JP4536175B2 - 防腐剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホスホリルコリン類似基を側鎖に有する重合体と防腐剤とを配合してなる防腐剤組成物に関する。さらに詳しくは水溶液で防腐効果を発揮する防腐剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホスホリルコリン類似基を側鎖に有する重合体は、リン脂質部位、特にその極性基を高分子の側鎖に導入した化合物であり、物質の表面を被覆することにより、その表面に▲1▼蛋白質が付着しにくい(高分子論文集、第46巻、第591頁、1989年)、▲2▼蛋白質と接触したときに蛋白質変性を誘起しない(生体材料、第9巻、第243頁、1991年)、▲3▼優れた抗血栓性(K.Ishihara et al.,J.Biomed.Meter.Res.,26,1543(1992))等の優れた生体適合性を付与できることから、医療用具、眼科材料などの基材物質、コーティング物質として有用であることが知られている(K.Ishihara et al.,Polym.J.,22,1543(1990))。
また、特開平5−40321号公報には、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンからなる高分子が、これを含む組成物を皮膚に塗布することにより角質層を保護する膜を形成し、優れた保湿効果を発現することが開示されている。
しかしその高い生体適合性のためかその溶液中に繁殖する細菌に対して各種防腐剤の防腐効果が減弱することが認められ、通常使用濃度で満足できる防腐剤は知られていない。また、皮膚外用剤などに用いられるパラオキシ安息香酸のエステル類等は水溶液には溶けず防腐剤としての効果は期待できない。そこでホスホリルコリン類似基を側鎖に有する重合体を水溶液で用いる際には、水溶液中で効力を発揮する防腐剤、特に、皮膚外用剤、眼科用点眼剤、コンタクトレンズのケア用剤等に用いられる低濃度で効果を発揮する刺激の少ない防腐剤との配合処方が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ホスホリルコリン類似基を側鎖に有する重合体水溶液中で有効に機能する防腐剤組成物を提供することにある。また、該防腐剤組成物を用いる用途を提供することにある。
【0004】
【課題を発明するための手段】
本発明者らは、ホスホリルコリン類似基を側鎖に有する重合体水溶液中で効果を発揮する防腐剤組成物を見出すべく、鋭意検討した結果、ポリヘキサメチレンビグアニドまたはその水溶性塩が他の防腐剤と比較して殺菌効果が減弱されず低濃度で効果が認められることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、次の(1)〜(5)である。
(1)A成分として下記一般式[1]
【0005】
【化3】
Figure 0004536175
【0006】
(ただし式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なる基であって水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、mは2〜4の整数を示す。)で表されるホスホリルコリン類似基を側鎖に有する重合体、ならびにB成分としてポリヘキサメチレンビグアニドまたはその水溶性塩を含有する防腐剤組成物であって、A成分を0.001〜40重量%、B成分を0.0003〜0.05重量%含有する防腐剤組成物。
【0007】
(2)A成分の重合体が下記一般式[2]
【0008】
【化4】
Figure 0004536175
【0009】
(ただし、式中、R4は水素原子又はメチル基、mは2〜4の整数を示す。)
で表されるホスホリルコリン基含有単量体を構成成分として重合してなる重合体である前記の防腐剤組成物。
【0010】
(3)前記の防腐剤組成物が皮膚外用剤の形態にある防腐剤組成物。
(4)前記の防腐剤組成物が眼科用点眼剤の形態にある防腐剤組成物。
(5)前記の防腐剤組成物がコンタクトレンズのケア用剤の形態にある防腐剤組成物。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるホスホリルコリン類似基を側鎖に有する重合体(以下、PC重合体と略す)は、下記の一般式[1]
【0012】
【化5】
Figure 0004536175
【0013】
で表される基を側鎖に有している重合体である。
ここで式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なる基であって水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、mは2〜4の整数を示す。
好ましくは、下記の一般式[2]
【0014】
【化6】
Figure 0004536175
【0015】
で表される単量体を構成成分として含有する重合体である。
ここで、式中、R4は水素原子又はメチル基、mは2〜4の整数を示す。
また、本発明で用いるPC重合体としては、前記の構成成分と共重合可能な他の単量体との共重合体を挙げることができる。
前記の一般式[2]で表される単量体としては、例えばmが2である2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェートが挙げられる。
