JP3120559B2 - ゲイン調整装置 - Google Patents

ゲイン調整装置

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JP3120559B2 JP12326892A JP12326892A JP3120559B2 JP 3120559 B2 JP3120559 B2 JP 3120559B2 JP 12326892 A JP12326892 A JP 12326892A JP 12326892 A JP12326892 A JP 12326892A JP 3120559 B2 JP3120559 B2 JP 3120559B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゲイン調整装置に係り、
特に、制御量と目標値との偏差とゲインとに基づいて制
御対象の操作量を制御するフィードバック制御装置に対
して前記ゲインを設定するゲイン調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フィードバック制御装置の一種であるP
ID制御装置において、人間がPIDゲインの調整に用
いている知識やノウハウを利用し、ファジィ推論を利用
してゲインの調整量を定め、ゲインの調整を自動的に行
うようにしたPID制御装置が知られている(一例とし
て、特開昭62-241006 号公報、特開平1-258003号公報等
参照)。これらのファジィ推論を利用したPID制御装
置では、ゲイン調整用の知識やノウハウを記述した多数
のルールから成るルールベースを予め記憶している。
【0003】PID制御装置によって制御される制御対
象には、制御状態を評価するための複数の特徴量が設定
されている。前記多数のルールの各々は人間がゲイン調
整に用いている知識やノウハウを用いて作成され、例え
ば特徴量として目標到達時間、オーバーシュート量、振
動減衰が設定されている場合に「IF 目標値到達時間
=遅い かつオーバーシュート量=大きい、かつ振動減
衰=悪い THENP(比例ゲイン)の値を大きく、I
(積分ゲイン)の値を大きく、D(微分ゲイン)の値を
大きくする」のように、評価する特徴量を全てつなげた
IF〜THEN〜形式の複合命題で記述される。また前
記PID制御装置は、例として図13の(A)乃至
(D)に示すように、検出された特徴量を評価して各ル
ールに対する適合度を求めるための前件部をメンバーシ
ップ関数の形で記憶している。また例として図14の
(A)乃至(C)に示すように、各ルールに対する適合
度に応じて各ルールが指示するゲイン調整量を重み付け
するための後件部をメンバーシップ関数の形で記憶して
いる。
【0004】実際にファジィ推論を利用してゲインの調
整量を設定する場合には、前記複数の特徴量を検出し、
例として図15に示すように、検出された特徴量の各ル
ールに対する適合度を前件部のメンバーシップ関数を用
いて求める。次に、後件部のメンバーシップ関数におい
て、各ルール毎に、各ルールが指示するゲイン調整量に
対応する三角形の頂部を各ルールに対する適合度で切っ
た図形を求め、各ルール毎に求めた前記図形を重ね合わ
せて重心を求め、ゲイン調整量を設定する。この処理
は、各ルールが指示するゲイン調整量を各ルールの適合
度に応じて重み付けして平均値を算出する処理に相当す
る。上記処理によって決定されたゲイン調整量は、人間
が操作量の調整に用いている知識やノウハウが反映され
たものとなるので、ファジィ推論を適用していないPI
D制御装置と比較して、人間の思考に合った適正なゲイ
ンの調整を行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記P
ID制御装置におけるゲイン調整量の設定は、前述のよ
うに評価する特徴量を全てつなげた複合命題でルールを
記述したルールベースを用いて行っており、前件部にお
ける評価の分割数(単一の特徴量に対する「やや大き
い」、「小さい」等の評価の数)をm、評価する特徴量
の数をnとすると、ルールの組合せ数がmのn乗という
膨大な数になる。例えば分割数を4、特徴量の数を5と
した場合にはルールの組合せ数が1000以上になる。
【0006】多数の評価項目を設定してゲイン調整量を
設定し、制御対象を制御する場合には、分割数及び特徴
量の数を多くして各評価項目を評価する必要があるが、
前記のように分割数及び特徴量の数を多くすると、上記
のようなゲイン調整量の設定方法ではルールの組合せ数
が膨大になり、ルールの構築自体が困難になる。このた
め従来のPID制御装置を多数の評価項目を設定する必
要がある制御対象の制御に適用することができなかっ
た。
【0007】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、人間の思考に合った適正なゲイン調整を行うことが
でき、多数の評価項目を設定する必要のある制御対象に
も適用可能なゲイン調整装置を得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
、請求項1に記載されたゲイン調整装置は、制御対象
の制御量と目標値との偏差及びゲインに基づいて前記制
御量が前記目標値に一致するように前記制御対象の操作
量を制御するフィードバック制御装置に対して、前記ゲ
インを設定するゲイン調整装置であって、推論に使用す
る前記制御対象に関する複数の特徴量を検出する特徴量
検出手段と、重要度が高い複数の特徴量が1つの組に含
まれる場合を許容して前記複数の特徴量を複数の組に分
けたときの、各組に対応する特徴量とゲイン調整量との
関係を表すルール群を記憶した第1の記憶手段と、前記
重要度が高い特徴量に対しては特徴量の大きさに拘らず
採用度が最大になるように、前記各組に対応する特徴量
