JPH11305805A - プロセス制御方法及びそれを用いる電子デバイス製造方法 - Google Patents

プロセス制御方法及びそれを用いる電子デバイス製造方法

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JPH11305805A
JPH11305805A JP11393498A JP11393498A JPH11305805A JP H11305805 A JPH11305805 A JP H11305805A JP 11393498 A JP11393498 A JP 11393498A JP 11393498 A JP11393498 A JP 11393498A JP H11305805 A JPH11305805 A JP H11305805A
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JP11393498A
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Hideto Yamaguchi
英人 山口
Kazuo Tanaka
和夫 田中
Kenzo Urabe
健三 占部
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Kokusai Electric Corp
Original Assignee
Kokusai Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御対象から出力される制御量を迅速、且つ
正確に目標値へ追従させることができ、プロセスのスル
ープットを向上させることができるプロセス制御方法並
びに電子デバイス製造方法を得る。 【解決手段】 電子デバイス製造方法において、ボート
投入等の所定の外乱、又は炉内温度の上昇等の所定の目
標値の変動に対して、予め所定の制御パターンを定めて
おき、所定の外乱発生時、又は所定の目標値の変動時に
フィードバック制御から所定の制御パターンによるオー
プンループ制御に切替え、所定の外乱、又は所定の目標
値の変動が収まったときに、フィードバック制御に復帰
するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プロセス装置に
適用されるプロセス制御方法及び電子デバイス製造方法
に関し、特に、制御対象に入力される操作量をPID演
算等の所定の演算による帰還制御を用いて当該制御対象
から出力される制御量を制御するプロセス制御方法の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】プロセス制御装置の一例として、例えば
電気炉を有する半導体製造装置では、炉内の温度を適切
な温度に維持し、又は炉内を指定した温度変化に追従さ
せる必要があるため、予め設定した目標温度の温度変化
パターンに基づいてヒータの制御が行われる。この温度
制御は、ウェハに成膜処理等のプロセス処理を施す場合
のみならず、電気炉内にウェハを投入する場合において
も行われている。このような温度制御を行っている半導
体製造装置は、例えば図10や図11のようなものが知
られている。
【0003】図10に示した半導体製造装置は、底部に
ウェハ投入口1aを有する電気炉1と、ウェハを保持す
るボート2と、ボート2を電気炉1内へ投入あるいは引
き出しをおこなうボートローダ3と、電気炉1内の温度
を計測し出力する温度センサ4と、予め設定された目標
温度の温度変化パターンを出力する目標温度設定器5
と、温度センサ4からの出力と目標温度設定器5からの
出力が入力され、双方の値から後述するヒータ7が出力
すべきパワーを指示する制御装置6と、制御装置6の指
示出力に従って電気炉1を加熱するヒータ7とで構成さ
れている。
【0004】そして、ウェハ投入口1aよりウェハを保
持したボート2をボートローダ3の駆動によって電気炉
1内に投入し、あるいは電気炉1内より引き出す一方、
電気炉1内の温度を目標温度設定器5に予め設定された
目標温度に維持もしくは追従させるために、温度センサ
4によって電気炉1内の温度を感知し、そのデータに基
づいて制御装置6が所定の演算を行い、その演算結果に
従ってヒータ7を駆動して電気炉1の加熱を加減する構
成となっている。
【0005】また、図11に示した半導体製造装置は、
図10に示した半導体製造装置と同様の部分として、電
気炉1とボート2とボートローダ3と第1の温度センサ
4と目標温度設定器5と第1の制御装置6とヒータ7と
を備え、その他に電気炉1内の温度のうち、特に熱源で
あるヒータ7近傍の温度を計測し、出力する第2の温度
センサ8と、第2の温度センサ8からの出力と第1の制
御装置6からの出力を入力し、双方の値からヒータ7が
出力すべきパワーを指示する第2の制御装置9を備えて
構成されている。
【0006】そして、ウェハ投入口1aよりウェハを保
持したボート2をボートローダ3の駆動によって電気炉
1内に投入し、あるいは電気炉1内より引き出す一方、
電気炉1内の温度を目標温度設定器5に予め設定された
目標温度に維持もしくは追従させるために、第1の温度
センサ4によって電気炉1内の温度を感知し、そのデー
タに基づいて第1の制御装置6がある特定の演算を行
い、次に第2の温度センサ4によって熱源であるヒータ
7近傍の温度を感知し、そのデータと第1の制御装置6
の演算結果に基づいて第2の制御装置9がある特定の演
算を行い、その演算結果にしたがってヒータ7を駆動し
て電気炉1の加熱を加減する構成となっている。
【0007】また、図10または図11に示した半導体
製造装置の中の第1の制御装置6または第2の制御装置
9は、従来から図12に示されるような構成を有するも
のがよく用いられている。
【0008】図12に示す制御装置について詳細に説明
する。図12において、目標設定器10は、図10にお
ける目標温度設定器5に対応するものである。制御装置
