JP3784337B2 - 熱処理方法及び熱処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体ウエハなどの被処理体に対して熱処理を行う熱処理方法及び熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)に対してCVD(chemical vapor deposition)による成膜処理や酸化、拡散処理などといった熱処理をバッチで行う装置として縦型熱処理装置がある。この装置は加熱炉内に縦型の反応容器を設け、反応容器の下端開口部を開閉する蓋体の上にウエハ保持具を搭載してこのウエハ保持具に多数のウエハを棚状に保持し、蓋体の上昇によりウエハ保持具を反応容器内に搬入した後、所定の熱処理を行うものである。
【0003】
反応容器内の温度制御については、図8に示すように反応容器9の中に設けた内部熱電対91及び反応容器9の外のヒ−タ90近傍に設けた外部熱電対92を用い、温度コントロ−ラ93によりこれら熱電対91、92の温度検出値と温度設定値とを比較しその比較結果に基づいてヒ−タ90の発熱量(供給電力)が制御される。温度コントロ−ラ93にて出力される温度設定値のプロファイルは、図9の実線で示すようにウエハWを搭載したウエハボ−ト94を反応容器内に搬入するときには例えば600℃前後の温度(Ta)とし、その後所定のプロセス温度(Tb)まで大きくしてそのプロセス温度(Tb)を維持した後、所定の温度まで降温するように設定されている。
【0004】
ここで温度コントロ−ラ93の構成について述べると、温度コントロ−ラ93は図8に示すように外部熱電対92の温度検出値(外部温度検出値)を重視した制御を行うための第1の演算部95と、カスケ−ド制御を行うための第2の演算部96と、これら演算部95、96の一方の出力値を選択するためのスイッチ部97を備えている。第1の演算部95は、例えば外部温度検出値を100%用いて演算を行う場合もあるが、内部熱電対91で検出された温度検出値(内部温度検出値)と前記外部温度検出値とを所定の比率で線形補間して温度検出値を得ると共に、この温度検出値と温度設定値とを比較し、その偏差分を積分して出力値を得る場合もある。また第2の演算部96は、前記内部温度検出値と温度設定値とを比較し、その偏差分を増幅して設定信号を得ると共にこの設定信号と前記外部温度検出値とを比較し、その偏差分を積分して出力値を得るものである。
【0005】
そして搬入時の温度Taからプロセス温度Tbまで昇温する工程においては、先ず第1の演算部95の出力値に基づいてヒ−タ90の供給電力を制御し、次にスイッチ部97を切り替えて第2の演算部96の出力値に基づいてヒ−タ90の供給電力を制御するようにしている。
【0006】
このように出力値を切り替える理由は次の通りである。即ち第1の演算部95の出力値に基づいて温度制御を行う場合には、外部温度検出値(ヒ−タ90の温度)の影響が大きいので反応容器9内の温度が目標温度であるプロセス温度Tb付近になっても緩やかに上昇し、目標温度Tbよりも低い温度に収束しようとする。一方カスケ−ド制御を行う場合には内部温度検出値の影響が大きいので、反応容器9内の温度は目標温度Tbに収束しようとするが、温度設定値と内部温度検出値との偏差分が大きいためヒ−タ90への供給電力が大きく、このため目標温度Tbを大きく越えてその後に波を打って目標温度Tbに収束しようとする現象(オ−バシュ−ト)が起きてしまう。従って昇温工程において初めは第1の演算部95の出力値を用いて制御(外部温度制御)を行い、反応容器9内の温度がある程度目標温度Tbに近付いたときにカスケ−ド制御を行うようにしているのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
第1の演算部95による制御からカスケ−ド制御への切り替わりのタイミングはオペレ−タが設定し、内部温度検出値がより早く安定するタイミングを探すようにしている。
【0008】
しかしながら制御方式をいきなり切り替えると切り替えのショックで温度が乱れ、その乱れが温度の早期安定化を阻む場合もある。また切り替わりのタイミングが早すぎると、内部温度検出値が低いうちにカスケ−ド制御が行われるので、ヒ−タ90への供給電力が大きくなってオ−バシュ−トが起こり、反応容器9内の温度が安定するまでに長い時間がかかる。これに対して切り替わりのタイミングが遅すぎると、反応容器9内の昇温が遅くなり、やはり反応容器9内の温度が安定するまでに長い時間がかかる。
