JPH0794354B2 - 耐酸化性c/c材とその製造方法 - Google Patents

耐酸化性c/c材とその製造方法

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JPH0794354B2 JP2150641A JP15064190A JPH0794354B2 JP H0794354 B2 JPH0794354 B2 JP H0794354B2 JP 2150641 A JP2150641 A JP 2150641A JP 15064190 A JP15064190 A JP 15064190A JP H0794354 B2 JPH0794354 B2 JP H0794354B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高温酸化雰囲気下において優れた酸化抵抗性
を示す耐熱耐酸化性のC/C材(炭素繊維強化炭素材)と
その製造方法に関する。
〔従来の技術〕 C/C材は、卓越した比強度、比弾性率を有するうえに優
れた耐熱性、耐食性を備えるため、航空宇宙用をはじめ
多分野の構造材料として脚光を浴びている。
通常、該C/C材は炭素繊維の織布、フエルト、トウなど
を強化材とし、これに炭化残留率の高いマトリックス樹
脂液を含浸または塗布して積層成形したのち、硬化およ
び焼成炭化処理することにより製造されるが、この材料
は大気高温雰囲気下で酸化され易い炭素材固有の材質的
な欠点をそのまま引き継いでおり、これが汎用性を阻害
する最大のネックになっている。このため、C/C材の表
面に耐酸化性の被覆を施して改質化する試みが従来から
なされており、例えばZrO2、Al2O3、SiCなどのセラミッ
クス系物質により被覆処理する方法が提案されている。
しかし、SiC以外の被覆層では使用時における熱サイク
ルで被覆界面に層間剥離や亀裂を生じ、酸化の進行を充
分に阻止する機能が発揮されない。
SiCの被覆層においても、被膜形成の方法によって層間
剥離が多く発生する場合がある。すなわち、C/C基材の
表面にSiCの被覆を施す方法としては、基材の炭素を反
応源に利用してSiCに転化させるコンバージョン法と、
気相反応により析出したSiCを直接沈着させるCVD(化学
的気相蒸着)法とがある。このうち前者の方法は基材面
に例えばSiCl4のようなハロゲン化珪素化合物の水素還
元によりSi層を形成したり、基材にポリカルボシランな
どの有機珪素化合物を溶液状態で強制含浸したり、もし
くは基材面にSiO2とSi、C等を反応させて生成したSiO
ガスを接触させ、これらの珪素成分と基材の炭素組織と
加熱反応させてSiCに転化させる機構によるもので、基
材表面が連続組織としてSiC層を形成するため被覆界面
がなく、層間剥離が生じ難い被膜特性を示す。一方、後
者のCVD法はSiCl4などの珪素化合物と炭化水素類(例え
ばC3H8)との加熱反応、あるいはトリクロロメチルシラ
ン(CH3SiCl3)のような炭化水素を含むハロゲン化有機
化合物の還元熱分解などにより気相析出したSiCを基材
表面に析出沈着させるもので、この場合には被覆界面が
明確に分れているため熱衝撃を与えると相互の熱膨張差
によって層間剥離現象が多発し易い。
したがって、C/C材にSiC被覆による耐酸化被膜を形成す
る方法としてはコンバージョン法、とりわけ緻密質なSi
C層に転化するSiOガスを接触させる方法を適用すること
が望ましい。
〔発明が解決しようとする課題〕
SiOガスの接触機構によるコンバージョン法において
は、SiOガスとC/C基材組織面の炭素成分との間に次式の
ような反応が生じる。
SiO+C→SiC+CO したがって、被覆工程の反応段階でC/C基材組織面を構
成する炭素成分はCOとなてガス離脱しながらSiCへの転
化が進み、このガス離脱が原因でSiC粒子間に微小な空
隙(ピンホール)が形成される事態が発生する。また、
コンバージョン法によるSiC被膜であっても、層厚その
他の条件によっては反応時に微小なクラックを生じるこ
とがあり、前記の微小空隙と併せて耐酸化性を減退され