11は図10における制御装置6に対応するものであ
る。制御対象12は、図10において電気炉1とボート
2とボートローダ3と温度センサ4とヒータ7に対応す
るものである。この場合、図12における入出力Aは、
図10における目標温度設定器5から出力され、制御装
置6に入力される目標温度の温度変化パターンを表すも
のであり、図12における入出力Bは、図10における
温度センサ4から出力され制御装置6に入力される、電
気炉1内を計測した温度を表すものであり、図12にお
ける入出力Gは、図10における制御装置6から出力さ
れてヒータ7に入力され、ヒータ7が出力すべきパワー
を指示するものである。入出力Aをここでは目標値、入
出力Bを制御量、入出力Gを操作量と呼ぶこととする。
【0009】また、制御装置11が図11における第1
の制御装置6に対応するときは、目標設定器10は図1
1における目標温度設定器5に対応するものであり、制
御対象12は、図11における電気炉1とボート2とボ
ートローダ3と第1の温度センサ4とヒータ7と第2の
温度センサ8と第2の制御装置9に対応するものであ
る。
【0010】また、制御装置11が図11における第2
の制御装置9に対応するときは、目標設定器10は図1
1における第1の温度センサ4と目標温度設定器5と第
1の制御装置6に対応するものであり、制御対象12
は、図11における電気炉1とボート2とボートローダ
3とヒータ7と第2の温度センサ8に対応するものであ
る。
【0011】そして、制御装置11は、減算器13と積
分演算器(図中は単に積分演算と記す)14と比例演算
器(図中は単に比例演算と記す)15と微分演算器(図
中は単に微分演算と記す)16と加算器17とから構成
されている。減算器13は、目標値Aと制御量Bを入力
し、目標値Aから制御量Bを減算した値を偏差Cとして
算出し、積分演算器14と比例演算器15と微分演算器
16へ出力するものである。
【0012】積分演算器14は、偏差Cを入力し、偏差
Cを時間積分演算(I演算)した結果に予め設定されて
いるパラメータKiを乗じた値を積分値Dとして出力す
るものである。ある特定の時間tにおける偏差CをC
(t)、そのときの積分値DをD(t)で表すと、積分
値Dは(1)式に従って求められる。なお、積分範囲は
0からtまでである。
【0013】
【数1】 D(t)=Ki・∫C(u)du (1)
【0014】比例演算器15は、偏差Cが入力され、予
め設定されているパラメータKpを乗じた(P演算)値
を比例値Eとして出力するものである。ある特定の時間
tにおける偏差CをC(t)、そのときの比例値EをE
(t)で表すとすると、比例値Eは(2)式に従って求
められる。
【0015】
【数2】 E(t)=Kp・C(t) (2)
【0016】微分演算器16は、偏差Cが入力され、偏
差Cを時間微分演算(D演算)した結果に予め設定され
ているパラメータKdを乗じた値を微分値Fとして出力
するものである。ある特定の時間tにおける偏差CをC
(t)、そのときの微分値FをF(t)で表すと、微分
値Fは(3)式に従って求められる。
【0017】
【数3】 F(t)=Kd・dC(t)/dt (3)
【0018】加算器17は、積分値Dと比例値Eと微分
値Fとが入力され、それらの総和を算出し操作量Gを出
力するものである。ある特定の時間tにおける偏差Cを
C(t)、そのときの操作量GをG(t)で表すとする
と、前述した(1)〜(3)式から、操作量Gは(4)
式に従って求められ、これをPID演算と呼ぶ。
【0019】
【数4】 G(t)=Kp・C(t)+ Ki・∫C(u)du+Kd・dC(t)/dt (4)
【0020】また、(4)式に従って偏差Cから操作量
Gを求める部分、すなわち積分演算器14と比例演算器
15と微分演算器16と加算器17とを総称してPID
調節器と呼ぶ。
【0021】つまり、図12に示すように、まず、目標
設定器10から制御装置11へ目標値Aが入力され、加
えて制御対象12からの制御量Bが制御装置11へ入力
され、制御装置11内の減算器13で目標値Aから制御
量Bを減算した偏差Cを出力する。積分演算器14およ
び比例演算器15および微分演算器16および加算器1
7では、偏差Cを用いてPID演算を行い、制御装置1
1の出力として操作量Gを制御対象12に出力する。こ
うして、制御対象12から制御装置11に入力された制
御量Bは、再び制御装置11へ帰還される。このように
制御装置11から出力される操作量Gは、目標値Aと制
御量Bとの偏差Cが零になるように、時々刻々変化す
る。
【0022】一方、図12で示したような構成を有する
制御装置を用いた、図10で示した構成の半導体製造装
置は、例えば、図13に示す温度制御手順でプロセス処
理を行っている。ここで、図13を用いて、半導体製造
装置で行われるプロセス処理の一例について説明する。
図13(a)は半導体製造装置で行われるプロセス処理
の一例のフローチャートを示し、図13(b)はそのと
きの電気炉内の温度の概略を示している。図13(b)
における符号S1〜S6は図13(a)において同一の
符号が付されている処理が行われている時刻を示す。
【0023】ステップS1は、電気炉1内の温度を比較
的低い温度T0 (例えば300°C〜600°C)に維
持および安定させる処理である。ステップS1では、ボ
ート2は、まだ電気炉1内へ投入されていない。ステッ
プS2は、ボートローダ3の駆動によってウェハを保持
しているボート2を電気炉1内に投入する処理である。
ウェハの温度は通常目標温度T0 より低いので、ボート
2を電気炉1内に投入した結果、炉内の温度は一時的に
目標温度T0 より低い温度になるが、制御装置6による
ヒータ制御が目標温度設定器5から出力される目標温度
0 と温度センサ4から出力される炉内温度との偏差を
零にするように働くために、電気炉1内の温度はいくら
かの時間を経て再び目標温度T0 に安定する。なお、図
13(b)で示す、ボート投入時刻t0 から再び目標温
