JP4553266B2 - 熱処理装置、制御定数の自動調整方法及び記憶媒体 - Google Patents
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Description
前記加熱手段により加熱される雰囲気の温度を検出する温度検出部と、
被処理体を処理雰囲気に位置させた後、当該処理雰囲気を目標温度まで昇温する昇温運転を行ったときの温度プロファイルに基づいて得られる温度特性項目について、PID定数の変更率と、当該変更率に応じてPID定数を変更したときに変更前後の温度特性項目の値の変化量の予測値である予測変化量と、を対応付けて作成されたルールテーブルと、
PID定数を設定した後、前記加熱手段により処理雰囲気を目標温度まで昇温しながら前記温度検出部の温度検出値に基づいて温度プロファイルを取得し、その温度プロファイルに基づいて温度特性項目の値と温度特性項目の目標値との差分を求める第1のステップ(b1)と、その差分が許容範囲から外れていれば前記ルールテーブルを参照してその差分に応じた当該温度特性項目の予測変化量に対応する変更率によりPID定数を変更して再設定する第2のステップ(b2)とを、前記差分が許容範囲内になるまで繰り返し実施する実行手段と、
この実行手段により前記第1のステップ(b1)と第2のステップ(b2)とを前記差分が許容範囲内になるまで繰り返し実施するループの中において、前記ルールテーブルを参照してPID定数を変更し、昇温運転を行って得られたPID定数の変更前後の温度特性項目の値の実測変化量と当該PID定数の変更による当該温度特性項目の予測変化量との間に差があるときには、前記実測変化量に基づいて前記ルールテーブルにおけるPID定数の変更率と当該温度特性項目の予測変化量との対応関係を更新する更新手段と、を備えたことを特徴とする。PID定数とは、P、I、Dの定数のうちの少なくとも一つという意味である。
また上記熱処理装置は、目標値に近づける温度特性項目は複数であり、各温度特性項目の予測変化量に対応するPID定数の変更率が相反するときのために、複数の温度特性項目の間に優先度が付けられるようにしてもよい。また前記温度特性項目は、前記温度検出部の温度検出値が目標温度を越えたときの目標温度との最大温度差であるオーバーシュート、及び温度検出値が目標温度を越えた後、目標温度を下回ったときの目標温度からの最大落ち込み量であるアンダーシュート、並びに昇温を開始した後、温度検出値が目標温度に対して予め定めた温度範囲内に収まるまでの温度安定時間の少なくとも一つである。
さらに上記熱処理装置において、前記実行手段は前記温度特性項目の値と目標値との差分が許容範囲から外れかつ規定値よりも大きいときに前記ルールテーブルを用い、その差分が規定値よりも小さいときには前記ルールテーブルを用いずにPID定数を変更するようにしてもよい。この場合、目標値に近づける温度特性項目は複数であり、前記実行手段は、前記ルールテーブルを用いずにPID定数を変更するときに相前後するサイクルの間で目標値から外れた温度特性項目に変化がない場合には、その温度特性項目に影響を与えるPID定数を予め設定した変更率だけ変更するようにしてもよいし、目標値に近づける温度特性項目は複数であり、前記実行手段は、前記ルールテーブルを用いずにPID定数を変更するときに相前後するサイクルの間で目標値から外れた温度特性項目に変化がある場合には、相前後するサイクルの間で使用したPID定数の平均値を使用するようにしてもよい。
また本発明に係る制御定数の自動調整方法は、被処理体を処理雰囲気に位置させ、加熱手段によりPID制御による温度制御を行って被処理体を熱処理する装置における制御定数の自動調整方法において、
前記加熱手段により加熱される雰囲気の温度を検出する工程(a)と、