【0009】
縦型熱処理装置を運転するにあたっては、熱処理の種類やウエハの種類などに応じて目標温度がまちまちであり、また装置をメンテナンスした後に温度制御の調整をする場合もある。そして前記タイミングを見つけるためには反応容器9内を実際に昇温しなければならず、タイミングが見つかるまで反応容器9内の昇降温を繰り返さなければならないことなどから、オペレ−タが前記タイミングを見付け出す作業は繁雑であり、大きな負担になる。またオペレ−タの調整が悪いと、反応容器内の温度が安定するまでに長い時間がかかり、スル−プットが低下してしまう。
【0010】
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、被処理体を反応容器内にて熱処理を行うにあたって、反応容器内の温度を速やかに目標温度に安定させることができる技術を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱処理方法は、被処理体が配置された反応容器内を、当該反応容器の外に設けた加熱部により加熱すると共に反応容器内に処理ガスを導入して熱処理を行う熱処理方法において、
反応容器の内部の温度検出値である内部温度検出値Tiと反応容器の外部の温度検出値である外部温度検出値Toとを補間比率x(0≦x≦1)によりTi・x+To(1−x)で補間し、この補間値と前記反応容器内の温度設定値との偏差分に基づいて外部温度制御のための第1の出力値を得る工程と、
前記内部温度検出値と反応容器内の温度設定値との偏差分を取り出して前段の調節部に入力し、更にこの調節部の出力と前記外部温度検出値との偏差分を取り出して後段の調節部に入力し、この調節部から第2の出力値を得る工程と、
前記第1の出力値と第2の出力値とを線形補間してその補間値を加熱部の発熱量の制御信号として出力する工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
他の発明は、被処理体が配置された反応容器を、当該反応容器の外に設けた加熱部により加熱すると供に反応容器内に処理ガスを導入して熱処理を行う熱処理方法において、
昇温工程の初期において、反応容器の内部の温度検出値である内部温度検出値Tiと反応容器の外部の温度検出値である外部温度検出値Toとを補間比率x(0≦x≦1)によりTi・x+To(1−x)で補間し、この補間値と前記反応容器内の温度設定値との偏差分に基づいて得られる第1の出力値によって加熱部の発熱制御を行う段階と、
昇温工程の終期において、前記内部温度検出値と反応容器内の温度設定値との偏差分を取り出して前段の調節部に入力し、更にこの調節部の出力と前記外部温度検出値との偏差分を取り出して後段の調節部に入力し、この調節部から得られる第2の出力値によって加熱部の発熱制御を行う段階と、
前記第1の出力値によって加熱部の発熱制御を行う段階と、前記第2の出力値によって加熱部の発熱制御を行う段階との間に、第1の出力値と第2の出力値を補間して補間制御を行う段階と、を含むことを特徴とする。
【0013】
昇温工程において、一の温度制御方式から他の温度制御方式にいきなり切り替えると切り替え時のショックにより反応容器内の温度が乱れるし、また切り替えの最適なタイミングを探す手間がかかるが、本発明のように昇温工程において第1の出力値と第2の出力値の補間比率を有する領域を有するようにすれば、第1の出力値及び第2の出力値が混在する領域、つまり一の温度制御方式及び他の温度制御方式が双方が制御温度に影響を与える領域(補間制御の領域)が形成されるので、切り替え時のショックが抑えられるし、また切り替えのタイミングを設定する負担が軽減される。なお昇温工程において第2の出力値の補間比率を徐々に大きくすることもできる。ここで徐々に大きくするという意味は、一の温度制御方式で昇温を開始し、後で他の温度制御方式を用い、途中で両方の温度制御方式が補間されているところがあれば、例えば1:1の比率で補間されている領域があれば、その比率が徐々に変わらない場合も含まれる。つまりここでいう意味は、一の温度制御方式から他の温度制御方式にいきなり移行せず、両方式が制御温度に影響を与える制御領域(補間制御の領域)が介在しているということである。