度T0 に回復する時刻t1 はおよそ30分程度である。
【0024】ステップS3は、上述の目標温度T0 から
ウェハに成膜処理等のプロセス処理を施すための目標温
度T1 (例えば700°C〜1000°C)まで徐々に
電気炉1内の温度を上昇させる処理である。ステップS
4はウェハにプロセス処理を施すために電気炉1内の温
度を目標温度T1 に維持および安定させる処理である。
なお、このステップS4の処理時間は時刻t2 から時刻
3 までの数時間であるが、図13(b)では、その時
間的長さを一部省略して示している。ステップS5は、
ステップS3の処理とは逆に、目標温度T1 から再び比
較的低い目標温度T0 まで徐々に電気炉1内の温度を下
降させる処理である。
【0025】ステップS6は、プロセス処理が施された
ウェハを保持しているボート2をボートローダ3の駆動
によって電気炉1内から引き出す処理である。ステップ
S7は、半導体製造装置内のすべてのウェハにプロセス
処理が施されたかを判断する処理であり、もし、すべて
のウェハにプロセス処理が施されたと判断された場合は
一連の温度制御処理を終了し、もし、すべてのウェハに
プロセス処理が施されていないと判断された場合は、再
びステップS1に戻り手順を繰り返すようになってい
る。
【0026】ステップS1からステップS6までの処理
は、いずれも電気炉1内の温度が目標温度に対し予め定
められた許容温度範囲内にあり、且つ予め定められた時
間にわたってその状態が続くといった安定状態を得た
後、次の処理へ進むようになっている。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図12
に示すような構成を有する、従来の制御装置によるプロ
セス制御方法では、制御対象12内で比較的大きな外乱
が生じた場合、あるいは目標値Aの大きな変動が生じた
場合、制御量Bが目標値Aの値を維持できなくなるか、
あるいは制御量Bが目標値Aに追従する際に遅れが生
じ、その結果として制御量Bが目標値Aに対し所定の許
容範囲内を維持する安定状態を得るまでに多くの時間を
要してしまうという問題点がある。
【0028】例えば、図10に示した半導体製造装置に
おいて、図13に示した温度制御手順を行った場合、図
12に示すような構成を有する従来の制御装置を用いて
制御を行うと、特にボートを投入するステップS2にお
いて、大きな外乱が発生し、また、炉内の温度を上昇さ
せるステップS3において、目標値を大きく変動させる
と、電気炉1内の温度が目標温度に対して安定状態(す
なわち炉内温度が目標値に対して所定の温度許容範囲内
にあり、且つ予め定められた時間にわたって、その状態
が続くといった安定状態)を得るまでに多くの時間を必
要とし、半導体製造装置全体のスループットに大きな悪
影響を及ぼすこととなる。
【0029】ここで、ボートを投入するステップS2に
おける炉内温度のふるまいの一例を図14に示す。この
場合、図12に示した構成を有する制御装置では、偏差
Cが大きくなったことを認識した後、操作量Gを変化さ
せるという後追い制御を余儀なくされる一方、外乱が存
続している間にわたり積分演算器14はその偏差を蓄積
してしまうため、結果として、大きなオーバーシュート
あるいはアンダーシュートが発生してしまい、その結
果、安定状態を得るまで多くの時間を要してしまう。
【0030】しかし、これらボート投入や炉内温度の上
昇処理等においては、その外乱、目標値の変動により、
制御対象が受ける影響は経験的に把握されており、しか
もその発生時刻は、運転スケジュールにより既知であ
る。したがって、これらの対策においては、従来のよう
にクローズド(フィードバック)ループ制御によらず、
オープンループ制御で行うことができ、このような制御
において操作量を適当に形成すれば、オーバーシュート
およびアンダーシュートを軽減でき、フィードバック制
御に比べ、安定状態を得るまでの時間の短縮化を図るこ
とができる。
【0031】そこで、この発明の目的は、上述したよう
に、制御対象内で比較的大きな所定の外乱が生じる場
合、あるいは目標値が所定の変動をする場合に、安定状
態を得るまでに多くの時間を要してしまうという従来の
問題点を解決し、制御対象から出力される制御量を迅
速、且つ正確に目標値へ追従させることができ、プロセ
スのスループットを向上させることができるプロセス制
御方法並びに電子デバイス製造方法を提供することにあ
る。
【0032】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、この発明は、プロセス装置(実施の形態において
は半導体製造装置)における制御対象(実施の形態にお
ける一例では図11における電気炉1とボート2とボー
トローダ3と第1の温度センサ4とヒータ7と第2の温
度センサ8と第2の制御装置9)へ入力される操作量G
を変化させることにより、前記制御対象による制御量B
を変化させ、変化した制御量に基づいた演算を行って操
作量を制御し、前記制御量を目標値Aへ維持もしくは追
従させるプロセス制御方法において、所定の出力パター
ン(例えば図7、図9に示す)に基づく操作量を出力す
る手段(パターン発生器18)と、前記演算に従った操
作量と前記所定の出力パターンに基づく操作量とを選択
切替する選択切替手段(切替器19と切替制御器20又
は21)とを備え、前記演算に従った操作量と前記所定
の出力パターンに基づく操作量とを、適宜選択切替して
前記制御対象に入力するようにしたものである。
【0033】このような構成によれば、所定の外乱発生
時、および目標値の所定変動時は所定の出力パターンに
基づいて制御を行い、安定時、および予測不能な外乱発
生時には演算に従った制御を行うことができ、従って、
制御対象内で比較的大きな所定の外乱が生じる場合、あ
るいは目標値が比較的大きな所定の変動をする場合で
も、制御対象から出力される制御量を迅速、且つ正確に
目標値へ追従させることができる。なお、演算に従った
