JPH06157270A - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JPH06157270A
JPH06157270A JP30675292A JP30675292A JPH06157270A JP H06157270 A JPH06157270 A JP H06157270A JP 30675292 A JP30675292 A JP 30675292A JP 30675292 A JP30675292 A JP 30675292A JP H06157270 A JPH06157270 A JP H06157270A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 美肌効果および美髪効果に優れた化粧料を提
供する。 【構成】 本発明の化粧料は、2−メタクリロイルオキ
シエチルホスホリルコリンと親水性モノマーとの共重合
体(好ましくは分子量が5,000以上)を、好適には化
粧料全体に対して0.001〜10重量%配合するもので
あり、肌あれ、つや不足等の皮膚及び毛髪状態を改善
し、水分の保持を高めることができるとともに、感触的
な弊害もない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化粧料に関し、詳しくは
皮膚に対しては保湿効果や肌荒れ改善効果に優れ、一
方、毛髪に対しては皮膜形成作用に基づく保護効果に優
れた化粧料を提供せんとするものである。
【0002】
【従来の技術】一般に皮膚の乾燥は、皮膚分泌物の量、
特に皮脂分泌量の減退、細胞間脂質やアミノ酸などの天
然保湿因子の減少により、角層のバリア機能が低下し、
経表皮性水分損失(以下、TEWLと略す)が大きくな
ったときにおこる。従って冬季や、過剰な皮膚洗浄、年
齢、体質などによる皮膚分泌物の減少により皮膚乾燥が
増悪し、角層水分量が10%程度以下に低下した状態を
特にドライスキンと称している。このように皮膚が乾燥
状態になると皮膚のつやは低下し、小じわが目だつなど
の弊害がでてくる。同様に、毛髪についても毛髪中の水
分量が減少することにより髪はなめらかさを失ない、ま
たつやが低下するなどの弊害を生じる。
【0003】従来、これらの皮膚状態や毛髪状態を改善
するためには、角層や毛髪の水分含有量の低下を防止
し、正常な機能を維持することが必要であり、これまで
各種の方法が研究されてきた。その結果、提案された方
法としては、皮膚との密着性が良く、親水性を有するワ
セリン軟膏や油中水型乳化物などの閉塞剤を用いてTE
WLを抑制する方法と、吸湿力、保湿力を有する例えば
ヒアルロン酸、キチンなどの多糖類、コラーゲン、エラ
スチンなどの蛋白質類、ソルビトール、エチレングリコ
ール、グリセリンなどの多価アルコール類、およびピロ
リドンカルボン酸ソーダ、乳酸ソーダなどの有機酸塩類
等の吸湿剤、保湿剤を皮膚料基剤中や毛髪料基剤中に配
合することにより、水和効果を高める方法とがあった。
また、最近は角層などの細胞間脂質の一成分であるセラ
ミドやスフィンゴ脂質が水分の保持に重要な働きをして
いることが解明され、合成や天然抽出のセラミドなどを
配合することも行なわれつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の従来
知られている方法はいずれも水分保持能力が充分なもの
とは言えないばかりか、閉塞剤を用いた場合は油っぽ
く、ベタベタするなどの不快な感触を与える欠点があ
り、一方、吸湿剤、保湿剤を用いた場合にも効果を高め
る為には多量に配合しなければならず、その結果として
ベタベタ感やヌメリ感等の不快な感触を与えるという問
題があり、実際には処方系では多量に配合することが不
可能である。更には経時や微生物に対する安定性に劣る
という欠点もあった。また、一物質で吸湿・保湿作用と
セラミド等の細胞間脂質ラメラ層の形成促進・安定化作
用を併せもつものはいまだ存在しない。
【0005】本発明は斯かる実情に鑑みてなされたもの
であって、肌あれ、つや不足等の乾燥に起因する皮膚及
び毛髪状態を改善し、充分な水分保持により潤いを与え
る、いわゆる美肌及び美髪効果を有するとともに、感触
的にも問題の殆んどない化粧料を提供することを課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意研究を行なった結果、生体膜の主成分
であるリン脂質(ホスファチジルコリン)の極性基と同
一の構造を有する2−メタクリロイルオキシエチルホス
ホリルコリンを構成単位とするコポリマー物質が吸湿、
保湿作用に基づく水分保持機能が高く、またラメラ形成
促進・安定化作用や皮膜形成能に優れていることを見い
出し、これに基づいて本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、2−メタクリロイル
オキシエチルホスホリルコリンと親水性モノマーとの共