の大きさとゲイン調整量の採用度との関係を記憶した第
2の記憶手段と、前記検出された特徴量と前記ルール群
とに基づいて各組毎のゲイン調整量を推論すると共に、
特徴量の大きさに応じて各組毎の前記ゲイン調整量の採
用度を求め、該ゲイン調整量の推論結果と採用度とから
採用度を重みとしたゲイン調整量の推論結果の重み付き
平均値を演算して前記フィードバック制御装置に設定す
るゲインの調整量を定める推論手段と、を有している。
上記ゲイン調整装置においては、重要度が高い特徴量と
してオーバシュート量または振動減衰を用いることがで
きる。また、重要度が高い特徴量としてオーバシュート
量及び振動減衰を用いてもよい。 請求項4に記載された
ゲイン調整装置は、制御対象の制御量と目標値との偏差
及びゲインに基づいて前記制御量が前記目標値に一致す
るように前記制御対象の操作量を制御するフィードバッ
ク制御装置に対して、前記ゲインを設定するゲイン調整
装置であって、推論に使用する前記制御対象に関する複
数の特徴量を検出する特徴量検出手段と、1つの組に1
つの特徴量が含まれるように前記複数の特徴量を複数の
組に分けたときの、各組に対応する特徴量とゲイン調整
量との関係を表すルール群を記憶した第1の記憶手段
と、前記各組に対応する特徴量の大きさとゲイン調整量
の採用度との関係を記憶した第2の記憶手段と、前記検
出された特徴量と前記ルール群とに基づいて各組毎のゲ
イン調整量を推論すると共に、特徴量の大きさに応じて
各組毎の前記ゲイン調整量の採用度を求め、該ゲイン調
整量の推論結果と採用度とから採用度を重みとしたゲイ
ン調整量の推論結果の重み付き平均値を演算して前記フ
ィードバック制御装置に設定するゲインの調整量を定め
る推論手段と、を有している。
【0009】
【作用】本発明において、ルール群は複数の特徴量を複
数の組に分けたときの各組に対応する特徴量とゲイン調
整量との関係を表すように構成している。例えば分割数
を4、特徴量の数を4とした場合、従来は各ルールが4
つの特徴量をつなげた複合命題となり、ルールの数は4
4=256になるが、本発明に従って4つの特徴量を例
えば2つの組に分けてルール群を構成した場合には、各
ルールは2つの特徴量をつなげた複合命題となるので、
ルールの数は42 +42 =32で済む。さらに4つの組
に分けてルール群を構成した場合には、各ルールが単一
命題となり、ルールの数は4×4=16になる。従っ
て、ルールの数を削減することができるので、ルール群
の構築、調整が容易になり、特に多数の評価項目を設定
する必要のある制御対象に適用した場合に、従来よりも
ルールの数を大幅に減少させることができ、ルールベー
スの構築、調整を容易に行うことができる。このよう
に、特に多数の評価項目を設定する必要のある制御対象
を制御するフィードバック制御装置に容易に適用するこ
とができる。
【0010】また、ルールベースの各ルール群を、人間
がゲイン調整に用いている知識やノウハウを用いて作成
することができるので、本発明のゲイン調整装置で定め
るゲインの調整量を人間の知識やノウハウが反映された
ものとすることができ、従来と同様に人間の思考に合っ
た適正なゲイン調整を行うことができる。
【0011】また、各組毎の特徴量の大きさとゲイン調
整量の採用度との関係を記憶しておき、特徴量の大きさ
に応じて各組毎のゲイン調整量の採用度を求め、ゲイン
調整量の推論結果と採用度とから採用度を重みとしたゲ
イン調整量の推論結果の重み付き平均値を求めるように
したので、採用度によって各推論結果の重要度を変更す
ることができる。これは人間により調整を行う場合に、
要求を満たしていない評価項目に特に注目し、要求を満
足している評価項目には余り注目しないことに相当す
る。従って、特徴量を評価項目に対応するように組に分
け、特定の評価項目の要求を満たしていないときに、該
評価項目に対応する組の推論結果の重要度すなわち採用
度が高くなるように、特徴量の変化に応じて採用度を変
更することによって、より人間の思考に合った適正なゲ
イン調整を行うことができる。
【0012】なお、本発明のゲイン調整装置はPID制
御を行うフィードバック制御装置に適用することが好ま
しいが、PID制御以外の制御を行うフィードバック制
御装置に適用してもよい。また、前記組の数は複数であ
ればよい。但し、各組毎のルールの数は、評価の分割数
をm、各組に対応する特徴量の数をpとするとmp とな
る。このため、ルール数を少なくしてルール群の構築、
調整を容易にするためには、複数の特徴量をできるだけ
多くの組に分けることが好ましい。特に、特徴量の数と
前記組の数を同数とした場合には、ルール群の各ルール
が前述のように単一命題となるので、推論手段による推
論が容易になる。
【0013】
【実施例】〔第1実施例〕 以下、図面を参照して本発明の第1実施例を詳細に説明
する。図1には本実施例に係るフィードバック制御装置
10が示されている。
【0014】フィードバック制御装置10はPID演算
部12を備えている。PID演算部12は制御対象14
に対してP(比例ゲイン)、I(積分ゲイン)、D(微
分ゲイン)から成る所定の操作量を加える。所定の操作
量を加えた結果は制御対象14の制御量に現れる。PI
D演算部12には制御量と目標値との偏差が入力され、
入力された偏差に応じて前記操作量を変更する周知のP
ID制御を行う。また、PID演算部12には本発明の
ゲイン調整装置に対応するオートチューニング部16が
接続されている。PID演算部12にはオートチューニ
ング部16からP、I、D毎のゲインの調整量が設定さ
れ、設定されたゲインの調整量に基づいて前記P、I、
Dの各ゲインを調整する。
【0015】オートチューニング部16はマイクロコン
ピュータ等から構成される。オートチューニング部16
は特徴量検出部18を備えている。特徴量検出部18に
は、制御対象14に加えられた操作量、制御対象14の