【0015】
また第2の出力値の補間比率の変更は、例えば内部温度検出値及び温度設定値の温度差と、補間比率との関係示すデ−タをメモリに記憶しておき、前記温度差とデ−タとを参照して補間比率を調整することにより行うことができる。
【0016】
更に本発明は熱処理装置としても成り立つものであり、具体的には本発明の熱処理装置は被処理体が配置された反応容器内を、当該反応容器の外に設けた加熱部により加熱すると供に反応容器内に処理ガスを導入して熱処理を行う熱処理装置において、
反応容器の内部の温度検出値である内部温度検出値Tiと反応容器の外部の温度検出値である外部温度検出値Toとを補間比率x(0≦x≦1)によりTi・x+To(1−x)で補間し、この補間値と前記反応容器内の温度設定値との偏差分に基づいて外部温度制御のための第1の出力値を得る第1の演算部と、
前記内部温度検出値と反応容器内の温度設定値との偏差分を取り出して前段の調節部に入力し、更にこの調節部の出力と前記外部温度検出値との偏差分を取り出して後段の調節部に入力し、この調節部から第2の出力値を得る第2の演算部と、
前記第1の出力値と第2の出力値とを補間しその補間値を加熱部の発熱量の制御信号として出力する制御信号出力部と、を備えたことを特徴とする
【0017】
本発明では、前記反応容器の内部温度が大きくなるにつれて前記制御信号出力部における第2の出力値の補間比率が徐々に大きくなるように補間比率を調整するための補間比率調整部を更に備えた構成とすることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を縦型熱処理装置に適用した実施の形態の全体構成図である。先ずこの縦型熱処理装置の全体構成について簡単に述べておくと、この装置は、例えば両端が開口している内管1a及び上端が閉塞している外管1bからなる例えば石英製の二重構造の反応管1を備えている。反応管1の周囲には筒状の断熱体21がベ−ス体22に固定して設けられ、この断熱体21の内側には抵抗発熱体からなるヒ−タ3a、3b、3cが例えば上下に複数分割して設けられている。分割数は例えば5段とされるが、この例では便宜上3段分割(3a、3b、3c)の構成を記載してある。ヒ−タ3a、3b、3cとしては、例えば線径10ミクロン前後の高純度のカ−ボンファイバの束を複数用いて編み込むことにより形成されたカ−ボンワイヤをセラミックス、例えば外径が十数ミリの透明な石英管の中に封止したものを用いることができ、例えば断熱体21の周方向に沿って波型に形成される。なおヒ−タ3a、3b、3cはこれに限定されるものではなく例えば鉄−タンタル−カ−ボン合金などの金属体であってもよい。
【0019】
内管1a及び外管1bは下部側にて筒状のマニホ−ルド23の上に支持され、このマニホ−ルド23には、内管1aの内側の下部領域に供給口が開口するようにガス供給管24が設けられると共に、内管1aと外管1bとの間から排気するように図示しない真空ポンプに一端側が接続された排気管25が接続されている。この例では内管1a、外管1b及びマニホ−ルド23により反応容器が構成される。
【0020】
更にマニホ−ルド23の下端開口部を塞ぐように蓋体11が設けられており、この蓋体11はボ−トエレベ−タ12の上に設けられている。蓋体11の上には駆動部13により回転軸14を介して回転台15が設けられ、この回転台15の上には例えば保温筒からなる断熱ユニット16を介して基板保持具であるウエハボ−ト17が搭載されている。ウエハボ−ト17は、多数の基板であるウエハWを棚状に載置できるように構成されている。
【0021】
マニホールド23側面からは、熱電対用の細い石英管40が内管11a内の熱処理雰囲気に立ち上げられて貫通しており、この石英管40内には、例えば3段に分割された各ヒ−タ3a、3b、3cが加熱する熱処理雰囲気の温度を夫々検出するように内部温度検出部である3個の内部熱電対4a、4b、4cが設けれている。また内管1aと外管1bとの間におけるヒ−タ3a、3b、3cの近傍には、夫々ヒ−タ3a、3b、3cの温度を夫々検出する外部温度検出部である外部熱電対5a、5b、5cが設けられている。
