JP3061450B2 - モデル予測制御装置 - Google Patents

モデル予測制御装置

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JP3061450B2
JP3061450B2 JP3190162A JP19016291A JP3061450B2 JP 3061450 B2 JP3061450 B2 JP 3061450B2 JP 3190162 A JP3190162 A JP 3190162A JP 19016291 A JP19016291 A JP 19016291A JP 3061450 B2 JP3061450 B2 JP 3061450B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御対象の動特性モデ
ルに基づいて制御応答の未来の動きを予測しそれを考慮
しながら操作量を算出するモデル予測制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、プロセス制御の分野で、モデル予
測制御装置がしばしば用いられる。モデル予測制御は、 むだ時間の長いフ゜ロセスに対し安定した制御応答を
実現できる。 未来目標値を用いたフィート゛フォワート゛制御で追
従性を改善できる。 制御対象の正確な動特性モデルを必要とせず、例えば
ステップ応答から、制御系を容易に構成できる。 予測モデルにプラントの物理的法則や非線形特性を含
めることにより、きめの細かい制御が期待できる等の特
徴がある。 このため、種々の予測制御方式が提案されている。これ
らの例が、例えば、 (1) 西谷:モデル予測制御の応用、計測と制御 Vol.28,
No.11,pp.996-1004 (1989) (2) D.W.Clarke & C.Mohtadi:Properties of Generaliz
ed PredictiveControl,Automatica 25-6 pp.859 (1989) 等に解説されている。一般的なモデル予測制御系の構成
例を図8を参照して説明する。まず、ある時刻kにおい
て制御対象1となるプロセスやロボット等にモデル予測
制御演算部2から操作量u(k) が与えられると、制御対
象1から制御量y(k) が出力される。このときの制御量
y(k) 及び操作量u(k) はモデル予測制御演算部2の応
答データ記憶部26に書込まれる。予測モデル27は、
応答データ記憶部26の過去から現在(時刻k)までの
操作量u、制御量yの一定の蓄積データに基づき予め選
定された動特性モデルを参照して、未来の制御量応答の
予測値y(k+L) 、…、y(k+Np+L-1)を算出し、減算器3
1の一方入力端に供給する。ここに、L は予測開始時
間、Npは予測長を表している。
【0003】一方、図示しない端末装置から入力された
目標値r(k) は、未来目標軌道生成部28に与えられ
る。未来目標軌道生成部28は、未来目標軌道y* (k+
L) 、…、y* (k+Np+L-1)を生成し、減算器31の他方
入力端に供給する。減算器31は両者の差である未来制
御偏差信号y(k+i) −y* (k+i) 、(i=L, ・・・,Np+L-
1) を算出し、最適操作量算出部29に供給する。最適
操作量算出部29には、代表的な例として、次の2次形
式評価関数が予め設定されており、Jを最小化する最適
操作量増分Δu(k) を算出し、初めのΔu(k) のみ、積
分器30へ送る。
【0004】
【数2】 ここで、Nuは制御長、λは重み係数を表す。D(z-1)
は極配置多項式を表しており、D(z-1) =1+d1 z -1
+・・・+dn z -nと表される。Δu(k+i) は未来操作
量の増分であり、Δu(k+i) =u(k+i)−u(k+i-1) と
して求められる。積分器30では、 u(k) =u(k-1) +Δu(k) (2) なる演算処理を行って、制御対象1に与える予測制御分
を含んだ実際の操作量u(k) を算出し、制御対象1に供
給する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したモデル予測制
御系では、評価関数(1) 式に含まれるいわゆる評価関数
パラメータL 、Np、Nu、λ、D(z-1) の選び方により、
制御系の特性、特に安定性や特性変動に対するロバスト
性、いわゆるナイキスト判定法における安定性余裕が大
きく変わるため、制御装置の始動時にはそれらを適切に
調節(チューニング)する必要がある。従来のモデル予
測制御装置では、これらの評価関数パラメータは操作員
が試行錯誤的に与えていたが、パラメータと制御特性と
の関係が明らかでなく、制御系が十分安定になるように
制御装置を調整するのに手間を必要とし制御装置の起動
に時間を要していた。
【0006】そこで、出願人は、特願平3−04749
4号により、制御系が十分な安定性を持つように評価関
数パラメータを自動的に調整する方法を提案した。しか
し、制御系の応答特性、たとえば、オーバーシュート量
