JP3431958B2 - 炭素繊維強化炭素材の耐酸化処理法 - Google Patents

炭素繊維強化炭素材の耐酸化処理法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、苛酷な高温酸化雰囲気
下において優れた酸化抵抗性を発揮する炭素繊維強化炭
素材(以下「C/C材」という。)の耐酸化処理法に関
する。
【0002】
【従来の技術】C/C材は、1000℃以上の高温域に
おいても優れた比強度、比弾性率を発揮するうえ、熱膨
張率が小さい等の特異な材質特性を有しているため、航
空・宇宙材料としての適用が考えられている。ところ
が、この材料には易酸化性という炭素材固有の材質的な
欠点があり、大気中では500℃付近から酸化を受けて
材質特性が急激に減退するため、高温大気中での使用は
極く短時間で済む用途を除いて不可能であった。このた
め、C/C材の表面に耐熱耐食性の各種セラミックス系
物質による耐酸化性被覆を施して改質化する試みが従来
から盛んにおこなわれているが、炭素材料との結合性が
よいSiCが最も好適な被覆材料とされている。
【0003】通常、炭素材料の表面にSiCの被覆を施
す方法としては、気相反応により生成するSiCを直接
沈着させるCVD法(化学的気相蒸着法)が一般的な被
覆手段とされている。このCVD法では緻密な耐酸化皮
膜を形成することは可能であるが、被覆工程で基材とな
る炭素材料を1000℃以上まで加熱しなければならな
い関係で冷却時に被覆層が剥離したり亀裂を生じたりす
る現象が発生し易い。これらの現象は、基材炭素と被覆
SiCの熱膨張差が大きいために最大歪みが追随できな
いことに起因するものである。したがって、基材炭素の
熱膨張率をSiCと同等に調整することにより解決する
ことができるが、C/C材の場合には材質の熱膨張率が
複合強化材となる炭素繊維の熱膨張率に拘束されるため
自由に調整することができない。このような理由で、C
/C材を基材としたときにはCVD法で正常なSiC被
覆層を形成することは極めて困難である。
【0004】これに対し、基材の炭素を反応源に利用し
てSi成分と反応させることによりSiCに転化させる
コンバージョン法は、基材の表層部が連続組織としてS
iC層を形成する傾斜機能材質となるため、C/C材を
被覆基材としてもSiC被覆層にCVD法にみられるよ
うな界面剥離を生じることはない。しかしながら、コン
バージョン法においては、形成されるSiC被覆層がC
VD法に比べて緻密性に劣るうえ、反応時、被覆層に微
細なクラックが発生する問題がある。
【0005】このような問題を解消するための技術につ
いては本出願人により多くの開発がなされているが、こ
のうち本発明者はコンバージョン法で形成したSiC被
覆層の上に外層として二珪化モリブデンの耐酸化被膜を
形成するC/C材の耐酸化処理法(特開平4−2439
90号公報)、更にこれを改良してコンバージョン法に
よるSiC被覆の内層、SiC−MoSi2 の複合膜か
らなる中間層、および多孔質MoSi2 皮膜の外層を形
成するC/C材の耐酸化処理法を提案(特願平4−6905
7 号) した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特願平4−69057
号の発明に係るC/C材の耐酸化処理法によれば、中間
層としてSiC組織内に拡散形成したSiC−MoSi
2 の複合膜が内外層の密着性を効果的に向上させ、例え
ばプラズマ照射のような苛酷な動的酸化条件下でも十分
な耐酸化性を発揮させることができる。
【0007】本発明者は、より好適な被覆層の形成条件
について引き続き研究を重ねる過程で、前記先願技術の
中間層被覆工程において用いる結合材を珪酸ナトリウム
に限定し、かつその使用量を一定限度以下に設定した場
