JP4542312B2 - Rna配列の増幅のための方法および組成物 - Google Patents
Rna配列の増幅のための方法および組成物 Download PDFInfo
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Description
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2001年3月9日に出願された米国仮特許出願番号60/274,550号の優先権を主張し、これは、その全体が参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、ポリヌクレオチド増幅の分野に関する。より詳細には、本発明は、RNA/DNA複合プライマー、そして必要に応じて、転写を用いる、目的のRNA配列を増幅する(すなわち、複数コピーを作製する)ための方法、組成物およびキットを提供する。
【0003】
(背景技術)
リボ核酸(RNA)を増幅するための能力は、生物学的プロセスを解明するための試みの重要な局面である。現在まで、RNA(一般的には、mRNA)増幅は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)方法およびその変異を使用して、最も一般的に行われる。これらの方法は、RNAに相補的な一本鎖DNA(cDNA)を形成するための逆転写酵素によるRNAの複製に基づき、これは、続いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅により、二本鎖DNAの複製コピーを産生する。これらの方法は最も一般的に使用されるが、これらは、以下のいくつかの有意な欠点を有する:a)反応が熱サイクルを必要とする;b)産物が二本鎖であり、従って、これらの産物をプローブに対する結合にアクセス可能にしない;c)反応物が増幅前の産物で汚染される傾向があり、従って、反応混合物の厳密な封じ込めが必要である;そして、d)これらの方法の指数関数的な増幅性質が、産物のプールを産生する傾向を与え、これは、異なる配列の増幅の不等な有効性(unequal efficiency)、およびインプット標的RNAの連続した複製ではなく増幅産物の複製に基づく指数関数的な増幅性質に起因して、インプット全RNAサンプル中の種々のRNA配列の提示を正確にもたらさない。
【0004】
細胞の総mRNAは、規定時間において遺伝子発現活性を示す。遺伝子発現は、細胞周期の進行、発生調節、内部刺激および外部刺激に対する応答などによって影響を与えられる。生物体の任意の細胞型についての発現された遺伝子のプロフィールは、正常状態または疾患状態、種々の刺激に対する応答、発生段階、細胞分化などを反映する。
【0005】
遺伝子発現の分析のための種々の方法は、近年発展してきた。例えば、米国特許第5,744,308号;同第6,143,495号;同第5,824,517号;同第5,829,547号;同第5,888,779号;同第5,545,522号;同第5,716,785号;同第5,409,818号;EP 0971039A2;EP 0878553A2を参照のこと。これらとしては、特定のmRNAの定量化、および多数のmRNAの同時定量化、ならびに公知の遺伝子および未知の遺伝子の発現パターンの検出および定量化が挙げられる。遺伝子発現プロフィールの分析は、現在、細胞分化および細胞発生の研究、ならびに種々の生物体(特に、ヒト)の正常状態および疾患状態の調査における最も強力なツールの1つである。これらの分析は、遺伝子発見プロセス、分子医学プロセスおよび薬物発見プロセスのために重要である。
【0006】
任意の細胞または組織から調製された全細胞mRNAの増幅は、一般的に、遺伝子発現プロフィールのために重要である。非増幅mRNAの分析は可能であるが、開始mRNAの有意な量が必要とされる。しかし、利用可能なサンプルmRNAの総量は、由来する生物学的サンプルの量によって頻繁に制限される。生物学的サンプルは、しばしば、量が制限されており、貴重である。さらに、種々のmRNA種の量は等しくない;いくつかの種は、他の種よりも多量であり、そしてこれらは分析される傾向が強く、かつ分析するのが容易である。mRNA配列を増幅する能力は、少量の、稀なmRNA種の分析を可能にする。核酸増幅によって小さいサンプルを分析する能力はまた、エフェクター分子ライブラリーの大規模なスクリーニングのパラメータを設計するために有益であり、これに関して、サンプル容量の減少は、非常に大規模なスクリーニングまたは超高スループットスクリーニングを行う能力のため、およびライブラリー成分の制限量の観点からの両方について主要な関心事である。
【0007】
従って、既存の方法の欠点を克服する改良されたRNA増幅方法の必要性が存在する。本明細書中で提供される本発明は、この必要性を満たし、かつさらなる利点を提供する。
【0008】
特許出願および刊行物を含む、本明細書中に列挙される全ての参考文献は、その全体が参考として援用される。
【0009】
(発明の開示)
本発明は、RNA増幅のための方法、組成物およびキット、ならびにこの増幅方法の適用を提供する。
【0010】
従って、1つの局面において、本発明は、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数コピーを産生する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、標的RNAにハイブリダイズされる第1のプライマーを伸長させる工程であり、ここで、この第1のプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーであり、これによって、第1のプライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が産生される、工程;(b)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて、工程(a)の複合体においてRNAを切断する工程;(c)DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズされる第2のプライマーを伸長させる工程であり、これによって、第2のプライマー伸長産物は、第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長産物との複合体を形成するように産生される、工程;(d)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて、この第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長産物との複合体において複合プライマーからRNAを切断し、その結果、複合プライマーが第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズする工程であり、ここで、この複合プライマーが、RNA部分および3’DNA部分を含む、工程;(e)DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズされる複合プライマーを伸長させる工程;これによって、この第1のプライマー伸長産物は置換され、そしてこれによって、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数コピーが産生される。
【0011】
別の局面において、本発明は、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数コピーを産生する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズされた第2のプライマーを伸長させる工程であり、ここで、この第1のプライマー伸長産物は、5’末端にRNA部分を含み、この第1のプライマー伸長産物は、RNA配列に相補的な配列を含み、これによって第2のプライマー伸長産物は、第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長配列との複合体を形成するように産生される、工程;(b)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて、第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長配列との複合体においてRNAを切断し、その結果、複合プライマーが第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズする工程であり、ここで、この複合プライマーがRNA部分および3’DNA部分を含む、工程;(c)DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズされた複合プライマーを伸長させる工程;これによって、この第1のプライマー伸長産物は置換され、そしてこれによって、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数コピーが産生される。本発明のいくつかの実施形態において、第1のプライマー伸長産物は、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、標的RNAにハイブリダイズされた第1のプライマーの伸長によって産生され、ここで、この第1のプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである。
【0012】
別の局面において、本発明は、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数コピーを産生する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて、第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長産物との複合体からRNAを切断すし、その結果、複合プライマーが第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズする工程であり、ここで、この複合プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含み、ここで、この第1のプライマー伸長産物は、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、標的RNAにハイブリダイズされた第1のプライマーの伸長によって産生され、ここで、この第1のプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである、工程;(b)複合プライマーを第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズさせ、そしてDNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、この複合プライマーを伸長させる工程;これによって、この第1のプライマー伸長産物は置換され、そしてそれによって、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数コピーが産生される。
【0013】
別の局面において、本発明は、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数コピーを産生する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:以下を含む複合体において複合プライマーを伸長させる工程:(i)第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長産物との複合体であり、ここで、この第1のプライマー伸長産物は、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、標的RNAにハイブリダイズされた第1のプライマーの伸長によって産生され、ここで、この第1のプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーであり、ここで、この第2のプライマー伸長産物は、第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズした第2のプライマーの伸長によって産生され、そしてここで、第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長産物との複合体由来のRNAは、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断される、複合体;ならびに(ii)複合プライマーであり、この複合プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含み、ここで、この複合プライマーは、第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズされ、そしてここで、この複合プライマーは、第1のプライマーと同じであっても良いし異なっていても良い、複合プライマー;これによって、この第1のプライマー伸長産物は置換され、そしてこれによって、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数コピーが産生される。
【0014】
別の局面において、本発明は、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数コピーを産生する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズされた複合プロモーターを伸張させる工程であり、ここで、このプライマー伸長産物は、(i)テンプレートRNAにハイブリダイズされた第1のプライマーの伸長によって産生された第1のプライマー伸長産物の相補体または配列を含み、ここで、この第1のプライマーが、RNA部分および3’DNA部分を含む複数プライマーであり;そして(ii)第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズされた第2のプライマーの伸長によって産生される第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズされ、そしてRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて、第1のプライマーからRNAを切断する;これによって、この第1のプライマー伸長産物は置換され、そしてこれによって目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数のコピーが産生される。
【0015】
別の局面において、本発明は、目的のRNA配列の複数コピーを産生する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:
本明細書中に記載される目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数コピーを産生する任意の方法からの、置換された第1のプライマー伸長産物を、ポリヌクレオチドと、置換された第1のプライマー伸長産物に相補的な配列を含むRNA転写物が産生されるように、転写がRNAポリメラーゼによって生じることが可能な条件下で、ハイブリダイズする工程であり、このポリヌクレオチドは、プロプロモーター(propromoter)および置換された第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズ可能な領域を含み、それによって、目的のRNA配列の複数コピーが産生される、工程。
【0016】
別の局面において、本発明は、目的のRNA配列の複数のコピーを作製する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:本明細書中に記載の目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチドの複数のコピーを作製する方法のいずれかからの第1のプライマー伸長産物を、プロプロモーターおよび置換された第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズ可能な領域を含むポリヌクレオチドと、RNAポリメラーゼによって転写が生じる条件下でハイブリダイズして、その結果、置換された第1のプライマー伸長産物に相補的な配列を含むRNA転写物が生成される工程。ここで、このプライマー伸長産物は、以下によって作製された置換プライマー伸長産物である:(a)RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、標的RNAにハイブリダイズした第1のプライマーを伸長する工程であって、ここで、この第1のプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーであり、これによって、第1のプライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される、工程;(b)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて、工程(b)の複合体中のRNAを切断する工程;(c)DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、この第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズした第2のプライマーを伸長する工程であって、これによって、第2のプライマー伸長産物が生成され、第1および第2ののプライマー伸長産物の複合体を形成する、工程;(d)複合プライマーが第2のプライマー伸長産物とハイブリダイズするように、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて第1および第2のプライマー伸長産物の複合体における複合プライマーから、RNAを切断する工程であって、ここで、この複合プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む、工程;(e)DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズした複合プライマーを伸長する工程であって、これによって、この第1のプライマー伸長産物が置換される工程;これによって、目的のRNA配列の複数のコピーが作製される。
【0017】
別の局面において、本発明は、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数のコピーを作製する(増幅する)方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)第1のプライマーを標的RNAにハイブリダイズする工程であって、ここで、この第1のプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである、工程;(b)RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、この第1のプライマーを伸長する工程であって、これによって、第1のプライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される、工程;(c)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素)を用いて、工程(b)の複合体中のRNAを切断する工程;(d)第1のプライマー伸長産物に第2のプライマーをハイブリダイズする工程;(e)DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて第2のプライマーを伸張する工程であって、これによって、第2のプライマー伸長産物が生成して、第1および第2ののプライマー伸長産物の複合体を形成する、工程;(f)複合プライマー(これは、第1のプライマーと同じであっても同じでなくても良い)が第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズするように、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素)を用いて第1および第2のプライマー伸長産物の複合体における複合プライマーからRNAを切断する工程であって、ここで、この複合プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む、工程;(g)DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、工程(f)の複合プライマーを伸張する工程であって、これによって、この第1のプライマー伸長産物が置換され、そしてこれによって、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数のコピーが作製される、工程。
【0018】
いくつかの局面において、本発明は、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数のコピーを作製する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:以下を合わせ、そして反応させる工程:上記工程(e)の第1および第2のプライマー伸長産物の複合体;第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズ可能な複合プライマー(これは、第1のプライマーと同じであっても同じでなくても良い)(ここで、この複合プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む);DNA依存性DNAポリメラーゼ;ならびにRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素);ここで、この混合物は、このRNAが切断されそして複合プライマーが複合体中の第2のプライマー伸長産物に結合する場合に、プライマーのハイブリダイゼーション、RNA切断、および上記工程(e)の複合体からの第1のプライマー伸長産物の置換を可能にする条件下(これは、必要な基質および緩衝条件を含む)でインキュベートされる。
【0019】
当業者には明らかであるが、目的のRNA配列のコピーまたは目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列のコピーの作製についての言及は、このような配列を含み得るかまたはこのような配列からなり得る産物をいう。当業者には明らかであるが、得られる混合物の混合およびインキュベートを参照する局面はまた、所望の生産物が形成されるように種々の混合物(種々の組み合わせおよび/または準組み合わせ(subcombination)で)のインキュベートを含む方法の実施形態を含む。
【0020】
別の局面において、本発明は、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数のコピーを作製する方法を提供し、この方法は、反応混合物をインキュベートする工程を包含し、この反応混合物は、以下を含む:(a)標的RNA;(b)標的RNAにハイブリダイズ可能な第1のプライマー(ここで、この第1のプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである);(c)第1のプライマーの伸長産物にハイブリダイズ可能な第2のプライマー;(d)RNA依存性DNAポリメラーゼ;(e)DNA依存性DNAポリメラーゼ;(f)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素;ここで、このインキュベーションは、このRNAが切断されそして複合プライマーが複合体中の第2のプライマー伸長産物に結合しそして伸長する場合に、プライマーのハイブリダイゼーション、第1および第2のプライマー伸長産物を含む複合体を形成するための第1のプライマーおよび第2のプライマーからの伸長、RNA切断、および複合体からの第1のプライマー伸長産物の置換を可能にする条件下で行われ、これによって、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数のコピーが作製される。
【0021】
別の局面において、本発明は、目的のRNA配列の複数のコピーを作製する(増幅する)方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)標的RNAに第1のプライマーをハイブリダイズする工程(ここで、第1のプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである);(b)RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて第1のプライマーを伸長する工程であって、これによって第1のプライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成する、工程;(c)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素)を用いて、工程(b)の複合体中のRNAを切断する工程;(d)第1のプライマー伸長産物に第2のプライマーをハイブリダイズする工程;(e)DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、第2のプライマーを伸長する工程であって、これによって、第2のプライマー伸長産物が生成して、第1および第2ののプライマー伸長産物の複合体を形成する、工程;(f)複合プライマー(これは、第1のプライマーと同じであっても同じでなくてもよい)が第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズするように、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素)を用いて第1および第2のプライマー伸長産物における複合プライマーからRNAを切断する工程(ここで、この複合プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む);(g)DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、工程(f)の複合プライマーを伸長する工程であって、これによってこの第1のプライマー伸長産物が置換される、工程;(h)置換された第1のプライマー伸長産物を、プロプロモーターおよび置換された第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズ可能な領域を含むポリヌクレオチドに、RNAポリメラーゼによって生じる転写を可能にする条件下でハイブリダイズし、その結果、置換されたプライマー伸長産物に相補的な配列を含むRNA転写物が生成される工程であって、これによって目的のRNA配列の複数のコピーが作製される、工程。いくつかの実施形態において、本発明は、目的のRNA配列の複数のコピーを作製する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)以下を合わせる工程:第1の複合体(ここで、この第1の複合体は、この段落の上記工程(e)の第1および第2のプライマー伸長産物の複合体である);第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズ可能な複合プライマー(これは、第1のプライマーと同じであっても同じでなくてもよい)(ここで、この複合プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む);DNA依存性DNAポリメラーゼ;RNAポリメラーゼ;プロプロモーターおよび第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含むプロプロモーターポリヌクレオチド;ならびにRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素);ならびに(b)そのRNAが切断され、そして複合プライマーが第1の複合体中の第2のプライマー伸長産物に結合する場合に、プライマーのハイブリダイゼーション、RNA切断、第1の複合体からの第1のプライマー伸長産物の置換、この置換されたプライマー伸長産物およびプロプロモーターポリヌクレオチドを含む第2の複合体を形成するための置換された第1のプライマー伸長産物へのこのプロプロモーターのハイブリダイゼーション、およびこの第2の複合体からのRNAの転写を可能にする条件下(これは、必要な基質および緩衝条件を含む)で、工程(a)の混合物をインキュベートする工程。
【0022】
別の局面において、本発明は、目的のRNA配列の複数のコピーを作製する方法を提供し、この方法は、反応混合物をインキュベートする工程を包含し、この反応混合物は、以下を含む:(a)標的RNA;(b)標的RNAにハイブリダイズ可能な第1のプライマー(ここで、この第1のプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである);(c)第1のプライマーの伸長産物にハイブリダイズ可能な第2のプライマー;(d)RNA依存性DNAポリメラーゼ;(e)DNA依存性DNAポリメラーゼ;(f)RNAポリメラーゼ;(g)プロプロモーターおよび第2のプライマーの伸長産物にハイブリダイズする領域を含むプロプロモーターポリヌクレオチド、ならびに(h)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素;ここで、このインキュベーションは、そのRNAが切断され、そして複合プライマーが第1の複合体中の第2のプライマー伸長産物に結合する場合に、プライマーのハイブリダイゼーション、第1および第2のプライマー伸長産物を含む第1の複合体を形成するための第1のプライマーおよび第2のプライマーからの伸長、RNA切断、第1の複合体からの第1のプライマー伸長産物の置換、この置換されたプライマー伸長産物およびプロプロモーターポリヌクレオチドを含む第2の複合体を形成するための、置換された第1のプライマー伸長産物へのこのプロプロモーターポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション、およびこの第2の複合体からのRNAの転写を可能にする条件下で行われ、これによって、目的のRNA配列の複数のコピーが作製される。
【0023】
なお別の局面において、本発明は、目的のRNA配列の複数のコピーを作製する(増幅する)方法を提供し、この方法は反応混合物をインキュベートする工程を包含し、この反応混合物は、以下を含む:(a)標的RNA;(b)標的RNAにハイブリダイズ可能な第1のプライマー(ここで、この第1のプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである);(c)第1のプライマーの伸長産物にハイブリダイズ可能な第2のプライマー;(d)RNA依存性DNAポリメラーゼ;(e)DNA依存性DNAポリメラーゼ;および(f)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素;ここで、このインキュベーションは、そのRNAが切断されかつ別の第1のプライマーが複合体における第2のプライマー伸長産物に結合する場合に、プライマーのハイブリダイゼーション、第1および第2のプライマー伸長産物を含む複合体を形成するための第1のプライマーおよび第2のプライマーからの伸長、RNA切断、ならびに複合体からの第1のプライマー伸長産物の置換を可能にする条件下(これは、必要な基質および緩衝条件を含む)で行われ、これによって目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数のコピーが作製される。
【0024】
別の局面において、本発明は、目的のRNA配列の複数のコピーを作製する(増幅する)方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)反応混合物をインキュベートする工程であって、この反応混合物は、以下を含む:(i)標的RNA;および(ii)標的RNAにハイブリダイズ可能な第1のプライマー(ここで、この第1のプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである);および(iii)RNA依存性DNAポリメラーゼ;ここで、このインキュベーションは、プライマーのハイブリダイゼーションおよび第1のプライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体の形成を可能にする条件下である;(b)反応混合物をインキュベートする工程であって、この反応混合物は、以下を含む:(i)第1のプライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体;および(ii)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断し得る酵素;ここで、このインキュベーションは、第1のプライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体中のRNAの切断を可能する条件下である;(c)反応混合物をインキュベートする工程であって、この反応混合物は、以下を含む:(i)第1のプライマー伸長産物;(ii)第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズ可能な第2のプライマー;および(iii)DNA依存性DNAポリメラーゼ;ここで、このインキュベーションは、プライマーのハイブリダイゼーションならびに第1のプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物を含む複合体の形成を可能にする条件下である;(d)反応混合物をインキュベートする工程であって、この反応混合物は、以下を含む:(i)第1のプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物を含む複合体;(ii)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断し得る酵素;ここで、このインキュベーションは、第1のプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物を含む複合体中のRNAの切断を可能にする条件下である;(e)反応混合物をインキュベートする工程であって、この反応混合物は、以下を含む:(i)複合プライマー(ここで、この複合プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む);(ii)第1のプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物を含む、切断された複合体;および(iii)DNA依存性DNAポリメラーゼ;ここで、このインキュベーションは、複合プライマーのハイブリダイゼーション、および第1のプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物を含む複合体からの第1のプライマー伸長産物の置換を可能にする条件下である;これによって、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数のコピーが作製される。
【0025】
この反応混合物は、上記で合わされた1つ以上の反応混合物と、任意の方法で合わされ得る(従って、インキュベーションの数が減少する)。従って、いくつかの実施形態において、工程(a)および(b)の反応混合物は、同じ反応混合物である(4つのインキュベーションまたはインキュベーション工程)。他の実施形態において、工程(d)および(e)の反応混合物は、同じ反応混合物である(4つのインキュベーションまたはインキュベーション工程):なお別の実施形態において、工程(a)および(b)の反応混合物は同じ反応混合物であり、そして工程(d)および(e)の反応混合物は同じ反応混合物であり(3つのインキュベーションまたはインキュベーション工程)。なお他の実施形態において、工程(a)〜(c)の反応混合物は、同じ反応混合物である(3つのインキュベーションまたはインキュベーション工程)。なお別の実施形態において、工程(a)〜(c)の反応混合物は同じ反応混合物であり、そして工程(d)および(e)の反応混合物は、同じ反応混合物である(2つのインキュベーションまたはインキュベーション工程)。他の実施形態において、工程(a)〜(d)の反応混合物は、同じ反応混合物である(2つのインキュベーションまたはインキュベーション工程)。他の実施形態において、(b)および(c)の反応混合物は、同じ反応混合物である(4つのインキュベーションまたはインキュベーション工程)。他の実施形態において、(c)および(d)の反応混合物は、同じ反応混合物である(4つのインキュベーションまたはインキュベーション工程)。なお別の実施形態において、(a)〜(e)の反応混合物は、同じ反応混合物である(1つのインキュベーション)。本明細書中に記載の方法のいずれかの一部としてこのインキュベーションが行われる程度まで、これらのインキュベーション工程の任意の組み合わせ、および任意の単一インキュベーション工程は、本発明の範囲内であることが理解される。
【0026】
本発明の別の局面において、目的のRNA配列の複数のコピーを作製する(増幅する)方法は、以下の工程をさらに包含する:(a)反応混合物をインキュベートする工程であって、この反応混合物は、以下を含む(i)目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列のコピー;(ii)プロプロモーターおよび目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチドのコピーにハイブリダイズする領域を含むプローブプロモーターポリヌクレオチド;ならびにRNAポリメラーゼ;そしてここで、このインキュベーションは、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列のコピーおよびプロプロモーターポリヌクレオチドを含む第2の複合体を形成するための、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列のコピーへのプロプロモーターポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション、ならびにこの第2の複合体からのRNA転写を可能にする条件下である。
【0027】
なお別の局面において、本発明は、目的のRNA配列の複数のコピーを作製する(増幅する)方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)以下を合わせる工程:標的RNA;標的RNAにハイブリダイズ可能な第1のプライマー(ここで、この第1のプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである);第1のプライマーの伸長産物にハイブリダイズ可能な第2のプライマー;RNA依存性DNAポリメラーゼ;DNA依存性DNAポリメラーゼ;RNAポリメラーゼ;プロプロモーターおよび第2のプライマーの伸長産物にハイブリダイズする領域を含むプロプロモーターポリヌクレオチド;およびRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素);ならびに(b)そのRNAが切断されかつ別の第1のプライマーが第1の複合体における第2のプライマー伸長産物に結合する場合に、プライマーのハイブリダイゼーション、第1および第2ののプライマー伸長産物を含む第1の複合体を形成するための第1のプライマーおよび第2のプライマーからの伸長、RNA切断、第1の複合体からの第1のプライマー伸長産物の置換、この置換されたプライマー伸長産物およびプロプロモーターポリヌクレオチドを含む第2の複合体を形成するための、置換された第1のプライマー伸長産物へのこのプロプロモーターポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション、およびこの第2の複合体からのRNAの転写を可能にする条件下(これは、必要な基質および緩衝条件を含む)で、工程(a)の混合物をインキュベートする工程であって、これによって目的のRNA配列の複数のコピーが作製される、工程。
【0028】
なお別の局面において、本発明は、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数のコピーを作製する(増幅する)方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)標的RNAにプライマーをハイブリダイズする工程(ここで、このプライマーは、RNA部分および3’DNA部を含む複合プライマーである);(b)RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、このプライマーを伸長する工程(これによって、プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される);(c)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素)を用いて、工程(b)の複合体中のRNAを切断する工程(その結果、標的RNAの少なくとも1つのフラグメントが、プライマー伸長産物にハイブリダイズしたままである);(d)DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、この標的RNAの少なくとも1つのフラグメントを伸長する工程(これによって、目的の配列を含むフラグメント伸長産物が生成されて、プライマーとフラグメント伸長産物との複合体を形成する);(e)複合プライマー(これは、第1のプライマーと同じであっても同じでなくてもよい)がフラグメント伸長産物にハイブリダイズし、そして標準的置換によってプライマー伸長を反復するように、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素)を用いて、プライマーとフラグメント伸長産物との複合体中の複合プライマーからRNAを切断する工程(ここで、この複合プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む);これによって、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数のコピーが作製される。いくつかの実施形態において、本発明は、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数のコピーを作製する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)以下を合わせる工程:この段落の上記工程(d)のプライマーとフラグメント伸長産物との複合体;このフラグメント伸長産物にハイブリダイズ可能な複合プライマー(これは、第1のプライマーと同じであっても同じでなくてもよい)(ここで、この複合プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む);DNA依存性DNAポリメラーゼ;およびRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素);ならびに(b)そのRNAが切断されそして複合プライマーがこの複合体中のフラグメント伸長産物に結合する場合に、プライマーのハイブリダイゼーション、RNA切断、およびこの段落の上記工程(d)の複合体からのプライマー伸長産物の置換を可能にする条件下(これは、必要な基質および緩衝条件を含む)で、工程(a)の混合物をインキュベートする工程。
