の液晶レンズ用基板の場合には、相当な面付け数となる。
尚、ここでは、透明基板からなる基材11は、第5世代サイズ(1100mm×1250mm)以上を想定しているが、第5世代サイズ(1100mm×1250mm)以下であっても良い。
また、図1(c)においては、説明の都合上、配向膜が省略されて示されている。
各単位の液晶レンズ形成用部材(10Ma〜10Md)は、図1(b)に示すように、それぞれ、基材11の一面側に、液晶レンズ形成用の全面ベタ状の電極12と、液晶レンズ形成用領域10Lにおいて、液晶レンズ形成用の液晶の厚さに対応して液晶の厚さを制御するための、所定の高さを有する柱状の柱状スペーサ13と、液晶レンズ形成用領域10Lの外側に、液晶レンズ形成用領域10Lを囲むように配された、スペーサ構造物14とを、備えている。
ここでは、柱状スペーサ13とスペーサ構造物14とは、同一材料の感光性の樹脂組成物からなり、ほぼ同じ高さで形成されている。
尚、ここでは、柱状スペーサ13とスペーサ構造物14との高さの差が小さく、液晶を封止する際の貼り合わせにおいて、液晶の厚さを決める間隔(ギャップ)保持に不具合が生じない場合も、「柱状スペーサ13とスペーサ構造物14とは、同じ高さ」として扱う。
そして、第1の例の液晶レンズ用基板10は、図1(c)に示すように、透明基板からなる基材21の一面上、レンズ形成領域に所定の間隔をあけて複数の電極22を形成した別の液晶レンズ用基板20とで、間に液晶を挟持して封止して、単位の液晶レンズ基板(図8の100A〜100Dに相当)を面付けした状態で形成する。
また、ここでは、第1の例の液晶レンズ用基板10と、別の液晶レンズ用基板20とで、間に液晶を挟持して液晶を封止する際に、一方の液晶形成用基板に液晶を垂らした状態で、真空中で、両方の液晶形成用基板10、20間に、液晶を挟持して貼り合わせる方法が採られることを前提としている。
尚、液晶レンズ用基板20は、基材21の一面に線状の電極22を配列させている。
そして、貼り合わせ後、各液晶レンズ部毎に個片化されるが、個片化された液晶レンズは、電極に電圧を印加する際に、上記液晶レンズ用基板20に形成された複数の電極の位置に応じて異なる強さの電界が液晶30にかかるようにすることで、液晶分子の配向を場所によって異ならせることができ、レンズ状の屈折率分布を得ることができ、レンズ効果を得ることができる。
第1の例の液晶レンズ用基板10においては、図1(c)に示すように、液晶レンズ用基板20とで、間に液晶を挟持して貼り合わせて、液晶を封止し、単位の液晶レンズ基板を面付けした状態で形成する際、前記液晶レンズ用基板10、液晶レンズ用基板20の一方側に液晶を垂らした状態で、真空中で、液晶レンズ用基板10と、別の液晶レンズ用基板20との間に、液晶を挟持して貼り合わせて液晶を封止する方法が採られるが、液晶の厚さを制御するための、所定の高さを有する柱状の柱状スペーサ13と、液晶レンズ形成用領域10Lの外側に、前記液晶レンズ形成用領域を囲むように配された、スペーサ構造物14とを、ほぼ同じ高さ(基材11からの距離)で、備えていることにより、スペーサ構造物14を備えていない従来の液晶レンズ用基板を用いた場合における、隣接する液晶レンズ形成用領域間で、固定されていない側の基材に発生していた撓み(図8(c)の125に相当)を無くすことを可能としている。
これにより、大型の基板間に液晶を挟持して貼り合わせて、単位の液晶レンズ基板を面付けした状態で作製する際に、前記大型の基板の一方に液晶を垂らした状態で、真空中で貼り合わせる貼り合わせ方法を採る場合において、上記基材の撓みに起因する、大型の基板間の間隔(ギャップ)保持困難という不具合の発生をなくすことを可能としている。
また、第1の例の液晶レンズ用基板10においては、柱状スペーサ13とスペーサ構造物14は、同一材料の感光性の樹脂組成物からなり、材料コスト面や作業性の面から好ましい上、1回のフォトリソ法により、柱状スペーサ13とスペーサ構造物14とを作製する場合、容易に柱状スペーサ13とスペーサ構造物14とを、ほぼ同じ高さに形成できる。
この1回のフォトリソ法において、形成する厚さにばらつきが発生したとしても、液晶レンズ領域周辺の柱状スペーサ13とスペーサ構造物14とを、ほぼ同じ高さに形成できる。
柱状スペーサ13とスペーサ構造物14との高さ(基材11の面からの距離)の差が大きいと該高さの差に対応した撓みが生じてしまう。
第1の例の液晶レンズ用基板10においては、スペーサ構造物14は、図2(a)に示すように、各面付けの各四角状の液晶レンズ形成用領域10Lの外周、各辺に沿って、直線状のスペーサを1つ配している。
スペーサ構造物14の形状は、基本的に、必要な強度を満たせば、これに限定はされない。
例えば、各面付けの各四角状の液晶レンズ形成用領域10Lを囲むように、線状のスペーサを配列した線配列形状、丸ドットを配列した丸配列形状、四角ドットを配列した四角配列形状のいずれか1つ、あるいは、線配列形状、丸配列形状、四角配列形状の1つ以上の組み合わせの形状としても良い。