合に高温域での耐酸化性能が一層改善させることを確認
した。
【0008】本発明は上記の知見に基づいて開発された
もので、その目的は先願技術(特願平4−69057 号) を
改良して1800℃を越える苛酷な動的酸化条件におい
ても安定した高度の耐酸化性を付与することができるC
/C材の耐酸化処理法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるC/C材の耐酸化処理法は、炭素繊維
強化炭素材の基材面に、SiOガスを接触させてコンバ
ージョン法によりSiC被覆層を形成する内層被覆工程
と、粒状二珪化モリブデンに対し3.0重量%以下の珪
酸ナトリウムを含む水性スラリーを塗布したのち不活性
雰囲気下で2000℃以上の高温に加熱することにより
MoSi2 として融解し、内層のSiC被覆組織内に拡
散させてSiC−MoSi2 の複合膜を形成する中間層
被覆工程と、ついで中間層被覆工程と同一の水性スラリ
ーを塗布したのち、不活性雰囲気下で2000℃までの
温度に加熱して多孔質のMoSi2 皮膜を形成する外層
被覆工程とからなることを構成上の特徴とする。
【0010】C/C基材を構成する炭素繊維には、ポリ
アクリロニトリル系、レーヨン系、ピッチ系など各種原
料から製造された平織、朱子織、綾織などの織布を一次
元または多次元方向に配向した繊維体、フェルト、トウ
が使用され、マトリックス樹脂としてはフェノール系、
フラン系など高炭化性の液状熱硬化性樹脂、タールピッ
チのような熱可塑性物質が用いられる。炭素繊維は、含
浸、塗布などの手段によりマトリックス樹脂で十分に濡
らしたのち半硬化してプリプレグを形成し、ついで積層
加圧成形する。成形体は加熱して樹脂成分を完全に硬化
し、引き続き常法に従って焼成炭化または更に黒鉛化し
てC/C基材を得る。また、用途によってはマトリック
ス樹脂の含浸、硬化、炭化の処理を反復したり、CVD
法を用いてメタン、プロパン等を原料とする熱分解炭素
を沈着させて組織の緻密化を図ることもできる。
【0011】C/C基材には、まず基材面にSiOガス
を接触させてコンバージョン法によりSiC被膜を形成
するための内層被覆が施される。この内層被覆工程は、
SiO2 粉末をSiもしくはC粉末と混合して密閉加熱
系に入れ、系内にC/C基材をセットして1700〜2
000℃の温度に加熱する方法によりおこなわれる。加
熱によりSiO2 はSiまたはC成分で還元され、反応
生成したSiOガスがC/C材を構成する炭素組織と界
面反応して表層部をSiCに転化する。該被覆処理によ
り、C/C基材の表層部が外面に向かうに従って次第に
SiCが密になる傾斜機能組織の多結晶質SiC被膜が
形成される。形成するSiC被膜の適切な膜厚は100
〜300μm の範囲で、100μm 未満では耐酸化性が
不十分になることがあり、また300μm を越えると急
激な熱サイクル負荷時に被膜剥離が発生するようにな
る。
【0012】中間層被覆工程は、内層被覆工程で形成し
たSiC被覆層に連続組織状態のSiC−MoSi2
合膜を形成する段階で、粒状二珪化モリブデンと結合材
を含む水性スラリーを塗布したのち、不活性雰囲気下で
2000℃以上の高温に加熱してMoSi2 として融解
し、これをSiC被覆組織内に拡散させてSiC−Mo
Si2 の複合膜を形成する工程でおこなわれる。
【0013】本発明の主要な構成的特徴は、この工程の
結合材として珪酸ナトリウムを選定し、かつ該珪酸ナト
リウムを粒状二珪化モリブデンに対し3.0重量%以下
の範囲内で配合して水性スラリーを形成する点にある。
結合材に珪酸ナトリウムを選択使用するのは、例えば珪
酸エチルのような有機質の珪素含有化合物を使用すると
加熱処理した際にMoSi2 の結晶構造が乱れて非晶質
