JPH05148018A - 耐酸化性炭素繊維強化炭素材の製造方法 - Google Patents
耐酸化性炭素繊維強化炭素材の製造方法Info
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- JPH05148018A JPH05148018A JP3337706A JP33770691A JPH05148018A JP H05148018 A JPH05148018 A JP H05148018A JP 3337706 A JP3337706 A JP 3337706A JP 33770691 A JP33770691 A JP 33770691A JP H05148018 A JPH05148018 A JP H05148018A
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- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B41/00—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
- C04B41/009—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
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- C04B41/45—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
- C04B41/50—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
- C04B41/5053—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials non-oxide ceramics
- C04B41/5057—Carbides
- C04B41/5059—Silicon carbide
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 1回のパルスCVI処理により高温酸化雰囲
気下で優れた酸化抵抗性を発揮し、熱サイクルに対して
層間剥離や亀裂を発生しないSiCの連続被着層を形成
しえる耐酸化性炭素繊維強化炭素材の製造方法を提供す
る。 【構成】 炭素繊維をマトリックス樹脂とともに複合成
形し、硬化および焼成炭化して得られる気孔率5〜20%
の炭素繊維強化炭素材を基材とする。該基材を減圧系内
に保持し、 900〜1100℃の温度に加熱しながらハロゲン
化有機珪素化合物と水素を間欠的に充填して還元熱分解
反応させるパルスCVI法により、アモルファス質また
は微細多結晶質のSiCを基材の気孔組織内部および表
面に連続的な被着層として形成する。
気下で優れた酸化抵抗性を発揮し、熱サイクルに対して
層間剥離や亀裂を発生しないSiCの連続被着層を形成
しえる耐酸化性炭素繊維強化炭素材の製造方法を提供す
る。 【構成】 炭素繊維をマトリックス樹脂とともに複合成
形し、硬化および焼成炭化して得られる気孔率5〜20%
の炭素繊維強化炭素材を基材とする。該基材を減圧系内
に保持し、 900〜1100℃の温度に加熱しながらハロゲン
化有機珪素化合物と水素を間欠的に充填して還元熱分解
反応させるパルスCVI法により、アモルファス質また
は微細多結晶質のSiCを基材の気孔組織内部および表
面に連続的な被着層として形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温酸化雰囲気下にお
いて高度の酸化抵抗性を発揮する耐酸化性炭素繊維強化
炭素材(以下「C/C材」という)の製造方法に関す
る。
いて高度の酸化抵抗性を発揮する耐酸化性炭素繊維強化
炭素材(以下「C/C材」という)の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】C/C材は、卓越した比強度、比弾性率
を有するうえに優れた耐熱性および化学的安定性を備え
ているため、航空宇宙用をはじめ多くの分野で構造材料
