JPH09255443A - 炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処理法 - Google Patents

炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処理法

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JPH09255443A
JPH09255443A JP8093285A JP9328596A JPH09255443A JP H09255443 A JPH09255443 A JP H09255443A JP 8093285 A JP8093285 A JP 8093285A JP 9328596 A JP9328596 A JP 9328596A JP H09255443 A JPH09255443 A JP H09255443A
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sic
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thickness
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Toshiya Sedaka
俊哉 瀬高
Reiko Yashikida
励子 屋敷田
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Tokai Carbon Co Ltd
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度の材質強度を有するとともに優れた酸化
抵抗性を示すC/C複合材の耐酸化処理法を提供する。 【解決手段】 炭素繊維織布にマトリックス樹脂液を含
浸したプリプレグを積層成形し硬化および焼成炭化した
C/C複合材を基材とし、該基材の表面にSiOガスを
接触させてコンバージョン法によりSiC被覆層を形成
する方法において、形成するSiC被覆層の厚さを、基
材を構成する炭素繊維織布1層の厚さの20〜60%に
制御するとともに50μm 以上に設定する。更に、Si
C被覆層の上にセラミックス質被膜およびガラス質被膜
を順次に形成するC/C複合材の耐酸化処理法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温酸化性雰囲気
において優れた酸化抵抗性を示す炭素繊維強化炭素複合
材(以下「C/C複合材」という。)の耐酸化処理法に
関する。
【0002】
【従来の技術】C/C複合材は、卓越した比強度、比弾
性率を有する上に優れた耐熱性および化学的安定性を備
えているため、航空宇宙用をはじめ多くの分野で構造材
料として有用されているが、易酸化性という炭素材固有
の材質的な欠点があり、これが汎用性を阻害する最大の
ネックとなっている。このため、C/C複合材の表面に
耐酸化性の被覆層を形成して耐酸化性を向上させる試み
が従来から種々検討されており、例えばZrO2 、Al
2 3 、SiC、Si3 4 等のセラミックス系物質を
被覆処理する方法が提案されている。しかし、SiC被
覆層を除いては使用時の熱サイクルで被覆界面に層間剥
離や亀裂が生じ、耐酸化性能を十分に付与することがで
きない。
【0003】C/C複合基材の表面にSiC被覆層を形
成する方法としては、気相反応により生成するSiCを
直接沈着させるCVD法(化学的気相蒸着法)と、基材
の炭素を反応源に利用してSi成分と反応させることに
よりSiCに転化させるコンバージョン法が知られてい
る。このうち、CVD法により形成したSiC被覆層は
基材との界面が明確に分離している関係で、熱衝撃を与
えると相互の熱膨張差により層間剥離が起こり易く、高
温雰囲気下における十分な耐酸化性を発揮することがで
きない。一方、コンバージョン法による場合には基材の
表層部が連続組織としてSiC層を形成する傾斜機能材
質となるために界面剥離を生じることがないが、CVD
法に比較して組織の緻密性が劣る上、SiCに転化させ
る反応時に被覆層に微小なクラックが発生する問題があ
る。
【0004】このため、C/C複合基材の表面にコンバ
ージョン法によりSiC被覆層を形成し、このSiC被