状態となるため、高温時の耐酸化性能を減退させる結果
を招くことと、無機質の珪素含有化合物において珪酸ナ
トリウムが最も安定なバインダー性能を有する水溶性の
物質であるからである。また、珪酸ナトリウムの配合を
粒状二珪化モリブデンに対して3.0重量%以下に比率
に限定する理由は、この配合比率が3.0重量%を越え
ると高温に曝された場合に含有Na成分が反応してMo
Si2 層を組織分解させる現象が生じるためである。よ
り好ましい珪酸ナトリウムの配合量比は粒状二珪化モリ
ブデンに対して0.5〜1.5重量%の範囲である。
【0014】水性スラリーは、配合水量を制御して粘度
を500〜1000cpの範囲に調整することが望まし
い。塗布はドクターブレード法、ヘラ塗り、刷毛塗り、
スプレー噴射などを用いておこない、全表面が均一に被
覆されるまで十分に処理する。塗布後のC/C基材は乾
燥したのち不活性雰囲気下で2000℃以上の温度域、
好ましくは2050〜2150℃の温度範囲に加熱して
一旦MoSi2 として融解し、この状態で加熱を継続し
て融解したMoSi2 を内層のSiC被覆層組織に拡散
させてSiC−MoSi2 の複合膜に転化させる。
【0015】ついで、SiC−MoSi2 複合層の上面
に外層被覆層として多孔質のMoSi2 皮膜を形成す
る。この外層被覆工程は、前記の中間層被覆工程で用い
たと同組成の粒状二珪化モリブデンと珪素含有結合材を
含む水性スラリーを塗布し、不活性雰囲気下で2000
℃までの温度域、好適には1500〜1600℃の温度
範囲に加熱して部分的に焼結した多孔質のMoSi2
として形成する。この工程では、二珪化モリブデン粉末
を形成するMoSi2 皮膜が多孔質組織となる粒度に配
合調整し、膜厚が50〜200μm の範囲になるように
形成する。膜厚が50μm 未満であると耐酸化性被膜と
しての十分な機能が発揮されず、200μm を越えると
熱応力に対する緩和機能が低下してクラックが発生し易
くなる。したがって、1回の塗布操作で前記範囲の膜厚
が得られない場合には、塗布操作を反復して膜厚を調整
することが好ましい対応となる。
【0016】本発明の基本構成は上記工程による3層被
覆構造であるが、この構成に加えて外層被覆面にSiO
2 ガラス膜を被覆する最外層被覆工程を施すことにより
一層耐酸化性を向上させることができる。この最外層被
覆工程は、テトラエトキシシラン〔Si(OC2H5)4〕を塩酸
と水の混合溶液により予めpH1〜3に調整して加水分
解するゾル−ゲル法によりゾル化し、生成したSiO2
前駆体に外層被覆処理まで施したC/C基材を浸漬して
必要により減圧処理したのち400℃以上の温度に加熱
することによりおこなわれる。
【0017】
【作用】本発明の耐酸化処理法によれば、内層被覆工程
でC/C基材の表面にコンバージョン法による多結晶質
のSiC被覆層が形成される。このSiC被覆層は比較
的緻密で密着性の高い傾斜機能組織を有しており、容易
に界面剥離することはない。中間層被覆工程で形成され
るSiC−MoSi2 複合膜は、形成時の溶融・拡散作
用を介して内層のSiC組織に連続する傾斜機能組織と
して極めて強固に結合し、外層のMoSi2 層との密着
性を高めるために機能する。この際、SiC内層に塗布
する水性スラリーの組成として、粒状二珪化モリブデン
とこれに対して3.0重量%以下の珪酸ナトリウムを配
合することにより、高温時において安定した高耐酸化性
能が効果的に付与される。
【0018】ついで、外層として被覆されるMoSi2
層は、中間層中のMoSi2 組織と焼結して密着性よく
結合するため動的酸化条件に耐える強固な被覆層として
形成される。また、外層MoSi2 皮膜は粉末相互が部
分的に焼結した多孔質構造を呈しているから、内層Si
Cとの熱膨張差から生じる界面の熱応力を巧みに緩和し
