JP4539014B2 - 耐酸化性c/c複合材及びその製造方法 - Google Patents

耐酸化性c/c複合材及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温、低圧の酸化性雰囲気下において、高度の耐酸化性、耐エロージョン性を示し、かつ、耐酸化性被覆層にクラックが発生しても自己修復性を備え、優れた耐酸化性能を有するC/C複合材(炭素繊維強化炭素複合材)及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
C/C複合材は、軽量で卓越した比強度、比弾性率を有するうえに優れた耐熱性および化学的安定性を備えているため、航空宇宙用をはじめ多くの用途分野で構造材料として有用されている。しかし、C/C複合材を含め炭素材料は、大気中において500℃付近から酸化を受けて損耗するために、それ自身の持つ優れた物理的、化学的性質が低下する欠点があり、例えば高温大気中での使用は極く短時間の場合を除き不可能である。このため、従来からC/C複合材の表面に耐酸化性の被覆を施して耐酸化性を改善する試みがなされており、例えばSiC、Si3 4 、ZrO2 、Al2 3 などの耐熱セラミックス系物質によって被覆処理する方法が開発されている。このうち、被覆層の形成操作、性状特性など技術的、経済的の面からSiCの被膜形成が最も工業性に適合している。
【0003】
C/C複合基材の表面にSiCの被覆層を形成する方法として、気相反応により生成するSiCを直接沈着させるCVD法(化学的気相蒸着法)と、基材の炭素を反応源に利用してSiOガスと反応させることによりSiCに転化させるコンバージョン法が知られている。
【0004】
このうち、前者のCVD法を適用して形成したSiC被覆層は、緻密なSiC被覆層を形成することができるが、基材との界面が明確に分離している関係で、熱衝撃を与えると相互の熱膨張係数の差によってSiC被覆層が剥離したり、クラックが発生し易く、高温酸化性雰囲気下での充分な耐酸化性は望めない。これに対し、後者のコンバージョン法ではC/C複合基材の炭素とSiOガスとが、2C+SiO→SiC+COの反応により、SiC1分子当たり1分子のCOが排出されるので容積変化が抑制され、C/C複合基材の表層部が連続的な傾斜機能組織となるSiC被覆層を形成するため、C/C複合材に内部応力が発生することなく、界面剥離を生じることがない。しかしながら、CVD法に比較して組織の緻密性が劣る上、SiCに転化する反応時に被覆層に微細なクラックが発生し易い欠点がある。
【0005】
そこで、特許文献1には、SiC被覆層上にガラス質としてNa2 SiO3 、無機フィラーとしてSiC粉末と繊維状SiC物質との混合物を使用し、これを混合してスラリ状にしたものを塗布して保護膜を形成する耐酸化処理法が提案されている。しかしながら、バインダーとして用いるNa2 SiO3 は蒸気圧が高いので、1000℃を越える高温、低圧下ではNa2 SiO3 ガラスが揮散してコーティング膜が剥離し、SiC被覆層の保護膜として機能しなくなる難点がある。
【0006】
また、本出願人は、C/C基材面にSiOガスを接触させてコンバージョン法によりSiC被覆層を形成する第1被覆工程と、次いでCVD法によりハロゲン化有機珪素化合物を還元熱分解してアモルファス質のSiCを析出沈着させる第2被覆工程とを順次に施す耐酸化処理法(特許文献2)、更に、これを改良して、第2被覆工程でハロゲン化有機珪素化合物を基材組織に間欠的に充填して還元熱分解させるパルスCVI法によってSiCを析出沈着させる耐酸化処理法(特許文献3)を開発、提案した。
【0007】