として有用されている。ところが、この材料には易酸化
性という炭素材固有の材質的な欠点があり、これが汎用
性を阻害する最大のネックとなっている。このため、C
/C材の表面に耐酸化性の被覆を施して改質化する試み
がなされており、例えばZrO2 、Al2 O3 、Si
C、Si3 N4 等のセラミックス系物質によって被覆処
理する方法が提案されているが、これらのうちSiC以
外の被覆層では使用時の熱サイクル過程で被覆界面に層
間剥離や亀裂が生じ、酸化の進行を十分に阻止する機能
が発揮されない。したがって、実用性の面からはSiC
層による耐酸化性被覆が最も優れている。
を有するうえに優れた耐熱性および化学的安定性を備え
ているため、航空宇宙用をはじめ多くの分野で構造材料
として有用されている。ところが、この材料には易酸化
性という炭素材固有の材質的な欠点があり、これが汎用
性を阻害する最大のネックとなっている。このため、C
/C材の表面に耐酸化性の被覆を施して改質化する試み
がなされており、例えばZrO2 、Al2 O3 、Si
C、Si3 N4 等のセラミックス系物質によって被覆処
理する方法が提案されているが、これらのうちSiC以
外の被覆層では使用時の熱サイクル過程で被覆界面に層
間剥離や亀裂が生じ、酸化の進行を十分に阻止する機能
が発揮されない。したがって、実用性の面からはSiC
層による耐酸化性被覆が最も優れている。
【0003】従来、C/C基材の表面にSiCの被覆を
施す方法として、気相反応により生成するSiCを直接
沈着させるCVD法(化学的気相蒸着法)と、基材の炭
素を反応源に利用して珪素成分と反応させることにより
SiCに転化させるコンバージョン法が知られている。
ところが、前者のCVD法を適用して形成したSiC被
覆層は、基材との界面が明確に分離している関係で、熱
衝撃を与えると相互の熱膨張差によって層間剥離現象が
起こり易く、高温域での十分な耐酸化性は望めない。こ
れに対し、後者のコンバージョン法による場合には基材
の表層部が連続組織としてSiC層を形成する傾斜機能
材質となるため界面剥離を生じることはないが、CVD
法に比べて緻密性に劣るうえ、反応時、被覆層に微小な
クラックが発生する問題がある。
施す方法として、気相反応により生成するSiCを直接
沈着させるCVD法(化学的気相蒸着法)と、基材の炭
素を反応源に利用して珪素成分と反応させることにより
SiCに転化させるコンバージョン法が知られている。
ところが、前者のCVD法を適用して形成したSiC被
覆層は、基材との界面が明確に分離している関係で、熱
衝撃を与えると相互の熱膨張差によって層間剥離現象が
起こり易く、高温域での十分な耐酸化性は望めない。こ
れに対し、後者のコンバージョン法による場合には基材
の表層部が連続組織としてSiC層を形成する傾斜機能
材質となるため界面剥離を生じることはないが、CVD
法に比べて緻密性に劣るうえ、反応時、被覆層に微小な
クラックが発生する問題がある。
【0004】このような問題点の解消を図るため、本発
明者らは既にC/C基材面にSiO接触によるコンバー
ジョン法で第1のSiC被膜を形成し、さらにその表面
をアモルファスSiCが析出するような条件でCVD法
による第2のSiC被覆層を形成する耐酸化処理法(特
願平2−114872号) 、更にこれを改良して基材に対する
第2の被覆層を減圧加熱下でハロゲン化有機珪素化合物
を間欠的に充填して還元熱分解させるパルスCVI法を
用いてSiC被覆層を形成する耐酸化処理法(特願平2
−150640号) を開発した。
明者らは既にC/C基材面にSiO接触によるコンバー
ジョン法で第1のSiC被膜を形成し、さらにその表面
をアモルファスSiCが析出するような条件でCVD法
による第2のSiC被覆層を形成する耐酸化処理法(特
願平2−114872号) 、更にこれを改良して基材に対する
第2の被覆層を減圧加熱下でハロゲン化有機珪素化合物
を間欠的に充填して還元熱分解させるパルスCVI法を
用いてSiC被覆層を形成する耐酸化処理法(特願平2
−150640号) を開発した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
