JP4891987B2 - 温度調整方法 - Google Patents

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Description

本発明は、温度調整方法に関するものである。
従来、半導体製造装置では、炉内の温度を適切な温度に維持し若しくは炉内を指定した温度変化に追従させる必要があるため、予め設定した目標温度の温度変化パターンに基づいて制御装置がヒータの制御を行っている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−183072号公報(第11―21頁、第1図)
従来技術であるPID演算による帰還制御を用いると、目標値(目標温度)と実測値との偏差が大きくなったことを認識した後で操作量を変化させるという後追い制御であるため、大きなオーバーシュートあるいはアンダーシュートが発生してしまい、その結果安定状態を得るまで多くの時間を要してしまう場合がある。そのため、熟練した作業者により、目標温度との誤差を少なくするための調整(PID演算のために予め設定するパラメータの調整)を繰り返し行うため、多くの調整時間や費用を要しており、作業効率の向上およびコストダウンの妨げとなっている。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、作業効率の向上およびコストダウンに寄与することのできる温度調整方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、基板を処理する処理室内を加熱する加熱手段と、該加熱手段を制御する加熱制御部と、前記処理室内の温度を検出する第一および第二の温度検出手段とを備え、前記第一の温度検出手段は前記第二の温度検出手段よりも前記基板に近い位置に配置され、前記第二の温度検出手段は前記第一の温度検出手段よりも前記加熱手段に近い位置に配置される熱処理装置における温度調整方法であって、
前記加熱制御部により、前記第一の温度検出手段による検出温度が第一の温度設定条件で積分演算、微分演算および比例演算を行って得られた第一の出力制御パターンに基づき制御する際の、前記第二の温度検出手段により検出される検出温度の昇温開始時から最大温度時までの間の熱量を求め、該熱量の中から前記比例演算による出力分を差し引いた熱量を用いて第二の出力制御パターンを求める工程と、
次回に温度制御する際の第二の温度設定条件が前記第一の温度設定条件のうち少なくとも一つの条件が異なる場合には、前記第二の出力制御パターンを用いて前記異なる条件の部分を修正する修正工程とを有する温度調整方法が提供される。
本発明によれば、作業効率の向上およびコストダウンに寄与することのできる温度調整方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本発明は、熱処理装置での温度制御における、加熱手段に入力する操作量を比例・積分・微分(PID)演算による帰還制御を用いて、当該加熱手段から出力される制御量を制御する制御方式の自動温度調整手順に関するものである。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態による熱処理装置について説明するための機能ブロック図、図2は同装置における反応管周辺の構成の詳細について説明するための図である。
《熱処理装置》
本実施の形態による熱処理装置は、処理炉91および主制御部7を備えてなる構成となっている。なお、図1では主制御部7について温度制御部71のみを抜き出して表示している。
《処理炉の構成》
処理炉91は、ヒータ(加熱手段)1、石英キャップ1a、ヒータ熱電対2、カスケード熱電対(温度検出手段)3、ボート4、反応管5、均熱管6、排気管8、ボートエレベータ9、ベース10、ガス供給管11、マスフローコントローラ(MFC)12、圧力調節器(APC)13、圧力センサ14、Oリング15、シールキャップ16、回転軸17、導入口18および排気口19を備えている。
主制御部7は、温度制御部(加熱制御部)71、ガス流量制御部72、圧力制御部73および駆動制御部74を備えている。
均熱管6は例えばSiC等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞され、下端に開口を有する円筒状に形成されている。例えば石英(SiO)等の耐熱性材料からなる反応容器(以下、反応管5)は、下端に開口を有する円筒状に形成され、均熱管6内に均熱管6と同心円状に配置されている。反応管5の下部には例えば石英からなるガス供給管11と排気管8が連結されていて、ガス供給管11と連結される導入口18は反応管5下部から、反応管5側部に添って例えば細管状に立ち上がり、天井部分で反応管5の内部に至る構成となっている。排気管8は、反応管5の排気口19に接続される。ガスはガス供給管11から反応管5の天井部を経て、反応管5の内部に流入し、反応管5下部に接続された排気管8から排気されるようになっている。
反応管5の導入口18には、ガス供給管11により、処理用のガスが反応管5内に供給されるようになっている。このガス供給管11はガスの流量制御手段としてのマスフローコントローラ(MFC)12若しくは不図示の水分発生器に連結されている。マスフローコントローラ12は、ガス流量制御部72に接続されており、供給するガス若しくは水蒸気(HO)の流量を所定の量に制御し得る構成となっている。
反応管5の排気口19からは、反応管5内を流れるガスが排出される。反応管5の排気口19には、圧力調節器(例えばAPC)13に連結されたガスの排気管8が接続されており、反応管5内の圧力を圧力検出手段(以下、圧力センサ14)により検出し、反応管5内の圧力を所定の圧力にするように圧力制御部73によりAPC13を制御する。
反応管5の下端開口部には、例えば石英からなる円盤状の保持体(以下、ベース10)が、Oリング15を介して気密シール可能に着脱自在にあり、ベース10は円盤状の蓋体(以下、シールキャップ16)の上に取り付けられている。又、シールキャップ16には、回転手段(以下、回転軸17)が連結されており、回転軸17により、保持体(以下、石英キャップ1a)及び基板保持手段(以下、ボート4)、ボート4上に保持されている基板(以下、ウエハ4a)を回転させる。また、シールキャップ16は昇降手段(以下、ボートエレベータ9)に連結されており、ボート4が昇降される構成となっている。回転軸17およびボートエレベータ9は、所定のスピードで駆動するように、駆動制御部74により制御される。
反応管5の外周には加熱手段(以下、ヒータ1)が同心円状に配置されている。ヒータ1は、反応管5内の温度を上位コントローラUcで設定された処理温度にするよう温度検出手段(以下、ヒータ熱電対2、カスケード熱電対3)により温度を検出し、温度制御部71により制御する。ここでヒータ熱電対2はヒータ1の温度を、カスケード熱電対3は均熱管6と反応管5の間の温度を検出する役割を有している。具体的には、ヒータ1は、炉内温度をより高精度に制御するために複数のゾーン(例えば、Uゾーン、CUゾーン、CLゾーン、Lゾーンなど)に分割されており、ヒータ1により構成される複数の加熱ゾーンからの温度検出値と温度設定値との偏差に基づいて、加熱ゾーン毎にヒータへのパワー制御信号が出力され、温度制御が行われる。なお、ヒータ熱電対2もカスケード熱電対3も、ヒータ1の複数のゾーンに対応するようにそれぞれのゾーンに応じた位置で検出するように複数の検出点を有する。
ここではカスケード熱電対3は反応管5とボート4の間に設置され、反応管5内の温度を検出することもできるような構成となっているが、カスケード熱電対3とヒータ熱電対2の配置は、ヒータ1とウエハ4aとの間にそれぞれ配置され、カスケード熱電対3はヒータ熱電対2よりウエハ4aにより近く配置され、ヒータ熱電対2は、カスケード熱電対3よりヒータ1側により近く配置されればよい。