や時定数、整定時間等を理想的な特性に設定することま
で積極的に考慮したものではなかった。
【0007】例えば、制御系に時定数Tr[sec] 以内の
応答が要求された場合に、具体的にどの様な評価関数を
設定すれば所望の制御系が得られるかまでは明らかにし
ていない。また、制御系の応答特性の指定に対応するこ
とも困難であった。その一例として、振動特性の極めて
強い次式の伝達関数モデルG(s) を制御対象の特性と想
定して説明する。
【0008】
【数3】 ここで、機械系を想定し、慣性モーメントI=16360[Kg
・m2 ] 、 減衰率ζ=0.0025、 共振周波数ω=0.2205×2π[rad/sec] 、 トルクアドミッタンスΦ2 =7.49×10-5、 なるパラメータを用いる。この伝達関数に対し、制御周
期1.0[sec]、(1) 式のパラメータNp=10、L =1、Nu
=5と与えた場合のモデル予測制御による制御応答を図
9に示す。これを見ると、制御量yは目標値rに追従し
ているものの、細かな振動が制御応答に現れていること
が確認できる。そこで、図10の複素平面に上記制御系
の制御対象の極(×印)と制御系の極(○印)を示す。
これを見ると、制御対象の振動モードに対応する単位円
上に近い極、すなわち極めて安定性の悪い極が閉ループ
系の極配置においても残されていることが確認できる。
この様に、これまでのモデル予測制御系では、評価関数
(1) 式を最小化することに重点をおいて制御演算を行っ
ているため、制御系の過渡応答特性を決定する閉ループ
極を適切に配置することができない場合が生じ得、制御
応答が安定あるいは素早くとも、応答形状が振動的にな
るという問題を生じ得る。よって、本発明のモデル予測
装置は、立上り応答特性における制御量yの振動が抑制
されたモデル予測装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のモデル予測制御装置では、従来のモデル予測制
御装置の構成に加えて、以下の機能を持つ各手段を備え
ている。すなわち、第1発明は、 代表的な制御仕様である応答時定数Tr[sec] を設定
する機能を有する応答時定数設定手段と、 応答時定数Trから、重み係数パラメータ ρ=exp(-Δ/Tr) (4) ただし、Δ[sec] は制御周期である。を算出する安定余
裕パラメータ算出手段と、 上記安定余裕パラメータρを用いて、これの時間に対
するべき乗を重み係数として組み入れた評価関数
【0010】
【数4】 を構築する評価関数設定手段とを備える。
【0011】第2発明は、更に、 上記評価関数を参照して操作量Δu(k) を算出し、 操作量算出に用いられる制御定数と制御対象の動特性
モデルから上記評価関数を用いた制御系の一巡周波数応
答特性L(jω)を算出し、 この一巡周波数応答特性L(jω)に基づいて制御対象の
特性がどれだけ変動しても制御系の安定性が保たれるか
という安定性の程度を表す安定余裕パラメータε、例え
ば、一入力一出力プロセスに対するモデル予測制御系で
はゲイン余裕、位相余裕、ゲイン特性のピーク値(いわ
ゆるMp値)等、また、多入力多出力プロセスに対する
モデル予測制御系ではモデル誤差に対するロバスト性の
尺度である相補感度関数行列T(jω) の最大特異値のピ
ーク値
【0012】
【数5】 等を用いた安定余裕パラメータεを算出する演算手段
と、 上記応答時定数設定手段に設定された応答時定数の値
を変化させつつ、上記応答時定数の瞬時値に対応する上
記安定余裕パラメータの値を記録し蓄積するシミュレー
ション手段と 蓄積された応答時定数Tr及び安定余裕パラメータε
間の関係を可視的に表示する表示手段とを備える。
【0013】第3発明は、更に、 操作員により制御仕様として入力された安定余裕パラ
メータを保持する安定余裕パラメータ設定手段と、 設定された安定余裕パラメータになるように、指定さ
れた安定余裕を実現するべく応答時定数Trを変化させ
て、これに対応した係数パラメータρを導出させ、上記
評価関数算出手段に評価関数の再構築を行わさせ、制御
系の安定余裕パラメータを算出させる処理を、設定され
た安定余裕パラメータに算出された安定余裕パラメータ
が一致するまで繰り返させる応答時定数調整手段とを備
える。
【0014】この結果、新たな重み係数パラメータρに
より重み付けられた評価関数によるモデル予測制御演算
を行い、最適な操作量Δu(k) 、及びu(k) が求めら
れ、あるいは所望の立上り特性を指定することが可能と
なる。
【0015】
【作用】以下、従来の評価関数(1) 式を本願発明に係る
(5) 式に変更することによりモデル予測制御における応
答特性が改善できる理由を説明する。まず、(1) 式の2
次形式評価関数は、予測に考慮する時間である予測長Np
を無限大に長く選べば、制御理論においてよく知られた
最適レギュレータの評価関数の特殊な場合に一致する。
【0016】一般に、最適レギュレータ理論では、状態