【0029】
なお別の局面において、本発明は、目的のRNA配列の複数のコピーを作製する(増幅する)方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)標的RNAに第1のプライマーをハイブリダイズする工程(ここで、この第1のプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである);(b)RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、第1のプライマーを伸長する工程(これによって、第1のプライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される);(c)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素)を用いて、工程(b)の複合体中の標的RNAを切断する工程(その結果、標的RNAのフラグメントは、第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズしたままである);(d)DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、この標的RNAの少なくとも1つのフラグメントを伸長する工程(これによって、目的の配列を含むフラグメント伸長産物が生成されて、プライマーとフラグメント伸長産物との複合体を形成する);(e)複合プライマー(これは、第1のプライマーと同じであっても同じでなくてもよい)がフラグメント伸長産物にハイブリダイズし、そして標準的置換によってプライマー伸長を反復するように、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素)を用いて、プライマーとフラグメント伸長産物との複合体における複合プライマーからRNAを切断する工程(ここで、この複合プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む);(f)置換されたプライマー伸長産物を、プロプロモーターおよび置換されたプライマー伸長産物にハイブリダイズ可能な領域を含むポリヌクレオチドと、RNAポリメラーゼによる転写が可能な条件下でハイブリダイズする工程(その結果、置換されたプライマー伸長産物に相補的な配列を含むRNA転写物が生成される)、これによって、目的のRNA配列の複数のコピーが作製される。いくつかの実施形態において、本発明は、目的のRNA配列の複数のコピーを作製する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)以下を合わせる工程:第1の複合体(ここで、この第1の複合体は、この段落の上記工程(d)のプライマーとフラグメント伸長産物との複合体である);フラグメント伸長産物にハイブリダイズ可能な複合プライマー(これは、第1のプライマーと同じであっても同じでなくてもよい)(ここでこの複合プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む);DNA依存性DNAポリメラーゼ;RNAポリメラーゼ;プロプロモーターおよび第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含むプロプロモーターポリヌクレオチド;およびRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素);ならびに(b)そのRNAが切断されそして複合プライマーが第1の複合体におけるフラグメント伸長産物に結合する場合に、プライマーのハイブリダイゼーション、RNA切断、第1の複合体からのプライマー伸長産物の置換、置換されたプライマー伸長産物およびプロプロモーターポリヌクレオチドを含む第2の複合体を形成するための、置換されたプライマー伸長産物へのプロプロモーターポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション、およびこの第2の複合体からのRNA転写を可能にする条件下(これは、必要な基質および緩衝条件を含む)で、工程(a)の混合物をインキュベートする工程。
【0030】
なお別の局面において、本発明は、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数のコピーを生成する(増幅する)方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)以下を結合する工程:標的RNA;RNA部分と3’DNA部分とを含む複合プライマーである、この標的RNAにハイブリダイズ可能なプライマー;RNA依存性DNAポリメラーゼ;DNA依存性DNAポリメラーゼ;およびRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する薬剤(例えば、酵素);ならびに(b)プライマーハイブリダイゼーション、RNA切断(ここで、標的RNAとプライマー伸長産物とを含む第1の複合体のRNA切断が、この標的RNAのフラグメントがこのプライマー伸長産物にハイブリダイズしたままであるRNA切断である)、プライマー伸長産物と目的の配列とを含むフラグメント伸長産物とを含む第2の複合体を形成するためのプライマーおよびこの標的RNAのフラグメントからのプライマー伸長、ならびにこのRNAが切断され、そして別のプライマーが第2の複合体中のフラグメント伸長産物に結合する場合に、第2の複合体からのこのプライマー伸長産物の置換を可能にする条件下(必要な基質および緩衝液条件を含む)で工程(a)の混合物をインキュベートする工程であって、これによって、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数のコピーが生成される、工程。
【0031】
1つの他の局面において、本発明は、目的のRNA配列複数のコピーを生成する(増幅する)方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)以下を結合する工程:標的RNA;RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである、この標的RNAにハイブリダイズ可能なプライマー;RNA依存性DNAポリメラーゼ;DNA依存性DNAポリメラーゼ;RNAポリメラーゼ;プロプロモーターポリヌクレオチド;およびRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する薬剤(例えば、酵素);ならびに(b)プライマーハイブリダイゼーション、RNA切断(ここで、標的RNAとプライマー伸長産物とを含む第1の複合体のRNA切断が、標的RNAのフラグメントがこのプライマー伸長産物にハイブリダイズしたままであるように起こる)、プライマー伸長産物と、目的の配列を含むフラグメント伸長産物とを含む第2の複合体を形成するためのプライマーおよびこの標的RNAのフラグメントからのプライマー伸長、RNAが切断され、そして別のプライマーが第2の複合体に結合する場合に第2の複合体からのこのプライマー伸長産物の置換、置換されたプライマー伸長産物とプロプロモーターポリヌクレオチドとを含む、第3の複合体を形成するための置換されたプライマー伸長産物に対するプロプロモーターポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション、ならびに上記第3の複合体からの転写を可能にする条件下(必要な基質および緩衝液条件を含む)で工程(a)の混合物をインキュベートする工程であって、これによって、目的のRNA配列の複数のコピーが生成される、工程。
【0032】
別の局面において、本発明は、標的RNA上に存在する目的のRNA配列の複数のコピーを生成する方法を提供し、この方法は、以下を包含する:本明細書中で記載される任意の方法に従う、3’一本鎖部分を含む、第1のプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物の複合体の形成;(c)プロプロモーターオリゴヌクレオチドを工程(b)の3’一本鎖部分にハイブリダイズする工程;および(d)DNA依存性RNAポリメラーゼを使用する転写であって、これによって、センスRNA産物の複数のコピーを生成する、転写。
【0033】
別の局面において、本発明は、標的RNA上に存在する目的のRNA配列に相補的な配列の複数のコピーおよび標的RNA上に存在する目的のRNA配列の複数のコピーを生成する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、標的RNAにハイブリダイズされる、第1のプライマーを伸長する工程であって、ここで第1のプライマーが、RNA部分と3’DNA部分とを含む複合プライマーであり、これによって、第1のプライマー伸長産物と標的RNAとを含む、複合体が生成される、工程;(b)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて、工程(b)の複合体中のRNAを切断する工程;(c)DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズされる、第2のプライマーを伸長する工程であって、ここで第2のプライマーが、RNA部分と3’DNA部分とを含む複合プライマーであり、これによって、第2のプライマー伸長産物を生成し、第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長産物との複合体を形成する、工程;(d)別の複合プライマーが第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズし、そして別の複合プライマーが第1のプライマー伸長物にハイブリダイズするように、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて、第1のプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物の複合体内の第1の複合プライマーおよび第2の複合プライマーから、RNAを切断する工程;(e)DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、工程(d)の上記の複合プライマーを伸長する工程であって、これによって、上記の第1のプライマー伸長産物が置換され、これによって、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数のコピーが生成され;そして、これによって上記の第2のプライマー伸長産物が置換され、そして、これによって目的のRNA配列の複数のコピーが生成される、工程。
【0034】
別の局面において、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数のコピーを生成する方法は、2つ以上の異なる目的の配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数のコピーを生成する工程を包含する。
【0035】
別の局面において、目的のRNA配列の複数のコピーを生成する方法は、2以上の異なる目的の配列の複数のコピーを生成する工程を包含する。
【0036】
本発明の方法で使用される、複合プライマーおよび第2のプライマーの種々の実施形態が、本明細書中に記載される。例えば、いくつかの実施形態において、複合プライマーのRNA部分は、3’DNA部分に関して5’にある。なお別の実施形態において、5’RNA部分は、3’DNA部分に隣接する。いくつかの実施形態において、複合プライマーは、この複合プライマーが標的RNAにハイブリダイズする条件下にて標的RNAにハイブリダイズ可能ではない5’部分(例えば、5’RNA部分)を含む。なお他の実施形態において、複合プライマーは、ランダム配列を含む3’部分(例えば、3’DNA部分)を含む。標的RNAがmRNAであるいくつかの実施形態において、複合プライマーはポリdT配列を含み得る。方法の実施形態において、複合プライマーはランダムプライマーである。さらに他の実施形態において、複数の複合プライマーが、標的RNAにハイブリダイズするために使用される。いくつかの実施形態において、標的RNAにハイブリダイズする複合プライマーおよび第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズする複合プライマーは、同一である。いくつかの実施形態において、標的RNAにハイブリダイズする複合プライマーおよび第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズする複合プライマーは、異なる。
【0037】
さらに他の実施形態において、第2のプライマーは、DNAを含む(いくつかの実施形態においては、DNAからなる)プライマーである。他の実施形態において、第2のプライマーは、第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズされる、標的RNAの1つ以上のフラグメントを含み、上記1つ以上のフラグメントは、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて標的RNAと第1のプライマー伸長産物との複合体内のRNA切断によって生成される。他の実施形態において、第2のプライマーは、ランダム配列を含む部分(例えば、3’部分)を含む。さらに別の実施形態において、第2のプライマーは、ランダムプライマーである。いくつかの実施形態において、第2のプライマーは、第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズ可能ではない5’部分を含む。本明細書中に記載の方法について、1以上の複合プライマーまたは第2のプライマーが、使用され得る。
【0038】
この方法および組成物において使用され得る酵素は、本明細書中に記載される。例えば、RNAを切断する薬剤(例えば、酵素)は、RNaseHであり得、そして、RNA依存性DNAポリメラーゼは、逆転写酵素であり得る。RNA依存性DNAポリメラーゼが、RNaseH酵素活性を含むか、または別の酵素が使用され得る。同様に、DNAポリメラーゼは、RNA依存性DNAポリメラーゼ酵素活性およびDNA依存性DNAポリメラーゼ酵素活性の両方を含み得るか、または別個の酵素が使用され得る。DNA依存性DNAポリメラーゼ、およびRNAを切断する酵素はまた、同じ酵素であり得る。DNA依存性DNAポリメラーゼ、RNA依存性DNAポリメラーゼ、およびRNAを切断する酵素はまた、同じ酵素であり得る。
【0039】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、標識されたポリヌクレオチド産物(一般的にDNA産物またはRNA産物)を生成するために使用される。標識されたDNA産物を生成するための方法のいくつかの実施形態において、少なくとも1つの型の使用されるdNTPは、標識されたdNTPである。標識したRNA産物を生成するための方法のいくつか実施形態において、少なくとも1つの型の使用されたrNTPは、標識したrNTPである。標識したDNA産物を生成するための方法のいくつかの実施形態において、標識された複合プライマーが使用される。
【0040】
いくつかの局面において、プロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO)は、置換された伸長産物にハイブリダイズし、それによって、DNAポリメラーゼ伸長が二本鎖プロモーター(転写はこれから起こる)を生成する、3’末端の領域を含む。
【0041】
これらの方法は、任意のRNA標的(例えば、mRNAおよびリボソームRNAを含む)の増幅に適用可能である。1以上の工程は、(必須の産物が形成され得る限り、しばしば任意の順番で)連続的に結合および/または実行され得、そして、明確であるように、本発明は、本明細書中で記載される工程の種々の組み合わせを含む。また、本発明が最初の工程、すなわち第1の工程が、本明細書中に記載される、任意の工程である方法を含むことが、明確であり、そして本明細書中で記載される。例えば、本発明の方法は、第1の工程がRNAのテンプレートからの第1のプライマー伸長産物の生成であることを必要としない。本発明の方法は、より後の、「下流」工程が最初の工程である実施形態を包含する。
【0042】
さらに、本発明の種々の実施形態において、第1のプライマー伸長産物が、(a)RNA配列に相補的な配列および(b)RNAである、5’部分、好ましくは、5’末端を含むことが理解される。記載されたように、この産物は、一般に、RNAテンプレートに沿ったRNA部分を伴なう複合プライマーのプライマー伸長から生じる。従って、第1のプライマー伸長産物の参照は、上記の(a)および(b)を含む産物をいう。
【0043】
本発明はまた、本発明の増幅方法の産物を使用する(通常は、分析する)方法(例えば、配列決定、配列の変更の検出(例えば、遺伝子型決定または核酸変異検出)、目的の配列の存在または非存在の決定;遺伝子発現プロファイリング;差し引きハイブリダイゼーション;差し引きハイブリダイゼーションプローブの調製;差次的増幅;ライブラリーの調製(cDNAおよび差次的発現ライブラリーを含む);固定化した核酸(これは、マイクロアレイに固定化された核酸であり得る)および本発明の方法によって生成した増幅した核酸産物の特徴づけ(検出および/または定量を含む))を提供する。
【0044】
1つの局面において、本発明は、目的のRNA配列の配列決定のための方法を提供し、この方法は、プライマー伸長がdNTPアナログ(標識されても、標識されなくてもよい)の取り込みに基づいて終止するように、標識されても、標識されなくともよいdNTPおよびdNTPアナログの混合物の存在下にて、本発明の増幅方法によって、目的の配列を含む標的RNAを増幅する工程、および増幅産物を分析して、配列を決定する工程を包含する。増幅産物がRNA転写物である実施形態において、この方法は、(a)RNA転写がrNTPアナログ(これは、標識されても、標識されなくてもよい)の取り込みの際に終止されるように、rNTPおよびrNTPアナログ(これらは、標識されても、標識されなくてもよい)の混合物の存在下で、本発明の増幅方法によって、目的の配列を含む標的RNAを増幅する工程;および(b)増幅産物を分析して、配列を決定する工程を包含する。
【0045】
いくつかの局面において、本発明は、標的RNAにおいて変異を検出する(または、いくつかの局面において、配列を特徴づける)方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)本明細書中に記載の方法によって、標的RNAを増幅する工程;および(b)一本鎖コンフォメーションについて、この方法の増幅産物を分析する工程であって、ここで、参照一本鎖RNAと比較される場合のコンフォメーションにおける差異は、標的RNAにおける変異を示す、工程。他の実施形態において、本発明は、標的RNAにおいて、変異を検出する(または、いくつかの局面において、配列を特徴づける)方法を提供し、本明細書中に記載の任意の方法の増幅産物を一本鎖コンフォメーションについて分析する工程であって、ここで、参照一本鎖RNAと比較される場合のコンフォメーションにおける差異は、標的RNAにおける変異を示す(または、いくつかの局面において、配列を特徴づける)、工程。
【0046】
別の局面において、本発明は、目的の配列の存在または非存在を決定する方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(i)目的の配列を含む標的RNAを増幅する工程であって、この増幅する工程は、本明細書中に記載の任意の方法によって調整される、第1のプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物の、切断された複合体にハイブリダイズされる複合プライマーを伸長することを含み、ここで、複合プライマーのRNA部分の配列は既知である、工程;および(ii)いくらかでもあれば工程(i)からの増幅産物の量と参照テンプレートからの増幅産物の量とを比較する工程であって;ここで(1)複合プライマーのRNA部分にハイブリダイズする領域を含む参照テンプレートからの増副産物の量と比較したときの、このテンプレートからの検出可能により少ない増幅産物の生成は、第2のプライマー伸長産物が、複合プライマーのRNA部分にハイブリダイズ可能な配列を含まず、そして、この第2のプライマー伸長産物が、複合プライマーのRNA部分にハイブリダイズ可能な配列に関して配列改変体であることを示し;または(2)複合プライマーのRNA部分にハイブリダイズ可能な領域を含まない参照テンプレートからの増幅産物の量と比較されるときの、テンプレートからの検出可能により多くの増幅産物の生成は、第2のプライマー伸長産物が、複合プライマーのRNA部分にハイブリダイズ可能な配列を含み、そしてこの第2のプライマー伸長産物が、複合プライマーのRNA部分にハイブリダイズ可能な配列に関して配列改変体ではないことを示す、工程。
【0047】
別の局面において、本発明は、基材に固定化される核酸を生成する方法(マイクロアレイを生成する方法を含む)を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)本明細書中に記載の任意の方法によって、標的RNAを増幅する工程;および(b)この増幅産物を基材の上に固定化する工程。この増幅産物は、標識されても、標識されなくてもよい。他の局面において、本発明は、マイクロアレイを生成する方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(a)本明細書中に記載の増幅方法によって、標的RNAを増幅する工程;および(b)この増幅産物を基材(これらは、固体または半固体であり得る)の上に固定化する工程。いくつかの実施形態において、マイクロアレイは、増幅産物のマクロアレイを生成するために増幅産物を基材上に固定化することによって生成される。このマクロアレイは、以下からなる群より選択される材料で製造された固体または半固体の基材上に固定される少なくとも1つの増幅産物を含み得る:紙、ガラス、セラミック、プラスチック、ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、シリコン、および他の材料、ならびに光ファイバー。増幅産物は、ピン、ロッド、ファイバー、テープ、糸、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、キャピラリー、およびシリンダーを含む、二次元配置または三次元配置にある固体基材または半固体基材に固定化され得る。
【0048】
本発明の任意の方法は、サンプル中の目的のRNA配列の特徴付けに適切なポリヌクレオチド(一般的に、DNAまたはRNA)産物を生成するために使用され得る。1つの実施形態において、本発明は、目的のRNA配列の特徴付け(例えば、(存在および/または非存在の)検出および/または定量)のための方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(a)本明細書に記載の任意の方法によって、標的RNAを増幅する工程;および(b)増幅産物を分析する工程。増幅産物を分析する工程(b)は、例えば、プローブにハイブリダイズされる増幅産物を検出することおよび/または定量することによる、当該分野で公知の方法または本明細書に記載の方法によって実施され得る。このような増幅産物は、標識されても、標的されなくともよい。本発明の任意の方法は、標識されたヌクレオチドおよび/または標識された複合プライマーをこの方法の適切な工程に組み入れることによって、標識された、DNA産物またはRNA産物を生成するために使用され得る。これらの標識化された産物は、当該分野の公知の方法(cDNAマイクロアレイおよびオリゴヌクレオチドアレイのようなアレイの使用を含む)による、定量および/または同定について、特に適切である。1つの局面において、本発明は、目的のRNA配列の特徴付けの方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(a)本明細書中に記載の方法によって、標的RNAを増幅し、標識化されたDNA産物を生成する工程;および(b)標識化されたDNA産物を分析する工程。いくつかの実施形態において、DNA産物を分析する工程は、上記産物の量を決定することを包含し、これによってサンプル中に存在する目的のRNA配列の量は定量される。
【0049】
別の局面において、本発明は、目的のRNA配列を特徴付ける方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(a)本明細書中に記載の方法によって、標的RNAを増幅し、標識化されたRNA産物を生成する工程;および(b)標識化されたDNA産物を分析する工程。いくつかの実施形態において、RNA産物を分析する工程は、上記産物の量を決定することを包含し、これによってサンプル中に存在する目的のRNA配列の量は定量化される。DNA産物またはRNA産物は、例えば、これらを少なくとも1つのプローブに接触させることによって、分析され得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプローブが、マイクロアレイとして提供される。このマイクロアレイは、以下からなる群より選択される材料で製造された固体または半固体の基材上に固定される少なくとも1つのプローブを含み得る:紙、ガラス、セラミック、プラスチック、ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、シリコン、および他の材料、ならびに光ファイバー。プローブは、ピン、ロッド、ファイバー、テープ、糸、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、キャピラリー、およびシリンダーを含む、二次元配置または三次元配置にある固体基材または半固体基材に固定化され得る。
【0050】
別の局面において、本発明は、サンプル中で遺伝子発現プロファイルを決定するほう方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(a)本明細書中に記載の任意の方法を使用して、サンプル中の少なくとも1つの目的のRNA配列を増幅する工程;および(b)目的のRNA配列の各々の増幅産物の量を決定する工程であって、ここで上記の各量は、このサンプル中の目的のRNA配列の各々の量を示し、これによって、このサンプルの遺伝子発現プロファイルが決定される、工程。
【0051】
別の局面において、本発明は、ライブラリー(cDNAライブラリーおよび差し引きハイブリダイゼーションライブラリーを含む)を調製する方法を提供し、この方法は、本明細書中に記載の任意の方法を使用して、少なくとも1つの目的のRNA配列を増幅し、一本鎖核酸産物また二本鎖核酸産物を生成する工程を包含する。
【0052】
別の局面において、本発明は、差し引きハイブリダイゼーションプローブを調製する方法を提供し、この方法は、本明細書中に記載の任意の方法によって、複数の一本鎖ポリヌクレオチド、好ましくは、DNA、第1のRNA集団からの少なくとも1つの目的のRNA配列の相補体のコピーを生成する工程を包含する。
【0053】
別の局面において、本発明は、差し引きハイブリダイゼーションを実施する方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(a)本明細書中に記載の任意の方法を使用して、第1のRNA集団からの少なくとも1つの目的のRNA配列の相補体の複数のコピーを生成する工程;および(b)この複数のコピーを第2のmRNA集団にハイブリダイズさせる工程であって、これによって、第2のmRNA集団の部分集団(subpopulation)が、DNAコピーとの複合体を形成する、工程。いくつかの実施形態において、この方法は、以下をさらに含む:(c)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素によって、工程(b)の複合体内にあるRNAを切断する工程;および(d)第2のmRNA集団のうちハイブリダイズしていない部分集団を(本明細書に記載の方法を含む、任意の方法を使用して)増幅して、これによって、第2のmRNA集団のハイブリダイズしない部分集団に相補的な一本鎖DNAの複数のコピーを生成する、工程。
【0054】
別の局面において、本発明は、差次的増幅に対する方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(a)本明細書中に記載の任意の方法を使用して、複数の核酸、一般にDNA、第1のRNA集団からの少なくともの1つの目的のRNA配列の相補体のコピーを生成する工程;(b)この複数のコピーを第2のmRNA集団にハイブリダイズする工程であって、これによって、第2のmRNAの部分集団が、DNAコピーと複合体を形成する工程;(c)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて、工程(b)の複合体内のRNAを切断する工程;および(d)任意の方法(本明細書に記載の方法を含む)を使用して、第2のmRNA集団のハイブリダイズしていない部分集団を増幅する工程であって、これによって、この第2のmRNA集団のハイブリダイズしていない部分集団に相補的な一本鎖DNAの複数のコピーが生成される、工程。
【0055】
別の局面において、本発明は、ライブラリーを作製する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の差し引きハイブリダイゼーションプローブを調製する工程、または、本明細書に記載の差次的増幅を包含する。
【0056】
任意のこれらの適用は、本明細書に記載のような、任意の増幅方法(種々の構成要素およびこの構成要素の様々な実施形態を含む)を使用し得る。例えば、使用される複合プライマーは、3’DNA部分に隣接し得る5’RNA部分を有し得る。
【0057】
本発明はまた、本明細書に記載の増幅方法において使用される、種々の構成要素(および組成物の種々の組み合わせ)を含む、組成物、キット、複合体、反応混合物およびシステムを提供する。1つの局面において、例えば、本発明は、複合プライマーおよび第2のプライマーを含有する組成物を提供し、ここで、この複合プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含み、ここで、この第2のプライマーは、ランダムプライマーである。いくつかの実施形態において、これらの組成物は、RNA依存性DNAポリメラーゼ(これは、逆転写酵素を含む)をさらに含む。別の実施形態において、本発明は、(プライマーの領域がハイブリダイズ可能な条件下で)複合プライマー伸長産物(一般に、このプライマーの使用は、プロプロモーターポリヌクレオチドがハイブリダイズし得るプライマー伸長産物を生じるが、必ずしもこれらを生じるに及ばない)にハイブリダイズ可能ではない配列を含む、複合プライマーおよび第2のプライマーを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態において、複合プライマーの5’RNA部分は、3’DNA部分に隣接する。なお他の実施形態において、複合プライマーの5’RNA部分が、約5〜約20ヌクレオチドであり、そしてその3’DNA部分は、約5ヌクレオチド〜約15ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、プロプロモーターポリヌクレオチドは、プロプロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド(PTO)である。さらに他の実施形態において、本発明は、以下を含む組成物を提供する:(a)複合プライマー;(b)第2のプライマー(これは、ランダムプライマーであり得る)、および(c)プロプロモーターポリヌクレオチド(いくつかの実施形態において、これはPTOである)。
【0058】
別の局面において、本発明は、本明細書に記載の、任意の複合体(一般に、最終増幅産物に関して中間体と考えられる)を含む組成物を提供する(これらの様々な複合体の例示的な概略図の描写のための図面を、また参照のこと)。例えば、本発明は、以下の複合体を含む組成物を提供する:(a)第1のプライマー伸長鎖であって、ここで、この第1のプライマーがRNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである、第1のプライマー伸長鎖;および(b)標的RNA鎖。さらに別の局面において、本発明は、以下の複合体を含む組成物を提供する:(a)第1のプライマー伸長産物であって、ここで、第1のプライマーが、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである、第1のプライマー伸長産物;および(b)第2のプライマー(またはフラグメント)伸長産物。なお別の局面において、本発明は、以下の複合体を提供する:(a)切断されたプライマー伸長産物であって、ここでこのプライマーがRNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである、プライマー伸長産物;(b)第2のプライマー(またはフラグメント)伸長産物および(c)複合プライマー。
【0059】
別の局面において、本発明は、本発明の方法の任意の局面によって産生された任意の1つ以上の産物(中間体を含む)およびこの産物(中間体を含む)を含む組成物を含む。この産物は、ライブラリーおよび産生された任意の他の集団を含み、これらは、一般に、本明細書中に記載される方法において使用されるプライマーの性質に基づく。
【0060】
別の局面において、本発明は、本明細書中に記載される成分の種々の組み合わせを含む反応混合物(または反応混合物を含む組成物)を提供する。例えば、本発明は、(a)標的RNA;(b)3’DNA部分およびRNA部分含む複合プライマー;(c)第2のプライマー;および(d)DNAポリメラーゼを含む反応混合物を提供する。本明細書中に記載される場合、複合プライマーのいずれかは、3’DNA部分に隣接する5’RNA部分を含む複合プライマーを含む、反応混合物(または複数の複合プライマー)であり得る。反応混合物はまた、さらにRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、RNase H)を含み得る。本発明の反応混合物はまた、プロプロモーターポリヌクレオチド(いくつかの実施形態は、PTOである)および/またはRNAポリメラーゼを含み得る。本発明の反応混合物はまた、以下を含み得る:(a)置換されたプライマー伸長産物(これは、複合プライマーの3’DNA部分に相補的な5’末端配列を含むが、複合プライマーRNA部分に相補的な配列を含まない);(b)プロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO);および(c)RNAポリメラーゼ。
【0061】
別の局面において、本発明は、本明細書中に記載される方法を実施するためのキットを提供する。適切なパッケージングおよび一般に、(必ずしも必要ではないが)適切な説明書を含む、これらのキットは、増幅法に使用される1つ以上の成分を含む。例えば、本発明は、3’DNA部分およびRNA部分(これは、5’であり得、そしてさらに、3’DNA部分に隣接し得る)ならびに第2のプライマー(これは、別々にパッケージングされても良いし、されなくても良い)を含む複合プライマーを含むキットを提供する。いくつかの実施形態において、これらのキットは、さらにRNAを増幅するためのプライマーを使用するための説明書を含む。キット中の複合プライマーは、本明細書中のいずれかに記載され得る。キットは、(a)プロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO);および(b)本明細書中に記載される任意の酵素(例えば、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、RNase H)、DNAポリメラーゼ(RNA依存性またはDNA依存性)およびRNAポリメラーゼ)のうちのいずれかのようなさらなる成分を含み得る。これのキットのいずれかは、RNAを増幅するための成分を使用するための説明書をさらに含み得る。
【0062】
別の局面において、本発明は、本明細書中に記載される増幅法をもたらすためのシステムを提供する。例えば、本発明は、標的RNAを増幅するためのシステムを提供する。このRNA標的は、以下を含む:(a)3’DNA部分およびRNA部分を含む複合プライマー;(b)第2のプライマー;(c)RNA依存性DNAポリメラーゼ;(d)DNA依存性DNAポリメラーゼ;および(e)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、RNase H)。複合プライマーは、本明細書中に記載されるいずれか(1つ以上)のプライマーであり得る。これらは、3’DNA部分に隣接する5’RNA部分を含む複合プライマーを含む。このシステムは、さらに、プロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO)および/またはRNAポリメラーゼを含み得る。本明細書中に記載される場合、本発明のシステムは、一般に、本発明の方法を実行するために適切な1つ以上の装置を含む。
【0063】
(発明を実施するための形態)
(発明の概要およびその利点)
本発明は、RNA配列の増幅のための新規な方法、組成物およびキットを開示する。本発明は、単一のRNA種の等温増幅またはRNA種のプールを提供する。いくつかの方法は、目的のRNA配列に相補的な配列を含むDNAの複数のコピーの産生を提供する。他の方法は、目的のRNA配列の複数のコピーの産生を提供する。これらの方法は、例えば、cDNAライブラリーおよび差し引きハイブリダイゼーションプローブの産生に適切である。これらは、一本鎖DNA産物または一本鎖RNA産物を産生する。これらは、マイクロアレイ技術およびデイファレンシャルディスプレイのような電気泳動をベースとした技術による複合分析による発現プロファイリングを含む種々の使用に容易に適切である。この方法は、自動化し易く、そして熱サイクルを必要としない。
【0064】
本発明の方法は、RNAの1つ以上の種(例えば、RNA配列のプール)の増幅を指向し、そして特に、生物学的サンプル由来の総RNAの調製物における全てのRNA(例えば、mRNA)配列の増幅に適切である。従って、本発明の方法の主要な利点の1つは、配列の完全なプールを増幅する能力である。これは、目的の生物学的サンプル中の細胞のような細胞における、遺伝子発現プロファイリングを分析するための能力に必須である。本発明の方法はまた、目的の特定のRNA配列またはRNAの多重度、例えば、関連RNAのファミリーのメンバーを増幅するために使用され得る。本発明の方法はまた、非常に多種を、最も好ましくは、サンプルにおける全てのRNA(例えば、mRNA)配列を増幅するのに適切であり得る。
【0065】
多くのmRNAが、固有のポリ−A3’末端を有する範囲で、mRNAの3’末端配列から開始する増幅は、cDNAライブラリーの調製、その後、遺伝子発現プロファイリングの決定のための配列分析または他の増幅ために通常実施される。本発明の方法は、mRNAの増幅した3’部分のライブラリーの調製に同様に適切である。本発明の方法に使用される複合プライマーは、当該分野で公知の方法に従って、ランダム配列を使用することによってサンプル中のmRNA種の多種、または全てにハイブリダイズ可能なように設計され得る。あるいは、選択されたRNAまたは関連RNAのファミリーが、増幅される場合、複合プライマーは、関連RNAの選択されたRNAまたはファミリーにハイブリダイズ可能な配列を含む。
【0066】
方法は、一般に、特定の特徴(例えば、酵素によって切断可能)を有する部分を含む第1鎖cDNAおよび第2鎖cDNAの複合体を産生するために、特別に設計されたプライマー、一般に、1つ以上のRNA/DNA複合プライマーを使用することを含む。本明細書中に使用される場合、「cDNA」は、ポリヌクレオチドプライマー伸長産物をいうことが理解される。一般に、複合体は、二本鎖cDNA複合体の末端にRNA/DNAヘテロ二重鎖を含む。二本鎖cDNA複合体の末端におけるRNA/DNAへテロ二重鎖は、一般に、複合プライマーのRNA部分によって導入される、規定された末端配列を含み得る。本発明の方法に従う複合プライマーは、一般に、標的RNAにハイブリダイズ可能であるように設計される3’−DNA部分を含む。複合プライマーの残りの部分(例えば、5’RNA部分)は、一般に、必ずしも必要ではないが、標的RNAにハイブリダイズ可能ではない配列(プライマーが、標的RNAに結合する場合、テイルを構成する)を含む。従って、本明細書中の説明によって明らかなように、配列(またはハイブリダイゼーションテンプレート)にハイブリダイズするプライマーの参照としては、プライマーの少なくとも一部がハイブリダイズする実施形態および完全なプライマーがハイブリダイズする実施形態が挙げられる。
【0067】
二本鎖cDNA複合体は、以下のような線形増幅のため基質である:RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、RNase H)は、ハイブリッドからRNA配列を切断し、第1の複合プライマーと同じであっても同じでなくても良い複合プライマーによる結合に利用可能な二本鎖cDNA上の3’DNA配列を残す。DNAポリメラーゼによる結合した複合プライマーの伸長は、プライマー伸産物を産生し、これらは、以前結合して切断した第1のプライマー伸長産物を置換する。それによって、一本鎖DNA産物は、蓄積する。一本鎖DNA産物は、標的RNA(または「アンチセンス」DNA)の相補体のコピーである。この線形増幅は、「SPIA」(単一プライマー線形増幅)と称され、そしてKurnら、米国特許第6,251,639 B1号に記載される。
【0068】
1つの局面において、本発明は、以下のようにはたらく:複合RNA/DNAプライマーは、テンプレートRNAの複製のための基礎を形成する。複合プライマー(「第1のプライマー」としても本明細書中で称される)は、目的のRNA配列を含むテンプレートRNAにハイブリダイズし、そして複合プライマーは、RNA依存性DNAポリメラーゼによって伸長され、第1のプライマー伸長産物(「複合プライマー伸長産物」または「第1鎖cDNA」と交換可能に呼ばれる)を形成する。テンプレートRNAの切断後、第2のプライマー伸長産物(「第2鎖cDNA」と交換可能に称される)は、第1のプライマー伸長産物との複合体を形成する(以下に記載されるように)。第1のプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物の複合体は、第1のプライマー伸長産物における複合プライマーの存在に起因して1つの末端でRNA/DNAハイブリッドを構成する。RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、RNase H)のような薬剤は、ハイブリッドからRNA配列を切断し、第1の複合プライマーと同じであっても同じでなくても良い別の複合プライマーによる結合に利用可能な第2プライマー伸長産物に配列を残す。別の第1の(複合)プライマー伸長産物は、DNAポリメラーゼによって産生される。ここで、以前に結合して切断した第1のプライマー伸長産物を交換し、置換された切断された第1のプライマー伸長産物を生じる。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態において、第2のプライマー伸長産物は、以下のように形成される:RNAテンプレートの切断後、次いで、第2のプライマーは、第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズし、そして伸長して、第1のプライマー伸長産物複合体する第2のプライマー伸長産物を形成する。第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長産物の複合体は、第1のプライマー伸長産物における複合プライマーの存在に起因して1つの末端にRNA/DNAハイブリッドを構成する。第2のプライマーは、第1のプライマー伸長産物にそってDNAポリメラーゼによって伸長され、第2のプライマー伸長産物を産物し得るような、第1のDNA鎖にハイブリダイズ可能な任意の配列である。従って、いくつかの実施形態において、第2のプライマーは、オリゴヌクレオチドであり、これは、ランダム配列(すなわち、サンプルにおける1つ以上の配列に(所定のセットの条件下で)ハイブリダイズ可能なように設計された配列)を含んでも、含まなくても良い。他の実施形態において、第1のDNA鎖における配列にハイブリダイズする第1のDNA鎖の配列(一般に、3’末端)(例えば、ヘアピン、または自己アニーリング構造)を含む。