制御量、前記目標値及び前記偏差が入力される。特徴量
検出部18は入力された情報から12個の特徴量を検出
する。検出する特徴量は「目標値到達時間と指定値との
偏差」、「オーバーシュート量」、「振動減衰」、「オ
ーバシュート収束時間」、「整定時の操作変動」、「目
標値到達前の制御量変動」、「TP(95%到達時間÷60
%到達時間)」、「外乱が入った場合の制御量変動」、
「外乱が入った場合の制御量変動の回復時間」、「自励
振動」、「制御量の振動」、「操作量の振動」である。
特徴量検出部18にはファジィ推論部20が接続されて
おり、検出した特徴量をファジィ推論部20へ出力す
る。ファジィ推論部20には調整用ルールベースを記憶
した記憶手段22が接続されている。記憶手段22は、
例えば不揮発性のメモリ等で構成されている。
【0016】本実施例では制御対象14の制御状態を評
価するために、後述する11個の評価項目が設定されて
おり、12個の特徴量は前記評価項目に対応する11個
の組に分けられている。本実施例では、特定の評価項目
に対応する特徴量とゲイン調整量との関係を表すルール
群が11個の評価項目の各々に対応して設けられて前記
調整用ルールベースが構成されている。各ルール群は人
間がゲインの調整に用いている知識やノウハウが反映さ
れたものとなっている。以下、本第1実施例における評
価項目と該評価項目に対応するルール群を示す。
【0017】評価項目1:目標値到達時間と指定値との
偏差は小さいか。 ルール群1:目標値到達時間を指定値に維持するように
ゲイン調整を行う。 IF 目標値到達時間が十分速い THEN ゲイン調整を行わない。 IF 目標値到達時間が少し遅い THEN 比例ゲインを1%大きくする。 積分ゲインを2%大きくする。 微分ゲインを1%大きくする。 IF 目標値到達時間が遅い THEN 比例ゲインを35%大きくする。 積分ゲインを35%大きくする。 微分ゲインを35%大きくする。 IF 目標値到達時間が非常に遅い THEN 比例ゲインを50%大きくする。 積分ゲインを50%大きくする。 微分ゲインを50%大きくする。
【0018】評価項目2:オーバーシュート量が小さ
く、振動減衰が良いか。 ルール群2:オーバーシュート量が小さく、かつ振動減
衰を良くするようにゲイン調整を行う。評価項目2は制
御の安定化を目的としており、関係する特徴量は「オー
バーシュート量」と「振動減衰」の2つである。ルール
群の各ルールの構成を次の表1乃至表3に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】評価項目3:オーバーシュート収束時間T
0は短いか。 ルール群3:オーバーシュート量が小さくても制御偏差
がいつまでも残っていると好ましくないので、オーバー
シュート収束時間T0を短くするようにゲイン調整を行
う。 IF T0が十分短い THEN ゲイン調整を行わない。 IF T0が少し長い THEN 微分ゲインを5%小さくする。 IF T0が長い THEN 微分ゲインを10%小さくする。 IF T0が非常に長い THEN 微分ゲインを20%小さくする。
【0023】評価項目4:整定時の操作変動は小さい
か。 ルール群4:制御量が安定している場合(整定時)であ
っても、操作量がノイズ等によって変動することがある
ので、整定時の操作量変動を小さくするようにゲイン調
整を行う。 IF 整定時操作量変動が十分小さい THEN ゲイン調整を行わない。 IF 整定時操作量変動が少し大きい THEN 比例ゲイン調整を行わない。 積分ゲイン調整を行わない。 微分ゲインを7%小さくする。 IF 整定時操作量変動が大きい THEN 比例ゲインを2%小さくする。 積分ゲインを2%小さくする。 微分ゲインを15%小さくする。 IF 整定時操作量変動が THEN 比例ゲインを4%小さくする。 非常に大きい 積分ゲインを4%小さくする。 微分ゲインを30%小さくする。
【0024】評価項目5:目標値到達前の制御量変動は
ないか。 ルール群5:比例ゲインの値が大きいと制御量が目標値
に到達する前に逆戻りする場合があるので、この現象が
起こった場合に制御量が逆戻りしないようにゲイン調整
を行う。 IF 目標値到達前の制御量変動が THEN ゲイン調整を行わない。 ない IF 目標値到達前の制御量変動が THEN 比例ゲインを15%小さくする。 少し大きい 積分ゲインを1%大きくする。 微分ゲインを3%小さくする。 IF 目標値到達前の制御量変動が THEN 比例ゲインを30%小さくする。 大きい 積分ゲインを2%大きくする。 微分ゲインを5%小さくする。 IF 目標値到達前の制御量変動が THEN 比例ゲインを40%小さくする。 非常に大きい 積分ゲインを5%大きくする。 微分ゲインを10%小さくする。
【0025】評価項目6:TP(95%到達時間÷60%到
達時間)は小さいか。 ルール群6:制御量の立上がりは速くても目標値直前で
変化が鈍くなり、いつまでも制御偏差が残る場合がある
ので、これを改善するようにゲイン調整を行う。95%到
達時間÷60%到達時間をTPとして、 IF TPが十分小さい THEN ゲイン調整を行わない。 IF TPが少し大きい THEN 比例ゲインを30%小さくする。 積分ゲインを5%小さくする。 微分ゲインを30%小さくする。 IF TPが大きい THEN 比例ゲインを50%小さくする。 積分ゲインを10%小さくする。 微分ゲインを50%小さくする。 IF TPが非常に大きい THEN 比例ゲインを70%小さくする。 積分ゲインを20%小さくする。 微分ゲインを70%小さくする。
【0026】評価項目7:外乱が入った場合の制御量変
動は小さいか。 ルール群7:負荷変動等の外乱が入った場合の制御量変