PID定数を設定した後、前記加熱手段により処理雰囲気を目標温度まで昇温する昇温運転を行うことにより前記温度検出部の温度検出値に基づいて温度プロファイルを取得し、その温度プロファイルに基づいて温度特性項目の値と温度特性項目の目標値との差分を求める第1のステップ(b1)と、被処理体を処理雰囲気に位置させた後に昇温運転を行ったときの温度プロファイルに基づいて得られる温度特性項目について、PID定数の変更率と、当該変更率に応じてPID定数を変更したときに変更前後の温度特性項目の値の変化量の予測値である予測変化量と、を対応付けて作成されたルールテーブルを用い、前記第1のステップ(b1)で求められた差分が許容範囲から外れていれば前記ルールテーブルを参照してその差分に応じた当該温度特性項目の予測変化量に対応する変更率によりPID定数を変更して再設定する第2のステップ(b2)とを、前記差分が許容範囲内になるまで繰り返し実施する工程(b)と、
前記第1のステップ(b1)と第2のステップ(b2)とを前記差分が許容範囲内になるまで繰り返し実施する前記工程(b)のループの中において、前記ルールテーブルを参照してPID定数を変更し、昇温運転を行って得られたPID定数の変更前後の温度特性項目の値の実測変化量と当該PID定数の変更による当該温度特性項目の予測変化量との間に差があるときには、前記実測変化量に基づいて前記ルールテーブルにおけるPID定数の変更率と当該温度特性項目の予測変化量との対応関係を更新する工程(c)と、を備えたことを特徴とする。なお、制御定数の自動調整方法においては主発明のみを述べている。
また本発明は、被処理体を処理雰囲気に位置させ、加熱手段によりPID制御による温度制御を行って被処理体を熱処理する装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体であって、前記プログラムは、上述した制御定数の自動調整方法を実施するようにステップが組まれていることを特徴とする。
次に制御部7に関して図2を参照しながら詳述する。図2において80はバスであり、このバス80にチューニング条件設定部81、レシピ実行プログラム82、チューニングプログラム83、ルールテーブル84、CPU85などからなり、コンピュータを構成する制御部7が接続されている。図2ではこれらを機能的に表現しブロック化して表している。レシピ実行プログラム82やチューニングプログラム83は、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリーカード等の記憶媒体に格納され、そこからコンピュータにインストールされる。
なお特許請求の範囲における実行手段は、レシピ実行プログラム82及びチューニングプログラム83の一部に相当し、更新手段は、チューニングプログラム83の一部に相当する。
図6は、オーバーシュート等に対応するPID定数を算出する動作のフローを示している(図5のステップS5に対応する)。既述のように、図5のステップS4にてオーバーシュート等の温度特性項目の値が目標値を外れた系統があった場、つまり温度特性項目の値と目標値との差分が許容範囲から外れた系統があった場合には(ステップS4;N)、外れた温度特性項目の値と目標値との差が予め定めておいた規定値以下となっているか否かを判断する(ステップS501)。
図11は、ゾーン間温度差に対応するPID定数を算出する動作のフローを示している(図5のステップS7に対応する)。既述のようにオーバーシュート等の温度特性項目の値が目標値以内となったにも拘わらず(ステップS4;Y)、ゾーン間温度差のみが目標値以内でなかった場合には(ステップS6;N)、4つのゾーンの温度プロファイル同士を比較し、リカバリ時間が最も遅かったゾーン(以下、最遅ゾーンという)の温度プロファイルについて、オーバーシュートと目標値との差が第2の規定値以下となっているか否かの確認をする(ステップS601)。
