JP3818606B2 - 炭素繊維強化炭素複合材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温低圧下においても優れた耐酸化性及び耐エロージョン性を有する炭素繊維強化炭素複合材に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素繊維強化複合材(以下、「C/C材」という。)は、卓越した比強度、比弾性率を有するうえに優れた耐熱性及び化学的安定性を備えているため、航空宇宙用をはじめ多くの分野で構造材料として有用されているが、この材料には易酸化性という炭素材固有の材質的な欠点があり、これが汎用性を阻害する最大のネックとなっている。このため、C/C材の表面に耐酸化性の被覆を施して改質化する試みが従来からおこなわれており、例えばZrO2 、Al2 O3 、SiC、Si3 N4 等のセラミックス系物質によって被覆処理する方法が提案されている。しかし、SiC被覆層を除いては、使用時の熱サイクルで被覆界面に層間剥離や亀裂が生じ、酸化の進行を十分に阻止する機能が発揮されない。
【0003】
従来、C/C基材の表面にSiCの被覆を施す方法として、気相反応により生成するSiCを直接沈着させるCVD法(化学的気相蒸着法)と、基材の炭素を反応源に利用して珪素成分と反応させることによりSiCに転化させるコンバージョン法が知られている。ところが、前者のCVD法を適用して形成したSiC被覆層は、基材との界面が明確に分離している関係で、熱衝撃を与えると相互の熱膨張差によって層間剥離現象が起こり易い。このため、高温域での十分な耐酸化性は望めない。これに対し、後者のコンバージョン法による場合には基材の表層部が連続組織としてSiC層を形成する傾斜機能材質となるため界面剥離を生じることはないが、CVD法に比べて緻密性に劣るうえ、反応時、被覆層に微小なクラックが発生する問題がある。
【0004】
このような問題点を解決するものとして、C/C基材面にSiO接触によるコンバージョン法で第1のSiC被膜を形成し、さらにその表面をアモルファスSiCが析出するような条件でCVD法による第2のSiC被覆層を形成する耐酸化処理法(特開平4-12078号公報)、更にこれを改良して第2の被覆層を減圧加熱下でハロゲン化有機珪素化合物を基材組織に間欠的に充填して還元熱分解させるパルスCVI法を用いて形成する耐酸化処理法(特開平4-42878号公報)及び該第2被覆層に発生するクラックをB2 O3 −SiO2 ガラスで封止する第3被覆層を形成する耐酸化処理法(特開平4-243989 号公報)等が提案されている。かかるB2 O3 −SiO2 ガラス被膜を形成する耐酸化性C/C材は、過酷な高温酸化雰囲気に対しても十分安定な耐久性を発揮する。
【0005】
しかしながら、上記第3被覆層を形成する耐酸化性C/C材であっても、宇宙環境において、宇宙往還機のノーズキャップ等の裏面側を想定して実施される高温、低圧下での試験(低圧揮散試験)で詳細に検討した結果、1回の緊急大気圏突入を想定した条件下では第2被覆層が大きく酸化減耗し、上記のような特定環境下では耐久性に劣るという問題があった。
【0006】
このような問題点を解決するものとして、SiC被覆層上にガラス質としてNa2 SiO3 、無機フィラーとしてSiC粉末と繊維状物質の混合物を使用し、これを混合してスラリー状にしてSi被覆上に塗布し、保護膜を形成する耐酸化処理法(米国特許番号4471023 号公報)が提案されている。
しかしながら、耐酸化処理法で使用されるバインダーとしてのNa2 SiO3 は、蒸気圧が高いため1000℃付近までの耐酸化性には有効であるものの、1000℃を超える高温、低圧下ではNa2 SiO3 ガラスが揮散しコーティング膜が剥離してしまいSiCの保護膜として機能しないとう問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、約1600℃までの高温領域、低圧下において優れた耐酸化性及び耐エロージョン性を有し、繰り返し使用可能な炭素繊維強化炭素複合材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明は鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、炭素繊維強化炭素複合材の基材面に、傾斜機能を有する多結晶質のSiC被膜からなる第1被覆層、微細多結晶質のSiC被膜又はこれを不活性雰囲気下、1600〜1900℃の温度で加熱処理して得られる高結晶質のSiC被膜からなる第2被覆層、ガラス被膜からなる第3被覆層及びガラス質とSiCフィラーの混合物からなる第4被覆層が積層形成されてなるものであって、第4被覆層のガラス質とSiCフィラーの配合比が、重量比で1/10〜1/1であり、SiCフィラーは、粉末状SiCと繊維状SiCの混合物であることを特徴とする炭素繊維強化炭素複合材を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