先行技術では2段階の被覆処理を必要とするため工程が
煩雑となり、工業的な手段としては問題があった。本発
明者は1段階処理により同等効果を示すC/C材の耐酸
化被覆技術について研究を重ねた結果、一定範囲の気孔
率を有するC/C材を基材として特定条件のパルスCV
I法でSiCを気相析出させると基材の気孔組織内部を
含めた表面にSiCが円滑かつ連続層として浸透および
被着し、熱サイクルに際して層間剥離や亀裂の発生が効
果的に抑制し得ることを実験的に確認した。
先行技術では2段階の被覆処理を必要とするため工程が
煩雑となり、工業的な手段としては問題があった。本発
明者は1段階処理により同等効果を示すC/C材の耐酸
化被覆技術について研究を重ねた結果、一定範囲の気孔
率を有するC/C材を基材として特定条件のパルスCV
I法でSiCを気相析出させると基材の気孔組織内部を
含めた表面にSiCが円滑かつ連続層として浸透および
被着し、熱サイクルに際して層間剥離や亀裂の発生が効
果的に抑制し得ることを実験的に確認した。
【0006】本発明は前記の解明に基づいて開発された
もので、その目的は1回のパルスCVI処理により高温
酸化雰囲気下で優れた酸化抵抗性を発揮し、熱サイクル
に対して層間剥離や亀裂を発生しないSiCの連続被着
層を形成することができる耐酸化性C/C材の製造方法
を提供することにある。
もので、その目的は1回のパルスCVI処理により高温
酸化雰囲気下で優れた酸化抵抗性を発揮し、熱サイクル
に対して層間剥離や亀裂を発生しないSiCの連続被着
層を形成することができる耐酸化性C/C材の製造方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による耐酸化性C/C材の製造方法は、炭素
繊維をマトリックス樹脂とともに複合成形し硬化および
焼成炭化処理して得られる気孔率5〜20%のC/C材を
基材とし、該基材を減圧系内に保持し 900〜1100℃の温
度に加熱しながらハロゲン化有機珪素化合物を間欠的に
充填して還元熱分解させるパルスCVI法により、アモ
ルファス質もしくは微細多結晶質のSiCを基材の気孔
組織内部および表面に連続的な被着層として形成するこ
とを構成上の特徴とする。
めの本発明による耐酸化性C/C材の製造方法は、炭素
繊維をマトリックス樹脂とともに複合成形し硬化および
焼成炭化処理して得られる気孔率5〜20%のC/C材を
基材とし、該基材を減圧系内に保持し 900〜1100℃の温
度に加熱しながらハロゲン化有機珪素化合物を間欠的に
充填して還元熱分解させるパルスCVI法により、アモ
ルファス質もしくは微細多結晶質のSiCを基材の気孔
組織内部および表面に連続的な被着層として形成するこ
とを構成上の特徴とする。
【0008】基材となるC/C材は、炭素繊維の織布、
フエルト、トウなどの強化繊維に炭化残留率の高いマト
リックス樹脂液を含浸または塗布して積層成形したの
ち、硬化および焼成炭化処理する常用の方法で製造され
たものが使用され、特に材料の限定はない。したがっ
て、通常、強化材の炭素繊維にはポリアクリロニトリル
系、レーヨン系、ピッチ系など各種のものが、またマト
リックス樹脂としてフェノール系、フラン系その他炭化
性の良好な液状熱硬化性樹脂を用いたものが対象とな
る。
フエルト、トウなどの強化繊維に炭化残留率の高いマト
リックス樹脂液を含浸または塗布して積層成形したの
ち、硬化および焼成炭化処理する常用の方法で製造され
たものが使用され、特に材料の限定はない。したがっ
て、通常、強化材の炭素繊維にはポリアクリロニトリル
系、レーヨン系、ピッチ系など各種のものが、またマト
リックス樹脂としてフェノール系、フラン系その他炭化
性の良好な液状熱硬化性樹脂を用いたものが対象とな
る。
【0009】しかし、C/C基材の組織として気孔率5
〜20%、より好ましくは10〜20%範囲にある比較的多孔
質のものを選定する必要がある。この要件は、可及的に
緻密組織のC/C材を基材とするためにC/C材に樹脂
含浸と炭化処理を反復することが好適とされていた従来
技術と大きく異なる点で、本発明の場合には寧ろ再度の
樹脂含浸や炭化処理を施さないか、処理回数を少なくし
て前記範囲の気孔率組織に調整したものを基材とする。