る問題点がある。
本発明者は、上記の問題点を解消する方法について研究
を重ねた結果、C/C基材面にSiO接触によるコンバージョ
ン法で形成したSiC被膜面に、さらにSiO2、B2O3等のガ
ラス被覆層を形成すると緻密で密着性に優れる実質的に
ガス不透過性の被膜が形成されることを確認した。
本発明は上記の知見に基づいて開発されたもので、その
目的は高温酸化雰囲気において優れた酸化抵抗性を示す
耐酸化性C/C材とその製造方法を提供するところにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するための本発明による耐酸化性C/C
材は、炭素繊維強化炭素基材の表面に、SiC被覆層、SiO
2微粒被覆層、SiO2ガラス被覆層またはB2O3ガラス被覆
層もしくはB2O3・SiO2ガラス被覆層が3層状に積層被覆
されてなる構造を特徴とするものである。
該構成において、SiO2微粒被覆層はSiC被覆層に生成す
るクラックを充填するとともに上層に被覆するSiO2、B2
O3もしくはこれらが複合したB2O3・SiO2からなるガラス
層と密着する中間層として機能し、最終的に3層状の緻
密被覆層を呈して外面の酸化性雰囲気とC/C基材とを完
全に遮断する一体積層構造を形成する。
上記の耐酸化性C/C材を製造するための本発明による方
法は、炭素繊維をマトリックス樹脂とともに複合成形し
硬化および焼成炭化処理して得られる炭素繊維強化炭素
基体を基材とし、該基材の表面にSiOガスを接触させて
コンバージョン法によりSiC被覆層を形成する第1被覆
工程、Si(OC2H5のアルコール溶液を塩基性領域で
加水分解して得られるSiO2粒子サスペンジョンを真空含
浸する第2被覆工程、Si(OC2H5)のアルコール溶液を
酸性領域で加水分解して得られるガラス前駆体溶液を真
空含浸する第3被覆工程を順次に施し、ついで400℃以
上の温度で加熱処理することを特徴とするプロセスから
なる。前記のプロセスは最外被覆層としてSiO2ガラス層
を形成する構造とする場合の製造方法であるが、最外被
覆層をB2O3ガラス層とする場合には前記プロセスの第3
被覆工程に替えてB(OC12H27を塗布する方法が適
用される。また、最外被覆層をB2O3・SiO2ガラス被覆層
とする構造を形成する場合には、第3被覆工程としてSi
(OC2H5のアルコール溶液を酸性領域で加水分解し
て得られるガラス前駆体溶液を真空含浸したのち、B
(OC12H27を塗布する方法を用いる。
本発明による製造工程の詳細は、以下のとおりである。
まず、基材を構成する炭素繊維には、ポリアクリロニト
リル系、レーヨン系、ピッチ系など各種原料から製造さ
れた平織、綾織などの塗布、フエルトあるいはトウが使
用され、マトリックス樹脂としてはフェノール系、フラ
ン系その他炭化性の良好な液状熱硬化性樹脂が用いられ
る。炭素繊維は、浸漬、含浸、塗布などの手段を用いて
マトリックス樹脂で十分に濡らしたのち半硬化してプリ
プレグを形成し、ついで積層加圧成形する。成形体は加
熱して樹脂成分を完全に硬化し、引き続き常法に従って
焼成炭化処理または更に黒鉛化してC/C基材を得る。
得られたC/C基材は、必要に応じてマトリックス樹脂を
含浸、硬化、炭化する処理を反復して組織の緻密化を図
ることもある。
このようにして得られたC/C基材には、第1被覆工程と
してコンバージョン法によるSiC被膜層が形成される。
外工程は、SiO2粉末をSiもしくはC粉末と混合して密閉
加熱系に収納し、系内にC/C基材をセットもしくは埋没
して加熱反応させることによっておこなわれる。この際
の条件は、SiO2:SiまたはCのモル比を2:1とし、加熱温
度を1850〜2000℃の範囲に設定し、系内を還元または中
性雰囲気とすることが好ましい。
上記の第1被覆工程において、SiO2はSiまたはC成分で
加熱還元されてSiOガスを生成し、このSiOガスがC/C基
材を構成する炭素組織と反応して表層部をSiCに転化さ
せる。好適なSiC被覆層の厚さは、100〜300μmであ
る。
第2被覆工程で使用されるSiO2微粒子サスペンジョン
