JP3218092B2 - 耐酸化性c/c複合材の製造方法 - Google Patents

耐酸化性c/c複合材の製造方法

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    • C04B41/52Multiple coating or impregnating multiple coating or impregnating with the same composition or with compositions only differing in the concentration of the constituents, is classified as single coating or impregnation

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温酸化雰囲気下にお
いて高度の酸化抵抗性を示す被覆組織層を有する耐酸化
性C/C複合材(炭素繊維強化炭素複合材)の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】C/C複合材は、卓越した比強度、比弾
性率を有するうえに優れた耐熱性および化学的安定性を
備えているため、航空宇宙用をはじめ多くの分野で構造
材料として有用されているが、この材料には易酸化性と
いう炭素材固有の材質的な欠点があり、これが汎用性を
阻害する最大のネックとなっている。このため、C/C
複合材の表面に耐酸化性の被覆を施して改質化する試み
が盛んにおこなわれており、例えばZrO2 、Al2
3 、SiC、Si3 4 等のセラミックス系物質によっ
て被覆処理する方法が提案されている。
【0003】このうち、最も実用性の高い耐酸化層はS
iC被膜である。従来、C/C複合基材の表面にSiC
の被覆を施す方法として、気相反応により生成するSi
Cを直接沈着させるCVD法(化学的気相蒸着法)と、
基材の炭素を反応源に利用して珪素成分と反応させるこ
とによりSiCに転化させるコンバージョン法が知られ
ているが、それぞれに長短がある。すなわち、CVD法
を適用して形成したSiC被覆層は基材との界面が明確
に分離している関係で、熱衝撃を与えると相互の熱膨張
差によって層間剥離現象が起こり易く、高温域での十分
な耐酸化性は望めない。これに対し、コンバージョン法
による場合には基材の表層部が連続的にSiC層に転化
する傾斜機能組織となるため界面剥離を生じることはな
いが、CVD法に比べて緻密性に劣るうえ、反応時、被
覆層に微小なクラックが発生する難点がある。
【0004】このような問題点の解消を図る手段とし
て、C/C複合基材面にSiOガスの接触によるコンバ
ージョン法で第1のSiC被膜を形成し、さらにその表
面をアモルファスSiCが析出するような条件でCVD
法による第2のSiC被覆層を形成する耐酸化処理法
(特開平4−12078 号公報) 、更にこれを改良して第2
の被覆層を減圧加熱下でハロゲン化有機珪素化合物を基
材組織に間欠的に充填して還元熱分解させるパルスCV
I法を用いて形成する耐酸化処理法(特開平4−42878
号公報) 、被覆層をSiC被覆層、SiO2 微粒被覆
層、SiO2 ガラス被覆層またはB2 3 もしくはB2
3 −SiO2 ガラス被覆層が3層状に形成された耐酸
化性C/C材(特開平4−42883 号公報) 等が本出願人
によって開発されている。
【0005】更に本発明者らは、これらの技術を一層発
展させた耐酸化性C/C材として、炭素繊維強化炭素材
の基材面に、傾斜機能を有する多結晶質のSiC被膜か
らなる第1被覆層、アモルファス質または微細多結晶質
のSiC被膜からなる第2被覆層、およびB2 3 −S
iO2 ガラス被膜からなる第3被覆層を積層形成した被
覆構造を提案した(特願平3−25643 号) 。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特願平3−25643 号の
発明による耐酸化性C/C複合材によれば、苛酷な高温
酸化雰囲気に対しても十分安定な耐久性能を発揮する
が、より詳細に検討すると第2被覆層の形成条件が耐酸
化性に微妙な影響を与えることが判明した。
【0007】本発明は、この知見を基に前記の先行発明
を製法面から改良を加えたもので、その目的は苛酷な高
温酸化性雰囲気において高度かつ安定した酸化抵抗性を
発揮する耐酸化性C/C複合材の製造方法を提供しよう
とするところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明による耐酸化性C/C複合材の製造方法は、炭
素繊維をマトリックス樹脂と共に複合成形し硬化および
焼成炭化処理して得られる炭素繊維強化炭素複合材を基