空間モデル、 x(k+1) = Ax(k) + Bu(k) (7a) y(k) = Cx(k) (7b) ただし、xは状態変数、yは制御量、uは操作量、A,
B,Cは行列の定数である。で表される制御対象に対
し、評価関数
【0017】
【数6】 を最小化する制御則を u(k) =kT ・x(k) (9) で与えることができる。ここに、T は転値行列であるこ
とを表す。このときの制御系の特性は、(7) 式に(9) 式
を代入して、 x(k+1) =(A+BkT )x(k) (10) で与えられる。すなわち、閉ループ系のすべてのモード
は、行列(A+BkT )の固有値によって決定される減
衰率で、初期状態から0へ減衰していく。従って、最も
単位円に近い固有値が支配的なモードになり、この制御
系の応答時定数に対応する。
【0018】ここで、(4) 式のパラメータρ(0<ρ≦
1)を用いて、 x(k+i) =ρ−ix’(k+i) (11a) u(k+i) =ρ−iu’(k+i) (11b) y(k+i) =ρ−iy’(k+i) (11c) なる変換を行った、新しい状態x’(k+i) 、入力u’(k
+i) 、出力y’(k+i)を考え、(7) 、(8) 、(9) 、(10)
式に代入すると、夫々状態空間モデル x’(k+1) =A' x’(k) +B' u’(k) (7a') y’(k) =Cx’(k) (7b') ただし、A' =ρA、B' =ρB である。評価関数
【0019】
【数7】 制御則 u’(k) = k・x’(k) (9') 制御系の特性 x’(k+1) = ρ(A + Bk)x’(k) (10') で与えられる。
【0020】すなわち、制御対象が本来(7a')(7b')式で
与えられたとき、評価関数(8')式を設定して最適レギュ
レータを設計し、得られた(9')式の制御則を用いたと
き、閉ループ系の極配置は(10') 式の行列ρ(A+Bk
T )の固有値になる。ここで、(9')式の制御則は、仮想
的な(7a)、(7b)式の制御対象に対し評価関数(8) 式に対
し設計した最適レギュレータの制御則と同じになる。最
適レギュレータの性質から、(10)式による仮想的な制御
系は必ず安定になるので、行列(A+BkT )のすべて
の固有値は複素平面の単位円内に入る。従って、(10')
式の行列ρ(A+BkT )の全ての固有値は中心が原点
で半径ρの円内に入る。このことは、(10')式の制御系
におけるすべてのモードはρi (iは離散的な時間)以
上の減衰率で減衰することになり、制御系の応答は対応
する時定数Trより速くなる。従って、(8')式の評価関
数を用いた最適レギュレータによる制御系の応答時定数
はTr以下になることが保証される。この関係を図7に
示す。
【0021】この性質は、評価関数Jが有限の時間長の
場合でも成立する。(8')式の評価関数において、Q=C
T C、R=λI (Iは単位行列である)と置き、考慮
する区間をi=1 〜∞のかわりにi=L 〜Np+L-1とすれば、
(5) 式の評価関数に一致する。従って、(5) 式の評価関
数を最小化する制御を行うとき、近似的に制御応答時定
数はTr以下になる。
【0022】かかる本発明のモデル予測制御方式の原理
に立脚して、前述した応答時定数設定手段手段は、従来
のモデル予測制御では直接設定することのできなかっ
た、応答時定数Trをプラント等の操作員が設定するこ
とを可能にした。安定余裕パラメータ算出手段及び評価
関数設定手段は、上述の評価関数(5) 式を構築し、最適
操作量算出部に設定することにより、応答時定数がTr
以下の制御応答を実現させている。一方、応答特性を重
視するあまり、時定数Trを極めて小さくしていくと、
一般に制御系は、操作量が過大になり、また観測ノイズ
や制御対象のモデル誤差に敏感になり、ときには制御系
が不安定になってしまう。そこで、制御系の安定性の尺
度として、従来より用いられているゲイン余裕、位相余
裕、Mp値、あるいは、モデル誤差に対するロバスト性
や観測ノイズに対する感度を意味する相補感度関数をチ
ェックしながら、十分なロバスト安定性を持つ制御系を
実現することが実用上望ましい。多入出力プロセスに対
する制御系でも、相補感度関数行列の最大特異値のピー
ク値をチェックすることにより安定余裕を評価できる。
【0023】そこで、一巡周波数応答特性算出手段は、
設定された応答時定数に基づいて評価関数設定手段にお
いて設計されたモデル予測制御系に対する閉ループ系の
一巡周波数応答を算出し、その結果を安定余裕パラメー
タ算出手段に与えて上述の安定余裕パラメータを算出さ
せ、表示させて操作員に知らせる。この結果、適切な応
答時定数の設定を操作員に促すことができる。
【0024】また、シミュレーション手段は上述の処理
を繰り返すことにより、予め応答時定数Trと安定余裕
パラメータとの関係を求めておき、表示手段は、それを
グラフの形で可視的に表示することにより、操作員が適
切な応答時定数を選定する手助けとなる。安定余裕パラ
メータ設定手段は、操作員が所望の安定度を安定余裕パ
ラメータにより入力し、それを満たす適切な応答時定数