【0070】
増幅法の別の局面において、標的RNAの1つ以上のフラグメントは、第2のプライマー伸長産物として役立つ。標的RNAおよび第1のプライマー伸長産物を含む最初の複合体における標的RNAは、テンプレートRNAの少なくとも1つのフラグメントのように、第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズしたままである薬剤(例えば、RNase H)を切断する。本発明のこの局面において、1つ(またはそれより多い)テンプレートRNAフラグメントは、上記の様式における第2の「プライマー」として役立ち、上記の増幅法における第2のプライマー伸長産物と同じ機能を有するフラグメント伸長産物を産生する。本発明の方法における適切なRNAフラグメントは、好ましくは、約3〜約30、さらに好ましくは、約5〜約25、なおさらに好ましくは、約10〜約20および最も好ましくは、約12〜約17ヌクレオチド長の第1鎖cDNAから解離しないような十分な長さである。
【0071】
転写に関与する実施形態(本明細書中に「増強」方法として称される)において、第2のプライマーは、さらに、プロプロモーターを含むポリヌクレオチド(本明細書中において「プロプロモーターポリヌクレオチド」と称される)が、ハイブリダイズし得る配列を置換された第1のプライマー伸長産物(まさに第1の複合プライマー伸長産物以外)が、含むような配列を含み得る。置換されたプライマー伸長産物へのプロプロモーターポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションおよび置換された第1のプライマー伸長産物の3’末端の伸長(オーバーハングがある場合)は、転写を駆動する(DNA依存性RNAポリメラーゼを介して)二本鎖プロモーター領域を生じて、センスRNA産物を産生する。この「増強された」アプローチは、Kurnら、米国特許第6,251,639 B1号に記載される。
【0072】
従って、本発明は、以下の組み合わせおよび反応を含む目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の少なくとも1つのコピーを産生するための方法を提供する:(a)目的のRNA配列を含む標的RNA;(b)RNA部分および3’DNA部分を含む第1(複合)プライマー;(c)複合プライマーの伸長産物にハイブリダイズ可能である第2のプライマー;(d)RNA依存性DNAポリメラーゼ;(e)DNA依存性DNAポリメラーゼ:(f)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する薬剤(例えば、酵素);ならびに(g)デオキシリボヌクレオシド三リン酸または適切なアナログ(標識化されていてもされていなくても良い)。転写を含む実施形態(すなわち、増強方法)において、以下はまた、増幅反応(上記の列挙される成分として同じ時間か別々に添加されるかのいずれか)に含まれる:(h)プロプロモーターおよび第1のプライマーの伸長産物(置換されるプライマー伸長産物)にハイブリダイズする領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;(i)RNAポリメラーゼ;および(j)リボヌクレオシド三リン酸または適切なアナログ(これは、標識化されていても良いし、されていなくても良い)。RNAが、切断され、そして別の第1のプライマーが、切断されたRNAによって空けられた部位に結合する場合、組み合わせは、プライマーハイブリダイゼーション、プライマーの伸長、RNA切断および第1プライマー伸長産物の置換に適切な条件に供される。転写を含む実施形態において、使用される条件はまた、置換された切断された第1のプライマー伸長産物とプロプロモーターポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション、2本鎖プロモーター領域を生成するために切断された第1のプライマー伸長産物の3’末端の伸長(必要な場合)であり、プロモーターによって駆動されるRNA転写物に適切である。本明細書中に記載され、例示されるような、上記の反応混合物は、増幅プロセスの異なる局面に対応する分離、一般に、連続したインキュベーションのための2つ以上の異なる反応混合物に分割され得る(例えば、実施例1を参照のこと)。
【0073】
増幅法の別の局面において、標的RNAのフラグメントは、第2のDNA鎖合成のプライマーとして役立つ。標的RNAおよび複合プライマー伸長産物を含む最初の複合体における標的RNAは、テンプレート標的RNAの少なくとも1つのフラグメントが複合プライマー伸長産物にハイブリダイズしたままであるように、酵素(例えば、RNase H)で切断される。本発明のこの局面において、1つの(またはそれより多い)テンプレートRNAフラグメントは、上記される増幅法における第2のプライマー伸長産物と同じ機能を有するフラグメント伸長産物を産生するために、上記の様式において第2の「プライマー」として役立つ。
【0074】
いくつかの実施形態において、本発明は、以下を組み合わせる工程および反応させる工程を含む目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の少なくとも1つのコピーを産生するための方法を提供する:(a)第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長産物の複合体;(b)RNA部分および3’DNA部分を含む第1の(複合)プライマー;(c)DNA依存性DNAポリメラーゼ;(d)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する薬剤(例えば、酵素);ならびに(e)デオキシリボヌクレオシド三リン酸または適切なアナログ(標識化されていても良く、されていなくても良い)。転写を含む実施形態において、以下もまた、増幅反応に含まれる(上記の列挙される成分として同じ時間か別々に添加されるかのいずれか):(f)プロプロモーターおよび第1のプライマーの伸長産物(置換されるプライマー伸長産物)にハイブリダイズする領域を含むプロプロモーターポリヌクレオチド;(g)RNAポリメラーゼ;および(h)リボヌクレオシド三リン酸または適切なアナログ(これは、標識化されていてもされていなくても良い)。RNAが、切断し、そして別の第1のプライマーが、切断されたRNAによって空けられた第2のプライマー伸長部位の部位に結合する場合、組み合わせは、プライマーハイブリダイゼーション、プライマーの伸長、RNA切断および第1のプライマー伸長産物の置換に適切な条件に供される。転写を含む実施形態において、使用される条件はまた、置換された第1のプライマー伸長産物とプロプロモーターポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション、二本鎖プロモーター領域を生成するための第1のプライマー伸長産物の3’末端の伸長(必要な場合)、プロモーターによって駆動されるRNA転写に適切である。
【0075】
別の局面において、本発明は、第1の複合プライマー、第2の複合プライマー(「逆複合」プライマーと呼ばれる)および標的RNAフラグメントを使用して、目的のRNA配列の一本鎖アンチセンスおよびセンスDNAコピーを産生する方法を提供する。この方法は、以下を含む:(a)二本鎖cDNAの各末端でRNA−DNAヘテロ二重鎖を含む二本鎖cDNAの形成;ならびに(b)2つの複合プライマーからのプライマー伸長および鎖置換による第1鎖(センス)cDNAおよび第2鎖(アンチセンス)cDNAの線形増幅。一本鎖の第1鎖cDNA産物および二本鎖cDNA産物が、産生される。この産物は、例えば、cDNAライブラリーの産生に有用である。明らかなように、本発明の局面において、第2のプライマー伸長産物は、複合プライマーによってプライムされる。
【0076】
本発明の方法は、増幅した産物を使用する方法(「適用」とも呼ばれる)を含む。いくつかの実施形態において、本発明は、RNA配列を配列決定する方法を提供する。本明細書中に記載される方法に基づく配列決定法について、増幅された産物はDNAであり、適切なdNTPまたはそれらの類似物(これらは、標識されているかまたは標識されていない)が、使用される。本明細書中に記載される方法に基づく配列決定法について、増幅された産物はRNAであり、適切なrNTPまたはそれらの類似物(これらは、標識されているかまたは標識されていない)が、使用される。
【0077】
他の実施形態において、本発明は、核酸配列変異を検出する方法を提供する。1つの実施形態において、増幅された産物を使用して、標的ポリヌクレオチドにおける一本鎖コンフォメーション多型を検出および/または同定する。
【0078】
本発明は、本発明の増幅法を使用するDNA産物またはRNA産物を産生すること、およびアレイ技術または液相技術に基づくような検出/定量方法によって産物を分析することによって、目的のRNA配列を特徴付ける(例えば、存在または非存在の検出および/あるいは定量)のための方法を提供する。これらの増幅された産物は、標識されていてもされていなくても良い。
【0079】
なお別の実施形態において、本発明は、核酸を固定化する方法(本発明の増幅法の増幅された産物を使用して核酸(DNAまたはRNA)のマイクロアレイを産生するための方法を含む)。
【0080】
別の実施形態において、本発明は、cDNAライブラリーを産生する方法、差し引きハイブリダイゼーションプローブを産生するための方法、および差し引きハイブリダイゼーションライブラリーを産生するための方法を提供する。
【0081】
遺伝子発現レベルの検出および定量のための種々の方法が、近年開発されている。例えば、マイクロアレイ(ここで、規定されたcDNAまたはオリゴヌクレオチドのいずれかは、例えば、固体基材または半固体基材上あるいは、規定された粒子上に別々の位置で固定化される)は、所定の検体における遺伝子発現の大きさの検出および/または定量を可能にする。
【0082】
これらの以前に知られた方法を使用して、サンプル中の複数のmRNA種の存在もしくは非存在を検出しそして/または定量し、次にこれは、遺伝子発現プロフィールの測定として使用され、一般に、cDNAの直接標識(これは、一部、mRNAが、総RNAプールの小さいサブセットのみを示すことから、大量の入力総RNAを必要とする)を必要とする。従って、所定の細胞または組織サンプル由来の総RNA調製物を使用する場合、アレイのような方法を使用するサンプル中の遺伝子発現の分析は、かなりの量の入力RNAを必要とし、これは、一般に、50〜200μgの範囲である。同様に、総RNA調製物から精製された2〜5μgのmRNAが、一般に、アレイ技術を使用する遺伝子発現プロフィールの一回の分析に必要とされる。これは、必要な細胞数、または組織検体の大きさが非常に大きく、そしてこれらの細胞または組織検体がしばしば、試験のためにほとんど利用可能でないか、または非常に高価である限り、アレイ技術に基づくような方法の明らかな制限である。この制限は、臨床的検体の研究において特に深刻であり、ここで、研究されるべき細胞は、インビトロでの培養、およびエフェクター分子のライブラリーの高スループットスクリーニングがめったにできない、そして/または困難である。また、以前の転写ベースのmRNA増幅方法(例えば、Lockhartら、Nature Biotechnology(1996)、14:1675−1680;van Gelderら、米国特許第5,716,785号に記載される)は、DNA依存性RNAポリメラーゼの増幅効率に限定され、そしてこれらの方法のうちいくつかは、複数の工程を必要とする。さらに、ポリメラーゼプロモーター配列が取り込まれるプロセスは、非特異的な増幅を生じる傾向がある。
【0083】
本発明の方法は、標的増幅の高い特異性を提供する条件下でmRNAを効率的に増幅する能力を提供し、これは、一般に、入力RNAにおける分布を反映する。従って、本発明の増幅産物と共に使用され得る検出方法/定量方法(例えば、強力なアレイ技術、リアルタイムPCR、定量的TaqMan、分子ビーコンを使用する定量的PCRなどに基づく方法)の有用性は、大いに増強されるはずである。
【0084】
本発明の増幅方法の線形の局面は、標的増幅の特異性を有意に増大させる。目的の配列の複数のコピーの生成は、増幅産物のサイクル性の指数関数的増幅に依存も基づきもしないので、得られる産物の特異性は、大いに増強される。種々の種の増幅産物の分布は、一般に、入力RNA中の分布を反映する。
【0085】
本発明の方法は、熱サイクルを必要とせず、そして全ての工程は、等温で実行され得るが、種々の工程は、異なる温度で実行され得る。この特徴は、多くの利点を提供し、高スループット手順のための自動化および適合を容易にする工程を包含する。等温反応は、熱サイクルによってもたらされる反応よりも速く、そして最小化されたデバイスで本発明の方法を実行するために適切である。
【0086】
RNA/DNAへテロ二重鎖を含む中間体二本鎖cDNA複合体は、線形増幅のための基質を提供する。RNA/DNAヘテロ二重鎖のRNA部分の開裂は、二重鎖cDNA中間体複合体の変性を必要とせずにさらなる増幅を可能にする。さらに、開裂された二重鎖cDNA複合体は、ほとんどが二重鎖であるので、一本鎖テンプレートの二次構造が、その後の増幅を妨害する可能性は低い。
【0087】
最後に、本発明のほとんどの方法は、一本鎖の産物を生成し、従って、これらの産物を、いずれかの均一な様式(すなわち、溶液中で)でプローブに対する結合に、または固体支持体上に固定化されたプローブに対する結合に、より接近しやすくする。本発明の方法の二本鎖産物は、例えば、cDNAライブラリーの生成のために有用である。
【0088】
標的増幅の高い特異性を提供し、そして一般に調製物中の種々のRNA種の発現量を変更しない条件下で、mRNA(または任意の他の所望のRNA種もしくは集団)を効率的に増幅する能力は、強力なアレイ技術に基づくような検出方法/定量方法の有用性を大いに増強する。
【0089】
(一般技術)
本発明の実行は、他に示さない限り、分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学および免疫学の従来技術を使用し、これらは、当業者の範囲内である。このような技術は、文献(例えば、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、第二版(Sambrookら、1989);「Oligonucleotide Synthesis」(M.J.Gait編、1984);「Animal Cell Culture」(R.I.Freshney編、1987);「Methods in Enzymology」(Academic Press,Inc.);「Current Protocols in Molecular Biology」(F.M.Ausubelら、編、1987および定期的な更新);「PCR:The Polymerase Chain Reaction」、(Mullisら、編、1994))中に完全に説明される。
【0090】
本発明において使用されるプライマー、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドは、当該分野で公知の標準的な技術を使用して作製され得る。
【0091】
(定義)
本明細書中で使用される場合、「標的配列」、「標的核酸」または「標的RNA」は、増幅が所望される目的の配列を含むポリヌクレオチドである。この標的配列は、実際の配列に関して、既知であっても未知であってもよい。いくつかの例において、用語「標的」、「テンプレート」およびこれらの改変体は、交換可能に使用される。
【0092】
本明細書中で使用される場合、「増幅」または「増幅する」は、一般に、所望の配列の複数のコピーを生成するプロセスをいう。「複数のコピー」は、少なくとも2コピーを意味する。「コピー」は、テンプレート配列に完全な配列相補性または同一性を必ずしも意味しない。例えば、コピーは、ヌクレオチドアナログ(例えば、デオキシイノシン)、計画的配列変更(例えば、テンプレートにハイブリダイズ可能であるが相補的ではない配列を含むプライマーを介して導入される配列変更またはプライマーを介して導入される非標的配列)および/または増幅の間に生じる配列エラーを含み得る。配列を「増幅する」は、一般に、配列のコピーまたはその相補体を作製することをいい、上記のように、コピーすることは、テンプレート配列に関して、完全な配列相補性または同一性を必ずしも意味しないことが理解される。
【0093】
「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、本明細書中で交換可能に使用されて、任意の長さのヌクレオチドのポリマーをいい、DNAおよびRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシボヌクレオチド、リボヌクレオチド、改変ヌクレオチドもしくは改変塩基、および/またはこれらのアナログあるいはDNAポリメラーゼまたはRNAポリメラーゼによってポリマーに取り込まれ得る任意の基質であり得る。ポリヌクレオチドは、改変されたヌクレオチド(例えば、メチル化ヌクレオチドおよびそれらのアナログ)を含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造に対する改変は、ポリマーの組立の前またはその後に付与され得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって割り込まれ得る。ポリヌクレオチドは、例えば、標識成分との結合体化によって、重合後にさらに改変され得る。他の型の改変としては、例えば「キャップ」、アナログによる1以上の天然に存在するヌクレオチドの置換、ヌクレオチド間改変(例えば、非荷電結合(例えば、ホスホン酸メチル、ホスホトリエステル、ホスホアミデート(phosphoamidate)、カバマート(cabamate)など)、および荷電結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)での改変、ペンダント部分(例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジン(ply−L−lysine)など)を含む改変、介在因子(intercalator)(例えば、アクリジン、ソラレンなど)での改変、キレート剤(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化金属など)を含む、アルキル化剤を含む改変、改変された結合(例えば、αアノマー核酸など)での改変)、ならびにポリヌクレオチドの改変形態が挙げられる。さらに、糖に元々存在する任意のヒドロキシル基は、例えば、ホスホン酸基、リン酸基によって置換され得るか、標準的な保護基によって保護され得るか、またはさらなるヌクレオチドに対するさらなる結合を調製するために活性化され得るか、あるいは固体支持体上に結合体化され得る。5’末端および3’末端のOHは、リン酸化され得るか、またはアミンもしくは1〜20個の炭素原子の有機キャップ基部分で置換され得る。他のヒドロキシルもまた、標準的な保護基に誘導体化され得る。ポリヌクレオチドはまた、一般に当業者に公知のリボース糖もしくはデオキシリボース糖のアナログ形態を含み得、これらとしては、例えば、2’−O−メチル−リボース、2’−O−アリル−リボース、2’−フルオロ−リボースもしくは2’−アジド−リボース、炭素環式糖アナログ、α−アノマー糖、エピマー糖(例えば、アラビノース、キシロースもしくはリキソース)、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式アナログおよび失歩の(abasic)ヌクレオシドアナログ(例えば、メチルリボシド)が挙げられる。1以上のホスホジエステル結合は、代替の結合基によって置換され得る。これらの代替の結合基としては、以下の実施形態が挙げられるが、これらに限定されない:ここで、リン酸は、P(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、”(O)NR2(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR’、COもしくはCH2(「ホルムアセタール」)によって置換され、ここで、各RもしくはR’は、独立して、Hであるかまたは必要に応じて置換されたかもしくは置換されていないアルキル(1〜20個のC)であり、エーテル(−O−)結合、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルもしくはアラルジル(araldyl)を含む。ポリヌクレオチド中の全ての結合が同一である必要はない。先の記載は、RNAおよびDNAを含む、本明細書中の全てのポリヌクレオチドに適用される。
【0094】
本明細書中で使用される場合、「標識dNTP」または「標識rNTP」は、それぞれ、標識に直接または間接的に結合されたdNTPまたはrNTPあるいはそれらのアナログをいう。例えば、「標識」dNTPまたはrNTPは、例えば、色素および/または検出可能部分(例えば、特定の結合対(例えば、ビオチン−アビジン)のメンバー)によって直接標識され得る。「標識」dNTPまたはrNTPはまた、例えば、標識が結合されるおよび/または結合され得る部分に対する結合によって、間接的に標識され得る。dNTPまたはrNTPは、dNTPまたはrNTPの伸長産物への取り込みの後に標識が結合され得る部分(例えば、アミン基)を含み得る。本発明において有用な標識としては、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、Texas赤、ローダミン、緑色蛍光タンパク質など)、放射性同位元素(例えば、3H、35S、32P、33P、125Iまたは14C)、酵素(例えば、LacZ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ)、ジゴキシゲニン、および比色分析標識(例えば、コロイド状金または着色ガラス)あるいはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズが挙げられる。種々の抗リガンドおよびリガンドが(それ自体標識として、または標識に結合するための手段として)使用され得る。天然の抗リガンド(例えば、ビオチン、チロキシンおよびコルチゾール)を有するリガンドの場合、このリガンドは、標識された抗リガンドと組み合わせて使用され得る。
【0095】
本明細書中で使用される場合、dNTPまたはrNTPの「型」は、ヌクレオチドの特定の塩基、すなわち、アデニン、シトシン、チミン、ウリジンまたはグアニンをいう。
【0096】
本明細書中で使用される場合、「オリゴヌクレオチド」は、一般に、一般的には約200ヌクレオチド長未満であるが、必ずしもそうである必要はない、短い、一般的に一本鎖の、一般的に合成のポリヌクレオチドをいう。本発明におけるオリゴヌクレオチドは、複合プライマーおよびプロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO)を含む。用語「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」は、互いに排他的ではない。ポリヌクレオチドについての上記の記載は、オリゴヌクレオチドに等価かつ完全に適用可能である。
【0097】
本明細書中で使用される場合、「プライマー」は、テンプレート配列(例えば、標的RNAまたはプライマー伸長産物)にハイブリダイズし、そしてテンプレートに対して相補的なポリヌクレオチドの重合を促進し得る遊離の3’−OH基を一般に有するヌクレオチド配列をいう。「プライマー」は、例えば、オリゴヌクレオチドであり得る。これはまた、例えば、テンプレート自体中の配列にハイブリダイズし(例えば、ヘアピンループ)、そしてヌクレオチドの重合を促進し得るテンプレート(例えば、プライマー伸長産物またはテンプレート−DNA複合体のRNase開裂後に作製されるテンプレートのフラグメント)の配列であり得る。従って、プライマーは、外因性(例えば、添加された)プライマーまたは内因性(例えば、テンプレートフラグメント)プライマーであり得る。
【0098】
本明細書中で使用される場合、「ランダムプライマー」は、必ずしもサンプル中の特別または特定の配列に基づいて設計されないが、むしろランダムプライマーの配列がサンプル中の1以上の配列に(所定の設定の条件下で)ハイブリダイズする統計的期待値(または経験的観察)に基づく配列を含むプライマーである。ランダムプライマー(またはその相補体)の配列は、天然に存在してもしなくてもよく、または目的のサンプル中の配列のプールに存在してもしなくてもよい。単一の反応混合物中の複数のRNA種の増幅は、一般に、必ずしもそうではないが、ランダムプライマーの多重度、好ましくは大きい多重度を使用する。当該分野で十分理解されるように、「ランダムプライマー」はまた、標的配列の所望の数および/または有意な数にハイブリダイズするように集合的に設計されるプライマーの集団(複数のランダムプライマー)のメンバーであるプライマーをいい得る。ランダムプライマーは、核酸配列の複数の部位でハイブリダイズする。ランダムプライマーの使用は、標的の正確な配列の先立つ知識を必要としない、標的ポリヌクレオチドに対して相補的なプライマー伸長産物を生成するための方法を提供する。
【0099】
本明細書中で使用される場合、「プロトプロモーター配列」および「プロプロモーター配列」は、二本鎖形態でRNA転写を媒介し得る、一本鎖のDNA配列領域をいう。いくつかの文脈において、「プロトプロモーター配列」、「プロトプロモーター」、「プロプロモーター配列」、「プロプロモーター」、「プロモーター配列」および「プロモーター」は、交換可能に使用される。
【0100】
本明細書中で使用される場合、「プロプロモーターポリヌクレオチド」は、プロプロモーター配列を含むポリヌクレオチドをいう。プロプロモーターポリヌクレオチドの例は、プロプロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド(PTO)である。
【0101】
本明細書中で使用される場合、「プロプロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド(PTO)」および「プロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド(PTO)」は、プロプロモーター配列およびプライマー伸長産物の3’領域に(所定の設定の条件下で)ハイブリダイズする部分、一般に3’部分を含むオリゴヌクレオチドをいう。このプロプロモーター配列およびハイブリダイズ可能な部分は、オリゴヌクレオチドのヌクレオチドと同じ、別個または重複するものであり得る。
【0102】
「阻害する」とは、参照と比較した場合に、活性、機能および/または量を減少または低減することをいう。
【0103】
「複合体」は、構成要素の集合体である。複合体は、安定であってもなくてもよく、そして直接もしくは間接的に検出され得る。例えば、本明細書中に記載される場合、反応の特定の所定の構成要素、および反応産物の型、複合体の存在が推測され得る。本発明の目的のために、複合体は一般に、最終増幅産物に関して中間体である。複合体の例は、第1ののプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物を含む核酸二重鎖である。
【0104】
本明細書中で交換可能に使用される、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの「部分」または「領域」は、2以上の塩基の連続配列である。他の実施形態において、領域または部分は、少なくともいずれかの約3、5、10、15、20、25連続ヌクレオチドである。
【0105】
別の配列に「隣接する」領域、部分または配列は、その領域、部分または配列に直接接する。例えば、複合プライマーの5’DNA部分に隣接するRNA部分は、その領域に直接接する。この例の説明については、図1Aおよび図2Aを参照のこと。
【0106】
「反応混合物」は、適切な条件下で反応して複合体(中間体であり得る)および/または産物を形成する構成要素の集合である。
【0107】
「1つの」(「a」、「an」および「the」など)は、他に示さない限り、複数形を含む。「1つの」フラグメントは、1以上のフラグメントを意味する。
【0108】
「含む(comprising)」は、含む(including)を意味する。
【0109】
事象(例えば、ハイブリダイゼーション、鎖の伸長など)が生じるのを「可能にする」条件または事象を生じるのに「適切な」条件、あるいは「適切な」条件は、このような事象が生じるのを妨げない条件である。従って、これらの条件は、事象を可能にする、増強する、容易にするおよび/または招く。当該分野で公知かつ本明細書中に記載されるこのような条件は、例えば、ヌクレオチド配列の性質、温度、および緩衝液条件に依存する。これらの条件はまた、所望される事象(例えば、ハイブリダイゼーション、開裂、鎖の伸長または転写)に依存する。
【0110】
本明細書中で使用される場合、配列「変異」は、参配列と比較した、目的の配列中の任意の配列変更をいう。参照配列は、野生型の配列または目的の配列の比較が望まれる配列であり得る。配列変異としては、置換、トランスバージョン、欠失または挿入のような機構に起因する、単一ヌクレオチド変化または配列中の1より多いヌクレオチドの変更が挙げられる。単一ヌクレオチド多型(SNP)もまた、本明細書中で使用されるような配列変異である。
【0111】
本明細書中で使用される場合「一本鎖コンフォメーション多型」および「SSCP」は、一般に、その特定の核酸配列によって影響されるような一本鎖核酸の特定のコンフォメーションをいう。一本鎖ポリヌクレオチドの配列の変更(例えば、単一ヌクレオチド置換、欠失または挿入)は、一本鎖ポリヌクレオチドのコンフォメーションの変化または多型を生じる。ポリヌクレオチドのコンフォメーションは、一般に、当該分野で公知の方法(例えば、ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動および/またはエンドヌクレアーゼ消化に対する感受性によって測定されるような電気泳動移動度)を使用して、検出可能、同定可能および/または識別可能である。
【0112】
「マイクロアレイ」および「アレイ」は、本明細書中で交換可能に使用される場合、未決定の特徴をしばしば有する生化学的サンプル(標的)に対する推定結合(例えば、ハイブリダイゼーションによる)部位のアレイ、好ましくは整列されたアレイを有する表面を含む。好ましい実施形態において、マイクロアレイは、基板上の規定された位置で固定化された別個のポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの集合体をいう。アレイは、紙、ガラス、プラスチック(例えば、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン)、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、シリコン、光学繊維または任意の適切な他の固体支持体もしくは半固体支持体のような材料で組み立てられ、そして二次元(例えば、ガラス板、シリコンチップ)または三次元(例えば、ピン、繊維、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、キャピラリー)構成で構成される基板上に形成される。アレイを形成するプローブは、以下を含む任意の数の方法によって基板上に結合され得る:(i)写真平板術を使用するインサイチュ合成(例えば、高密度オリゴヌクレオチドアレイ)(Fodorら、Science(1991)、251:767−773;Peaseら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1994)、91:5022−5026;Lockhartら、Nature Biotechnology(1996)、14:1675;米国特許第5,578,832号;同第5,556,752号;および同第5,510,270号を参照のこと);(ii)ガラス、ナイロンまたはニトロセルロース上の低密度の媒体(例えば、cDNAプローブ)でのスポッティング/印刷(Schenaら、Science(1995)、270:467−470;DeRisiら、Nature Genetics(1996)、14:457−460;Shalonら、Genome Res.(1996)、6:639−645;およびSchenaら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1995)、93:10539−11286);(iii)マスキングによる方法(MaskosおよびSouthern、Nuc.Acids.Res.(1992)、20:1679−1684)ならびに(iv)ナイロンまたはニトロセルロースのハイブリダイゼーション膜上のドットブロットによる方法(例えば、Sambrookら、編、1989、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第二版、1〜3巻、Cold Spring Harbor Laboratory(Cold Spring Harbor、N.Y.)を参照のこと)。プローブはまた、アンカーに対するハイブリダイゼーションによって、磁気ビーズによって基板上に、またはマイクロタイターウェルまたはキャピラリーのような液体相に、非共有的に固定化され得る。このプローブ分子は、一般に、DNA、RNA、PNAおよびcDNAのような核酸であるが、標的分子に特異的に結合し得るタンパク質、ポリペプチド、オリゴ糖、細胞、組織およびこれらの任意の置換を含み得る。
【0113】
用語「3」は、一般に、同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド中の別の領域または部分から3’側(下流)の、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド中の領域または部分をいう。
【0114】
用語「5」は、一般に、同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド中の別の領域または部分から5’側(上流)の、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド中の領域または部分をいう。
【0115】
用語「3’−DNA部分」、「3’−DNA領域」、「3’−RNA部分」および「3’−RNA領域」は、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの3’末端に向かって位置するポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの部分または領域をいい、そして同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの最も3’側のヌクレオチドに結合した最も3’側のヌクレオチドまたは部分を含んでも含まなくてもよい。最も3’側のヌクレオチドは、好ましくは約1〜約50、より好ましくは約10〜約40、なおより好ましくは約20〜約30ヌクレオチドであり得る。
【0116】
用語「5’−DNA部分」、「5’−DNA領域」、「5’−RNA部分」および「5’−RNA領域」は、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの5’末端に向かって位置するポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの部分または領域をいい、そして同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの最も5’側のヌクレオチドに結合した最も5’側のヌクレオチドまたは部分を含んでも含まなくてもよい。最も5’側のヌクレオチドは、好ましくは約1〜約50、より好ましくは約10〜約40、なおより好ましくは約20〜約30ヌクレオチドであり得る。
【0117】
当業者に十分に理解されるように、プライマーの「テール」配列は、プライマーの他の領域または部分が標的にハイブリダイズする条件下で、標的配列にハイブリダイズし得ない配列である。
【0118】
生成物の「非存在(absentまたはabsence)」および「生成物の検出の欠如」は、本明細書で用いる場合、一般的に、サイクルに起因する生成物の有意な蓄積の欠如に起因する、有意でないかまたは最小限のレベルを含む。
【0119】
(本発明の増幅方法)
本発明の増幅方法の実施例は、以下の通りである。上に提供した一般的な記載が与えられれば、種々の他の実施形態が実施され得ることが理解される。例えば、複合プライマーを用いることの参照は、本明細書に記載される任意の複合プライマーを使用し得ることを意味する。
【0120】
本発明の1つの局面において、複合プライマーおよび第2プライマーを用いて、目的のRNA配列に相補的な複数コピーの(増幅した)ポリヌクレオチド(DNA)配列を生成するための方法が提供される。この方法において、等温の直鎖核酸配列増幅は、2つのプライマー(複合プライマーおよび第2プライマー)および鎖置換を用いて達成される。いくつかの実施形態において、転写工程が含まれ(すなわち、「増強された」方法)、そしてセンスRNAの形態の増幅産物が生成される。
【0121】
本発明の別の局面において、単一プライマー(これは複合プライマーである)を用いて、目的のRNA配列に相補的な複数コピーの(増幅した)DNA配列を生成するための方法が提供される。この方法において、等温の直鎖核酸増幅は、単一の複合プライマー、標的RNAのフラグメント(内因性プライマーとして働く)、および鎖置換を用いて達成される。いくつかの実施形態において、転写工程が含まれ(すなわち、「増強された」方法)、そしてセンスRNAの形態の増幅産物が生成される。
【0122】
本明細書に記載されるように、本発明の増幅方法は、転写工程をさらに含み得る。転写されるプライマー伸長産物が、プロプロモーター配列を含む場合、二本鎖プロモーター領域は、一般的に、プロプロモーターを含むポリヌクレオチド(本明細書中で「プロプロモーターポリヌクレオチド」とも呼ばれる)をプライマー伸長産物にハイブリダイズさせることにより生成される。プライマー伸長産物が所望のプロプロモーター配列を含まない場合、この転写工程は、一般的に、プロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、プロモーター配列オリゴヌクレオチド(PTO)の使用による、RNAポリメラーゼプロプロモーター配列の組込みに依存する。プロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO)は、一本鎖プライマー伸長産物の伸長および1つの末端の二本鎖プロモーターを含む部分的な二重鎖の形成のためのテンプレートとして機能し得る。一本鎖産物をプロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO)にハイブリダイズさせる能力は、一般的に、規定された3’末端配列(プロプロモーターポリヌクレオチドの3’末端配列に相補的な配列)を有するプライマー伸長産物を作製することにより達成される。
【0123】
本発明の方法の1つの局面は、プライマー伸長の開始ならびに増幅基質および増幅産物の生成のための、RNA配列(例えば、複数のRNA配列)にハイブリダイズし得るプライマーの設計を含む。
【0124】
(複合プライマーおよび第2プライマーを用いた直鎖核酸配列の増幅)
本発明は、複合プライマーおよび第2プライマー、ならびに鎖置換を用いることにより、目的のRNA配列を増幅する方法を提供する。これらの方法による増幅は直線的であり、そして等温で達成され得る。転写工程を含まない実施形態において、増幅産物は、標的RNA中の目的のRNA配列に相補的な配列を含む一本鎖DNAである。転写を含む実施形態において、増幅産物は、標的RNA中の目的のRNA配列のセンスRNAコピーである。
【0125】
本発明の複合プライマー、第2プライマー、および鎖置換に基づく方法の1つの実施形態の図解による説明を、図1A〜Bおよび2A〜Cに与える。図1A〜Bは、増強されていない直線的方法を説明する。図2A〜Cは、増強された(すなわち、転写工程を含む)方法を説明する。この方法は、以下の工程を包含する:(a)インプットRNAと同一のセンスである第2鎖cDNAの形成;(b)第2鎖cDNAに沿った(複合プライマーからの)プライマー伸長および鎖置換による、第2鎖cDNA鎖の相補鎖の直線的増幅;および、増強された方法において、(c)複数コピーのセンスRNA産物を生成するための直線的増幅工程の生成物の転写。示されるように、全ての工程は等温であるが、各工程の温度は、同じであってもなくてもよい。
【0126】
図1A〜Bに示される実施形態は、2つのオリゴヌクレオチド:増幅のために使用される複合プライマー(1と表示される);およびセンス相補的DNA(cDNA)の形成のために使用される第2プライマー(2と表示される)、を用いる(交換可能に「第2プライマー伸長産物」または「第2鎖cDNA」と呼ばれる)。図2A〜Cに示される実施形態は、3つのオリゴヌクレオチド:増幅のために使用される複合プライマー(1と表示される);第2鎖(センス)cDNAの形成のために使用される第2プライマー(2と表示される);およびDNA依存的RNAポリメラーゼのプロプロモーター配列を含むポリヌクレオチド(すなわち、プロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド(PTO))(3と表示される)、を用いる。
【0127】
複合プライマーの3’部分は、任意の多くの方法で設計され得、(配列に関して)どの型、クラス、集団、および/または種のRNAが増幅されることを所望されるかに依存する。いくつかの実施形態において、図1および2に示されるように、複合プライマー1の3’部分は、mRNAのポリAテールに相補的な配列を含み、そして3’部分の3’末端にさらなるランダム配列(一般的に、ポリA配列に相補的ではない)をさらに含み得る。他の実施形態において、複合プライマー1の3’部分は、多くのRNA種(2以上〜数百または数千以上の範囲であり得る)にハイブリダイズし得る配列を含むランダムプライマーである。ランダムプライマーは当該分野で公知であり、例えば、PCRに基づく手順を用いるcDNAライブラリーの調製において広範に使用されている。当該分野で十分に理解されるように、「ランダムプライマー」は、所望の標的配列および/または有意な数の標的配列にハイブリダイズするよう集合的に設計された、プライマーの集団(複数のランダムプライマー)のメンバーであるプライマーを称し得る。ランダムプライマーは、核酸配列における複数の部位にハイブリダイズし得る。
【0128】