《処理炉を用いた酸化、拡散処理方法の一例》
次に、処理炉91における酸化、拡散処理方法の一例を説明する。まず、ボートエレベータ9によりボート4を下降させる。ボート4は、複数枚のウエハ4aを保持する。次いで、ヒータ1により加熱しながら、反応管5内の温度を所定の温度にする。ガス供給管11に接続されたMFC12により予め反応管5内を不活性ガスで充填しておき、ボートエレベータ9により、ボート4を上昇させて反応管5内に移し、反応管5の内部温度を所定の処理温度に維持する。反応管5内を所定の圧力に保った後、回転軸17により、ボート4及びボート4上に保持されているウエハ4aを回転させる。同時にガス供給管11から処理用のガスを供給若しくは水分発生器から水蒸気を供給する。供給されたガスは、反応管5を下降し、ウエハ4aに対して均等に供給される。
酸化・拡散処理中の反応管5内では、排気管8を介して排気され、所定の圧力になるようAPC13により圧力が制御され、所定時間、酸化・拡散処理を行う。
このようにして酸化・拡散処理が終了すると、次のウエハ4aの酸化・拡散処理に移るべく、反応管5内のガスを不活性ガスで置換するとともに、圧力を常圧にし、その後、ボートエレベータ9によりボート4を下降させて、ボート4及び処理済のウエハ4aを反応管5から取り出す。反応管5から取り出されたボート4上の処理済のウエハ4aは、未処理のウエハ4aと交換され、再度前述同様にして反応管5内に上昇され、酸化・拡散処理が成される。
《温度制御部の説明)》
次に、図1に示す温度制御部71について説明する。なお、温度制御部71は、前述の加熱ゾーンごとに、ヒータ1、カスケード熱電対3、ヒータ熱電対2それぞれに応じて制御するが、以下の説明では、特別説明のない限り、そのうちの1つの加熱ゾーンに対しての説明であるものとする。
温度制御部71は切替え器20および22、減算器21および25、PID演算器23および26、PIDC演算器24およびPowerパターン出力器27から構成される。
切替え器20は設定される制御モードによって制御方式を選択切り替えするものである。具体的にはPID制御(後述)とPower制御(後述)等の選択切替えを行う。
減算器21は上位コントローラUcで設定される目標値Scから制御量(検出温度)Aを減算した結果を偏差Fとして算出し、切替え器22を経由してPID演算器23あるいはPIDC演算器24へ出力する。
切替え器22は設定される制御モードによって制御方式を選択切り替えするものである。具体的にはPIDC制御(後述)とPID制御との選択切替えを行う。
続いて、PID演算器23における処理(PID制御)について図3に基づいて説明する。
《PID演算器の説明》
図3に示すように、PID演算器23は、加算器30、積分演算器31、比例演算器32および微分演算器33とから構成される。積分演算器31は、偏差Fを入力とし、偏差Fを時間積分演算(I演算)した結果に予め設定されているパラメータKiを乗じた値を積分値Nとして出力するものである。ある特定の時間tにおける偏差FをF(t)、そのときの積分値NをN(t)で表すとすると、積分値Nは式(1)に従って求められる。なお、式(1)において、∫F(u)duの積分範囲は0からtの間である。
N(t) = Ki・∫F(u)du ・・・(1)
比例演算器32は、偏差Fを入力とし、予め設定されているパラメータKpを乗じた(P演算)値を比例値Oとして出力するものである。ある特定時間tにおける偏差FをF(t)、そのときの比例値OをO(t)で表すと、比例値Oは式(2)に従って求められる。
О(t) = Kp・F(t) ・・・(2)
微分演算器33は、偏差Fを入力とし、偏差Fを時間微分演算(D演算)した結果に予め設定されているパラメータKdを乗じた値を微分値Rとして出力するものである。ある特定の時間tにおける偏差FをF(t)、そのときの微分値RをR(t)で表すとすると、微分値Rは式(3)に従って求められる。
R(t) = Kd・dF(t)/dt ・・・(3)
加算器30は、積分値N、比例値Oおよび微分値Rを入力とし、これらの総和を算出して操作量Xを出力するものである。ある特定の時間tにおける偏差FをF(t)、そのときの操作量XをX(t)で表すとすると、前述した式(1)、式(2)、式(3)から操作量Xは式(4)に従って求められ、このようなPID演算器23における演算処理をPID演算と呼ぶ。なお、式(4)において、∫F(u)duの積分範囲は0からtの間である。
X(t) = Kp・F(t) + Ki・∫F(u)du + Kd・dF(t)/dt ・・・(4)
つまり図1、図2で示すように、主制御部7における温度制御部71に対して、上位コントローラUcからの目標値(目標温度)Scおよびカスケード熱電対3からの制御量(検出温度)Aが入力され、温度制御部71内の減算器21では目標値(目標温度)Scから制御量Aを減算した偏差Fが出力される。PID演算器23では、偏差Fを用いてPID演算が行われ、操作量Xが決定される。この操作量Xは目標値Xに変換され、この目標値X’とヒータ熱電対2からの制御量(検出温度)Bが減算器25に入力され、減算器25では目標値X’から制御量Bを減算した偏差Eが出力される。PID演算器26では偏差Eを用いてPID演算され、温度制御部71の出力として操作量Zが出力され、ヒータ1に入力される。そしてヒータ1から出力された制御量A、Bは再び温度制御部71に帰還される。このように温度制御部71から出力される操作量Zを、目標値Scと制御量Aとの偏差Fが零になるように時々刻々と変化させている。このような制御方式をPID制御と呼ぶ。
《PIDC演算器の説明》
続いて、PIDC演算器について図4に基づいて説明する。
図4に示すように、PIDC演算器24は、加算器40、積分演算器41、比例演算器42、微分演算器43、切替え器44、積分パターン出力器45、積分パターン出力器46から構成される。
切替え器44は、予め設定される制御切替え時間に基づいて選択切替えを行うものである。具体的には制御開始から予め設定された時間tのタイミングで、積分パターン出力器45か積分パターン出力器46+積分演算器41かの切替えを行う。
積分演算器41は偏差Fを入力とし、偏差Fを時間積分演算(I演算)した結果に予め設定されているパラメータKiを乗じた値を積分値Nとして出力するものである。ある特定の時間tにおける偏差FをF(t)、そのときの積分値NをN(t)で表すとすると、積分値Nは式(5)に従って求められる。なお、式(5)において、∫F(u)duの積分範囲は0からtの間である。
N(t) = Ki・∫F(u)du ・・・(5)
ここで、積分出力パターンとは、積分演算分の代わりに、予め積分演算分の出力値を過程に合わせて設定するものであり、積分パターン出力器45および46は、予め設定されている出力パターンに基づいて、積分パターン値Jを出力するものである。
図5は、積分出力パターンを例示する図である。上位コントローラUcでは、温度制御を行う際の複数のステップ(Step1〜Step4)毎に出力値C、レート(Rate)、時間timeを設定することができる。あるステップをIステップ目とすると、前ステップの出力値C(I−1)からレートRate(I)で出力値C(I)に向かって変化させ、出力値C(I)到達後は出力値はC(I)のまま出力を続ける。Iステップ開始後、時間time(I)経過時点で次ステップI+1ステップ目に移行する。ある特定の時間tにおける積分パターン値JをJ(t)とする。
加算器49は、積分パターン出力器46からの積分パターン値Jと積分演算器41からの積分値Nとを入力とし、これらの総和を算出し積分操作量Wを出力するものである。
つまり、ある特定時間tにおける偏差FをF(t)、そのときの積分操作量WをW(t)で表すと、切替え器44によって積分パターン出力器45と積分パターン出力器46+積分演算器41の切替えが行われるとき、積分操作量Wは式(6)に従って求められる。積分操作量Wは、積分パターン値(J(t))と積分演算値との和になっている。なお、式(6)において、∫F(u)duの積分範囲は0からtの間である。