C/C基材の気孔率が5%未満の組織では、析出SiC
が気孔内に充填される度合が少なくなって組織内部の耐
酸化性が付与されないうえ表面のSiC被覆層との結合
性が弱化して亀裂の発生が多くなる。また、20%を越え
る気孔率では組織内部にSiCが入り過ぎて逆にC/C
材の強度低下を招く。
〜20%、より好ましくは10〜20%範囲にある比較的多孔
質のものを選定する必要がある。この要件は、可及的に
緻密組織のC/C材を基材とするためにC/C材に樹脂
含浸と炭化処理を反復することが好適とされていた従来
技術と大きく異なる点で、本発明の場合には寧ろ再度の
樹脂含浸や炭化処理を施さないか、処理回数を少なくし
て前記範囲の気孔率組織に調整したものを基材とする。
C/C基材の気孔率が5%未満の組織では、析出SiC
が気孔内に充填される度合が少なくなって組織内部の耐
酸化性が付与されないうえ表面のSiC被覆層との結合
性が弱化して亀裂の発生が多くなる。また、20%を越え
る気孔率では組織内部にSiCが入り過ぎて逆にC/C
材の強度低下を招く。
【0010】上記のC/C基材には、パルスCVI法に
よって気相析出したSiCを沈着する。この操作は、ハ
ロゲン化有機珪素化合物を水素ガスに同伴させながら反
応室内に充填し、系内で加熱されているC/C基材にガ
ス状態で接触させる操作を短周期で間欠的に反復する工
程でおこなわれる。ハロゲン化有機珪素化合物には、例
えばトリクロロメチルシラン(CH3SiCl3)、トリクロロフ
ェニルシラン(C6H5SiCl3) 、ジクロロメチルシラン(CH3
SiHCl2) 、ジクロロジメチルシラン〔(CH3)2SiCl2 〕、
クロロトリメチルシラン〔(CH3)3SiCl〕等が用いられ、
条件としては、反応室系内を減圧状態に保ち、C/C基
材の加熱温度を 900〜1100℃の範囲に設定する。加熱温
度が 900℃未満であるとSiC気相析出が円滑に進行せ
ず、1300℃を上廻ると析出するSiCが結晶化して酸化
対抗性が低下する。
よって気相析出したSiCを沈着する。この操作は、ハ
ロゲン化有機珪素化合物を水素ガスに同伴させながら反
応室内に充填し、系内で加熱されているC/C基材にガ
ス状態で接触させる操作を短周期で間欠的に反復する工
程でおこなわれる。ハロゲン化有機珪素化合物には、例
えばトリクロロメチルシラン(CH3SiCl3)、トリクロロフ
ェニルシラン(C6H5SiCl3) 、ジクロロメチルシラン(CH3
SiHCl2) 、ジクロロジメチルシラン〔(CH3)2SiCl2 〕、
クロロトリメチルシラン〔(CH3)3SiCl〕等が用いられ、
条件としては、反応室系内を減圧状態に保ち、C/C基
材の加熱温度を 900〜1100℃の範囲に設定する。加熱温
度が 900℃未満であるとSiC気相析出が円滑に進行せ
ず、1300℃を上廻ると析出するSiCが結晶化して酸化
対抗性が低下する。
【0011】上記の条件を適用してパルスCVI処理を
おこなうことにより、アモルファス質もしくは微細多結
晶質のSiCがC/C基材の気孔組織内部に充填される
とともに表面に被覆層として形成され、これら気孔内部
のSiCと被覆層を形成するSiCとが連続的な被着層
として一体結合した複合組織および被覆形態となる。
おこなうことにより、アモルファス質もしくは微細多結
晶質のSiCがC/C基材の気孔組織内部に充填される
とともに表面に被覆層として形成され、これら気孔内部
のSiCと被覆層を形成するSiCとが連続的な被着層
として一体結合した複合組織および被覆形態となる。
【0012】
【作用】パルスCVIによれば、原料ガスの供給および
真空引きするパルスを連続するため、周期毎に飽和度の
高い原料ガスがC/C基材と接触する。このため、C/
C基材が適度な気孔を有する組織である場合には、円滑
にその気孔内部に侵入してSiCを析出し緻密な状態で
被着充填する。引き続きパルスCVIを継続すると、前
記の気孔内部に充填されたSiCと連続した状態でC/
C基材表面にSiCの被覆層が形成される。したがっ
て、熱衝撃に対して極めて強固で層間剥離を生じないS
iC被覆層となる。
真空引きするパルスを連続するため、周期毎に飽和度の
高い原料ガスがC/C基材と接触する。このため、C/