材とし、該基材の表面に反応温度1800〜2000℃
でSiOガスを接触させてコンバージョン法により傾斜
機能組織のSiC被膜を形成する第1被覆工程、ハロゲ
ン化有機珪素化合物と水素との混合ガスを用いてパルス
CVI法により900〜1000℃の加熱温度でアモル
ファス質のSiC被膜を形成する第1段階操作と120
0〜1400℃の加熱温度で微細多結晶質のSiC被膜
を形成する第2段階操作を順次に施す第2被覆工程、つ
いでB(OC12273 およびSi(OC2 5 4
アルコキシド法により加水分解・重合させたガラス前駆
体液を真空含浸してB2 3 −SiO2 ガラス被膜から
なる表面層を形成する第3被覆工程からなることを構成
上の特徴とする。
【0009】また、本発明による第2被覆工程の別の実
施態様は、ハロゲン化有機珪素化合物と水素との混合ガ
スを用いてパルスCVI法によりアモルファス質および
/または微細多結晶質のSiC被膜を形成したのち、非
酸化性雰囲気中で1400℃以上の温度に加熱処理して
被膜性状を高結晶性SiCに転化させるものである。
【0010】まず本発明の基材となるC/C複合材は、
炭素繊維の織布、フエルト、トウなどの強化繊維に炭化
残留率の高いマトリックス樹脂液を含浸または塗布して
プリプレグを形成し、これを積層成形したのち硬化およ
び焼成炭化処理する常用の方法で製造される。この際の
使用材料には特に限定はなく、通常、強化材の炭素繊維
にはポリアクリロニトリル系、レーヨン系、ピッチ系な
ど各種のものが、またマトリックス樹脂としてはフェノ
ール系、フラン系その他炭化性の良好な液状熱硬化性樹
脂類を用いることができる。製造されたC/C複合基材
には、必要に応じてマトリックス樹脂を含浸、硬化、炭
化する処理を反復して組織の緻密化が図られる。
【0011】コンバージョン法により傾斜機能組織のS
iC被膜を形成する第1被覆工程は、SiO2 粉末をS
iまたはC粉末と混合して密閉加熱系に収納し、系内に
C/C複合基材をセットもしくは埋没して加熱反応させ
る方法によりおこなわれる。工程条件としては、SiO
2 に対するSiまたはCの配合量を重量比で2:1、加
熱温度を1800〜2000℃に各設定し、系内を還元
または中性雰囲気に保持することが好ましい。加熱時、
SiO2 はSiまたはC成分により加熱還元されてSi
Oガスを生成し、このSiOガスがC/C複合基材の炭
素組織と反応して表層部をSiCが界面で連続的に濃度
変化する傾斜機能組織のSiC被覆層に転化させる。該
第1被覆工程で形成される好適なSiC被覆層の膜厚
は、100〜300μm である。
【0012】第2被覆工程は、ハロゲン化有機珪素化合
物と水素との混合ガスを石英反応室内で加熱されている
C/C複合基材にガス状態で接触させる操作を短周期で
間欠的に反復するパルスCVI工程によっておこなわれ
る。ハロゲン化有機珪素化合物としてはトリクロロメチ
ルシラン(CH3SiCl3)が好適に用いられ、水素ガスとのモ
ル比(CH3SiCl3/H2) が0.01〜0.05になるように
混合してC/C複合基材が加熱されている減圧状態の反
応室に秒間隔で間欠的な導入・停止を繰り返すことが好
ましい。
【0013】前記の第2被覆工程において、アモルファ
ス質のSiC被膜と微細多結晶質のSiC被膜を順次に
層形成するにはパルスCVI工程の加熱条件を調整し、
まず最初の第一段階操作を900〜1000℃の温度範
囲に設定してアモルファス質のSiC被膜を形成し、つ
いで温度を1200〜1400℃に上昇させた第2段階
操作により微細多結晶質のSiC被膜を重ねて形成する
方法が採られる。この条件設定において、とくに微細多
結晶質SiC被膜を形成する場合の温度調整は重要であ
り、1200℃未満では結晶性状が不安定となり、14
00℃を越えるとSiC被膜が不均質となる。最も好ま
しい加熱温度は1300℃である。また適切な形成膜厚
は、下層のアモルファス質SiC層が10〜30μm 、
上層の微細多結晶質SiC層が30〜50μm である。
【0014】他方、高結晶SiC被膜を形成するには、
パルスCVI工程の加熱温度を900〜1300℃の範
囲に設定して予めアモルファス質および/または微細多
結晶質のSiC被覆層を形成したのち、基材を非酸化性
雰囲気に保持された加熱炉内に移して1500℃以上の
温度に加熱処理してSiC被膜の結晶性を高める方法が
採られる。
【0015】第3被覆工程におけるB2 3 −SiO2
ガラス被膜は、B(OC1227)3およびSi(OC2
5)4 をアルコキシド法によって加水分解・重合させてガ
ラス前駆体液を作製し、この液を第2被覆工程を施した
C/C複合基材に真空含浸したのち500℃以上の温度
で加熱処理する方法で形成される。この際、B2 3
ラスはB(OC1227)3を直接に真空含浸することによ