他の実施形態において、複合プライマー1の3’部分は、特定のRNAまたはRNAのファミリー(またはそれらの一部分)に相補的であるかまたはハイブリダイズし得る配列を含み得る。
【0129】
図1および2に示されるいくつかの実施形態において、複合プライマー1の5’部分は、(その3’部分がRNA標的にハイブリダイズする条件下で)標的配列にハイブリダイズし得ない配列(例えば、プライマーが標的にハイブリダイズする場合、「テール」を形成する配列)であり得る。この「テール」配列は、一般的に、第1プライマー伸長産物(第1鎖cDNA)に組込まれ、そしてこのテールの相補体は、第2プライマー伸長産物(第2鎖cDNA)の3’末端に組込まれる。従って、いくつかの実施形態において、複合プライマー1は、同一の5’RNA部分および目的の多様な(小さい配列から非常に大きい配列までであり得る)RNA配列を増幅するために選択された多様な3’DNA部分を含む複合プライマーの混合物である。他の実施形態において、複合プライマー1の5’部分は、標的RNAにハイブリダイズ可能であり得る。図1および図2は、DNA部分である標的配列にハイブリダイズした3’部分およびRNA部分である標的にハイブリダイズしない5’部分を示すが、DNA部分は、「テール」の一部を含み得、そして逆にRNA部分は、標的RNAにハイブリダイズ可能であり得ることが理解される。例えば、複合プライマーの5’RNA部分は、部分的にハイブリダイズ可能であり得、かつ部分的にハイブリダイズ可能であり得ないか、または複合プライマーのDNA部分は、部分的にハイブリダイズ可能であり得、かつ部分的にハイブリダイズ可能であり得ないか、あるいはその両方であり得る。
【0130】
これらの図に示されるように、複合プライマー1は、3’末端にDNA部分Aおよび5’末端にRNA部分Bを含む。本明細書中で議論されるように、3’DNA部分にRNA部分が続き(5’方向に)、それにDNAである部分が続く、複合プライマーを用いることもまた可能である。各々のこれらのセクションの長さは、一般的に、増幅の最大の効果について決定される。2部分(すなわち、3’−DNA−RNA−5’)複合プライマーのみが、図1A〜Bおよび図2A〜Cに示される。
【0131】
図1A〜Bおよび2A〜Cに示されるようなプライマー2は、(必ずしもそうであるわけではないが)DNAから構成され得、そして2つのセクション(交換可能に、「部分」または「領域」と呼ばれる)を含み得る。プライマー2の3’部分Fは、生物学的サンプル中の多くのmRNA配列、ほとんどのmRNA配列、および/または全ての可能性のあるmRNA配列のランダムプライミングのために選択され得る。ランダムプライマーは当該分野で公知であり、例えば、PCRに基づく手順を用いるcDNAライブラリーの調製において広範に使用されている。プライマー2の5’部分Eは、特定の標的配列に相補的でなく、そして実質的にハイブリダイズ可能でない配列であり得る。すなわち、この配列は、(3’部分がRNA標的にハイブリダイズする条件下で)ハイブリダイズせず、テールを構成する。この「テール」配列は、一般的に、第2プライマー伸長産物に組込まれ、そして直線的な増幅工程のDNA産物の3’末端配列は、一般的に、この配列の相補体を含む。他の実施形態において、(以下に記載されるように)増強された増幅が所望されない場合、プライマー2の5’末端部分Eは、第1プライマー伸長産物において標的配列にハイブリダイズ可能であり得る。
【0132】
図2A〜Cに示されるように、プロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド3(PTO)は、以下:3’部分は、プライマー2の部分Eと同一である、ように設計され得る。この設計は、PTOが、直線的増幅産物の3’末端にハイブリダイズすることを可能にする。PTOの最5’部分は、DNA依存的RNAポリメラーゼのためのプロモーター配列であり、これは、上述のように、本発明の増幅方法の特定の実施形態(いわゆる、「増強された」方法)において使用される。一般的に、これらの2つのセクション間の配列は、選択したポリメラーゼによる最適な転写のために設計される。この配列の選択および設計の基準は、当該分野で公知である。
【0133】
利便性のために、1つのみの第1プライマー伸長産物(第1鎖cDNA)および第2鎖プライマー伸長産物(第2鎖cDNA)を、図1および2に記載および説明する。本発明の方法は、多量の1つの特定の核酸配列を生成するためだけでなく、同じかまたは異なる標的核酸分子に位置する1つ以上の異なる特定の核酸配列を同時に増幅するためにも有用であることが理解される。例えば、本発明の方法は、サンプル中の全てのmRNAを増幅するためか、またはサンプル中の多様な特定のRNA種もしくはRNA種のファミリーを増幅するために有用である。
【0134】
図1A〜Bに示されるように、1つの実施形態において、RNAに基づく目的のRNA配列に相補的な配列を含むDNA産物を生成する本発明の増幅方法のプロセスは、以下の通りである:
A)直線的増幅のための二本鎖cDNA基質の形成
1.プライマー1が、ランダム配列部分A(この配列は、少なくとも一部、mRNAのポリA配列に基づき得る)のハイブリダイゼーションによりサンプル中のRNA種に結合し、複合体Iを形成する(図1A)。
2.逆転写酵素(「RT」と示される)が、ハイブリダイズされている標的RNA鎖に沿って、ハイブリダイズしたプライマー1を伸長し、RNA/DNA二本鎖を形成する。RNase Hは、ハイブリッド二本鎖の標的RNA鎖を分解し、一本鎖の第1鎖cDNA(「II」と示される)を生成する。IIの5’末端はプライマー1である。
3.プライマー2が、配列Fのハイブリダイゼーションにより第1鎖cDNA(II)と結合し、複合体IIIを形成する。
4.プライマー2は、DNAポリメラーゼによりcDNA鎖IIに沿って伸長され、二本鎖産物(「IV」と示される)を形成する。RNA依存的DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によるIIの5’RNA部分に沿ったプライマー伸長は、複合体IVの1つの末端でのRNA/DNAハイブリッド部分の形成を生じる。
5.RNase Hは、複合体IVの1つの末端のRNA/DNAハイブリッドのRNA部分を分解し、3’DNA一本鎖末端を有する部分的な二本鎖複合体(「V」と示される)を生成する。この配列は、複合プライマー1の部分Bの相補体である配列を有する。RNase H活性は、RNA依存的DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)により供給され得るか、または別々の酵素において提供され得る。本発明のために有用な逆転写酵素は、RNase H活性を有しても有さなくてもよい。
【0135】
B)等温直線的増幅
1.プライマー1を、RNA部分の、それに相補的な一本鎖DNA末端へのハイブリダイゼーションにより、複合体Vに結合させ、複合体VIを形成する。プライマー1の3’DNA配列は、ハイブリダイズされない。
2.複合体VIの結合したプライマー1の3’末端およびすぐ上流にあるDNA鎖の5’末端は同一であり、そして反対鎖へのハイブリダイゼーションについて競合する。学説に束縛されることを望まないが、プライマーのハイブリダイズした3’末端へのDNAポリメラーゼの高親和性は、新しいプライマーの3’末端のハイブリダイゼーションおよび以前のプライマー伸長産物(「VII」と示される)の5’末端の置換の方へ、2つの競合する構造の平衡を推進すると考えられる。第2鎖(センス)cDNA鎖に沿ったプライマー伸長は、以前の第2プライマー伸長産物(VII)と置き換わり、そしてプライマー2のE配列を複製して、複合体VIIIを形成する。
3.複合体VIIIは、一方の末端に、配列Bとその相補鎖から構成されるRNA/DNAハイブリッドを有する。このハイブリッドのRNAセグメントは、RNase Hにより分解され、複合体IXを形成し、これにより、新しいプライマー1がその5’B部分に結合可能である一本鎖3’末端を形成する。
4.二本鎖における以前のプライマー伸長産物の最5’末端の置換、プライマー伸長、および以前の産物の置換による、結合したプライマー1の3’末端配列Aのハイブリダイゼーションのプロセスは、図1A〜Bに示されるように続き、そしてこれにより、複数コピーのアンチセンス一本鎖DNA産物(「XII」と示される)が蓄積される。これらの産物は、3’末端にプライマー2の部分Eに相補的な配列を有し、そして5’末端に複合プライマーの配列Aに実質的に同一(全体的に同一)の配列を有する。Kurn、米国特許第6,251,639号(B1)。
【0136】
増強された方法の1つの実施形態を、図2A〜Cに示す。この実施形態において、目的のRNA配列の相補配列を含むDNA産物の生成後、以下の工程が実施される。
【0137】
C)DNA産物の転写
1.PTO(図2Cを参照のこと)は、DNA産物XIIの3’末端配列へのその3’末端配列のハイブリダイゼーションにより、DNA産物XIIに結合し、複合体XIIIを形成する。PTOの3’末端は、好ましくは(しかし、必ずしもそうではない)ブロックされ、その結果、DNAポリメラーゼにより伸長され得ない。
2.DNAポリメラーゼは、PTOテンプレートに沿って、複合体XIIIにおける産物XIIの3’末端を伸長し、一方の末端に二本鎖プロモーター配列を含む複合体XIVを形成する。
3.DNA依存的RNAポリメラーゼは、複合体XIVにおける二本鎖プロモーターに結合し、アンチセンス一本鎖DNA産物を転写して、複数コピーのセンスRNA産物(「XV」と示される)を生成する。多数の種の産物XVが、インプットRNAのプール由来の複数コピーの複数配列を表わす。Kurn、米国特許第6,251,639号(B1)。
【0138】
本発明の方法は、サンプル中の複数コピーの多くのRNA配列の生成のために使用され得る。例えば、複合プライマーは、サンプル中の全てのmRNAのポリAテールにハイブリダイズすると考えられるポリdT配列を含み得るか、または複合プライマーは、一般的に、ランダム配列または部分ランダム配列(例えば、ポリdT配列およびランダム配列を含む;この配列は、mRNAのポリAテールの始めにハイブリダイズすると考えられる)にハイブリダイズし得る3’部分を少なくとも含み得る。別の局面において、本発明の方法は、複数コピーの特定のRNA種またはRNA種のクラス(例えば、RNA種のファミリーまたはスーパーファミリー)の生成のために使用され得る。この後者の場合、複合プライマーは、一般的に、特定のRNA標的(またはRNA標的のファミリー)の配列に相補的な3’部分を含む。
【0139】
複合プライマーの5’部分は、特定のRNA標的配列に関連してもしなくてもよく、そしてRNA標的にハイブリダイズしてもしなくてもよく、例えば、この部分は、本明細書中にさらに記載されるようにテールを形成し得る。
【0140】
1つのみの複合プライマーが上記の実施形態に記載されるが、異なる複合プライマーが、上記工程(b)において使用され得ることが理解される。異なる複合プライマーは、上記複合体IXの一本鎖DNA部分にハイブリダイズし得る配列を含み得る。第2複合プライマーは、複合体IXの一本鎖DNA部分のすぐ5’側にある第2プライマー伸長産物配列の一部分にハイブリダイズし得る配列をさらに含む。第2複合プライマーは、一般的に、第1複合プライマーと重複する配列を含む。第2複合プライマーは、第2プライマー伸長産物にハイブリダイズされ、そしてプライマー伸長により伸長される。RNAseによるDNA−RNAヘテロ二本鎖の開裂は、別の第2複合プライマーの結合、伸長および鎖置換を可能にし、これによって、複数コピーの一本鎖産物が生成される。
【0141】
利便性のために、1つのみの第1プライマー伸長産物(第1鎖cDNA)および第2鎖プライマー伸長産物(第2鎖cDNA)を、図1および2に記載および説明する。本発明の方法は、多量の1つの特定の核酸配列を生成するためだけでなく、同じかまたは異なる標的核酸分子に位置する1つ以上の異なる特定の核酸配列を同時に増幅するためにも有用であることが理解される。例えば、本発明の方法は、サンプル中の全てのmRNAを増幅するためか、またはサンプル中の多様な特定のRNA種(このRNA種の場合、特定のRNA種の特定の配列にハイブリダイズし得る3’部分を各々含む、多様な第1複合プライマーが、用いられ得る)もしくはRNA種のファミリーを増幅するために有用である。
【0142】
(単一の複合プライマーおよび標的RNAフラグメントを用いた直線的核酸配列増幅)
本発明はまた、単一のプライマー(複合プライマー)、標的RNAフラグメント、および鎖置換を用いることにより、目的のRNA配列を増幅する方法を提供する。これらの方法による増幅は直線的であり、そして等温で達成され得る。転写工程を含まない実施形態において、増幅産物は、標的RNA中の目的のRNA配列に相補的な配列を含むDNAである。転写を含む実施形態において、増幅産物は、標的RNA中の目的のRNA配列のセンスRNAコピーである。
【0143】
本発明の単一の複合プライマーおよび鎖置換に基づく方法の増強されていない(直線的な)実施形態の図解による説明を、図3A〜Bに提供する。この方法は、以下の工程を包含する:(a)標的RNAと第1鎖cDNAのRNA/DNAヘテロ二本鎖を形成するためのプライマー伸長;(b)第1鎖cDNAとプライマーとしても機能し得る少なくとも1つのRNAフラグメントの複合体を形成するための、へテロ二本鎖のRNA標的の不完全分解;(c)インプット標的RNAと同一のセンスである第2鎖cDNAの形成;(d)第2鎖cDNAに沿った(複合プライマーからの)プライマー伸長および複数コピーのアンチセンス一本鎖DNA産物を生成するための鎖置換による第2鎖DNAの相補体の直線的増幅。示されるように、全ての工程は等温であるが、各工程の温度は、同じであってもなくてもよい。本発明の増強された単一の複合プライマーおよび鎖置換に基づく方法の実施形態の図解による説明を、図4A〜Bに提供する。この方法は、以下の工程を包含する:(a)標的RNAと第1鎖cDNAのRNA/DNAヘテロ二本鎖を形成するためのプライマー伸長;(b)第1鎖cDNAとプライマーとしても機能し得る少なくとも1つのRNAフラグメントの複合体を形成するための、へテロ二本鎖のRNA標的の不完全分解;(c)インプット標的RNAと同一のセンスである第2鎖cDNAの形成;(d)第2鎖cDNAに沿った(複合プライマーからの)プライマー伸長および複数コピーのアンチセンス一本鎖DNA産物を生成するための鎖置換による第2鎖DNAの相補体の直線的増幅;ならびに(e)複数コピーのセンスRNA産物を生成するための、直線的増幅工程の生成物の転写。
【0144】
複合プライマーは、本明細書中に記載されるように、これらの方法において増幅のために使用される。図3Aおよび4Aに説明されるように、単一(複合)プライマー(「1」と標識される)は、標的RNAの配列に相補的な3’−DNA部分(「A」と標識される)、および非標的関連配列(すなわち、標的RNAの配列に相補的でない/(所与の条件のセット下で)ハイブリダイズ可能でない)を含む5’−RNA部分(「B」と標識される)から構成され得る。複合プライマーの3’−DNA部分は、ポリ−dTヌクレオチドを含み得、これは、そのプライマーを、真核生物細胞由来のmRNAのポリ−A 3’末端に対して相補性にし/(所与の条件のセット下で)ハイブリダイズ可能にする。
【0145】
標的RNAにハイブリダイズする複合プライマーは、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によって伸長されて、標的RNAおよび第1鎖cDNAのRNA/DNAヘテロ二重鎖を形成する。次いで、ヘテロ二重鎖の標的RNAの分解は、RNase Hのようなリボヌクレアーゼを使用して、第1鎖cDNAおよび1つ以上のRNAフラグメント(オリゴヌクレオチド)の複合体を形成して達成される。RNase H活性は、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によって供給され得るか、または別の酵素において提供され得る。本方法において有用な逆転写酵素は、RNase H活性を有しても良いし、有さなくても良い。フラグメントは、ヘテロ二重鎖における標的RNAの不完全な分解の結果である。これらのフラグメントは、第2鎖cDNAを形成するためのDNA依存性DNAポリメラーゼに対するプライマーとして機能する。Okayama & Berg,Molecular and Cell Biology(1982),2:161;およびGubler & Hoffman,Gene(1983),25:263。次いで、逆転写酵素は、複合プライマー伸長産物(第1鎖cDNA)の5’−RNA配列に沿って二重鎖において第2鎖cDNAの3’末端を伸長して、二本鎖cDNA産物の末端においてRNA/DNAヘテロ二重鎖を形成する。
【0146】
二本鎖cDNAの末端におけるヘテロ二重鎖は、RNase Hに対する基質である。RNase Hは、第1鎖cDNAの5’−RNA部分を分解して、複合プライマーのハイブリダイゼーションのための部位を作製し、これは、その5’−RNA部分によって、二重鎖cDNAの第2鎖cDNAの3’末端にハイブリダイズする。新規なプライマーの3’DNA部分は、第1鎖cDNAの5’末端を、第2鎖cDNAのその相補的な配列へのハイブリダイゼーションによって、置換する。次いで、強力な鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼは、第2鎖cDNAに沿って新規なプライマーを伸長し、そして以前に形成されたcDNA産物を置換する。RNase Hは、ヘテロ二重鎖における新規な伸長産物の5’部分を分解して、新規な複合プライマーのハイブリダイゼーションのための自由部位を作製し、従って、標的配列の連続的な直線的増幅および一本鎖DNA産物(標的RNA配列に対してアンチセンスである)の複数コピーの生成を生じる。
【0147】
図4A〜Bに示され、本明細書の記載から明らかなように、単一複合プライマー増幅方法はまた、複合プライマーおよび第2プライマーを使用して、拡張した増幅の方法に関して記載される様式と同じ様式で、プロプロモーターポリヌクレオチドを使用する転写工程を含み得る。
【0148】
本発明の方法は、サンプル中の複数のRNA配列あるいは特定のRNA種または群のRNA種の複数コピーの作製のために使用され得る。後者の場合、複合プライマーは、一般的に、特定のRNA標的またはRNA標的の群の配列(例えば、配列のファミリーまたはスーパーファミリーのメンバーである相同なRNA標的)に相補的および/またはハイブリダイズ可能である3’部分を含む。例えば、プライマーは、例えば、1つより多くの標的配列が存在するプライマー配列の収集物を含み得る。
【0149】
本発明の方法の別の適用は、共通配列に隣接する改変体領域の検出である。共通に共有される配列を認識する第1複合プライマーを設計することによって、プライマーによって認識される共通領域だけでなく、配列改変体を検出する際に有用な隣接配列を含む一本鎖DNAまたはRNA産物が作製される。従って、例えば、一本鎖DNAまたはRNA産物は、限定された量の臨床的物質から作製され得、全て標準的な技術に従って、病原体特異的配列(例えば、ウイルス型を区別する配列)が同定され得るか、遺伝的多型が検出され得るか、または選択的スプライシング改変体が特徴付けられ得る。他の実施形態において、プライマーによって認識される共通領域(例えば、保存配列モチーフまたは機能的配列モチーフ)だけでなく、同様な配列モチーフを含むRNA種の群の同定を可能にする5’−隣接配列もまた含む、一本鎖DNAまたはRNA産物が作製される。
【0150】
複合プライマーの5’−RNA部分は、特定のRNA標的配列に関連しても良く関連しなくても良く、そしてRNA標的にハイブリダイズしても良く、ハイブリダイズしなくても良い。「テール付き(tailed)」複合ポリマーを使用する本発明の方法は、本明細書中にさらに記載される。
【0151】
(単一複合プライマーおよび標的RNAフラグメントを使用する直線的mRNA増幅)
本明細書中で記載されるように、全mRNAは、メッセージの実質的に全集団とハイブリダイズするのに十分な長さのポリ(T)(すなわち、ポリ(T)n、ここで、nは、典型的には、約5〜50以上である)を含む複合プライマーを使用して増幅され得る。図5は、本発明の鎖置換に基づく方法の非拡張実施形態の概略的な説明を例示し、これは、ポリ−dT配列を含む3’−DNA部分を含み、そしてさらに無作為な配列3’ポリdT配列を含む単一複合プライマーの使用を包含する。複合プライマー1は、さらに、RNA標的配列に実質的にハイブリダイズ可能でない5’−RNA部分(すなわち、ポリ−dT配列がハイブリダイズする条件下のテール(tail))をさらに含む。必要に応じて、第2複合プライマーが、以下に記載されるように使用され得る。
【0152】
この方法は、以下の工程を包含する:(a)標的RNAおよび第1鎖cDNAのRNA/DNAヘテロ二重鎖を形成するためのプライマー伸長;(b)入力(input)標的RNAと同じセンスである第2プライマー伸長産物(第2鎖cDNA)の形成。第2プライマー伸長産物は、一般的に、複合プライマーの5’−RNA部分(すなわち、テール)に相補的な3’部分を含む;(c)プライマー伸長による(複合プライマーからの)第2鎖cDNAの相補体の直線的増幅および(目的のRNA配列に相補的である)アンチセンス一本鎖DNA産物の複数コピーを作製するための鎖置換。
【0153】
図6は、本発明の鎖置換に基づく方法の非拡張実施形態の概略的な説明を例示し、これは、無作為な配列を含む3’−DNAを含み、そしてさらにRNA標的配列に実質的にハイブリダイズしない5’−RNA(すなわち、無作為な配列がハイブリダイズする条件下のテール)を含む、単一複合プライマーの使用を包含する。必要に応じて、第2複合プライマーは、以下に記載されるように使用され得る。
【0154】
この方法は、以下の工程を包含する:(a)標的RNAおよび第1鎖cDNAのRNA/DNAヘテロ二重鎖を形成するためのプライマー伸長;(b)入力標的RNAと同じセンスである第2プライマー伸長産物(第2鎖cDNA)の形成。第2プライマー伸長産物は、一般的に、複合プライマーの5’−RNA部分(すなわち、テール)に相補的な3’部分を含む;(c)プライマー伸長による複合プライマーからのセンスcDNA鎖の直線的増幅、および目的のRNA配列に相補的であるアンチセンス一本鎖DNA産物の複数コピーを作製するための鎖置換。
【0155】
これらの実施形態において例示されるように、全ての工程は、等温的であるが、各工程のそれぞれについての温度は、同じであっても異なっていても良い。上に提供される一般的記載を考慮して、種々の他の実施形態が実施され得ることが理解される。第2プライマー伸長産物の形成が、当該分野で公知の任意の方法または本明細書中に記載される任意の方法(例えば、ハイブリダイズされた第2プライマーまたはRNAフラグメントの伸長)によって達成され得ることがさらに理解される。
【0156】
本明細書の記載から明らかなように、増幅方法はまた、複合プライマーおよび第2プライマーを使用する増幅の拡張した方法に関して記載される様式と同じ様式で、プロプロモーターポリヌクレオチドを使用する転写工程を含み得る。増幅の拡張した方法の一本鎖RNA産物は、一般的に、第1複合プライマーの5’−RNA部分に相補的である3’領域を含む。
【0157】
図7は、本発明の鎖置換に基づく方法の拡張した実施形態の概略的な説明を例示し、これは、(a)無作為な配列を含む3’−DNAを含み、そしてさらにRNA標的配列に実質的にハイブリダイズ可能でない5’−RNA部分(すなわち、無作為な配列がハイブリダイズする条件下のテール)を含む、単一複合プライマー;および(b)プロモーターオリゴヌクレオチドの使用を包含する。必要に応じて、第2複合プライマーが、本明細書中に記載されるように使用され得る。
【0158】
この方法は、以下の工程を包含する:(a)標的RNAおよび第1鎖cDNAのRNA/DNAヘテロ二重鎖を形成するためのプライマー伸長;(b)入力標的RNAと同じセンスである第2プライマー伸長産物(第2鎖cDNA)の形成、およびRNA/DNAヘテロ二重鎖に存在するRNAを切断し得る因子(例えば、RNase H)による、RNA/DNAヘテロ二重鎖に存在するRNAの切断(これによって、3’一本鎖部分を含む第1プライマー伸長および第2プライマー伸長の二本鎖複合体が作製される(図8の複合体IX、これは、図1に示される複合体IXに対応する));ならびに(c)図8に示されるように、複合体Xを形成するための二本鎖産物IXへのPTO結合。DNAポリメラーゼは、複合体XIII内の第2プライマー伸長産物の3’末端をPTOテンプレートに沿って伸長して、一端に二本鎖プロモーター配列を含む複合体XIを形成する;ならびに(d)センスRNA産物の複数コピーを作製するためのDNA依存性RNAポリメラーゼを使用する転写。説明されるように、全ての工程は、等温的であるが、各工程のそれぞれについての温度は、同じであっても異なっていても良い。
【0159】
図8に説明されるように、プロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド、3(PTO)は、以下のように設計され得る:3’部分が、(テンプレートRNAにハイブリダイズする)第1複合プライマーの5’RNA部分と同じである。この設計によって、PTOが第2プライマー伸長産物(第1プライマー伸長産物との複合体中に存在する)の一本鎖3’部分にハイブリダイズし得る。PTOの5’の大部分は、DNA依存的RNAポリメラーゼに対するプロモーター配列であり、これは、上記のように、本発明の増幅方法の特定の(すなわち、他の「拡張」方法)実施形態において使用される。
【0160】
(第1複合プライマー、第2複合プライマー、および標的RNAを使用する、直線的なmRNA増幅)
本発明は、第1複合プライマー、第2鎖cDNAを作製するために使用される第2複合プライマー、および標的RNAを使用する、一本鎖アンチセンスおよび目的のRNA配列のセンスポリヌクレオチド(一般的にDNA)コピーを作製する方法を提供する。本発明のこの局面において、第1複合プライマーは、第1伸長産物(一般的に、cDNA)を作製するために使用され、これは、上記のように、複合プライマーを使用する直線的増幅に対する基質である。さらに、第2複合プライマーは、直線的増幅のための基質である第2鎖cDNAを作製するために使用され、目的のRNA配列の一本鎖ポリヌクレオチドコピーの作製を生じる。
【0161】
この方法は、以下を包含する:(a)cDNAの各末端にRNA−DNAヘテロ二重鎖を含む二本鎖cDNAの形成;ならびに(b)第1複合プライマーおよび第2複合プライマー(これは第1鎖cDNAに結合する)からのプライマー伸長による第1鎖(センス)cDNAおよび第2鎖(アンチセンス)cDNAの直線的増幅、ならびに鎖置換。一本鎖の第1および第2鎖cDNA産物が作製され、これは、例えば、cDNAライブラリーを作製するのに有用である。明らかなように、本発明のこの局面において、第2プライマー伸長産物は、複合プライマーによってプライムされる。
【0162】
図8は、本発明の1つの実施形態を説明する。異なる「テール」配列を含む2つの複合プライマーを使用して、cDNAの各末端にRNA−DNAヘテロ二重鎖を含む二本鎖cDNAを作製する。RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する因子によるRNAの切断によって、別の第1複合プライマー、別の第2複合プライマー(第1プライマー伸長産物にハイブリダイズする)の結合、伸長および鎖置換を可能にし、それによって、アンチセンス一本鎖産物の複数コピーおよびセンス一本鎖DNA産物の複数コピーが、作製される。センスおよびアンチセンスの一本鎖cDNA産物の組み合わせは、二本鎖cDNAを作製し得る。目的のRNA配列に相補的な配列および目的のRNA配列を含む配列を含む一本鎖cDNA産物の生成を生じる本発明の増幅方法のプロセスは、以下の通りである(その実施形態が、図7に図示される):
A)直線的増幅のための二本鎖cDNA基質の形成
1.複合プライマー1が、プライマー部分A(これは、mRNAのポリA配列に少なくとも一部基づき得る)のハイブリダイゼーションによってサンプル中のRNA標的に結合し、複合体Iを形成する。
【0163】
2.逆転写酵素が、ハイブリダイズされるプライマー1を、それがハイブリダズされる標的RNA鎖に沿って伸長して、RNA/DNA二重鎖(IIと標識される)を形成する。因子(例えば、RNase H)は、ハイブリッド二重鎖の標的RNA鎖を分解して、一本鎖の第1鎖cDNA(「III」と標識される)を生成する。IIIの5’末端は、プライマー1である。
【0164】
3.複合プライマー2が、第1鎖cDNA(III)に、配列Fのハイブリダイゼーションによって結合して、複合体IVを形成する。
【0165】
4.複合プライマー2が、DNAポリメラーゼによってcDNA鎖IIIに沿って伸長して、二本鎖産物(「V」と標識される)を形成し、これは、第1鎖cDNAおよび第2鎖cDNAからなる。逆転写酵素のようなRNA依存性DNAポリメラーゼによるIVの5’RNA部分に沿ったプライマー伸長は、複合体Vの一端においてRNA/DNAハイブリッド部分の形成を生じる。
【0166】
5.因子(例えば、RNase)が、複合体Vの一端においてRNA/DNAハイブリッドのRNA部分を分解して、3’DNA一本鎖末端を有する部分的二本鎖複合体(「VI」と標識される)を作製する。この複合体は、複合プライマー1の部分Bの相補体である配列を有する。
【0167】
6.複合プライマー1が、一本鎖DNA末端(RNA部分に相補的である)へのRNA部分のハイブリダイゼーションによって、複合体VIに結合して、複合体VIIを形成する。
【0168】
7.センスcDNA鎖に沿った、複合体VII中の結合したプライマー1のプライマー伸長が、以前のプライマー伸長産物(VII)の置換を生じ、そして第2複合プライマーの部分「G」を複製して、複合体VIIIを形成する。
【0169】
8.因子(例えば、RNase H)が、RNA/DNAヘテロ二重鎖のRNA部分を切断し、複合体VIIIを形成する。複合体VIIIは、一端において複合プライマー1および複合プライマー1の相補体、ならびに他端において、第2複合プライマーおよび第2複合プライマーの相補体から構成される2つのRNA/DNAヘテロ二重鎖を有する。複合体VIIIは、「A」および「B」と示された引き続く反応のための基質である。
【0170】
B)等温直線的増幅
9.反応Aにおいて、第1複合プライマーは、複合体VIIIに結合する。プライマー伸長および置換産物は、第1置換産物Aを生成する。RNase切断は、第1複合プライマーの結合、および引き続くプライマー伸長のための部位を作製し、これによって、一本鎖アンチセンスDNA産物が蓄積する。
【0171】
10.反応Bにおいて、第2複合プライマーは、複合体VIII(または第1置換産物A)に結合する。プライマー伸長および置換は、一本鎖センスDNA産物を生成する。
【0172】
一本鎖産物は、アニールされて、第1鎖cDNAおよび第2鎖cDNAの二本鎖複合体を形成し得るか、またはアニーリングを妨げられて(または続いて変性されて)、一本鎖第1鎖cDNAおよび一本鎖第2鎖cDNAの混合物を生成し得る。
【0173】
(本発明の方法において使用される成分および反応条件)
(テンプレート核酸)
増幅されるRNA標的としては、精製形態または非精製形態の、任意の供給源由来のRNAが挙げられ、これは、RNA全体、tRNA、mRNA、rRNA、ミトコンドリアRNA、葉緑体RNA、DNA−RNAハイブリッド、またはこれらの混合物のようなRNAであり得、ヒト、動物、植物、ならびに細菌、酵母、ウイルス、ウイロイド、カビ、真菌、植物およびこれらのフラグメントのような微生物を含む任意の供給源および/または種由来であり得る。RNAは、当該分野で標準的な技術を使用して得られ得、そして精製され得る。DNA標的(ゲノムDNA標的を含む)の増幅は、RNA形態へのDNA標的の最初の転写を必要とし、これは、Kurn、米国特許第6,251,639 B1号に開示される方法を使用して、そして当該分野において公知の他の技術(例えば、発現系)によって達成され得る。DNA−RNAハイブリッドの増幅は、ssRNAを得るためのハイブリッドの変性、または変性し、続いてDNA鎖を転写してRNAを得るためのハイブリッドの変性を必要とする。標的RNAは、複合体混合物(例えば、生物学的サンプル)の単なる微小画分であり得、当該分野で周知の手順によって種々の生物学的材料から得られ得る。標的RNAは、公知であっても、公知でなくても良く、1つより多くの所望の特定の目的の核酸配列を含み得る。これらのそれぞれは、互いに同じであっても、異なっていても良い。従って、増幅プロセスは、大量の一種類の特定の核酸配列を生成するだけではなく、同じかまたは異なる核酸分子上に位置する、一種類より多くの異なる特定の核酸配列を同時に増幅するためにも有用である。
【0174】
標的RNA配列の増幅の最初の工程は、標的を一本鎖にすることである。標的核酸が二本鎖(例えば、RNA/DNAハイブリッド)である場合、最初の工程は、標的変性であり得る。変性はまた、RNA標的分子に存在する二次構造を除去するために実行され得る。変性工程は、熱変性または当該分野において公知の方法であり得る。
【0175】
(複合プライマー)
本発明の方法は、RNA部分およびDNA部分から構成される複合プライマーを使用する。本明細書中に記載されるように、ハイブリダイズおよび本明細書中に記載されるRNA増幅の方法を開始するために使用される場合、複合プライマーは、一般的に、RNA標的(これは、本明細書中に記載されるように、増幅が設計されるRNAの性質(種であろうと集団であろうと)に依存して、多数の配列順序のうちのいずれかを有し得る)にハイブリダイズするDNA部分を含む。本明細書中に記載される本発明の方法によって生成されるcDNA鎖を増幅するために使用される場合、複合プライマーは、新規な(さらなる)複合プライマーの結合およびポリメラーゼによる新規なプライマーの伸長による、プライマー伸長産物の引き続く置換が達成され得るように、設計される。さらに、プライマー伸長産物のRNA部分の切断は、複合プライマーによる増幅のための基質ではない増幅産物の生成を導く。以下の節において、本発明の方法に使用される複合プライマーの局面を一般的に記載することが理解され、記載される特徴は、ハイブリダイズおよびRNA増幅を開始する(第1伸長産物の生成)ため、および/または直線的な置換増幅のために使用される場合、そのプライマーに適用可能であり得る。
【0176】
本発明の方法および組成物における使用のための複合プライマーは、標的RNAにハイブリダイズし得る配列を含む。標的RNAにハイブリダイズし得る配列は、特定の標的RNAの特定の配列(例えば、特定の遺伝子のmRNA)に基づき得るか、または複数のRNA種に存在することが公知のより一般的な配列型(例えば、全ての真核生物mRNAに存在すると当該分野において一般的に考えられるポリ−Aテール配列)に基づき得る。さらに、標的RNAにハイブリダイズし得る配列は、mRNAのポリ−Aテールに相補的な配列を含み得、そして3’部分の3’末端(または無作為な配列の集団)に、さらなる無作為な配列(ポリ−A配列に一般的に相補的でない)をさらに含み得る。
【0177】
標的RNAにハイブリダイズし得る配列はまた、無作為な配列を含み得る。無作為なプライマーは、当該分野において周知であり、例えば、以下を参照のこと。これには、少なくとも以下が挙げられる:同じサンプル中の2つ以上の配列にハイブリダイズ可能なプライマー;およびサンプル中の多数のmRNA(例えば、全てのmRNA)にハイブリダイズ可能なポリ−dT配列を含むプライマー。便宜上、単一の無作為な複合プライマーを上で議論する。しかし、用語「無作為なプライマー」とは、所望のおよび/または有意な集団の標的配列に集合的に設計されるプライマーの集団のメンバーであるプライマーをいい得ることが理解される。
【0178】
単一の反応混合物中の複数のmRNA種の増幅が、必ずしもではないが、多数(2〜多数)のプライマーを使用し得ることがまた理解される。従って、本発明は、単一の反応混合物中の複数のmRNA種を増幅する場合に、多数の異なる複合プライマー(無作為または非無作為)の使用を意図する。
【0179】
いくつかの実施形態において、第1複合プライマーは、本発明の方法において使用され、この方法は、第2cDNA鎖の直線的置換増幅(SPIA)を含む工程を包含する。他の実施形態において、第1および第2の異なる複合プライマーが本発明の方法において使用される。第2複合プライマーは、直線的置換増幅(SPIA)工程のために使用され、そして第1複合プライマーの配列のうちのいくつかまたは全てを含み得、そして第1複合プライマーが、第2複合プライマーの配列のいくつかまたは全てを含み得る。いくつかの実施形態において、第2複合プライマーは、第1複合プライマーとは異なる配列を含む。
【0180】
いくつかの実施形態において、複合プライマーは、この全プライマーが、標的RNAにハイブリダイズするように設計される。他の実施形態において、複合プライマーは、好ましくは、この標的に(所定の設定条件下で)ハイブリダイズすることができない5’末端(例えば、このプライマーが、この標的に結合する場合に、尾部を構築するハイブリダイズされていない5’部分)に配列を含む。この複合プライマーの個々のDNAおよびRNA部分は、この標的RNAに、完全または部分的にハイブリダイズし得る。例えば、複合プライマーの5’RNA部分は、部分的にハイブリダイズし得、そして部分的にハイブリダイズし得ないか、または複合プライマーのDNA部分は、部分的にハイブリダイズし得、そして部分的にハイブリダイズし得ないか、あるいは、その両方である。言い換えると、DNA部分は、「尾部」の部分を構築し、そしてRNA部分は、標的RNAに部分的または完全にハイブリダイズし得る。例えば、複合プライマーの5’RNA部分は、部分的にハイブリダイズし得、そして部分的にハイブリダイズし得ないか、または複合プライマーのDNA部分は、部分的にハイブリダイズし得、そして部分的にハイブリダイズし得ないか、あるいは、その両方である。
【0181】
線形置換増幅(linear displacement amplification)における使用のために、複合プライマーは、(a)同一の第2鎖cDNA上の配列へのDNA部分のハイブリダイゼーションに独立して、第2鎖cDNA(「第2のプライマー伸長産物」または「複合プライマー伸長産物」と交換可能に呼ばれる)上の配列に結合(ハイブリダイズ)し得、そして(b)第2のプライマーまたはフラグメント伸長産物にハイブリダイズされた場合、リボヌクレアーゼのような試薬を用いて切断される、少なくとも1つのRNAを含む。この複合プライマーは、第2鎖cDNAに結合して、部分的なヘテロ二本鎖を形成し、ここで、このプライマーのRNA部分のみが、RNA/DNAハイブリッドにおいてRNAを切断する試薬(例えば、リボヌクレアーゼ(例えば、RNase)のような酵素)と接触して切断され、その一方で、第2鎖cDNAは、インタクトなままであり、別の複合プライマーとアニーリングし得る。
【0182】
本明細書中に記載される線形置換増幅に使用される場合、この複合プライマーはまた、第2鎖cDNA上の配列にハイブリダイズし得る3’DNA部分を含み、この3’DNA部分の第2鎖cDNAへのハイブリダイゼーションは、DNAポリメラーゼによる第2鎖cDNAから置換される核酸鎖のハイブリダイゼーションよりも好ましい。このようなプライマーは、核酸結合親和性に影響を与える周知の因子(例えば、配列長および/または同一性、ならびにハイブリダイゼーション条件)に基づいて合理的に設計され得る。好ましい実施形態において、複合プライマーの3’DNA部分の、第2鎖cDNA中の相補的配列へのハイブリダイゼーションは、置換された鎖の5’末端の相同性配列の、第2鎖cDNAへのハイブリダイゼーションよりも好ましい。
【0183】
重合化による伸長に適したプライマーの生成は、PCT公開番号WO99/42618(およびその中で引用される文献)において記載されているような技術において周知である。複合プライマーは、RNAおよびDNAの組み合わせ(上記の定義を参照のこと)を含み、この3’末端ヌクレオチドは、核酸の伸長に適したヌクレオチドである。3’末端ヌクレオチドは、プライマー中に存在する場合、DNAポリメラーゼによって伸長可能である、任意のヌクレオチドまたはアナログであり得る。一般に、3’末端ヌクレオチドは、3’−OHを有する。適切なプライマーは、RNAの少なくとも一部およびDNAの少なくとも一部を含む、プライマーを含む。例えば、複合プライマーは、5’−RNA部分および3’−DNA部分(RNA部分は、3’DNA部分に隣接している)を含み得;または5’DNA部分および3’DNA部分は、介在性のRNA部分を有する。従って、1つ実施形態において、この複合プライマーは、5’RNA部分および3’−DNA部分を含み、好ましくは、ここで、このRNA部分は、3’DNA部分に隣接している。別の実施形態において、この複合プライマーは、少なくとも1つの介在性RNA部分(すなわち、2個のDNA部分間のRNA部分)を有する5’DNA部分および3’DNA部分を含む。なお別の実施形態において、本発明の複合プライマーは、3’DNA部分および少なくとも1つの介在性RNA部分(すなわち、DNA部分間のRNA部分)を含む。
【0184】
3’DNA部分およびRNA部分を含む、複合プライマー中のRNA部分の長さは、好ましくは、約1〜約50個、より好ましくは、約3〜約20個、さらにより好ましくは、約4〜約15個、そして最も好ましくは、約5〜約10個のヌクレオチドであり得る。いくつかの実施形態において、複合プライマーは、3’DNA部分およびRNA部分を含み、RNA部分は、任意の少なくとも約1、3、4、5個のヌクレオチドであり得、任意の約10、15、20、25、30、50個のヌクレオチドの上限を有する。
【0185】
複合プライマー中の5’RNA部分の長さは、5’RNA部分を含み、そして3’DNA部分は、好ましくは、約3〜約50個のヌクレオチド、より好ましくは、約5〜約20個のヌクレオチド、さらに好ましくは、約7〜約18個のヌクレオチド、好ましくは、約8〜約17個のヌクレオチド、そして最も好ましくは、約10〜約15個のヌクレオチドであり得る。5’RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーの他の実施形態において、5’RNA部分は、任意の少なくとも約3、5、8、10個のヌクレオチドであり得、任意の約15、17、18、20、50個のヌクレオチドの上限を有する。1つの実施形態において、この複合プライマーは、約14個のヌクレオチドのRNA部分を有する。
【0186】
非5’RNA部分をさらに含む、5’RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーの実施形態において、非5’RNA部分は、好ましくは、約1〜約7個のヌクレオチド、より好ましくは、約2〜約6個のヌクレオチド、そして最も好ましくは、約3〜約5個のヌクレオチドであり得る。非5’RNA部分をさらに含む、5’RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーの特定の実施形態において、非5’RNA部分は、任意の少なくとも約1、2、3、5個であり得、任意の約5、6、7、10個のヌクレオチドの上限を有する。
【0187】
5’RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーの実施形態(この5’RNA部分は、3’DNA部分に隣接している)において、5’RNA部分の長さは、好ましくは、約3〜約50個のヌクレオチド、より好ましくは、約5〜約20個のヌクレオチド、さらにより好ましくは、約7〜約18個のヌクレオチド、好ましくは、約8〜約17個のヌクレオチド、そして最も好ましくは、約10〜約15個のヌクレオチドであり得る。5’RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーの特定の実施形態(この5’RNA部分は、3’DNA部分に隣接している)において、5’RNA部分は、任意の少なくとも約3、5、7、8、10個であり得、任意の約15、17、18、20、50個のヌクレオチドの上限を有する。