上述の実施の形態によれば、PID定数を設定した後、処理雰囲気を昇温させて温度プロファイルを取得し、温度特性項目の値と目標値との差分が許容範囲から外れていればールテーブル84を参照してその差分に応じた当該温度特性項目の予測変化量に対応する変更率によりPID定数を変更して再設定し、その後、前記差分が許容範囲内になるまで同様のステップを繰り返している。そして前記ルールテーブル84を使用した後の温度特性項目の実測変化量に基づいてルールテーブル84におけるPID定数と当該温度特性項目の予測変化量との対応関係を更新するようにしてルールテーブルに学習機能を持たせているので、確実にかつ容易にPID定数を適切な値に自動設定することができる。またゾーン間温度差を小さくする機能を備えているため、基板間の処理のばらつきを抑えることができ、歩留まりの向上に寄与する。更にまた、オートチューニングを行うレシピ、や温度検出器の種類などに応じてチューングができるため、ユーザのニーズに応じたチューニングを行うことができる。
(実施例1)
上述した縦型熱処理装置を用い、ヒータの設定温度を300℃にして、ダミーウエハを保持したウエハボート25を搬入した。反応容器2内にウエハボート25を搬入した後、6分程待機させて反応容器2内の温度を安定にさせた。しかる後、ヒータの設定温度を800℃まで上昇させた。このとき反応容器2内は不活性ガスの減圧雰囲気としてある。図13(a)は1回目のRUNにおいて各内部温度センサーTC1〜TC4より得られた温度プロファイルである。図13(b)は図5に示したフローチャートに基づいて、3回目のRUNまでオートチューニングを実行して得られた温度プロファイルである。図13(a)、図13(b)を比較すると、RUN回数が増えることによって例えば上段の内部温度センサーTC1のオーバーシュートが小さくなり、また各温度センサーTC1〜TC4の温度プロファイルのバラツキを小さくすることができており、良好なオートチューニングが実行された。従って、反応容器2内の処理領域において温度勾配が解消され、処理領域の温度が均一になることが分かる。
(実施例2)
反応容器2内にウエハボート25を搬入する際はヒータの設定温度を400℃にし、反応容器2内の温度を安定にさせた後はヒータの設定温度を600℃にした他は、実施例1と同様の設定条件で1回目のRUNを行った。図14(a)は1回目のRUNにおける内部温度センサーTC1〜TC4より得られた温度プロファイルであり、図14(b)は4回目のRUNを実行した結果である。図14(a)と図14(b)とを比較すると、1回目のRUNで見られた上段の内部温度センサーTC1のオーバーシュート量が小さくなり、各ゾーンでの温度プロファイルのバラツキも小さくなっている。
(実施例3)
反応容器2内にウエハボート25を搬入する際はヒータの設定温度を400℃にし、反応容器2内の温度を安定にさせた後はヒータの設定温度を760℃に設定し、実施の形態のようにしてオートチューニングを行い、オーバーシュート、アンダージュート及びリカバリ時間が目標値に収まったが、ゾーン間の温度差が規定値内に収まっていない場合の温度プロファイルの一例を15(a)に示す。そして更に図11に示すチューニングを行ったところ、ゾーン間の温度差が規定値内に収まった状態の温度プロファイルを図15(b)に示す。この結果からも
図11のステップが有効であることを本発明者は把握している。
TC1〜TC4 内部温度センサー
2 反応容器
25 ウエハボート
31 断熱層
41〜44 ヒータ
51〜54 電源部
61〜64 温度コントローラ
7 制御部
81 チューニング条件設定部
82 レシピ実行プログラム
83 チューニングプログラム
84 ルールテーブル
85 CPU
Claims (23)
- 被処理体を処理雰囲気に位置させ、加熱手段によりPID制御による温度制御を行って被処理体を熱処理する装置において、
前記加熱手段により加熱される雰囲気の温度を検出する温度検出部と、
被処理体を処理雰囲気に位置させた後、当該処理雰囲気を目標温度まで昇温する昇温運転を行ったときの温度プロファイルに基づいて得られる温度特性項目について、PID定数の変更率と、当該変更率に応じてPID定数を変更したときに変更前後の温度特性項目の値の変化量の予測値である予測変化量と、を対応付けて作成されたルールテーブルと、