重合体を含有することを特徴とする化粧料であり、好ま
しい態様としては、親水性モノマーが非イオン性のもの
としてはアクリルアミド、ビニルピロリドン、ポリエチ
レングリコールモノメタクリレート、2−メタクリロイ
ルオキシエチルメチルスルホキンド、またイオン性のも
のとしてはアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド
−2−メチル−プロパンスルホン酸、p−スチレンスル
ホン酸、3−メタクリロイルオキシプロピルスルホン
酸、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、ビニル
ピリジンから選択される一種以上であり、または共重合
体の分子量が5,000以上であり、または2−メタクリ
ロイルオキシエチルホスホリルコリンと親水性モノマー
との構成比が3:97〜45:55であり、または共重
合体の含有量が化粧料全体に対して0.001〜10重量
%である化粧料に関するものである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明に適用される共重合体は、下記「化
1」に示す一般式(I)で示される2−メタクリロイル
オキシエチルホスホリルコリン(以下MPCと略記)と
親水性モノマーとを共重合させて得られるものである。
【0010】
【化1】
【0011】かかるMPCについては、例えば2−ブロ
モエチルホスホリルジクロリドと2−ヒドロキシエチル
ホスホリルジクロリドと2−ヒドロキシエチルメタクリ
レートとを反応させて2−メタクリロイルオキシエチル
−2′−ブロモエチルリン酸を得、更にこれをトリメチ
ルアミンとメタノール溶液中で反応させて得ることがで
きる。(高分子論文集,Vol.35,P432〜42
7,1978)
【0012】一方、親水性のモノマーとしては、MPC
とビニル重合により共重合体を形成するものであれば良
く、例えば、非イオン性のものではアクリルアミド、ビ
ニルピロリドン、ポリエチレングリコールモノメタクリ
レート、2−メタクリロイルオキシエチルメチルスルホ
キシド等が、また、イオン性のものでは、例えばアクリ
ル酸、メタクリル酸、アクリルアミド−2−メチル−プ
ロパンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、3−メタ
クリロイルオキシプロピルスハホン酸、N,N−ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート、ビニルピリジン等が挙げられ
る。
【0013】次に、共重合体の製造方法については常法
に従えば良く、MPCと親水性モノマーとを溶媒中で重
合開始剤の存在下、反応させて得られる。ここで使用さ
れる溶媒としては、MPC及び親水性モノマーが溶解す
るものであれば良く、具体的には水、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、t−ブタノール、ベンゼン、ト
ルエン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、
クロロホルムまたはこれらの混合溶媒等が例示される。
また、重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤なら
ば何れを用いても良く、2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル(AIBN)、アゾビス(3−カルボキシプロ
ピオニトリル)アゾビスマレノニトリル等の脂肪酸アゾ
化合物や過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸
カリウム等の有機過酸化物を挙げることができる。
【0014】以下に、本発明に係る共重合体の製造例を
示す。MPC/メタクリル酸共重合体の合成 MPC及びメタクリル酸(MAA)をMAAのmol組
成が3%、5%、全モノマー濃度が1mol/Lとなる
ようにエタノールに溶解し、開始剤としてAIBNをモ
ノマーに対して0.5mol%加える。溶液をガラス製反
応器に入れアルゴンで充分に置換した後、封管する。6
0℃にて6時間反応し、反応混合物を大量のジエチルエ
ーテルに滴下してポリマーを沈澱させる。沈澱物をろ別
し、ガラスフィルター上で充分にエーテルで洗浄した
後、真空乾燥する。収率は約50%である。MAAをナ
トリウム塩にする場合には、得られたMPC/MAA共
重合体を水に溶解し、pHを測定しながらNaOHで中
和し、これをビスキング透析膜を用いて純水を外液とし
て5日間透析をする。得られたコポリマー水溶液に2−
プロパノールを加え、この溶媒を共沸留去する(限外ろ
過をすることも可能)。ポリマーは溶液状態で保存す
る。
【0015】〇IR(cm-1)測定 3200〜2900(CH2 ,CH3 )、1720(C=O) 1100〜1200(C−O−C)、1250(P=O)