基材となるC/Cは、炭素繊維の織布、フエルト、トウなどの強化繊維に炭化残留率の高いマトリックス樹脂液を含浸または塗布して半硬化プリプレグを形成し、次いで積層成形したのち、硬化及び焼成炭化処理する常用の方法で製造されたものが使用され、特に材料の限定はない。したがって、通常、強化材の炭素繊維にはポリアクリロニトリル系、レーヨン系、ピッチ系など各種のものが、またマトリックス樹脂としてフェノール系、フラン系その他炭化性の良好な液状熱硬化性樹脂を用いたものが使用できる。また、必要に応じてマトリックス樹脂を含浸、硬化及び炭化する処理を反復して組織の緻密化を図ってもよい。
【0010】
第1被覆層は、C/C基材の表層部が外面に向かうに従って次第にSiCの組織化が進む傾斜機能性状の多結晶質SiC被膜で、適切な膜厚は50〜100μmの範囲とすることが、良好な傾斜機能組織を形成するとともに基材の強度低下を極力避けることから好ましい。
【0011】
第2被覆層は、第1被覆層におけるSiC組織の微細なクラックや空隙を充填封止するための微細多結晶質又は高多結晶質のSiC被膜で、好適な膜厚は10〜50μmの範囲である。10μmを下廻る膜厚では前記の充填封止効果が不十分となり、50μmを超える膜厚は不要となる。
【0012】
第3被覆層は、第2被覆層の生じる微小な亀裂を目詰めするために形成されるもので、ガラス被膜、好ましくはSiO2 、Al2 O3 又はZrO2 の単体又は複合体であるガラス被膜で構成される。好適な膜厚は5〜20μmの範囲で、これを下廻ると耐酸化性改善効果が有効に達成されず、20μmを超える膜厚は不要である。
【0013】
第4被覆層は、ガラス質と、SiCセラミックスフィラーとの混合物からなる。好適な膜厚は100〜200μmであり、100μm未満では第2被覆層の保護膜としての機能が満たされず、200μmを超えると加熱時に膜の剥離が発生するので好ましくない。また、上記ガラス質としては、特に制限されないが、SiO2、Al2O3及びZrO2から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0014】
上記の積層構成を備える耐酸化性C/C材は、下記のようにして製造することができる。第1被覆層は、SiO2 粉末とSiもしくはC粉末を混合して密閉加熱系に収納し、系内にC/C基材をセットして加熱処理する工程により形成される。加熱段階でSiO2 が還元され、生成したSiOガスがC/C基材を構成する炭素と反応して表層部をSiCに転化する。反応条件としては、SiO2 に対するSi又はCの配合量を重量比で2:1、加熱温度を1800〜2000℃、系内を還元又は中性雰囲気とするのが好ましく、これによって基材のC層と被覆層のSiCが界面で連続的に変化する傾斜機能を備える組織状態が形成される。これにより、第2被膜層とC/C材間に生じる熱応力緩和層としての役割を果たすことができる。
【0015】
第2被覆層の形成は、ハロゲン化有機珪素化合物及び水素の混合ガス又はハロゲン化珪素、炭化水素及び水素との混合ガスを石英反応室内で加熱されているC/C材にガス状態で接触させる操作を短周期で間欠的に反復するパルスCVI工程によって行なわれる。該ハロゲン化有機珪酸化合物としては、トリクロロメチルシラン(CH3 SiCl3 )が挙げられる。全ガス量に対するトリクロロメチルシランのモル濃度は5〜10%とするのが好ましい。また、反応室内は常圧、反応温度は1400〜1500℃が好ましい。この反応温度を適宜制御することにより、析出するSiCの組成をSi:C=1:1とする微細多結晶質のSiC被膜を得ることができる。さらに、また、この第2被膜を不活性雰囲気に保持された加熱炉内に移して1600〜1900℃の加熱処理を行うことでSiCの結晶内に存在する結晶欠陥及び結晶不整を排除するとともに高結晶質のSiC被膜を得ることができる。該第2被膜により、第1被膜の表面は緻密でかつガス不浸透性の被膜層として形成される。
【0016】
第3被膜の形成は、例えばSiO2 、Al2 O3 、B2 O3 及びZrO2 の単体又は複合体を形成することが好ましく、これらは、Si、Al、B及びZrから選ばれる各原子の1種又は2種以上を含有する金属アルコキシド、Siでは、例えばテトラエトキシシラン(Si(OC2 H5 )4 )を加水分解して得られるガラス前駆体を塗布後、100℃で乾燥、次いで500〜1000℃で加熱処理する方法により行うことができる。第3被覆層の形成により、C/C材と被覆膜間の熱応力をさらに緩和するとともに、第2被膜層に発生する微妙な欠陥及び表面をコーティングし、欠陥からの酸素の浸入を防ぎ、耐酸化性を向上させることができる。