動を抑えるようにゲイン調整を行う。 IF 外乱時制御量変動が十分小さい THEN ゲイン調整を行わない。 IF 外乱時制御量変動が少し大きい THEN 比例ゲインを6%大きくする。 積分ゲインを4%大きくする。 微分ゲイン調整を行わない。 IF 外乱時制御量変動が大きい THEN 比例ゲインを12%大きくする。 積分ゲインを8%大きくする。 微分ゲインを2%大きくする。 IF 外乱時制御量変動が THEN 比例ゲインを24%大きくする。 非常に大きい 積分ゲインを16%大きくする。 微分ゲインを4%大きくする。
【0027】評価項目8:外乱が入った場合の制御量変
動の回復時間Trは短いか。 ルール群8:負荷変動等の外乱が入った場合の制御量変
動の回復にかかる時間Tr を短くするようにゲイン調整
を行う。 IF Tr が十分小さい THEN ゲイン調整を行わない。 IF Tr が少し大きい THEN 比例ゲインを2%大きくする。 積分ゲインを5%大きくする。 微分ゲインを8%小さくする。 IF Tr が大きい THEN 比例ゲインを4%大きくする。 積分ゲインを15%大きくする。 微分ゲイン調整を行わない。 IF Tr が非常に大きい THEN 比例ゲインを8%大きくする。 積分ゲインを30%大きくする。 微分ゲインを5%大きくする。
【0028】評価項目9:自励振動は減衰しているか。 ルール群9:制御対象の特性変動等によって自励振動を
起こす場合があるので、自励振動の初期段階で振動を抑
えるようにゲイン調整を行う。 IF 振動が減衰している THEN ゲイン調整を行わない。 IF 振動が少し増幅している THEN 比例ゲインを10%小さくする。 IF 振動が増幅している THEN 比例ゲインを20%小さくする。 IF 振動が非常に増幅している THEN 比例ゲインを50%小さくする。
【0029】評価項目10:制御量の振動は減衰してい
るか。 ルール群10:制御量の振動が大きいままいつまでも残
る場合に、危険回避のために制御ゲインを小さくする操
作を行う。 IF 制御量振動は十分減衰している THEN ゲイン調整を行わない。 IF 制御量振動の大きさが THEN 全ゲインを10%小さくする。 少し残っている IF 制御量振動の大きさが THEN 全ゲインを20%小さくする。 残っている IF 制御量振動の大きさが THEN 全ゲインを50%小さくする。 大きく残っている
【0030】評価項目11:操作量の振動は減衰してい
るか。 ルール群11:操作量の振動が大きいままいつまでも残
る場合に、危険回避のために制御ゲインを小さくする操
作を行う。 IF 操作量振動は十分減衰している THEN ゲイン調整を行わない。 IF 操作量振動の大きさが THEN 全ゲインを10%小さくする。 少し残っている IF 操作量振動の大きさが THEN 全ゲインを20%小さくする。 残っている IF 操作量振動の大きさが THEN 全ゲインを50%小さくする。 大きく残っている
【0031】上記のように、本実施例では評価の分割数
が「4」、検出する特徴量の数が「12」であるので、
従来のルールベースではルールの組合せ数が412=1677
7216という膨大な数になり、ルールベースの構築、調整
は殆ど不可能である。しかしながら、本実施例では12
個の特徴量が11個の評価項目に対応する組に分けられ
て各組毎にルール群が設定されており、ルール群2以外
のルールが単一命題で構成され、ルール数が4×10+
2=56で済むので、ルールの構築、調整を容易に行
うことができる。
【0032】上記11個のルール群には、ルール群の各
ルールに対する適合度を求めてゲイン調整量をルール群
毎に推論するためのメンバーシップ関数が含まれてお
り、記憶手段22はこれらを記憶している。例として、
図2(A)乃至(D)にルール群1を表現するメンバー
シップ関数を示す。なお、(A)は前件部のメンバーシ
ップ関数、(B)乃至(D)は後件部のメンバーシップ
関数であり、各々比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲイン
に対応している。また、記憶手段22は特徴量の大きさ
と調整量の推論結果を採用するための採用度との関係を
各ルール群毎に記憶している。図4に示すように、本実
施例における採用度は、ルール群2に対応する採用度を
除いて特徴量の変化に応じて変更されるようになってお
り、前記関係がメンバーシップ関数の形で記憶されてい
る。
【0033】ルール群2の特徴量であるオーバーシュー
ト量と振動減衰は制御の安定性に係わる特徴量であり、
重要度が高いため、この2つの特徴量を組合せ、上記表
1、表2、表3に示すような詳細なルールを設けてい
る。また、採用度に関してもルール群2の採用度を最大
とし、制御の安定性を重視した調整を行なっている。
【0034】一方、ファジィ推論部20は、特徴量検出
部18から入力された特徴量、記憶手段22に記憶され
たルールベース及び採用度を用いてファジィ推論を行
い、ゲイン調整量をP、I、D毎に求めてPID演算部
へ出力する。
【0035】次に図3のフローチャートを参照して本第
1実施例の作用を説明する。なお、図3のフローチャー
トは偏差が規定値以上になると実行される。
【0036】ステップ100では、特徴量検出部18に
入力された各種の情報に基づいて前述の12個の特徴量
の検出を行う。次のステップ102では、記憶手段22
に記憶されている調整用ルールベースの中から、特定の
評価項目に対応するルール群(例えば評価項目1の場合
にはルール群1)を読み込む。ステップ104では、前
記評価項目に関係する特徴量(例えば評価項目1の場合
には「目標値到達時間と指定値との偏差」)と、前記読
み込んだルール群に対応する前件部のメンバーシップ関
数と、を用いて、前記特徴量の各ルールに対する適合度
を算出する。
【0037】例として、特徴量「目標値到達時間と指定
値との偏差」の値が図2(A)に矢印Aで示す値であっ