しかしながら、このような方法により形成した第2被覆層のSiCにも微小なクラックが発生しており、より高度の耐酸化性能を付与するためには、このクラックを充填封止して、目詰めする必要が認められた。そこで、本出願人は、C/C基材面に傾斜機能を有する多結晶質のSiC被膜からなる第1被覆層、アモルファス質または微細多結晶質のSiC被膜からなる第2被覆層、およびB2 3 −SiO2 ガラス被膜の第3被覆層が積層形成されてなる耐酸化性C/C複合材(特許文献4)を開発した。
【0008】
更に、上記特許文献4の発明を改良して、C/C複合基材面にコンバージョン法によりSiC被覆層を形成する第1被覆工程、ハロゲン化有機珪素化合物と水素あるいはハロゲン化珪素と炭化水素および水素との混合ガスを用いてCVD法により1400〜1500℃の温度に加熱してSiCを析出被覆する第1段階操作と、不活性雰囲気に保持された加熱炉内で1600〜1900℃の温度に加熱処理する第2段階操作とを順次に施す第2被覆工程、次いでSi、Al、B、Zrの少なくとも一種を含有する金属アルコキシドを加水分解して得られるガラス前駆体溶液を含浸して乾燥したのち500〜1000℃で加熱処理してガラス質被膜を形成する第3被覆工程、からなるC/C複合材の耐酸化処理法(特許文献5)を開発した。
【0009】
これらの発明によれば高温苛酷な酸化性雰囲気においても優れた耐酸化性能を発揮するが、更に詳細な耐酸化性のテストの結果、例えば宇宙往還機のノーズキャップ等の裏面側を想定して実施される高温、低圧下における耐酸化試験(低圧揮散試験)により検討した結果、緊急大気圏突入を想定した酸化条件下では1回のテストにより、特に第2被覆層の酸化消耗が大きく、耐酸化性能が充分でないことが判明した。
【0010】
そこで、本出願人は、これらの欠点を解決するために、C/C複合基材面に、傾斜機能組織の多結晶質SiC被膜からなる第1被覆層、微細多結晶質SiC被膜あるいはこれを加熱処理して得られる高結晶質SiC被膜からなる第2被覆層、B2 3 −SiO2 ガラス質被膜からなる第3被覆層、及び繊維状SiCと粉末SiCとZrO2 −SiO2 ガラスとの複合被膜からなる第4被覆層、が積層形成された耐酸化性C/C複合基材とその製造方法(特許文献6)を開発、提案した。
【0011】
しかしながら、一度、被覆層にクラックが発生すると、ZrSiO4 の融点が1640℃と高温であるため複合被膜のZrSiO4 ガラスは溶融軟化し難く、被覆層のクラックを自己修復する機能が殆どない。したがって、耐酸化性及び耐久性が急激に低下する問題点があった。
【0012】
更に、特許文献7には、炭化珪素、窒化珪素、炭窒化珪素、及びホウ化珪素の群から選択される1種以上の中間層を形成し、その上にイットリウムを含むランタノイド系希土類元素と珪素を含む複合酸化物の粒子を骨材とし、当該複合酸化物粒子をB2 3 −SiO2 系ガラス質マトリックスに分散させた被膜を形成する耐酸化処理法が提案されている。しかしながら、骨材として粒子状セラミックスを使用しているため、被膜形成時にクラックが生じやすく、高温気流中に曝された場合、被膜が飛散してしまい、耐酸化膜として機能しなくなる難点がある。
【0013】
【特許文献1】
米国特許第4471023号明細書
【特許文献2】
特開平4−12078号公報
【特許文献3】
特開平4−42878号公報
【特許文献4】
特開平4−243989号公報
【特許文献5】
特開平9−188581号公報
【特許文献6】
特開平11−292645号公報
【特許文献7】