【0188】
少なくとも1個の介在性RNA部分を有する、5’DNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマー中の介在性RNA部分の長さは、好ましくは、約1〜約7個のヌクレオチド、より好ましくは、約2〜約6個のヌクレオチド、そして最も好ましくは、約3〜約5個のヌクレオチドであり得る。少なくとも1個の介在性RNA部分を有する、5’DNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマー中の介在性RNA部分のいくつかの実施形態において、介在性RNA部分は、任意の少なくとも約1、2、3、5個のヌクレオチドであり得、任意の約5、6、7、10個のヌクレオチドの上限を有する。3’DNA部分および少なくとも1個の介在性RNA部分を含む複合プライマー中の介在性RNA部分の長さは、好ましくは、約1〜約7個のヌクレオチド、より好ましくは、約2〜約6個のヌクレオチド、そして最も好ましくは、約3〜約5個のヌクレオチドであり得る。3’DNA部分および少なくとも1個の介在性RNA部分を含む複合プライマーのいくつかの実施形態において、介在性RNA部分は、任意の少なくとも約1、2、3、5個であり得、任意の約5、6、7、10個のヌクレオチドの上限を有する。5’RNA部分をさらに含む、3’DNA部分および少なくとも1個の介在性RNA部分を含む複合プライマーにおいて、5’RNA部分は、好ましくは、約3〜約25個のヌクレオチド、より好ましくは、約5〜約20個のヌクレオチド、さらにより好ましくは、約7〜約18個のヌクレオチド、好ましくは、約8〜約17個のヌクレオチド、そして最も好ましくは、約10〜約15個のヌクレオチドであり得る。5’RNA部分をさらに含む、3’DNA部分および少なくとも1個の介在性RNA部分を含む複合プライマーのいくつかの実施形態において、5’RNA部分は、任意の少なくとも約3、5、7、8、10個であり得、任意の約15、17、18、20個のヌクレオチドの上限を有する。
【0189】
3’DNA部分およびRNA部分を含む複合プライマー中の3’DNA部分の長さは、好ましくは、約1〜約20個、より好ましくは、約3〜約18個、さらにより好ましくは、約5〜約15個、そして最も好ましくは、約7〜約12個のヌクレオチドであり得る。3’DNA部分およびRNA部分を含む複合プライマーのいくつかの実施形態において、3’DNA部分は、任意の少なくとも約1、3、5、7、10個であり得、任意の約10、12、15、18、20、22個のヌクレオチドの上限を有する。
【0190】
5’RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマー中の3’DNA部分の長さは、好ましくは、約1〜20個のヌクレオチド、より好ましくは、約3〜約18個のヌクレオチド、さらにより好ましくは、約5〜約15個のヌクレオチド、そして最も好ましくは、約7〜12個のヌクレオチドであり得る。5’RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーのいくつかの実施形態において、3’DNA部分は、任意の少なくとも約1、3、5、7、10個であり得、任意の約10、12、15、18、20、22個のヌクレオチドの上限を有する。
【0191】
非3’DNA部分をさらに含む5’RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーの実施形態において、非3’DNA部分は、好ましくは、約1〜約10個のヌクレオチド、より好ましくは、約2〜約8個のヌクレオチド、および最も好ましくは、約3〜約6個のヌクレオチドであり得る。非3’DNA部分をさらに含む、5’RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーのいくつかの実施形態において、非3’DNA部分は、任意の少なくとも約1、2、3、5個であり得、任意の約6、8、10、12個のヌクレオチドの上限を有する。
【0192】
5’RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーの実施形態(ここで、5’RNA部分は、3’DNA部分に隣接している)において、3’DNA部分の長さは、好ましくは、約1〜約20個のヌクレオチド、より好ましくは、約3〜約18個のヌクレオチド、さらにより好ましくは、約5〜約15個のヌクレオチド、そして最も好ましくは、約7〜約12個のヌクレオチドであり得る。5’RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーの実施形態(ここで、5’RNA部分は、3’DNA部分に隣接している)において、この3’DNA部分は、任意の少なくとも約1、3、5、7、10個であり得、任意の約10、12、15、18、20、22個のヌクレオチドの上限を有する。
【0193】
少なくとも1個の介在性RNA部分を有する、5’DNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマー中の非3’DNA部分の長さは、好ましくは、約1〜約10個のヌクレオチド、より好ましくは、約2〜約8個のヌクレオチド、そして最も好ましくは、約3〜6個のヌクレオチドであり得る。少なくとも1個の介在性RNA部分を有する、5’DNA部分および3’DNA部分を含むプライマーのいくつかの実施形態において、非3’DNA部分は、任意の少なくとも約1、2、3、5個であり得、任意の約6、8、10、12個のヌクレオチドの上限を有する。
【0194】
少なくとも1個の介在性RNA部分を有する5’DNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマー中の3’DNA部分の長さは、好ましくは、約1〜約20個のヌクレオチド、より好ましくは、約3〜約18個のヌクレオチド、さらにより好ましくは、約5〜約15個のヌクレオチド、そして最も好ましくは、役7〜約12個のヌクレオチドであり得る。少なくとも約1個の介在性RNA部分を有する、5’DNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーのいくつかの実施形態において、3’DNA部分は、任意の少なくとも約1、3、5、7、10個であり得、任意の約10、12、15、18、20、22個のヌクレオチドの上限を有する。
【0195】
3’DNA部分および少なくとも1個の介在性RNA部分を含む、非3’DNA部分(すなわち、3’DNA部分以外の任意のDNA部分)の長さは、好ましくは、約1〜約10個のヌクレオチド、より好ましくは、約2から約8個のヌクレオチド、そして最も好ましくは、約3〜約6個のヌクレオチドであり得る。3’DNA部分および少なくとも1個の介在性RNA部分を含む、複合プライマーのいくつかの実施形態において、非3’DNA部分は、任意の少なくとも約1、3、5、7、10個であり得、任意の約6、8、10、12個のヌクレオチドの上限を有する。3’DNA部分および少なくとも1個の介在性RNA部分を含む、複合プライマー中の3’DNA部分の長さは、好ましくは、約1〜約20個のヌクレオチド、より好ましくは、約3〜約18個のヌクレオチド、さらにより好ましくは、約5〜約15個のヌクレオチド、そして最も好ましくは、約7〜約12個のヌクレオチドであり得る。3’DNA部分および少なくとも1個の介在性RNA部分を含む複合プライマーのいくつかの実施形態において、この3’DNA部分は、任意の少なくとも約1、3、5、7、10個であり得、任意の約10、12、15、18、20、22個のヌクレオチドの上限を有する。種々の部分似ついての長さは、本発明の方法の反応条件下で適切な場合、これらを超えるか、またはこれら未満であり得ることが理解される。
【0196】
いくつかの実施形態において、複合プライマーの5’DNA部分は、このプライマーの最も5’側のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、複合プライマーの5’RNA部分は、このプライマーの最も5’側のヌクレオチドを含む。他の実施形態において、複合プライマーの3’DNA部分は、このプライマーの最も3’側のヌクレオチドを含む。他の実施形態において、3’DNA部分は、5’RNA部分に隣接しており、そしてこのプライマーの最も3’側のヌクレオチドを含み(そして、この5’RNA部分は、このプライマーの最も5’側のヌクレオチドを含む)。
【0197】
この複合プライマーの全長は、好ましくは、約10〜約50個のヌクレオチド、より好ましくは、約15〜約30個のヌクレオチド、そして最も好ましくは、約20〜約25個のヌクレオチドであり得る。いくつかの実施形態において、この長さは、任意の少なくとも約10、15、20、25個であり得、任意の約25、30、50、60個のヌクレオチドの上限を有する。種々の部分似ついての長さは、本発明の方法の反応条件下で適切な場合、これらを超えるか、またはこれら未満であり得ることが理解される。
【0198】
標的核酸へのハイブリダイゼーション(ハイブリダイゼーションは、当該分野で周知であり、そして理解されており、例えば、イオン強度および温度のような他の因子に依存する)を達成するために、この標的核酸にハイブリダイズし得るプライマーの部分は、標的核酸に対して、好ましくは、少なくとも約60%、より好ましくは、少なくとも約75%、さらにより好ましくは、少なくとも約90%、そして最も好ましくは、少なくとも約95%相補性である。
【0199】
本明細書中に記載されているように、1以上の複合プライマーは、増幅反応において使用され得る。
【0200】
(第2プライマー)
本発明の方法における第2プライマー(この第2プライマーは、第2鎖cDNAとして交換可能に称される、第2プライマー伸長産物の産生を初回刺激する)は、(所定の一定の条件下で)第1鎖cDNA(この第1鎖cDNAは、第1プライマー伸長産物として交換可能に称される)に、この第2鎖cDNAが目的のRNA配列を含むように第1鎖cDNA上の部位においてハイブリダイズし得る配列(この配列は、プライマーの全体であっても、そうでなくてもよい)を含む。いくつかの実施形態において、第2プライマーのハイブリダイズ可能な配列は、第1鎖cDNA上の所望の結合部位の公知の配列に基づいて設計される。他の実施形態において、このハイブリダイズ可能な配列は、例えば、複数のRNA種から産生される、第1鎖cDNAをランダムに初回刺激するのに適していると当該分野で公知である、ランダム配列に基づいている。他の実施形態において、第2プライマーは、米国特許第5,692,271号および同第5,962,272号に記載される、鎖スイッチオリゴヌクレオチドを含み、これは、mRNA上に存在するCap配列にハイブリダイズし得、そして逆方向逆転写酵素により、mRNAテンプレートからスイッチオリゴヌクレオチドにスイッチさせ、「スイッチオリゴヌクレオチド」によって初回刺激される第2鎖cDNAの産生を可能にする。あるいは、ホモポリマーの尾部を、第1プライマー伸長産物の3’末端に付加し、そして第2プライマーは、このホモポリマーの尾部の相補体を含む。
【0201】
いくつかの実施形態において、第2プライマーは、DNAを含む。他の実施形態において、第2プライマーは、DNAからなる。他の実施形態において、本明細書中に記載されるように、第2プライマーは、標的RNAのフラグメントであり、このフラグメントは、RNA標的の切断によって産生される。
【0202】
いくつかの実施形態において、この第2プライマー(この第2プライマーは、第2鎖cDNAの産生を初回刺激する)は、(上記のような)複合プライマーである。これらの実施形態において、この方法は、以下の(a)および(b)を含み、これによって、単鎖第1鎖cDNAの複数のコピーが産生される:(a)cDNAの一方の末端において、RNA−DNAヘテロ二本鎖を含む、二本鎖cDNAの形成;および(b)第1鎖(センス)cDNAの線形増幅。
【0203】
第1鎖cDNA(この第1鎖cDNAは、当該分野で周知であり、そして理解されており、例えば、イオン強度および温度のような他の因子に依存する)を達成するために、この第1鎖cDNAにハイブリダイズし得る第2プライマーの配列は、この第1鎖cDNAに対して、好ましくは、少なくとも約60%、より好ましくは、少なくとも約75%、さらにより好ましくは、少なくとも約90%、そして最も好ましくは、少なくとも約95%相補的である。
【0204】
特定の実施形態(代表的に、転写を含むが、必ずしも含むわけではない)において、第2プライマーはまた、配列、好ましくは、5’末端の配列(この配列は、一般に、最も5’側のヌクレオチドを含む)を含み得、この配列は、所定の設定条件下で、第1鎖cDNAにハイブリダイズし得ない。この配列は、第2鎖cDNAの5’末端(そして従って、続く、単鎖DNA産物の3’末端)の規定される末端配列の作製を可能にする。単鎖DNA部分の3’末端において規定された末端配列は、続く工程において置換された第1プライマー伸長産物に対するプロモーターポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション(転写工程を含む実施形態において)に関して特に得点を有する。特定の実施形態において、5’側のハイブリダイズ不可能な配列は、プロモーターポリヌクレオチドによってハイブリダイズし得る相補的な配列を含む。3’側で規定された末端配列を含む単鎖DNA産物はまた、結合パートナーまたは基質(例えば、本明細書中に記載されるような遺伝子マイクロアレイ)に結合した相補的なオリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションのために有用である。従って、本発明は、本明細書中に記載されるような、3’側に規定される末端を有するこれらの産物を作製する方法を提供する。
【0205】
1つの実施形態において、第2プライマーは、DNAを含む。別の実施形態において、この第2プライマーは、RNAを含む。なお別の実施形態において、この第2プライマーは、DNAおよびRNAを含む。
【0206】
いくつかの実施形態において、この第2プライマーは、複合プライマー伸長産物の3’末端において、自己初回刺激(例えば、ヘアピンループ)によって産生される。これらの実施形態において、複合プライマー伸長産物の3’末端における配列は、複合プライマー伸長産物自体の別の配列(例えば、米国特許第6,132,997号に記載される)中の別の配列にハイブリダイズする。これらの実施形態において、複合プライマー伸長産物の3’末端における配列は、一般に(例えば、S1ヌクレアーゼを用いて)切断され、続いて、複合プライマー伸長産物にハイブリサイズされ、そして/または複合プライマー伸長産物に沿って伸長される。米国特許第6,132,997号。
【0207】
いくつかの実施形態において、第2プライマーは、1以上の標的RNAフラグメントによって提供される。このような標的RNAフラグメントは、RNA/DNAハイブリッド中のRNAを切断する試薬(例えば、酵素)によって、標的RNAおよび第1プライマー伸長産物の複合体中の標的RNAを不完全に分解する結果として産生され得、1以上のRNAフラグメントは、第1プライマー伸長産物に結合したままである。
【0208】
(プライマー伸長産物にハイブリダイズするプロプロモーターおよび領域を含む、ポリヌクレオチド)
いくつかの実施形態は、プライマー伸長産物にハイブリダイズするプロプロモーターおよび領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチドを使用する。いくつかの実施形態において、プロプロモーターポリヌクレオチドは、以下により詳細に記載されるように、PTOとして提供される。
【0209】
(プロプロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド)
いくつかの実施形態において、この方法は、プロプロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド(PTO)によって提供される転写のためのプロモーター配列を使用する。
【0210】
本発明の方法および組成物において使用するPTOは、RNAポリメラーゼの二本鎖プロモーターの形成のために設計されるプロプロモーター配列およびプライマー伸長産物の3’末端にハイブリダイズし得る部分を含む、単鎖ポリヌクレオチド、一般にDNAである。本発明の実施形態において、プライマー伸長産物の3’末端にハイブリダイズし得る部分は、その相補体が第2プライマー伸長産物の規定される末端配列(そして従って、続く、単鎖DNA産物の3’末端)にハイブリダイズし得る配列を含む。別の実施形態において、プライマー伸長産物の3’末端にハイブリダイズし得る部分は、ランダム配列を含む。別の実施形態において、プライマー伸長産物の3’末端にハイブリダイズし得る部分は、複数の第1鎖cDNAの3’末端に見出される配列にハイブリダイズし得る相補体の配列を含む。
【0211】
好ましい実施形態において、このプロプロモーター配列は、オリゴヌクレオチドの5’部分に配置され、そしてハイブリダイズした配列は、オリゴヌクレオチドの3’部分に配置される。1つの実施形態において、最も代表的に、このプロモーターおよびハイブリダイズする配列は、異なる配列である。1つの実施形態において、そして最も代表的には、プロモーターおよびハイブリダイズした配列は、配列同一性でオーバーラップする。なお別の実施形態において、このプロモーターおよびハイブリダイズした配列は、同一の配列であり、従って、PTO上に同一の配置で存在する。このPTOのプライマー伸長産物へのハイブリダイゼーションから、オーバーハングを含む二重鎖を生じる実施形態(置換されたプライマー伸長産物にハイブリダイズしないPTOの5’末端であって、代表的にこのプロプロモーター配列の全部または一部を含む)において、DNAポリメラーゼは、適切なRNAポリメラーゼによる転写を実施し得る二本鎖プロモーターを産生するためにオーバーハング中に充填する。
【0212】
テンプレートDNAの転写を可能にするプロモーター配列は、当該分野で公知であり、そして上で議論されている。好ましくは、このプロモーター配列は、使用される特定のRNAポリメラーゼの最適の転写活性を提供するように選択される。このような選択のための基準(すなわち、特定のRNAポリメラーゼによって特に好まれる特定のプロモーター配列)がまた、当該分野で公知である。例えば、T7 DNA依存性RNAポリメラーゼおよびSP6による転写のためのプロモーターの配列は、当該分野で公知である。このプロモーター配列は、原核生物または真核生物供給源由来であり得る。
【0213】
いくつかの実施形態において、PTOは、プロプロモーター配列とプライマー伸長産物の3’末端にハイブリダイズし得る部分との間に、介在配列を含む。介在配列の適切な長さは、経験的に決定され得、そして少なくとも約1、2、4、6、8、10、12、15ヌクレオチドであり得る。介在配列の適切な配列同一性もまた、経験的に決定され得、そしてその配列は、必要ではないが、好ましくは、その配列の欠落と比較して、増幅の程度を増強するように設計される。1つの実施形態において、介在配列は、使用されるRNAポリメラーゼによる増強された転写またはより最適な転写を提供するよう設計された配列である。一般に、その配列は、標的核酸に関連しない(すなわち、それは、標的核酸に実質的にハイブリダイズしない)。より最適な転写は、その配列に作動可能に連結されているプロモーターからのポリメラーゼの転写活性が、作動可能に連結されていないプロモーターからの転写活性よりも高い場合に生じる。最適な転写のための配列の要件は、一般に、種々のDNA依存性RNAポリメラーゼについて以前に記載されるように(例えば、米国特許第5766849号および同第5654142号において)当該分野で公知であり、そしてまた、経験的に決定され得る。
【0214】
別の実施形態において、PTOは、プロプロモーター配列の5’側にある配列を含む。すなわち、PTOは、プロプロモーター配列の5’側に位置する、さらなるヌクレオチド(これは、転写調節配列であってもなくてもよい)を含む。必要ではないが、一般に、この配列は、プライマー伸長産物に(所定の条件設定下で)ハイブリダイズ可能でない。
【0215】
1つの実施形態において、PTOは、核酸伸長のためのプライマーとして効率的に機能し得ない。PTOのプライマー機能をブロックするための技術としては、DNAポリメラーゼによるPTOの3’末端へのヌクレオチドの付加を妨げる任意の技術が挙げられる。このような技術は、当該分野で公知であり、例えば、DNAポリメラーゼによってさらなるヌクレオチドを結合し得ない、PTOの最も3’側の位置における、3’ヒドロキシル基の置換または改変、あるいは改変されたヌクレオチド(例えば、ジデオキシヌクレオチド)の組み込みが挙げられる。標識、または特定の結合対のメンバーである小分子(例えば、ビオチン)を使用して、3’末端をブロックすることが可能である。非相補性に起因してかまたは水素結合を支持しない構造的改変のいずれかに起因して、プライマー伸長産物にハイブリダイズし得ないヌクレオチドの付加によって、3’末端を伸長不可能にすることも可能である。他の実施形態において、PTOは、ブロックされない。
【0216】
目的のプライマー伸長産物にハイブリダイズするPTOの部分の長さは、好ましくは、約5〜約50ヌクレオチド、より好ましくは、約10〜約40ヌクレオチド、さらにより好ましくは、約15〜約35ヌクレオチド、そして最も好ましくは、約20〜約30ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、ハイブリダイズする部分は、少なくとも約3、5、10、15、20のいずれかであり、かつ約30、40、50、60のいずれか未満である。ハイブリダイズする部分の相補性は、目的のプライマー伸長産物のその意図される結合配列に対して、好ましくは、少なくとも約25%、より好ましくは、少なくとも約50%、さらにより好ましくは、少なくとも約75%、そして最も好ましくは、少なくとも約90%である。
【0217】
(DNAポリメラーゼ、RNA−DNAハイブリッドを切断し得る因子、およびRNAポリメラーゼ)
本発明の増幅方法は、以下の酵素を使用する:RNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性DNAポリメラーゼ、RNA−DNAハイブリッドのRNA鎖を切断し得る因子(例えば、RNaseHのようなリボヌクレアーゼ)、およびいくつかの局面において、DNA依存性RNAポリメラーゼ。これらの活性の1以上は、1つの酵素に見出されそして使用され得る。例えば、RNaseH活性は、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によって供給され得るか、または別の酵素において提供され得る。本方法に有用な逆転写酵素は、RNaseH活性を有しても有さなくともよい。
【0218】
本発明の1つの局面は、プライマー−RNA複合体からの二本鎖cDNAの形成である。このプロセスは、一般に、RNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性DNAポリメラーゼおよびRNA/DNAハイブリッドを切断し得る因子(例えば、RNaseH)の酵素活性を使用する。
【0219】
本発明の方法および組成物における使用のためのRNA依存性DNAポリメラーゼは、本発明の方法に従ってプライマーの伸長をもたらし得る。従って、好ましいRNA依存性DNAポリメラーゼは、少なくとも主にリボヌクレオチドから構成される核酸テンプレートに沿って核酸プライマーを伸長し得るポリメラーゼである。本発明の方法および組成物における使用のために適切なRNA依存性DNAポリメラーゼとしては、逆転写酵素が挙げられる。多くの逆転写酵素(例えば、鳥類骨髄芽球症ウイルス(AMV−RT)およびモロニーマウス白血病ウイルス(MMLV−RT)由来の逆転写酵素)は、1より多い活性(例えば、ポリメラーゼ活性およびリボヌクレアーゼ活性)を含み、そして二本鎖cDNA分子の形成において機能し得る。しかし、いくつかの例において、RNaseH活性を欠く逆転写酵素を使用することが好ましい。RNaseH活性を欠く逆転写酵素は、当該分野で公知であり、これらには、野生型逆転写酵素の変異(この変異が、RNaseH活性を排除する)を含む逆転写酵素が挙げられる。これらの場合において、他の供給源由来のRNaseH(例えば、E.coliから単離されたRNaseH)の添加が、二本鎖cDNAの形成に使用され得る。
【0220】
本発明の方法および組成物における使用のためのDNA依存性DNAポリメラーゼは、本発明に従って複合プライマーの伸長をもたらし得る。従って、好ましいポリメラーゼは、少なくとも主にデオキシヌクレオチドから構成される核酸テンプレートに沿って核酸プライマーを伸長し得るポリメラーゼである。二本鎖cDNAの形成は、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性の両方を含む逆転写酵素によって行われ得る。本発明の方法に従うRNA配列の増幅は、そのポリヌクレオチドから核酸鎖を置換し得るDNAポリメラーゼの使用を包含し、そのポリヌクレオチドに、置換された鎖が結合される。そして一般に、そのポリメラーゼが示す鎖置換能が大きいほど(すなわち、それほど高い鎖置換能を有さない他のポリメラーゼと比較して)好ましい。好ましくは、このDNAポリメラーゼは、核酸鎖にハイブリダイズされるオリゴヌクレオチドの3’末端での結合について高い親和性を有する。好ましくは、このDNAポリメラーゼは、実質的なニッキング活性を有さない。一般に、このDNAポリメラーゼは、好ましくは、プライマーまたはプライマー伸長ポリヌクレオチドの分解を最小化するように、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性をほとんどまたは全く有さない。一般に、このエキソヌクレアーゼ活性は、pH、塩濃度、テンプレートが二本鎖または一本鎖のいずれであるか、などの因子に依存し、これら全ては、当業者に精通している。5’→3’エキソヌクレアーゼ活性が欠失された変異体DNAポリメラーゼは、当該分野で公知であり、そして本明細書中に記載の増幅方法に適切である。5’→3’ヌクレアーゼ活性および3’→5’ヌクレアーゼ活性の両方を欠く変異体DNAポリメラーゼもまた、記載されている(例えば、エキソ−/−クレノウDNAポリメラーゼ)。好ましくは、このDNAポリメラーゼは、このポリメラーゼとプライマー伸長産物の5’末端との間の接触頻度の少なくとも約25%、より好ましくは、少なくとも約50%、さらにより好ましくは、少なくとも約75%、そして最も好ましくは、少なくとも90%において、テンプレート核酸からのプライマー伸長産物を置換する。いくつかの実施形態において、鎖置換活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼの使用が、好ましい。このようなポリメラーゼは、当該分野で公知である(例えば、米国特許第5744312号(およびそこに引用される参考文献)に記載される)。好ましくは、このDNAポリメラーゼは、プルーフリーディング活性をほとんどまたは全く有さない。
【0221】
本発明の方法および組成物における使用に適切なDNAポリメラーゼは、米国特許第5648211号および同第5744312号に開示されるDNAポリメラーゼであり、これらには、エキソ−Vent(New England Biolabs)、エキソ−Deep Vent(New England Biolabs)、Bst(BioRad)、エキソ−Pfu(Stratagene)、Bca(Panvera)、配列決定グレードのTaq(Promega)、エキソ−/−クレノウDNAポリメラーゼ、およびThermoanaerobacter thermohydrosulfuricus由来の熱安定性DNAポリメラーゼが挙げられる。
【0222】
本発明の方法および組成物における使用のためのリボヌクレアーゼは、RNA/DNAハイブリッドにおいてリボヌクレオチドを切断し得る。好ましくは、このリボヌクレアーゼは、その切断されるリボヌクレオチドに隣接するヌクレオチドの正体および型に拘わらず、RNA/DNAハイブリッドにおいてリボヌクレオチドを切断する。好ましくは、このリボヌクレアーゼは、配列同一性に非依存的に切断する。本発明の方法および組成物に適切なリボヌクレアーゼの例は、当該分野で周知であり、これらとしては、リボヌクレアーゼH(RNaseH)(Hybridaseを含む)が挙げられる。
【0223】
本発明の方法および組成物における使用のためのDNA依存性RNAポリメラーゼは、当該分野で公知である。真核生物性または原核生物性のいずれかのポリメラーゼが、使用され得る。例としては、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼおよびSP6 RNAポリメラーゼが挙げられる。一般に、選択されるRNAポリメラーゼは、本明細書中に記載されるようなプロプロモーターポリヌクレオチドによって提供されるプロモーター配列から転写し得る。一般に、このRNAポリメラーゼは、DNA依存性ポリメラーゼであり、これは、好ましくは、プロモーター領域が二本鎖である限り、一本鎖DNAテンプレートから転写し得る。
【0224】
一般に、本発明の方法および組成物において使用される酵素は、これらの方法および組成物の核酸成分の実質的な分解を生じるべきではない。
【0225】
(反応条件および検出)
本発明の方法を行うために適切な反応媒体および条件は、本発明の方法に従って核酸の増幅を可能にするものである。このような媒体および条件は、当業者に公知であり、そして種々の刊行物(例えば、米国特許第5,554,516号;同第5,716,785号;同第5,130,238号;同第5,194,370号;同第6,090,591号;同第5,409,818号;同第5,554,517号;同第5,169,766号;同第5,480,784号;同第5,399,491号;同第5,679,512号;およびPCT公開番号WO99/42618)に記載される。例えば、緩衝液は、Tris緩衝液であり得るが、他の緩衝液もまた、その緩衝液成分が本発明の方法の酵素成分に対して非阻害性である限り、使用され得る。pHは、好ましくは、約5〜約11、より好ましくは、約6〜約10、さらにより好ましくは、約7〜約9、そして最も好ましくは、約7.5〜約8.5である。反応媒体はまた、Mg2+またはMn2+のような二価の金属イオンを、約0.01〜約15mM、そして最も好ましくは、約1〜10mMの範囲内の遊離イオン最終濃度で含み得る。反応媒体はまた、その媒体の総イオン強度に寄与する他の塩(例えば、KClまたはNaCl)を含み得る。例えば、KClのような塩の範囲は、好ましくは、約0〜約125mM、より好ましくは、約0〜約100mM、そして最も好ましくは、約0〜約75mMである。反応媒体は、増幅反応の実行に影響を及ぼし得るが、これらの方法の酵素成分の活性に不可欠ではない添加剤をさらに含み得る。このような添加剤としては、BSA、一本鎖結合タンパク質(例えば、T4遺伝子32タンパク質)のようなタンパク質、およびNP40またはTritonのような非イオン性界面活性剤が挙げられる。酵素活性を維持し得る試薬(例えば、DTT)もまた、含まれ得る。このような試薬は、当該分野で公知である。適切な場合、この方法において使用されるRNaseの活性を阻害しないRNaseインヒビター(例えば、Rnasin)もまた、含まれ得る。本発明のこれらの方法の任意の局面が、同じ温度または種々の温度で生じ得る。好ましくは、増幅反応(特に、第1鎖および第2鎖cDNA合成工程以外のプライマー伸長、および鎖置換)は、等温で行われ、これは、煩わしい熱サイクルプロセスを回避する。増幅反応は、テンプレートポリヌクレオチドおよびプライマー伸長産物に対する本発明のオリゴヌクレオチド(プライマーおよび/またはPTO)のハイブリダイゼーションを可能にし、かつ使用される酵素の活性を実質的に阻害しない温度で行われる。温度は、好ましくは、約25℃〜約85℃、より好ましくは、約30℃〜約80℃、そして最も好ましくは、約37℃〜約75℃の範囲にあり得る。RNA転写を含むいくつかの実施形態において、その転写工程のための温度は、先行する工程の温度よりも低い。これらの実施形態において、転写工程の温度は、好ましくは、約25℃〜約85℃、より好ましくは、約30℃〜約75℃、そして最も好ましくは、約約37℃〜約70℃の範囲にあり得る。
【0226】
本発明の方法においてプライマー伸長産物の合成のために使用され得るヌクレオチドおよび/またはヌクレオチドアナログ(例えば、デオキシリボヌクレオシド三リン酸)は、好ましくは、約50〜約2500μM、より好ましくは、約100〜約2000μM、さらにより好ましくは、約200〜約1700μM、そして最も好ましくは、約250〜約1500μMの量で提供される。いくつかの実施形態において、プライマー伸長鎖におけるその存在が鎖の置換を増強する(例えば、通常のAT、CG塩基対形成よりも弱い塩基対形成を生じることによって)、ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログが、含まれる。このようなヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログとしては、デオキシイノシンおよび他の改変された塩基が挙げられ、これら全ては、当該分野で公知である。本発明の方法におけるRNA転写物の合成に使用され得るヌクレオチドおよび/またはアナログ(例えば、リボヌクレオシド三リン酸)は、好ましくは、約0.25〜約6mM、より好ましくは、約0.5〜約5mM、さらにより好ましくは、約0.75〜約4mM、そして最も好ましくは、約1〜約3mMの量で提供される。
【0227】
本発明の増幅反応のオリゴヌクレオチド成分は、一般に、増幅される標的核酸配列の数より多く存在する。これらは、標的核酸の量の約10倍、102倍、104倍、106倍、108倍、1010倍、1012倍のいずれか、または少なくとも約10倍、102倍、104倍、106倍、108倍、1010倍、1012倍のいずれかで提供され得る。複合プライマーおよびPTOは、各々、約50nM、100nM、500nM、1000nM、2500nM、500nMのいずれか、または少なくとも約50nM、100nM、500nM、1000nM、2500nM、5000nMのいずれかの濃度で提供される。
【0228】
1つの実施形態において、前述の成分は、増幅プロセスの開始時に同時に添加される。別の実施形態において、成分は、増幅反応に必要とされそして/または許容される場合に、増幅プロセス中の適切な時点の前または後で、任意の順序で添加される。このような時点(いくつかを以下に記載する)は、当業者によって容易に同定され得る。本発明の方法に従う核酸増幅に使用される酵素は、それらの温度安定性および/または当業者に公知の他の考慮によって決定されるように、標的核酸の変性工程の前、その変性工程の後、または標的RNAへのプライマーのハイブリダイゼーション後のいずれかに、反応混合物に添加され得る。第1鎖cDNA(複合プライマー伸長産物)合成反応および第2鎖cDNA(第2のプライマー伸長産物)合成反応は、連続的に行われ、その後、増幅工程(別の複合プライマーによる結合、プライマー伸長および鎖置換)が続き得る。これらの実施形態において、反応条件および成分は、異なる反応間で変更され得る。
【0229】
増幅プロセスは、種々の時点で停止され得、そしてその後、再開され得る。これらの時点は、当業者に容易に同定され得る。1つの時点は、第1鎖cDNA合成の終了時である。別の時点は、第2鎖cDNA合成の終了時である。反応を停止するための方法は、当該分野で公知であり、これらには、例えば、酵素活性を阻害する温度への反応混合物の冷却、または酵素を破壊する温度への反応混合物の加熱が挙げられる。反応を再開するための方法もまた、当該分野で公知であり、これらには、例えば、酵素活性を可能にする温度への反応混合物の温度の上昇、または破壊(枯渇)された酵素の補充が挙げられる。いくつかの実施形態において、反応物の1以上の成分が、反応の再開前、再開時または再開後に補充される。例えば、同じ複合プライマーが使用されている場合、直線的な増幅反応を開始する前に複合プライマーを補充する必要があり得る。あるいは、反応は、中断することなく進行(すなわち、開始から終了まで)され得る。
【0230】
反応は、中間複合体の精製(例えば、プライマーを除去するために)を行うことなく、進行され得る。産物は、種々の時点で精製され得、これらの時点は、当業者によって容易に同定され得る。1つの時点は、第1鎖cDNA合成の終了時である。別の時点は、第2鎖cDNA合成の終了時である。本発明者らは、第1のcDNAおよび第2のcDNAの複合体の従来の精製が、その後の直線的な増幅工程において、わずかにより高い増幅効率を生じることを観察した。
【0231】
増幅産物検出は、標的配列の存在を示す。定量分析もまた、可能である。直接的および間接的な検出方法(定量化を含む)は、当該分野で周知である。例えば、標的配列を含む未知の量のポリヌクレオチドを含む試験サンプルから増幅された産物の量を、その標的配列を含む既知の量のポリヌクレオチドを有する参照サンプルの増幅産物と比較することによって、試験サンプル中の標的配列の量が決定され得る。本発明の増幅方法はまた、配列変化の分析および標的核酸の配列決定にまで広げられ得る。さらに、検出は、例えば、RNA増幅産物からの翻訳産物の試験によってもたらされ得る。
【0232】
(本発明の組成物およびキット)
本発明はまた、本明細書中に記載される方法において使用される組成物およびキットを提供する。組成物は、本明細書中に記載される任意の成分、反応混合物および/または中間体、ならびに任意の組み合わせであり得る。例えば、本発明は、複合プライマーおよび第2のプライマーを含む組成物を提供し、ここで、第2のプライマーは、ランダムプライマーである。いくつかの実施形態において、第2のプライマーは、DNAを含む。他の実施形態において、第2のプライマーは、DNAからなる。なお別の例において、組成物は、複合プライマーおよび第2のプライマーを含み、その第2のプライマーは、置換プライマー伸長産物の生成の目的のために含まれる非標的配列を含み、そこに、プロプロモーターポリヌクレオチドがハイブリダイズし得る。この第2のプライマーはまた、ランダムプライマーであり得る。
【0233】
いくつかの実施形態において、複合プライマーは、DNA部分に隣接するRNA部分を含む。別の実施形態において、複合プライマーは、少なくとも1つの介在RNA部分を有する、5’−DNA部分および3’−DNA部分を含む。他の実施形態において、複合プライマーは、ポリ−dT部分を含む。別の例において、本発明は、ランダムプライマーである複合プライマーを含む。いくつかの実施形態において、ランダム複合プライマーまたはポリ−dT部分を含む複合プライマーは、(そのプライマーの一部が標的にハイブリダイズする条件下で)標的にハイブリダイズ可能でない部分をさらに含む。他の例において、本発明は、複合プライマーを含む組成物を提供し、この複合プライマーは、核酸マイクロアレイの調製に使用される固体基板へのその複合プライマーを含むポリヌクレオチドの結合をもたらし得る部分の結合によって、さらに誘導体化される。いくつかの実施形態において、複合プライマーは、アミンのような正に荷電した部分の結合によってさらに誘導体化される。
【0234】
いくつかの実施形態において、本発明は、複合プライマー、およびプロプロモーター配列を含むポリヌクレオチド(例えば、PTO(すなわち、本明細書中に記載される実施形態のいずれか))を含む、組成物を提供する。ランダムプライマーを含む組成物について、これらの組成物はまた、複数のランダムプライマー(すなわち、異なる配列を有するランダムプライマーの集団)を含み得る。
【0235】
特定の実施形態において、組成物は、以下を含む:(a)複合プライマー;(b)第2のプライマー(これは、ランダムプライマーであり得る);および(c)逆転写酵素。なお別の実施形態において、組成物は、以下を含む:(a)複合プライマー;(b)第2のプライマー(これは、ランダムプライマーであり得る);(c)逆転写酵素;および(d)DNAポリメラーゼ。いくつかの実施形態において、組成物は、以下を含む:(a)複合プライマー;(b)第2のプライマー(これは、ランダムプライマーであり得る)および(c)プロプロモーター配列を含むポリヌクレオチド(これは、PTOであり得る)。任意の上記の組成物は、標的RNA(これは、目的のRNA配列を含む)および/または本明細書中に記載されるいずれかの酵素(例えば、DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)、RNaseHおよび/またはRNAポリメラーゼ)をさらに含み得る。これらの組成物は、一般に、凍結乾燥形態または水溶液形態、好ましくは、適切な緩衝液中にある。
【0236】
本発明はまた、本明細書中に記載される増幅産物を含む組成物を提供する。従って、本発明は、本明細書中に記載の方法のいずれかによって生成される、標的配列のコピーまたは相補体であるDNA分子またはRNA分子の集団(または、これらの産物を含む組成物)を提供する。
【0237】
別の局面において、本発明は、本明細書中に記載される方法のいずれかによって生成される、標的配列のコピーおよび相補体である、センスポリヌクレオチド(好ましくは、DNA)分子およびアンチセンスポリヌクレオチド(好ましくは、DNA)分子の集団を提供する。本発明はまた、同種(同じ配列)または異種(異なる配列)であり得る、これらの集団の組成物および種々の構成(例えば、アレイ)を包含する。これらの集団は、本明細書中に開示される方法(mRNA、ならびに特定の種またはクラスのmRNAに基づく方法を含む)から得られた配列の任意の集合体であり得る。
【0238】
組成物は、一般に、適切な媒体中にあるが、これらは、凍結乾燥形態であり得る。適切な媒体としては、水性媒体(例えば、純水または緩衝液)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0239】
本発明は、本発明の方法を行うためのキットを提供する。従って、種々のキットが、適切なパッケージング中に提供される。これらのキットは、本明細書中に記載される用途の任意の1以上に使用され得、そして従って、以下の用途の任意の1以上についての指示書を備え得る:RNA配列の増幅;目的のRNA配列の配列決定;RNA配列の増幅に基づく配列変異の検出(例えば、遺伝子型決定または核酸配列検出);目的の配列の存在または非存在の決定;発現プロファイリングの方法;サブトラクティブハイブリダイゼーションの方法;サブトラクティブハイブリダイゼーションプローブを調製する方法;示差的増幅の方法;ライブラリーの調製方法(cDNAライブラリーおよび示差的発現ライブラリーを含む);固定された核酸(これらは、マイクロアレイ上に固定された核酸であり得る)の調製方法、および本発明の方法によって生成された増幅核酸産物を特徴付ける方法。
【0240】