【0017】
第4被覆層は、例えばSi、Al及びZrの各原子から選ばれる1種又は2種を含有するガラス前駆体と、SiCセラミックスフィラーを混合してスラリーとし、これを炭素材に塗布し、次いで乾燥加熱処理することにより製造される。
【0018】
上記ガラス前駆体としては、特に制限されず、金属アルコキシドを加水分解する方法で調製したもの及び市販のゾル等が挙げられる。
【0019】
第4被覆層において、上記セラミックスフィラーの形態としては、特に制限されず、粉末状、繊維状のいずれでもよいが、特に粉末状と繊維状の混合物を用いることが好ましい。該混合物の場合、繊維状物質と粉末状物質の配合比は、0〜1/1が好ましい。
【0020】
また、ガラス質前駆体とセラミックスフィラーを混合する際、ガラス質とセラミックスフィラーの配合比として、重量比で1/10〜1/1とするのが好ましく、特に3/5〜1/1が好ましい。
【0021】
スラリーを炭素材に塗布する方法としては、特に制限されず、刷毛塗り方法及びスプレーによる吹き付け方法等が挙げられ、これらは、炭素材の形状に応じて適宜選定すればよい。スラリー塗布後、乾燥加熱処理を行えばよく、乾燥加熱温度としては、特に制限されず、例えば200℃程度の温度で行えばよい。
【0022】
このようにして得られた本発明のC/C材の構造の概略図を図1に示す。図1に示すように、該C/C材10は、第1被覆層1、第2被覆層2、第3被覆層3及び第4被覆層4の積層構造をとる。
【0023】
本発明のC/C材は、1600℃程度までの高温領域下において、耐久性を有し、繰り返しの使用ができるため、例えば航空宇宙材料、タービンブレード及び原子炉用部材の用途に適用できる。特に、宇宙環境における高温、低圧下で繰り返し使用される宇宙往還機の部材として好適である。
【0024】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
【0025】
実施例1
(1)C/C複合基材の作製
ポリアクリルニトリル系高強度高弾性タイプの平織炭素繊維布にフェノール樹脂初期縮合物(大日本インキ社製)をマトリックスとして十分に塗布し、48時間風乾してプリプレグシートを作成した。このプリプレグシートを積層してモールドに入れ、加熱温度100℃・適用圧力20kg/cm2 の条件で複合成形した。この成形体を250℃の温度に加熱して完全に硬化した後、窒素雰囲気に保持された焼成炉内に移し、5℃/hrの昇温速度で2000℃まで上昇し5時間保持して焼成炭化した。このようにして、炭素繊維の体積含有率(Vf) 65%、見かけ比重1.65g/ccのC/C複合基材を作成した。
【0026】
(2)第1被覆工程
SiO2 粉末とSi粉末を2:1(重量比)の配合比率になるように混合し、混合粉末を黒鉛坩堝に入れて上部にC/C材をセットした。この黒鉛坩堝を電気炉内に移し、内部をアルゴンガスで十分に置換した後、50℃/hrの速度で1850℃まで昇温させ、1時間保持してC/C基材の表層部に傾斜機能を有する多結晶質SiC被覆層を形成した。形成されたSiC被覆層の厚さは約50μmであったが、この表面には幅数μmの微細な亀裂が発生しているのが確認された。
【0027】
(3)第2被覆工程
第1被覆膜を形成したC/C材をCVD装置の反応管内に設置し、管内をアルゴンガスで十分に置換した後、高周波誘導加熱によりC/C材の温度を1500℃に上昇した。ついで、トリクロロメチルシラン(CH3 SiCl3 )と水素ガスを混合し、CH3 SiCl3 のモル濃度を7.5%として導入し、多結晶のSiCを沈着させた。形成されたSiC被覆層の厚さは150μmであり、微細な亀裂は存在するが、第1被覆工程後と比較すると亀裂の幅・数共に減少していた。次いで、これを不活性雰囲気下、1800℃で熱処理を行うことでSiC膜の高結晶化を図り、更に、SiC膜内に存在する熱応力を緩和した。
【0028】
(4)第3被覆工程