特開2002−87896号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解消することを目的とし、高温、低圧の酸化性雰囲気下において、高度の耐酸化性、耐エロージョン性を示し、かつ、耐酸化性被覆層にクラックが発生しても自己修復機能を備え、耐酸化性及び耐久性に優れたC/C複合材及びその製造方法を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る耐酸化性C/C複合材は、C/C複合基材面に、傾斜機能組織の多結晶質SiC被膜からなる厚さ50〜100μmの第1被覆層、融点が1800℃以上の高融点セラミックス粉末、繊維状SiC、及び、B −SiOガラスとの複合被膜からなる厚さ50〜200μmの第2被覆層、が積層形成されてなり、第2被覆層は、該高融点セラミックス粉末と繊維状SiC及びB−SiOガラス前駆体溶液との混合スラリーを第1被覆層面に塗布して乾燥した後、非酸化性雰囲気中で熱処理して得られるものであり、混合スラリーが、繊維状SiC/該高融点セラミックス粉末の重量比が0.15〜0.35、(繊維状SiC+該高融点セラミックス粉末)/(B−SiOガラス)の重量比が0.50〜2.00、B−SiOガラスのB/SiOのモル比が0.25〜1.00の組成であることを構成上の特徴とする。
【0016】
また、本発明による上記の耐酸化性C/C複合材の製造方法は、炭素繊維をマトリックス樹脂と共に複合成形し、硬化及び焼成炭化して得られるC/C複合基材に、非酸化性雰囲気中でSiOガスと接触させてコンバージョン法によりSiC被膜からなる厚さ50〜100μmの第1被覆層を形成する第1被覆工程、次いで、融点が1800℃以上の高融点セラミックス粉末と繊維状SiC及びB −SiOガラス前駆体溶液との混合スラリーを塗布して乾燥した後、非酸化性雰囲気中で熱処理して該高融点セラミックス粉末、繊維状SiC、及び、B−SiOガラスとの複合被膜からなる厚さ50〜200μmの第2被覆層を形成する第2被覆工程、とを順次に施すものであり、混合スラリーが、繊維状SiC/該高融点セラミックス粉末の重量比が0.15〜0.35、(繊維状SiC+該高融点セラミックス粉末)/(B−SiOガラス)の重量比が0.50〜2.00、B−SiOガラスのB/SiOのモル比が0.25〜1.00の組成であることを構成上の特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
C/C複合材を構成する炭素繊維にはポリアクリロニトリル系、レーヨン系、ピッチ系などの各種原料から製造された平織、朱子織、綾織などの織布を一次元または多次元方向に配向した繊維体、フェルト、トウが使用され、マトリックス樹脂としてはフェノール系、フラン系など高炭化性の液状熱硬化性樹脂が用いられる。炭素繊維は、浸漬、塗布などの手段によりマトリックス樹脂で十分に濡らしたのち、半硬化してプリプレグを形成し、ついで積層加圧成形する。成形体は加熱して樹脂成分を完全に硬化し、引き続き常法に従って焼成炭化または更に黒鉛化してC/C複合材が作製される。また、必要によってはマトリックス樹脂の含浸、硬化、炭化の処理を反復して組織の緻密化を図ることもできる。
【0018】
作製したC/C複合材を基材として、その表層をSiCに転化したSiC被膜からなる第1被覆層は、基材表層部の組織が内部から外面に向かうに従って次第にSiC化が進み、SiC濃度が徐々に増える傾斜機能組織の多結晶質SiC被膜からなり、C/C複合基材の表層部に一体的に強固に形成されている。なお、第1被覆層の厚さは50〜100μm に設定することが好ましい。膜厚をこの範囲に設定することにより良好な傾斜機能組織を形成するとともに基材の強度低下を抑制することができ、熱サイクルや熱衝撃が加わってもC/C複合基材と第1被覆層との剥離やクラックの発生を効果的に防止することができる。
【0019】