覆層の上に各種の被覆層を積層形成して、耐酸化性能を
向上させる試みが提案されている。例えば、微小クラッ
クをガラス質被膜層でシールする方法として本出願人
は、特開平4−42883 号公報、同4−187583号公報、同
4−243989号公報、同4−243990号公報、同5−43366
号公報、同5−70228 号公報、同5−229886号公報、同
5−330961号公報、同6−48872 号公報、同6−144967
号公報、同6−247782号公報などの技術を開発し、既に
提案している。
【0005】これらの方法によればC/C複合材の耐酸
化性能を効果的に向上させることが可能となるが、コン
バージョン法により形成するSiC被覆層が厚くなると
C/C複合基材の内部組織にまでSiC化が進行して、
材質強度を低下させる難点がある。すなわち、コンバー
ジョン法による被覆層の形成は、SiOガスがC/C複
合基材の表面から組織内部に浸透拡散しながらC/C複
合基材組織をSiCに転化していくため、C/C複合材
の表面ばかりでなく、比較的深い組織内部までSiC化
が進行して基材組織、とくにSiC化し易いマトリック
ス炭素部分が優先的にSiC化して材質強度の低下を招
く欠点がある。
【0006】この問題を解消するために、本出願人はコ
ンバージョン法によるSiC被覆形成を表層部に留めて
組織内部のSiC化に伴う材質劣化を防止する手段とし
て、SiC被膜を形成する表層部分の炭素繊維体積含有
率(Vf)が内部に比べて高く、かつ前記の炭素繊維体積含
有率(Vf)が少なくとも65%の複合組織とする耐酸化性
C/C複合材の製造方法(特開平6−144968号公報)
や、多層被覆工程時のC/C複合基材として、表面部分
にポリアクリルニトリル系の炭素繊維層が介在し、内部
にピッチ系の炭素繊維により形成された複合組織とする
耐酸化性炭素繊維強化炭素材の製造方法(特開平7−10
1790号公報)を提案している。更に、最外層部(最上層
および最下層)に位置するプリプレグを内部のプリプレ
グ層よりフィラメント数の多いトウで編組した炭素繊維
織布を用いて積層した複合組織のC/C複合材を基材と
する耐酸化性C/C複合材の製造方法を開発し、提案し
た(特願平7−225892号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記先
行技術を基に更に研究を進めた結果、コンバージョン法
により形成するSiC被覆層の厚さを、基材となるC/
C複合材の構造、特にC/C複合材を構成する炭素繊維
織布1枚の厚さと特定の関係に設定することによりC/
C複合材の強度低下を効果的に抑制できることを見出し
た。
【0008】本発明は、上記の知見に基づいて開発され
たもので、その目的は材質強度の低下を抑制しつつ、優
れた耐酸化性能を発揮するC/C複合材の耐酸化処理法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるC/C複合材の耐酸化処理法は、炭素
繊維織布にマトリックス樹脂液を含浸したプリプレグを
積層成形し硬化および焼成炭化した炭素繊維強化炭素複
合材を基材とし、該基材の表面にSiOガスを接触させ
てコンバージョン法によりSiC被覆層を形成する方法
において、形成するSiC被覆層の厚さを基材を構成す
る炭素繊維織布1層の厚さの20〜60%に制御すると
ともに50μm 以上に設定することを構成上の特徴とす
る。
【0010】
【発明の実施の形態】C/C複合基材は、炭素繊維織布
にマトリックス樹脂液を浸漬または塗布などの方法によ
り含浸して半硬化状のプリプレグを作成し、このプリプ
レグを所定枚数積層して成形したのち、硬化および焼成
炭化することにより製造される。炭素繊維織布には特に
制限はなく、ポリアクリルニトリル系、レーヨン系、ピ
ッチ系など各種の炭素繊維からなる平織、朱子織、綾織
などの織布を使用することができる。また、マトリック
ス樹脂液としてはフェノール系やフラン系など炭化性の
良好な液状熱硬化性樹脂が用いられる。
【0011】コンバージョン法によるSiC被覆層の形
成は石英、珪石、珪砂等のSiO2含有物質を10〜5
00μm に粉砕した珪素源と、コークス、ピッチ、黒
鉛、カーボンブラック等を10〜500μm とした炭素
源もしくはSi粉末とを充分に混合して均一な混合物と