PID定数を設定した後、前記加熱手段により処理雰囲気を目標温度まで昇温しながら前記温度検出部の温度検出値に基づいて温度プロファイルを取得し、その温度プロファイルに基づいて温度特性項目の値と温度特性項目の目標値との差分を求める第1のステップ(b1)と、その差分が許容範囲から外れていれば前記ルールテーブルを参照してその差分に応じた当該温度特性項目の予測変化量に対応する変更率によりPID定数を変更して再設定する第2のステップ(b2)とを、前記差分が許容範囲内になるまで繰り返し実施する実行手段と、
この実行手段により前記第1のステップ(b1)と第2のステップ(b2)とを前記差分が許容範囲内になるまで繰り返し実施するループの中において、前記ルールテーブルを参照してPID定数を変更し、昇温運転を行って得られたPID定数の変更前後の温度特性項目の値の実測変化量と当該PID定数の変更による当該温度特性項目の予測変化量との間に差があるときには、前記実測変化量に基づいて前記ルールテーブルにおけるPID定数の変更率と当該温度特性項目の予測変化量との対応関係を更新する更新手段と、を備えたことを特徴とする熱処理装置。 - 目標値に近づける温度特性項目は複数であり、各温度特性項目の予測変化量に対応するPID定数の変更率が相反するときに優先度の高い温度特性項目について前記差分に応じたPID定数の変更を行うために、複数の温度特性項目の間に優先度が付けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
- 前記温度特性項目は、前記温度検出部の温度検出値が目標温度を越えたときの目標温度との最大温度差であるオーバーシュート、及び温度検出値が目標温度を越えた後、目標温度を下回ったときの目標温度からの最大落ち込み量であるアンダーシュート、並びに昇温を開始した後、温度検出値が目標温度に対して予め定めた温度範囲内に収まるまでの温度安定時間の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理装置。
- 前記実行手段は、前記温度特性項目の値と目標値との差分が許容範囲から外れ、かつ許容範囲よりも大きい規定値を越えているときに前記ルールテーブルを用い、その差分に応じた当該温度特性項目の予測変化量に対応する変更率によりPID定数を変更して再設定するステップを行い、その差分が規定値よりも小さいときには前記ルールテーブルにおける当該温度特性項目の値を変動させるためのPID定数についてルールテーブルを用いずに予め決めた割合だけ変更して再設定するステップを行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の熱処理装置。
- 目標値に近づける温度特性項目は複数であり、前記実行手段は、前記ルールテーブルを用いずにPID定数を再設定したときには、当該再設定の前後における昇温運転の間で目標値から外れた温度特性項目に変化があるかないかを判断し、変化がない場合には、目標値から外れた温度特性項目の値を変動させるためのPID定数を予め設定した変更率だけ変更して再設定することを特徴とする請求項4に記載の熱処理装置。
- 目標値に近づける温度特性項目は複数であり、前記実行手段は、前記ルールテーブルを用いずにPID定数を再設定したときには、当該再設定の前後における昇温運転の間で目標値から外れた温度特性項目に変化があるかないかを判断し、変化がある場合には、相前後する昇温運転にて使用したPID定数の平均値をPID定数として再設定することを特徴とする請求項4に記載の熱処理装置。
- 処理雰囲気を複数に分割した各分割領域ごとに加熱手段が設けられ、これら加熱手段が独立してPID制御されるように構成されている請求項1ないし6のいずれか一つに記載の熱処理装置。
- 前記処理雰囲気は、複数の被処理体を互いに平行に保持した基板保持具を搬入する反応管により区画形成され、