第1被覆層の上に積層形成される第2被覆層は、高融点セラミックス粉末、繊維状SiC、及び、B2 3 −SiO2 系ガラスとの複合被膜から構成される。第2被覆層をこのような複合被膜で構成する理由は、高融点セラミックスは耐熱性は高いが、B2 3 −SiO2 系ガラスとの複合被膜は被膜に多数のクラックが発生し、被膜強度及び密着性が低いものとなる。しかし、繊維状SiCを添加することにより、被膜強度及び密着性が大幅に改善される。
【0020】
すなわち、第2被覆層を構成する高融点セラミックス粉末は耐熱性向上に機能し、バインダーとなるB2 3 −SiO2 系ガラスは高温に曝された場合に軟化してクラックを充填、目詰めする自己修復機能を発揮する。また、繊維状SiCは第2被覆層の強度向上に機能し、更に、第1被覆層との密着性向上にも機能する。
【0021】
このように、第2被覆層は各成分の有する機能が複合的に機能して、その相乗効果により耐酸化性に優れたクラックフリーの耐酸化保護膜として有効機能することが可能となる。また、B2 3 −SiO2 系ガラスはB2 3 とSiO2 の組成比を変化させることにより軟化温度を制御することができ、第2被覆層にクラックが生じた際にも、B2 3 −SiO2 系ガラスの軟化によりクラックを修復する自己修復作用に優れているため、高い耐酸化性と耐久性を備えた保護膜として優れた機能が発揮される。
【0022】
なお、第2被覆層の複合被膜の膜厚は、50〜200μm であることが好ましく、膜厚が50μm 未満では耐酸化保護膜としての効果が小さく、高温酸化雰囲気における耐久寿命が短くなる。しかし、膜厚が200μm を越えると剥離や脱落が生じ易くなる。
【0023】
このC/C複合基材面に、多結晶質SiC被膜からなる第1被覆層、高融点セラミックス粉末、繊維状SiC、及び、B2 3 −SiO2 系ガラスとの複合被膜からなる第2被覆層、が積層形成された本発明の耐酸化性C/C複合材は、次の方法により製造することができる。
【0024】
第1被覆層の形成は、先ず、常法により炭素繊維をマトリックス樹脂と共に複合成形し、硬化及び焼成炭化して得られるC/C複合材を基材として、このC/C複合基材を、SiO2 粉末とSiまたは炭素粉末の混合物を密閉加熱系に収納した系内にセットして、非酸化性雰囲気中で加熱処理するコンバージョン法により行われる。加熱処理時にSiO2 はSiまたは炭素により還元されてSiOガスを発生し、発生したSiOガスはC/C複合基材の表層部から内部に浸透拡散しながら基材を構成する炭素と反応して、基材表層部をSiC濃度が連続的に変化する傾斜機能組織の多結晶質SiCに転化する。第1被覆工程の条件としては、SiO2 に対するSiまたは炭素の配合量を重量比で2:1に、加熱温度を1600から2000℃に、加熱系内を還元または中性の非酸化性雰囲気に保持した状態で行われる。なお、C/C複合基材の内部組織がSiC化されることによる強度低下を防止するために、第1被覆工程で形成するSiC被膜の第1被覆層は50〜150μm の膜厚に設定することが望ましい。
【0025】
第2被覆工程は、第1被覆工程によりSiC被膜を形成したC/C複合基材に高融点セラミックス粉末と繊維状SiC及びB2 3 −SiO2 系ガラス前駆体溶液との混合スラリーを塗布して乾燥した後、非酸化性雰囲気中で熱処理して高融点セラミックス粉末、繊維状SiC、及び、B2 3 −SiO2 系ガラスとの複合被膜を形成する工程である。
【0026】
高融点セラミックス粉末としては、融点が1800℃以上のY2 3 、Al2 3 、2Al2 3 −3SiO2 などの酸化物、あるいは、SiC、Si3 4 、MoSi2 などの珪化物、から選ばれた1種または2種以上の混合粉末が用いられる。なお、このセラミックス粉末は直径0.5μm 程度のものが好適に用いられる。
【0027】
繊維状SiCとしては短繊維状のものが好ましく、特に複合物の強度向上に有効なウイスカーが好ましく、直径0.3〜1.5μm 、長さ5〜40μm 程度のSiCウイスカーが好適に用いられる。