た場合、第1ルールの「目標値到達時間が十分に速い」
に対する適合度は0.25、第2ルールの「目標値到達時間
が少し遅い」に対する適合度は0.75であると算出され、
第3ルール、第4ルールに対する適合度は0であると判
断される。
【0038】次のステップ106では、後件部のメンバ
ーシップ関数において、各ルール毎に、各ルールが指示
するゲイン調整量に対応する三角形の頂部を各ルールに
対する適合度で切った図形を求め、求めた複数の図形を
重ね合わせて重心を求める。例として、第1ルールに対
する適合度を0.25、第2ルールに対する適合度を0.75と
した場合の比例ゲインの調整量について、図2(B)を
参照して説明すると、第1ルールについては、第1ルー
ルが指示するゲイン調整量は「ゲイン調整を行わない」
であるので、「変更せず」に対応する図形の頂部を、第
1ルールに対する適合度0.25で切った図形Bが求まる。
第2ルールについては、第2ルールが指示するゲイン調
整量は「比例ゲインを1%大きくする」であるので、
「1%増」に対応する図形の頂部を、第2ルールに対す
る適合度0.75で切った図形Cが求まる。ここで、図形B
と図形Cを重ね合わせた図形の重心を求める。この重心
は各ルールが指示するゲイン調整量を各ルールの適合度
に応じて重み付けした平均値に相当し、ルール群1で比
例ゲインの調整量を推論した結果である。上記処理を積
分ゲインの調整量及び微分ゲインの調整量に対して同様
に行うことにより、単一の評価項目(組)に対するゲイ
ン調整量が推論される。
【0039】ステップ108では全ての評価項目に対し
て推論処理が終了したか否か判定する。ステップ108
の判定が否定された場合にはステップ102へ戻り、ス
テップ108の判定が肯定されるまでステップ102乃
至ステップ108を繰り返し、推論処理の終了していな
い評価項目に対応するルール群を読み込んで、上記と同
様に処理する。これにより、全ての評価項目に対してゲ
イン調整量が推論される。
【0040】ステップ110では、記憶手段22に記憶
されている採用度のメンバーシップ関数と特徴量とを用
いて、各ルール群の推論結果の採用度を算出する。ルー
ル群2を除く各ルール群の採用度のメンバーシップ関数
は、制御対象14の制御状態が評価項目の要求を満たし
ていないときに採用度が高くなるように設定されてい
る。これにより、要求を満たしていない評価項目に対応
するルール群の推論結果により大きな重みが付与される
ことになるので、より人間の思考に合った適正なゲイン
調整を行うことができる。なおルール群2については制
御の安定性と密接に関わっているため、制御の安定性を
考慮して特徴量(オーバーシュート量と減衰比)の変化
に拘わらず採用度を「1.0 」(最大値)としている(図
4参照)。
【0041】ステップ112では各ルール群毎の推論結
果を上記で算出された採用度を用いて重み付けし、平均
値を演算する。これにより、各推論結果が並列的に扱わ
れ多数の特徴量を反映したゲイン調整量が比例ゲイン、
積分ゲイン、微分ゲイン毎に決定される。ステップ11
4では上記で決定したPIDの各ゲインの調整量をPI
D演算部12へ出力し設定する。なお、ルールベースの
各ルール群は人間の知識やノウハウを用いて作成してい
るので、前記ゲイン調整量は人間の知識やノウハウが反
映されたものとなる。従って、人間の思考に合った適正
な制御が行われるように各ゲインが調整される。
【0042】次に本発明をアナログコンピュータのゲイ
ン調整に適用した場合の結果を説明する。図5(A)及
び(B)には制御対象14をアナログコンピュータの2
次遅れ系とした場合のゲイン調整によるオートチューニ
ングの過程が示されており、目標値を変更する毎に波形
認識をしてゲイン調整を行っている。振動的であった制
御量の変化がオートチューニングによって改善されてい
く様子が分かる。図6(A)及び(B)にはアナログコ
ンピュータの2次遅れ系を制御対象とし、制御対象の応
答特性が速い系から遅い系に変化した場合のゲイン再調
整過程が示されている。特性が変わって制御量の応答に
振動が発生しているが、オートチューニングにより、応
答速度を低下させることなく良好な応答波形になってい
くのが分かる。図7(A)及び(B)にはアナログコン
ピュータの4次遅れ系を制御対象とした場合のオートチ
ューニング過程が示されている。制御対象の次数が変わ
ってもゲイン調整によるオートチューニングが可能であ
ることが理解できる。このように本発明は汎用性が高
く、様々な制御対象の制御に適用することができる。
【0043】次に、制御対象を内燃機関とし、制御量を
内燃機関の出力軸の回転速度として本実施例のフィード
バック制御装置10によりゲイン調整を行った結果を図
8乃至図10に示す。図8(A)及び(B)には内燃機
関14の無負荷時に目標値を変更した場合のオートチュ
ーニングの過程が示されている。振動的であったエンジ
ン回転数の変化がオートチューニングによって改善され
ていく様子が分かる。図9(A)及び(B)には内燃機
関14に加える負荷を油圧ポンプによって変化させた場
合のオートチューニング過程が示されている。負荷入り
時(負荷が加わった瞬間)及び負荷抜け時(加わってい
る負荷が抜けた瞬間)におけるエンジン回転数の変動の
ピーク値が徐々に小さくなっている。このように、目標
値変更によるチューニングと負荷変化によるチューニン
グを交互に行うことにより、目標値追従と外乱抑制を両
立するようにゲイン調整が行われる。チューニング終了
後の応答を図10(A)及び(B)に示す。
【0044】このように、本第1実施例では12個の特
徴量を評価項目に対応する11個の組に分け、各組毎
に、対応する特徴量とゲイン調整量の関係をメンバーシ
ップ関数を用いて表現するルール群を設定してルールベ
ースを構成し、ルール群2以外のルール群の各ルールを