が自動的に決定される機能を実現する。これにより、操
作員が決めた応答時定数に制御系を追従させることが可
能となり、制御系の調整が簡単になる。
【0025】
【実施例】本発明のモデル予測制御装置の実施例につい
て図1を参照して説明する。モデル予測制御演算部2は
前述した従来のモデル予測制御演算部2の機能をそっく
り含み、更に、一巡周波数応答特性算出手段10、相補
感度行列算出手段11、安定余裕パラメータ算出手段1
2等を備えている。一巡周波数応答特性算出手段10、
相補感度行列算出手段11、安定余裕パラメータ算出手
段12等は演算手段に対応する。モデル予測制御演算部
2は制御対象たるプロセス1から観測される制御量y
(k) をフィードバックし、同時に目標値r(k) を取り込
んだ上で、予測モデルと評価関数に基づき最適な操作量
u(k) を算出し、制御対象1に与える。
【0026】本実施例ではモデル予測制御における一般
性を持たせるため、制御対象1はq本の操作量u1 (k)
〜uq (k) とp本の制御量y1 (k) 〜yp (k) を持つ多
入出力プロセスであるとする。すなわち、プロセスの制
御量y1 〜yp を制御目標値r1 〜rp から生成される
未来目標軌道y* 1 〜y* p に追従させるための操作量
1 〜uq を逐次出力する。このモデル予測制御装置に
は、制御量を予測するための制御対象の動特性モデルを
設定する動特性モデル設定手段3、制御目的を意味する
評価関数を設定する評価関数設定手段4が備えられてい
る。
【0027】操作員が端末装置9から応答時定数Trを
入力すると、応答時定数Trは応答時定数設定手段5に
適当な形式で保持される。重み係数パラメータ算出手段
6は保持された時定数Trに対応する重み係数パラメー
タρを算出し、これを評価関数設定手段4に与える。評
価関数設定手段4は、重み係数パラメータρが結合され
た評価関数を構築し、モデル予測制御演算部2の図示し
ない最適操作量算出部29に設定する。算出手段10〜
12からなる演算手段は、新規評価関数に基づくモデル
予測制御系の安定余裕パラメータεを算出する。安定余
裕パラメータεは応答時定数調整手段8の一方の入力端
子及び記憶装置13に供給される。算出された制御系の
安定余裕パラメータεは記憶装置13から端末装置9の
図示しないディスプレイに読み出され、操作員が端末装
置9から入力した応答時定数Trに対応した安定余裕パ
ラメータεが表示される。もし、端末装置9が一連の応
答時定数Trを応答時定数設定手段5に与えれば、これ
に対応した一連の安定余裕パラメータが記憶装置13に
蓄積され、応答時定数Trと安定余裕パラメータεとの
相互関係が求められる。
【0028】一方、操作員が端末装置9を介して安定余
裕パラメータε0 を入力すると、この安定余裕パラメー
タε0 は安定パラメータ設定手段7に保持される。安定
パラメータ設定手段7に安定余裕パラメータε0 が設定
されると、応答時定数調整手段8は応答時定数設定手段
の応答時定数を初期値Tr0 に設定し、それを徐々に変
化させる。すると、重み係数パラメータ算出手段6にお
いて算出される重みパラメータの値ρも変化し、評価関
数設定手段4によってモデル予測制御演算部2に与えら
れる評価関数も変化する。これに対応して安定余裕パラ
メータ算出手段から供給される安定余裕パラメータεの
値も変化する。応答時定数調整手段8は設定された安定
余裕パラメータε0 が算出された安定余裕パラメータε
に一致するまで応答時定数Trを変化させる。設定され
た安定余裕パラメータε0 が算出された安定余裕パラメ
ータεに一致すると、このときの応答時定数設定手段の
応答時定数Trの値を固定する。これ等の定数は記憶装
置13を介して端末装置9に与えられ、適当な形で表示
される。
【0029】各手段の機能について説明する。モデル予
測制御演算部2へ設定される多入出力プロセスに対する
動特性モデルは動特性モデル設定手段3から次式のパル
ス伝達関数行列で与えられる。
【0030】
【数8】 ただし、 Aij (z-1) =1 +a1 ij-1+…+an ij-nij (z-1) =b0 ij+b1 ij-1+…+bm ij-m である。ここで、pは制御量の数、qは操作量の数で、
p≠qでもよい。
【0031】ここで、評価関数設定手段4から次式の評
価関数が与えられたとする。
【0032】
【数9】 ただし、Δui (k) =ui (k) −ui (k-1) は操作量増
分である。また、(12)式中のパラメータのうち、予測長
L=1とし、Np、制御長Nu、重み係数λは、適当な
方法、例えば制御系の安定性を考慮した特願平3−04
7494号の方法により選定され、制御系が十分な安定
性を持つようにされている。また、極配置多項式は簡単
にするためD(z-1) =1とする。また、これらのパラメ
ータL,Np,Nu,λは各操作量u1 〜uq 、各制御
量y1 〜yp 毎に変えることができるが、この実施例で
は区別しない場合を示す。