【0016】
さらにmが3である、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリエチルアンモニオ)プロピルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリエチルアンモニオ)プロピルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリエチルアンモニオ)プロピルホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリエチルアンモニオ)プロピルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)プロピルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリプロピルアンモニオ)プロピルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)プロピルホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)プロピルホスフェートが挙げられる。
【0017】
さらにmが4である、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリエチルアンモニオ)ブチルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリエチルアンモニオ)ブチルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリエチルアンモニオ)ブチルホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリエチルアンモニオ)ブチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)ブチルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリプロピルアンモニオ)ブチルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)ブチルホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)ブチルホスフェート等が挙げられる。
特に入手性などの点から2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェートが好ましく挙げられる。
【0018】
前記の共重合可能な他の単量体としては、スチレン、メチルスチレン等のスチレン系単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリル酸エステル系単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系単量体;エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系単量体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、N−ビニルピロリドン等を挙げることができる。好ましくは、n−ブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの他の単量体は、単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0019】
PC重合体を構成する一般式[2]で表される単量体と共重合可能な他の単量体との含有割合は、前者の含有量が10〜100モル%であることが望ましい。前者の含有量が10モル%未満であるとホスホリルコリン類似基に由来する生体適合性が発揮されない。
また重合体の分子量は、重量平均分子量で、好ましくは1,000〜10,000,000、更に好ましくは、5,000〜2,000,000である。重合体の分子量が1,000未満であると皮膚外用剤、眼科用点眼剤、コンタクトレンズのケア用剤に必要な保水性や、保湿性の期待される機能を発揮することが困難になるので好ましくない。また、重合体の分子量が10,000,000より大きいと製品の粘度が高くなり好ましくない。
【0020】
本発明で使用するポリヘキサメチレンビグアニド(以下、PHMBと略す)は次の一般式[3]であらわされる。
【0021】
【化7】
Figure 0004536175
【0022】
ここで、nは[ ]内の繰り返し単位を示す数で、2〜500であり、好ましくは、nが4〜18である。またPHMBの水溶性塩としては、塩酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、グルコン酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩およびクエン酸塩等が挙げられる。入手性の点からより好ましくは、nが4〜14であるPHMBの塩酸塩が挙げられる。市販品としては、例えば、ゼネカ社製 商品名、Proxel IB、nが平均12のものが挙げられる。