単一命題で構成したので、ルール数を少なくすることが
でき、多数の評価項目を設定する必要のある制御対象1
4にも適用することができる。
【0045】また、ルール群2を除く各ルール群の採用
度のメンバーシップ関数を、制御対象14の制御状態が
ルール群に対応される評価項目の要求を満たしていない
ときに採用度が高くなるように設定したので、要求を満
たしていない評価項目に対応するルール群の推論結果に
より大きな重みが付与され、より人間の思考に合った適
正なゲイン調整を行うことができる。
【0046】本第1実施例では、ルール群2を上記表
1、表2、表3に示すように、2つの特徴量を考慮した
詳細なルールによって構成したが、これに限ることな
く、ルール群2を2組に分け、組の数を特徴量の数と等
しくすることもできる。この場合の図4と同様の概念図
を図16に示し、ルール群を以下に示す。この場合、動
作条件によっては収束時間が30%程度延びることもあ
るが、実用上は問題ない。
【0047】評価項目2:オーバーシュート量は小さい
か。 ルール群2:オーバーシュート量を小さくするようにゲ
イン調整を行う。またルール群の採用度は常に1.0で
ある。 IF オーバーシュート量が十分小さい THEN ゲイン調整を行わない。 IF オーバーシュート量が少し大きい THEN 比例ゲインを3%大きくする。 積分ゲインを3%小さくする。 IF オーバーシュート量が大きい THEN 比例ゲインを16%大きくする。 積分ゲインを6%小さくする。 IF オーバーシュート量が非常に大きい THEN 比例ゲインを30%大きくする。 積分ゲインを12%小さくする。
【0048】評価項目3:振動減衰は良いか。 ルール群3:振動減衰が良くなるようにゲイン調整を行
う。また、ルール群の採用度は常に1.0とする。 IF 振動減衰がが十分良い THEN ゲイン調整を行わない。 IF 振動減衰が少し悪い THEN 比例ゲインを3%小さくする。 積分ゲインを3%小さくする。 微分ゲインを4%大きくする。 IF 振動減衰が悪い THEN 比例ゲインを6%小さくする。 積分ゲインを6%小さくする。 微分ゲインを10%大きくする。 IF 振動減衰が非常に悪い THEN 比例ゲインを12%小さくする。 積分ゲインを12%小さくする。 微分ゲインを20%大きくする。
【0049】〔第2実施例〕 以下、本発明の第2実施例を説明する。なお、第1実施
例と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略す
る。
【0050】第1実施例では目標値到達時間の指定値を
オペレータ等によって指定した後に変更しないようにし
ていた。しかしながら、指定値として適正な値が設定さ
れず、条件が厳しすぎたり緩すぎたりする場合がある。
このため、本第2実施例では評価項目1に関係する特徴
量として、「目標値到達時間と指定値との偏差」に代え
て「無次元量T」を用いている。無次元量Tは(1)式
で定義される。
【0051】 Tm 無次元量T=───── …(1) Tp(k) 但し、Tm :目標値到達時間の観測値 Tp(k) :過去に観測された目標値到達時間の最小値 これに伴って、評価項目1を「無次元量Tの値は小さい
か(1に近いか)」とし、評価項目1に対応するルール
群1も、無次元量Tの評価及び評価結果に対応するゲイ
ン調整量を表現するように変更している。
【0052】次に、図11のフローチャートを参照して
本第2実施例の作用を説明する。なお第1実施例の図3
のフローチャートにおいて、ステップ102乃至ステッ
プ106は各評価項目毎に実行されるが、本第2実施例
では評価項目1に対してステップ102乃至ステップ1
06を実行する場合に、ステップ104に代えて図11
のフローチャートを実行する。
【0053】ステップ100では、特徴量検出部18で
検出された目標値到達時間の観測値Tmを取り込む。ス
テップ122では無次元量Tを、前記(1)式に従って
演算する。なお、Tp(k) は初期値として、制御対象1
4単独のステップ応答時の目標値70%到達時間程度に
設定されている。
【0054】ステップ124では上記で演算された無次
元量Tの値が、予め設定された所定値以上であるか否か
判定する。ステップ124の判定が肯定された場合に
は、ステップ126で、メモリ上に設けられたエリアA
の値をカウントアップする。また、ステップ124の判
定が否定された場合にはステップ128でエリアAの値
を0にする。次のステップ130ではエリアAの値が3
以上であるか否か判定する。本フローチャート及び図3
のフローチャートは所定時間毎に繰り返し実行される
が、前記ステップ124の判定が連続して3回以上肯定
されるとエリアAの値が3以上となり、ステップ130
の判定が肯定される。
【0055】ステップ130の判定が肯定された場合、
Tp(k) に非常に小さな値が設定されて無次元量Tの値
が大きくなっていることが考えられる。このため、ステ
ップ132ではTp(k) を次の(2)式に従って修正す
る。
【0056】 Tp(k) =a・Tm+b・Tp(k) …(2) なお、a及びbはTの値に応じて0.3 〜0.7 の値を取
る。ステップ134では修正したTp(k) を用いて無次
元量Tを再度演算する。これによりゲイン調整量が過大
となることを防止している。次のステップ136ではエ
リアAの値を0にしてステップ138へ移行する。な
お、ステップ130の判定が否定された場合にはステッ
プ132乃至ステップ136を実行することなくステッ
プ138へ移行する。
【0057】ステップ138では、ステップ122また
はステップ134で演算した無次元量Tと、図3のフロ
ーチャートのステップ102で読み込んだルール群1に
対応する前件部のメンバーシップ関数と、を用いて各ル
ールに対する無次元量Tの適合度を算出する。算出され