操作量と所定の出力パターンに基づく操作量との適宜選
択切替は、後述するように時間に基づいて行うようにし
ても良いし、あるいは、制御対象等の変化の検出に基づ
いて行うようにしても良い。
【0034】また、この発明において、前記選択切替手
段は、例えば図13のステップS2に示されるように、
所定の目標値の変動(例えば、炉内温度のT0 (300
〜600°C)からT1 (700〜1000°C)へ上
昇)、又は図14に示されるような所定の外乱(例えば
ボート投入による温度低下)が発生すると予定されてい
る時刻(t0 )に基づいて、前記制御対象へ入力される
操作量を、前記演算に従った操作量から前記所定の出力
パターンに基づく操作量へ切替えるものである(図2参
照)。
【0035】このような構成によれば、外乱発生、およ
び目標値の変動に対して速やかに、最適な制御を行うこ
とができる。
【0036】また、この発明において、前記選択切替手
段は、前記所定の出力パターンに基づく操作量の出力に
よって前記目標値の変動、又は所定の外乱に起因する目
標値と制御量との偏差が許容値(例えば、ε1=3°C
以内)まで軽減されると予定されている時刻(t1 )に
基づいて、前記制御対象へ入力される操作量を、前記所
定の出力パターンに基づく操作量から前記演算に従った
操作量へ切替えるものである(図2参照)。
【0037】このような構成によれば、安定状態におけ
る通常のフィードバック制御が可能となり、予測不能な
小さな外乱等に対して安定した制御を行うことができ
る。
【0038】また、この発明において、前記選択切替手
段は、前記制御量、又は前記目標値と制御量との偏差を
検出する手段(例えば図3、図5の切替制御器21)を
有し、前記制御量、又は前記目標値と制御量との偏差が
特定の条件に適合したときに、前記制御対象へ入力され
る操作量を、前記出力パターンに基づく操作量から前記
演算に従った操作量へ切替えるものである。
【0039】このような構成によれば、所定の外乱、目
標値の変動が収まったあと、フィードバック制御へ自動
的に復帰することができる。
【0040】また、この発明は、前記選択切替手段の切
替のための前記特定の条件として、図4のステップS1
4、S15に示されるように、制御量が目標値に対する
所定の許容値範囲(ε1 )内にあり、又は目標値と制御
量の偏差が所定の許容値範囲(ε1 )内にあり、かつ制
御量、又は目標値と制御量との偏差の時間的変化率が所
定の許容範囲(ε2 )内にあることを条件としている。
【0041】このような構成によれば、上述したと同
様、所定の外乱、目標値の変動が収まったあと、フィー
ドバック制御へ自動的に復帰することができる。
【0042】また、この発明において、前記演算は、比
例・積分・微分演算、又は比例・積分演算としたもので
ある。
【0043】このような構成によれば、微分演算制御が
過度特性を改善し、積分演算制御は定常特性を改善す
る。
【0044】また、この発明において、前記積分演算に
よる出力値は、前記選択切替手段により、所定の出力パ
ターンに基づく操作量(H2)から、演算に従った操作
量へ操作量(H1)を切り替えるときに、予め設定され
た所定の値となるよう初期化されているものである。
【0045】このような構成によれば、スムーズにフィ
ードバック制御に復帰させることができる。また、この
初期化値を加減することにより、所定の出力パターンに
対する、各制御機器、制御対象等のばらつきを容易に修
正することができる。
【0046】また、この発明において、前記予め設定さ
れた所定の値は、前記出力パターンに基づく操作量から
演算に従った操作量へ操作量を切り替えた後において、
制御量が目標値に対して安定したと見なせる時(例え
ば、前記特定の条件が満たされる時)の積分演算の出力
値である。
【0047】このような構成によれば、上述したように
スムーズにフィードバック制御に復帰させることができ
る。
【0048】また、この発明においては、上述したプロ
セス制御方法を電子デバイス製造方法に用いたものであ
る。
【0049】この発明の実施の形態は、この発明のプロ
セス制御方法を半導体製造装置に適用したものであり、
電子デバイスのための製造方法にも適用できることは明
白である。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を半
導体制御装置におけるプロセス制御方法に例をとり、図
面を用いて説明する。 実施の形態1.まず、この発明の実施の形態1における
プロセス制御方法を用いた制御装置の構成について図1
を使って説明する。図1は、実施の形態1の制御方法を
実施する制御装置を示すブロック図である。図1におい
て、図12と同様の部分については同一の記号を付して
説明する。
【0051】図1に示す目標設定器10と制御対象12
は、図12に示したものと同様であり、ここでの説明を
省略する。制御装置11Aは、図12に示した従来の制
御装置と同様な部分として、減算器13と積分演算器1
4と比例演算器15と微分演算器16と加算器17とを
備え、更に特徴部分として、パターン発生器(図中はパ
ターン発生と記す)18と切替制御器(図中は切替制御
と記す)20とを備えている。
【0052】次に、図1に示した制御装置11Aの各部
について具体的に説明する。図12に示した従来の制御
装置と同様な部分は説明を省略する。パターン発生器1
8は、予め設定された出力パターンを予め設定された時
刻に出力するものであり、出力パターンH2は、切替器
19の一方の入力端に入力されるようになっている。
【0053】ここで、「予め設定される出力パターン」
とは、制御対象12内で比較的大きな外乱が生じた場
合、あるいは目標値Aが大きくに変化した場合におい
て、もっとも速やかに制御量Bを目標値Aへ復帰維持さ
せるか、あるいは制御量Bを目標値Aに追従させること
ができる出力パターンを予め選択し入力したものであ
り、この実施の形態においては、比較的大きな外乱とし