使用するPHMBの配合量は、全組成中に0.0003〜0.5重量%、より好ましくは、0.001〜0.01重量%である。PHMBの配合量が全組成中に0.0003重量%より少ないと、その防腐剤の効果が十分に発揮できず、PHMBの配合量が全組成中に0.5重量%より多いと、刺激性が顕著に増大したりする可能性があり、皮膚外用剤、眼科用点眼剤、コンタクトレンズのケア用剤等の用途に好ましくない。
【0023】
本発明の防腐剤組成物は、特に皮膚外用剤、眼科用点眼剤、コンタクトレンズのケア用剤等に配合して使用することができる。また、特に水溶液の希薄な溶液でその効果を発揮する等の点で、その他の用途として、医用材料の消毒・洗浄、医用関係の検査用基材の消毒・洗浄等にも使用できる。
また、前記の皮膚外用剤としては、化粧料、医薬品、医薬部外品等の外皮に適用されるものを意味する。またさらに、前記の眼科用点眼剤としては、眼病の予防・治療を目的とした点眼薬やコンタクトレンズ装着時の不快感を緩和するための点眼液も含めて意味する。また、コンタクトレンズのケア用剤としては、コンタクトレンズの消毒、洗浄、保存の目的のために、用いる溶液を意味する。
コンタクトレンズとしては、ハード型あるいは含水性のソフト型のコンタクトレンズにも適用できる。
配合割合は、用途に応じて適宜選択されるが、通常は0.01〜50重量%程度である。
【0024】
したがって、本発明の防腐剤組成物は、前記の用途の目的等のために、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分を配合することができる。例えば、界面活性剤として、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のアニオン活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、糖エステル系、糖エーテル系、糖アミド系等のノニオン性界面活性剤;イミダゾリン系、ベタイン系等の両性界面活性剤を挙げることができる。
【0025】
また、さらにその他の成分として、プロピレングリコール、グリセリン等の保湿剤;カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、エタノール等の粘度調整剤;エチレンジアミン四酢酸等のイオン封鎖剤;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩;ホウ酸、リン酸、酢酸、塩酸等の酸;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン等の塩基および浸透圧調整剤、香料、色素、酸化防止剤、PHMB以外の防腐剤等を配合することができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の防腐剤組成物は、PC重合体と低濃度で防腐剤の効果を発揮するPHMBを含有するので、PC重合体による生体適合性や親水性、保湿性を発揮するとともに、重合体水溶液中で低濃度でPHMBの防腐効果を発揮する。
また、本発明の防腐剤組成物は、低濃度で防腐効果を発揮するので、皮膚外用剤、眼科用点眼剤、コンタクトレンズ用のケア用剤等に用いて防腐効果を発揮する。
【0027】
【実施例】
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明する。
次にPC重合体について述べる。
合成例1;PC重合体の合成
2−メタクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート(以下MPCと略す)4.5gとn−ブチルメタクリレート(BMAと略す)0.5gを50mlのメタノールに溶解し、重合開始剤としてアゾビスブチロニトリル(AIBN)25mgを加え、窒素気流下で、55℃で6時間重合を行った。得られた反応液を2000mlで再沈澱を行った。得られた沈澱を60℃で24時間減圧乾燥を行って、白色固体状の重合体を得た。収率は95%であり、重量平均分子量は、ポリエチレングリコール換算で590000であった。この重合体3gを97gの精製水に溶解し3%溶液を調製し、以下の試験に供した。
【0028】
防腐試験:
1)細菌溶液の調製;
大腸菌、黄色ブドウ球菌、および緑膿菌を5mlソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・ブロス培地に接種し、37℃で18時間振とう培養した。5000rpmで10分間遠心分離により集菌した後、得られた菌体の沈澱を1mlあたり、300,000個の菌体を含むように生理食塩水で希釈した。
2)生菌数の測定方法
生菌数の測定は、日本薬局方の生菌数試験に準じた方法で行った。測定用試料溶液を生理食塩水で適当に希釈し、その内の0.1mlをソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・カンテン培地に散布し、30℃で48時間保温した。その後出現したコロニー数を目視で数えて、その希釈倍率より算出した。
【0029】
試験例1;
実施例1
20%PHMB{ゼネカ(株)社製、商品名Proxel IB)を精製水で希釈して、0.3、0.15、0.03、0.015および0.003重量%の濃度の各液を調製した。このそれぞれの溶液1mlと前記のPC重合体の3重量%溶液1ml、細菌溶液1mlを混合し、室温で10分間放置した後、残存する生菌数について前記の方法で測定した。
なお、除菌率(%)は試験により測定された生菌数を防腐剤無添加の場合の生菌数で除した値を%で示した。