り形成することができるが、SiO2 ガラスはSi(O
2 5)4 を予めpH1〜2に調整して加水分解重合し
てから真空含浸することが好ましい。また、被覆順序と
して最初にSiO2 ガラスを被覆してからB2 3 ガラ
スを被覆することが好結果を与える。
【0016】
【作用】上記のように本発明の方法ではC/C複合基材
面に3工程の被覆処理を施して耐酸化性被膜が形成され
る。このうち、第1被覆工程で形成されるSiC被膜は
傾斜機能組織を備える緻密で密着性の高い厚膜として形
成される。第2被覆工程で被覆されるアモルファス質と
微細多結晶質の2層構造のSiC被膜は、第1被覆工程
によるSiC被覆層の微小な空隙(ピンホール)やクラ
ック等を充填封止するとともに、アモルファス質または
微小多結晶質による単独のSiC被膜層に比べて高温使
用時におけるSiC被膜組織の緻密保持性が向上し、被
覆性状が極めて安定化する。また、第2被覆工程で加熱
処理により高結晶性SiC層を形成する態様では、結晶
化の過程ならびに加熱時に基材との熱膨張差によって生
じる微細な亀裂を積極的に発生させておき、高温使用時
の性状変動が起こらない組織形態を確保する。第3被覆
工程で形成するB2 3 −SiO2 ガラス被膜は、前記
の第2被覆SiC層に発生した微細なクラックを目詰め
して被覆層の無孔構造化を確実なものとする。
【0017】このように第2被覆工程で形成するSiC
被覆層の結晶性状を予め調整しておくことにより、17
00℃までの高温酸化雰囲気においても極めて高度かつ
安定した耐酸化性能が付与される。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0019】実施例1〜3、比較例1〜4 (1) C/C複合基材の作製 ポリアクリロニトリル系高弾性タイプの平織炭素繊維布
をフェノール樹脂初期縮合物からなるマトリックス樹脂
液に浸漬して含浸処理したのち、14枚積層してモール
ドに入れ、加熱温度110℃、適用圧力20kg/cm2の条
件で複合成形した。成形体を250℃の温度に加熱して
完全に硬化したのち、窒素雰囲気に保持された焼成炉に
移し、5℃/hr の昇温速度で2000℃まで上昇し5時
間保持して焼成炭化した。ついで、得られたC/C材に
フェノール樹脂液を真空加圧下に含浸し、前記と同様の
2000℃焼成処理を3回反復して二次元配向型のC/
C複合基材を作製した。
【0020】(2) 第1被覆工程 SiO2 粉末とSi粉末を2:1(重量比)の配合比率
になるように混合し、混合粉末を黒鉛ルツボに入れ上部
にC/C複合基材(幅30mm、長さ50mm、厚さ5mm) をセ
ットした。この黒鉛ルツボを電気炉に移し、内部をAr
ガスで十分に置換したのち50℃/hr の速度で1850
℃まで昇温させ、2時間保持してC/C複合基材の表層
部に傾斜機能組織を有するSiC被覆層を形成した。形
成されたSiC被覆層の厚さは約200μm であった
が、その表面に幅10μm 程度の亀裂が多数発生してい
ることが認められた。
【0021】(3) 第2被覆工程 第1被覆層を形成したC/C複合基材をパルスCVI装
置の石英反応管内に設置し管内をArガスで十分に置換
したのち高周波誘導加熱によりC/C複合基材の温度を
1000℃に上昇した。ついで、真空ポンプにより反応
管内を2秒で2Torr以下に減圧し、直ちにトリクロロメ
チルシラン(CH3SiCl3)とH2 の混合ガス(CH3SiCl3/H2
ル比0.05) を1秒間で720Torrになるように導入し1
秒間保持した。この管内減圧、反応ガス導入および保持
の操作を4000回のパルスで繰り返し、厚さ約20μ
m のアモルファス質SiC被膜を形成した。引き続き、
C/C複合基材の加熱温度を1300℃に上昇し、パル
ス数5000回で膜厚約30μm の微細多結晶質SiC
被膜を積層形成した。
【0022】(4) 第3被覆工程 第2被覆層を形成したC/C複合基材を真空デシケータ
に入れ、真空ポンプで1Torr以下に減圧したのち、Si
(OC2 5)4 1モルに対し7モル量のエタノールを加
え、11モルの水と0.03モルのHClを混合してp
H1.5で加水分解・重合させたガラス前駆体液を2To
rrの減圧下に流入し、C/C複合基材が完全に浸漬する
まで液を満たして1時間保持した。ついで、C/C複合
基材をデシケータから取り出し、大気雰囲気の電気炉に
移して10℃/min. の昇温速度で500℃まで加熱し、
この温度に30分間保持してSiO2 ガラスの被膜を形
成した。
【0023】SiO2 ガラス被覆を形成したC/C複合
基材を真空デシケータに入れ、1Torr以下に減圧したの
ち、B(OC1227)3を2Torr以下の減圧下に注入しC
/C複合基材が浸漬した状態で1時間保持した。処理後