て、図10や図11に示した電気炉1内にボート2を投
入した場合に発生する外乱を対象としている。また、目
標値Aが大きく変化する場合として、図13にステップ
S3で示したように、電気炉1内の温度を徐々に上昇
(あるいは下降)させるような場合を対象としている。
【0054】そして、パターン発生器18には、これら
の外乱及び目標値Aの大きな変化に対して、上述した条
件を満たす最適な出力パターンが、それぞれ実験的(あ
るいは経験的)に求められて設定される。この出力パタ
ーンの具体的形状例については、図6〜図9において後
述する。
【0055】なお、パターン発生器18に設定される出
力パターンは、そのパターンを形成するためのデータを
図示しないメモリ等に直接記憶させるようにしても良い
し、あるいは、選択した出力パターンを簡単な関数で近
似させ、その関数発生手段をソフトウエア等により構成
して出力させるようにしても良い。後者のように出力パ
ターンを関数近似させて出力するようにした場合は、パ
ターン発生器18の構成を簡素化することができる利点
がある。
【0056】また、上述した、パターン発生器18より
出力パターンが出力される「予め設定された時刻」と
は、制御対象12への外乱や目標値Aの急激な変化が発
生するであろうと予定されている時刻であり、この実施
の形態において、この時刻は、電気炉1内にボート2を
投入する投入開始時刻と、そのボート投入後、電気炉1
内の温度を上昇させて行く場合の上昇開始時刻であり、
これら投入開始時刻と上昇開始時刻とは、半導体製造装
置が運転され、一連の処理が開始されるときに、運転ス
ケジュールとして、予めプログラム的に設定されている
時刻である。
【0057】切替器19は、加算器17からのPID演
算に従って求められた仮の操作量H1とパターン発生器
18からの出力パターンH2のいずれかを、切替制御器
20からの制御出力Iにしたがって選択し、操作量Gと
して出力するものである。
【0058】切替制御器20は、制御出力Iを出力し切
替器19で行われる切替を制御するものである。
【0059】次に、実施の形態1の動作について、具体
的に説明する。制御装置11Aでは、目標設定器10か
ら入力された目標値Aと制御対象12から出力された制
御量Bが減算器13に入力され、偏差Cが算出される。
偏差Cは積分演算器14と比例演算器15と微分演算器
16と加算器17によって(4)式にしたがってPID
演算され、仮操作量H1が出力される。一方、パターン
発生器18からは、予め設定された上述の時刻であるボ
ート投入開始時刻(図6及び図7のt=0)、又は電気
炉の温度上昇開始時刻(図8及び図9のt=0(mi
n))に予め設定されたパターン出力H2が出力され
る。
【0060】仮の操作量H1とパターン出力H2が切替
器19に入力され、切替器19によって2つの入力のう
ちのいずれか一方が選択されて操作量Gが出力される。
この操作量Gは、制御装置11から出力され制御対象1
2に入力される。切替制御器20による切替器19の選
択の制御は、切替制御器20から出力される制御出力I
によって行われる。そして、切替制御器20から出力さ
れる制御出力Iは、例えば、図2に示される手順によっ
て出力され、切替器19にH1またはH2を選択させ
る。
【0061】ここで、図2に示される手順について説明
する。図2において、tは現在時刻、t0 は制御対象へ
の外乱や目標値の急激な変化が発生するであろうと予定
されている時刻(予定スケジュール時刻であり、図6等
のt=0に対応)である。t1 は、制御対象への外乱や
目標値の急激な変化が終了し、パターン発生器18から
の出力パターンに従った操作量を制御対象2に入力する
ことによって、外乱その他に起因する偏差のうちの大部
分が消去するであろうと予定されている時刻(図6等の
t=10min)であって、t0 <t1である。なお、
この時刻t1 は、この発明の実施の形態を用いることに
より、外乱発生から安定状態に達するまでに所要する時
間を実験的に求め、予定されている外乱等の発生時刻t
0 に加えたものである。
【0062】ステップS8は現在時刻tがt0 以後かど
うかを判定する処理であり、現在時刻tがt0 以後なら
ばステップS9へ進み、現在時刻tがt0 以前ならばス
テップS11へ進むようになっている。ステップS9
は、現在時刻tがt1 以前かどうかを判定する処理であ
り、現在時刻がt1 以前ならばステップS10へ進み、
現在時刻がt1 以後ならばステップS11へ進むように
なっている。ステップS10は、切替器19にH2側を
選択させる処理である。ステップS11は、切替器19
にH1側を選択させる処理である。すなわち、切替器1
9は時刻t0 から時刻t1 までH2側を選択し、それ以
外の時刻でH1側を選択するようになっている。なお、
切替制御器20での制御を正確にするため、図2に示し
た処理は微少時間(例えば1秒)毎に周期的に繰り返し
行われる。
【0063】実施の形態2.以下、この発明の実施の形
態2について説明する。実施の形態2は、この発明の制
御方法を実施の形態1とは異なる構成を有する制御装置
に適用した場合について説明するものである。図3は、
実施の形態2に係る制御装置の構成を示すブロック図で
ある。図1と同様の部分については同一の記号を付して
説明する。
【0064】図3に示す目標設定器10と制御対象12
は、図1に示したものと同様であり説明を省略する。制
御装置11Bは、図1に示した制御装置と同様な部分と
して、減算器13と積分演算器14と比例演算器15と
微分演算器16と加算器17とパターン発生器18と切
替器19とを備え、更に特徴部分として、第2の切替制
御器(図中は切替制御と記す)21を備えている。
【0065】次に、図3に示した制御装置11Bの各部
について具体的に説明する。図1に示した制御装置11
Aと同様な部分は説明を省略する。第2の切替制御器2
1は、減算器13からの偏差Cを入力し、偏差Cの状態
によって異なる制御出力Iを出力し、切替器19で行わ