C基材が適度な気孔を有する組織である場合には、円滑
にその気孔内部に侵入してSiCを析出し緻密な状態で
被着充填する。引き続きパルスCVIを継続すると、前
記の気孔内部に充填されたSiCと連続した状態でC/
C基材表面にSiCの被覆層が形成される。したがっ
て、熱衝撃に対して極めて強固で層間剥離を生じないS
iC被覆層となる。
【0013】また、形成されるSiCはパルスCVIの
条件設定により微細で緻密なアモルファス質もしくは多
結晶質の性状を有しているため、亀裂が発生し難く、か
つ被覆層からの酸素侵入を十分に阻止する機能を営む。
仮にSiC被覆層に多少の亀裂が発生しても、気孔組織
内部に充填されたSiCが組織への酸化進行を緩和する
作用をなし、このため全体的な耐酸化性は効果的に向上
する。
条件設定により微細で緻密なアモルファス質もしくは多
結晶質の性状を有しているため、亀裂が発生し難く、か
つ被覆層からの酸素侵入を十分に阻止する機能を営む。
仮にSiC被覆層に多少の亀裂が発生しても、気孔組織
内部に充填されたSiCが組織への酸化進行を緩和する
作用をなし、このため全体的な耐酸化性は効果的に向上
する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
明する。
【0015】実施例1〜3、比較例1 ポリアクリロニトリル系高弾性タイプの平織炭素繊維布
をフェノール樹脂初期縮合物〔大日本インキ工業(株)
製、P5900〕からなるマトリックス樹脂液に浸漬して含
浸処理したのち、14枚積層してモールドに入れて加熱
温度110 ℃、適用圧力20kg/cm2の条件で成形し、炭素繊
維のVfが60%の複合成形体を得た。該複合成形体を 2
50℃の温度に加熱して完全に硬化したのち、窒素雰囲気
に保持された焼成炉に移し、5℃/hr の昇温速度で1000
℃まで上昇し5時間保持して焼成炭化した。
をフェノール樹脂初期縮合物〔大日本インキ工業(株)
製、P5900〕からなるマトリックス樹脂液に浸漬して含
浸処理したのち、14枚積層してモールドに入れて加熱
温度110 ℃、適用圧力20kg/cm2の条件で成形し、炭素繊
維のVfが60%の複合成形体を得た。該複合成形体を 2
50℃の温度に加熱して完全に硬化したのち、窒素雰囲気
に保持された焼成炉に移し、5℃/hr の昇温速度で1000
℃まで上昇し5時間保持して焼成炭化した。
【0016】ついで、得られたC/C材にフラン樹脂液
〔住友デュレズ(株)製、FR16470,PTS1%配合〕を
1時間真空含浸したのち、8kg/cm2の空気加圧下に5時
間保持した。含浸後のC/C材を大気中で24時間風乾
し、50〜250 ℃の温度で3日間乾燥し、引き続き上記の
同一条件で焼成炭化処理を施した。この含浸・炭化処理
を回数を変えて実施し、気孔率の異なる組織のC/C材
を形成した。
〔住友デュレズ(株)製、FR16470,PTS1%配合〕を
1時間真空含浸したのち、8kg/cm2の空気加圧下に5時
間保持した。含浸後のC/C材を大気中で24時間風乾
し、50〜250 ℃の温度で3日間乾燥し、引き続き上記の
同一条件で焼成炭化処理を施した。この含浸・炭化処理
を回数を変えて実施し、気孔率の異なる組織のC/C材
を形成した。
【0017】上記の各C/C材を窒素ガス雰囲気に保持
された電気炉に入れ、50℃/hr の昇温速度で2000℃まで
加熱した。得られた各C/C材の気孔率は、15%(含浸
・炭化処理0回)、8%(含浸・炭化処理1回)、5%
(含浸・炭化処理2回)および3%(含浸・炭化処理3
回)であった。
された電気炉に入れ、50℃/hr の昇温速度で2000℃まで
加熱した。得られた各C/C材の気孔率は、15%(含浸
・炭化処理0回)、8%(含浸・炭化処理1回)、5%
(含浸・炭化処理2回)および3%(含浸・炭化処理3
回)であった。
【0018】このようにて作製した二次元配向型のC/
C基材をパルスCVI装置のムライト質反応管内に設置
し、管内をArガスで十分に置換したのち高周波誘導加
熱によりC/C基材の温度を1000℃に上昇した。つい
で、真空ポンプにより反応管内を2秒で2Torr以下に減
圧し、直ちにトリクロロメチルシラン(CH3SiCl3)とH2