図3(a)に示すように、各面付けの各四角状の液晶レンズ形成用領域10Lの外周、各辺に沿って、直線状のスペーサを、複数、配しても良く、また、図3(b)に示すように、各面付けの各四角状の液晶レンズ形成用領域10Lを囲むように、連続して四角を形成する直線状のスペーサを配しても良い。
また、各面付けの各四角状の液晶レンズ形成用領域10Lには、図2(b)に示すように、断面円の円筒状の柱状スペーサ13が、全面に配列されている。
ここでは、柱状スペーサ13としては、液晶を封止する際、封止し易い形状で、液晶の厚さを制御でき、且つ、液晶レンズを形成した際に表示を阻害しない形状のものが好ましく、特に限定されないが、円筒状の柱状スペーサが好ましい。
他には、断面5角形の角柱状のものも、好ましく挙げられる。
前記柱状スペーサが円筒状である場合、液晶を封止して液晶でレンズ効果を得るためには、柱状のスペーサの高さが20μm以上であることが必要であり、また、柱状のスペーサの高さがこのように高くても、柱状のスペーサ自体が壊れてないためには、径が20μm以上であることが必要である。
図1(a)、図1(b)に示す第1の例の液晶レンズ用基板10と、図1(c)に示す液晶レンズ配列部材40の、各部材について説明する。
<基材11>
第1の例に用いられる透明基板からなる基材11としては、従来よりカラーフィルタ形成基板に用いられているものを用いることができ、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明な無機基板、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明な樹脂基板等を挙げることができるが、特に、無機基板を用いることが好ましく、無機基板のなかでもガラス基板を用いることが好ましい。
さらには、上記ガラス基板のなかでも無アルカリタイプのガラス基板を用いることが好ましい。
無アルカリタイプのガラス基板は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、表示装置用のカラーフィルタ形成基板に好適に用いることができるからである。
<柱状スペーサ13、スペーサ構造物14>
柱状スペーサ13、スペーサ構造物14を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、アルカンチオール等を成分とするものが挙げられる。
そして、通常、これらの樹脂を主成分としたネガ型の感光性材料を用いて、フォトリソ法により、柱状スペーサ13、スペーサ構造物14は、形成される。
<電極12>
電極12は、インジウム・錫・酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛・酸化物(IZO)等の透明導電材料からなるものである。
ここでの透明とは、波長450〜700nmの光線の透過率が70%以上であることを意味し、好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。
<液晶30>
液晶としては、ここでは、周知のTN液晶を用いる。
そして、電極11、22にて、液晶に電気的に屈折率分布を起こして液晶レンズを形成することを想定しているが、同様に、液晶レンズを形成することができれば、液晶の種類や、電極構造、形態も限定はされない。
尚、図示していない配向膜は汎用のものが適用できる。
図1(c)において、図示されていないが、第1の配向膜は、液晶レンズ用基板10のベタ状の電極12、柱状スペーサ13を被膜するようにして設けられており、第2の配向膜は、液晶レンズ用基板20の基材11の液晶を封止する側の面、電極22を被膜するようにして設けられている。
第1の配向膜及び第2の配向膜は、液晶30における液晶分子の長軸方向を、液晶レンズを透過する光の進行方向に対して略直交させるような液晶配向特性を有するものであってもよいし、当該光の進行方向に対して略水平にさせるような液晶配向特性を有するものであってもよい。
尚、第1の配向膜及び第2の配向膜は、いずれもラビング処理が施されてなるものであってもよいし、ラビング処理が施されていないものであってもよい。
配向膜の材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリビニルアルコール、ポリウレタンなどを挙げることができる。
この中でも、ポリイミドを用いることが特に好ましい。
これらの材料は、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第1の例の液晶レンズ用基板10の作製方法を、1例を挙げて簡単に説明しておく。
先ず、電極を形成する透明導電材料、例えばITO焼結体をターゲットとして、スパッタにより、透明基板からなる基材(図1の11)の一面上に、電極を形成する透明導電材料からなる膜を成膜し、ベタ状の電極(図1の12)を形成する。