W(t) = J(t) + Ki・∫F(u)du ・・・(6)
比例演算器42は偏差Fを入力とし、予め設定されているパラメータKpを乗じた(P演算)値を比例値Oとして出力するものである。ある特定時間tにおける偏差FをF(t)、そのときの比例値OをO(t)で表すと、比例値Oは式(7)に従って求められる。
О(t) = Kp・F(t) ・・・(7)
微分演算器43は、偏差Fを入力とし、偏差Fを時間微分演算(D演算)した結果に予め設定されているパラメータKdを乗じた値を微分値Rとして出力するものである。
ある特定の時間tにおける偏差FをF(t)、そのときの微分値RをR(t)で表すとすると、微分値Rは式(8)に従って求められる。
R(t) = Kd・dF(t)/dt ・・・(8)
加算器40は、積分操作量Wもしくは積分パターン値Jと比例値Oと微分値Rを入力とし、これらの総和を算出して操作量Xを出力するものである。ある特定の時間tにおける偏差FをF(t)、そのときの操作量XをX(t)で表すとすると、前述した式(6)、式(7)、式(8)から操作量Xは式(9a)もしくは式(9b)に従って求められ、これをPIDC演算と呼ぶ。
X(t) = W(t) + Kp・F(t) + Kd・dF(t)/dt ・・・(9a)
X(t) = J(t) + Kp・F(t) + Kd・dF(t)/dt ・・・(9b)
つまり図1で示すように、温度制御部71に対して、上位コントローラUcからの目標値Scおよびカスケード熱電対3からの制御量Aが入力されると、温度制御部71内の減算器21では目標値Scから制御量Aを減算した偏差Fが出力される。切替え器22によりPIDC演算器24に偏差Fが入力されたとき、PIDC演算器24では、偏差Fと予め設定された積分パターン積分値と比例微分演算器等を用いて、操作量Xが決定される。この操作量Xは目標値X’に変換され、この目標値X’とヒータ熱電対2からの制御量Bが減算器25に入力され、減算器25では目標値X’から制御量Bを減算した偏差Eが出力される。PID演算器26では偏差Eを用いてPID演算され、温度制御部71の出力として操作量Zが出力され、ヒータ1に入力される。そしてヒータ1から出力された制御量Aおよび制御量Bは、再び温度制御部71に帰還される。このように温度制御部71から出力される操作量Zを、目標値Scと制御量Aとの偏差Fが零になるように時々刻々と変化させている。このような制御方式をPIDC制御と呼ぶ。
《Powerパターン出力器の説明》
次に、Powerパターン出力器27について説明する。
ここで、Power(パワー)パターンとは、積分演算分、微分演算分、比例演算分を含む、ヒータ出力値の代わりに予め積分、微分、比例演算分を含むヒータ出力値を過程に合わせて設定するものであり、Powerパターン出力器27は、予め設定されたパターンに基づいて操作量Zを出力するものである。
具体的には、例えば図6に示すように、ある特定の時間t1はある一定の操作量Z1を出力し、t1経過後、ある特定の時間t2の間はある一定の操作量Z2を出力する。このとき、操作量Z1から操作量Z2に移行する際に予め設定された傾き(操作量/時間)によってランピングさせることも可能である。このように予め時間と操作量と傾きによって作られるパターンに基づいて操作量を決定し、出力する制御方式をPower制御と呼ぶ。
《温度調整方法》
図7は、本実施の形態による温度調整方法について説明するためのフローチャートである。ここでは、初期温度Sから目標温度S’にランプアップさせ安定工程に至るまでの場合について述べる。なお、ここでランプアップとは、立ち上げ(ramp−up)、すなわち昇温工程を意味する。
はじめにPID制御で前述の標準的なPIDパラメータ(Ki、Kp、Kd)を使用して、温度制御部71によってカスケード熱電対3による検出温度が所定の目標温度となるようヒータ1の温度制御を行い(第一の工程)、温度特性基本データ(カスケード熱電対3により検出される温度データ)を取得する(S11a)。
次に、図8に示すようにこの温度特性基本データに基づいて、ランプアップ開始からの(カスケード熱電対の測定する温度に基づく)温度調整評価時間A1[min]を決定し、また、カスケード熱電対3の示す温度の最大オーバーシュート時間(ランプアップ開始からオーバーシュートが最大になるまでの時間)a[min]、目標温度S’到達時間b[min]、目標温度S’安定時間c[min]、目標温度安定時の操作量d[%]を求める。また、温度調整評価時間A1内の各時点での操作量e(t)[%]、ヒータ熱電対2の示す温度f(t)[℃](図示せず)、カスケード熱電対3の示す温度g(t)[℃]を求める。
次に、カスケード熱電対3の示す温度(以下、カスケード温度ともいう)の温度調整評価時間A1中の総熱量B1[%*min]を求める。なお、式(10)において、∫e(t)dtの積分範囲は0からA1の間である。
B1 = ∫e(t)dt ・・・(10)
また温度調整評価時間A1中全域で目標温度S’の温度で安定していると仮定し、目標温度S’安定時の操作量dのみを出力したと仮定した場合の温度調整評価時間A1中の総熱量を安定熱量C1[%*min]とするとC1は以下の式(11)で求められる。
C1 = d*A1 ・・・(11)
式(10)および式(11)から求めたB1、C1を用いて、以下の式(12)で求められる熱量を昇温熱量D1[%*min]とする。
D1 = B1 − C1 ・・・(12)
ここで、昇温熱量について説明する。初期温度から所望の目標温度S’に昇温し始めてから安定するまでのPID演算によって求められた熱量には、目標温度S’で安定保持するために必要な熱量と、目標温度まで設定値に追従しつつ昇温するために必要な熱量の2種類の熱量が含まれている。
そこで、式(10)で求めた総熱量から目標温度に安定しているときの操作量を出力し続けたと仮定した場合の安定熱量を減算すれば、昇温するために必要な熱量、昇温熱量が得られる。
前述のように、昇温し始めてから目標温度までは、設定値に追従しつつ昇温するが、このとき昇温熱量が大きすぎると、目標温度を越えても昇温しつづけるオーバーシュートが発生してしまう。このオーバーシュートは温度制御上不必要な現象であり、極力無くす必要がある。ここで、総熱量のうち安定熱量ではなく、昇温熱量内にオーバーシュートの要因がひそんでいることとなり、この昇温熱量内にひそむオーバーシュート要因の熱量比率を反映させた出力パターンを用いることで、炉内を理想的な温度に素早く安定させることができることとなる。
次に図9の斜線部に示すように、評価開始から目標温度S’到達時間bから目標温度S’安定時間cの間オーバーシュートしたカスケード温度の総和を求める。これをオーバーシュート温度総和F’とするとF’は以下の式(13)で求められる。なお、式(13)において、∫g(t)dtの積分範囲はbからcの間である。
F’ = ∫g(t)dt − S’*(c−b) ・・・(13)
次に図10の斜線部に示すように評価開始から目標温度S’安定時間cの間の温度総和を求める。これを温度総和GとするとGは以下の式(14)で求められる。なお、式(14)において、∫g(t)dtの積分範囲は0からcの間である。
G = ∫g(t)dt − S*c ・・・(14)
次に、オーバーシュート温度比率H[百分率]を求める。これは、図10に示すような温度総和Gに対するオーバーシュート温度総和F’の割合である。よって以下の式(15)で求められる。

H = F’/G ・・・(15)
このオーバーシュート温度比率H分が、昇温熱量D1にひそむオーバーシュート要因の熱量の比率である。よって昇温熱量D1からオーバーシュート温度比率H分だけ削減することにより昇温熱量D1に反映させることで、オーバーシュートを抑制し、炉内を理想的な温度に素早く安定させることができる。オーバーシュート温度比率Hを削減後の昇温熱量をD1’とするとD1’は以下の式(16)で求められる。