【0033】モデル予測制御演算部2で算出される、(1
2)式を最小化する最適操作量は、以下の計算で求められ
る。まず、(11)式右辺行列中の第1〜p行について、
行の中で分母を通分する。例えば、第i行については、 Bi1(z-1) /Ai1(z-1) ・・・Biq(z-1) /Aiq(z-1) を、 Bi1´(z-1) /Ai (z-1) ・・・Biq' (z-1) /Ai (z-1) のように通分する。この結果、(11)式は、
【0034】
【数10】 の形に変形できる。ここで、Ai (z-1) の次数をni
として、nmax =max{ni }とする。次に、各行
(i=1〜p)について、及びj=1〜Npについて、
次の方程式 D(z-1) =Eji(z-1)(1−z-1) Ai (z-1)+z-jji(z-1) (14) を解き、多項式Eji (z-1) =1+e1 ji-1+・・+
j-1 ji-j+1 (j-1次モニック) (15a)Fji (z-1)
=f0 ji+f1 ji-1+・・+fn ji-nmax (nmax
次)、(15b) を求める。この結果、jステップ先の制御
量y1 〜yp の予測値は、
【0035】
【数11】 で与えられる。ただし、Gj-1 、G0 はp×qの定数行
列、Hj (z-1) はz-1に関するp×qの多項式行列
で、次の関係式から求められる。
【0036】
【数12】 なお、G0 ・・・Gj-1 は制御対象(11)式のステップ応
答行列に相当する。
【0037】次に、(16)式を次式のように簡略表現する
ことにする。 D(z-1) y(k+j) =Gj-1 Δu(k+j-1) +・・・+G0 Δu(k) +Fj (z-1) y(k) +Hj (z-1) Δu(k-1) (18) これを、j=1〜Npについてまとめて表現すると、
【0038】
【数13】 となり、さらにまとめて、 D(z-1) y=GΔu+F(z-1) y(k) +H(z-1) Δu(k-1) (20) と表現する。このとき、(12)式の評価関数は、 J=(D(z-1) y−D(z-1) y* T T Q(D(z-1) y −D(z-1) y* )+λΔuT T RΔu (21) と表すことができる。ただし、Q,Rは重み係数行列
で、重み係数パラメータρに対し、
【0039】
【数14】 で与えられる。ここで、Q,R中のIはそれぞれp×
p、q×qの単位行列である。ここで、Iのかわりに要
素毎に異なる値にすることにより各制御量、操作量に個
別の重みをかけることも可能である。
【0040】また、
【0041】
【数15】 で、y* i (k+j) は、第i番目の制御量yi に対するj
ステップ先の目標値である。このとき、評価関数(3) 式
(または(13)式)を最小化する最適操作量は、 Δu=( GT T QG+λRT R) -1T T Q ×{D(z-1) y* −F(z-1) y(k) −H(z-1) Δu(k-1)} (24) で与えられる。実際の操作量は、ベクトルΔuのはじめ
のq要素 Δu(k+1) =Gq*{D(z-1) y* −F(z-1) y(k) −H(z-1) Δu(k-1)} (25) (ただし、Gq*は (GT T QG+λRT R) -1T T Qの上からq行を取 り出した、q× (p×Np) のマトリクスである。) を取り出し、 u(k) =u(k-1) +Δu(k) (26)
【0042】により、計算される。こうして、モデル予
測制御演算部2は与えられた条件下に最適操作量u(k)
の算出を行っている。
【0043】次に、本発明によって追加された手段の動
作を図2のフローチャートを参照して説明する。各手段
は具体的にはコンピュータのソフトウェア上等に実現さ
れる。 まず、操作員が端末装置9から応答時定数Tr
[sec] を入力すると応答時定数設定手段5に保持され
る。応答時定数設定手段5は、応答時定数Tr[sec] を
重み係数パラメータ算出手段6に送る(ステップS1
1)。重み係数パラメータ算出手段6は与えられた応答
時定数Tr[sec] を読み込み、 ρ=exp(-Δ/Tr) (ただし、Δ[sec] は制御周期) (27) により重み係数パラメータρを求め、これを評価関数設
定手段4に与える。評価関数設定手段4は、この重み係
数パラメータρを用いて(12)式で表現される評価関数を
構築し、モデル予測制御演算部2に与える(ステップS
12)。モデル予測制御演算部2は、(12)〜(25)式で示
される演算処理によってモデル予測制御系の制御式(25)
を算出する(ステップS13)。
【0044】モデル予測制御演算部2には、一巡応答周
波数特性算出手段10、相補感度行列算出手段11、安
定余裕パラメータ算出手段12が新たに形成されてい
る。一巡応答周波数特性算出手段10は上記演算処理に
おいて得られている制御式(25)を使用して、制御対象式
(11)とあわせた閉ループ系の一巡周波数応答行列L(j
ω) を次式により求める。
【0045】
【数16】 ただし、A(z-1) 及びB(z-1) は(13)式の左辺及び