ITO膜を形成するためのスパッタリングは、一般には、Arガス雰囲気中、1×10-5torr〜1×10-2torr圧下において、成膜する膜組成(例えば、In2 3 、90wt%+SnO2 、10wt%組成)で、厚さ8mm〜15mmのITO焼結体をターゲット材として用いて、直流マグネトロンスパッタ方式で行っている。
ターゲットとしては、通常、Cuプレートをバッキング材として、インジウム半田を接着層とし、多数枚の焼結ターゲット材をつなぎ合わせて、1つのターゲットプレートとしたものが用いられている。
次いで、形成されたベタ状の電極(図1の12)上、全面に、スペーサ形成用の感光性樹脂層を所望の厚さに塗膜し、所定の開口を有する遮光膜パターンを配したフォトマスクを用いて露光し、更に現像して、柱状のスペーサ(図1の13)とスペーサ構造物(図1の14)とを、ベタ状の電極(図1の12)上に、形成する。
露光は、例えば、スペーサ形成用の感光性樹脂層から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより、2.0kWの超高圧水銀ランプで遮光膜パターンに露光して行う。
現像は、通常、水酸化カリウム水溶液からなる現像液を用いる。
そして、柱状のスペーサ(図1の13)とスペーサ構造物(図1の14)、ベタ状の電極(図1の12)を覆うように、配向膜を全面に形成する。
このようにして、第1の例の液晶レンズ用基板10が作製される。
柱状スペーサ13、スペーサ構造物14を形成するためのネガ型の感光材層は、モノマー、ポリマー、光重合開始剤等を含有する感光性樹脂組成物を用いて形成することができる。
前記感光材層は、含有するモノマーの種類や含有量、含有するポリマーの種類や含有量等を調整した感光性樹脂組成物をダイレクトグラビアコーティング法、グラビアリバースコーティング法、リバースロールコーティング法、スライドダイコーティング法、スリットダイコーティング法、コンマコーティング法、スピンコート法、スリットスピンコート法等の公知の塗布手段により塗布、乾燥して、形成することができる。
そして、前記感光材層に対し、フォトマスクを用いて所定の領域を選択露光し、現像した後、柱状の凸部からなる柱状スペーサ13とスペーサ構造物14とを形成することができる。
具体的には、モノマーとして、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、および、上記のアクリレートをメタクリレートに変えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられ、上記のモノマーを1種または2種以上の混合物として、あるいは、その他の化合物との混合物として使用することができる。
また、感光性樹脂組成物に使用するポリマーとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレンビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等、および、重合可能なモノマーであるメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec-ブチルアクリレート、sec-ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メチルアダマンチル(メタ)アクリレートの1種以上と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の2量体(例えば、東亜合成化学(株)製M−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの酸無水物等の1種以上からなるポリマーまたはコポリマー等が挙げられる。また、上記のコポリマーにグリシジル基または水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させたポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、感光性樹脂組成物に使用する光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフォノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、アデカ(株)製N1717、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブルー等の光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミン等の還元剤の組み合わせ等が挙げられる。
さらに、感光性樹脂組成物にはエポキシ樹脂を含有させることができる。