したのち、黒鉛のような耐熱性材料で構成された反応容
器に入れる。珪素源と炭素源の混合比は用いる各粉末の
表面積を考慮して決定されるが、SiO2 :CまたはS
iのモル比を2:1にすることが好ましい。
【0012】上記の反応容器を密閉加熱炉内に設置し、
C/C複合基材を反応容器内の混合粉末中に埋没する
か、または反応容器の近傍にセットした状態で系内を非
酸化性雰囲気に保持しながら1600〜2000℃の温
度に加熱処理する。加熱過程でSiO2 はCまたはSi
により加熱還元されてSiOガスを生成し、このSiO
ガスがC/C複合基材の表面部の炭素組織と反応してS
iCに転化しながら内部に浸透拡散し、C/C複合材の
表層部に傾斜機能組織のSiC被覆層が形成される。
【0013】コンバージョン法により形成するSiC被
覆層は、C/C複合材に各種の耐酸化性被膜を積層形成
する場合に密着性向上を図るための中間層となるもので
あり、基材表面に安定強固に形成することが必要であ
る。通常、充分な密着性を付与するために形成するSi
C被覆層の厚さは50μm 以上であり、概ね50〜30
0μm の範囲に制御する。形成するSiC被覆層の厚さ
が50μm を下回ると密着性が劣り、また形成するSi
C被覆層の膜厚が大きくなるにつれてC/C複合基材の
内部組織に浸透拡散するSiOガス量も多くなりC/C
複合基材の内部組織がSiC化する。この場合、炭素繊
維に比較してSiC化し易いマトリックス樹脂の炭化部
から優先的にSiC化が進行する。
【0014】したがって、形成するSiC被覆層の膜厚
が大きくなり、例えばC/C複合基材を構成する炭素繊
維織布1層の厚さ以上の膜厚に形成すると、C/C複合
基材は表面から表面部の炭素繊維織布の1〜2層間にか
けてまでSiC化されることとなる。C/C複合基材の
炭素繊維織布を積層した層間は、マトリックス樹脂を炭
化した炭素質物により固着され一体化されているので、
層間部分が炭素繊維部に優先してSiC化されることと
なる。
【0015】C/C複合材は炭素繊維織布にマトリック
ス樹脂液を含浸したプリプレグを積層して成形し、樹脂
液を硬化したのち焼成炭化することにより製造されるの
で、炭素繊維織布を積層した層間部分は他の部分に比べ
て強度が低く、特に剪断強度の低下が大きい。この層間
部分の炭化物がSiC化されると強度の低下は更に大き
くなり、層間で剥離する現象を生じ易くなる等、材質強
度の著しい低下を招くこととなる。
【0016】このようにC/C複合材の強度低下を防ぐ
とともに、安定強固なSiC被覆層を形成するためには
コンバージョン法により形成するSiC被覆層の厚さ
を、C/C複合基材を構成する炭素繊維織布1層の厚さ
との関係において設定制御することが重要となる。本発
明は形成するSiC被覆層の厚さを、炭素繊維織布1層
の厚さの20〜60%の範囲に設定制御することによ
り、材質強度の低下を抑制しながら高度の耐酸化性能を
保持させることを可能にしたものである。すなわち、S
iC被覆層の厚さが炭素繊維織布1層の厚さの20%未
満では形成するSiC被覆層の厚さが充分でないために
耐酸化性能が劣り、一方60%を越える場合にはC/C
複合基材の内部組織に浸透拡散するSiOガスが多くな
るために内部組織のSiC化が進み、特にC/C複合基
材の表層部を構成する炭素繊維織布の1〜2層間に存在
するマトリックス樹脂の炭化部の一部がSiC化される
ことになり、材質強度の低下が著しくなるためである。
【0017】このようにして形成したSiC被覆層の上
には、更に耐酸化性能の向上を図るためにセラミックス
質被膜およびガラス質被膜が順次に形成される。セラミ
ックス質被膜はCVD法あるいはパルスCVI法により
気相析出させる方法により形成され、その材質はSi、
Zr、Hfの炭化物あるいは窒化物の単体または複合体
が適している。セラミックス質被膜は、CVD装置ある
いはパルスCVI装置の反応室にC/C複合材をセット
し、所定温度に加熱したのちSi、Zr、Hfの有機ハ
ロゲン化物、炭化水素、アンモニア、水素などの原料ガ
スを充填して気相反応させることにより形成される。こ
の場合、SiC被覆層との密着性を高めるためには、反
応室の真空排気、原料ガスの導入および反応を短周期の
減圧、昇圧下で間欠的に反復するパルスCVI法を適用
することが好ましい。