【0022】
そして各段のヒ−タ3a、3b、3c毎に発熱量を制御するための制御部6a、6b、6cが設けられており、各制御部6a、6b、6cは、例えば内部熱電対4a、4b、4cによる温度検出値及び外部熱電対5a、5b、5cによる温度検出値と温度設定値とに基づいてヒ−タ3a、3b、3cの供給電力を制御して発熱量を制御するように構成される。なお内部熱電対4a、4b、4cの信号線は、マニホールド23の外における石英管40から引き出されているが、図1では便宜的に記載してある。
【0023】
各制御部6a、6b、6cの構成は同じなので、そのうちの一つについて図2を参照しながら説明する。制御部6は、内管1a内の熱処理雰囲気の温度設定値を出力する温度設定値出力部61と、第1の演算部7Aと、第2の演算部7Bと、制御信号出力部62と、補間比率調整部63とを備えている。温度設定値出力部61は、内管1a内の熱処理雰囲気の温度設定値を出力する温度設定値出力部であり、各タイミングにおける温度設定値の集合値である温度パタ−ンが記憶されている。この温度パタ−ンは、図3の実線で示すようにウエハWの搬入時には温度設定値T1が出力され、ウエハWの搬入後に温度目標値(プロセス温度)である温度設定値T2に向かって大きくなり、プロセス終了後にT1に向かって降温するように設定されている。
【0024】
図2における第1の演算部7Aは、内部温度検出値Tiと外部温度検出値Toとを所定(一定)の比率で補間する(所定の比率で加算する)。つまりx(0≦x≦1)を補間比率(xは一定)とするとTi・x+To(1−x)の演算を行う補間部71と、温度設定値と補間部71からの出力値とを比較して偏差分を取り出す比較演算部72と、この比較演算部72の比較結果(動作信号)を調節して第1の出力値Aを出力する調節部73とを備えている。第1の演算部7Aは、例えば外部温度検出値Toの影響の大きい温度制御を行うためのものであるから、T0の補間比率は任意の値とされ、好ましくは50%〜100%とされる。
【0025】
第2の演算部7Bは、温度設定値と内部温度検出値Tiとを比較して偏差分を取り出す比較演算部74と、この比較演算部74からの偏差分を調節して次段の制御信号を生成する調節部75と、この調節部75からの制御信号を設定信号として当該設定信号と外部温度検出値Toとを比較して偏差分を取り出す比較演算部76と、この比較演算部76からの偏差分をを調節して第2の出力値Bを出力する調節部77とを備えている。前記調節部73、75、77は、例えば積分動作を行う増幅部により構成される。
【0026】
制御信号出力部62は、第1の演算部7Aの出力値(第1の出力値)Aと第2の演算部7Bの出力値(第2の出力値)Bとを補間し、その補間された結果の値(「補間値」という)をヒ−タ5の発熱量の制御信号、この例では、電源部31からヒ−タ3に供給される電力を制御するためのスイッチ部32の制御信号として出力される。具体的にはこの制御信号出力部62は、y(0≦y≦1)を補間比率とするとA・y+B(1−y)の演算を行う機能を備えている。
【0027】
補間比率調整部63は、温度設定値と内部温度検出値Tiとの温度差(絶対値)Pと、補間比率yと、の関係を示すテ−ブルを格納した記憶部を含んでおり、例えば比較演算部74で取り出された偏差分に対応する補間比率yを前記テ−ブルから読みだして制御信号出力部62の補間比率yとする機能を備えている。図4Aは、温度差Pとyとの関係を示すテ−ブルのイメ−ジを示す図であり、同図には、第1の出力値A及び第2の出力値Bの夫々について補間比率を示してある。内部温度検出値Tiが小さい時(温度差Pが大きい時)にはyは「1」であり、第1の出力値Aが100%制御信号として用いられる。そして内部温度検出値Tiが大きくなってくると(温度差Pが小さくなってくると)、徐々にyが小さくなり、更に内部温度検出値Tiが大きくなって温度設定値に近付くと、yが「0」となって第2の出力値Bが100%制御信号として用いられるようになる。温度差Pと補間比率yとの関係については、図4Aに示したように直線的にyが変化するようにしてもよいが、図4Bに示したようにカ−ブを描いてyが変化するようにしてもよい。
【0028】