使用するエポキシ樹脂としては、三菱油化シェル(株)製エピコートシリーズ、ダイセル(株)製セロキサイドシリーズ、エポリードシリーズ、または、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビスフェノール−S型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸グリシジルエステル、ポリオールグリシジルエステル、脂肪族または脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレートとラジカル重合可能なモノマーとの共重合エポキシ化合物等を挙げることができる。本発明では、上記のエポキシ樹脂を単独で、または2種以上の混合物として使用することができる。
尚、感光性樹脂組成物に用いる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α−もしくはβ−テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類等が挙げられる。
次に、本発明の液晶レンズ用基板の実施形態の第2の例を挙げる。
第2の例の液晶レンズ用基板20Aも、第1の例の場合と同様、表示エリアに対応する単位の液晶レンズ形成用領域20Lを含む単位の液晶レンズ形成用部材(20Ma〜20Md)を、透明基板からなる基材21と一体で、複数、面付けした状態で配している。
ここでも、分かり易くするために、面付け数を実際よりも減らして、図4(a)に示すように、単位の液晶レンズ形成用部材(20Ma〜20Md)を4面付けとして、図示しているが、使用する基材21としては、第5世代サイズ(1100mm×1250mm)以上の大サイズの基材に適用でき、面付け数は、使用する基材のサイズに対応し、例えば、ゲーム機の表示装置用の液晶レンズ用基板の場合には、相当な面付け数となる。
尚、ここでも、透明基板からなる基材21は、第5世代サイズ(1100mm×1250mm)以上を想定しているが、第5世代サイズ(1100mm×1250mm)以下であっても良い。
また、図4(c)においても、説明の都合上、配向膜が省略されて示されている。
各単位の液晶レンズ形成用部材(20Ma〜20Md)は、図4(b)に示すように、それぞれ、液晶レンズ形成用領域20Lにおいて、基材21の一面側に、液晶レンズ形成用の所定ピッチで配列された線状の電極22と、液晶レンズ形成用の液晶の厚さに対応して、液晶の厚さを制御するための、所定の高さを有する柱状の柱状スペーサ23とを備え、且つ、液晶レンズ形成用領域20Lの外側に、前記液晶レンズ形成用領域を囲むように配された、スペーサ構造物24とを、備えている。
ここでも、柱状スペーサ23とスペーサ構造物24とは、同一材料の感光性の樹脂組成物からなり、ほぼ同じ高さで形成されている。
ここでは、柱状スペーサ23とスペーサ構造物24との高さの差が小さく、液晶を封止する際の貼り合わせにおいて、液晶の厚さを決める間隔(ギャップ)保持に不具合が生じない場合も、「柱状スペーサ23とスペーサ構造物24とは、同じ高さ」として扱う。
そして、第2の例の液晶レンズ用基板20Aは、図4(c)に示すように、透明基板からなる基材11の一面上、全面ベタ状に透明導電性層からなる電極12を形成した別の液晶レンズ用基板10aとで、間に液晶を挟持して封止して、単位の液晶レンズ基板(図8の100A〜100Dに相当)を面付けした状態で形成する。
ここでも、液晶を封止する際に、液晶形成用基板10a、20Aのいずれか一方に液晶を垂らした状態で、真空中で、両方の液晶形成用基板10a、20A間に、液晶を挟持して貼り合わせる方法が採られることを前提としている。
この後、各液晶レンズ部毎に個片化されるが、個片化された液晶レンズは、電極に電圧を印加する際に、上記液晶レンズ用基板20Aに形成された複数の電極の位置に応じて異なる強さの電界が液晶にかかるようにすることで、液晶分子の配向を場所によって異ならせることができ、レンズ状の屈折率分布を得ることができ、レンズ効果を得ることができる。
第2の例の液晶レンズ用基板20Aにおいても、柱状スペーサ23とスペーサ構造物24とは、同一材料の感光性の樹脂組成物からなり、ほぼ同じ高さで形成されているため、図4(c)に示すように、単位の液晶レンズ基板を面付けした状態で形成する際、前記液晶レンズ用基板20A、液晶レンズ用基板10aの一方側に液晶を垂らした状態で、真空中で、液晶レンズ用基板20Aと、液晶レンズ用基板10aとの間に、液晶を挟持して貼り合わせる方法が採られるが、液晶の厚さを制御するための、所定の高さを有する柱状の柱状スペーサ23と、液晶レンズ形成用領域20Lの外側に、前記液晶レンズ形成用領域を囲むように配された、スペーサ構造物24とを、ほぼ同じ高さ(基材21からの距離)で、備えていることにより、スペーサ構造物24を備えていない従来の液晶レンズ用基板を用いた場合における、隣接する液晶レンズ形成用領域間で、固定されていない側の基材に発生していた撓み(凹みとも言い、図8(c)の125に相当)を無くすことを可能としている。