のC/C複合基材をデシケータから取り出し、室温空気
中で2時間風乾したのち、大気雰囲気に保持された電気
炉に移し500℃で30分間加熱してB2 3 ガラスの
被膜を形成した。その結果、全面にB2 3 −SiO2
ガラスの被膜が形成された。
【0024】(5) 耐酸化性の評価 上記の3段階被覆工程を施したC/C複合基材を大気雰
囲気に保持された電気炉に入れ、1500℃の温度に1
00分間保持したのち炉出して常温まで自然冷却した。
この工程を10回繰り返し、最終的なC/C複合材の酸
化による重量減少率を測定した。なお、比較のために第
2被覆工程を1000〜1400℃の加熱温度範囲で1
段階操作により単層のアモルファス質および/または微
細多結晶質SiC被膜を形成したC/C複合材について
も同様に酸化重量減少率を測定した。それらの結果を表
1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】表1の結果から、本発明の条件を適用した
実施例は比較例に比べてC/C複合材に高度の耐酸化性
能が付与され、酸化性雰囲気での優れた高温安定性を示
すことが認められる。とくに第2段階の加熱温度を13
00℃に設定して微細多結晶質のSiC被膜を形成した
実施例2において良好な結果が得られた。
【0027】実施例5 実施例1と同一の第1被覆工程により傾斜機能組織のS
iC被膜を形成したC/C複合基材をパルスCVI装置
にセットし、次の操作によって第2被覆工程を施した。
系内をArガス雰囲気に保持してC/C複合基材を10
00℃に加熱し、実施例1と同一の原料ガスを、ガス導
入時の圧力650Torr、同圧力保持時間3秒、ガス排出
時の圧力5Torr、同圧力保持時間3秒のパルス条件に設
定してCVI処理をおこなった。このパルスCVIを1
0000回繰り返し、厚さ50μm のアモルファス質S
iC被膜を形成した。ついで、C/C複合基材をアルゴ
ン雰囲気の加熱炉に入れ、1500℃の温度に1時間保
持してアモルファス質SiC被膜を高結晶性のSiC層
に転化させた。この処理により、SiC層には多数の微
細な亀裂が発生した。
【0028】引き続き、実施例1と同一条件により第3
被覆工程を施して耐酸化性C/C複合材を製造した。こ
の材料につき、実施例1と同様にして大気高温酸化によ
る重量減少率を測定したところ、0.2%と高水準の酸
化抵抗性を示した。
【0029】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によればC/C複
合基材の表層部に形成された傾斜機能組織のSiC被膜
面に、特定条件のパルスCVI法を用いて結晶質のSi
C被膜を形成し、ついで全面にB2 3 −SiO2 ガラ
ス被膜を積層形成する3段階工程を介して高度の耐酸化
性と安定した耐久性を備えるC/C複合材が効率よく製
造できる。したがって、高温酸化雰囲気の過酷な条件に
晒される構造部材用の耐酸化性C/C複合材の工業的生
産技術として極めて有用である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維をマトリックス樹脂と共に複合
    成形し硬化および焼成炭化処理して得られる炭素繊維強
    化炭素複合材を基材とし、該基材の表面に反応温度18
    00〜2000℃でSiOガスを接触させてコンバージ
    ョン法により傾斜機能組織のSiC被膜を形成する第1
    被覆工程、ハロゲン化有機珪素化合物と水素との混合ガ
    スを用いてパルスCVI法により900〜1000℃の
    加熱温度でアモルファス質のSiC被膜を形成する第1
    段階操作と1200〜1400℃の加熱温度で微細多結
    晶質のSiC被膜を形成する第2段階操作を順次に施す
    第2被覆工程、ついでB(OC12273 およびSi
    (OC2 5 4 をアルコキシド法により加水分解・重
    合させたガラス前駆体液を真空含浸してB2 3 −Si
    2 ガラス被膜からなる表面層を形成する第3被覆工程
    からなることを特徴とする耐酸化性C/C複合材の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 第2被覆工程を、ハロゲン化有機珪素化
    合物と水素との混合ガスを用いてパルスCVI法により
    アモルファス質および/または微細多結晶質のSiC被
    膜を形成したのち、C/C複合基材を非酸化性雰囲気中
    で1400℃以上の温度に加熱処理して被膜性状を高結
    晶性SiCに転化させるプロセスとする請求項1記載の
    耐酸化性C/C複合材の製造方法。
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