制御部6は、実際には例えばCPU、プログラムを格納したROM、及び温度設定値を記憶したメモリなどにより構成され、また各演算はプログラムによりソフト的に行われるが、図2ではイメ−ジ構成を模式的に記載してある。
【0029】
次に上述実施の形態の作用について説明する。先ず反応容器(反応管1及びマニホ−ルド23)の下方側でウエハボ−ト17に被処理体である多数のウエハWを移載して棚状に保持し、ボ−トエレベ−タ12を上昇させてウエハボ−ト17を反応容器内に搬入する。このとき図3に示すように温度設定値はT1例えば600℃前後になっているが、ウエハボ−ト17の搬入後に温度設定値がT2例えば800℃に向かって大きくなる。
【0030】
ここで温度設定値と内部温度検出値Tiとの温度差(絶対値)Pと補間比率yとの関係については、例えば温度差Pが6℃よりも大きければ第1の出力値Aが100%用いられ、温度差Pが3℃〜6℃であれば例えば図4Aに示すテ−ブルに従って第1の出力値A及び第2の出力値Bが補間され、温度差Pが3℃よりも小さければ第2の出力値Bが100%用いられる。この場合図5に示すように内部温度検出値Tiが、温度差Pが6℃になる794℃(TA)に至るまでは、第1の出力値Aが100%制御信号として制御信号出力部62から出力されてヒ−タ3a、3b、3cの供給電力が制御される。
【0031】
第1の出力値Aによる制御は外部温度検出値を重視したいわば「外部温度制御」であるので、反応容器の内部温度は目標温度に近付くと昇温が緩やかになる。そして内部温度(内部温度検出値Ti)が794℃(TA)以上になると、昇温するにつれて第1の出力値Aの比率が徐々に小さくなり、第2の出力値Bの比率が増えてくる。第2の出力値Bによる制御は内部温度検出値を重視したカスケ−ド制御であるが、両者の補間制御領域の初めの頃はカスケ−ド制御の割合が小さいので、内部温度が目標温度に向かって急上昇しようとする傾向は小さい。しかし温度上昇に伴ってカスケ−ド制御の割合が大きくなるので、内部温度が目標温度に向かって急上昇しようとする傾向が徐々に大きくなっていき、797℃(TB)を越えると、カスケ−ド制御の割合が100%になるので、内部温度が目標温度に向かって急上昇しようとするが、この段階では内部温度が目標温度にかなり近付いているため、実質的なオ−バシュ−トが起こらず速やかに目標温度に安定する。そして内部温度が目標温度であるプロセス温度に安定した後、ガス供給管24から所定の処理ガス例えば成膜ガスが反応容器内に供給されると共に排気管25を介して図示しない真空ポンプにより所定の真空度に維持され、ウエハボ−ト17が駆動部13により回転しながらウエハWに対して熱処理例えば成膜処理が行われる。しかる後、温度設定値が小さくなって反応容器内が降温し、ボ−トエレベ−タ12が降下してウエハボ−ト17が搬出される。
【0032】
上述実施の形態によれば、外部温度検出値を重視した制御から内部温度検出値を重視したカスケ−ド制御にいきなり切り替えるのではなく、両者が温度制御に影響を与える混在した状態を作り出し、徐々にカスケ−ド制御に切り替えているので、切り替え時のショック(温度の乱れ)が抑えられ、速やかに目標温度に安定させることができ、スル−プットの向上を図ることができる。
【0033】
また従来のように切り替えのタイミングをいわは点で行うと、その1点の位置により昇温の状態が大きく左右されるので調整が難しいが、両温度制御方式が混在した状態を介在させることにより、例えば図4A、4Bに示すような切り替えパタ−ンを決めておけば昇温パタ−ンや目標温度が異なっても順応できるため、調整作業における負担が小さい。
【0034】
上述の例では、第1の出力値Aが100%の状態から第2の出力値Bが100%の状態に切り替えているが、初め第1の出力値Aに第2の出力値Bが補完的に(相対的に割合が小さく)補間されている一の制御方式を用い、次いで第2の出力値Bの補間比率が徐々に大きくなって、最後に第2の出力値Bに第1の出力値Aが補完的に(相対的に割合が小さく)補間されている他の制御方式に落ち着く場合も本発明の権利範囲に含まれる。また補間比率の変化については、図4A、4Bに示したパタ−ンに限らず例えば階段状に第2の出力値Bの補間比率を増やすようにしてもよい。なお本発明はバッチ式の熱処理装置に限らず枚葉式の熱処理装置に適用してもよい。
【0035】
(実施例)