【0028】
2 3 −SiO2 系ガラス前駆体溶液は、B、Siを含有する金属アルコキシド、例えばトリメトキシボラン〔B(OCH3)3 〕、テトラエトキシシラン〔Si(OC2 5)4 〕等の金属アルコキシドにアルコールを加えて攪拌混合した溶液中に,水を滴下して加水分解するアルコキシド法により調製される。
【0029】
この場合、B2 3 −SiO2 系ガラスはB2 3 とSiO2 の組成を変えることにより軟化温度を調節することができるので、適切な軟化温度に調節するために、B2 3 /SiO2 のモル比は0.25〜1.00の範囲に設定することが好ましい。モル比が0.25未満であると軟化温度が上昇して、被覆層に発生したクラックの自己修復性が失われる。しかし、モル比が1.00を越えるとB2 3 成分が多くなり耐熱性が低下することになる。
【0030】
上記の高融点セラミックス粉末と繊維状SiC及びB2 3 −SiO2 系ガラスを混合して混合スラリーを調製する。この場合、各成分の混合比としては、繊維状SiC/高融点セラミックス粉末の重量比が0.15〜0.35の範囲になるように調節することが好ましい。重量比が0.15未満であると、複合被膜に大きなクラックが発生し易くなり、また複合被膜の密着性も低下する。一方、重量比が0.35を越えると、複合被膜の膜質がポーラス状となり耐熱性が低下することになる。
【0031】
また、(繊維状SiC+高融点セラミックス粉末)/(B2 3 −SiO2 系ガラス)の重量比は0.50〜2.00の範囲に調節することが好ましい。バインダーとなるB2 3 −SiO2 系ガラスに対する、(繊維状SiC+高融点セラミックス粉末)の重量比が0.50未満では、ガラス質のバインダー量が多くなり、耐熱性の低下、複合被膜の強度低下などを招くためである。しかし、重量比が2.00を越えると、ガラスバインダーに対するセラミックスフィラー(繊維状SiC+高融点セラミックス粉末)量が多く、複合被膜形成時に大きなクラックが発生し易く、複合被膜の密着性も低下することになる。
【0032】
なお、上述したようにバインダーとなるB2 3 −SiO2 系ガラスの組成は、軟化温度を調整するためにB2 3 /SiO2 のモル比を0.25〜1.00の範囲に調整することが好ましい。
【0033】
混合スラリーを、コンバージョン法によりC/C複合基材面に形成したSiC被膜の第1被覆層上に、刷毛塗りやスプレーなどの適宜な手段で均一に塗布し、乾燥した後、不活性雰囲気などの非酸化性雰囲気中で、例えば1200〜1400℃の温度で熱処理することにより、高融点セラミックス粉末、繊維状SiC、及び、B2 3 −SiO2 系ガラスの複合被膜からなる第2被覆層が、第1被覆層の上に積層、形成される。
【0034】
第2被覆層の膜厚は50〜200μm 程度が好適である。膜厚が50μm を下回ると酸化に対する保護効果が小さく、C/C複合材の耐酸化寿命が短くなる。しかし、200μm を越える膜厚になると、剥離や脱落が生じ易くなるためである。
【0035】
このようにして形成された第2被覆層は、高融点セラミックス粉末と繊維状SiC及びB2 3 −SiO2 系ガラスの各成分が複合的に作用して、1500℃程度の高温酸化性雰囲気においても耐酸化保護膜として効果的に機能することができる。更に、第2被覆層にクラックが発生した場合にもB2 3 −SiO2 系ガラス成分の軟化によりクラックが充填、目詰めされ、クラックが修復される。すなわち、優れた自己修復機能を有している。その結果、コンバージョン法による第1被覆層とともに機能して、耐酸化性及び耐久性に優れたC/C複合材を製造することができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明する。