の混合ガス(モル比5:100)を1秒間で720Torr になる
ように導入し1秒間保持した。この管内減圧、反応ガス
導入および保持の操作を 10000回繰り返し、アモルファ
ス質または微細多結晶質のSiCを沈着させた。この際
C/C基材に析出したSiC量と表面に形成れたSiC
被覆層の膜厚を、C/C基材の気孔率および析出条件と
対比させて表1に示した。
C基材をパルスCVI装置のムライト質反応管内に設置
し、管内をArガスで十分に置換したのち高周波誘導加
熱によりC/C基材の温度を1000℃に上昇した。つい
で、真空ポンプにより反応管内を2秒で2Torr以下に減
圧し、直ちにトリクロロメチルシラン(CH3SiCl3)とH2
の混合ガス(モル比5:100)を1秒間で720Torr になる
ように導入し1秒間保持した。この管内減圧、反応ガス
導入および保持の操作を 10000回繰り返し、アモルファ
ス質または微細多結晶質のSiCを沈着させた。この際
C/C基材に析出したSiC量と表面に形成れたSiC
被覆層の膜厚を、C/C基材の気孔率および析出条件と
対比させて表1に示した。
【0019】上記のようにして耐酸化処理を施したC/
C基材を大気雰囲気に保持された電気炉に入れ、1500℃
の温度に30分保持したのち常温まで自然冷却した。この
工程10回反復しておこない、熱サイクルによるC/C基
材の酸化による重量減少率とSiC皮膜の状況を測定観
察した。その結果を表1に併せて示した。
C基材を大気雰囲気に保持された電気炉に入れ、1500℃
の温度に30分保持したのち常温まで自然冷却した。この
工程10回反復しておこない、熱サイクルによるC/C基
材の酸化による重量減少率とSiC皮膜の状況を測定観
察した。その結果を表1に併せて示した。
【0020】比較例2〜5 実施例1〜4、比較例1のC/C基材につき、処理温度
を1300℃に変えたほかは全て同一条件のパルスCVIを
適用してSiCを沈着させた。得られた各耐酸化性C/
C材の耐酸化性の評価結果を表1に併載した。
を1300℃に変えたほかは全て同一条件のパルスCVIを
適用してSiCを沈着させた。得られた各耐酸化性C/
C材の耐酸化性の評価結果を表1に併載した。
【0021】比較例6〜9 実施例1〜3、比較例1で作製したC/C基材を常圧に
保持された反応管に設置し、1000℃に加熱したのちトリ
クロロメチルシラン(CH3SiCl3)とH2 の混合反応ガス(
モル比5:100)を導入する通常のCVD処理によりSi
C被膜を形成した。このようにしてSiC被覆形成した
C/C基材につき実施例1の熱サイクル温度条件を1300
℃に変えて耐酸化性の評価をおこない、結果を表1に併
載した。
保持された反応管に設置し、1000℃に加熱したのちトリ
クロロメチルシラン(CH3SiCl3)とH2 の混合反応ガス(
モル比5:100)を導入する通常のCVD処理によりSi
C被膜を形成した。このようにしてSiC被覆形成した
C/C基材につき実施例1の熱サイクル温度条件を1300
℃に変えて耐酸化性の評価をおこない、結果を表1に併
載した。
【0022】
【表1】
【0023】表1の結果から、本発明の要件を満たす実
施例1〜3は優れた耐酸化性を示し、SiC皮膜の状況
も僅かに微小クラックが認められる程度であった。これ
に対し、C/C基材の気孔率が5%を下廻る比較例1、
1100℃を越える処理温度でパルスCVIを施した比較例
2〜5では耐酸化性が低下し、SiC被覆層の状態も劣
化する。また通常のCVD法を適用した比較例6〜9
は、著しく高い酸化重量減を示した。
施例1〜3は優れた耐酸化性を示し、SiC皮膜の状況
も僅かに微小クラックが認められる程度であった。これ
に対し、C/C基材の気孔率が5%を下廻る比較例1、
1100℃を越える処理温度でパルスCVIを施した比較例
2〜5では耐酸化性が低下し、SiC被覆層の状態も劣
化する。また通常のCVD法を適用した比較例6〜9
は、著しく高い酸化重量減を示した。
【0024】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に従えば一定範囲
の気孔率を有するC/C基材に特定条件のパルスCVI