た適合度は、図3のフローチャートのステップ106で
第1実施例と同様に、後件部のメンバーシップ関数を用
いて単一の評価項目に対するゲイン調整量が推論され
る。
【0058】次のステップ140では、(3)式に従っ
てTp(k) を更新を行う。 Tp(k+1) =min(Tp(k) ・α,Tm) …(3) 但し、Tp(k+1) :過去に観測した目標値到達時間の更新後の最小値 Tp(k) :過去に観測した目標値到達時間の最小値 Tm :目標値到達時間の観測値 α :忘却係数(α>1.0 ) 上記(3)式より明らかなように、観測値Tmが、過去
に観測した最小値Tp(k) に忘却係数αを乗じた値より
も小さい場合に最小値Tp(k) を更新するようにしたの
で、最小値Tp(k) がいつまでも一定の値で保持される
ことはない。これにより、例えば観測値Tmが誤差等に
よって実際よりも著しく小さな値として観測されて最小
値Tp(k) が更新された場合にも、更新された値をいつ
までも保持することはなく、適正な最小値Tp(k) が設
定されることになる。
【0059】このように本第2実施例では、評価項目1
に関係する特徴量を無次元量Tとし、目標値到達時間の
指定値(最小値Tp(k) )を前記のように自動的に更新
するようにしたので、指定値として適正な値が設定さ
れ、より適切なゲイン調整を行うことができる。また、
目標値到達時間をオペレータが指定する必要もない。
【0060】〔第3実施例〕 次に本発明の第3実施例を説明する。本第3実施例は第
1実施例とほぼ同一の構成であるが、ファジィ推論部2
0で第1実施例と同様にゲイン調整量を決定した後に、
該ゲイン調整量と現在のゲインより調整後のゲインを計
算し、調整後のゲインをPID演算部12に設定するよ
うにしている。PID演算部12では設定されたゲイン
と入力された偏差に基づいて操作量を決定する。
【0061】上記のように、ファジィ推論部20がゲイ
ンを演算してPID演算部12に設定するように構成し
た場合にも、第1実施例と同様に、より人間の思考に合
った適正なゲイン調整を行うことができ、多数の評価項
目を設定する必要のある制御対象14にも適用すること
ができる、という効果が得られる。このように、本発明
のゲイン調整装置は、フィードバック制御装置にゲイン
の調整量を設定するものに限定されるものではなく、上
記のようにゲインを演算して設定するものであってもよ
い。
【0062】〔第4実施例〕 次に本発明の第4実施例を説明する。なお、前記各実施
例と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略す
る。
【0063】図12に示すように、本第4実施例のフィ
ードバック制御装置は、PID演算部12を備えたフィ
ードバック制御部11と、特徴量検出部18、ファジィ
推論部20及び記憶手段22を備えたオートチューニン
グ部16と、に分離されている。フィードバック制御部
11は通信装置32を有している。通信装置32には、
制御対象14に加えられた操作量、制御対象14の制御
量、目標値及び目標値と制御量の偏差が入力される。通
信装置32は前記入力された情報を、オートチューニン
グ部16の通信装置31へ送信する。
【0064】通信装置31は特徴量検出部18に接続さ
れており、受信した前記各情報を特徴量検出部18に供
給する。特徴量検出部18は供給された情報に基づい
て、第1実施例と同様に特徴量を検出する。また、通信
装置31はファジィ推論部20に接続されており、ファ
ジィ推論部20で決定されたPID毎のゲイン調整量が
入力される。通信装置31は入力されたPID毎のゲイ
ン調整量を前述の通信装置32へ送信する。通信装置3
2は受信したPIDゲイン調整量をPID演算部12へ
設定する。PID演算部12は設定されたゲイン調整量
に応じてPID毎にゲインを調整し、制御対象14に所
定の操作量を加える。
【0065】上記のように、オートチューニング部16
がフィードバック制御部11にゲイン調整量を通信手段
等を介して設定するよう構成した場合も、第1実施例と
同様に、より人間の思考に合った適正なゲイン調整を行
うことができ、多数の評価項目を設定する必要のある制
御対象14にも適用することができる、という効果が得
られる。このように、本発明はゲイン調整装置とフィー
ドバック制御装置とを直接接続する必要はなく、通信装
置等の伝達手段を介して接続するようにしてもよい。
【0066】〔第5実施例〕 次に本発明の第5実施例を説明する。本第5実施例は第
4実施例とほぼ同一の構成であるが、ファジィ推論部2
0で第1実施例と同様にゲイン調整量を決定した後に、
該ゲイン調整量と現在のゲインより調整後のゲインを計
算し、調整後のゲインを通信装置31へ出力するように
している。出力されたゲインは通信装置31、32を介
してPID演算部12に設定される。PID演算部12
では設定されたゲインと入力された偏差に基づいて操作
量を決定する。
【0067】上記のように、ファジィ推論部20でゲイ
ンを演算し、通信装置等の伝達手段を介して前記ゲイン
をPID演算部12に設定するように構成した場合に
も、より人間の思考に合った適正なゲイン調整を行うこ
とができ、多数の評価項目を設定する必要のある制御対
象14にも適用することができる、という効果が得られ
る。
【0068】なお、上記実施例では三角形型のメンバシ
ップ関数を用いていたが、釣鐘型のメンバーシップ関数
を用いてもよい。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、ルール
群によって複数の特徴量を複数の組に分けたときの各組
に対応する特徴量と制御対象のゲイン調整量との関係を
表すようにしたので、人間の思考に合った適正なゲイン
調整を行うことができ、多数の評価項目を設定する必要