は、Si(OC2H5とエタノール、メタノールなどのア
ルコールをモル比1:10〜12になるように混合して還流下
で加熱撹拌し、ついで前記Si(OC2H5に対するモル
比が1:25になる量の水とともにNH4OHを加えて塩基性領
域の状態で加熱撹拌して加水分解することにより作製さ
れる。この際の塩基性領域は、pH11.0〜12.5の範囲に調
整することが望ましい。このようにして作製されるサス
ペンジョンは、0.2〜1.2μmのSiO2球状微粒子が均一に
分散した懸濁状態を呈する。第2被覆工程は、第1被覆
工程によりSiC被覆層を形成したC/C材を前記のSiO2微粒
子サスペンジョンに浸漬させ、真空含浸処理したのち乾
燥する工程によっておこなわれる。また、必要に応じて
さらに前記SiO2微粒子サスペンジョンを塗布、乾燥して
第2被覆工程を完了する。
最外被覆層をSiO2ガラス層とする場合に用いられるガラ
ス前駆体溶液は、Si(OC2H5とアルコールをモル比
1:1.5〜7.0になるように混合して室温撹拌し、この溶液
に前記Si(OC2H5に対するモル比が1:2〜11になる量
の水とともにHClを加え酸性領域で撹拌して加水分解す
る方法によって調製される。この際の酸性領域は、pH1
〜3の範囲が好適である。このガラス前駆体溶液に第2
被覆工程後のC/C基材を浸漬し、真空含浸したのち乾燥
して第3被覆工程を完了する。
最外被覆層をB2O3ガラス層で形成するためのは、前記し
たSiO2前駆体により真空含浸する第3被覆工程を、B
(OC12H27を塗布、乾燥する工程に替える方法が採
られる。
また、最外被覆層をB2O3・SiO2からなる硼珪酸ガラス層
として形成する場合には、第3被覆工程として前記操作
に従ってSi(OC2H5のアルコール溶液を酸性領域で
加水分解して得られるガラス前駆体溶液を真空含浸させ
乾燥したのち、B(OC12H27を塗布、乾燥する方法
が適用される。
なお、最外ガラス層の好適な厚さは、5〜10μmであ
る。
上記により第1〜第3被覆工程までの処理を順次に施し
たC/C基材は、ついで400℃以上の温度域で第3被覆工程
で被覆形成した層成分がガラス質に転化するまで加熱す
る。
第1図から第5図は、上記の被覆工程における各段階の
層状態を巨視的に示した模式図である。このうち第1図
はC/C基材1の表面に第1被覆工程によりSiC被覆層2を
形成した状態を示したもので、被覆界面はC/C基材組織
と連続する緻密強固な形態を呈するが被覆層には微小な
空隙、クラック等の凹部が形成されている。第2図は第
2被覆工程によりSiO2微粒被覆層3を形成した状態を示
したもので、前記した空隙、クラック部分にSiO2の微粒
子が充填された2層形態を呈している。第3図は第3被
覆工程でSiO2ガラス層またはB2O3ガラス層4を最外被覆
層として形成した一体3層構造を示したものである。第
4図は最外被覆層としてB2O3・SiO2ガラス層を形成する
過程の段階を示したもので、SiO2微粒被覆層3の上面に
SiO3被覆層4′とB2O3被覆層5が積層形成されている。
第5図は前記第4図の状態を加熱してガラス状に転化し
た構造を示したもので、SiO2とB2O3成分は一体となって
B2O3・SiO2ガラス層6として最外被覆層を形成してい
る。
〔作 用〕
本発明に係る耐酸化性C/C材の構造および製造方法によ
れば、まずSiO接触機構によるコンバージョン法でC/C基
材の表面層を緻密なSiC層に転化する。外工程において
は、加熱時にC/C基材の組織面からのCOガス離脱に伴うS
iC粒子間の微小な空隙(ピンホール)やクラック等の形
成現象が生じるが、これらの欠陥部位は中間層となる微
細なSiO2被覆層が完全に充填して封鎖され、更に最外層
を形成するSiO2ガラス被覆層またはB2O3ガラス被覆層も
しくはB2O3・SiO2ガラス被覆層は加熱過程を通じて前記
中間層の組織内まで浸透しながらガラス質に転化する。
上記のアンカー作用により第2および第3被覆層は極め
て強固な一体積層構造となり、最外層は無孔組織の平滑
面となる。
このような3層被覆形態により、C/C基材の全表面に緻