D1’ = D1*(1−H) ・・・(16)
そして、上述のようにして求めたa、d、D1’を用いてPower出力パターン(第一の出力制御パターンに相当)を求め(第二の工程)、Power制御を行う(第三の工程)。すなわち、第一の工程におけるヒータの制御においてカスケード熱電対により検出される検出温度に基づき、ヒータを制御するための操作量をパターン化し第一の出力制御パターンを求め、当該第一の出力制御パターンに基づいてヒータの制御を行う。
Power出力パターンは図11に示すパターンを求める(S11b)。昇温ランプレート(℃/min)をhとすると図11中の各パラメータは以下の式(17)〜式(20)で求められる。なお、ここでのランプレートとは、温度変化の速度(傾き)を意味し、例えば100℃から200℃に5分間で昇温させたい時のランプレートは、(200℃−100℃)/5分=20℃/分となる。
E0 = (D1’/T1) + d ・・・(17)
E1 = d ・・・(18)
T1 = (S’− S)/h ・・・(19)
T2 = a − T1 ・・・(20)
ここで、E0は昇温熱量D1’を一定の出力量として、D1’を、初期温度Sから目標温度S’に到達させる時間T1の時間で割り、目標温度安定時の操作量d(%)を加えたもの(すなわち、T1のときの操作量)である。また、Sは初期温度を示す。
T1以降は、カスケード温度の最大温度に達する時間(最大オーバーシュート時間)a(min)に達するまでは目標温度安定時の操作量dしか出力しないようにする。
このPower出力パターンを用いることによってランプレートhに追従し、かつ素早く安定させることのできるヒータ熱電対2の示す温度波形を得ることができる。これをPower制御時温度特性データとして取得する(S12)。
続いて、Power制御時基本温度特性データのオーバーシュート量の判定を行い(S13)、予め設定されたオーバーシュート許容値よりオーバーシュート量が大きい場合(S13、Yes)、前述の式(13)〜(20)を用い、温度波形全体とオーバーシュートした部分との比率からPower出力パターンを修正し、オーバーシュートを軽減させるように調整を行う(S14)。そして、このようにして修正されたPower出力パターンにより再度Power制御し(第三の工程)、その制御時の温度特性データを取得する(S12)。
次に、オーバーシュート量が予め設定されたオーバーシュート許容値より大きくない場合(S13、No)、図12に示すように、第一の工程の際取得したPID制御時のカスケード熱電対に対する温度推移(温度波形)、第三の工程の際取得したPower制御時温度特性基本データからPower制御開始からの温度調整評価時間J1[min]を決定し、また、ヒータ熱電対2の示す最大温度時の時間j[min]、ヒータ熱電対2が示す温度が十分に安定した時間n[min]を求める。ここで、温度調整評価時間J1内の各時点でのPower制御時のヒータ熱電対2の示す温度(以下、ヒータ波形ともいう)をk(t)[℃]、カスケード熱電対3の示す温度をm(t)[℃]とする。
これらのデータから図12に示すようなPower制御時のヒータ熱電対2の示す温度k(t)の波形からP動作分を差し引いたヒータ波形L(t)を基に、図13に示すような積分出力パターンM(t)を求める(第四の工程)(S15)。
ここでヒータ熱電対2の示す温度k(t)の波形からP(比例)動作分引く理由は、k(t)はPID制御時にPID演算によって算出された出力を基にしてPower出力パターンを作成し、取得しているため、この波形はP(比例)出力、I(積分)出力、D(微分)出力の総和によるものである。
そのためP出力とD出力分を差し引けば所望の積分出力パターンM(t)が求められる。ここで、一般的に昇温時にはD出力は微小であるためD出力は無視できる。
次にP動作分を差し引いたヒータ波形L(t)からさらにk(0)・jを差し引いた、評価開始からヒータ波形k(t)が示すヒータ温度最大時点jまでの時間の熱量を求める。仮にQとする。なお、式(21)において、∫L(t)dtの積分範囲は0からjの間である。
Q = ∫L(t)dt−k(0)・j ・・・(21)
このQをヒータ温度最大時点jまでの時間で割ることで、評価開始からj時点までQと面積(熱量)が同じでヒータ温度が一定の値Mを求めることができる。
(底辺j、高さMの長方形の面積(熱量) = Qの面積(熱量))
M = Q/j ・・・(22)
このMを2倍すると、Qの面積(熱量)と等しい底辺j高さM*2の三角形を求めることができる。この三角形の高さと傾きとk(0)・jを用いることにより、ヒータ熱電対が示すP動作分を除いたヒータ熱電対の示す温度(以下、ヒータ熱電対温度ともいう)による熱量と同じ熱量となる適切な積分出力パターンである。
図13に示すように評価開始からPower制御時のヒータ熱電対の示すヒータ温度最大時点jの間をステップ1、Power制御時(ヒータ熱電対の示す)ヒータ温度最大時点jからPID制御時最大カスケード温度時間aの間をステップ2とする。
ステップ1温度は前述の三角形の高さと傾きを適用すれば、評価開始からPower制御時のヒータ熱電対の示すヒータ温度最大時点jまでの適切な積分出力パターンになる。すなわち、Power制御時のヒータ熱電対最大時点には、ヒータ加熱による昇温させるための出力、すなわち昇温熱量によるヒータ熱電対の検出する温度への影響がなくなる時点であり、この時点まで昇温させるよう積分出力パターンを作成するのが適切である。
ステップ2の終了時点であるPID制御時のカスケード熱電対の示す最大温度到達時点以降は、カスケード熱電対の検出する温度としては、ヒータ加熱の変動の影響等が無くなる。つまりこの時点でカスケード温度が目標温度S’に到達すれば、その後はオーバーシュートすることなく、目標温度S’で安定する。すなわち、カスケード熱電対の示す最大温度到達時点では、ヒータ加熱による昇温させるための出力、すなわち昇温熱量によるカスケード熱電対の検出する温度への影響がなくなる時点であり、この時点まで昇温させるよう積分出力パターンを作成するのが適切である。
よって積分出力パターンについてもPID制御時におけるカスケード熱電対の検出する温度が最大となる時点で安定時の出力になるようにパターン化すれば、ステップ2の適切な積分出力パターンであり、ステップ1目標温度Vからヒータ熱電対が十分に安定した時間nのヒータ温度k(n)へ線形でパターン化すれば良い。なお、PID制御時とせず、Power制御時におけるカスケード熱電対の検出温度が最大となるようにしてもよい。
図12および図13におけるパラメータであるL(t)[℃](P分差し引いたヒータ温度)、V[℃](図13におけるSTEP1目標温度)、T[℃/min](図13におけるSTEP1傾き)およびU[℃/min] (図13におけるSTEP2傾き)は以下の式(23)〜(26)で求められる。
L(t)[℃]
=(ヒータ波形 − P動作出力分)
= k(t)−[P定数Kp*(目標温度S’−POWER制御時のカスケード温度m(t))] ・・・(23)
式(21)および式(22)より
V[℃] = (∫L(t)dt/j)×2 ・・・(24)
T[℃/min] = (V−k(0))/j ・・・(25)
U[℃/min] = (k(n)−V)/(a−j) ・・・(26)
以上のような式から積分出力パターンを作成し、PIDC制御を行う(S15)。なお、式(24)において、∫L(t)dtの積分範囲は0からjの間である。
具体的には図13に示すようにステップ毎に初期値、目標値、レート、時間を設定しステップに沿って出力していくものである。
《オーバーシュート、アンダーシュートの改善調整》
さらに本実施の形態における熱処理装置は、前述の積分出力パターンでPIDC制御を実施してもオーバーシュート、アンダーシュートが大きい場合、あるいは加熱ゾーン間での偏差が大きく改善する必要がある場合にはこれらを調整する機能を備える。例えば、積分出力パターンを用いることによって、過剰な積分演算値は除外されるが、一方、その影響により、昇温するタイミングが遅くなり、比例演算値等が余計に大きくなってしまうことがある。そのため、これらを調整する必要がある場合が出てくる。