ここでコンピュ−タを使ってシミュレ−ションした結果を図6に示しておく。この例は、反応容器の内部温度を室温から目標温度である400℃まで昇温させた場合の内部温度検出値と外部温度検出値とを示すものであり、温度差Pが10℃よりも大きければ第1の出力値Aが100%用いられ、温度差Pが2℃〜10℃であれば例えば図4Aに示すテ−ブルに従って第1の出力値A及び第2の出力値Bが補間され、温度差Pが2℃よりも小さければ第2の出力値Bが100%用いられるという条件設定がされている。
【0036】
また実際の縦型熱処理装置を使って反応容器の内部温度を昇温した結果を図7に示しておく。この例は、反応容器の内部温度を室温から目標温度である800℃付近まで昇温させた場合の内部温度検出値と外部温度検出値とを示すものであり、温度差Pが10℃よりも大きければ第1の出力値Aが100%用いられ、温度差Pが2℃〜10℃であれば例えば図4Aに示すテ−ブルに従って第1の出力値A及び第2の出力値Bが補間され、温度差Pが2℃よりも小さければ第2の出力値Bが100%用いられるという条件設定がされている。
【0037】
いずれの例からも内部温度がオ−バシュ−トをせずに速やかに目標温度に安定することが分かる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、反応容器内を目標温度に昇温するにあたって一の温度制御方式から他の温度制御方式に切り替えるときに両温度制御方式が制御温度に影響を与える補間制御領域を形成しているので温度制御方式の切り替え時のショック(温度の乱れ)が抑えられ、速やかに目標温度に安定させることができ、スル−プットの向上を図ることができる。更にまた切り替え時のショックが抑えられることから、従来のように切り替えのタイミングの最適なポイントを探す負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である縦型熱処理装置を示す縦断側面図である。
【図2】本発明の実施の形態で用いられる制御部を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態における温度設定値のパタ−ンと温度制御の手法とを対応付けて示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態で用いられる記憶部に記憶されたデ−タの一例を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態による方法で温度制御を行った場合の内部温度検出値と外部温度検出値との推移を示す説明図である。
【図6】本発明の効果を確認するためのシミュレ−ションの結果を示す説明図である。
【図7】本発明の効果を確認するための実験結果を示す説明図である。
【図8】従来の縦型熱処理装置における温度制御系の一例を示すブロック図である。
【図9】従来の縦型熱処理装置において制御手法により反応容器内の温度の推移が変わる様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1a 内管
1b 外管
1 反応管
11 蓋体
17 ウエハボ−ト
23 マニホ−ルド
24 ガス供給管
25 排気管
3(3a,3b,3c) ヒ−タ
32 スイッチ部
4(4a,4b,4c) 内部熱電対
5(5a,5b,5c) 外部熱電対
6(6a,6b,6c) 制御部
61 温度設定出力部
62 制御信号出力部
7A 第1の演算部
7B 第2の演算部

Claims (12)

  1. 被処理体が配置された反応容器内を、当該反応容器の外に設けた加熱部により加熱すると共に反応容器内に処理ガスを導入して熱処理を行う熱処理方法において、
    反応容器の内部の温度検出値である内部温度検出値Tiと反応容器の外部の温度検出値である外部温度検出値Toとを補間比率x(0≦x≦1)によりTi・x+To(1−x)で補間し、この補間値と前記反応容器内の温度設定値との偏差分に基づいて外部温度制御のための第1の出力値を得る工程と、
    前記内部温度検出値と反応容器内の温度設定値との偏差分を取り出して前段の調節部に入力し、更にこの調節部の出力と前記外部温度検出値との偏差分を取り出して後段の調節部に入力し、この調節部から第2の出力値を得る工程と、