密で密着性に優れる実質的にガス不透過性の高耐酸化性
被膜が形成される。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1 (1)C/C基材の作製 ポリアクリロニトリル系高弾性タイプの平織炭素繊維布
をフェノール樹脂初期縮合物からなるマトリックス樹脂
液に浸漬して含浸処理した。これを14枚積層してモール
ドに入れ、加熱温度110℃、適用圧力20kg/cm2の条件で
複合成形した。
成形物を250℃の温度に加熱して完全に硬化したのち、
窒素雰囲気に保持された焼成炉に移し、5℃/hrの昇温
速度で1000℃まで上昇し5時間保持して焼成炭化した。
得られたC/C材にフェノール樹脂液を真空加圧下に含浸
し、上記と同様に1000℃に焼成する処理を3回反復して
緻密組織のC/C基材を作製した。
(2)第1被覆工程 SiO2粉末と炭素粉末をモル比2:1の配合比率となるよう
に混合し、混合粉末を黒鉛製ルツボに入れ上部にC/C基
材をセットして黒鉛蓋を被せた。
ついで、ルツボの内外をN2ガス雰囲気に保持しながら18
50℃の温度で1時間反応させてC/C材の表層部をコンバ
ージョン法によりSiCに転化し、厚さ100μmのSiC被膜
層を形成した。
(3)第2被覆工程 Si(OC2H5とエタノールをモル比1:12になる量比で
配合し、70℃の温度で還流撹拌をおこなったのち、前記
Si(OC2H541モルに対し25モル量の水と0.2モル量のNH
4OHの混合液を撹拌しながら滴下した。滴下後の溶液pH
は、12.0であった。引き続き1時間撹拌を継続し、約0.
2μmの球状微粒子が均一に懸濁するサスペンジョンを
調製した。
このSiO2微粒子サスペンジョンに第1被覆工程を施した
C/C基材を浸漬して1時間真空含浸処理をおこない、風
乾後、110℃の温度で乾燥した。ついで、表面に前記SiO
2微粒子サスペンジョンを塗布して風乾したのち、110℃
の温度で乾燥した。
(4)第3被覆工程 Si(OC2H5とエタノールをモル比1:7になる量比で配
合して室温で撹拌したのち、前記Si(OC2H541モルに
対し11モル量の水と0.03モル量のHClの混合液を撹拌し
ながら滴下した。滴下後の溶液pHは、3.0であった。引
き続き1時間撹拌を継続し、ガラス前駆体溶液を調製し
た。
このガラス前駆体溶液に第2被覆工程を施したC/C基材
を浸漬して1時間真空含浸処理をおこない、風乾後、70
℃、110℃および200℃の各温度段階で30分宛乾燥した。
(5)ガラス化処理 第3被覆工程を施したC/C基材を電気炉に移し、500℃の
温度で10分間加熱して第3被覆工程で形成したSiO2被覆
層をガラス質に転化させた。この場合のSiO2ガラス層の
厚さは、8μmであった。
(6)耐熱耐酸化試験 上記の工程によりC/C基材の表面にSiC被覆層、SiO2微粒
被覆層およびSiO2ガラス被覆層からなる3層状の積層被
覆を施した耐酸化性C/C材につき、次の条件によるプラ
ズマフレーム暴露試験をおこなった。
試片サイズ:30×50×2mm プラズマ温度:1300℃ 雰囲気:大気中 暴露時間:6分 暴露回数:1〜10サイクル プラズマガス生成条件:アルゴンガス、流量30/mi
n.、電流275A プラズマから試片までの距離:25mm 上記の暴露試験後における試片の重量減少率は表1のと
おりであった。
比較のために、第1被覆工程によるSiC被覆層のみを形
成した試片につき同一条件で暴露試験をおこなったとこ
ろ、20秒のフレーム照射で被膜が貫通した。
実施例2 実施例1の第3被覆工程以降を次の工程に変更して耐酸
化性C/C材を製造した。
第2被覆工程後のC/C基材表面にB(OC12H27を均等
に塗布し、1昼夜風乾してH3BO3に加水分解した。つい
で、C/C基材を電気炉中で600℃の温度で10分間加熱処理
してH3BO3をB2O3ガラスに転化した。
得られた耐酸化性C/C材につき、実施例1と同一条件に
よりプラズマフレーム暴露による酸化消耗試験をおこな
った。その結果を表2に示した。
表2の結果から、優れた耐熱耐酸化性を示すことが認め