れる切替を制御するものである。
【0066】以下、実施の形態2の動作について説明す
る。制御装置11Bでは、目標設定器10から入力され
た目標値Aと制御対象12から出力された制御量Bが減
算器13に入力され、偏差Cが算出される。偏差Cは、
積分演算器14と比例演算器15と微分演算器16と加
算器17によって(4)式にしたがってPID演算さ
れ、仮操作量H1が出力される。一方、パターン発生器
18からは、予め設定された時刻t0 に予め設定された
パターン出力H2が出力される。
【0067】仮操作量H1とパターン出力H2は切替器
19に入力され、切替器19によって2つのうちのいず
れか一方が選択され操作量Gが出力される。そして、操
作量Gは制御装置11から出力され、制御対象12に入
力される。切替器19の選択の制御は、偏差Cの状態に
よって変化する切替制御器21から出力される制御出力
Iによって行われる。切替制御器21から出力される制
御出力Iは、例えば図4に示す手順によって出力され、
切替器19にH1またH2を選択させる。
【0068】ここで図4に示す手順について説明する。
図2と同様にtは現在時刻、t0 は上述したと同様、制
御対象への外乱や目標値の急激な変化が発生するであろ
うと予定されている時刻である。ε1 は偏差Cに対する
許容幅であり、この実施の形態では、例えば3°Cと定
めている。ε2 は偏差Cの時間微分dC/dtに対する
許容幅であり、この実施の形態では、例えば1分当たり
3°Cと定めている。図4において、ステップS8、ス
テップS10、ステップS11は図2で説明した処理と
同様であるのでここでの説明を省略する。
【0069】ステップS12は切替器19の選択切替後
の誤動作を防ぐための処理であり、具体的にはフラグオ
ンが設定されているかどうかを判定する処理である。そ
してフラグオンならばステップS11へ進み、そうでな
ければステップS13へ進むようになっている。ステッ
プS13は切替器19が現在どちら側を選択しているか
どうかを判定する処理であり、H2側である場合はステ
ップS14に進み、H1側である場合はステップS10
に進むようになっている。
【0070】ステップS14は、偏差Cが許容幅ε1
内であるかどうか判定する処理であり、偏差Cが許容幅
ε1 以内である場合はステップ14に進む、偏差Cが許
容幅ε1 以内でない場合は、ステップ10に進むように
なっている。ステップS15は、偏差Cの時間微分dC
/dtが許容幅ε2 以内であるかどうか判定する処理で
あり、dC/dtが許容幅ε2 以内である場合は、ステ
ップS16に進み、dC/dtが許容幅ε2 以内でない
場合は、ステップS10に進むようになっている。
【0071】ステップS16は切替器19の選択切替後
の誤動作を防ぐための処理であり、具体的にはフラグオ
ンを設定する処理である。図4に示した一連の処理、と
くにステップS14とステップS15は、制御対象12
への比較的大きな外乱または目標値Aの急激な変化が終
了し、目標値Aが時刻によって変化しないような場合あ
るいは目標値Aが比較的緩やかに変化する場合に適用さ
れる。すなわちステップS13によって切替器19がH
2を選択した後、パターン発生器18からのパターン出
力によって偏差の大部分が消去され、制御量Bが目標値
Aにある程度近づき、且つその変化量がある程度小さい
場合のみ、再び切替器19がH1を選択するようになっ
ている。
【0072】そして、その後はフラグオンの設定のため
に切替器19が再びH2を選択することはない。なお、
切替制御器21での制御を正確にするため、図4に示し
た処理は微少時間(例えば1秒)毎に周期的に繰り返し
行わなければならない。
【0073】実施の形態3.以下、この発明の実施の形
態3について説明する。実施の形態3は、この発明の制
御方法を実施の形態1及び2とは異なる構成を有する制
御装置に適用した場合について説明するものである。図
5は、実施の形態3に係る制御装置の構成を示すブロッ
ク図である。図1または図3と同様の部分については同
一の記号を付して説明する。また、図5に示す目標設定
器10と制御対象12は、図1に示したものと同様であ
り説明を省略する。
【0074】制御装置11Cは、図3に示した制御装置
と同様な部分として、減算器13と比例演算器15と微
分演算器16と加算器17とパターン発生器18と切替
器19と切替制御器21とを備え、更に特徴部分とし
て、プリセット積分演算器22を備えている。
【0075】次に、図5に示した制御装置11Cの各部
について具体的に説明する。図1または図3に示した制
御装置と同様な部分は説明を省略する。プリセット積分
演算器22は、一方の入力端22aに偏差Cが入力さ
れ、(1)式にしたがって求めた積分値Dを出力する
が、他方の入力端22bに切替制御器21からの制御出
力Iが入力され、切替制御器21が切替器19における
入力端H2を選択してパターン発生器18からの出力を
制御対象12に出力している間は、その選択に連動して
積分値Dを予め設定されたプリセット値に再初期化さ
れ、切替器19の切替直後は、そのプリセット値を出力
するものである。
【0076】次に、実施の形態3の動作について説明す
る。図5に示した制御装置11Cでは、目標設定器10
から入力された目標値Aと制御対象12から出力された
制御量Bとが減算器13に入力され、偏差Cが算出され
る。偏差Cは、プリセット積分演算器22と比例演算器
15と微分演算器16と加算器17によって(4)式に
従ってPID演算され、仮操作量H1が出力される。あ
るいは切替制御器21からの制御出力Iによってプリセ
ット積分演算器22から予め定められたプリセット値が
出力されるため、そのプリセット値と比例値Eと微分値
Fの和が仮操作量H1として出力される。一方、パター
ン発生器18からは、予め設定された時刻t0 に予め設
定されたパターン出力H2が出力される。
【0077】仮の操作量H1とパターン出力H2は切替