これにより、大型の基板間に液晶を挟持して貼り合わせて、単位の液晶レンズ基板を面付け作製する際に、大型の基板の一方側に液晶を垂らした状態で、真空中で貼り合わせる貼り合わせ方法を採る場合において、上記基材の撓みに起因する、大型の基板間の間隔(ギャップ)保持困難という不具合の発生をなくすことを可能としている。
電極22も第1の例の電極12と同様の材質のものが適用できる。
基材21も第1の例の基材11と同様の材質のものが適用できる。
柱状スペーサ23、スペーサ構造物24の材質も、第1の例の柱状スペーサ13、スペーサ構造物14のと同様のものが適用できる。
図示していない配向膜も第1の例と同様のものが適用できる。
第2の例の液晶レンズ用基板20Aの作製方法の1例を挙げる。
先ず、第1の例の場合と同様にして、電極を形成する透明導電材料(例えばITO)をターゲットとして、マグネトロンスパッタにより、透明基板からなる基材(図4の21)の一面上、全面に、電極を形成する透明導電材料からなる膜を成膜する。
次いで、形成された透明導電材料からなる膜上に、耐エッチング性のレジストを全面塗膜した後に、形成する電極形状に対応する開口を有する遮光膜パターンを備えたフォトマスクを用いて、露光して、現像した後、残った部分を耐エッチング性マスクとして、所定のエッチング液でエッチングを行い、所定形状に、電極22を形成した。
次いで、第1の例の場合と同様にして、柱状スペーサ23、スペーサ構造物24を、基材21の電極22形成面に形成する。
更に、柱状スペーサ23、スペーサ構造物24、電極22を覆うように配向膜を全面に形成する。
このようにして、第2の例の液晶レンズ用基板20Bが作製される。
尚、スパッタ成膜時にスパッタ領域を制御するマスクを用いて、電極22を直接形成する方法もある。
次に、本発明の液晶レンズ用基板の実施形態の第3の例を挙げる。
第3の例の液晶レンズ用基板10Aは、図5(a)に示すように、第1の例において、液晶レンズ形成用領域10Lにおいて、所定ピッチで線状に遮光性層15を配しているものであり、それ以外は、第1の例と同じである。
そして、第1の例と同様に、第3の例の液晶レンズ用基板10Aは、図5(b)に示すように、透明基板からなる基材21の一面上、レンズ形成領域に所定の間隔をあけて複数の線状の電極22を形成した別の液晶レンズ用基板20とで、間に液晶を挟持して封止して、単位の液晶レンズ基板(図8の100A〜100Dに相当)を面付けした状態で形成されるが、ここでは、液晶レンズ用基板20の電極22と第3の例の遮光性層15のピッチは同じで、図5(b)の基材11、21の面に沿う方向(図5(b)の左右方向)において、遮光性層15の位置と電極22の位置とを合わせている。
第3の例も、第1の例、第2の例の場合と同様、図5(b)に示すように、単位の液晶レンズ基板を面付けした状態で形成する際、液晶レンズ用基板10A、液晶レンズ用基板20の一方側に液晶を垂らした状態で、真空中で、液晶レンズ用基板10Aと、液晶レンズ用基板20との間に、液晶を挟持して貼り合わせる方法が採られるが、液晶の厚さを制御するための、所定の高さを有する柱状の柱状スペーサ13と、液晶レンズ形成用領域の外側に、前記液晶レンズ形成用領域を囲むように配された、スペーサ構造物14とを、ほぼ同じ高さ(基材11からの距離)で、備えていることにより、スペーサ構造物を備えていない従来の液晶レンズ用基板を用いた場合における、隣接する液晶レンズ形成用領域間で、固定されていない側の基材に発生していた撓み(凹みとも言い、図8(c)の125に相当)を無くすことを可能としている。
これにより、大型の基板間に液晶を挟持して貼り合わせて、単位の液晶レンズ基板を面付け作製する際に、大型の基板の一方側に液晶を垂らした状態で、真空中で貼り合わせる貼り合わせ方法を採る場合において、上記基材の撓みに起因する、大型の基板間の間隔(ギャップ)保持困難という不具合の発生をなくすことを可能としている。
更に、第3の例においては、遮光性層15を配していることにより、図5(b)に示す面付け基板40aにおいて、液晶レンズ基板を見る際に、液晶レンズ用基板20の電極22を見えづらいものとしている。
<遮光性層15>
遮光性層15を形成するための遮光性の着色層としては、例えば、ここでは、エポキシ樹脂等の樹脂で被覆したカーボンブラックをピグメント(顔料)としてバインダ樹脂中に分散させたものが用いられている。
カーボンブラックをピグメント(顔料)としてバインダ樹脂中に分散させたものは、膜厚を比較的薄くして遮光性の樹脂層を形成することができる。
ここでは、画素区分用遮光領域の遮光性層15用の遮光性の着色層の形成をフォトリソグラフィー法を用いているが、この場合、バインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。
この場合、黒色着色剤および感光性樹脂を含有する画素区分用遮光領域の遮光性層15形成用の感光性樹脂組成物に、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