のある制御対象にも適用できる、という優れた効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るオートチューニング部を含む
自動制御系を示す概略構成図である。
【図2】(A)乃至(D)はルール群1に対応するメン
バーシップ関数を示す概念図である。
【図3】第1実施例の作用を説明するフローチャートで
ある。
【図4】各ルール群毎にゲイン調整量を推論した後の処
理を説明する概念図である。
【図5】(A)及び(B)は本発明をアナログコンピュ
ータの2次遅れ系のゲイン調整に適用した場合のオート
チューニング過程を示す波形図である。
【図6】(A)及び(B)は本発明をアナログコンピュ
ータの2次遅れ系のゲイン調整に適用し、制御対象の応
答特性が速い系から遅い系に変化した場合のゲイン再調
整過程を示す波形図である。
【図7】(A)及び(B)は本発明をアナログコンピュ
ータの4次遅れ系のゲイン調整に適用した場合のオート
チューニング過程を示す波形図である。
【図8】(A)及び(B)は本発明を内燃機関のゲイン
調整に適用し、内燃機関の無負荷時に目標値を変更した
場合のオートチューニングの過程を示す波形図である。
【図9】(A)及び(B)は本発明を内燃機関のゲイン
調整に適用し、油圧ポンプによって内燃機関に加える負
荷を変化させた場合のオートチューニング過程を示す波
形図である。
【図10】(A)及び(B)は本発明を内燃機関のゲイ
ン調整に適用した場合の、チューニング終了後の内燃機
関の応答を示す波形図である。
【図11】第2実施例の作用を説明するフローチャート
である。
【図12】第4実施例に係るオートチューニング部を含
む自動制御系を示す概略構成図である。
【図13】(A)乃至(D)はファジィ推論を適用した
従来のPID制御装置において、前件部のメンバーシッ
プ関数を説明するための概念図である。
【図14】(A)乃至(C)はファジィ推論を適用した
従来のPID制御装置において、後件部のメンバーシッ
プ関数を説明するための概念図である。
【図15】ファジィ推論を適用した従来のPID制御装
置の作用として、比例ゲインの調整量の算出処理を例に
説明するための説明図である。
【図16】ルール群2を2組に分けたときの図4と同様
の概念図である。
【符号の説明】
10 フィードバック制御装置 12 PID制御装置 14 制御対象 16 オートチューニング部 18 特徴量検出部 20 ファジィ推論部 22 記憶手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−119802(JP,A) 特開 昭63−62001(JP,A) 特開 平2−287702(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 13/00 - 13/02 G06F 9/44 554 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御対象の制御量と目標値との偏差及びゲ
    インに基づいて前記制御量が前記目標値に一致するよう
    に前記制御対象の操作量を制御するフィードバック制御
    装置に対して、前記ゲインを設定するゲイン調整装置で
    あって、 推論に使用する前記制御対象に関する複数の特徴量を検
    出する特徴量検出手段と、重要度が高い複数の特徴量が1つの組に含まれる場合を
    許容して 前記複数の特徴量を複数の組に分けたときの、
    各組に対応する特徴量とゲイン調整量との関係を表すル
    ール群を記憶した第1の記憶手段と、前記重要度が高い特徴量に対しては特徴量の大きさに拘
    らず採用度が最大になるように、 前記各組に対応する特
    徴量の大きさとゲイン調整量の採用度との関係を記憶し
    た第2の記憶手段と、 前記検出された特徴量と前記ルール群とに基づいて各組
    毎のゲイン調整量を推論すると共に、特徴量の大きさに
    応じて各組毎の前記ゲイン調整量の採用度を求め、該ゲ
    イン調整量の推論結果と採用度とから採用度を重みとし
    たゲイン調整量の推論結果の重み付き平均値を演算して
    前記フィードバック制御装置に設定するゲインの調整量
    を定める推論手段と、 を有するゲイン調整装置。
  2. 【請求項2】前記重要度が高い特徴量が、オーバシュー
    ト量である請求項1に記載のゲイン調整装置。
  3. 【請求項3】前記重要度が高い特徴量が、振動減衰であ
    る請求項1または2に記載のゲイン調整装置。
  4. 【請求項4】制御対象の制御量と目標値との偏差及びゲ
    インに基づいて前記制御量が前記目標値に一致するよう
    に前記制御対象の操作量を制御するフィードバック制御
    装置に対して、前記ゲインを設定するゲイン調整装置で
    あって、 推論に使用する前記制御対象に関する複数の特徴量を検
    出する特徴量検出手段と、1つの組に1つの特徴量が含まれるように 前記複数の特
    徴量を複数の組に分けたときの、各組に対応する特徴量
    とゲイン調整量との関係を表すルール群を記憶した第1
    の記憶手段と、 前記各組に対応する特徴量の大きさとゲイン調整量の採
    用度との関係を記憶した第2の記憶手段と、 前記検出された特徴量と前記ルール群とに基づいて各組
    毎のゲイン調整量を推論すると共に、特徴量の大きさに
    応じて各組毎の前記ゲイン調整量の採用度を求め、該ゲ
    イン調整量の推論結果と採用度とから採用度を重みとし
    たゲイン調整量の推論結果の重み付き平均値を演算して
    前記フィードバック制御装置に設定するゲインの調整量
    を定める推論手段と、 を有するゲイン調整装置。
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