器19に入力され、切替器19によって2つのうちの一
方が選択され操作量Gが出力される。そして、操作量G
は制御装置11Cから出力され、制御対象12に入力さ
れる。切替器19の選択の制御およびプリセット積分演
算器22のプリセット制御は、偏差Cの状態によって変
化する切替制御器21からの制御出力Iによって行われ
る。切替器19が入力端H1を選択している間、プリセ
ット積分演算器22は(1)式に従って積分演算を行
い、切替器19が入力端H2を選択している間、プリセ
ット積分演算器22は再初期化を行いプリセット値を出
力する。
【0078】プリセット積分演算器22で予め設定され
るプリセット値は、制御対象12内で生じる所定の外乱
あるいは目標値Aの所定の変化が終わった後、目標値A
が特定温度に維持される場合、制御量Bが目標値Aに復
帰し安定状態になったとき、定常偏差を取り除くため
に、制御装置11Cが出力していなければならない値、
すなわち定常時のプリセット積分演算器22の出力に対
応する値であり、図示しないメモリ等に記憶させた値で
ある。このプリセット値は、制御対象12に対して出力
パターンと同様、実験的に求められる。
【0079】ところで、実験的に求められた出力パター
ンを同種の制御対象に一般的に用いようとした場合は、
各制御対象について、ハード的なばらつきに起因する誤
差が生じる。そこで、このばらつきを解消するため、各
制御対象のばらつきに応じて、プリセット値を実験的に
求めて加減するように設定すれば、同じ出力パターンを
複数の同種の制御対象に用いる場合の修正を容易に行う
ことができ、出力パターンを同種の制御対象に用いるた
めの一般化が容易となる。なお、各制御対象のばらつき
に対するプリセット値の加減量は2〜3%以内に収ま
る。
【0080】そして、所定の外乱あるいは目標値Aの所
定の変化がほぼ終わると、切替器19は入力端H1を選
択しPID演算による帰還制御を行うが、その際プリセ
ット積分演算器22をその値にプリセットしておくと、
速やかに制御装置11Cの出力が定常安定時の出力に近
い値となり、その結果、速やかに制御量Bを目標値Aへ
復帰維持させることができる。
【0081】パターン発生器18からの出力パターン
は、パターン発生器18の簡素化を図るため、選択した
出力パターンを簡単な関数で近似できる。例えば、図4
に示した切替制御手順をおこなう切替制御器21を有す
る、図5に示した構成の制御装置を用い、図10に示し
た構成の半導体製造装置で行われる図13で示した温度
制御手順のうちのステップS2の処理で温度制御を行う
場合においては、パターン発生器18からの出力パター
ンに0次関数またはそれらの合成関数を用いるようにし
ても良い。
【0082】以上に説明した実施の形態における具体的
な動作結果を図6乃至図9において説明する。図6及び
図7は所定の外乱に対する動作結果を示すもので、図6
は炉内温度のふるまいを示す図、図7はそのときの操作
量(出力パターン形状)Gを電力パラメータとして示す
図である。図6において、T0 はステップS2の処理に
おいて維持すべき温度(例えば500°C)である。図
6と図7において、H1、H2は切替器19がH1側を
選択しているか、H2側を選択しているかを示してい
る。
【0083】図7に示すように、出力パターン形状(操
作量G)はボート投入前半においてL1(定数)を、ボ
ート投入後半においてL2(定数)を出力するようにな
っている。この場合L1は、定常時に比べて大きな値を
有する矩形状となっており、一方、L2は、定常時に比
べて小さく、L1の高さの5分の1程度定常時より負側
に突出する矩形状となっている。
【0084】そして、このとき、図6より明らかなよう
に、ボート投入後炉内温度がT0 (500°C)に復帰
し、且つ安定状態を得るまでの時間は、従来を示す図1
4(図6の点線に相当する)の場合が約30分であった
のに対し、この発明による場合は約15分となってお
り、およそ半分程度短くなっている。また、外乱によ
る、定常時からの下降の程度も、従来がTb(350°
C)であるのに対してこの発明の場合はTc(400°
C)となっており、さらに、オーバーシュート量でも、
従来がTa(550°C)であるのに対して、この発明
の場合はほとんどオーバーシュート量が認められないま
で大幅に改善されている。
【0085】また、図8及び図9は目標値の所定の変動
に対する動作結果を示すもので、図8は炉内温度のふる
まいを示す図、図9はそのときの操作量(出力パターン
形状)Gを電力パラメータとして示す図である。図8に
おいて、炉内温度目標値をT0 からT1 におよそ35分
の所要時間で変動させるとき、操作量である出力パター
ンは、図9の(a)のような形状が用いられる。
【0086】図9(a)の出力パターンはt=0におい
て、定数L1を4分ほど出力させた後(a1部)、直線
状に増加する形状出力(b1部)を30分程度出力さ
せ、その後、初期(t=0以前)の定常値より小さな操
作量L2を4分ほど出力させる(c1部)ような形状と
なっている。
【0087】この場合、炉内温度が目標値に達するま
で、従来ではおよそ60分必要であったところが、およ
そ45分程度に短縮され、またオーバーシュートの量も
若干低く抑えられていることが明らかである。
【0088】なお、上述した目標値の変動において使用
される出力パターンは、一例に過ぎず、例えば、図9
(b)に示すような出力パターンを用いることもでき
る。この場合の出力パターンは、定数L1に急峻に立ち
あげられ、その後曲線状に下降する形状部a2部と、そ
の後直線状に増加する部分b2と、その後、(a)の場
合と同様、初期の定常値より小さな操作量L2を約4分
ほど出力させる(c2)のような形状となっている。
【0089】以上は、この発明を半導体製造装置の温度
制御プロセスに適用した場合について説明したが、この
発明の制御方法の有用性は他のプロセス制御一般にも適
用できることは自明である。
【0090】
【発明の効果】以上に詳述したように、この発明によれ