以下、オーバーシュート、アンダーシュートの改善調整について説明する。前述の通り、本発明の実施の形態では温度過渡期の積分出力をパターン化し、また温度安定期には積分出力量が安定時のそれとなるように積分出力パターンを作成し、積分演算出力に加えて温度調整している。ここで、温度安定期に、積分演算出力を用いているのは、予想不可能な外乱等の少々の温度変化による悪影響が昇温時に比べて比較的顕著になりやすいので、積分出力パターンのみでは対応できないのを積分演算出力をも用いることで対応するためである。
つまり、例えば図13に示す温度制御においては、ステップ3からは安定期であり、ステップ2とステップ3の切り替え時点で目標温度S’とカスケード熱電対の示す温度との偏差を0にすれば、その後温度は安定し、これが適切な調整になると考えられる。
よって、オーバーシュートあるいはアンダーシュートが発生した場合(S16、Yes)はステップ2とステップ3の切替え点(PID制御切替え時点)での目標温度S’とカスケード熱電対の示す温度との偏差から積分出力パターンを修正し、オーバーシュートあるいはアンダーシュートを軽減するよう調整する(S17a)。
図14に示すようにステップ2とステップ3の切替え点でのカスケード熱電対が示す温度と目標温度S’との偏差をpとすると、積分出力パターンは適切であるにも関わらず、オーバーシュート、アンダーシュートが発生するのは、過渡期におけるP出力の影響が大きいと考えられる。ステップ2とステップ3の切替え点での偏差pから算出されたP出力W1は、式(7)と同様に式(2)で求められる。
W1 = Kp・p ・・・(27)
つまりこのP出力W1分が余分な出力であり、ステップ1とステップ2の切替え点で偏差pとなって表れていると考えられる。
よってオーバーシュート、アンダーシュート改善は、積分出力パターンでこの余分なP出力W1を調整することによって実現できると考えられる。
ここで、温度過渡期はステップ1〜ステップ2であり、この調整量W1をステップ1目標温度Vから減算しステップ1傾きT、ステップ2傾きUを再算出することによって温度過渡期、つまりステップ1〜ステップ2の操作量を適切なものに調整することができる。つまりアンダーシュートしているなら温度過渡期の積分操作量を大きく、オーバーシュートしているなら温度過渡期の積分操作量を小さくすることで、ステップ2とステップ3の切替え点での目標温度S’とカスケード熱電対の示す温度との偏差を少なくでき、オーバーシュート、アンダーシュートを改善することができる。
調整量W1、積分出力初期温度k(0)、ステップ1目標温度V、ステップ1の時間j、ステップ2の時間(a−j)、ヒータ安定温度(ステップ3目標温度)k(n)とすると、調整後のステップ1目標温度V’、ステップ1ランプレートT’、ステップ2ランプレートU’は以下の式(28)〜式(30)で求められる。
V’ = V −W1 ・・・(28)
T’[℃/min] = (V’− k(0))/ j ・・・(29)
U’[℃/min] = (k(n) − V’)/(a − j) ・・・(30)
《ゾーン間偏差の改善調整》
図15に示すように温度調整が適切であっても加熱ゾーン毎に操作量を作成、調整しているため、目標温度安定まで早いゾーンと遅いゾーンが発生してしまい、これがゾーン間偏差となり場合によっては膜厚に影響を与えることがある。
そこで、ゾーン間偏差が予め設定された許容値より大きい場合(S18、Yes)、積分出力パターンを調整することによって目標温度安定が早いゾーンを遅いゾーンに合わせて遅くし、ゾーン間偏差を改善する(S19)。
ある目標温度安定が早いゾーン901と目標温度安定が遅いゾーン902との間の最大ゾーン間偏差最大時点での時間偏差dev_t[min]を求める。
これはゾーン間偏差最大時点でのゾーン902の温度B’を求め、ゾーン901が温度B’になった時点とゾーン間偏差最大時点との差分が時間偏差dev_tとして求められる。
次に図16で示すようにゾーン901の積分出力パターンの各ステップをdev_tだけ遅くすることによって目標温度安定をゾーン902に合わせて遅くする。
図16に示す各パラメータは以下の式(31)および式(32)で求められる。
ここでTは前述のステップ1の傾きT[℃/min]である。
a’ = a + dev_t ・・・(31)
k(0)’ = k(0) + T・dev_t ・・・(32)
以上のように、積分出力パターンを時間偏差dev_t分遅くすることによって目標温度安定が早いゾーンを遅くすることができる。
一方、ゾーン間偏差が予め設定された許容値より大きくはない場合(S18、No)、温度調整処理を終了する。
このように、本実施の形態による半導体の製造方法では、ヒータの操作量の少なくとも一部として上述の第二の出力制御パターンを用いた温度制御を行うことにより基板に対する熱処理を行う。
具体的には、上述の求めた積分出力パターンにより、上位コントローラUcにて、加熱ゾーン毎に積分出力パターンを複数のステップ毎に出力値、レート、時間を設定し、さらに切替え器44の切替えの時間を設定する。なお、切替え器44の切替えの時間は、昇温終了後安定時に移る時間(例えば図16のステップ2からステップ3へ移行する時間)に設定する。
設定後、PIDC演算器24及びPID演算器26等を用い、温度制御を実施し、基板を処理する。具体的には、温度制御部71は、昇温時(例えば図16のステップ1およびステップ2)は、目標値Sc(例えば図16のStep2目標温度k(n))に対し、カスケード熱電対3からの制御量Aを減算器21にて減算した偏差Fを、比例演算器42及び微分演算器43、積分パターン出力器45にて操作量Xを演算し、その後、操作量Xを目標値X’に変換し、ヒータ熱電対2からの制御量Bを減算器25にて減算し、偏差Eを出力する。その後、PID演算器26で、偏差Eを用いてPID演算し、温度制御部71の出力として操作量Zを出力しヒータ1を制御する。
そして、ヒータ1から出力された制御量A及びBは、再び、温度制御部71に帰還される。このようにして、操作量Zを目標値Scと制御量Aとの偏差Fが零になるように制御する。また、昇温終了後安定時(例えば図16のステップ3)には、昇温終了後、切替え器44により、切替えをし、目標値Scに対し、カスケード熱電対3からの制御量Aを減算器21にて減算した偏差Fを、比例演算器42及び微分演算器43、積分パターン出力器46、積分演算器41にて操作量Xを演算し、その後、操作量Xを目標値X’に変換し、ヒータ熱電対2からの制御量Bを減算器25にて減算し、偏差Eを出力する。その後、PID演算器26で、偏差Eを用いてPID演算し、温度制御部71の出力として操作量Zを出力しヒータを制御する。そして、ヒータ1から出力された制御量A及びBは、再び、温度制御部71に帰還される。このときも、操作量Zを目標値Scと制御量Aとの偏差Fが零になるように制御する。このような温度制御をしつつ、基板に対する熱処理を行う。
(第2の実施の形態)
ここまで述べてきた図7のフローチャートに示されている温度制御調整方法によって温度制御調整することにより、温度制御調整作業は、簡素化される。しかし、この温度制御調整方法を使用し、温度制御調整が完了していたとしても、その後、別の温度設定条件にて、基板の処理を行う必要が生じる場合が往々にしてある。この別の温度設定条件にて、温度制御調整作業をするうえでも図7のフローチャートに示されている温度制御調整方法によって、温度制御調整することが精度良く温度制御し、オーバーシュート量を抑制できる有効な方法ではあるものの、例えば、温度設定条件中、基板処理時の処理室内の処理温度(目標温度)のみが予め温度制御調整が完了している温度設定条件と異なる場合や、基板処理時の処理室内の処理温度(目標温度)へ昇温する際の昇温ランプレート(昇温レートともいう)のみが予め温度制御調整が完了している温度設定条件と異なる場合等、温度設定条件のうち一つないし二つの温度設定条件のみが予め温度制御調整が完了している温度設定条件と異なる場合には、前述の図7のフローチャートに示される温度制御調整方法の始めから実行するのでは、始めから温度制御調整方法を実行する分、時間を費やすこととなってしまい、必ずしも有効な方法であるとはいえない。