て亀裂等の発生を阻止するとともに、高温酸化雰囲気に
曝された際にはMoSi2 がSiO2 ガラスに転化し、
表層面を均一な保護被膜として被覆する。さらに、最外
層被覆としてSiO2 ガラス膜を形成した場合には耐酸
化性能が一層向上する。
【0019】このような各被覆層の機能が相乗して、プ
ラズマ照射のような過酷かつ動的な高温域の酸化条件に
おいても極めて安定した高耐酸化性能が付与される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0021】実施例1〜3、比較例1〜2 (1) C/C基材の作製 ポリアクリロニトリル系高強度高弾性タイプの平織炭素
繊維布にフェノール樹脂初期縮合物〔大日本インキ工業
(株)製〕をマトリックスとして十分に塗布し、48時
間風乾してプリプレグシートを作成した。このプリプレ
グシートを積層してモールドに入れ、加熱温度110
℃、適用圧力20kg/cm2の条件で複合成形した。つい
で、複合成形体を250℃の温度に加熱して完全に硬化
したのち、窒素雰囲気に保持された焼成炉に移し、5℃
/hr の昇温速度で2000℃まで上昇し5時間保持して
焼成炭化した。このようにして、炭素繊維の体積含有率
(Vf)65%、見掛比重1.65g/ccのC/C基材を作製
した。
【0022】(2) 内層被覆工程 SiO2 粉末とSi粉末をモル比2:1の配合比率にな
るように混合し、混合粉末を黒鉛ルツボに入れ上部にC
/C基材をセットした。この黒鉛ルツボを電気炉内に移
し、内部をArガスで十分に置換したのち50℃/hr の
速度で1900℃まで昇温し、2時間保持してC/C基
材の表層部に傾斜機能を有する多結晶質のSiC被覆層
を形成した。形成されたSiC被覆層の厚さは約200
μm であったが、その表面に幅10μm 程度の亀裂が所
々に発生していることが認められた。
【0023】(3) 中間層被覆工程 粒径6〜12μm の粒分と粒径2〜5μm の粒分を等量
配合した二珪化モリブデンに、珪酸ナトリウム〔関東化
学(株)製〕を所定の量比で配合し、更に水を加えて粘
度1000cpの粘稠性スラリーを調製した。この水性ス
ラリーを、内層被覆処理されたC/C基材の表面に均一
に塗布し、室温で2時間風乾した。ついで、アルゴンガ
ス雰囲気に保持された加熱炉に入れ、2050℃で30
分間加熱処理を施した。この処理により、塗布物は一旦
MoSi2 として融解し、そのまま内層のSiC被覆組
織内に拡散してSiC−MoSi2 複合膜に転化した。
SiC被覆組織内へのMoSi2 の拡散深さは80〜9
0μm 程度であり、この部分はSiC−MoSi2 組成
の傾斜機能組織を呈するものであった。
【0024】(4) 外層被覆工程 中間層被覆処理を施したSiC−MoSi2 複合膜の上
面に中間層被覆工程で用いた水性スラリーを均一に塗布
し、室温で2時間風乾した。ついで、アルゴンガス雰囲
気に保持された加熱炉に入れ、1500℃で30分間加
熱処理をおこなった。形成されたMoSi2 膜は粉末相
互が部分的に焼結した多孔質組織を有しており、平均膜
厚は130μm であった。
【0025】(5) 耐酸化性の評価 上記の被覆処理を施したC/C基材に、大気中でプラズ
マフレーム(基材表面温度1900℃) を6分間照射するサ
イクルを5周期反復して素材の重量変化を測定する方法
で動的酸化条件による耐酸化性の評価をおこなった。得
られた周期毎の重量変化率を中間層被覆工程における水
性スラリーの粒状二珪化モリブデンに対する珪酸ナトリ
ウムの配合比率と対比させて表1に示した。
【0026】実施例4 実施例2の工程で得られた3層被覆構造のC/C材の上
面に、次の工程によりSiO2 ガラス膜の最外層被覆を