右辺に夫々示されるA,B行列を表す。Δ(z-1)は対
角行列であり、Δ(z-1)=diag{(1−z-1)…(1−
-1)}と表される。Iは単位行列、τは制御周期であ
る。
【0046】続いて、相補感度行列算出手段11によっ
て相補感度関数行列 T(jω) =(I+L(jω))-1L(jω) (29) を求める。そして、安定余裕パラメータ算出手段12に
より安定余裕パラメータとして
【0047】
【数17】 を求める。ただし、σmax は最大特異値を意味する。こ
の安定余裕パラメータは制御対象がG(s) からG(s)
(1+Δ(s) )へ変化したとき、
【0048】
【数18】 である限り閉ループ系の安定性が保たれる。従って、ε
は安定余裕を表す一種の尺度になる(ステップS1
4)。得られた安定余裕パラメータを記憶手段13を介
して端末装置9のディスプレイに表示し(ステップS1
5)、プラント等の操作員の判断を促す。操作員が、そ
の安定余裕で良いと判断し、キーボード等の入力手段か
らYesを入力した場合は(ステップS16)、応答時
定数設定手段5に入力された応答時定数Trに対応する
重み係数パラメータρの評価関数設定手段4への設定を
確定する(ステップS17)。逆に、操作員がその安定
余裕では不十分と判断し、Noを入力した場合は(ステ
ップS16)、ステップS11に戻り、操作員によって
新たに入力された応答時定数Trに基づいてモデル予測
制御系を再設計する(ステップS11〜15)。
【0049】端末装置9は一種のシュミレーション機能
を備えている。このシュミレーション機能は、操作員か
らのシュミレーション指令に応じて、端末装置9から応
答時定数設定手段5に与えた応答時定数Trをある範囲
について連続的に変化させ、各応答時定数Trに対応し
た安定余裕パラメータεを得る。すなわち、応答時定数
Trのある値と、重み係数パラメータ算出手段6、評価
関数設定手段4、モデル予測制御演算部2、一巡周波数
応答特性算出手段10、相補感度関数行列算出手段1
1、安定余裕パラメータ算出手段12を一巡して得られ
た安定余裕パラメータεとを記憶装置13に蓄積する。
端末装置9は、記憶装置13に蓄積された応答時定数T
rと安定余裕パラメータεとの関係を画面に、例えば図
4に示すようにグラフで表示する。図4では、応答時定
数がTrs 以上で制御系が安定、それ以下では不安定に
なることを示している。可視的に両者の関係を示すこと
により、操作員が無理に応答時定数Trs より早い応答
速度を要求して制御系の不安定状態を引き起こすのを事
前に避け、より適切な応答時定数の設定を行うことが期
待出来る利点がある。
【0050】操作員は、端末装置9から安定余裕パラメ
ータ入力手段7に直接安定余裕パラメータε0 を設定す
ることが出来る。こうした場合には、図3のフローチャ
ートに従って処理が行われる。まず、操作員が端末装置
9から安定余裕パラメータε0 を入力すると(ステップ
S21)、安定余裕パラメータ設定入力手段7に入力安
定余裕パラメータε0 が設定される。安定余裕パラメー
タ設定入力手段7に初回の安定余裕パラメータが設定さ
れたことを応答時定数調整手段8が検知すると、応答時
定数設定手段5に初期値Tr0 を設定させる。この初期
値Tr0 は初期値として十分に大きい値を設定する(ス
テップS22)。この初期値Tr0 は重み係数パラメー
タ算出手段6によって重み係数ρに変換されて評価関数
設定手段4に与えられる。評価関数設定手段4は新たな
評価関数(12)式を形成する(ステップS23)。この評
価関数(12)式を参照してモデル予測制御演算部2は、前
述のステップ13と同様に、(12)〜(25)式で示される演
算処理によってモデル予測制御系の制御式(25)を算出す
る(ステップS24)。更に、一巡周波数応答特性算出
手段10、相補感度行列算出手段11、安定余裕パラメ
ータ算出手段12では、前述した(28)、(29)、(30)式に
基づき演算処理を行い、安定余裕パラメータεを算出す
る(ステップS25)。算出された安定余裕パラメータ
εは応答時定数調整手段8に与えられる。応答時定数調
整手段8は算出されたεと指定されているε0 とを比較
する(ステップS26)。応答時定数調整手段8は、比
較の結果、 (i) ε<ε0 なら、現状の安定余裕は少ないと判定
し、応答時定数を例えば、Tr ← Tr×1.1 の
ように、少し大きくし、ステップS23へ戻る(ステッ
プS27)。 (ii) ε>ε0 なら、現状の安定余裕は多すぎると判定
し、応答時定数を例えば、Tr ← Tr/1.1 の
ように、少し小さくし、ステップS23へ戻る(ステッ
プS28)。 (iii) εがε0 に略等しいなら現状の安定余裕は満足で
きるものであると判断し、そのときの応答時定数Trを
最適値として記憶装置13を介して端末装置19へ表示
するとともに、操作員の確認の上で、あるいは自動的に
応答時定数Trに対応する重み係数パラメータρを評価
関数設定手段4へ入力する(ステップS29)。 評価関数設定手段4では、入力された重み係数パラメー