【0016】〇分子量測定 コポリマーの水−メタノール{80/20(V/V)}
溶液をGPCを用いて分析測定した結果、ポリエチレン
グリコール換算で37,000であった。また、リンの定
量からコポリマー中のMPCモル組成比は90.6%であ
った。
【0017】上記の如くして得られる本発明に係る共重
合体の分子量は、その使用目的に応じて種々調整するこ
とができるが、感触面、ゲル化能、皮膜形成能等を勘案
した場合、通常はポリエチレングリコール換算で5,00
0以上であり、好ましくは10,000以上である。ま
た、共重合体中におけるMPCと親水性モノマーとの構
成比については、3:97〜45:55の範囲が好適で
ある。すなわち、MPCの構成比が3:97より小さく
なると、水分保持機能やラメラ形成促進・安定化が低下
して好ましくない。
【0018】本発明の化粧料では、上記共重合体が化粧
料全体に対して、通常0.001〜10重量%、好ましく
は0.01〜3重量%の範囲で含有される。
【0019】また、本発明の化粧料は、化粧水、乳液、
クリーム、口紅、ファンデーションなどの形態で皮膚化
粧料として用いることができ、一方、ヘアートニック、
ヘアークリーム、ヘアーローションなどの形態で毛髪化
粧料として用いることができる。更に、共重合体のゲル
化能、皮膜形成能を利用してマッサージ料やパック料と
して用いることもできる。尚、これらの化粧料は常法に
従って製造することができる。
【0020】更に、本発明の化粧料には共重合体に加え
て、必要に応じて界面活性剤、粉体または顔料、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、保湿剤、ビタミン類、防腐剤、香
料などを配合できる。
【0021】ここで、本発明に係る共重合体が如何に優
れた吸湿特性及び経時安定性ラメラ形成促進・安定化を
有するかの評価をするための実験を行なった。その内容
を以下に示す。
【0022】 実験1.MPC/メタクリル酸共重合体の吸湿性 〔サンプル〕(A)MPC/メタクリル酸共重合体(構
成比90/10、分子量12,000) (B)キトサン(比較品)
【0023】〔測定方法〕MPC/メタクリル酸共重合
体の50%エタノール溶液(3重量%)、キトサンの酢
酸水溶液(3重量%)を調製し、各溶液5mlを25cm
2 のテフロン板上に流延した後、室温にて溶媒を揮散さ
せ、厚さ約100μmの膜を作成した。これを、飽和塩
溶液により各相対湿度(60%、80%、95%)に調
整したデシケーター中に入れ、20℃以下、48時間後
の重量増加率を測定した。その結果を図1に示す。 重量増加率(%)=〔(48hr後の重量−初期重量)
/初期重量〕×100
【0024】〔結果〕図1の結果から明らかな如く、本
発明に係るMPC/メタクリル酸共重合体は、比較品で
あるキトサンに比べて高い吸湿性を有していることが示
された。
【0025】 実験2.MPC/メタクリル酸共重合体の安定性 〔サンプル〕 MPC/メタクリル酸共重合体(構成比90/10、分
子量15000)
【0026】〔測定方法〕各種バッファーによりpH4.
0、6.0、8.0、9.0に調整した10%エタノール水溶
液中に、夫々、サンプルを2重量%濃度で溶解し、40
℃下で3ヶ月間放置してその状態を観察した。尚、スタ
ート時には着色、沈殿は認められず透明であった。その
結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1の結果に示された如く、本発明に係る
MPC/メタクリル酸共重合体は、広いpH領域で経時
安定性が優れていることが明らかとなった。
【0029】
【実施例】以下に、本発明の化粧料の実施例を示す。
尚、配合割合は重量%である。
【0030】実施例1.o/w型乳液 ステアリン酸 1 ミツロウ 2 マイクロクリスタリンワックス 1 MPC/メタクリル酸共重合体3重量%水溶液 30 (構成比15/85、分子量35,000) プロピレングリコール 5 グリセリン 2 エチルアルコール 5 防腐剤 0.3 香 料 0.3 精製水 53.4
【0031】実施例2.化粧水 MPC/ビニルピロリドン共重合体2重量%水溶液 25 (構成比10/82,分子量20,000) グリセリン 1.5 エタノール 6 プロピレングリコール 1.5 クエン酸 0.01 クエン酸ナトリウム 0.1 香 料 0.05 精製水 65.84
【0032】実施例3.クリーム スクワラン 5 2−エチルヘキサン酸トリグリセライド 1 ワセリン 0.5 MPC/2−メタクリロイルオキシエチルメチルスルホキシド共重合体 3重量%水溶液(構成比18/82,分子量20,000) 50 グリセリン 3 1,3−ブタンジオール 4 ポリグリセリンポリオキシブチレンステアリルエーテル 2.5 香 料 0.2 精製水 33.8