【0018】セラミックス質被膜を形成したのち、更に
その上にガラス質被膜を形成することにより高度の耐酸
化性能を付与することができる。ガラス質被膜の組成は
SiO2 、Al2 3 、B2 3 、ZrO2 などの単体
または複合体が好ましく、Si、Al、B、Zrの少な
くとも一種を含有する金属アルコキシドを加水分解して
ガラス前駆体溶液を作製し、この液にC/C複合基材を
浸漬あるいは塗布などの方法により含浸し、乾燥したの
ち500〜1000℃の温度で熱処理する方法によりガ
ラス質被膜が形成される。ガラス前駆体溶液は、Si
(OC2 5)4 、B(OC4 9)3 、Zr(OC4 9)
4 などの金属アルコキシドにアルコールを加えて撹拌混
合した溶液中に水を滴下して加水分解するアルコキシド
法により調製される。
【0019】このように本発明は、C/C複合基材表面
に形成するSiC被覆層の膜厚を、C/C複合基材を構
成する炭素繊維織布1層の厚さの20〜60%の範囲に
設定制御することにより、C/C複合材の内部組織、特
に1層目と2層目の炭素繊維織布の層間に存在するマト
リックス炭素部のSiC化を抑制することができる。し
たがって内部組織のSiC化に伴う材質強度の低下を低
減化することが可能となる。更に、SiC被覆層の厚さ
は適度に薄膜化されるので、その上に形成されるセラミ
ックス質被膜とC/C複合材との間に生じる熱応力を緩
和する機能を果たし、また、セラミックス質被膜に発生
した微細なクラックはガラス質被膜により充填封止さ
れ、酸化性雰囲気下において外気を遮断し、拡散侵入す
る酸素のバリアとして機能する。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0021】実施例1 (1) C/C複合基材の作製 ポリアクリルニトリル系高強度高弾性タイプの平織炭素
繊維織布にフェノール樹脂初期縮合物〔大日本インキ化
学工業(株)製〕をマトリックス樹脂液として十分に塗
布し、48時間風乾してプリプレグシートを作成した。
このプリプレグシートを16枚積層してモールドに入
れ、加熱温度110℃、圧力20kg/cm2の条件で複合成
形した。次いで、成形体を250℃の温度に加熱してマ
トリックス樹脂を硬化したのち、窒素ガス雰囲気に保持
された焼成炉内に移し、5℃/hr の昇温速度で2000
℃まで昇温し、その温度に5時間保持して焼成炭化し
た。このようにして、縦横200mm、厚さ4mmのC/C
複合基材〔炭素繊維の体積含有率(Vf)65%、見掛比重
1.65g/cc〕を作製した。なお、このC/C複合基材
を構成する炭素繊維織布1層の厚さは250μm (4mm
÷16枚)となる。
【0022】(2) SiC被覆層の形成 SiO2 粉末とSi粉末を2:1(重量比)の配合比率
になるように混合し、混合粉末を黒鉛坩堝に入れて、上
部に上記のC/C複合基材をセットした。この黒鉛坩堝
を電気炉内に移し、内部をアルゴンガスで十分に置換し
たのち、50℃/hr の速度で1900℃まで昇温させ、
10分間保持してC/C複合基材の表面部にコンバージ
ョン法による傾斜機能を有するSiC被覆層を形成し
た。このようにしてSiC被覆層を形成したC/C複合
材の一部をダイヤモンドカッターで切断して、その断面
をSEMにより観察してSiC被覆層の膜厚を測定し、
その結果を表1に示した。
【0023】(3) セラミックス質被膜の形成 SiC被覆層を形成したC/C複合基材をパルスCVI
装置の反応管内にセットし、管内をアルゴンガスで十分
に置換した後、高周波誘導加熱により1100℃の温度
に加熱した。次いで、真空ポンプにより反応管内を2秒
間で2Torr以下に減圧し、直ちに原料ガスとしてトリク
ロロメチルシラン(CH3SiCl3)とH2 の混合ガス(モル比
1:20)を1秒間で720Torrになるように導入して
1秒間保持した。このようにして反応管内の減圧、反応
ガスの導入および保持するパルスCVI操作を1000
0回繰り返して行い、多結晶質のSiCを析出被覆し
た。形成されたSiC被膜の厚さは150μm であり、
表面には僅かながら微細なクラックが認められた。
【0024】(4) ガラス質被膜の形成 Si(OC2 5)4 とエタノールをモル比1:4.5の
量比で混合し、室温で還流撹拌を行った溶液中に、前記
Si(OC2 5)4 1モルに対し2.5モルの水と0.