Si(OC2 H5 ) 4 とエタノールをモル比2:1になる量比で配合し、70℃の温度で還流撹拌を行った混合溶液中に、前記Si(OC2 H5 ) 4 1モルに対し25モル量の水と、0.2モル量のNH4OHの混合水溶液を滴加した。混 合水溶液のpHは12. 0であった。引き続き撹拌を継続し、約0. 2μmの球状SiO2 微粒子が均一に分散するサスペンジョンを合成した。このサスペンジョンに第2被覆工程を施したC/C複合材を浸漬し、15分間減圧含浸を行った。次いで、風乾後、前記サスペンジョンを同様に塗布、風乾を3回繰り返した後100℃の温度で乾燥を行い、SiO2 微粒子からなる中間層を形成した。次に前記SiO2 微粒子からなる中間層を形成したC/C複合材をB (OC4 H9 ) 3 溶液中に投入し15分間減圧含浸を行った。一昼夜風乾することにより空気中の水分で加水分解を行った。次いで風乾後、100℃の温度で乾燥を行い、更に500℃の温度で15分間加熱処理を行いB2 O3 を形成した。次にSi(OC2 H5 ) 4 とエタノールをモル比1:4.5になる量比で配合し、室温で還流撹拌を行った混合溶液中に、前記Si(OC2 H5 ) 4 1モルに対し2.5モル量の水と0.03モル量のHClの混合水溶液を滴加した。混合水溶液のpHは3.0であった。引き続き撹拌を継続し、SiO2 ガラス前駆体を合成した。このガラス前駆体溶液に前記SiO2 微粒子/B2 O3 ガラスからなる中間層を形成したC/C複合材を投入し、15分間減圧含浸を行った。次いで風乾後、100℃で乾燥を行った。最後に上記のような被覆工程を施したC/C複合基材を再度B (OC4 H9 ) 3 溶液中に投入し、15分間減圧含浸を行った。一昼夜風乾することにより空気中の水分で加熱分解を行った。次いで風乾後、100℃の温度で乾燥を行い、更にアルゴン雰囲気下、800℃で60分間加熱処理することによりB2 O3 −SiO2 ガラスを形成した。
【0029】
(5)第4被覆工程
平均粒径0.4μmのSiC粉末と長さ20〜30μm、アスペクト比10〜30のSiC繊維状物を重量比で1:1の配合比で混合し、次いで、該混合物とSiO2 ゾルを重量比1:1の配合比で混合してスラリーを調製した。このスラリーを第3被覆膜まで形成した炭素複合材へ塗布し、200℃の温度で乾燥を行いコーティング膜を形成した。塗布による第4被覆膜の膜厚は約150μmであった。更に、Na2 O−SiO2 と水を重量比1:1の配合で混合し、珪酸ナトリウム水溶液を調製し、最外殻コーティング層としてこの水溶液を塗布した。塗布後300℃の温度で乾燥を行い、Na2 O−SiO2 ガラス層を形成した。得られた炭素繊維強化炭素複合体は、次に示す低圧揮散試験により、耐エロージョン性を評価した。結果を表1に示す。
【0030】
(低圧揮散試験)
装 置 :低圧揮散試験装置
試料表面温度:1550℃(クセノンランプの集光照射による)
照射時間 :1100秒
反応室内圧力:1又は1000Pa
評 価 :耐酸化膜の膜厚減少量(mg)及び外観観察
【0031】
実施例2及び3
第4被覆工程で使用のSiO2 ゾルの代わりに、Al2 O3 −SiO2 ゾル(実施例2)又はZrO2 −SiO2 ゾル(実施例3)を用いた以外は実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
【0032】
比較例1
第4被覆工程を省略した以外は実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
表1より、比較例1では高温、低圧下において第3被覆層のガラス質が全て揮散し、SiC膜が露出してしまい、高温、高圧下ではC/C材基材までも酸化されてしまう。実施例1〜3では、高温、低圧下においてガラス質の揮散量が多いものの下地のSiC膜が露出することなく、優れたコーティング性を示す。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、約1600℃までの高温領域、高低圧条件下において、優れた耐酸化性及び耐エロージョン性を示すとともに、特に、第4被覆工程が簡便な方法により得られることから、コーティング膜が消耗した場合や傷が入った場合の補修法として有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭素繊維強化炭素複合材の断面図である。
【符号の説明】
1 第1被覆層
2 第2被覆層
3 第3被覆層
4 第4被覆層
5 基材
10 炭素繊維強化炭素複合材
Claims (1)
- 炭素繊維強化炭素複合材の基材面に、傾斜機能を有する多結晶質のSiC被膜からなる第1被覆層、微細多結晶質のSiC被膜又はこれを不活性雰囲気下、1600〜1900℃の温度で加熱処理して得られる高結晶質のSiC被膜からなる第2被覆層、ガラス被膜からなる第3被覆層及びガラス質とSiCフィラーの混合物からなる第4被覆層が積層形成されてなるものであって、第4被覆層のガラス質とSiCフィラーの配合比が、重量比で1/10〜1/1であり、SiCフィラーは、粉末状SiCと繊維状SiCの混合物であることを特徴とする炭素繊維強化炭素複合材。
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