なおまた、対照として、前記の実施例1のPC重合体1mlを配合する代わりに精製水1mlを用いて配合した。同様に生菌数について測定した。
【0030】
比較例1
防腐剤溶液として、20%グルコン酸クロルヘキシジン溶液{丸石製薬(株)製、商品名、マスキン液、以下、CHGと略す}を用いて実施例1と同様にして試験を行った。
【0031】
比較例2
防腐剤溶液として、10%塩化ベンザルコニウム溶液{和光純薬工業(株)、以下、BzClと略す}を用いて実施例1と同様にして試験を行った。
結果を表1に示した。
【0032】
【表1】
Figure 0004536175
【0033】
以上の結果から、通常水溶液等で使用される防腐剤のCHG、BzClをPC重合体と配合した場合の比較例1、2では、防腐効果が減弱されるのに対してPHMBをPC重合体と配合した実施例1の場合には防腐効果が低濃度で著しいことが分かる。
【0034】
試験例2;皮膚外用剤における防腐効果
実施例2
PC重合体0.3重量%とPHMBの0.003重量%とを含む表2に示した皮膚外用剤(化粧水)の溶液を調製した。その溶液9mlと前記の緑膿菌溶液1mlとを混合し、室温で4時間放置した。その後前記と同様にして生菌数について測定した。
【0035】
比較例3、4
実施例2のPHMBの0.003重量%の代わりに、同濃度のCHG(比較例3)、およびBzCl(比較例4)を用いて生菌数を測定した。
結果を表2に併せて示した。
【0036】
【表2】
Figure 0004536175
【0037】
以上の結果から、皮膚外用剤の処方において、防腐剤のCHG、BzClをPC重合体と配合した場合の比較例3、4では、防腐効果が減弱されるのに対してPHMBをPC重合体と配合した実施例2の場合には防腐効果が低濃度で著しいことが分かる。
【0038】
試験例3;眼科用点眼剤における防腐効果
実施例3
PC重合体0.3重量%とPHMBの0.003重量%とを含む表3に示した眼科用点眼剤の溶液を調製した。その溶液9mlと前記の緑膿菌溶液1mlとを混合し、室温で4時間放置した。その後前記と同様にして生菌数について測定した。
【0039】
比較例5、6
実施例2のPHMBの0.003重量%の代わりに、同濃度のCHG(比較例5)、およびBzCl(比較例6)を用いて生菌数を測定した。
結果を表3に併せて示した。
【0040】
【表3】
Figure 0004536175
【0041】
以上の結果から、眼科用点眼剤の処方において、防腐剤のCHG、BzClをPC重合体と配合した場合の比較例5、6では、防腐効果が減弱されるのに対してPHMBをPC重合体と配合した実施例3の場合には防腐効果が低濃度で著しいことが分かる。
【0042】
試験例4;コンタクトレンズのケア用剤における防腐効果
実施例4
PC重合体0.3重量%とPHMBの0.003重量%とを含む表4に示したコンタクトレンズのケア用剤を調製した。その溶液10mlに予め前記の緑膿菌溶液に浸したコンタクトレンズを室温で4時間浸し、残存するコンタクトレンズ上の生菌数について調べた。
コンタクトレンズ上の生菌数は、洗浄消毒保存液より取り出したコンタクトレンズを、予めオートクレーブ滅菌後45℃に冷却したソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・カンテン培地中に沈め、固化後30℃で24時間保温し、出現したコロニー数を前記と同様に数えて、求めた。
【0043】
比較例7、8
実施例4のPHMBの代わりに、比較例として前記のPHMBと同濃度のCHG(比較例7)およびBzCl(比較例8)の溶液を用いて同様に生菌数について測定した。
結果を表4に併せて示した。
【0044】
【表4】
Figure 0004536175
【0045】
以上の結果から、コンタクトレンズのケア用剤の処方において、防腐剤のCHG、BzClをPC重合体と配合した場合の比較例7、8では、防腐効果が減弱されるのに対して、PHMBをPC重合体と配合した実施例4の場合には防腐効果が低濃度で著しいことが分かる。

Claims (5)

  1. A成分として下記一般式(1)
    Figure 0004536175
    (ただし式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なる基であって水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、mは2〜4の整数を示す。)で表されるホスホリルコリン類似基を側鎖に有する重合体、ならびにB成分としてポリヘキサメチレンビグアニドまたはその水溶性塩を含有する防腐剤組成物であって、A成分を0.001〜40重量%、B成分を0.0003〜0.05重量%含有する防腐剤組成物。
  2. 前記A成分の重合体が下記一般式[2]
    Figure 0004536175
    (ただし、式中、R4は水素原子又はメチル基、mは2〜4の整数を示す。)で表されるホスホリルコリン基含有単量体を構成成分として重合してなる重合体である請求項1記載の防腐剤組成物。
  3. 請求項1または2記載の防腐剤組成物が皮膚外用剤の形態にある防腐剤組成物。
  4. 請求項1または2記載の防腐剤組成物が眼科用点眼剤の形態にある防腐剤組成物。
  5. 請求項1または2記載の防腐剤組成物がコンタクトレンズのケア用剤の形態にある防腐剤組成物。
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