尚、画素区分用遮光領域の遮光性層15形成用の遮光性の着色層を、印刷法やインクジェット法を用いて形成する場合もあるが、この場合には、バインダ樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
尚、ここでは、可視光領域での光学濃度が2. 0以上、好ましくは4. 0以上のものを遮光性層としている。
第3の例の液晶レンズ用基板10Aの作製は、例えば、先に挙げた第1の例の作製方法の1例において、電極12形成後、柱状スペーサ13、スペーサ構造物14の形成前に、感光性樹脂組成物からなる遮光性層15用の材料を用いて、フォトリソ法により、遮光性層15を形成する作製方法が挙げられる。
遮光性層15形成用の感光性組成物は、例えば、以下のようにして、光硬化性樹脂組成物Aを調製し、該硬化性樹脂組成物Aを用いて作製することができる。
そして、基材11の一面に形成されたベタ状の電極12上に、上記遮光性層15形成用の感光性組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、全面に遮光性樹脂層を形成する。
その後、該遮光性樹脂層から100μmの距離に、所定形状の開口を有する遮光膜パターンを備えたフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより、2.0kWの超高圧水銀ランプで遮光パターンに露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して、遮光性層15を所定形状に形成した。
(1) 光硬化性樹脂組成物Aの調製
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63重量部、アクリル酸(AA)を12重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88重量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2、2’ーアゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7重量部添加し、均一に溶解させる。
その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させる。
得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7重量部、トリエチルアミンを0.4重量部、及びハイドロキノンを0.2重量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得る。
次に下記の材料を室温で攪拌、混合して硬化性樹脂組成物とする。
・ 上記共重合樹脂溶液(固形分50%) :16重量部
・ ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399)
:24重量部
・ オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70) :4重量部
・ 2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン :4重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :52重量部
(2) 遮光性層15形成用の光硬化性樹脂組成物の作製
先ず、下記分量の成分を混合し、ビーズミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液Bを調整する。
・ 樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E) :20重量部
・ 高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 163) :5重量部
・ 溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) :75重量部
そして、下記分量の成分を十分混合して、遮光性層15形成用の組成物を得る。
・ 上記黒色顔料分散液B :43重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :19重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :38重量部
次に、本発明の液晶レンズ用基板の実施形態の第4の例を挙げる。
第4の例の液晶レンズ用基板10Bは、図6(a)に示すように、第1の例において、柱状スペーサ13、スペーサ構造物14と、ベタ状の透明導電性層からなる電極12との間に遮光性層15を配した構造で、それ以外は、第1の例と同じである。
各部は、第3の例と同様のものを適用できる。