    前記第1の出力値と第2の出力値とを線形補間してその補間値を加熱部の発熱量の制御信号として出力する工程と、を含むことを特徴とする熱処理方法。
  2. 被処理体が配置された反応容器を、当該反応容器の外に設けた加熱部により加熱すると供に反応容器内に処理ガスを導入して熱処理を行う熱処理方法において、
    昇温工程の初期において、反応容器の内部の温度検出値である内部温度検出値Tiと反応容器の外部の温度検出値である外部温度検出値Toとを補間比率x(0≦x≦1)によりTi・x+To(1−x)で補間し、この補間値と前記反応容器内の温度設定値との偏差分に基づいて得られる第1の出力値によって加熱部の発熱制御を行う段階と、
    昇温工程の終期において、前記内部温度検出値と反応容器内の温度設定値との偏差分を取り出して前段の調節部に入力し、更にこの調節部の出力と前記外部温度検出値との偏差分を取り出して後段の調節部に入力し、この調節部から得られる第2の出力値によって加熱部の発熱制御を行う段階と、
    前記第1の出力値によって加熱部の発熱制御を行う段階と、前記第2の出力値によって加熱部の発熱制御を行う段階との間に、第1の出力値と第2の出力値を補間して補間制御を行う段階と、を含むことを特徴とする熱処理方法。
  3. 前記第1の出力値と前記第2の出力値の補間は、内部温度検出値と反応容器内の温度設定値との温度差に対応する所定の補間比率を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理方法。
  4. 前記補間比率は、少なくとも一つの固定された値であることを特徴とする請求項3に記載の熱処理方法。
  5. 前記補間比率は、内部温度検出値と反応容器内の温度設定値との温度差に対応して変化することを特徴とする請求項3に記載の熱処理方法。
  6. 昇温工程の初期の段階では、前記第2の出力値の補間比率は0%であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理方法。
  7. 昇温工程の終期の段階では、前記第2の出力値の補間比率は100%であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理方法。
  8. 被処理体が配置された反応容器内を、当該反応容器の外に設けた加熱部により加熱すると供に反応容器内に処理ガスを導入して熱処理を行う熱処理装置において、
    反応容器の内部の温度検出値である内部温度検出値Tiと反応容器の外部の温度検出値である外部温度検出値Toとを補間比率x(0≦x≦1)によりTi・x+To(1−x)で補間し、この補間値と前記反応容器内の温度設定値との偏差分に基づいて外部温度制御のための第1の出力値を得る第1の演算部と、
    前記内部温度検出値と反応容器内の温度設定値との偏差分を取り出して前段の調節部に入力し、更にこの調節部の出力と前記外部温度検出値との偏差分を取り出して後段の調節部に入力し、この調節部から第2の出力値を得る第2の演算部と、
    前記第1の出力値と第2の出力値とを補間しその補間値を加熱部の発熱量の制御信号として出力する制御信号出力部と、を備えたことを特徴とする熱処理装置。
  9. 前記反応容器の内部温度が大きくなるにつれて前記制御信号出力部にお ける第2の出力値の補間比率が徐々に大きくなるように補間比率を調整するための補間比率調整部を更に備えたことを特徴とする請求項8記載の熱処理装置。
  10. 補間比率調整部は、反応容器の内部の温度検出値及び温度設定値の差と、補間比率との関係示すデータを記憶した手段を含むことを特徴とする請求項8または9に記載の熱処理装置。
  11. 補間比率調整部は、第2の出力値の補間比率が0%から徐々に大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載の熱処理装置。
  12. 補間比率調整部は、第2の出力値の補間比率が100%に向かって徐々に大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載の熱処理装置。
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