本発明のキットは、本明細書中に記載される成分の任意の組み合わせを含む、1つ以上の容器を備え、そして以下は、このようなキットの例である。キットは、本明細書中に記載される複合プライマーのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、キットは、2つ以上の複合プライマーおよび第2のプライマーを含み、これらは別々にパッケージされていても、されていなくてもよい。キットは、複合プライマー、およびプロプロモーター(propromoter)配列を含むポリヌクレオチド(これは、PTOであり得る)を含み得る。キットはさらに、第2のプライマー(これは、ランダムプライマーであり得る)を含み得る。複合プライマーは、標識されていても標識されていなくてもよい。キットはまた、必要に応じて、さらに、本明細書中に記載される酵素(例えば、逆転写酵素のようなRNA依存型DNAポリメラーゼ、およびRNase Hのようなリボヌクレアーゼ)、ならびにデオキシヌクレオシド三リン酸(標識または非標識)、および/またはリボヌクレオシド三リン酸(標識または非標識)のいずれか1つ以上を含み得る。キットはまた、1つ以上の適切な緩衝剤(本明細書中に記載されるような)を含み得る。核酸配列決定のために有用なキットは、必要に応じて、プライマー伸長産物またはRNA転写物への組み込みの際に、ヌクレオチド重合の終結をもたらす、標識されているかまたは標識されていないヌクレオチドアナログを含み得る。このキットにおける1つ以上の試薬は、乾燥粉末として、通常は凍結乾燥されて、賦形剤を含んで提供され得、これは、溶解の際に、本明細書中に記載される方法のいずれかを実施するために適切な濃度を有する試薬溶液を提供する。各成分は、別個の容器にパッケージされ得るか、またはいくつかの成分は、交差反応性および貯蔵寿命により許される場合には、1つの容器中に組み合わせられ得る。
【0241】
本発明のキットは、必要に応じて、1揃いの指示を含み得、これは一般に、書面の指示書であるが、指示が含まれている磁気格納媒体(例えば、磁気ディスクまたは光ディスク)もまた認容可能であり、そして意図される核酸増幅のため、ならびに/または適切である場合には、核酸配列決定および配列変異の検出のような目的での、増幅産物の使用のための、本発明の方法の成分の使用に関する。キットに含まれる指示は、一般に、本発明の方法を実施するために必要な試薬(このキットに含まれていても含まれていなくても)に関する情報、このキットの使用方法に関する指示、および/または適切な反応条件を含む。例えば、本発明のキットは、以下を含み得る:複合プライマー(これは、ポリ−dT部分を含み得、そして/またはランダムプライマーであり得る)、第2のプライマー(これは、ランダムプライマーであり得る)、および本発明の方法によってRNAを増幅するためにこれらのプライマーを使用するための指示。別の実施例において、本発明のキットは、複合プライマー(これは、ポリ−dT部分を含み得、そして/またはランダムプライマーであり得る)、および本発明の方法によって、RNAを増幅するためにこれらのプライマーを使用するための指示を含む。別の実施例において、本発明のキットは、以下を含む:複合プライマー、第2のプライマー(これは、ランダムプライマーであり得る)、ならびに本発明の方法によって、RNA標的から二本鎖相補DNAを生成するため、および/またはRNAを増幅するための指示。なお別の実施例において、これらのキットのいずれかは、さらに、プロプロモーターポリヌクレオチド、ならびに本発明の方法によって、二本鎖プロモーター領域が生成されるための、プライマー伸長産物およびプロプロモーターポリヌクレオチドの二重鎖を生成するため、ならびに/またはRNAを増幅するための指示を含む。別の実施例において、本発明のキットは、第一鎖cDNAを生成し得る複合プライマー(これは、ポリ−dT部分を含み得、そして/またはランダムプライマーであり得る)、第一鎖cDNAとハイブリダイズし得る第2の複合プライマー、および本発明の方法のいずれかによって、二本鎖cDNAを生成するために、これらのプライマーを使用するための指示を含む。別の実施例において、本発明のキットは、3’一本鎖DNA部分を含む二本鎖cDNA複合体(第一鎖cDNAおよび第二鎖cDNAを含む)を含む。なお別の実施例において、これらのキットのいずれかは、さらに、1つ以上のコントロール(これらは、例えば、3’一本鎖DNA部分を含むRNAテンプレート、複合プライマー、および/または二本鎖cDNA複合体(第一鎖および第二鎖cDNAを含む))であり得る)を含む。
【0242】
このキットの成分は、任意の好都合な適切なパッケージングにパッケージされ得る。これらの成分は、別個にか、または1つもしくは複数の組合せでパッケージされ得る。キットが、転写を含む本発明の増幅方法を実施するために提供される場合には、RNAポリメラーゼ(含まれる場合)は、好ましくは、転写工程の前の工程において使用される成分とは別個に提供される。
【0243】
このキット内の種々の成分の相対量は、本明細書中に開示される方法を実施するために起こることが必要である反応を実質的に最適化し、そして/または任意のアッセイの感度をさらに最適化する範囲の濃度を提供するように、広く変動され得る。
【0244】
本発明はまた、本明細書中に記載される方法を実施するためのシステムを提供する。これらのシステムは、上記で議論された成分の種々の組み合わせを含む。例えば、いくつかの実施形態において、本発明は、標的ポリヌクレオチド配列を生成するため(または標的ポリヌクレオチド配列を増幅するため)に適切なシステムを提供し、このシステムは、以下を含む:(a)複合プライマー(本明細書中に記載されるプライマーのいずれか)、(b)DNAポリメラーゼ;および(c)リボヌクレアーゼ。いくつかの実施形態において、このシステムはさらに、プロプロモーター配列を含むポリヌクレオチド(これは、PTOであり得る)およびDNA依存型RNAポリメラーゼを含む。他の実施形態において、このシステムはさらに、RNA依存型DNAポリメラーゼを含む。これらのシステムの実施形態のいずれかはまた、本明細書中に記載されるような、テンプレート(標的)配列を含み得る。システムは、一般に、本発明の増幅方法を実施するための1つ以上の装置を備える。このような装置としては、例えば、加熱デバイス(例えば、加熱ブロックまたは水浴)および本明細書中に記載される方法の1つ以上の工程の自動操作をもたらす装置が挙げられる。本発明の方法は、小型化デバイスを用いる使用に特に適している。なぜなら、熱循環が、いずれの工程においても必要とされないからである。適切なデバイスの非限定的な例としては、BioAnalyzer(Agilant and Caliper)およびeSensorが挙げられる。
【0245】
本発明はまた、本明細書中に記載される成分の種々の組み合わせを含む、反応混合物(または反応混合物を含む組成物)を提供する。反応混合物の例は、記載されている。いくつかの実施形態において、本発明は、以下を含む反応混合物を提供する:(a)標的RNA;(b)3’DNA部分およびRNA部分を含む複合プライマー;(c)第2のプライマー;ならびに(d)DNAポリメラーゼ。本明細書中に記載されるように、3’DNA部分に隣接する5’RNA部分を含む複合プライマーを含む、複合プライマーのいずれか(または複数の複合プライマー)が、反応混合物中に存在し得る。この反応混合物はまた、さらに、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、RNase H)を含み得る。本発明の反応混合物はまた、さらに、本明細書中に記載されるようなプロプロモーター配列を含むポリヌクレオチドを含み得る。反応混合物の別の例は、(a)置換されたプライマー伸長産物(そしてそれ自体で、その5’末端に、複合プライマーの3’DNA部分に相補的な配列を含むが、複合プライマーのRNA部分に相補的な配列を含まない);(b)プロプロモーター配列を含むポリヌクレオチド(例えば、PTO);および(c)RNAポリメラーゼ。他の反応混合物は、本明細書中に記載されており、そして本発明によって包含される。
【0246】
本発明はまた、本明細書中に記載の複合体(これらは、本明細書中の方法においては、中間体である)のいずれかを含有する組成物を含む。このような複合体の例は、図1〜8に概略的に示されている。一例として、本発明の1つの複合体は、以下を含む複合体である:(a)標的RNA鎖;および(b)複合プライマー(この複合プライマーは、3’DNA部分およびRNA部分を含む)。この複合プライマーは、5’側でありかつ3”DNA部分に隣接する、RNA部分を有し得る。別の例として、本発明の複合体は、以下を含む複合体である:(a)複合プライマー伸長産物;および(b)標的RNA鎖。なお別の例において、本発明の複合体は、以下を含む複合体である:(a)第1のプライマー伸長産物であって、ここで、この第1のプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである、第1のプライマー伸長産物;および(b)第2のプライマー。さらに別の例において、本発明の複合体は、以下を含む複合体である:(a)第1のプライマー伸長産物であって、ここで、この第1のプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである、第1のプライマー伸長産物;ならびに(b)第2のプライマー伸長産物。なお別の例において、本発明の複合体は、以下を含む複合体である:(a)ディスプレイされたプライマー伸長産物であって、ここで、このプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである、ディスプレイされたプライマー伸長産物;ならびに(b)プロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO)。
【0247】
なお別の例において、本発明の複合体は、RNA/DNA部分を一端にさらに含む二本鎖cDNA複合体であり、これは、本明細書中に記載される方法のいずれかによって調製される。いくつかの実施形態において、二本鎖cDNA複合体は、さらに、第2のRNA/DNA部分を、第2の末端に含む。なお別の例において、本発明の複合体は、本明細書中に記載の方法のいずれかによって調製された3’一本鎖DNA部分を含む、3’一本鎖DNA部分を含む第1および第2のプライマー伸長産物である。いくつかの実施形態において、この組成物はさらに、第2の3’一本鎖領域を含む。別の例において、本発明の複合体は、(a)3’一本鎖DNA部分を含む、第1および第2のプライマー伸長産物の複合体、ならびに(b)第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズした複合プライマーである。別の例において、本発明の複合体は、第一鎖cDNAおよび第二鎖cDNA(これは、プライマーの第一鎖cDNAに沿った伸長によって生成する)の複合体である。いくつかの実施形態において、プライマーは、第一鎖cDNAにハイブリダイズしたテンプレートRNAのフラグメントを含む。いくつかの実施形態において、このプライマーは、DNAである。
【0248】
(本発明の増幅方法および組成物を使用する方法)
本発明の方法および組成物を、種々の目的で使用し得る。例示の目的で、配列決定、遺伝子型決定(核酸変異検出)、目的の配列の存在または非存在の決定、固定された核酸の調製(これは、マイクロアレイ上に固定された核酸であり得る)、および本発明の方法によって生成した増幅核酸産物を使用して、核酸を特徴付ける方法が記載される。発現プロファイリングの方法、差引きハイブリダイゼーションの方法および差引きハイブリダイゼーションのためのプローブの調製、ならびにライブラリー(これは、cDNAライブラリーおよび/または示差的ハイブリダイゼーションライブラリーであり得る)を調製する方法もまた、記載される。
【0249】
(本発明の方法を使用する、RNA標的の配列決定)
本発明の増幅方法は、例えば、目的のRNA配列の配列決定のために有用である。この配列決定プロセスは、本明細書中に記載される方法のいずれかによって、目的の配列を含む標的RNAを増幅することによって、実施される。プライマー伸長の間のヌクレオチドの付加は、当該分野において公知の方法(例えば、ターミネーターヌクレオチドの組み込みまたは合成による配列決定(例えば、熱配列決定(pyrosequencing)))を使用して分析される。
【0250】
最終生成物がディスプレイされたDNAプライマー伸長産物の形態である実施形態においては、天然のデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)のような、増幅方法において使用されるヌクレオチドに加えて、プライマー伸長産物への取り込みの際にプライマー伸長の終結をもたらす適切なヌクレオチド三リン酸アナログ(これは、標識されていても標識されていなくてもよい)が、反応混合物に添加され得る。好ましくは、dNTPアナログは、所望の量の第2のプライマー伸長産物またはフラグメント伸長産物が生成するように、増幅反応の開始から十分な量の反応時間が経過した後に添加される。この量の時間は、当業者によって実験的に決定され得る。
【0251】
最終生成物がRNA産物の形態である実施形態においては、配列決定は、RNA転写の早期の(故意の)終結に基づき得る。RNA転写物への組み込みの際に反応混合物中のrNTP重合の終結をもたらす、rNTPアナログ(これは、標識されていても標識されていなくてもよい)を含むことは、短縮型RNA産物の生成を生じ、これは、このアナログの取り込み部位におけるRNAポリメラーゼのブロッキングから生じる。
【0252】
適切なアナログ(dNTPおよびrNTP)としては、他の配列決定方法において通常使用されるものが挙げられ、そして当該分野において周知である。dNTPアナログの例としては、ジデオキシリボヌクレオチドが挙げられる。rNTPアナログ(例えば、RNAポリメラーゼターミネーター)の例としては、3’−dNTPが挙げられる。Sasakiら、Biochemistry(1998)95:3455−3460。これらのアナログは、例えば、蛍光色素または放射性同位体で標識され得る。これらの標識はまた、質量分析に適切な標識であり得る。これの標識はまた、特異的結合対のメンバー(例えば、ビオチン)である低分子であり得、そしてこの特異的結合対の他方のメンバー(例えば、ストレプトアビジン)の結合に続いて、検出可能であり得、この結合対の最後のメンバーが、酵素に結合され、この酵素は、比色定量、蛍光比色法、または化学発光のような方法によって検出され得る、検出可能なシグナルの発生を触媒する。上記例の全ては、当該分野において周知である。これらは、ポリメラーゼによってプライマー伸長産物またはRNA転写物に組み込まれ、そしてテンプレート配列に沿ったさらなる伸長を停止するよう働く。得られた短縮型重合産物は、標識される。蓄積される短縮型産物は、アナログの各々の取り込み部位(これは、テンプレート配列上の相補的ヌクレオチドの種々の配列位置に相当する)に従って長さが変動する。
【0253】
配列情報の説明のための、反応生成物の分析を、当該分野において公知の種々の方法のいずれかを使用して実施し得る。このような方法としては、ゲル電気泳動および適切なスキャナを用いる標識されたバンドの検出、配列決定ゲル電気泳動および放射性同位元素標識されたバンドの燐光による直接的な検出(例えば、Molecular Dynamicsリーダー)、反応に使用される標識に対して特異的な検出器に適合されたキャピラリー電気泳動などが挙げられる。この標識はまた、結合タンパク質と結合体化した酵素と組み合わせた、標識の検出のために使用される結合タンパク質に対するリガンド(例えば、ビオチン標識された鎖ターミネーター、および酵素に結合体化したストレプトアビジン)であり得る。この標識は、検出可能なシグナルを発生させるその酵素の酵素活性によって検出される。当該分野において公知の他の配列決定方法を用いてと同様に、種々のヌクレオチド型(A、C、G、TまたはU)についての配列決定反応が、単一の反応容器内でか、または別個の反応容器内(各々が、種々のヌクレオチド型の1つに相当する)のいずれかで実施される。使用されるべき方法の選択は、当業者に容易に明らかな実用的な考慮(例えば、使用されるヌクレオチド三リン酸アナログおよび/または標識)に依存する。従って、例えば、アナログの各々が示差的に標識される場合には、配列決定反応は、単一の容器内で実施され得る。本発明の方法による配列決定分析の最適な実施のための、試薬および反応条件の選択のための考慮は、以前に記載された他の配列決定方法についての考慮と類似である。試薬および反応条件は、本発明の核酸増幅方法に対して上記されたようなものであるべきである。
【0254】
(本発明の増幅方法を利用する、一本鎖コンホメーション多型に基づく変異検出を含む、変異検出)
本発明の方法によって生成されたDNAまたはRNAの増幅産物はまた、配列の変更以外は標的核酸配列と同一である参照核酸配列と比較した場合の、標的核酸配列における任意の変更の検出のための分析に適切である。配列の変更は、ゲノム配列に存在する配列変更であり得るか、またはゲノムDNA配列には反映されない配列変更(例えば、転写後改変に起因する変更、および/またはスプライス改変体を含むmRNAプロセシング)であり得る。配列変更(互換可能に「変異」と称される)としては、1つ以上のヌクレオチドの欠失、置換、挿入および/または転換が挙げられる。
【0255】
増幅方法のDNA産物およびRNA産物は、一本鎖コンホメーション多型(SSCPまたはrSSCP)に基づく変異検出に適切である。本発明の増幅方法は、一本鎖コンホメーション多型を検出するための適切な手段(例えば、参照核酸と比較した場合の試験核酸における特定の配列特徴の存在および/または任意の差異の存在を説明するための、一本鎖DNAまたはRNA産物の特異的移動度パターンの同定のための電気泳動分離法)に直接組み合わせられ得る。
【0256】
ゲル電気泳動またはキャピラリー電気泳動に基づく方法は、種々の一本鎖コンホメーション異性体の検出および分析のために使用され得る。あるいは、配列依存型二次構造を認識するヌクレアーゼを使用する、一本鎖DNAまたはRNA産物の切断が、配列特異的コンホメーション多型の決定のために有用であり得ることもまた、ありそうである。このようなヌクレアーゼは当該分野において公知である(例えば、Cleavaseアッセイ(Third Wave))。電気泳動の方法は、高スループットの変異または遺伝子型決定の検出方法のための、潜在的により適切な方法である。
【0257】
所定の核酸配列に対する配列特異的な電気泳動パターンの決定は、例えば、試験配列の特異的対立遺伝子の検出のために有用である。さらに、種々の対立遺伝子に対する電気泳動移動度パターンは、十分に区別され得、これによって、異種接合の遺伝子型、または多重対立遺伝子のために必要とされるような、単一の個体由来の核酸サンプルにおける2つの対立遺伝子の検出を可能にすることが予測される。試験核酸配列における任意の変更(例えば、塩基の置換、挿入または欠失)は、この方法を使用して検出され得る。この方法は、特異的な一塩基多型(SNP)の検出および新たなSNPの発見のために有用であると予測される。従って、本発明はまた、一塩基多型を含むポリヌクレオチドを検出するための方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)本明細書中に記載される方法のいずれかを使用して、標的ポリヌクレオチドを増幅する工程;および(b)一本鎖コンホメーションに対して増幅産物を分析する工程であって、ここで、参照一本鎖ポリヌクレオチドと比較した場合のコンホメーションの差異が、標的ポリヌクレオチドにおける一塩基多型の指標であり、これによって、一塩基多型を含むポリヌクレオチドが検出される、工程。
【0258】
参照核酸配列と比較した場合の、標的核酸配列における任意の変更の検出のための分析の、当該分野において認容された他の方法は、本発明の増幅方法の一本鎖核酸産物を用いる使用に適切である。このような方法は、当該分野において周知であり、そして規定された特異的配列の検出のための種々の方法(対立遺伝子特異的プライマー伸長、対立遺伝子特異的プローブ連結、示差的プローブハイブリダイゼーション、および限定されたプライマー伸長に基づく方法が挙げられる)が挙げられる。例えば、Kurnら、米国特許第6,251,639号B1;米国特許第5,888,819号;同第6,004,744号;同第5,882,867号;同第5,854,033号;同第5,710,028号;同第6,027,889号;同第6,004,745号;同第5,763,178号;同第5,011,769号;同第5,185,243号;同第4,876,187号;同第5,882,867号;同第5,731,146号;WO US88/02746;WO99/55912;WO92/15712;WO00/09745;WO97/32040;WO00/56925;および5,660,988を参照のこと。従って、本発明はまた、一塩基多型を含む目的のRNA配列における変異を検出するための方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)本明細書中に記載される方法のいずれかを使用して、標的RNAを増幅する工程;および(b)参照一本鎖ポリヌクレオチドと比較した場合の、変更(変異)の存在について、この増幅産物を分析する工程。
【0259】
(目的の配列の存在または非存在を決定する方法)
本発明の等温増幅方法において使用するための、第2の複合プライマーの独自の特性は、標的核酸配列における規定された変異(変異の位置が規定されているという意味で規定されている)、または多型部位(例えば、SNP)の検出のための等温方法に対する基礎を提供する。この方法は、遺伝子型決定、薬物耐性を導く変異の検出などのために有用である。
【0260】
複合プライマーのRNA部分は、配列変更の存在が疑われる試験標的RNAの配列にハイブリダイズ可能であるように設計される。換言すれば、このプライマーは、参照RNA配列(例えば、野生型配列)(この配列に対して、試験標的RNAにおける配列が比較される)にハイブリダイズ可能な配列を含むRNA部分を含む。いくつかの実施形態において、変更された配列(すなわち、配列変更を含む配列)および参照配列は、対立遺伝子である。配列変更は、単一のヌクレオチドの置換、欠失または挿入であり得る。
【0261】
別の実施形態において、複合プライマーのRNA部分は、試験標的RNAに存在すると疑われる変更された配列にハイブリダイズ可能であるように、設計される。換言すれば、このプライマーは、試験標的RNAにハイブリダイズ可能な配列を含むRNA部分を含み、従って、参照配列(例えば、野生型配列)(この配列に対して、試験標的RNAにおける配列が比較される)にはハイブリダイズ可能ではない。いくつかの実施形態において、変更された配列(すなわち、配列変更を含む配列)および参照配列は、対立遺伝子である。
【0262】
複合プライマーのRNA部分(一般に、5’RNA部分)は、既知の正常野生型配列、または既知の変異体もしくは多型遺伝子型にハイブリダイズ可能な配列を含む。一般に、適切な複合プライマーは、標的核酸配列が、ミスマッチが存在する場合(すなわち、プライマーが変異配列を有し、そして標的が有さないか、またはその逆)と比較してプライマーのRNA部分にハイブリダイズ可能な配列を含む場合には、プライマーが標的核酸に優先的にハイブリダイズすることを可能にするRNA部分を含み、ここで、この標的核酸は、結合したプライマー伸長産物を有し、そしてその5’−RNA部分が切断されている。配列変更の存在は、一般に、増幅方法の開始工程を防止せず、その結果、第1および第2のプライマー伸長産物の二本鎖複合体は、RNA/DNAヘテロ二本鎖を含む。次いで、RNase Hのようなリボヌクレアーゼが、RNA/DNAヘテロ二本鎖のRNA部分を切断する。ミスマッチ塩基対の存在は、RNA/DNAハイブリッドの切断のパターンに影響を与えるようであるが、この切断は、それでもなお起こるようである。5’RNA部分のハイブリダイゼーションによる、複合体への別の複合プライマーの結合である、次の工程は、ミスマッチによって阻害され、好ましくは防止される。この効果は、ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの大きさ、および反応条件のストリンジェンシーのような要因に依存する。これらの要因は、当該分野において周知であり慣用的である技術によって、複合プライマーの設計において考慮される。ミスマッチが複合プライマーのRNA部分の切断を阻害し、これによって第2のプライマー伸長産物の増幅を防止することもまた可能である。別の可能性は、ミスマッチがプライマーのRNA部分の切断の効率を低下させ、これによって、増幅のより低い効率またはより少ない増幅産物の産生を生じることである。複合プライマーがこの増幅工程において標的にハイブリダイズすることができないことによって、プライマー伸長鎖の置換、および増幅産物の複数のコピーの産生のさらなる工程が、防止される。本発明の方法による変異の検出は、一本鎖増幅産物の非存在または存在、あるいは蓄積されたプライマー伸長産物の量の定量的比較に基づき得ることが、理解される。例えば、複合プライマーが参照配列(例えば、野生型)を含む場合には、標的鎖における変異の存在は、検出可能な増幅産物を導かないかもしれない;あるいはこれは、検出可能な産物を導くかもしれないが、変異なしのテンプレート鎖から産生されるものより少ない。
【0263】
複合プライマーが、変異遺伝子型に完全にハイブリダイズ可能であるRNA部分(一般に5’RNA部分)を含む場合、正常な遺伝子型である配列の増幅は妨げられるが、変異遺伝子型標的が増幅される。従って、この場合、増幅産物の複数のコピーの検出および/または定量的決定は、変異遺伝子型の標的配列の存在の指標である。例えば、目的の核酸サンプル、または野生型配列を有する標的核酸の参照サンプルのいずれかを含む平行な反応を、実行し得る。後者の反応に比べた前者におけるより多くのプライマー伸長産物の蓄積は、目的のサンプルにおける変異遺伝子型の存在の指標である。あるいは、複合プライマーが、試験標的の正常遺伝子型配列に完全にハイブリダイズ可能である5’RNA配列を含む場合、変異遺伝子型の標的配列の増幅は妨げられ、そして、増幅産物の検出および/または定量的決定は、正常な遺伝子型の指標である。
【0264】
本発明の任意の増幅方法は、上記のような変異の検出に適切である。
【0265】
従って、本発明は、目的の配列の存在または非存在を決定する方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(i)目的の配列を含む標的RNAを増幅する工程であって、この増幅は、本明細書に記載の任意の方法によって調製された第1のおよび第2のプライマー伸長産物の切断された複合体にハイブリダイズした複合プライマーを伸長する工程を包含し、ここでこの複合プライマーのRNA部分の配列は既知である、工程、ならびに(ii)もしあるなら工程(i)由来の増幅産物を、参照テンプレート由来の増幅産物の量と比較する工程であって、ここで(1)複合プライマーのRNA部分にハイブリダイズ可能である領域を含む参照テンプレート由来の増幅産物の量と比べた場合、このテンプレート由来の検出可能に少ない増幅産物の生成は、この第2のプライマー伸長産物がこの複合プライマーのRNA部分にハイブリダイズ可能である配列を含まず、そしてこの複合プライマーのRNA部分にハイブリダイズ可能である配列に対して配列改変体であることを示すか、または(2)複合プライマーのRNA部分にハイブリダイズ可能である領域を含まない参照テンプレート由来の増幅産物の量と比べた場合、このテンプレート由来の検出可能に多い増幅産物の生成は、この第2のプライマー伸長産物がこの複合プライマーのRNA部分にハイブリダイズ可能である配列を含み、そしてこの複合プライマーのRNA部分にハイブリダイズ可能である配列に対して配列改変体でないことを示す、工程。
【0266】
(核酸のマイクロアレイを含む、基材に固定された核酸を調製する方法)
本発明のいくつかの増幅方法の一本鎖産物は、表面に対する固定に適切である。一本鎖産物は、一本鎖増幅産物を含むマイクロアレイを調製するために特に適切である。
【0267】
一本鎖増幅産物は、固体または半固体の支持体または表面に結合され得る。こでは、例えば、ガラス、プラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロン)、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、または他の材料から作製され得る。
【0268】
固体基材(例えば、ガラススライド)に対して核酸を結合するためのいくつかの技術が当該分野で周知である。1つの方法は、増幅された核酸中に、固体基材へ結合し得る部分(例えば、アミン基、アミン基の誘導体、または正の電荷を有する別の基)を含む改変塩基またはアナログを組み込むことである。次いで、増幅された産物は、固体基材(例えば、ガラススライド)と接触される。この基材は、増幅された産物上にあり、そしてガラススライドに対する共有結合になる反応性基と共有結合を形成するアルデヒドまたは別の反応性基で被覆(コート)されている。増幅された産物を含むマイクロアレイは、Biodot(BioDot,Inc.Irvine,CA)スポッティング装置およびアルデヒド被覆ガラススライド(CEL Associates,Houston,TX)を用いて製造され得る。増幅産物は、アルデヒドで被覆(コート)されたスライド上にスポットされ得、そして公開された手順(Schenaら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1995)93:10614〜10619)に従って処理され得る。アレイはまた、ガラス、ナイロン(Ramsay,G.,Nature Biotechnol.(1998)、16:40〜44)、ポリプロピレン(Matsonら、Anal Biochem.(1995),224(1):110〜6)、およびシリコーンスライド(Marshall,AおよびHodgson,J.,Nature Biotechnol.(1998)、16:27〜31)上にロボットでプリントされ得る。アレイアセンブリに対する他のアプローチとしては、電場内の微細なマイクロピペッティング(MarshallおよびHodgson、前出)、および正に被覆されたプレートに対する直接的なポリヌクレオチドのスポッティングが挙げられる。アミノプロピルシリコン表面化学を用いた方法のような方法も、http://www.cmt.corning.com、およびhttp://cmgm.stanford.edu/pbrown/に開示のように、当該分野で公知である。
【0269】
マイクロアレイを作製するための1つの方法は、高密度ポリヌクレオチドアレイを作製することによる。ポリヌクレオチドの迅速な蒸着のための技術が公知である(Blanchardら、Biosensors & Bioelectronics,11:687〜690)。例えば、マスキング(MaskosおよびSouthern,Nuc.Acids.Res.(1992)、20:1679〜1684)によって、マイクロアレイを作製するための他の方法がまた、用いられ得る。原則として、そして上記するように、任意のタイプのアレイ(例えば、ナイロンハイブリダイゼーションメンブレン上のドットブロット)が用いられ得る。しかし、当業者に認識されるように、ハイブリダイゼーション容積がより小さいので、非常に小さいアレイが頻繁に好ましい。
【0270】
増幅されたポリヌクレオチドは、紙、ガラス、プラスチック、ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、シリコン、光ファイバー、または任意の他の適切な固体もしくは半固体(例えば、薄層のポリアクリルアミドゲル(Khrapkoら、DNA Sequence(1991)1:375〜388))表面を含む基材上にマトリックスとしてスポッティングされ得る。
【0271】
アレイは、平坦な基材上に2次元マトリックスとして組み立てられ得るか、またはピン、ロッド、ファイバー、テープ、スレッド、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、キャピラリー、シリンダー(円柱)、および標的分子のハイブリダイゼーションおよび検出に適切な任意の他の構成を含む3次元構造を有し得る。1実施形態において、増幅産物が結合される基材は、磁気ビーズまたは粒子である。別の実施形態において、固体基材は、光ファイバーを含む。なお別の実施形態において、増幅産物は、キャピラリー内の液体相中に分散し、次にここで固相に対して固定される。
【0272】
(核酸の特徴づけ)
本発明の方法によって得られた増幅産物は、さらなる特徴付けをしやすい。この方法のいくつかの産物の一本鎖の性質によって特徴づけが容易になる。一本鎖産物を生成する本発明の方法は、特に定量的分析に適している。なぜなら、十分な一本鎖DNAおよびRNAの産物が生成され、これは出発物質における種々のmRNAの提示を通常正確に反映しているからである。
【0273】
増幅されたポリヌクレオチド産物は、DNAであってもRNAであっても(すなわち、本明細書に記載の任意の増幅方法の産物)、例えば、当該分野で公知のプローブハイブリダイゼーション技術(例えば、サザンブロットおよびノーザンブロット、ならびにプローブアレイへのハイブリダイズ)を用いて分析され得る。それらはまた、当該分野で公知の、示差的ディスプレイおよびサイズ特徴づけのような電気泳動に基づく方法によって分析され得る。さらに、一本鎖DNAおよびRNA産物は、当該分野で公知の他の分析方法および/または定量方法(例えば、リアルタイムPCR、定量的TaqMan、分子ビーコンを用いる定量的PCR、Kurn、米国特許第6,251,639号に記載の方法、など)のための他の出発材料のための出発材料として作用し得る。従って、本発明は、本明細書に記載の方法の任意の産物に適用されるようなさらなる分析方法、および/または定量方法を包含する。
【0274】
1実施形態において、本発明の増幅方法を使用して、複数のコピーの一本鎖産物を生成するために、そしてプローブとの接触により一本鎖産物を分析する。
【0275】
1実施形態において、本発明の増幅方法を利用して、標識されている(切断されていない部分において)複合プライマーを用いることにより標識されている複数のコピーの一本鎖ポリヌクレオチド(一般に、DNA)産物を生成する。別の実施形態において、本発明の増幅方法を利用して、DNAまたはRNA重合化の間に、標識されたヌクレオチドの組み込みにより、標識されている複数のコピーの一本鎖ポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)産物を生成する。例えば、本発明の方法による増幅は、適切な標識dNTPまたはrNTPで実行され得る。これらの標識されたヌクレオチドは、標識に直接結合され得るか、または標識に対して結合され得る部分を含み得る。この標識は、増幅産物に対して共有結合的にまたは非共有結合的に結合し得る。適切な標識が当該分野で公知であり、そして例えば、結合対の検出可能な第2のメンバーを用いて検出/定量され得る特定の結合対のメンバーであるリガンドを含む。従って、例えば、Cy3−dUTP、またはCy5−dUTPの存在下での、本発明の方法による総mRNAの増幅によりこの増幅産物へのこれらのヌクレオチドの組み込みが生じる。
【0276】
標識された増幅産物は、それを例えば、マイクロアレイ(ガラス、チップ、プラスチックを含む任意の適切な表面の)、ビーズ、または粒子(cDNAおよび/またはオリゴヌクレオチドプローブのような適切なプローブを含む)と接触させることにより、分析(例えば、検出および/または定量)するのに特に適切である。従って、本発明は、本発明の増幅方法を用いて、標識されたポリヌクレオチド(一般に、DNAまたはRNA)産物を生成すること、および標識された産物を分析することにより、目的のRNA配列を特徴付ける(例えば、検出および/または定量)する方法を提供する。標識された産物の分析は、例えば、以下に対する、標識された増幅産物のハイブリダイゼーションによって実施され得る:例えば、上記された、固体または半固体基材上の特定の位置に(例えば)固定されたプローブ、所定の粒子上に固定されたプローブ、またはブロット(例えば、膜)、例えばアレイ上に固定されたプローブ。標識された産物を、分析する他の方法は、当該分野で公知であり、このような方法としては、例えば、プローブを含む溶液と接触させること、続いて溶液から、標識された増幅産物およびプローブを含む複合体の抽出などが挙げられる。プローブの同一性によって、増幅された産物の配列同一性の特徴づけが提供され、これによってサンプル中に存在する標的RNAの同一性の推定が提供される。標識された産物のハイブリダイゼーションは、検出可能であり、そして検出される特定の標識の量は、目的の特定のRNA配列の標識された増幅産物の量に比例する。この測定は、例えば、本明細書に記載のように、サンプル中の種々のRNA種の相対的な量(遺伝子発現の相対的レベルに関連する)を測定するために有用である。アレイ上の所定の位置でハイブリダイズした、標識された産物の量(例えば、標識に会合した検出可能シグナルにより示される)は、サンプル中の対応する標的RNA種の検出および/または定量の指標であり得る。
【0277】
別の局面において、本発明は、一本鎖ポリヌクレオチド(一般に、DNAまたはRNA)を定量する方法を提供する。この方法は、所定の配列(例えば、マイクロアレイ上に固定され得る)のオリゴヌクレオチド(プローブ)の使用を包含する。本発明のこの局面において、5’末端および/または3’末端で所定の配列(本明細書に記載のように、テーリングした第1のプライマーまたは第2のプライマーを用いて導入された)を含む、標識した一本鎖ポリヌクレオチド(一般に、DNAまたはRNA)産物は、所定のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズ可能であり、ここでこのオリゴヌクレオチドは、5’末端および/または3’末端に導入されたこの所定の配列の相補体を含む。いくつかの実施形態において、特定のmRNA種は、アレイ上に固定された配列にハイブリダイズ可能な所定の配列でテーリングされた複合プライマーおよび/または第2のプライマー(この所定の配列が複合プライマーに導入されているか第2のプライマーに導入されているかに依存して)を用いて増幅される。例えば、1実施形態において、第1の複合プライマーは、特定のRNA種の配列にハイブリダイズ可能な3’部分、および特定のRNAテンプレートにハイブリダイズできないが所定のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズ可能な5’部位を含む。別の実施形態において、第2のプライマーは、第1のプライマー伸長産物の配列にハイブリダイズ可能な3’部分、および第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズできないが所定のオリゴヌクレオチドの配列を含む5’部分を含む。オリゴヌクレオチドにハイブリダイズ可能である、一本鎖の標識されたDNAまたはRNA産物の複数のコピーが生成される。単一のRNA種が上記で考察されているが、複数の種(各々が異なる所定のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズ可能なテールを含む複合プライマーまたは第2のプライマーを有する)が、同時に増幅され得ることが理解される。
【0278】
(遺伝子発現プロフィールの決定)
本発明の増幅方法は、サンプル中の1つ以上の遺伝子の発現のレベルを決定するのにおける使用に特に適切である。なぜなら、本明細書に記載の方法は、同じサンプル中で、1つ以上の、好ましくは複数の標的RNAを増幅し得るからである。上記のように、増幅産物は、本明細書に記載の、および/または当該分野で公知の種々の方法によって検出および定量され得る。RNAは、遺伝子発現の産物であるので、サンプル中の種々のRNA種(例えば、mRNA)のレベルは、種々の遺伝子の相対的発現レベル(遺伝子発現プロフィール)の指標である。従って、サンプル中に存在する目的のRNA配列の量の決定(配列の増幅産物を定量することにより決定される)によって、サンプル供給源の遺伝子発現プロフィールの決定が得られる。
【0279】
従って、本発明は、サンプル中の遺伝子発現プロフィールを決定する方法を提供する。この方法は、以下:本明細書に記載の任意の方法を用いて、サンプル中の目的の少なくとも1つのRNA配列から一本鎖産物を増幅する工程;および目的の各RNA配列の増幅産物の量を決定する工程を包含し、ここでこの各々の量は、サンプル中の目的の各々のRNA配列の量の指標であり、それによってサンプル中の発現プロフィールが決定される。一般に、標識された産物を生成する。1実施形態において、標的RNAはmRNAである。別の実施形態において、複合プライマーは、ポリdT配列を含む(その結果サンプル中のmRNAが増幅される)。増幅産物の量が、定量的方法および/または定性的方法を用いて決定され得ることが理解される。増幅産物の量を決定する方法は、増幅産物が存在するか存在しないかを決定する工程を包含する。従って、発現プロフィールは、目的の1つ以上のRNA配列の存在または非存在に関する情報を含み得る。産物の「非存在(absent)」または「欠如(absence)」、および「産物の検出がない(lack of detection of product)」は、本明細書において用いる場合、有意でない(insignificant)レベル、または最小(de minimus)レベルを含む。
【0280】
発現プロフィール作製(profiling)の方法は、広範な種々の分子診断において有用であり、そして本質的に任意の哺乳動物細胞(単一細胞を含む)または細胞集団における遺伝子発現の研究において特に有用である。細胞または細胞集団(例えば、組織)は、例えば、血液、脳、脾臓、骨、心臓、脈管、肺、腎臓、下垂体、内分泌腺、胚性細胞、腫瘍などに由来し得る。発現プロフィール作成はまた、異なる時点(発生、処置などの前、後、および/または間を含む)で収集された試験サンプルを含む試験サンプルに対して、コントロール(正常)サンプルを比較するために有用である。
【0281】
(ライブラリーを調製する方法)
本発明の方法の一本鎖のDNA産物およびRNA産物は、ライブラリー(cDNAライブラリーおよびサブトラクティブハイブリダイゼーションライブラリーを含む)を調製するのに有用である。本発明の方法を用いて、限られた量の出発材料(例えば、限定された量の組織、または単一の細胞であっても、それから抽出したmRNA)からライブラリーを調製し得る。従って、1つの局面において、本発明の方法は、本発明の一本鎖のDNA産物またはRNA産物からライブラリーを調製する方法を提供する。別の局面において、本発明は、2つの複合プライマーを含む、本発明の方法によって生成された二本鎖cDNAからライブラリーを調製する方法を提供する。二本鎖cDNAからライブラリーを調製するための方法は、当該分野で周知である。なお別の局面において、本発明はライブラリーを作製するための方法を提供する。この方法は、以下:本明細書に記載の任意の方法を用いてサブトラクティブハイブリダイゼーションプローブを調製する工程、を包含する。
【0282】
いくつかの実施形態において、第1の複合プライマーは、本質的に全てのmRNAで見出されるポリA配列にハイブリダイズ可能である。他の実施形態において、この第1の複合プライマーは、ランダムプライマーである。
【0283】
(サブトラクティブハイブリダイゼーションの方法)
本発明の増幅方法は、サブトラクティブハイブリダイゼーション方法における使用に特に適切である。この方法では、(少なくとも)第1および第2の標的RNA集団が比較される。なぜなら、本明細書に記載の方法は、同じサンプル中で複数の標的RNAを増幅し得るからである。そして本発明の方法は、サブトラクティブハイブリダイゼーションにおける「ドライバー(driver)(駆動物)」としての使用に適切な大量の一本鎖アンチセンス核酸を生成するために適切である。例えば、2つの核酸集団(1つはセンス、そしてもう1つはアンチセンス)が、モル過剰で存在する1つの集団(「ドライバー」)と一緒に混合することが可能にされ得る。両方の集団において存在する配列は、ハイブリッドを形成するが、1つの集団にしか存在しない配列は、一本鎖のままである。その後、種々の周知の技術を用いて、示差的に発現された配列を示すハイブリダイズしていない分子を分離する。例えば、Hamsonら、米国特許第5,589,339号;Van Gelder、米国特許第6,291,170号を参照のこと。
【0284】