でSiCを気相析出させる1段階の被着処理を介して熱
サイクル時の層間剥離や亀裂が発生することのない高度
の耐酸化性を備える炭素繊維強化炭素材を工業的に製造
することが可能となる。したがって、製造されるC/C
材は、高温酸化雰囲気の過酷な条件に晒される構造部材
用途に適用して安定性能の確保、耐久寿命の延長化など
の効果が発揮される。
の気孔率を有するC/C基材に特定条件のパルスCVI
でSiCを気相析出させる1段階の被着処理を介して熱
サイクル時の層間剥離や亀裂が発生することのない高度
の耐酸化性を備える炭素繊維強化炭素材を工業的に製造
することが可能となる。したがって、製造されるC/C
材は、高温酸化雰囲気の過酷な条件に晒される構造部材
用途に適用して安定性能の確保、耐久寿命の延長化など
の効果が発揮される。
Claims (1)
- 【請求項1】 炭素繊維をマトリックス樹脂とともに複
合成形し硬化および焼成炭化処理して得られる気孔率5
〜20%の炭素繊維強化炭素材を基材とし、該基材を減圧
系内に保持し 900〜1100℃の温度に加熱しながらハロゲ
ン化有機珪素化合物を間欠的に充填して還元熱分解反応
させるパルスCVI法により、アモルファス質もしくは
微細多結晶質のSiCを基材の気孔組織内部および表面
に連続的な被着層として形成することを特徴とする耐酸
化性炭素繊維強化炭素材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3337706A JPH05148018A (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | 耐酸化性炭素繊維強化炭素材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3337706A JPH05148018A (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | 耐酸化性炭素繊維強化炭素材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05148018A true JPH05148018A (ja) | 1993-06-15 |
Family
ID=18311196
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3337706A Pending JPH05148018A (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | 耐酸化性炭素繊維強化炭素材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05148018A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015107888A (ja) * | 2013-12-04 | 2015-06-11 | 信越化学工業株式会社 | 炭素繊維強化炭素複合材 |
US10167549B2 (en) | 2014-02-17 | 2019-01-01 | Ihi Corporation | Heat-resistant composite material production method and production device |
-
1991
- 1991-11-26 JP JP3337706A patent/JPH05148018A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015107888A (ja) * | 2013-12-04 | 2015-06-11 | 信越化学工業株式会社 | 炭素繊維強化炭素複合材 |
US10167549B2 (en) | 2014-02-17 | 2019-01-01 | Ihi Corporation | Heat-resistant composite material production method and production device |
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