03モルのHClの混合水溶液を滴下しながら撹拌混合
して(pH:3.0)、SiO2 ガラス前駆体溶液を調製した。
このSiO2 ガラス前駆体溶液に、前記セラミックス質
被膜を形成したC/C複合材を浸漬して15分間減圧含
浸し、風乾後、100℃の温度で乾燥した。次いで、B
(OC4 9)3 溶液中に浸漬して15分間減圧含浸した
のち、1昼夜風乾して空気中の水分により加水分解を行
い100℃の温度で乾燥した。乾燥処理後のC/C複合
材を電気炉に入れ、アルゴンガス雰囲気中800℃の温
度で1時間加熱処理して表面にB2 3 −SiO2のガ
ラス質被膜を形成した。
【0025】(5) 特性の評価 上記の耐酸化処理を施したC/C複合材について、次の
方法により材質強度の測定ならびに耐酸化性の評価を行
い、その結果をセラミックス質被膜およびガラス質被膜
の膜厚とともに表2に示した。 強度試験;150×10×5mmの試験片について、支
点間距離I=80mm、クロスヘッドスピード=6mm/min
の条件で3点曲げ強度試験(ASTM D790)を行
った。 耐酸化性試験;大気雰囲気に保持された電気炉に入
れ、1700℃の温度に30分間保持した後、室温まで
自然冷却した。この操作を10回反復して行い、酸化に
よるC/C複合材の重量減少率を測定した。
【0026】実施例2〜4、比較例1〜4 平織炭素繊維織布の厚さを変えて、実施例1と同様の方
法で炭素繊維織布1層の厚さの異なるC/C複合基材を
作製した。このC/C複合基材にコンバージョン法によ
り保持時間を変えて、コンバージョン法により膜厚の異
なるSiC被覆層を形成した。形成したSiC被覆層の
膜厚は実施例1と同一の方法により測定し、その結果を
表1に併載した。次いで、実施例1と同一の方法、条件
によりセラミックス質被膜およびガラス質被膜を形成
し、これらの被覆処理を施したC/C複合材について実
施例1と同一の方法により強度試験ならびに耐酸化性試
験を行って、それらの結果を表2に併載した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】表1、2の結果から、本発明の条件を適用
して耐酸化処理を施した実施例のC/C複合材は、比較
例のC/C複合材に比べて優れた耐酸化性能を有すると
ともに高い強度特性を示すことが明らかに認められる。
また、比較例1、3ではコンバージョン法により形成し
たSiC被覆層の厚さが25μm と薄いためにC/C複
合基材の密着性が低下して、耐酸化性試験時に剥離が生
じ耐酸化性能が低下した。
【0030】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によればC/C複
合基材表面にコンバージョン法により形成するSiC被
覆層の厚さを、C/C複合基材を構成する炭素繊維1層
当たりの厚さの20〜60%に設定、制御するとともに
50μm 以上の厚さにすることにより、C/C複合材の
内部組織におけるSiC化、特にC/C複合材の表層
1、2層間のマトリックス炭素部のSiC化が抑制され
るので、材質強度の低下を効果的に防ぐことが可能とな
る。更に、その上に形成するセラミックス質被膜および
ガラス質被膜により高度の耐酸化性能を付与することが
できるので、高温過酷な酸化性雰囲気に曝されるC/C
複合材の耐酸化処理法として極めて有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維織布にマトリックス樹脂液を含
    浸したプリプレグを積層成形し硬化および焼成炭化した
    炭素繊維強化炭素複合材を基材とし、該基材の表面にS
    iOガスを接触させてコンバージョン法によりSiC被
    覆層を形成する方法において、形成するSiC被覆層の
    厚さを基材を構成する炭素繊維織布1層の厚さの20〜
    60%に制御するとともに50μm 以上に設定すること
    を特徴とする炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処理法。
  2. 【請求項2】 コンバージョン法により形成したSiC
    被覆層の上に、CVD法あるいはパルスCVI法により
    気相析出させたセラミックス質被膜、およびアルコキシ
    ド法で得られたガラス前駆体溶液を含浸したのち加熱処
    理してガラス質被膜、を順次に形成する請求項1記載の
    炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処理法。
  3. 【請求項3】 セラミックス質被膜が、Si、Zr、H
    fの炭化物あるいは窒化物の単体または複合体である、
    請求項2記載の炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処理
    法。
  4. 【請求項4】 ガラス質被膜が、SiO2 、Al
    2 3 、B2 3 、ZrO2 の単体または複合体である
    請求項2又は請求項3記載の炭素繊維強化炭素複合材の
    耐酸化処理法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114746380A (zh) * 2019-09-16 2022-07-12 派特欧赛拉米克斯股份公司 在碳纤维增强陶瓷基体复合材料上制备基于一种或多种硅化合物的钝化涂层的方法和具有这种涂层的碳纤维增强陶瓷基体复合材料

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