前記加熱手段は、前記処理雰囲気を反応管の長さ方向に分割した各分割領域ごとに設けられていることを特徴とする請求項7に記載の熱処理装置。 - 前記実行手段は、各分割領域に対応する温度プロファイルに基づいて求めた温度特性項目の値と目標値との差分が許容範囲に入った後、各分割領域に対応する温度プロファイルが揃っているか否かを判断し、揃っていなければ予め定めた規則に基づいて複数の分割領域のうちの少なくとも一つの分割領域に対応するPID定数を調整して再設定することを特徴とする請求項7または8に記載の熱処理装置。
- 前記実行手段は、各分割領域に対応する温度プロファイルが揃っていなければ、複数の分割領域のうちの一つの分割領域に対応する、温度検出値が目標温度に対して予め定めた温度範囲内に収まるまでの温度安定時間に、他の分割領域の温度安定時間を揃えるように当該他の分割領域に対応するPID定数を調整して再設定することを特徴とする請求項9に記載の熱処理装置。
- 前記実行手段は、温度安定時間の予測変化量とPID定数の変更率とを対応付けて作成されたルールテーブルを備え、前記他の分割領域の温度安定時間と前記一の分割領域に対応する温度安定時間との時間差を求め、前記ルールテーブルを参照してその時間差に応じた温度安定時間の予測変化量に対応する変更率によりPID定数を変更して再設定し、その後請求項1に記載の温度特性項目の値と温度特性項目の目標値との差分を求めるステップ以降を実施すると共に、当該ルールテーブルは前記更新手段により更新されることを特徴とする請求項10に記載の熱処理装置。
- 被処理体を処理雰囲気に位置させ、加熱手段によりPID制御による温度制御を行って被処理体を熱処理する装置における制御定数の自動調整方法において、
前記加熱手段により加熱される雰囲気の温度を検出する工程(a)と、
PID定数を設定した後、前記加熱手段により処理雰囲気を目標温度まで昇温する昇温運転を行うことにより前記温度検出部の温度検出値に基づいて温度プロファイルを取得し、その温度プロファイルに基づいて温度特性項目の値と温度特性項目の目標値との差分を求める第1のステップ(b1)と、被処理体を処理雰囲気に位置させた後に昇温運転を行ったときの温度プロファイルに基づいて得られる温度特性項目について、PID定数の変更率と、当該変更率に応じてPID定数を変更したときに変更前後の温度特性項目の値の変化量の予測値である予測変化量と、を対応付けて作成されたルールテーブルを用い、前記第1のステップ(b1)で求められた差分が許容範囲から外れていれば前記ルールテーブルを参照してその差分に応じた当該温度特性項目の予測変化量に対応する変更率によりPID定数を変更して再設定する第2のステップ(b2)とを、前記差分が許容範囲内になるまで繰り返し実施する工程(b)と、
前記第1のステップ(b1)と第2のステップ(b2)とを前記差分が許容範囲内になるまで繰り返し実施する前記工程(b)のループの中において、前記ルールテーブルを参照してPID定数を変更し、昇温運転を行って得られたPID定数の変更前後の温度特性項目の値の実測変化量と当該PID定数の変更による当該温度特性項目の予測変化量との間に差があるときには、前記実測変化量に基づいて前記ルールテーブルにおけるPID定数の変更率と当該温度特性項目の予測変化量との対応関係を更新する工程(c)と、を備えたことを特徴とする制御定数の自動調整方法。 - 目標値に近づける温度特性項目は複数であり、各温度特性項目の予測変化量に対応するPID定数の変更率が相反するときに優先度の高い温度特性項目について前記差分に応じたPID定数の変更を行うために、複数の温度特性項目の間に優先度が付けられていることを特徴とする請求項12に記載の制御定数の自動調整方法。
- 前記温度特性項目は、前記温度検出部の温度検出値が目標温度を越えたときの目標温度との最大温度差であるオーバーシュート、及び温度検出値が目標温度を越えた後、目標温度を下回ったときの目標温度からの最大落ち込み量であるアンダーシュート、並びに昇温を開始した後、温度検出値が目標温度に対して予め定めた温度範囲内に収まるまでの温度安定時間の少なくとも一つであることを特徴とする請求項12または13に記載の制御定数の自動調整方法。