ば、制御対象内で所定の外乱が生じた場合あるいは目標
値が所定の変動をした場合、速やかに制御量を目標値へ
復帰維持させるか、あるいは制御量を目標値に追従させ
ることができる出力パターンを予め設定し、所定の外乱
あるいは目標値の変動に対応する所定の時刻から、フィ
ードバック制御出力の代わりに操作量として出力し、さ
らに外乱及び目標値の変動に起因する偏差のうちの大部
分が消去したとき、再びフィードバック制御出力を操作
量として出力するようにしたため、制御対象から出力さ
れる制御量を迅速且つ正確に目標値へ変化させることが
でき、速やかに制御量を目標値へ復帰維持させるか、あ
るいは制御量を目標値に追従させることができ、プロセ
スのスループットを向上させることができるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示すブロック図であ
る。
【図2】切替制御器20で行われる切替制御手順を表す
フローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態2を示すブロック図であ
る。
【図4】切替制御器21で行われる切替制御手順を表す
フローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態3を示すブロック図であ
る。
【図6】この発明の実施の形態によるステップS2での
温度変化を表す図である。
【図7】この発明の実施の形態によるステップS2での
操作量の変化を表す図である。
【図8】この発明の実施の形態において、目標値の変動
による動作を示す図である。
【図9】目標値の変動に対する出力パターンを示す図で
ある。
【図10】半導体製造装置の第1の構成例を示す概略図
である。
【図11】半導体製造装置の第2の構成例を示す概略図
である。
【図12】従来技術を示すブロック図である。
【図13】半導体製造装置で行われる温度制御手順を表
すフローチャートである。
【図14】図13におけるステップS2での温度変化を
表す図である。
【符号の説明】
10 目標設定器 11A,11B,11C 制御装置 12 制御対象 13 減算器 14 積分演算(器) 15 比例演算(器) 16 微分演算(器) 17 加算器 18 パターン発生器 19 切替器 20 切替制御(器)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロセス装置における制御対象へ入力さ
    れる操作量を変化させることにより、前記制御対象によ
    る制御量を変化させ、変化した制御量に基づいた演算を
    行って操作量を制御し、前記制御量を目標値へ維持もし
    くは追従させるプロセス制御方法において、 所定の出力パターンに基づく操作量を出力する手段と、
    前記演算に従った操作量と前記所定の出力パターンに基
    づく操作量とを選択切替する選択切替手段とを備え、 前記演算に従った操作量と前記所定の出力パターンに基
    づく操作量とを、適宜選択切替して前記制御対象に入力
    するようにしたことを特徴とするプロセス制御方法。
  2. 【請求項2】 前記選択切替手段は、所定の目標値の変
    動、又は所定の外乱が発生すると予定されている時刻に
    基づいて、前記制御対象へ入力される操作量を、前記演
    算に従った操作量から前記所定の出力パターンに基づく
    操作量へ切替えることを特徴とする請求項1記載のプロ
    セス制御方法。
  3. 【請求項3】 前記選択切替手段は、前記所定の出力パ
    ターンに基づく操作量の出力によって前記目標値の変
    動、又は所定の外乱に起因する目標値と制御量との偏差
    が許容値まで軽減されると予定されている時刻に基づい
    て、前記制御対象へ入力される操作量を、前記所定の出
    力パターンに基づく操作量から前記演算に従った操作量
    へ切替えることを特徴とする請求項2記載のプロセス制
    御方法。
  4. 【請求項4】 前記選択切替手段は、前記制御量、又は
    前記目標値と制御量との偏差を検出する手段を有し、前
    記制御量、又は前記目標値と制御量との偏差が特定の条
    件に適合したときに、前記制御対象へ入力される操作量
    を、前記出力パターンに基づく操作量から前記演算に従
    った操作量へ切替えることを特徴とする請求項2記載の
    プロセス制御方法。
  5. 【請求項5】 前記特定の条件として、制御量が目標値
    に対する所定の許容値範囲内にあり、又は目標値と制御
    量の偏差が所定の許容値範囲内にあり、かつ制御量、又
    は目標値と制御量との偏差の時間的変化率が所定の許容
    範囲内にあることを条件とすることを特徴とする請求項
    4記載のプロセス制御方法。
  6. 【請求項6】 前記演算は、比例・積分・微分演算、又
    は比例・積分演算である請求項1乃至請求項5のいずれ
    かに記載のプロセス制御方法。
  7. 【請求項7】 前記積分演算出力値は、前記選択切替手
    段により、所定の出力パターンに基づく操作量から、演
    算に従った操作量へ操作量を切り替えるときに、予め設
    定された所定の値となるよう初期化されることを特徴と
    する請求項6記載のプロセス制御方法。
  8. 【請求項8】 前記予め設定された所定の値は、前記出
    力パターンに基づく操作量から演算に従った操作量へ操
    作量を切り替えた後、制御量が目標値に対して安定した
    と見なせる時の積分演算の出力値であることを特徴とす
    る請求項7記載のプロセス制御方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載
    のプロセス制御方法を用いる電子デバイス製造方法。
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