従って、本発明は、サブトラクティブハイブリダイゼーションを実施するための方法を提供する。この方法は、以下:(a)本明細書に記載の任意の増幅方法を用いて第1のRNA集団から目的の少なくとも1つのRNA配列の相補体の複数のDNAコピーを調製する工程;および(b)第2のmRNA集団に対してこの複数のコピーをハイブリダイズする工程を包含し、これによってこの第2のmRNA集団の部分集団がヌクレオチドDNAコピーとの複合体を形成する。本発明はまた、サブトラクティブハイブリダイゼーションを実施するための方法を提供し、この方法は、以下:第2のmRNA集団に対して、本明細書に記載の任意の増幅方法を用いて第1のRNA集団から目的の少なくとも1つのRNA配列の相補体の複数のコピーをハイブリダイズする工程を包含し、これによってこの第2のmRNA集団の部分集団は、コピーとの複合体を形成する。いくつかの実施形態において、本発明の方法の「ドライバー」一本鎖アンチセンスDNA産物は、テスター(センス)mRNA種と合わせられる。いくつかの実施形態において、「ドライバー」一本鎖アンチセンス核酸(一般に、DNA)産物は、本明細書に記載の本発明の方法、およびポリA配列にハイブリダイズ可能な第1の複合プライマー(本質的に全てのmRNA種を増幅する)を用いて生成される。他の実施形態において、第1の複合プライマーは、ランダムプライマーである。
【0285】
別の局面において、本発明は、異なる増幅の方法を提供する。この方法では、テスターmRNA配列にハイブリダイズする一本鎖ドライバー(アンチセンス)DNA配列を、DNA/RNAハイブリッドに存在するRNAを切断する因子(RNase H)による切断に供する。mRNAの切断によって、試験mRNA鎖から一本鎖DNA産物を生成することが不能になる。逆に、非切断テスター(すなわち、ドライバーDNA分子にハイブリダイズしなかったテスターmRNA)は、引き続く増幅のための基質として働き得る。増幅された示差的に発現された産物は、示差的発現ライブラリーを生成するための、多くの用途(示差的発現プローブとしてを含む)を有する。従って、本発明は、目的の1つ以上のRNA配列の示差的増幅のための方法を提供する。この方法は以下:(a)本明細書に記載の任意の増幅方法を用いて第1のRNA集団から目的の少なくとも1つのRNA配列の相補体の複数のポリヌクレオチド(一般に、DNA)のコピーを調製する工程;(b)第2のmRNA集団に対してこの複数のコピーをハイブリダイズして、これによって第2のmRNA集団の部分集団がDNAコピーと複合体を形成する工程;(c)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて工程(b)の複合体においてRNAを切断する工程;および(d)第2のmRNA集団のハイブリダイズしていない部分集団を増幅して、これによってこの第2のmRNA集団のハイブリダイズしていない部分集団に相補的な一本鎖DNAの複数のコピーが生成される工程、を包含する。いくつかの実施形態において、工程(d)は、本明細書に記載の任意の増幅方法を用いて実施される。いくつかの実施形態において、この方法は、以下:本明細書に記載の任意の増幅方法を用いて第1のRNA集団から目的の少なくとも1つのRNA配列の相補体の複数のポリヌクレオチド(一般に、DNA)のコピーを、第2のmRNA集団にハイブリダイズして、これによってこの第2のmRNA集団の部分集団がDNAコピーとの複合体を形成する工程;(b)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて工程(a)の複合体におけるRNAを切断する工程;および(c)この第2のmRNA集団のハイブリダイズしていない部分集団を増幅して、これによってこの第2のmRNA集団のハイブリダイズしていない部分集団に対して相補的な一本鎖DNAの複数のコピーが生成される工程、を包含する。
【0286】
以下の実施例は、例示のために提供するものであり、本発明を限定するものではない。
【0287】
(実施例)
(実施例1:総ポリA mRNAの増幅)
MOLT−4細胞株(CLONTECH 6587−1)由来のポリA mRNAを、増幅のための標的として用いた。増幅のプロセスは以下の3つの工程であった:1)第一cDNA鎖の合成;2)サンプルの総mRNAから二本鎖cDNAを生成するための第二cDNA鎖の合成;および3)総mRNAの増幅。この二本鎖cDNA産物は、一端でRNA/DNA異種二重鎖を含み、これはRNase Hの基質である。この異種二重鎖部の2つの鎖の配列は、標的とは無関係であり、そして複合(第1)プライマーの利用によって組み込まれる。
【0288】
(プライマー配列:)
MTA1:GACGGAUGCGGUCUTTTTTTT
(ここでGACGGAUGCGGUCUはイタリック表記である)
MTA2:GACGGAUGCGGUCUTTTTTTTN
(ここでGACGGAUGCGGUCUはイタリック表記である)
MTA3:GACGGAUGCGGUCUTTTTTTTNN
(ここでGACGGAUGCGGUCUはイタリック表記である)
ここでイタリック表記のヌクレオチドは、リボヌクレオチドを示し、そして「N」は、縮重ヌクレオチドを示す(すなわち、これは、A、T、C、またはGであり得る)。
【0289】
(工程1:ポリA mRNAからの第一鎖cDNAの合成)
0.1μgの総ポリA mRNAを、総容積10μl中で、以下の試薬と混合した:
0.2μl プライマーMTA3(100μM)
0.5μl dNTPs(25mM)
0.1μl Rnasin
0.1μl DTT
2μl 5×AMV逆転写酵素反応緩衝液
DEPC処理水(を用いて総容積を10μlに)。
【0290】
この反応混合物を、75℃で2分間インキュベートし、次いで37℃に冷却した。1μlのAMV逆転写酵素(USB 70041Y,15U/μl)を各反応物に添加して、その反応混合物をさらにこの温度で60分間インキュベートした。
【0291】
(工程2:第二鎖cDNA合成)
第一鎖cDNA反応混合物を、以下を含有する10μlの第二鎖 cDNA合成混合物と混合した。
【0292】
1μl 10×Klenow反応緩衝液
0.1μl dNTPs(25mM)
0.5μl Klenow(USB 2141Y 5U/μl)DNAポリメラーゼ
8.4μl 水。
【0293】
この反応混合物を、37℃で30分間インキュベートし、続いて5分間75℃に加熱して、酵素を失活することによって反応を停止した。
【0294】
(工程3:総cDNAの増幅)
2つの複合プライマー(MTA1およびMTA2)を試験した。
【0295】
反応を、以下を含む総量20μlで実行した:
1μl cDNA反応物
0.2μl MTA1プライマーまたはMTA2プライマー(各々100μM)
0.2μl 25mM dNTP
0.1μl Rnasin
0.1μl DTT
17.2μl 水。
【0296】
上記の混合物を、20秒間94℃でインキュベートし、次いで、50℃に冷却した。2U BCA、0.02U Hybridase(RNase H)および0.4μg T4 Gene 32タンパク質(一本鎖DNA結合タンパク質)の混合物を添加し、そしてこの反応混合物を50℃で60分間インキュベートした。
【0297】
5μlの各反応混合物を、5〜20% PAGE(Novex)上での電気泳動によって分析した。好首尾な増幅は、スメアーとして現れる増幅された総RNAの反応産物(これは、複数のmRNA種の増幅に起因すると予想される)によって示された。以下の成分のうちの1つを入れずに実行した反応物中で、産物は観察されなかった:a.投入二本鎖cDNA;b.一本鎖合成のためのプライマー;およびc.第1鎖cDNA合成のための投入mRNA。
【0298】
(実施例2:実施例1の工程2および工程3の反応産物の特徴づけ)
実施例1の増幅反応において、「特有」配列(すなわち、RNAテンプレートにハイブリダイズ可能ではない配列)は、使用する複合プライマーの5’ RNA部分の「特有」配列に起因して、第2鎖cDNAの3’末端で作製されると予想される。この配列(第2鎖cDNAの3’末端)は、複合プライマーの5’−RNA部分に相補的であり、そして標的RNA中の配列に関連しない。得られる第2鎖cDNA中のこの配列の存在を決定するために、反応産物(実施例1の工程2の反応混合物中に見出されるような)のPCR増幅を、順方向プライマーとして第2鎖cDNAの3’末端における予想配列に相補的であるプライマーを使用し、そして逆方向PCRプライマーとしてG3PDH特異的プライマーを使用して実行した。このプライマー対は、「特有」配列を有する二本鎖cDNAから特異的産物を増幅することが予想される。しかし、アンチセンスDNA産物(実施例1の工程3の反応混合物中で見出されるような)の増幅産物から特異的産物を生成することは、予想されない。なぜなら、これらの産物は、「特有」配列(これは、RNase Hによって切断される複合プライマーのRNA部分によって導入される)を含むことが予想されないからである。実施例1の工程3の反応混合物は、主に増幅DNA産物(これは、「特有」配列を含むべきではない)を含むので、この反応混合物のPCR増幅は、工程2の反応混合物のPCR増幅(これは、主に二本鎖cDNA産物を含む)よりも、はるかに非効率的である(従って、実質的により少ない産物を生成する)ことが予想される。
【0299】
PCR反応を以下のように実行した:
各50μlのPCR反応物は、以下を含む:
0.4μM 各プライマー(Biosource International)
100μM 各dNTP(Epicenter)
2mM 塩化マグネシウム(Epicenter)
1〜2単位 ポリメラーゼ(MasterAmp taqまたはMasterAmp Tflのいずれか(共に、Epicenterより))
5μl 酵素と共に提供される10×緩衝液
実施例1の第3工程からの直線増幅反応物の0.5μlまたは実施例1の工程2で作製されたcDNAの1:20希釈物。
【0300】
PCR増幅サイクルは、94℃で30秒、51℃で30秒、そして72℃で30秒であった。一般的に、サンプルは、20回または25回のサイクルであった。サンプルを4℃で維持する前の、72℃での最終的な5分間の伸長が存在した。
【0301】
類似の実験を、MOLT4細胞株によって発現されるT細胞レセプター特異的mRNA(TCR)に特異的なプライマーを用いて実行した。
【0302】
G3PDHプライマーを用いた予想PCR産物サイズ(塩基対)。
【0303】
【表1】
プライマー配列
【0304】
【化1】
。
【0305】
T細胞レセプタープライマーを用いた予想PCR産物サイズ(塩基対)。
【0306】
【表2】
プライマー配列
【0307】
【化2】
。
【0308】
工程2の反応混合物をプライマーDMTA1およびG3PDH5を用いてPCR増幅した場合(G3PDH mRNA配列の増幅)の約250塩基対長の産物の存在、そしてプライマーDMTA1およびTCR5−2を用いた場合の(TCRβ鎖mRNAの配列の増幅)の約400塩基対長の産物の存在によって示されるように、特有配列が第2鎖cDNA中に組み込まれたという結果が示される。一方、同じプライマーを用いる工程3の反応物のPCR増幅は、増幅産物の量が大きく減少されたことを示した。従って、この結果は、(実施例1に使用した複合プライマーのRNA部分の)「特有」配列の二本鎖cDNA産物への組込みが作製されること、および最終増幅DNA産物中にその配列が存在しないこと(RNA部分の切断に起因する)を実証した。
【0309】
(実施例3:総RNA調製物を用いて開始する総mRNAの増幅)
総RNA調製物から総mRNAを増幅する能力は、mRNA精製工程を排除することによってそのプロセスを大きく単純化する。本発明の方法を用いて総RNA調製物から総mRNAを増幅する実験的な実証を、乳癌腫瘍由来の市販の総RNA調製物(CLONTECH;カタログ番号:64015−1)を用いて実行した。総mRNAの増幅プロセスを、以下に記載するように3工程で実行した。
【0310】
プライマー配列:
【0311】
【化3】
ここで、イタリック体のヌクレオチドは、リボヌクレオチドを示し、そして「N」は、ヌクレオチドを示す(すなわち、Nは、A、T、CまたはGであり得る)。
【0312】
(工程1:第1鎖cDNA合成)
各反応混合物は、以下を含んだ:
4μl 5×緩衝液(250mM Tris−HCl、pH8.3;375mM KCl、15mM MgCl2)
MTB2プライマー@1μM
25mM dNTP
0.2μl RNasinリボヌクレアーゼインヒビター(Promega N2511、40u/μl)
1μl 0.1M DTT
1反応当たり、5μg、1μg、0.2μgまたは40ngの総RNA
総容量19μlまでのDEPC処理水。
【0313】
反応混合物を、75℃で2分間インキュベートし、次いで、42℃に冷却した。SuperScript II RNase H−逆転写酵素(200U、BRL 18064−022)を、各反応物に添加し、この反応物を42℃で50分間インキュベートした。
【0314】
(工程2:第2鎖cDNAの合成)
10μlの第1鎖cDNA合成反応混合物を、個々の反応チューブへアリコートに分けた。20μlの第2鎖合成ストック反応混合物を、各チューブに添加した。第2鎖合成ストック反応混合物は、以下を含んだ:
2μl 10×Klenow反応緩衝液(10×緩衝液:500mM Tris−HCl、pH8.0;100mM MgCl2、500mM NaCl)
2U Klenow DNAポリメラーゼ(BRL 18012−021)
0.1μl AMV逆転写酵素(BRL 18020−016、25U/μl)
0.2μl E.coli リボヌクレアーゼH(BRL 18021−014、4U/μl)
0.2μl(25mM)dNTP
0または0.2μl E.coli DNAリガーゼ(BRL 18052−019、10U/μl)。
【0315】
反応混合物を、37℃で30分間インキュベートした。反応を、酵素を不活化するために、5分間、75℃に加熱することによって停止した。
【0316】
(工程3:総cDNAの増幅)
増幅を、上記の第2鎖cDNA反応混合物の1μl、T4遺伝子32タンパク質の存在下でMTA1複合プライマーを用いて、50℃で60分間実行した。
【0317】
各反応混合物は、以下を含んだ:
2μl 10×緩衝液(200mM Tris−HCl、pH8.5、50mM MgCl2、1% NP―40)
0.2μl dNTP(25mM)
0.2μl MTA1(100μM)
1μl 第2鎖cDNA合成混合物
0.1μl Rnasin
0.1μl DTT(0.1M)
総容量18.8μlまでのDEPC処理水。
【0318】
反応混合物を、94℃で20秒間インキュベートし、次いで、50℃に冷却した。2U Bca(Takara、カタログ番号2710A)、0.02U Hybridase Thermostable Rnase H(Epicentre H39100)、および0.4μg T4遺伝子32タンパク質(USB 70029Z)を、添加し、この反応物を、さらにこの温度で60分間インキュベートした。
【0319】
工程3の反応混合物(増幅DNA産物を含むことが予想される)を、ゲル電気泳動(5〜20% PAGE、Novex)によって分析した。好首尾の増幅は、スメアーとして現れる増幅された総mRNAの反応産物(これは、サンプル中の複数のmRNA種の増幅に起因すると予想される)によって示された。
【0320】
「特有」(規定)配列(使用した複合プライマーの5’末端RNA部分に相補的)の第2鎖cDNAへの組込みを、特異的プライマー対を用いたPCR増幅によって実証した。工程2および工程3の反応混合物のアリコートを、プライマーG3PDH5−4/G3PDH3またはBA5/BA3(βアクチン)を用い、実施例2に記載される条件を使用して、PCR増幅に供した。工程2の反応混合物のPCR増幅は、正確なサイズの実質的な量の産物を生じ、一方、工程3の反応混合物の増幅は、実質的により少ない量の同じ産物を生じた。従って、この結果は、(本実施例に使用した複合プライマーのRNA部分の)「特有」配列の2本鎖cDNA産物への組込み、および最終的な増幅DNA産物中のこの配列の不在(RNA部分の切断に起因する)を実証する。
【0321】
(実施例4:総RNA調製物および精製mRNAからの、第2鎖cDNA中の追加された規定配列を含む二本鎖cDNAの調製)
HCT116細胞株から調製した総RNA(1μg)、またはMOLT4細胞株(Clontech)から調製したmRNA(100ng)を、第2鎖cDNA中の追加された規定され配列を含む中間体二本鎖cDNA産物の産生のための標的として、使用した。追加された配列は、合成(第1)プライマーの利用によって組み込む。
【0322】
第1鎖cDNAおよび第2鎖cDNAを調製するプロセスは、本質的に実施例1および3に記載されるように実行し、そして一般的に、以下の工程を包含した:(1)第1cDNA鎖の合成;(2)RNase Hの基質であるRNA/DNAヘテロ二重鎖を一方の末端に含む二本鎖cDNAを産生するための、第2cDNA鎖の合成。二本鎖cDNA中間体産物は、標的RNAからの複数RNAのcDNAコピーを含むことが予想され、各cDNAは、同じ追加された規定配列を有する。追加された規定配列の配列は、標的RNAにハイブリダイズする複合(第1)プライマーの5’RNA部分の配列の相補体であることが予想される。
【0323】
PCR実験を実行して、以下を含む第2鎖cDNAの存在を確認した:(a)両方のRNA標的サンプルのmRNA中で示されることが公知のGAPDH mRNA配列の第2鎖cDNAコピー;および(b)3’末端の規定配列(すなわち、第1複合プライマーの5’RNA部分の相補体)。使用したPCRプライマー対は、以下のようであった:
1)第2cDNA鎖の3’末端の配列の追加に依存する203bpの産物の作製のための、特有配列(DMTA1)に相補的なプライマーおよびGAPDH mRNA(GAPDH5−4)の配列に相補的なプライマー。
【0324】
2)GAPDHに特異的な157bpの産物の生成のために使用し、そして第2cDNA鎖の3’末端の特有配列の追加に依存しない、GAPDH mRNAの配列に相補的な2つのプライマー(GAPDH3およびプライマーGAPDH5−4)。
【0325】
PCRを、上記のように各開始テンプレートからのcDNAの2つの別々の調製を用いて、実施例1および2に記載されるように実行した。PCR反応物を、ゲル電気泳動を用いて分析した。結果を、図9に示す。レーンは、以下のテンプレートおよびプライマー対を含む反応混合物に対応する:
1.マーカー
2.HCT116由来のcDNA GAPDH3/GAPDH5−4
3.HCT116由来のcDNA GAPDH3/GAPDH5−4
4.MOLT4由来のcDNA GAPDH3/GAPDH5−4
5.MOLT4由来のcDNA GAPDH3/GAPDH5−4
6.テンプレートなし GAPDH3/GAPDH5−4
7.HCT116由来のcDNA dMTA1/GAPDH5−4
8.HCT116由来のcDNA dMTA1/GAPDH5−4
9.MOLT4由来のcDNA dMTA1/GAPDH5−4
10.MOLT4由来のcDNA dMTA1/GAPDH5−4
11.テンプレートなし dMTA1/GAPDH5−4。
【0326】
矢印は、予想pcr産物の位置を示す。
【0327】
予想したように、より長い産物が、プライマー対(1)を用いて増幅したHCT116サンプルおよびMOLT4サンプル中で生成され、そしてより短い産物が、プライマー対(2)を用いて増幅したHCT116サンプルおよびMOLT4サンプル中で生成された。テンプレートを欠くコントロールサンプル中で産物は生成されなかった。この実施例は、本明細書中に記載の方法を用いた第2cDNAの3’末端における規定配列の効果的な追加を実証する。
【0328】
(実施例5:総ポリA mRNAの増幅およびリアルタイムPCRを用いる産物の定量)
ヒト結腸腫瘍総RNA由来の総RNA(Clontech カタログ番号64014−1)の200ngを、増幅のための標的として使用した。第1鎖および第2鎖cDNAの調製および引き続く増幅工程を、以下のように改変して、本質的に実施例3に記載されるように実行した:
(1)第2鎖cDNA合成のための反応混合物は、Klenow DNAポリメラーゼ(3’および5’エキソヌクレアーゼ活性を欠く)を含み、かつリガーゼを欠いた。
【0329】
(2)生じるcDNAの増幅を、Bcaポリメラーゼの代わりにBstポリメラーゼ(4単位、NEB)を用いて実行した。
【0330】
定量は、異なるmRNAに対応する異なるプライマー対を用いて、cDNA中間体(第2鎖cDNA)およびアンチセンス増幅産物について決定し、そしてリアルタイムPCRは、以下のプロトコルに従った:
cDNAまたは増幅産物をTE緩衝液中に1:10または1:100希釈した。
【0331】
リアルタイムPCRのための反応混合物を、以下のように総容量20μlに設定した:
各反応について、
10μl 2×ABI SYBR Greenマスターミックス(ABI カタログ番号4309155)
0.6μl 10μM 順方向プライマー
0.6μl 10μM 逆方向プライマー
1μl テンプレート(cDNAまたは上記で特定するような増幅産物のいずれかの希釈物)
7.8μl H2O。
【0332】
以下のプライマーを、上記のように生成されたcDNAまたは増幅産物のいずれかにおける4つの特異的に発現される遺伝子の増幅について使用した。
【0333】
【化4】
PCR反応を、iCycler(BioRad)中で以下の熱サイクルプロトコルを用いて実行した:
DNAポリメラーゼを活性化するために94℃で10分間
94℃で30秒、続いて60℃で30秒を40サイクル。
【0334】
データの分析を製造業者らによって推奨されるように実行した。
【0335】
図10は、cDNA産物を定量する(第2鎖cDNAを増幅することによる)PCR反応のサイクル数、または対応するSPIA増幅産物(蓄積された第2鎖cDNAを増幅することによる)の関数としての、蛍光読み取りの4つのトレースを示す。このパネルは、それぞれ、(上から順に):MTA2プライマー対、RPL27プライマー対、LGALS1プライマー対およびG6PDプライマー対を用いて実行した定量実験の結果を示す。各パネルは、増幅産物調製物を用いた6実験(「SPIA」と標識される)およびcDNA産物調製物を用いた2実験(「cDNA」と標識される)の結果を示す。X軸は、PCRサイクルであり、そしてY軸は、PCRベースラインが減算されたRFUである。
【0336】
本発明の方法を用いた遺伝子産物各々の増幅レベルは、cDNA産物のテンプレートを用いて実行する反応と対応する増幅産物をテンプレートとして用いて実行する反応との間の、規定された閾値を超える蛍光シグナルの生成に必要とされるPCRサイクルの異なる数(「CT」と称する)によって規定される。表1は、各遺伝子産物についての「ΔCT」値の計算を示し(cDNA産物のテンプレートを用いて実行した反応に対応するCT値と対応する増幅産物をテンプレートとして使用して実行した反応との間の比較を反映する)、そしてこれによって、投入総RNAにおける発現レベルに関わらず、サンプル中の4つの遺伝子産物に対応するmRNAが、本発明の方法によって等しく増幅されることが明らかになった。
【0337】
(表1:各遺伝子産物についてのΔCT値の計算)
【0338】
【表3】
上記の本発明は、理解の明確化の目的のための例示および実施例によっていくらか詳細に記載したが、特定の変更および改変が実施され得ることは、当業者に明らかである。従って、説明および実施例は、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1A〜1Bは、標的RNAに相補的な配列を含む一本鎖DNA産物の複数のコピーを産生するために、複合プライマー、第2のプライマーおよび鎖置換を使用する線形等温RNA増幅プロセスの概略図を示す。
【図2】 図2A〜Cは、標的RNAの複数のコピーを産生するために複合プライマー、第2のプライマー、鎖置換および転写を使用する増強した線形等温RNA増幅プロセスの概略図を示す。
【図3】 図3A〜Bは、標的RNAに相補的な配列を含む一本鎖DNA産物の複数のコピーを産生するために単一の複合プライマーおよび鎖置換を使用する線形等温RNA増幅プロセスの概略図を示す。
【図4】 図4A〜Bは、標的RNAの複数のコピーを産生するために単一の複合プライマー、鎖置換および転写を使用する増強した線形等温RNA増幅プロセスの概略図を示す。
【図5】 図5は、標的RNAに相補的な配列を含む一本鎖DNA産物の複数のコピーを産生するためにポリ−dT配列を含む一本鎖複合プライマーおよび鎖置換を使用する線形等温RNA増幅プロセスの概略図を示す。
【図6】 図6は、標的RNAに相補的な配列を含む一本鎖DNA産物の複数のコピーを産生するためにランダム配列を含む単一の複合プライマーおよび鎖置換を使用する線形等温RNA増幅プロセスの概略図を示す。
【図7】 図7は、標的RNAに相補的な配列を含むRNA産物の複数のコピーを産生するために単一の複合プライマーおよび転写を使用する増強した線形等温RNA増幅プロセスの概略図を示す。
【図8】図8A〜Cは、標的RNAに相補的の配列および標的RNAに同一の配列を含一本鎖DNA産物の複数のコピーを産生するために2つの複合プライマーおよび鎖置換を使用する線形等温RNA増幅プロセスの概略図を示す。
【図9】 図9は、線形等温RNA増幅を使用して調製される第2鎖cDNAにおいて付加された規定される配列を含む二本鎖cDNAから増幅されたPCR産物を示すゲルの写真を示す。
【図10】 図10は、線形等温RNA増幅を使用して産生された産物を定量するリアルタイムPCR実験の結果を示すグラフを示す。
Claims (130)
- 目的のRNA配列に相補的なDNA配列の多数のコピーを生成する方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)標的RNAにハイブリダイズした第1のプライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼで伸長し、それにより、第1のプライマー伸長産物と該標的RNAとを含む複合体が生成される、工程であって、該第1のプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を包含する複合プライマーであり、ここで、該第1のプライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該第1のプライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含む、工程;
(b)工程(a)の複合体中のRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で切断する工程であって、ここで、該RNAはDNA/RNA二重鎖を形成している、工程;
(c)該第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズした第2のプライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼおよびRNA依存性DNAポリメラーゼで伸長し、それにより、第2のプライマー伸長産物が生成されて、第1および第2のプライマー伸長産物の複合体を形成する工程であって、ここで、該第2のプライマーが少なくとも10ヌクレオチドを含む、工程;
(d)該第1および第2のプライマー伸長産物の複合体における該第1のプライマーから、RNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で切断する工程であって、その結果、複合増幅プライマーが第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズし、該複合増幅プライマーがRNA部分と3’DNA部分とを包含する、工程であって、該複合増幅プライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該複合増幅プライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該RNAはDNA/RNA二重鎖を形成している、工程;
(e)該複合増幅プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼで伸長する工程、
を包含し、これにより、該第1のプライマー伸長産物が置換され、RNAが該複合増幅プライマーから切断され、そして別の複合増幅プライマーがハイブリダイズし、その結果、プライマー伸長および鎖置換が繰り返され、そしてそれにより該目的のRNA配列に相補的なDNA配列の多数のコピーが生成される、方法。 - 目的のRNA配列の多数のコピーを生成する方法であって、該方法が、以下の工程:
(a)RNA依存性DNAポリメラーゼで標的RNAにハイブリダイズした第1のプライマーを伸長し、それにより、第1のプライマー伸長産物と該標的RNAとを包含する複合体が生成される、工程であって、該第1のプライマーが、RNA部分と3’DNA部分とを包含する複合プライマーであり、ここで、該第1のプライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該第1のプライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含む、工程;
(b)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する物質で工程(a)の複合体中のRNAを切断する工程であって、ここで、該RNAはDNA/RNA二重鎖を形成している、工程;
(c)該第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズした第2のプライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼおよびRNA依存性DNAポリメラーゼで伸長し、それにより、第2のプライマー伸長産物が生成されて、第1および第2のプライマー伸長産物の複合体が形成される、工程であって、ここで、該第2のプライマーが少なくとも10ヌクレオチドを含む、工程;
(d)該第1および第2のプライマー伸長産物の複合体中の該第1のプライマーからRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で切断する工程であって、その結果、複合増幅プライマーが第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズし、ここで、該複合増幅プライマーが、RNA部分と3’DNA部分とを含む、工程であって、該複合増幅プライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該複合増幅プライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該RNAはDNA/RNA二重鎖を形成している、工程;
(e)該第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズした該複合増幅プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼで伸長する工程であって、それにより、該第1のプライマー伸長産物が置換され、RNAが該複合増幅プライマーから切断され、そして別の複合増幅プライマーがハイブリダイズし、その結果、このプライマー伸長および鎖置換が繰り返される、工程;
(f)該置換された第1のプライマー伸長産物を、プロプロモーターと、該置換された第1のプライマー伸長産物にRNAポリメラーゼによる転写が生じる条件下でハイブリダイズし得る領域と、を含むポリヌクレオチドにハイブリダイズさせ、その結果、該置換された第1のプライマー伸長産物に相補的な配列を含むRNA転写物が生成される工程、
を包含し、それにより、該目的のRNA配列の多数のコピーが生成される、
方法。 - 前記プロプロモーターポリヌクレオチドが、前記置換されたプライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を3’末端に含み、それによって、置換されたプライマー伸長産物のDNAポリメラーゼ伸長が、転写が起こる二本鎖プロモーターを生じる、請求項2に記載の方法。
- 前記プロプロモーターポリヌクレオチドが、プロプロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド(PTO)である、請求項2に記載の方法。
- 標識されたrNTPを使用し、それにより、標識された産物が生成される工程をさらに包含する、請求項2に記載の方法。
- 前記第2のプライマーは、前記伸長産物にハイブリダイズする前記標的RNAのフラグメントを含み、該フラグメントが、工程(a)の前記複合体をRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で切断することによって生成され、ここで、該RNAはDNA/RNA二重鎖を形成している、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 前記第2のプライマーは、DNAを包含する、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 前記標的RNAがmRNAであり、そして前記第1のプライマーがポリdT配列を包含し、さらに該第1のプライマーは尾部が付いたプライマーであり、該第1のプライマーは、該標的mRNAにハイブリダイズする条件下で該標的mRNAにハイブリダイズ可能ではない5’部分を包含する、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 複数の異なる第1のプライマーが、前記標的RNAにハイブリダイズさせるために用いられる、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
- 前記第2のプライマーがランダムプライマーである、請求項1〜5または7〜9のいずれかに記載の方法。
- 前記第2のプライマーは、尾部が付いたプライマーであり、該第2のプライマーは、該第2のプライマーが前記第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズする条件下で該第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズ可能ではない5’部分を包含する、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 前記第1のプライマーと、前記複合増幅プライマーとが、同じである、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
- 前記第1のプライマーと、前記複合増幅プライマーとが、異なる、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
- 前記方法が、目的の2つ以上の異なる配列の多数のコピーを生成する工程を包含する、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
- 前記方法が、少なくとも2つの異なる第1のプライマーを包含する、請求項14に記載の方法。
- 各第1のプライマーが、ポリdT部分またはランダムプライマー配列を包含する、請求項15に記載の方法。
- 前記複合プライマーの前記RNA部分が、以下のリボヌクレオチド配列:
5’−GACGGAUGCGGUCU−3’(配列番号25)
を包含する、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。 - 目的のRNA配列に相補的なDNA配列の多数のコピーを生成する方法であって、該方法は、反応混合物をインキュベートする工程を包含し、該反応混合物は、以下:
(a)第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長産物との複合体であって、ここで、該第1のプライマー伸長産物は該第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズされ、そしてこのとき、該第2のプライマー伸長産物が3’一本鎖部分を含み、ここで、該3’一本鎖部分は、第1のプライマーの一部分の相補体を含み、ここで、該第1のプライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを包含する複合プライマーであり、ここで、該第1のプライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該第1のプライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、かつ該第1のプライマーは、尾部が付いたプライマーであり、該第1のプライマーは、前記標的RNAにハイブリダイズ可能ではない5’部分を包含し、ここで、該第1のプライマー伸長産物と該第2のプライマー伸長産物との部分的に二本鎖の複合体は、標的RNAにハイブリダイズした該第1のプライマーをRNA依存性DNAポリメラーゼによって伸長する工程、およびRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素によって該第1のプライマー伸長産物と該第2のプライマー伸長産物との複合体由来の該第1のプライマーからRNAを切断する工程を包含する方法によって生成される、第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長産物との複合体;
(b)3’一本鎖部分にハイブリダイズ可能な複合増幅プライマーであって、該複合増幅プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを包含する、複合増幅プライマーであって、該複合増幅プライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該複合増幅プライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含む、複合増幅プライマー;
(c)DNA依存性DNAポリメラーゼ;ならびに
(d)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素であって、ここで、該RNAはDNA/RNA二重鎖を形成している、酵素;
を含み、ここで、該インキュベーションは、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長、RNA切断、ならびに別の複合増幅プライマーが該3’一本鎖部分にハイブリダイズする場合に該第1のプライマー伸長産物が置換され、その結果、プライマー伸長および鎖置換が繰り返されることを可能にする条件下であり、それによって、該目的のRNA配列に相補的なDNA配列の多数のコピーが生成される、方法。 - 目的のRNA配列の多数のコピーを生成する方法であって、該方法は、反応混合物をインキュベーションする工程を包含し、該反応混合物は、以下;
(a)第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長産物との複合体であって、ここで、該第1のプライマー伸長産物は該第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズされ、そしてこのとき、該第2のプライマー伸長産物は、3’一本鎖部分を含み、ここで、該3’一本鎖部分は、第1のプライマーの一部分の相補体を含み、ここで、該第1のプライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを包含する複合プライマーであり、ここで、該第1のプライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該第1のプライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、ここで、該第1のプライマーは、尾部が付いたプライマーであり、該第1のプライマーは、標的RNAにハイブリダイズ可能ではない5’部分を包含し、そしてここで、部分的に二本鎖のポリヌクレオチドが、標的RNAにハイブリダイズした該第1のプライマーをRNA依存性DNAポリメラーゼによって伸長する工程を包含する方法によって生成される、第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長産物との複合体;
(b)3’一本鎖部分にハイブリダイズ可能な複合増幅プライマーであって、該複合増幅プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを包含する、複合増幅プライマーであって、該複合増幅プライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該複合増幅プライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含む、複合増幅プライマー;
(c)DNA依存性DNAポリメラーゼ;
(d)RNAポリメラーゼ;
(e)プロプロモーターおよび第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;ならびに
(f)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素であって、ここで、該RNAはDNA/RNA二重鎖を形成している、酵素;
を含み、ここで、該インキュベーションは、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長、RNA切断、ならびに別の複合増幅プライマーが該3’一本鎖部分にハイブリダイズする場合に該第1のプライマー伸長産物が置換され、その結果、プライマー伸長および鎖置換が繰り返されること、該プロプロモーターポリヌクレオチドが前記置換された第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズして、該置換されたプライマー伸長産物と該プロプロモーターポリヌクレオチドとを含む第2の複合体を形成すること、ならびに該第2の複合体からのRNA転写を可能にする条件下であり、それによって、該目的のRNA配列の多数のコピーが生成される、方法。 - 前記RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素が、RNase Hである、請求項18または19に記載の方法。
- 前記プロプロモーターポリヌクレオチドが、前記置換されたプライマー伸長産物にハイブリダイズし、それによって置換されたプライマー伸長産物のDNAポリメラーゼ伸長が、転写が起こる二本鎖プロモーターを生じる領域を3’末端に含む、請求項19に記載の方法。
- 前記反応混合物が、標識されたrNTPをさらに含み、それにより、標識された産物が生成される、請求項19または21に記載の方法。
- 前記第2のプライマーは、尾部が付いたプライマーであり、該第2のプライマーは、該第2のプライマーが前記第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズする条件下で該第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズ可能ではない5’部分を包含する、請求項18〜22に記載の方法。
- 目的のRNA配列に相補的なDNA配列の多数のコピーを生成する方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)反応混合物をインキュベートする工程であって、該反応混合物が、以下:
(i)標的RNA;
(ii)標的RNAにハイブリダイズ可能である第1のプライマーであって、ここで、該第1のプライマーが、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーであり、ここで、該第1のプライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該第1のプライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含む、第1のプライマー;