このような次回に求める温度設定条件のうち一つないし二つの温度設定条件のみが予め温度制御調整が完了している温度設定条件と異なる場合には、予め温度制御調整が完了している調整されたものに、異なる温度設定条件の部分を修正することで、次回に求める温度設定条件での温度制御調整を完了させることが、調整時間を短縮しつつ簡易的に近似な温度制御調整ができる有効な手段といえる。
具体的には、異なる温度設定条件の部分を修正する際には、前述の図7のフローチャートに示される温度制御調整方法では、積分出力パターンを求めることとなるが、昇温時において、この積分出力パターンは、積分演算器の代わりに出力するため、温度設定条件が異なる場合には、それに従って、積分出力パターンを修正することで次回に求める温度設定条件での温度制御調整を完了させる(第五の工程)。
(実施例1)
以下に、所望の温度から目標温度まで到達するまでの温度勾配すなわち昇温ランプレートのみを変更する場合を説明する。
昇温開始温度を200℃、目標温度を400℃とし、200℃から400℃に昇温ランプレートを50℃/minとして昇温する温度設定条件aを前述の図7のフローチャートに示される温度制御調整方法によって調整し図17に示すような積分出力パターンを求められていたとする。
昇温時のランプレートだけが異なる条件、すなわち昇温開始温度と目標温度とは同じ200℃、400℃とし、200℃から400℃までのランプレート20℃/minだけが異なる温度設定条件bで次回に温度制御したい場合、上記温度設定条件aで求めた積分出力パターンを利用して温度調整をする。
ここで、温度設定条件aにて求められた積分出力パターンをそのまま用いて温度設定条件bにて温度制御すると、200℃から400℃までの間では、積分出力パターンでの出力と微分演算による出力と比例演算による出力とにより操作される。このとき、微分演算による出力は、昇温時には、ほとんど出力されないので無視しても問題ないが、特に比例演算による出力は大きく影響される。このため、ランプレート20℃/minにて、比例演算による出力は制御しようとするため、温度設定条件aにて求めた積分出力パターンを含む制御方法のステップ2とステップ3との間すなわち温度設定条件aの場合の目標温度到達時点では、比例演算による出力が少ない分目標温度には到達しなくなる。また、温度設定条件aの場合の目標温度到達時点後は、積分出力パターンと微分演算による出力、比例演算による出力に加え、積分演算による出力を実行することになるため、比例演算による出力に加え、積分演算による出力により、目標温度を大きく上回るオーバーシュートが発生し、目標温度で安定化するまでの時間が増えてしまうとともに余計な温度をウエハに与えてしまうことになる。
つまり、温度設定条件bは温度設定条件aと比べてランプレートが小さくなったことにより温度過渡期が長くなってしまい、目標温度にて安定化するためのステップ2からステップ3への切替え時点を遅らせるよう調整する必要があると考えられる。
また積分出力パターンにおいても、昇温する際に昇温するのに最も寄与するのはステップ1の時間となるが、温度設定条件aにおいて調整したステップ1時間である為、温度設定条件bにおいてはステップ1時間が短く、操作量が不足していると考えられる。
そこで、図17に示すように、温度設定条件aと温度設定条件bのランプレートによる温度過渡期の時間のズレ(ランプレート変更による時間のズレ)から、ステップ1の時間を調整する。
温度設定条件aのランプレートをramp_a[℃/min]、温度設定条件bのランプレートをramp_b[℃/min]、温度設定条件a、b共通の昇温する温度偏差をtemp_diff[℃]とするとステップ1時間の調整時間time_tuning_1[min]は以下に記す式(33)で求められる。
time_tuning_1 = temp_diff * (ramp_a − ramp_b) / (ramp_a * ramp_b) ・・・ (33)
具体的には、以下のように求められる。
temp_diff = 400[℃] − 200[℃] = 200[℃]
time_tuning_1 = 200[℃] * (50[℃/min] − 20[℃/min]) / (20[℃/min] * 50[℃/min]) = 6[min]
以上の式によって求められた調整時間をステップ1の時間に加算する。温度設定条件aで調整した操作量パターンのステップ1時間をtime1_a、温度設定条件bで本発明の実施の形態を適用し調整した操作量パターンのステップ1時間をtime1_bとするとtime1_bは以下に記す式(34)で求められる。
time1_b = time1_a + time_tuning_1 ・・・(34)
具体的には、以下のように求められる。
time1_b = time1_a + 6[min]
以上の式から温度設定条件aで調整した操作量パターンを温度設定条件bで適用するにはステップ1時間を6[min]加算すれば良い。調整した操作量パターンの一例を図18に示す。
このようにランプレートの差異による操作量パターン調整を実施することによって、温度設定条件aとbのように近い温度設定条件の温度調整に要する時間を短縮することができる。
なお、ランプレートが小さくなる場合を例に挙げて説明したが、ランプレートが大きくなる場合も同様に修正することにより、適用可能である。
(実施例2)
次に昇温時の昇温後目標温度だけが異なる条件、例えば昇温開始温度から目標温度までのランプレートは同じ50℃/minとし、同じ昇温開始温度200℃からの目標温度350℃だけが異なる温度設定条件cで次回に温度制御したい場合も同様に、上記温度設定条件aで調整が終了した制御テーブルを利用して自動温度調整を実施する場合について説明する。
テーブルAを図19のような操作量パターン出力とする。また本実施例の温度設定条件を温度設定条件cとする。テーブルAを使用して温度設定条件cのレシピをランした場合、Step2、Step3切替時点ですでに目標温度に到達しており、大きくオーバーシュートすると考えられる。
これは、温度設定条件cは温度設定条件aと比べて目標温度が低くなったことにより温度過渡期が短くなり、その結果最速で安定する時点Step2とStep3切替時点が早くなった為である。
操作量についても温度過渡期であるStep1時間の操作量は温度設定条件aにおいて調整した操作量である為、温度設定条件bにおいてはステップ1時間が長く、操作量が過剰であると考えられる。
また安定期であるStep2、Step3の操作量は目標温度安定時のヒータ温度であるが、温度設定条件aにおける安定時ヒータ温度は温度設定条件cにおける安定時ヒータ温度に比べて温度設定条件cの目標温度が温度設定条件aに比べて低い為、操作量が過剰であると考えられる。
そこで、図20に示すような温度設定条件aと温度設定条件cの目標温度による温度過渡期のズレ(温度条件変更による時間のズレ)を基にStep1時間を調整する。
温度設定条件a、c共通のランプレートをramp[℃/min]、温度設定条件aの昇温する温度偏差をtemp_diff_a[℃]、温度設定条件cの昇温する温度偏差をtemp_diff_c[℃]とするとStep1時間の調整時間time_tuning_2[min]は下式(35)で求められる。
time_tuning_2 = (temp_diff_c − temp_diff_a) / ramp ・・・(35)
具体的には、
temp_diff_a = 400[℃] − 200[℃] = 200[℃]