【0033】実施例4.ヘアーローション MPC/ポリエチレングリコールモノメタクリレート共重合体2重量%水溶液 (構成比35/65,分子量45,000) 5 エタノール 10 グリセリン 3 カルボキシメチルキチン 0.01 ビタミンE 0.1 色 素 0.02 精製水 81.87
【0034】実施例5.ヘアークリーム スクワラン 30.0 ワセリン 3.0 ミツロウ 4.0 ステアリン酸 4.0 オリーブ油 2.0 ソルビタンモノステアレート 2.5 ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 2.5 ブチルパラベン 0.1 MPC/アクリルアミド共重合体10重量%水溶液 30 (構成比35/65,分子量40,000) 1,3−ブタンジオール 2.5 ポリエチレングリコール200 1.5 トリエタノールアミン 1.0 メチルパラベン 0.1 香 料 0.2 精製水 16.6
【0035】(比較実験)本発明により得られた化粧料
と従来の化粧料とを肌荒れ改善効果及び毛髪保護効果に
より比較した。
【0036】実験3.人工的な肌荒れの改善効果 〔サンプル〕(ア)本発明の実施例1の乳液 (イ)本発明の実施例1の乳液からMPC/メタクリル
酸共重合体を除去(水を増量)した従来の乳液
【0037】〔実験方法〕邦人女性10人(年令20〜
37才)を被験者として、界面活性剤による人工的な肌
荒れに対する改善効果を角層水分量の測定及び皮疹の判
定により行なった。すなわち、前腕内側部の皮膚を対象
とし、これに直径3cmのガラスコップを密着させ、そこ
へ10mlの5%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を
入れ軽く揺らしながら10分間放置した後処理液を回収
し、さらに同一部位に次の20分間同一の処理液で放置
した後処理液を回収して肌荒れを惹起させた。このSD
S処理の1日後から、処理部位に1日2回当りサンプル
(ア)または(イ)の乳液を塗布した。実験前後の角層
水分量を下記測定法に従い皮表コンダクタンス値として
測定した結果および皮疹を下記判定基準に従って判定し
た結果(平均値)を図2及び図3に示す。
【0038】1)角層水分量の測定 角層の水分量は田上らの方法に従い Capacitance condu
ctance meter(IBM社MODEL IB−354)を
用いて測定する。測定に際しては測定部位皮膚を37℃
の温水で30秒間洗浄後、20℃,50%相対湿度下、
5回測定してその平均を測定値とする。
【0039】2)皮疹判定基準 0:乾燥性落屑性変化を認めない。 1:かすかな乾燥性落屑性変化を認める。(かすかな落
屑または光沢) 2:明瞭な乾燥性落屑性変化を認める。(処理部の境界
が明瞭で、明瞭な落屑に一部光沢、亀裂) 3:著しい乾燥性落屑性変化を認める。(明瞭な落屑に
明瞭な光沢、亀裂)
【0040】図2及び図3の結果に示された如く、本発
明品の乳液であるサンプル(ア)は、従来品の乳液であ
るサンプル(イ)に比し、角層水分量の回復(皮表コン
ダクタンス値の上昇)や乾燥性皮疹に対して著しい効果
のあることが実証された。
【0041】実験4.実使用テスト 〔サンプル〕実験3で使用したサンプル(ア)及び
(イ)の乳液と同一のものを用いた。
【0042】〔実験方法〕日頃から肌荒れ、乾燥性の症
状を訴える邦人女性40人(年令20〜49才)を無作
為にA群、B群(各20人)に分け、A群にはサンプル
(ア)の乳液を、またB群にはサンプル(イ)の乳液を
それぞれ1ヶ月間使用してもらった。1ヶ月後のしっと
り感(保水効果)、肌のはりの改善(賦活効果)などの
美肌効果と使用中の感触(ベたつき感)について群間比
較を行なった。その結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2の結果から明らかなように、本発明品
の乳液であるサンプル(ア)は、従来品の乳液であるサ
ンプル(イ)と同様に感触的な問題もなく、一方、保水
効果や賦活効果等の美肌効果については格段に優れてい
ることが実証された。
【0045】実験5.毛髪保護効果 〔サンプル〕(ウ)本発明の実施例4のヘアーローショ
ン (エ)本発明の実施例4のヘアーローションからMPC
/ポリエチレングリコールモノメタクリレート共重合体
を除去(水を増量)した従来のヘアーローション
【0046】〔実験方法〕これまでパーマ、ブリーチ等
の処理を行なったことのない邦人女性の毛髪10g(長
さ10cm)を束ね、これにサンプル(ウ)または(エ)
のヘアーローションの所定量を塗布した後、風乾した。
評価は、専門パネラー5名により下記表3に示す基準に
従って官能評価し、その平均点を表4に示した。尚、評
価項目は毛髪の平滑性、つやならびにしっとり感(保湿
性)について行なった。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】表4の結果に示された如く、本発明品のヘ
アーローションであるサンプル(ウ)は、従来品のヘア
ーローションであるサンプル(エ)に比し、毛髪の平滑