【0037】
実施例1〜6、比較例1〜6
(1)C/C複合基材の作製
ポリアクリロニトリル系高強度高弾性タイプの平織炭素繊維布に、フェノール樹脂初期縮合物をマトリックス樹脂として十分に塗布し、48時間風乾してプリプレグシートを得た。このプリプレグシート16枚を積層してモールドに入れ、温度110℃、圧力20kg/cmの条件で熱圧成形した。この成形体を250℃の温度に加熱してマトリックス樹脂を硬化した後、窒素雰囲気に保持された焼成炉内に移し、5℃/hr の昇温速度で2000℃まで加熱し、5時間保持して焼成炭化した。このようにして、炭素繊維の体積含有率(Vf)が65%、嵩密度が1.65 g/cmのC/C複合基材(試料サイズ縦横30mm、厚さ4mm)を作製した。
【0038】
(2)第1被覆層の形成
SiO2 粉末とSi粉末を2:1(重量比)の割合で混合し、混合粉末を黒鉛坩堝に入れて、上部に上記のC/C複合基材をセットした。この黒鉛坩堝を電気炉内に移し、内部をアルゴンガスで十分に置換した後、50℃/hr の昇温速度で1850℃まで昇温させ、1時間保持してC/C複合基材の表層部に傾斜機能組織を有する多結晶質SiC被膜からなる第1被覆層を形成した。形成したSiC被覆層の厚さは約100μm で、その表面には幅数μm の微細なクラックが発生しているのが認められた。
【0039】
(3)第2被覆層の形成
高融点セラミックス粉末として、平均粒径0.4μm のY2 3 粉末、繊維状SiCとして、直径1.0〜1.4μm 、長さ20〜30μm のSiCウイスカーを用いて、B2 3 /SiO2 のモル比が異なるB2 3 −SiO2 系ガラス前駆体溶液に重量比を変えて混合し、ボールミルで攪拌して混合スラリーを調製した。
【0040】
この混合スラリーを、C/C複合基材面に形成した第1被覆層上に塗布して、大気中500℃で熱処理して乾燥した後、窒素雰囲気中1400℃の温度により熱処理した。このようにして、Y2 3 粉末、SiCウイスカー及びB2 3 −SiO2 ガラスとの複合被膜からなる第2被覆層を、第1被覆層の上に積層形成した。なお、第2被覆層の厚さは約100μm となるように制御した。
【0041】
比較例7〜8
実施例において、Y粉末あるいはSiCウイスカーのうち、いずれか1つの成分を含まない混合スラリーを調製して第1被覆層上に塗布した他は、実施例と同じ方法により第2被覆層を積層形成した。
【0042】
このようにして、C/C複合基材面に第1被覆層及び第2被覆層を積層形成した耐酸化性C/C複合材を製造した。表1に混合スラリーの組成、表2に第2被覆層の被膜の状況を示した。
【0043】
【表1】
Figure 0004539014
【0044】
【表2】
Figure 0004539014
【0045】
(4)耐酸化性能の評価
第1被覆層及び第2被覆層を積層形成した、これらの耐酸化性C/C複合材について、下記の方法により試験を行って、耐酸化性能を評価した。その結果を、表3に示した。
【0046】
▲1▼耐エロージョン性の評価;
プラズマアーク試験装置により、反応室内の圧力を1000Paに減圧し、温度を1350℃と1550℃の2水準で1200秒間アークプラズマを照射し、耐酸化被膜の重量減少量を測定して耐エロージョン性を評価した。
【0047】
▲2▼耐熱衝撃性の評価;
急速加熱試験装置を用いて、反応室内の圧力を5Paに減圧し、室温から1500℃まで60秒間で昇温して、耐酸化被膜の剥離状況を観察し、被膜の密着性を評価した。また、予め、カッターにより第2被覆層にクラックを想定した傷を入れておき、加熱試験後の傷の消失状況を観察して、被膜の自己修復機能を評価した。
【0048】
【表3】
Figure 0004539014