temp_diff_c = 350[℃] − 200[℃] = 150[℃]
time_tuning_2 = (150[℃] − 200[℃]) / 50[℃/min] = −1[min]
以上の式によって求められた調整時間と調整操作量をStep1の操作量、時間に加算する。
温度設定条件aで調整した操作量パターンのStep1時間をtime1_a、温度設定条件cで本発明の実施の形態を適用し調整した操作量パターンのStep1時間をtime1_cとするとtime1_cは下式(36)で求められる。
time1_c = time1_a + time_tuning_2 ・・・(36)
具体的には、
time1_c = time1_a + (−1)[min]
次に、図21に示すような温度設定条件aと温度設定条件cの目標温度による操作量過不足分を調整する。温度設定条件aの昇温する温度偏差をtemp_diff_a[℃]、温度設定条件cの昇温する温度偏差をtemp_diff_c[℃]とするとStep1時間の調整操作量temp_tuning_2[℃]は下式(37)で求められる。
temp_tuning_2 = (temp_diff_c − temp_diff_a) ・・・(37)
具体的には、
temp_diff_a = 400[℃] − 200[℃] = 200[℃]
temp_diff_c = 350[℃] − 200[℃] = 150[℃]
temp_tuning_2 = (150[℃] − 200[℃]) = −50[℃]
以上の式によって求められた調整操作量をStep1の操作量に加算する。
温度設定条件aで調整した操作量パターンのStep1操作量をC1_a、温度設定条件cで本発明の実施の形態を適用し調整した操作量パターンのStep1操作量をC1_cとするとC1_cは下式(38)で求められる。
C1_c = C1_a + temp_tuning_2 ・・・(38)
具体的には、
C1_c = C1_a + (−50)[℃]
またStep2、3の操作量についてもStep1同様にtemp_tuning_2を調整する。
温度設定条件aで調整した操作量パターンのStep2操作量をC2_a、Step3操作量をC3_a、温度設定条件cで本発明の実施の形態を適用し調整した操作量パターンのStep2操作量をC2_c、Step3操作量をC3_cとするとC2_c、C3_cは下式(39)(40)で求められる。
C2_c = C2_a + temp_tuning_2 ・・・(39)
C3_c = C3_a + temp_tuning_2 ・・・(40)
図21に示すように温度過渡期の時間調整、及び目標温度変化による操作量調整を実施することで求められる操作量パターンを用いることで温度設定条件cに適用することができる。
このように目標温度の差異による操作量パターン調整を実施することによって、温度設定条件aとcのように近い温度設定条件の温度調整に要する時間を短縮することができる。
なお、ランプレートが小さくなる場合を例に挙げて説明したが、ランプレートが大きくなる場合も同様に修正することにより、適用可能である。
《実施の形態の効果》
上述した各実施の形態によれば、温度設定条件の変更、あるいは多くの温度設定条件の調整に対応して迅速かつ確実に温度調整作業を行う事ができ、時間、費用を削減することができる。
また、上述のような構成の温度制御方法を、数回繰り返し実行することにより最適な操作量に自動調整するようにしてもよい。この他、上述のような構成の温度制御方法を、プログラム化し計算機上に実装するようにしてもよいことは言うまでもない。
また、PID動作させた結果の出力量に基づき、出力制御パターンを作成し、その出力制御パターンにてヒータを出力制御した際のヒータ熱電対の検出する温度波形から、I動作分を求めるためにP動作分を差し引き(P動作分のみならず、D動作分も差し引いても良い。)、差し引いたヒータ熱電対の検出する温度波形により近い積分出力パターンをより早く効率的に求めることができれば良い。
なお、上述の各実施の形態では、本発明を縦型装置に対して適用した例を示したが、これに限られるものではなく、枚葉装置、横型装置としての熱処理装置に対しても適用可能であることは言うまでもない。
また、本発明の各実施の形態の手順は、自然現象である、実測温度、操作量、時間といったこれまで温度調整時に熟練者の経験と勘に頼っていた大部分をある所定の計算式によって求めることができ、早く確実に温度調整を行うことができ、時間、費用の削減をすることができる。
また、本発明の各実施の形態の手順をプログラム化し、温度コントローラなどにソフトウェアとして組み込むことによって、作業者の介入を必要とせず、適切な温度調整を行うことも可能である。
本発明の第1の実施の形態による熱処理装置について説明するための機能ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態による熱処理装置における反応管周辺の構成の詳細について説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態によるPID演算器23における処理(PID制御)について説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態によるPIDC演算器について説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態による積分出力パターンについて説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態によるPower制御について説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態による温度調整方法の手順について説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態による温度特性基本データに基づいて求めるパラメータについて説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態によるオーバーシュートしたカスケード温度の総和について説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態による評価開始から目標温度S’安定時間cの間の温度総和について説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態による操作量と時間との関係について説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態によるk(t)の波形からP動作分を差し引いたヒータ波形L(t)について説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態による積分出力パターンM(t)について説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態による積分出力パターンは適切である場合におけるオーバーシュートおよびアンダーシュートの発生について説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態によるゾーン間偏差について説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態によるゾーン間偏差がある場合における温度調整手順について説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態による実施例1の具体例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による実施例1の調整した積分出力パターンを示す図である。 本発明の第2の実施の形態による実施例2の具体例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による実施例2の調整した積分出力パターンを示す図である。 本発明の第2の実施の形態による実施例2の調整した積分出力パターンを示す図である。