施した。テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4)〔東芝シリ
コーン(株)製〕とエタノールの混合溶液(モル比1:
7)に塩酸水溶液をpH3.0になるように添加し、常
温で1時間撹拌して加水分解をおこなってSiO2 ガラ
ス前駆体を作成した。このガラス前駆体中に実施例2の
処理を施したC/C基材を浸漬し、1時間減圧含浸した
のち1昼夜室温で乾燥した。乾燥後、500℃の温度で
10分間加熱してSiO2 ガラス膜に転化させた。この
ようにして4層の被覆処理を施したC/C基材につき、
実施例1と同様にしてプラズマフレームによる耐酸化試
験をおこない、結果を表1に併載した。
【0027】比較例3 中間層被覆工程において、珪酸ナトリウムの代わりに有
機系の珪素バインダー〔第一工業製薬(株)製、セラモ
TB-72 〕を粒状二珪化モリブデンに対し1.8重量%配
合し、それ以外は全て実施例1に同一条件で耐酸化性C
/C材を製造した。この材料について実施例1と同様の
プラズマフレームによる耐酸化試験をおこない、その結
果を表1に併載した。
【0028】
【表1】
【0029】表1の結果から、 本発明の実施例による
C/C基材は外層のMoSi2 がSiO2 ガラスに転化
する過程で若干に重量増加を伴うが、表面温度が190
0℃に達するプラズマフレームを5周期に亘り反復して
も酸化による重量減少は極めて少ない。特に最外層にS
iO2 ガラス膜を形成した実施例4において優れた高温
耐酸化性を示した。これに対し、珪酸ナトリウム結合材
の配合量比が3.0重量%を越える比較例1、2および
結合材に有機珪素化合物を用いた比較例3では酸化消耗
の進行度合が早くなることが認められた。
【0030】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によればC/C基
材の表面に内層として傾斜機能構造を有する多結晶質の
SiC被覆層、中間層として特定組成のスラリー塗布と
MoSi2 の融解・拡散による傾斜機能構造のSiC−
MoSi2 複合層、外層としてMoSi2 を一部焼結さ
せたMoSi2 層、更に必要に応じてSiO2 ガラス膜
の最外層を順次に被覆形成することにより、プラズマ照
射のような苛酷な動的酸化条件に耐える高耐酸化性のC
/C材を得ることが可能となる。したがって、1800
℃を越える酸化性雰囲気に曝される部材用途に適用して
安定性能の確保、耐久寿命の延長化などの効果が発揮さ
れる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維強化炭素材の基材面に、SiO
    ガスを接触させてコンバージョン法によりSiC被覆層
    を形成する内層被覆工程と、粒状二珪化モリブデンに対
    し3.0重量%以下の珪酸ナトリウムを含む水性スラリ
    ーを塗布したのち不活性雰囲気下で2000℃以上の高
    温に加熱することによりMoSi2 として融解し、内層
    のSiC被覆組織内に拡散させてSiC−MoSi2
    複合膜を形成する中間層被覆工程と、ついで中間層被覆
    工程と同一の水性スラリーを塗布したのち、不活性雰囲
    気下で2000℃までの温度に加熱して多孔質のMoS
    2 皮膜を形成する外層被覆工程とからなることを特徴
    とする炭素繊維強化炭素材の耐酸化処理法。
  2. 【請求項2】 外層被覆面に、テトラエトキシシランを
    加水分解重合して得られるSiO2 ガラス前駆体を含浸
    させたのち加熱してSiO2 ガラス膜を形成する最外層
    被覆工程を施す請求項1記載の炭素繊維強化炭素材の耐
    酸化処理法。
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