られた。
実施例3 実施例1と同一のC/C基材を対象として、下記の工程に
よりSiC被覆層、SiO2微粒被覆層およびB2O3・SiO2ガラ
ス被覆層からなる3層被覆の耐酸化性C/C材を製造し
た。
(1)第1被覆工程 SiO2粉末と炭素粉末をモル比2:1の配合比率となるよう
に混合し、この混合粉末中にC/C基材を埋め込んだ状態
で黒鉛製ルツボに充填し、N2雰囲気下で1850℃の温度に
保持した。このようにしてC/C基材の表面に厚さ200μm
のSiC被覆層を形成した。
(2)第2被覆工程 実施例1と同一条件でSiO2微粒被覆層を形成した。
(3)第3被覆工程 実施例1の第3被覆工程を同一条件によりSiC2被覆層を
形成した上に、B(OC17H27を均一に塗布し、1昼
夜風乾した。この段階で、第2被覆層の表面にSiO2被覆
層とH3BO3被覆層が積層状に被覆された状態を呈した。
(4)ガラス化処理 被覆処理されたC/C基材を電気炉中に移し、800℃の温度
に加熱して第3被覆工程の被覆層をB2O3・SiO2ガラス質
に反応転化させた。この場合のガラス被覆層の厚さは、
10μmであった。
(5)耐熱耐酸化性試験 実施例1と同一のプラズマフレーム暴露による重量減少
率の測定を、1300℃と1700℃の2段階温度域でおこなっ
た。その結果は表3の通りであった。
表3の結果から、本C/C材は1700℃の苛酷な酸化条件に
おいても十分な耐熱耐酸化性能を有し、暴露試験後の表
面状態も正常であることが認められた。
〔発明の効果〕
以上のとおり、炭素繊維強化炭素基材の表面にSiC被覆
層、SiO2微粒被覆層、SiO2ガラス層またはB2O3ガラス被
覆層もしくはB2O3・SiO2ガラス被覆層が3層状に積層被
覆された本発明によるC/C材は、優れた耐酸化性能を備
えるものである。
したがって、高温酸化雰囲気下の苛酷な条件に晒される
構造部材用途に適用して安定性能の確保、耐用寿命の延
長化などの効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第5図は、本発明の製造方法による各被覆工
程段階での被覆状態を模式的に示した断面図である。 1……C/C基材、2……SiC被覆層 3……SiO2微粒被覆層 4……SiO2又はB2O3ガラス層 4′……SiO2被覆層、5……B2O3被覆層 6……B2O3・SiO2ガラス層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素繊維強化炭素基材の表面に、SiC被覆
    層、SiO2微粒被覆層、SiO2ガラス被覆層またはB2O3ガラ
    ス被覆層もしくはB2O3・SiO2ガラス被覆層が3層状に積
    層被覆されてなる構造の耐酸化性C/C材。
  2. 【請求項2】炭素繊維をマトリックス樹脂とともに複合
    成形し硬化および焼成炭化処理して得られる炭素繊維強
    化炭素体を基材とし、該基材の表面にSiOガスを接触さ
    せてコンバージョン法によりSiC被膜層を形成する第1
    被覆工程、Si(OC2H5のアルコール溶液を塩基性領
    域で加水分解して得られるSiO2微粒子サスペンジョンを
    真空含浸する第2被覆工程、Si(OC2H5のアルコー
    ル溶液を酸性領域で加水分解して得られるガラス前駆体
    溶液を真空含浸する第3被覆工程を順次に施し、ついで
    400℃以上の温度で加熱処理することを特徴とする耐酸
    化性C/C材の製造方法。
  3. 【請求項3】第3被覆工程として、B(OC12H27
    塗布する方法を用いる請求項2記載の耐酸化性C/C材の
    製造方法。
  4. 【請求項4】第3被覆工程として、Si(OC2H5のア
    ルコール溶液を酸性領域で加水分解して得られるガラス
    前駆体溶液を真空含浸したのち、B(OC12H27を塗
    布する方法を用いる請求項2記載の耐酸化性C/C材の製
    造方法。
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