符号の説明
1 ヒータ
2 ヒータ熱電対
3 カスケード熱電対
7 主制御部
71 温度制御部
91 処理炉

Claims (20)

  1. 基板を処理する処理室内を加熱する加熱手段と、
    該加熱手段を制御する加熱制御部と、
    前記処理室内の温度を検出する第一および第二の温度検出手段とを備え、
    前記第一の温度検出手段は前記第二の温度検出手段よりも前記基板に近い位置に配置され、
    前記第二の温度検出手段は前記第一の温度検出手段よりも前記加熱手段に近い位置に配置される熱処理装置における温度調整方法であって、
    前記加熱制御部により、前記第一の温度検出手段による検出温度が第一の温度設定条件で積分演算、微分演算および比例演算を行って得られた第一の出力制御パターンに基づき制御する際の、前記第二の温度検出手段により検出される検出温度の昇温開始時から最大温度時までの間の熱量を求め、該熱量の中から前記比例演算による出力分を差し引いた熱量を用いて第二の出力制御パターンを求める工程と、
    次回に温度制御する際の第二の温度設定条件が前記第一の温度設定条件のうち少なくとも一つの条件が異なる場合には、前記第二の出力制御パターンを用いて前記異なる条件の部分を修正する修正工程とを有する温度調整方法。
  2. 前記修正工程は、次回に温度制御する際の第二の温度設定条件が、前記第一の温度設定条件のうち一つないし二つの条件が異なる場合には、前記第二の出力制御パターンを用いて、前記異なる条件の部分を修正する工程である請求項1記載の温度調整方法。
  3. 前記異なる条件のうちの少なくとも1つの条件は、目標温度値である請求項2記載の温度調整方法。
  4. 前記異なる条件のうちの少なくとも1つの条件は、温度勾配値である請求項2記載の温度調整方法。
  5. 前記異なる条件のうちの少なくとも1つの条件が目標温度値である場合に、前記第一の温度設定条件における第一の目標温度値を、第二の目標温度値に修正するとともに前記第二の温度設定条件での第二の目標温度値に対応するよう前記第二の出力制御パターンの温度勾配を修正する修正工程である請求項2記載の温度調整方法。
  6. 前記異なる条件のうちの少なくとも1つの条件が温度勾配値である場合に、前記第一の温度設定条件における第一の温度勾配値を、第二の温度勾配値に修正する修正工程である請求項2記載の温度調整方法。
  7. 基板を処理する処理室内を加熱する加熱手段と、
    該加熱手段を制御する加熱制御部と、
    前記処理室内の温度を検出する第一および第二の温度検出手段とを備え、
    前記第一の温度検出手段は前記第二の温度検出手段よりも前記基板に近い位置に配置され、
    前記第二の温度検出手段は前記第一の温度検出手段よりも前記加熱手段に近い位置に配置される熱処理装置であって、
    前記加熱制御部は、前記第一の温度検出手段による検出温度が第一の温度設定条件で積分演算、微分演算および比例演算を行って得られた第一の出力制御パターンに基づき制御する際の、前記第二の温度検出手段により検出される検出温度の昇温開始時から最大温度時までの間の熱量を求め、該熱量の中から前記比例演算による出力分を差し引いた熱量を用いて第二の出力制御パターンを求め、
    次回に温度制御する際の第二の温度設定条件が前記第一の温度設定条件のうち少なくとも一つの条件が異なる場合には、前記第二の出力制御パターンを用いて前記異なる条件の部分を修正する熱処理装置。
  8. 前記加熱制御部は、次回に温度制御する際の第二の温度設定条件が、前記第一の温度設定条件のうち一つないし二つの条件が異なる場合には、前記第二の出力制御パターンを用いて、前記異なる条件の部分を修正する請求項7記載の熱処理装置。
  9. 前記異なる条件のうちの少なくとも1つの条件は、目標温度値である請求項8記載の熱処理装置。
  10. 前記異なる条件のうちの少なくとも1つの条件は、温度勾配値である請求項8記載の熱処理装置。
  11. 前記加熱制御部は、前記異なる条件のうちの少なくとも1つの条件が目標温度値である場合に、前記第一の温度設定条件における第一の目標温度値を、第二の目標温度値に修正するとともに前記第二の温度設定条件での第二の目標温度値に対応するよう前記第二の出力制御パターンの温度勾配を修正する請求項8記載の熱処理装置。
  12. 前記加熱制御部は、前記異なる条件のうちの少なくとも1つの条件が温度勾配値である場合に、前記第一の温度設定条件における第一の温度勾配値を、第二の温度勾配値に修正する請求項8記載の熱処理装置。
  13. 基板を処理する処理室内を加熱する加熱手段と、
    該加熱手段を制御する加熱制御部と、
    前記処理室内の温度を検出する第一および第二の温度検出手段とを備え、
    前記第一の温度検出手段は前記第二の温度検出手段よりも前記基板に近い位置に配置され、
    前記第二の温度検出手段は前記第一の温度検出手段よりも前記加熱手段に近い位置に配置される熱処理装置における半導体装置の製造方法であって、
    前記加熱制御部により、前記第一の温度検出手段による検出温度が第一の温度設定条件で積分演算、微分演算および比例演算を行って得られた第一の出力制御パターンに基つき制御する際の、前記第二の温度検出手段により検出される検出温度の昇温開始時から最大温度時までの間の熱量を求め、該熱量の中から前記比例演算による出力分を差し引いた熱量を用いて第二の出力制御パターンを求める工程と、
    次回に温度制御する際の第二の温度設定条件が前記第一の温度設定条件のうち少なくとも一つの条件が異なる場合には、前記第二の出力制御パターンを用いて前記異なる条件の部分を修正する修正工程と前記加熱制御部が前記修正された前記第二の出力制御パターンを用いて前記加熱手段を制御しつつ前記処理室内に搬入された基板を処理する工程とを有する半導体装置の製造方法。
  14. 前記修正工程は、次回に温度制御する際の第二の温度設定条件が、前記第一の温度設定条件のうちーつないし二つの条件が異なる場合には、前記第二の出力制御パターンを用いて、前記異なる条件の部分を修正する工程である請求項13の半導体装置の製造方法。
  15. 前記異なる条件のうちの少なくとも1つの条件は、目標温度値である請求項14の半導体装置の製造方法。
  16. 前記異なる条件のうちの少なくとも1つの条件は、温度勾配値である請求項14の半導体装置の製造方法。
  17. 前記異なる条件のうちの少なくとも1つの条件が目標温度値である場合に、前記第一の温度設定条件における第一の目標温度値を、第二の目標温度値に修正するとともに前記第二の温度設定条件での第二の目標温度値に対応するよう前記第二の出力制御パターンの温度勾配を修正する修正工程である請求項14の半導体装置の製造方法。
  18. 前記異なる条件のうちの少なくとも1つの条件が温度勾配値である場合に、前記第一の温度設定条件における第一の温度勾配値を、第二の温度勾配値に修正する修正工程である請求項14の半導体装置の製造方法。
  19. 請求項1記載の熱処理装置における温度調整方法を用いて処理する半導体装置の製造方法であって、前記加熱制御部が前記修正された前記第二の出力制御パターンを用いて前記加熱手段を制御しつつ前記処理室内に搬入された基板を処理する工程とを有する半導体装置の製造方法。
  20. 請求項2記載の熱処理装置における温度調整方法を用いて処理する半導体装置の製造方法であって、前記加熱制御部が前記修正された前記第二の出力制御パターンを用いて前記加熱手段を制御しつつ前記処理室内に搬入された基板を処理する工程とを有する半導体装置の製造方法。
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