タρを用いて、モデル予測制御演算部2に対し(12)式の
評価関数を設定する。
【0051】なお、動特性モデル設定手段3では、制御
対象のモデル(11)式をモデル予測制御演算部2に対し設
定する。ここで、制御対象の動特性モデルは、端末装置
9や図示しない外部記憶装置から入力する場合と、制御
量y(k) 、操作量u(k) から逐次型最小二乗法などの時
系列解析法を用いてリアルタイム処理で推定したものを
用いる場合がある。
【0052】次に、(3) 式の伝達関数により表される制
御対象に対して本発明のモデル予測制御装置を適用した
ときの制御応答(目標値追従応答)を図5に、その時の
制御系の極配置を図6に示す。
【0053】この場合の予測長Np、制御長Nu,重み
係数λ、制御周期等は前述の例と同じである。図5の制
御応答をみると、図9に示される従来法による制御応答
に比べ、応答が速やかに目標値に追従している。また、
図6の制御系の極配置(図中○印)も図10に示される
従来法による極配置が単位円上に極を持つのに対し、単
位円内部に極をもち、十分な安定性を保っていることが
判る。
【0054】なお、本発明の実施例では評価関数とし
て、評価関数(5) 式、あるいはこれに対応した(12)式を
用いているが、この形以外の評価関数に対しても、同様
の指数型の重み係数を設定することにより、近似的に応
答特性を改善することができる。指数型の重み係数を評
価関数に付加えることにより、予測時間の経過と共に制
御量y(k) が収束すべき範囲が徐々に狭くなるように制
御がなされ、制御量y(k) が目標値に至る過程が振動的
になることが抑制される。
【0055】また、最適操作量を算出する段階で、例え
ば、飯野、大矢:「安定性を考慮した制限条件付き多変
数モデル予測制御方式」計測自動制御学会、適応制御シ
ンポジウム予稿pp.75 (1991)に示されているような方
法、すなわち、制限条件を考慮し、2次計画法を用いて
制限条件を満たしながら評価関数を最小化する最適操作
量を逐次計算するモデル予測制御方式を用いて、制御
量、操作量に関する制限条件を考慮したモデル予測制御
にも、本発明のモデル予測制御装置を用いることができ
る。
【0056】また、プロセスの予測モデルが非線形の場
合も、同じ評価関数を用いたモデル予測制御系により応
答特性を改善できる。
【0057】また、多入力多出力プロセスの場合、各制
御ループに異なる応答時定数Tri を設定し、それぞれ
を個別の応答速度により制御することもできる。この場
合、(27)式のかわりに、 ρi =exp(-Δ/Tri ) (ただし、Δ[sec] は制御周期) (27') により、重み係数パラメータρi を求め、評価関数を、
【0058】
【数19】 と設定すればよい。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明のモデル予測
制御装置は、応答時定数を入力すると、この時定数に対
応する指数関数の重み係数が定められ、この重み係数が
評価関数に付け加えられるので、モデル予測制御系の応
答時定数を指定することが可能となり、安定性を判別す
る複素平面における制御系の極を安定領域に配置出来、
過渡応答特性、特に、減衰率を効果的に改善することが
できる。また、指定した応答時定数に対し、制御系の安
定余裕を評価することが出来るので、安定性を考慮した
適切な応答時定数を設定出来る。更に、安定余裕を制御
仕様として与えると、それを満たす制御系になるように
応答時定数を自動調整する構成ともし得るので、適切な
安定性と過渡応答特性を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモデル予測制御装置の実施例を示すブ
ロック図。
【図2】安定余裕パラメータ算出手段6における処理手
順を説明するフローチャート。
【図3】応答時定数算出手段8における処理手順を説明
するフローチャート。
【図4】応答時定数Trと安定余裕パラメータεの関係
を示すグラフ。
【図5】本発明のモデル予測制御装置による制御応答特
性例を示すグラフ。
【図6】図5の例における制御系の閉ループ極配置を示
すグラフ。
【図7】評価関数の重みづけによる閉ループ極配置およ
び制御応答の改善を説明する図。
【図8】従来のモデル予測制御装置の構成図。
【図9】従来のモデル予測制御装置による制御応答特性
例を示すグラフ。
【図10】図8の例における制御系の閉ループ極配置を
示すグラフ。
【符号の説明】