性、つやならびにしっとり感の何れにおいても優れてい
ることが明らかとなった。
【0050】実験6.ラメラ層の安定化 細胞間脂質類似物質であるレシチン(EPC)にてラメ
ラを作り、MPC−メタクリル酸共重合体が、レシチン
からなるラメラ構造の配列を規則的にし、分子間をタイ
ト(ラメラ層の安定化・形成促進)にする作用があるか
をX線小角散乱で検討した。
【0051】〔実験方法〕レシチンと水とを90〜6
5:10〜35の重量比で混合し、対照品のラメラ相を
調製した。一方、対照品の水の一部をMPC重合体で置
換、混合してラメラ相を調製した。得られたラメラ相に
ついてX線回析装置(日本電子製JDX−3500)を
用いて、ラメラ相の面間隔を測定した。その結果を図4
に示した。
【0052】〔測定条件〕 ・小角散乱装置:日本電子製DX−LSV3 ・ディテクター:シンチレーションカウンター ・線源 :Cu線 ・電圧 :45KV ・電流 :200mA ・測定温度 :22〜24℃ ・試料はセルホルダーに4μmのマイラーの間にはさん
で測定
【0053】〔結果〕図4に示したとおり、レシチン/
水=90〜65/10〜35重量比の混合物は面間隔3
9〜58Åの範囲で層状構造を持つラメラ相を形成す
る。水をMPC/メタクリル酸共重合体溶液に置換して
いくとd値は低下した。又、小角散乱ピーク(図略)を
みると、MPC/メタクリル酸共重合体添加により水添
加系よりもレシチンの分子の方向性や配列が整っている
ことが定性的に分かる。このことは、以下のことを反映
している。ラメラ液晶相の面間隔dは疎水性部分(レシ
チン層)daと水層部分dwからなり、MPC/メタク
リル酸共重合体が、レシチン層に入り込むとその結果d
wがその分減少し、d値が低下するので、MPC/メタ
クリル酸共重合体はレシチン層に入り、レシチン層の分
子の配列規則性を増している。このことからこの物の吸
保湿性とともにラメラ層の安定化を増し、ヒトでの肌荒
れを抑制したと考えられる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、水分保持機能、ラメラ
形成促進・安定化作用ならびに皮膜形成能等に基づく皮
膚に対する美肌効果、また毛髪に対する美髪効果が格段
に優れていることは勿論のこと、安定性上の問題もなく
使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】相対湿度と重量増加率の関係を示す図である。
【図2】日数と皮表コンダクタンス値の関係を示す図で
ある。
【図3】日数と皮疹との関係を示す図である。
【図4】水相/油相比と面間隔の関係を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 黒田 秀夫 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 狩野 愛 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 中林 宣男 千葉県松戸市小金原5−6−20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−メタクリロイルオキシエチルホスホ
    リルコリンと親水性モノマーとの共重合体を含有するこ
    とを特徴とする化粧料。
  2. 【請求項2】 親水性モノマーがアクリルアミド、ビニ
    ルピロリドン、ポリエチレングリコールモノメタクリレ
    ート、2−メタクリロイルオキシエチルメチルスルホキ
    ンド、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド−2
    −メチル−プロパンスルホン酸、p−スチレンスルホン
    酸、3−メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸、
    N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N
    −ジエチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピリジ
    ンから選択される一種以上である請求項1に記載の化粧
    料。
  3. 【請求項3】 共重合体の分子量が5,000以上である
    請求項1または2の何れかに記載の化粧料。
  4. 【請求項4】 共重合体中の2−メタクリロイルオキシ
    エチルホスホリルコリンと親水性モノマーとの構成比が
    3:97〜45:55である請求項1乃至3の何れかに
    記載の化粧料。
  5. 【請求項5】 共重合体の含有量が化粧料全体に対して
    0.001〜10重量%である請求項1乃至4の何れかに
    記載の化粧料。
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