- 前記ステップ(b2)は、前記温度特性項目の値と目標値との差分が許容範囲から外れ、かつ許容範囲よりも大きい規定値を越えているときに前記ルールテーブルを用い、その差分に応じた当該温度特性項目の予測変化量に対応する変更率によりPID定数を変更して再設定するステップと、その差分が規定値よりも小さいときには前記ルールテーブルにおける当該温度特性項目の値を変動させるためのPID定数についてルールテーブルを用いずに予め決めた割合だけ変更して再設定するステップとを含むことを特徴とする請求項12ないし14のいずれか一つに記載の制御定数の自動調整方法。
- 目標値に近づける温度特性項目は複数であり、前記ルールテーブルを用いずにPID定数を再設定するステップは、当該再設定の前後における昇温運転の間で目標値から外れた温度特性項目に変化があるかないかを判断し、変化がない場合には、目標値から外れた温度特性項目の値を変動させるためのPID定数を予め設定した変更率だけ変更して再設定するステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の制御定数の自動調整方法。
- 目標値に近づける温度特性項目は複数であり、前記ルールテーブルを用いずにPID定数を再設定するステップは、当該再設定の前後における昇温運転の間で目標値から外れた温度特性項目に変化があるかないかを判断し、変化がある場合には、相前後する昇温運転にて使用したPID定数の平均値をPID定数として再設定することを特徴とする請求項15に記載の制御定数の自動調整方法。
- 処理雰囲気を複数に分割した各分割領域ごとに加熱手段が設けられ、これら加熱手段が独立してPID制御されることを特徴とする請求項12ないし17のいずれか一つに記載の制御定数の自動調整方法。
- 前記処理雰囲気は、複数の被処理体を互いに平行に保持した基板保持具を搬入する反応管により区画形成され、
前記加熱手段は、前記処理雰囲気を反応管の長さ方向に分割した各分割領域ごとに設けられていることを特徴とする請求項18に記載の制御定数の自動調整方法。 - 前記工程(b)は、各分割領域に対応する温度プロファイルに基づいて求めた温度特性項目の値と目標値との差分が許容範囲に入った後、各分割領域に対応する温度プロファイルが揃っているか否かを判断し、揃っていなければ予め定めた規則に基づいて複数の分割領域のうちの少なくとも一つの分割領域に対応するPID定数を調整して再設定するステップを含むことを特徴とする請求項18または19に記載の制御定数の自動調整方法。
- 請求項20に記載された前記ステップは、各分割領域に対応する温度プロファイルが揃っていなければ、複数の分割領域のうちの一つの分割領域に対応する、温度検出値が目標温度に対して予め定めた温度範囲内に収まるまでの温度安定時間に、他の分割領域の温度安定時間を揃えるように当該他の分割領域に対応するPID定数を調整して再設定するステップを含むことを特徴とする請求項20に記載の制御定数の自動調整方法。
- 温度安定時間の予測変化量とPID定数の変更率とを対応付けて作成されたルールテーブルを更に用い、
請求項21に記載された前記ステップは、前記他の分割領域の温度安定時間と前記一の分割領域に対応する温度安定時間との時間差を求め、当該ルールテーブルを参照してその時間差に応じた温度安定時間の予測変化量に対応する変更率によりPID定数を変更して再設定し、その後請求項12に記載の温度特性項目の値と温度特性項目の目標値との差分を求めるステップ以降を実施すると共に、当該ルールテーブルは前記更新手段により更新されることを特徴とする請求項21に記載の制御定数の自動調整方法。 - 被処理体を処理雰囲気に位置させ、加熱手段によりPID制御による温度制御を行って被処理体を熱処理する装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体であって、
前記プログラムは、請求項12ないし請求項22のいずれか一つに記載の制御定数の自動調整方法を実施するようにステップが組まれていることを特徴とする記憶媒体。
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