(iii)RNA依存性DNAポリメラーゼ;
を含み、ここで、該インキュベーションが、プライマーハイブリダイゼーション、ならびに第1のプライマー伸長産物および該標的RNAを含む複合体の形成を可能にする条件下である、工程;
(b)反応混合物をインキュベートする工程であって、該反応混合物は、以下:
(i)該第1のプライマー伸長産物;
(ii)DNA依存性DNAポリメラーゼ;および
(iii)RNA依存性DNAポリメラーゼ;
を含み、ここで、該インキュベーションが、該第1のプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物を含む複合体の形成を可能にする条件下である、工程;ならびに
(c)反応混合物をインキュベートする工程であって、該反応混合物は、以下:
(i)該第1のプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物を含む該複合体;
(ii)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断し得る酵素であって、ここで、該RNAはDNA/RNA二重鎖を形成している、酵素;
(iii)複合増幅プライマーであって、該複合増幅プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む、複合増幅プライマー;および
(iv)DNA依存性DNAポリメラーゼ
を含み、ここで、該インキュベーションは、RNAの切断、複合プライマーハイブリダイゼーション、および該第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長産物とを含む複合体からの該第1のプライマー伸長産物の置換を可能にする条件下であり、それによって、別の複合増幅プライマーがハイブリダイズし、そしてプライマー伸長と鎖置換とが繰り返される、工程;
を包含し、これによって、該目的のRNA配列に相補的なDNA配列の多数のコピーが生成される、方法。 - 工程(b)の前記反応混合物が、(v)第2のプライマーをさらに含み、ここで、前記インキュベーションが、該第2のプライマーのハイブリダイゼーションを可能にする条件下であって、ここで、該第2のプライマーが少なくとも10ヌクレオチドを含む、請求項24に記載の方法。
- 前記第2のプライマーが、DNAを含む、請求項25に記載の方法。
- 複数の第1のプライマーが、前記標的RNAにハイブリダイズさせるために用いられる、請求項24〜26のいずれかに記載の方法。
- 前記第2のプライマーが、ランダムプライマーである、請求項24〜27のいずれかに記載の方法。
- 前記第2のプライマーは、尾部が付いたプライマーであり、該第2のプライマーは、該第2のプライマーが前記第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズする条件下で、該第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズ可能ではない5’部分を含む、請求項24〜27のいずれかに記載の方法。
- 工程(c)の前記反応混合物中の、前記RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素が、RNase Hである、請求項24〜29のいずれかに記載の方法。
- 前記RNA依存性DNAポリメラーゼおよび前記DNA依存性DNAポリメラーゼが、同じ酵素である、請求項1〜11、24〜30のいずれかに記載の方法。
- 前記RNA依存性DNAポリメラーゼおよび前記RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素が、同じ酵素である、請求項1〜11、24〜31のいずれかに記載の方法。
- 前記DNA依存性DNAポリメラーゼおよび前記RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素とが、同じ酵素である、請求項1〜11、24〜32のいずれかに記載の方法。
- 前記DNA依存性DNAポリメラーゼ、前記RNA依存性DNAポリメラーゼ、および前記RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素とが、同じ酵素である、請求項1〜11、24〜33のいずれかに記載の方法。
- 前記方法が、2以上の異なる目的配列に相補的なポリヌクレオチド配列の多数のコピーを生成する工程を包含する、請求項24〜34のいずれかに記載の方法。
- 前記方法が、少なくとも2つの異なる第1のプライマーを含む、請求項35に記載の方法。
- 前記複合プライマーの前記RNA部分が、以下のリボヌクレオチド配列:
5’−GACGGAUGCGGUCU−3’(配列番号25)
を包含する、請求項24〜36のいずれかに記載の方法。 - 異なる酵素が、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性とDNA依存性DNAポリメラーゼ活性とを有する、請求項1〜17、24〜30、35〜37のいずれかに記載の方法。
- 異なる酵素が、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有し、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する、請求項1〜17、24〜30、35〜38のいずれかに記載の方法。
- 異なる酵素が、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有し、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する、請求項1〜17、24〜30、35〜39のいずれかに記載の方法。
- 異なる酵素が、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有し、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する、請求項1〜17、24〜30、35〜40に記載の方法。
- 目的のRNA配列に相補的なDNA配列の多数のコピーを生成する方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて、第1のプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物の複合体からRNAを切断する工程であって、ここで、該RNAはDNA/RNA二重鎖を形成しており、ここで、該第1のプライマー伸長産物は、標的RNAにハイブリダイズした第1のプライマーをRNA依存性DNAポリメラーゼで伸長することによって生成され、ここで、該第1のプライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを包含する複合プライマーであり、ここで、該第1のプライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該第1のプライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そしてこのとき、該第2のプライマー伸長産物は、該第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズした第2のプライマーの伸長によって生成され、ここで、該第2のプライマーが少なくとも10ヌクレオチドを含む、工程;
(b)該第2のプライマー伸長産物に複合増幅プライマーをハイブリダイズさせ、そしてDNA依存性DNAポリメラーゼを用いて該複合増幅プライマーを伸長させる工程であって、ここで、該複合増幅プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを包含する複合プライマーであり、該複合増幅プライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該複合増幅プライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含む、工程;
を包含し、それによって、該第1のプライマー伸長産物が置換され、該複合増幅プライマーからRNAが切断され、そして別の複合増幅プライマーがハイブリダイズし、その結果、プライマー伸長と鎖置換とが繰り返され;そしてそれによって、該目的のRNA配列に相補的なDNA配列の多数のコピーが生成される、方法。 - 目的のRNA配列に相補的なDNA配列の多数のコピーを生成する方法であって、該方法は、複合体中の複合増幅プライマーを伸長する工程を包含し、該複合体が、以下:
(i)第1のプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物の複合体であって、該第1のプライマー伸長産物は、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いた、標的RNAにハイブリダイズした第1のプライマーの伸長によって産生され、ここで、該第1のプライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーであり、ここで、該第1のプライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該第1のプライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該第2のプライマー伸長産物は、該第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズした第2のプライマーの伸長によって作製され、ここで、該第2のプライマーが少なくとも10ヌクレオチドを含み、ここで、該第1および第2のプライマー伸長産物の複合体由来のRNAは、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断され、そしてここで、該RNAはDNA/RNA二重鎖を形成している、複合体;ならびに
(ii)複合増幅プライマーであって、該複合増幅プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含み、該複合増幅プライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該複合増幅プライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、ここで、該複合増幅プライマーは、該第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズする、複合増幅プライマー;
を含み、
それによって、該第1のプライマー伸長産物が置換され、複合増幅プライマーからRNAが切断され、そして別の複合増幅プライマーがハイブリダイズし、その結果、プライマー伸長と鎖置換とが繰り返され;そしてそれによって、該目的のRNA配列に相補的なDNA配列の多数のコピーが生成される、方法。 - 前記第2のプライマーが、DNAを含む、請求項42また43に記載の方法。
- 前記第2のプライマーは、尾部が付いたプライマーであり、該第2のプライマーは、該第2のプライマーが前記第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズする条件下で、該第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズ可能ではない5’部分を包含する、請求項42〜44のいずれかに記載の方法。
- 目的のRNA配列に相補的なDNA配列の多数のコピーを生成する方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、標的RNAにハイブリダイズした第1のプライマーを伸長することによってポリヌクレオチド鎖を合成し、それによって該第1のポリヌクレオチド鎖と該標的RNAとを含む複合体が生成される工程であって、ここで、該第1のプライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを包含する複合プライマーであり、ここで、該第1のプライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該第1のプライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含む、工程;
(b)該第1のポリヌクレオチド鎖に相補的な第2のポリヌクレオチド鎖を合成し、それによって該第2のポリヌクレオチド鎖が該第1のポリヌクレオチド鎖と共に複合体を形成する工程;
(c)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いてRNAを切断する工程であって、ここで、該RNAはDNA/RNA二重鎖を形成しており、ここで、該RNAは、該第1のポリヌクレオチド鎖と該第2のポリヌクレオチド鎖との複合体中の該第1の複合プライマーから切断され、その結果、複合増幅プライマーが該第2のポリヌクレオチド鎖にハイブリダイズし、ここで、該複合増幅プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを包含し、該複合増幅プライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該複合増幅プライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含む、工程;
(d)DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて該第2のポリヌクレオチド鎖にハイブリダイズした該複合増幅プライマーを伸長し、その結果、該第1のポリヌクレオチド鎖が置換され、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素により該複合増幅プライマーからDNA/RNA二重鎖を形成しているRNAが切断され、そして別の複合増幅プライマーがハイブリダイズし、その結果、プライマー伸長と鎖置換とが繰り返され、それによって、該目的のRNAに相補的なDNA配列の多数のコピーが生成される、工程、
を包含する方法。 - 前記第2のポリヌクレオチド鎖の合成が、前記第1のポリヌクレオチド産物にハイブリダイズした前記標的RNAのフラグメントを包含する第2のプライマーによってプライムされ、ここで、該第2のプライマーが少なくとも10ヌクレオチドを含み、該フラグメントは、工程(a)の前記複合体中の該標的RNAをRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する物質で切断することによって生成され、そしてここで、該RNAはDNA/RNA二重鎖を形成している、請求項46に記載の方法。
- 前記物質が酵素である、請求項1〜10、45に記載の方法。
- 前記酵素がRNase Hである、請求項1〜10、45または46に記載の方法。
- 前記第1のプライマーと、前記複合増幅プライマーとが、同じである、請求項24〜34のいずれかに記載の方法。
- 前記第1のプライマーの前記RNA部分が、該第1のプライマーの前記3’DNA部分に関して5’である、請求項1、2、18、19、24、42、43、46、およびこれらに従属する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記第1のプライマーの前記5’RNA部分が、該第1のプライマーの前記3’DNA部分に隣接する、請求項51に記載の方法。
- 前記複合増幅プライマーの前記RNA部分が、該複合増幅プライマーの前記3’DNA部分に関して5’である、請求項1、2、18、19、24、42、43、46、51、およびこれらに従属する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記複合増幅プライマーの前記RNA部分が、該複合増幅プライマーの前記3’DNA部分に隣接する、請求項53に記載の方法。
- 前記第1のプライマーは、尾部が付いたプライマーであり、該第1のプライマーは、該第1のプライマーが前記標的RNAにハイブリダイズする条件下で該標的RNAにハイブリダイズ可能ではない5’部分を包含する、請求項1、2、18、19、24、42、43、46、51〜54、およびこれらに従属する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記第1のプライマーは、ポリdT配列を包含する、請求項1、2、18、19、24、42、43、46、51〜55、およびこれらに従属する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記第1のプライマーが、少なくとも1つのランダムヌクレオチドを3’末端にさらに包含する、請求項57に記載の方法。
- 前記標的RNAがmRNAである、請求項1、2、29、42、43、46、51〜57、およびこれらに従属する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記第1のプライマーが、ランダムプライマー配列を包含する、請求項1、2、24、42、43、46、51〜58、およびこれらに従属する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記第2のポリヌクレオチド鎖を合成する工程は、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を使用する、請求項46、51〜59のいずれかに記載の方法。
- 前記第1のポリヌクレオチド鎖と前記第2のポリヌクレオチド鎖との複合体中の前記第1の複合プライマーからRNAを切断する工程は、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する活性を有する酵素を使用し、そしてここで、該RNAはDNA/RNA二重鎖を形成している、請求項46〜60のいずれかに記載の方法。
- 前記方法が、2つ以上の異なる目的の標的RNA配列を使用する工程、および該2つ以上の異なる目的の標的RNA配列に相補的なDNA配列の多数のコピーを生成する工程を包含する、請求項46〜61のいずれかに記載の方法。
- 前記方法は、標的RNAにハイブリダイズする少なくとも2つの異なる第1の複合プライマーを含み、ここで、各プライマーは、ランダムプライマー配列を含む3’部分を包含する、請求項46〜62のいずれかに記載の方法。
- 前記方法は、標的RNAにハイブリダイズする少なくとも2つの異なる第1の複合プライマーを含み、ここで、各プライマーは、ポリdT配列を含む3’DNA部分を包含する、請求項46〜62のいずれかに記載の方法。
- 前記第2のポリヌクレオチド鎖の合成は、第2のプライマーによってプライムされ、ここで、該第2のプライマーは、尾部が付いたプライマーであり、該第2のプライマーは、該第2のプライマーが前記第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズする条件下で該第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズ可能ではない5’部分を包含する、請求項46または48〜64のいずれかに記載の方法。
- 前記第1のプライマーと、前記複合増幅プライマーとが、異なる、請求項24〜34のいずれかに記載の方法。
- 目的のRNA配列を配列決定する方法であって、該方法は、プライマー伸長がdNTPアナログの取り込みの際に終了するように、dNTPとdNTPアナログとの混合物の存在下で、請求項1、18、24〜66のいずれか1項に記載の方法によって、増幅産物を生成し、そして該増幅産物を分析して配列を決定する工程を包含する、方法。
- 目的のRNA配列を配列決定する方法であって、該方法は、プライマー伸長がrNTPアナログの取り込みの際に終了するように、rNTPとrNTPアナログとの混合物の存在下で、請求項2、5、19、21、または、22のいずれかに記載の方法によって、増幅産物を生成し、そして該増幅産物を分析して配列を決定する工程を包含する、方法。
- 一本鎖コンホメーション多型によって標的RNA中の変異を検出する方法であって、該方法は、請求項1〜65のいずれか1項に記載の方法によって、増幅産物を生成し、そして一本鎖コンホメーションについて該増幅産物を分析する工程を包含し、ここで、参照一本鎖ポリヌクレオチドと比較した場合のコンホメーションにおける差異が、該標的ポリヌクレオチドにおける変異を示し、そしてここで、該標的ポリヌクレオチドにおける変異は、配列内の単一ヌクレオチドの変化または1より多いヌクレオチドの変化を含む、方法。
- 標的RNA中の目的の配列の存在または非存在を決定する方法であって、該方法は、以下:
(i)該標的RNAを増幅する工程であって、該増幅する工程が、RNA部分および3’DNA部分を包含する複合増幅プライマーを伸長する工程を包含し、ここで、該複合増幅プライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該複合増幅プライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、ここで、該複合増幅プライマーが該目的の配列に対応する3’一本鎖領域を含む該標的RNAから生成されたポリヌクレオチド複合体にハイブリダイズする、工程を包含し、ここで、該複合増幅プライマーのRNA部分は、該目的の配列を含む参照配列にハイブリダイズすることが公知であり、そしてここで、該ポリヌクレオチド複合体が、以下の工程:
(a)RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて標的RNAにハイブリダイズした第1のプライマーを伸長し、それによって第1のプライマー伸長産物と該標的RNAとを含む複合体が生成される工程であって、該第1のプライマーが、RNA部分と3’DNA部分とを包含し、該第1のプライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該第1のプライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含む、工程;
(b)DNA依存性DNAポリメラーゼとRNA依存性DNAポリメラーゼとを用いて該第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズした第2のプライマーを伸長し、それによって、第2のプライマー伸長産物が生成されて、第1および第2のプライマー伸長産物が形成される、工程であって、ここで、該第2のプライマーが少なくとも10ヌクレオチドを含む、工程;および
(c)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて該第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長産物との複合体中のDNA/RNA二重鎖を形成しているRNAを切断し、それによって、前記3’一本鎖領域を含むポリヌクレオチド複合体が生成される、工程;
を包含する方法によって生成される、工程;ならびに
(ii)存在する場合、工程(i)由来の該増幅産物を、該参照配列を含む該3’一本鎖領域を含む参照テンプレートから生成されたポリヌクレオチド複合体由来の増幅産物の量と比較する工程であって、ここで、該参照テンプレートの該ポリヌクレオチド複合体の該3’一本鎖領域が、該目的の配列に対応する、工程、
を包含する方法によって生成され、ここで、該参照テンプレート由来の該ポリヌクレオチド複合体からの増幅産物の量と比較した場合に、該標的RNA由来の該ポリヌクレオチド複合体から検出可能に少ない増幅産物の生成は、該目的の配列が、該標的RNAに存在せず、該標的RNAが前記複合増幅プライマーの前記RNA部分にハイブリダイズ可能な配列に関する配列改変体を含み得ることを示す、方法。 - 基材に固定された核酸を生成する方法であって、該方法は、請求項1〜66のいずれかに記載の方法によって、増幅産物を生成し、そして該増幅産物を基材上に固定する工程を包含する、方法。
- 前記基材がマイクロアレイである、請求項71に記載の方法。
- 目的のRNA配列を特徴付ける方法であって、該方法は、請求項1、18、24〜66のいずれかに記載の方法により、目的のRNA配列に相補的なDNA配列を増幅することによって増幅産物を生成し、そして、該DNA増幅産物を分析する工程を包含する、方法。
- 前記DNA産物が標識されている、請求項73に記載の方法。
- 前記DNA増幅産物を分析する工程が、該産物の量を決定する工程を包含し、これにより、サンプル中に存在する前記目的のRNA配列が定量される、請求項73または74に記載の方法。
- 前記DNA増幅産物を分析する工程が、少なくとも1つのプローブと該DNA増幅産物を接触させる工程を包含する、請求項73〜75のいずれかに記載の方法。
- 前記DNA増幅産物が標識され、そして前記少なくとも1つのプローブがマイクロアレイにおいて提供される、請求項76に記載の方法。
- 請求項77に記載の方法であって、前記マイクロアレイが、紙、ガラス、セラミック、プラスチック、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、シリコン、および光ファイバーからなる群より選択される材料から作製された基材上に固定された少なくとも1つのプローブを含む、方法。
- 請求項77に記載の方法であって、前記プローブが、ピン、ロッド、ファイバー、テープ、糸、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、キャピラリー、およびシリンダーを含む二次元的構造または三次元的構造で前記基材上に固定される、方法。
- 目的のRNA配列を特徴付ける方法であって、該方法は、請求項2、5、19、21、または22のいずれかに記載の方法によって、増幅産物を生成し、そして、RNA増幅産物を分析する工程を包含する、方法。
- 前記RNA産物が標識される、請求項80に記載の方法。
- 前記RNA増幅産物を分析する工程は、該産物の量を決定する工程を包含し、これにより、サンプル中に存在する前記目的のRNA配列の量が定量される、請求項80または81に記載の方法。
- 前記RNA増幅産物を分析する工程が、前記標識されたRNA産物を少なくとも1つのプローブと接触させる工程を包含する、請求項81または82に記載の方法。
- 前記RNA増幅産物が標識され、そして前記少なくとも1つのプローブがマイクロアレイとして提供される、請求項80に記載の方法。
- 請求項84に記載の方法であって、前記マイクロアレイが、紙、ガラス、セラミック、プラスチック、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、シリコン、および光ファイバーからなる群より選択される材料から作製された基材上に固定された少なくとも1つのプローブを含む、方法。
- 請求項85に記載の方法であって、前記プローブが、ピン、ロッド、ファイバー、テープ、糸、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、キャピラリー、およびシリンダーを含む二次元的構造または三次元的構造で基材上に固定される、方法。
- サンプル中の遺伝子発現プロフィールを決定する方法であって、該方法は、以下の工程:
増幅産物を生成する工程であって、ここで、該増幅産物は、請求項1〜66のいずれかに記載の方法を使用して、該サンプル中の少なくとも1つの目的のRNA配列に相補的なDNA配列を増幅することによって生成される、工程、および、
少なくとも1つの目的のRNA配列の増幅産物の量を決定し、これにより、該サンプル中の該遺伝子発現プロフィールを決定する工程、
を包含し、ここで、各該量が、該サンプル中の目的の各RNA配列に相補的なDNA配列の量を示す、方法。 - 各標的RNAがmRNAである、請求項87に記載の方法。
- ライブラリーを調製する方法であって、該方法は、以下:
請求項1〜66のいずれかに記載の方法を使用して、増幅産物を生成し、そして、複数の目的のRNA配列に相補的なDNA配列を増幅する工程、
を包含する、方法。 - 前記第1のプライマーが、ランダムプライマー配列を包含する、請求項89に記載の方法。
- 前記標的RNAにハイブリダイズする第1のプライマーが、ポリdT配列を含む、請求項89に記載の方法。
- 減算的ハイブリダイゼーションプローブを調製する方法であって、該方法は、請求項1、18、24〜66のいずれか1項に記載の方法を使用して、第1のRNA集団から少なくとも1つの目的のRNA配列の相補体の多数のDNAコピーを作製する工程を包含する、方法。
- 減算的ハイブリダイゼーションを実行する方法であって、該方法において少なくとも第1と第2の標的RNA集団とが比較され、該方法は、以下:
(a)請求項1、18、24〜66のいずれかに記載の方法を使用して、第1のRNA集団から少なくとも1つの目的のRNA配列の相補体の多数のDNAコピーをハイブリダイズさせる工程;ならびに
(b)該多数のコピーを第2のmRNA集団にハイブリダイズさせる工程であって、これにより、該第2の集団の部分集団が、DNAコピーと複合体を形成する、工程、
を包含する、方法。 - 1つ以上の目的のRNA配列にハイブリダイズしないRNAの示差的な増幅のための方法であって、該方法は、以下:
(a)請求項1、18、24〜66のいずれか1項に記載の方法によって、増幅産物を生成し、そして、調製された第1のRNA集団由来の、少なくとも1つの目的のRNA配列の相補体の多数のDNAコピーを、第2のRNA集団にハイブリダイズさせる工程であって、これにより、該第2のRNA集団の部分集団が、該DNAコピーとハイブリダイズして、複合体を形成する、工程;
(b)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて、工程(a)の該複合体中のRNAを切断する工程であって、ここで、該RNAはDNA/RNA二重鎖を形成している、工程;ならびに
(c)該第2のRNA集団のハイブリダイズしていない部分集団を増幅する工程であって、これにより、該第2のRNA集団の該ハイブリダイズしていない部分集団に相補的な多数のコピーの一本鎖DNAが作製される、工程、
を包含する、方法。 - ライブラリーを調製する方法であって、該方法は、以下:
請求項94に従って調製された前記第2のRNA集団の前記ハイブリダイズしていない部分集団に相補的な多数のDNAコピーを調製する工程、
を包含する、方法。 - 目的のRNA配列に相補的なDNA配列の多数のコピーを生成する方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)複合体を提供する工程であって、該複合体は、以下:
(i)第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長産物との複合体であって、該第1のプライマー伸長産物は、標的RNAにハイブリダイズした第1のプライマーをRNA依存性DNAポリメラーゼで伸長することによって生成され、ここで、該第1のプライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを包含する複合プライマーであり、該第1のプライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該第1のプライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、ここで、該第2のプライマー伸長産物は、該第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズした第2のプライマーを伸長することによって生成され、該第2のプライマーが少なくとも10ヌクレオチドを含み、そしてここで、該第1のプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物との複合体由来のRNAは、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で切断され、そしてここで、該RNAはDNA/RNA二重鎖を形成している、複合体;および
(ii)複合プライマーであって、該複合プライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該複合プライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、該複合プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを含み、ここで、該複合プライマーが該第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズされる、複合プライマー、
を包含する、工程;ならびに
(b)(ii)の該複合プライマーを伸長する工程であって、これにより、該第1のプライマー伸長産物が置換され、RNAが複合増幅プライマーから切断され、そして、別の複合増幅プライマーがハイブリダイズし、その結果、プライマー伸長および鎖置換が反復され、そしてこれにより、該目的のRNA配列に相補的なDNA配列の多数のコピーが生成される、工程、
を包含する、方法。 - 請求項96に記載の方法であって、該方法は、以下の工程:
(a’)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて、第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長産物との複合体からRNAを切断し、その結果、複合プライマーを該第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該複合プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを含み、該複合プライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該複合プライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、ここで、該第1のプライマー伸長産物は、標的RNAにハイブリダイズした第1のプライマーをRNA依存性DNAポリメラーゼで伸長することによって生成され、ここで、該第1のプライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを包含する複合プライマーであり、該複合プライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該複合プライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含む、工程;および
(b’)複合プライマーを該第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズさせる工程であって、ここで該複合プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを包含し、該複合プライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該複合プライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含む、工程、
をさらに包含し、そしてここで、該複合プライマーは、DNA依存性ポリメラーゼで伸長され、該工程(a’)および(b’)は、請求項96に記載の方法における工程(a)および(b)の前に行われる、方法。 - 請求項97に記載の方法であって、該方法は、以下の工程:
(a”)標的RNAにハイブリダイズした第1のプライマーをRNA依存性DNAポリメラーゼで伸長する工程であって、これにより、第1のプライマー伸長産物と該標的RNAとを含む複合体が生成され、ここで、該第1のプライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを包含する複合プライマーであり、該複合プライマーのRNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含み、そして、該複合プライマーのDNA部分が少なくとも5ヌクレオチドを含む、工程;
(b”)工程(a)の該複合体中のRNAを切断する工程;
(c”)該第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズした第2のプライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼおよびRNA依存性DNAポリメラーゼで伸長する工程であって、これにより、第2のプライマー伸長産物が生成されて、第1のプライマー伸長産物と第2のプライマー伸長産物との複合体が形成される、工程であって、ここで、該第2のプライマーが少なくとも10ヌクレオチドを含む、工程、
をさらに包含し、そしてここで、該工程(a”)、(b”)および(c”)は、請求項97に記載の方法における工程(a’)および(b’)の前に行われる、方法。 - 前記第2のプライマーが、前記プライマー伸長産物にハイブリダイズする前記標的RNAのフラグメントを含み、該フラグメントが、前記第1のプライマー伸長産物と標的RNAとの複合体中のRNAを切断することによって生成される、請求項96〜98に記載の方法。
- 前記第2のプライマーが、DNAを包含する、請求項96〜98のいずれかに記載の方法。
- 前記第2のプライマーが、複合プライマーを包含する、請求項96〜98のいずれかに記載の方法。
- 前記第2のプライマーが、ランダムプライマーを包含する、請求項96〜98のいずれかに記載の方法。
- 前記第2のプライマーは、該第2のプライマーが前記第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズする条件下で該第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズ可能ではない5’部分を包含する、請求項96〜98のいずれかに記載の方法。
- 前記RNA部分が、5ヌクレオチド〜50ヌクレオチドである、請求項96〜103に記載の方法。
- 前記3’DNA部分が、5ヌクレオチド〜50ヌクレオチドである、請求項96〜104のいずれかに記載の方法。
- 標的RNAにハイブリダイズする前記第1のプライマーの前記RNA部分が、前記3’DNA部分に関して5’である、請求項96〜105のいずれかに記載の方法。
- 前記5’RNA部分が、前記3’DNA部分に隣接する、請求項106に記載の方法。
- 前記5’RNA部分が、少なくとも10ヌクレオチドである、請求項106または107に記載の方法。
- 前記5’RNA部分が、10ヌクレオチド〜50ヌクレオチドである、請求項108に記載の方法。
- 標的RNAにハイブリダイズする前記第1のプライマーは、該第1のプライマーが該標的RNAに結合する条件下で該標的RNAにハイブリダイズ可能ではない5’部分を包含する、請求項96〜109のいずれかに記載の方法。
- 標的RNAにハイブリダイズする前記第1のプライマーが、ポリdT配列を包含する、請求項96〜110のいずれかに記載の方法。
- 前記RNA部分が、5ヌクレオチド〜50ヌクレオチドである、請求項96〜111のいずれかに記載の方法。
- 前記3’DNA部分が、5〜20ヌクレオチドである、請求項96〜112のいずれかに記載の方法。
- 前記第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズする前記複合プライマーの前記RNA部分が、前記3’DNA部分に関して5’である、請求項96〜113のいずれかに記載の方法。
- 前記5’RNA部分が、前記3’DNA部分に隣接する、請求項114に記載の方法。
- 前記標的RNAがmRNAである、請求項96〜115のいずれかに記載の方法。
- 標的RNAにハイブリダイズする前記第1のプライマーが、ランダム配列を包含する、請求項96〜116のいずれかに記載の方法。
- 前記標的RNAがmRNAであり、そして標的RNAにハイブリダイズする前記第1のプライマーがポリdT配列を含み、そしてさらに該第1のプライマーが該標的mRNAにハイブリダイズする条件下で該標的mRNAにハイブリダイズ可能ではない5’部分を包含する、請求項96〜117のいずれかに記載の方法。
- 複数の異なる第1のプライマーが、前記標的RNAにハイブリダイズさせるために使用される、請求項96〜118のいずれかに記載の方法。
- 前記RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素が、RNase Hである、請求項96〜119のいずれかに記載の方法。
- 前記RNA依存性DNAポリメラーゼと前記DNA依存性DNAポリメラーゼとが、同じ酵素であるかまたは異なる酵素であるか、該RNA依存性DNAポリメラーゼと該RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素とが、同じ酵素であるかまたは異なる酵素であるか、該DNA依存性DNAポリメラーゼと該RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素とが、同じ酵素であるかまたは異なる酵素であるか、あるいは該DNA依存性DNAポリメラーゼ、該RNA依存性DNAポリメラーゼおよび該RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素とが、同じ酵素であるかまたは異なる酵素である、請求項96〜120のいずれかに記載の方法。
- 前記方法が、少なくとも1つの標識されたdNTPの存在下で実行され、これにより、標識された産物が生成される、請求項1、18、24〜34、46〜61、または、96〜121のいずれかに記載の方法。
- 標的RNAにハイブリダイズする前記第1のプライマーが、前記第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズする前記複合プライマーのいくつかの配列またはすべての配列を包含する、請求項96〜122のいずれかに記載の方法。
- 前記方法が、2つ以上の異なる目的の配列に相補的なポリヌクレオチド配列の多数のコピーを生成する工程を包含する、請求項96〜123のいずれかに記載の方法。
- 前記方法が、標的RNAにハイブリダイズする少なくとも2つの異なる複合プライマーを包含する、請求項124に記載の方法。
- 前記第1のプライマーの前記RNA部分が、5ヌクレオチド〜50ヌクレオチドからなり、該第1のプライマーの前記DNA部分が、少なくとも5ヌクレオチド〜20ヌクレオチドからなる、請求項1、2、18、19、24、42、または、43のいずれかに記載の方法。
- 前記複合増幅プライマーの前記RNA部分が、14ヌクレオチド〜50ヌクレオチドからなり、該複合増幅プライマーの前記DNA部分が、少なくとも5ヌクレオチド〜20ヌクレオチドからなる、請求項1、2、18、19、24、42、または、43のいずれかに記載の方法。
- 請求項24に記載の方法であって、ここで、前記(b)の反応混合物がさらに、
(iv)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断し得る酵素であって、ここで、該RNA/DNAハイブリッドが複合体中に形成されている、酵素
を含有する、方法。 - 請求項60に記載の方法であって、ここで、前記DNA依存性DNAポリメラーゼ活性およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素が、さらに、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する活性を有し、ここで、該RNAはDNA/RNA二重鎖を形成している、方法。
- 前記第2のRNA集団がmRNA集団である、請求項94に記載の方法。
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