【0049】
表1〜3の結果から、本発明の第1被覆層、及び、第2被覆層を積層形成した実施例では、1000Pa−1350℃、或いは1550℃という低圧、高温下のエロージョン試験において、被覆層の減耗が少なく安定に維持され、優れた耐久性を保持していることが分かる。また、熱衝撃試験では下地のSiC層との密着性が良好であり、更に、クラックを想定した傷が加熱試験後に消失していることから、耐酸化性に優れた自己修復性被覆層が形成されていることが分かる。これに対して、比較例7、8では被覆層の劣化が著しいこと、下地のSiC層との密着性が低いこと、自己修復性の機能を持たないこと等によりC/C材の損傷が進み、耐酸化性、耐熱衝撃性とも十分でないことが認められた。
【0050】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、傾斜機能組織の多結晶質SiC被膜からなる第1被覆層と、高融点セラミックス粉末、繊維状SiC及びB2 3 −SiO2 系ガラスとの複合被膜からなる第2被覆層が積層形成され、高度の耐酸化性能を備え、耐久性に優れたC/C複合材、及び、その製造方法を提供することが可能となる。特に、高温、低圧下において優れた耐エロージョン性と密着性を示し、また、第2被覆層にクラックが発生しても自己修復機能が高く、高度の耐久性を有するので、苛酷な高温酸化性雰囲気に曝される宇宙往還機等の構造部材をはじめとして各種工業分野における構造部材として極めて有用である。

Claims (4)

  1. C/C複合基材面に、傾斜機能組織の多結晶質SiC被膜からなる厚さ50〜100μmの第1被覆層、融点が1800℃以上の高融点セラミックス粉末、繊維状SiC、及び、B −SiOガラスとの複合被膜からなる厚さ50〜200μmの第2被覆層、が積層形成されてなり、第2被覆層は、該高融点セラミックス粉末と繊維状SiC及びB−SiOガラス前駆体溶液との混合スラリーを第1被覆層面に塗布して乾燥した後、非酸化性雰囲気中で熱処理して得られるものであり、混合スラリーが、繊維状SiC/該高融点セラミックス粉末の重量比が0.15〜0.35、(繊維状SiC+該高融点セラミックス粉末)/(B−SiOガラス)の重量比が0.50〜2.00、B−SiOガラスのB/SiOのモル比が0.25〜1.00の組成であることを特徴とする耐酸化性C/C複合材。
  2. 炭素繊維をマトリックス樹脂と共に複合成形し、硬化及び焼成炭化して得られるC/C複合基材に、非酸化性雰囲気中でSiOガスと接触させてコンバージョン法によりSiC被膜からなる厚さ50〜100μmの第1被覆層を形成する第1被覆工程、次いで、融点が1800℃以上の高融点セラミックス粉末と繊維状SiC及びB −SiOガラス前駆体溶液との混合スラリーを塗布して乾燥した後、非酸化性雰囲気中で熱処理して該高融点セラミックス粉末、繊維状SiC、及び、B−SiOガラスとの複合被膜からなる厚さ50〜200μmの第2被覆層を形成する第2被覆工程、とを順次に施すものであり、混合スラリーが、繊維状SiC/該高融点セラミックス粉末の重量比が0.15〜0.35、(繊維状SiC+該高融点セラミックス粉末)/(B−SiOガラス)の重量比が0.50〜2.00、B−SiOガラスのB/SiOのモル比が0.25〜1.00の組成であることを特徴とする耐酸化性C/C複合材の製造方法。
  3. 該高融点セラミックス粉末がY、Al、2Al−3SiO、SiC、Si及びMoSiから選ばれた1種または2種以上の混合物である請求項2記載の耐酸化性C/C複合材の製造方法。
  4. 繊維状SiCがSiCウイスカーである請求項2記載の耐酸化性C/C複合材の製造方法。
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