1 制御対象 2 モデル予測制御演算部 3 動特性モデル設定手段 4 評価関数設定手段 5 応答時定数設定手段 6 重み係数パラメータ算出手段 7 安定余裕パラメータ設定手段 8 応答時定数調整致検出手段 9 端末装置 10 一巡応答特性算出手段 11 相補感度行列算出手段 12 安定余裕パラメータ算出手段 13 記憶装置 26 応答データ記憶部 27 予測モデル 28 未来目標軌道生成部 29 最適操作量算出部 30 積分器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−266101(JP,A) 特開 昭60−142404(JP,A) 特開 昭59−168502(JP,A) 古田勝久、外1名、「周波数特性と極 配置を考慮したサーボ系設計」、第16回 制御理論シンポジウム資料、社団法人計 測自動制御学会、昭和62年6月4日、 P.105−110 示村悦二郎、外1名、「最適レギュレ ータ問題と極配置」、計測と制御、社団 法人計測自動制御学会、昭和58年3月10 日、第22巻、第3号、P.282−290 飯野穣、外1名、「安定余裕に基づい たモデル予測制御のチューニング方 法」、第29回学術講演会予稿集、社団法 人計測自動制御学会、平成2年7月24 日、P.17−18 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 13/00 - 13/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御対象の動特性モデルに基づいて制御量
    未来値を予測し、制御性能を表す評価関数の値を最小化
    するような最適操作量を制御量と未来目標値から算出す
    るモデル予測制御装置において、 制御対象が動作すべき立上がり時間を表す応答時定数が
    設定される応答時定数設定手段と、の経過と共に値が増大する重み係数ρ −j (但
    し、ρ<1であり、ρ=exp(−△/Tr)、△は制御
    周期、Trは応答時定数)を算出する重み係数パラメータ
    算出手段と算出された重み係数が組込まれた新規評価関
    【数1】 (但し、制御量y(k+j) 、目標値y (k+j)、操作量増
    分Δu(k+j) 、閉ループ極配置を決定する多項式D(z
    −1 ))を構築し、これを前記評価関数として設定する
    評価関数設定手段と、 を備えたことを特徴とするモデル予測制御装置。
  2. 【請求項2】制御対象の動特性モデルに基づいて制御量
    未来値を予測し、制御性能を表す評価関数の値を最小化
    するような最適操作量を制御量と未来目標値から算出す
    るモデル予測制御装置において、 制御対象が動作すべき立上がり時間を表す応答時定数が
    設定される応答時定数設定手段と、の経過と共に値が増大する重み係数ρ −j (但
    し、ρ<1であり、ρ= exp(−△/Tr)、△は制御
    周期、Trは応答時定数)を算出する重み係数パラメータ
    算出手段と算出された重み係数が組込まれた新規評価関
    【数1】 (但し、制御量y(k+j) 、目標値y (k+j)、操作量増
    分Δu(k+j) 、閉ループ極配置を決定する多項式D(z
    −1 ))を構築し、これを前記評価関数として設定する
    評価関数設定手段と、 前記新規評価関数が設定されたモデル予測制御系の制御
    対象の変動に対する安定度を表す安定余裕パラメータを
    算出する演算手段と、 前記応答時定数設定手段に設定された応答時定数の値を
    変化させつつ、前記応答時定数の瞬時値に対応する前記
    安定余裕パラメータの値を記録するシミュレーション手
    段と、 記録された応答時定数の値と安定余裕パラメータの値と
    の関係を可視的に表示する表示手段とを備えたことを特
    徴とするモデル予測制御装置。
  3. 【請求項3】制御対象の動特性モデルに基づいて制御量
    未来値を予測し、制御性能を表す評価関数の値を最小化
    するような最適操作量を制御量と未来目標値から算出す
    るモデル予測制御装置において、 制御対象が動作すべき立上がり時間を表す応答時定数が
    設定される応答時定数設定手段と、の経過と共に値が増大する重み係数ρ −j (但
    し、ρ<1であり、ρ=exp(−△/Tr)、△は制御
    周期、Trは応答時定数)を算出する重み係数パラメータ
    算出手段と算出された重み係数が組込まれた新規評価関
    【数1】 (但し、制御量y(k+j) 、目標値y (k+j)、操作量増
    分Δu(k+j) 、閉ループ極配置を決定する多項式D(z
    −1 ))を構築し、これを前記評価関数として設定する
    評価関数設定手段と、 前記新規評価関数が設定されたモデル予測制御系の制御
    対象の変動に対する安定度を表す安定余裕パラメータを
    算出する演算手段と、 指定された安定余裕パラメータを保持する安定余裕パラ
    メータ設定手段と、 前記算出された安定余裕パラメータの値が前記安定余裕
    パラメータ設定手段に保持された安定余裕パラメータの
    値に一致するまで前記応答時定数設定手段に保持された
    応答時定数の値を変化させる応答時定数調整手段とを備
    えたことを特徴とするモデル予測制御装置。
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