そして、第1の例と同様に、第4の例の液晶レンズ用基板10Bは、図6(b)に示すように、透明基板からなる基材21の一面上、レンズ形成領域に所定の間隔をあけて複数の電極22を形成した別の液晶レンズ用基板20aとで、間に液晶を挟持して封止して、単位の液晶レンズ基板(図8の100A〜100Dに相当)を面付けした状態で形成されるが、ここでは、液晶レンズ用基板20の電極22と第4の例の遮光性層15のピッチ(柱状スペーサ13のピッチでもある)は同じで、図6(b)の基材11、21の面に沿う方向(図6(b)の左右方向)において、遮光性層15の位置と電極22の位置とを合わせている。
第4の例も、第1の例〜第3の例の各例の場合と同様、図6(b)に示すように、単位の液晶レンズ基板を面付けした状態で形成する際、液晶レンズ用基板10B、液晶レンズ用基板20aの一方側に液晶を垂らした状態で、真空中で、液晶レンズ用基板10Bと、液晶レンズ用基板20aとの間に、液晶を挟持して貼り合わせる方法が採られるが、液晶の厚さを制御するための、所定の高さを有する柱状の柱状スペーサ13と、液晶レンズ形成用領域の外側に、前記液晶レンズ形成用領域を囲むように配された、スペーサ構造物14とを、ほぼ同じ高さ(基材11からの距離)で、備えていることにより、スペーサ構造物を備えていない従来の液晶レンズ用基板を用いた場合における、隣接する液晶レンズ形成用領域間で、固定されていない側の基材に発生していた撓み(凹みとも言い、図8(c)の125に相当)を無くすことを可能としている。
これにより、大型の基板間に液晶を挟持して貼り合わせて、単位の液晶レンズ基板を面付け作製する際に、大型の基板の一方側に液晶を垂らした状態で、真空中で貼り合わせる貼り合わせ方法を採る場合において、上記基材の撓みに起因する、大型の基板間の間隔(ギャップ)保持困難という不具合の発生をなくすことを可能としている。
更に、第4の例においては、第3の例と同様、遮光性層15を配していることにより、図6(b)に示す液晶レンズ面付け基板40bにおいて、液晶レンズを見る際に、液晶レンズ用基板20aの電極22を見えづらいものとしている。
第4の例の液晶レンズ用基板10Bの作製は、基本的には、先に挙げた第3の例と同様である。
各部や各部形成用の組成物も同様のものが用いられる。
次に、本発明の液晶レンズ用基板の実施形態の第5の例を挙げる。
第5の例の液晶レンズ用基板20Bは、図7(a)に示すように、第2の例において、基材21の面に沿う方向で、柱状スペーサ23と電極22とを同じピッチで同じ位置にして基材21側から順に、電極22、柱状スペーサ23と重ねて形成したものである。
それ以外は、第2の例と同じである。
そして、第1の例〜第4の例の各例と同様、液晶レンズ用基板20Bは、図7(b)に示すように、透明基板からなる基材11の一面上にベタ状の電極12を形成し、該電極12上、レンズ形成領域において所定の間隔をあけて複数の線状の遮光性層15を形成した別の液晶レンズ用基板10bとで、間に液晶を挟持して封止して、単位の液晶レンズ基板(図8の100A〜100Dに相当)を面付けした状態で形成される。
第5の例の液晶レンズ用基板20Bの電極22と、液晶レンズ用基板10bの遮光性層15のピッチは同じで、図7(b)の基材11、21の面に沿う方向(図7(b)の左右方向)において、遮光性層15の位置と電極22の位置とを合わせて、単位の液晶レンズ基板を形成している。
第5の例も、第1の例〜第4の例の各例の場合と同様、図7(b)に示すように、単位の液晶レンズ基板を面付けした状態で形成する際、液晶レンズ用基板20B、液晶レンズ用基板10bの一方側に液晶を垂らした状態で、真空中で、液晶レンズ用基板20Bと、液晶レンズ用基板10bとの間に、液晶を挟持して貼り合わせる方法が採られるが、液晶の厚さを制御するための、所定の高さを有する柱状の柱状スペーサ13と、液晶レンズ形成用領域の外側に、前記液晶レンズ形成用領域を囲むように配された、スペーサ構造物14とを、ほぼ同じ高さ(基材11からの距離)で、備えていることにより、スペーサ構造物を備えていない従来の液晶レンズ用基板を用いた場合における、隣接する液晶レンズ形成用領域間で、固定されていない側の基材に発生していた撓み(凹みとも言い、図8(c)の125に相当)を無くすことを可能としている。
これにより、大型の基板間に液晶を挟持して貼り合わせて、単位の液晶レンズ基板を面付け作製する際に、大型の基板の一方側に液晶を垂らした状態で、真空中で貼り合わせる貼り合わせ方法を採る場合において、上記基材の撓みに起因する、大型の基板間の間隔(ギャップ)保持困難という不具合の発生をなくすことを可能としている。
更に、図7(b)に示す面付け基板40bにおいては、遮光性層15を配していることにより、液晶レンズ基板を見る際に、液晶レンズ用基板20Bの電極22を見えづらいものとしている。
第5の例の液晶レンズ用基板20Bの作製は、基本的には、先に挙げた第2の例と同様である。
各部や各部形成用の組成物も同様のものが用いられる。
本発明の液晶レンズ形成用基板は、上記各例に限定されるものではない。
各例のスペーサ構造物に相当する機能を有するものであれば、その構造や形態も、特に限定はされない。
各電極11、22についても、液晶レンズ形成のための電極配列、電極構造は、各例のものに限定はされない。
また、ここでは、液晶として周知のTN液晶を用い、各例の電極11、22を用いて、液晶に電気的に屈折率分布を起こして液晶レンズを形成することを想定しているが、同様に、液晶レンズを形成することができれば、液晶の種類や、電極構造、形態も限定はされない。
また、各例では、透明基板からなる基材11、基材21は、第5世代サイズ(1100mm×1250mm)以上を想定しているが、第5世代サイズ(1100mm×1250mm)以下であっても良い。
尚、いずれにしても、液晶を封止する際に、いずれか一方の液晶形成用基板に液晶を垂らした状態で、真空中で、両方の液晶形成用基板間に、液晶を挟持して貼り合わせる方法が採られることを前提としている。
また、各例では、配向膜が設けられているが、本発明においては、これに限定されるものではなく、配向膜が設けられていない形態も挙げられる。
10、10A、10B 液晶レンズ形成用基板
10a、10b 液晶レンズ形成用基板
10Ma〜10Md 液晶レンズ形成用部材
10L (単位の)液晶レンズ形成用領域
11 (透明基板からなる)基材
12 電極
13 柱状スペーサ
14 スペーサ構造物
15 遮光性層(遮光層とも言う)
20、20A、20B 液晶レンズ形成用基板
20a 液晶レンズ形成用基板
20Ma〜20Md 液晶レンズ形成用部材
20L 液晶レンズ形成用領域
21 (透明基板からなる)基材
22 電極
23 柱状スペーサ
24 スペーサ構造物
30 液晶
40、40a、40b 面付け基板
100 面付け基板
100A〜100D (単位の)液晶レンズ基板
110 液晶レンズ形成用基板
111 (透明基板からなる)基材
112 (ベタ状の)電極
113 柱状スペーサ
120 液晶レンズ形成用基板
121 (透明基板からなる)基材
122 (線状の)電極
125 撓み部
140 固定用台部

Claims (10)

  1. 表示エリアに対応する単位の液晶レンズ形成用領域を含む単位の液晶レンズ形成用部材を、透明基板からなる基材と一体で、複数、面付けした状態で配した液晶レンズ用基板であって、前記単位の液晶レンズ形成用部材は、前記基材の一面側に、液晶レンズ形成用の電極と、液晶レンズ形成用の液晶の厚さに対応した高さを有する柱状の柱状スペーサと、前記液晶レンズ形成用領域の外側に、前記液晶レンズ形成用領域を囲むように配された、スペーサ構造物とを、備えていることを特徴とする液晶レンズ用基板。
  2. 請求項1記載の液晶レンズ用の基板であって、前記柱状スペーサと前記スペーサ構造物とは、同じ高さであることを特徴とする液晶レンズ用基板。
  3. 請求項1ないし2のいずれか1項に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記柱状スペーサと前記スペーサ構造物は、同一材料からなることを特徴とする液晶レンズ用基板。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記スペーサ構造物は、前記基材面に沿う断面形状が、線配列形状、丸配列形状、四角配列形状のいずれか1つ、あるいは、線配列形状、丸配列形状、四角配列形状の2つ以上の組み合わせからなることを特徴とする液晶レンズ用基板。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記電極として、透明導電性層をベタ状にして配しているものであることを特徴とする液晶レンズ用基板。
  6. 請求項5に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記ベタ状の透明導電性層上に線状の遮光性層を配していることを特徴とする液晶レンズ用基板。
  7. 請求項5ないし6のいずれか1項に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記柱状スペーサは、前記透明導電性層上に、もしくは、前記遮光性層上に、設けられていることを特徴とする液晶レンズ用基板。
  8. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記電極として、透明導電性層を線状配列にして配しているものであることを特徴とする液晶レンズ用基板。
  9. 請求項8に記載の液晶レンズ用の基板であって、前記線状配列の透明導電性層上に柱状スペーサを配していることを特徴とする液晶レンズ用基板。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の液晶レンズ用基板であって、前記柱状スペーサは、円筒状で、高さは20μm以上で、径は20μm以上であることを特徴とする液晶レンズ用基板。
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