JP2003300871A - 眼科用組成物 - Google Patents
眼科用組成物Info
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Abstract
類や両性界面活性剤を使用し、それらの配合量が非常に
少なくても優れた防腐効力をもち、しかも眼に対する安
全性が高い眼科用組成物を提供することを目的とする。 【解決手段】ソルビン酸及び/またはその塩、またはア
ルキルジアミノエチルグリシン、アルキルポリアミノエ
チルグリシンとそれらの塩酸塩などの両性活性剤にトロ
メタモールを含有してなることを特徴とする眼科用組成
物、とする。
Description
も眼刺激が低い眼科用組成物に関する。更に詳しくは、
ソルビン酸類や両性界面活性剤を防腐剤として使用し、
その配合量が非常に少なくても優れた防腐効力をもち、
しかも眼に対する安全性が高い眼科用組成物に関する。
て、カチオン型界面活性剤、パラオキシ安息香酸エステ
ル等が使用されている。その中でも、塩化ベンザルコニ
ウムを代表とするカチオン型界面活性剤は、幅広い抗菌
スペクトルを持ち、少量でも効果的であるという利点か
ら最も多く利用されている。
塩化ベンザルコニウムを含む点眼剤を頻回点眼したり、
角膜に障害がある人やドライアイ症状等を示す涙液の動
態が正常でない人が点眼すると、角膜に障害をきたすこ
とが知られている(眼科31p43〜48 1989
年、眼科33 p533〜538 1991年)。
外の、眼刺激性の低いソルビン酸及びその塩などの有機
酸や両性界面活性剤を防腐剤として利用する点眼剤が検
討されている。
リウムは、塩化ベンザルコニウム等のカチオン系防腐剤
に比べて安全性が高く、これまでにも種々の液剤組成物
(医薬品、医薬部外品、化粧品,食品等)において使用さ
れている。点眼剤においては、特にソフトコンタクトレ
ンズ用の人工涙液型点眼剤で多く利用されている。これ
は、眼刺激性が低いことのほかに、カチオン系防腐剤が
ソフトコンタクトレンズに吸着し蓄積することでレンズ
の変質や眼刺激性を助長するのに対し、ソルビン酸類は
吸着しない利点があるためである。
ルキル型両性界面活性剤、例えばアルキルポリアミノエ
チルグリシンは特に緑膿菌、真菌に対して強い殺菌作用
をもち、これまでに医療器具などの消毒から医薬品等多
方面で使用されており、しかも医薬品における実績から
安全性が確かめられている防腐剤である。
両性界面活性剤は塩化ベンザルコニウムなどのカチオン
系界面活性剤より眼低刺激性が低いという利点がある。
またカチオン系界面活性剤は負電荷をもつ化合物と配合
禁忌である場合が多く、例えば、ヒアルロン酸と相互作
用により沈殿物を生じ水溶液が白濁してしまうのに対
し、両性活性剤は、負電荷をもつ化合物とともに配合し
ても安定に配合できることが多いという利点がある。例
えば特開平11−5744では塩酸アルキルジアミノエ
チルグリシンを0.001〜0.02%の濃度で配合し
ても、ヒアルロン酸との間に沈殿物が生じないこと示し
ている。
点がある。例えば、ソルビン酸やその塩は、カチオン系
界面活性剤より防腐力が弱く、配合する薬物や添加物、
特にアミノ酸類や高分子類とともに配合すると防腐力が
低下し、充分な防腐力を得られない場合がある。
ためソフトコンタクトレンズ用の点眼剤に利用されてい
るという反面、点眼後に角膜とコンタクトレンズの間に
長く滞留するため、花粉症などのアレルギーやコンタク
トレンズ使用により角膜が敏感になり創傷を負いやすく
なっている患者には、刺激や創傷を助長する可能性は否
めない。
度や目の症状によっては眼刺激やアレルギーなどの問題
を引き起こす可能性が考えられる。
や角膜障害を起こす可能性の低い程度まで減じた安全性
の高い製剤設計をすることが望まれている。
鑑みなされたもので、ソルビン酸類や両性界面活性剤の
配合量が非常に少なくても優れた防腐効力をもち、しか
も眼に対する安全性が高い眼科用組成物を提供すること
を目的とする。
を解決するため鋭意研究を行なった結果、ソルビン酸類
または両性界面活性剤を含有する水溶液に対して、トロ
メタモールを配合することにより、ソルビン酸類や両性
界面活性剤の配合量を従来よりも非常に少なくしても優
れた防腐効力をもち、且つ眼に対して優れた安全性を持
つことを見出し、本発明を完成するに至った。
面活性剤を含有する水溶液に対して、トロメタモールを
配合することにより、ソルビン酸類や両性界面活性剤の
配合量が非常に少なくても優れた防腐効力をもち、且つ
眼に対して優れた安全性を持つ眼科用組成物を提供す
る。
する。本発明において用いられるソルビン酸類として
は、ソルビン酸それ自体の他に、その塩としては通常眼
科用組成物などの防腐剤として使用されるソルビン酸カ
リウム、ソルビン酸ナトリウム等のソルビン酸塩も好適
に使用することができる。
酸類の含有量は、組成物中に0.0001〜0.1重量
/容量%(以下w/v%)であり、好ましくは0.00
1〜0.05w/v%、更に好ましくは、0.002〜
0.05w/v%の範囲である。この量では、ソルビン
酸塩単独の場合十分な防腐力が得られないが、本発明の
トロメタモールと併用することによって、防腐力を相乗
的に向上させることができる。前記範囲よりも配合量が
少ない場合は、トロメタモール併用においても充分な防
腐効力を得られない場合がある。
としては、下記(1)式で示されるアルキルアミノエチ
ルグリシン、アルキルジアミノエチルグリシン、または
アルキルポリアミノエチルグリシン及びこれらの塩酸塩
等の塩などを挙げることができる。
ル基の炭素数が6〜20、好ましくは6〜14の直鎖又
は分岐鎖であるアルキルアミノエチル(モノ、ジ、ポ
リ)基であり、R2はアルキル基の炭素数が6〜20好
ましくは6〜14の直鎖又は分岐鎖であるアルキルアミ
ノエチル(モノ、ジ、ポリ)基である)
グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシンまたはこ
れらの塩酸塩が好ましい。特に上記R1、R2がアルキル
ジアミノエチル基であって、アルキル基の炭素数が6〜
14のグリシン誘導体及びその塩が好適であり、中でも
より好ましくはアルキル基の炭素数が6〜14であるも
のの混合物で、その平均分子量が300〜500程度の
アルキルジアミノエチルグリシン及びその塩(例えば、
三洋化成工業(株)性、「レボンLAG−40」など)
をあげることができる。
性剤の配合量は、組成物中に0.0001〜0.005
w/v%であり、好ましくは0.0001〜0.001
w/v%、更に好ましくは、0.0001〜0.000
5w/v%の範囲である。この量では、両性界面活性剤
単独の場合十分な防腐力が得られないが、本発明のトロ
メタモールと併用することによって、防腐力を相乗的に
向上させることができる。前記範囲よりも配合量が少な
すぎると、トロメタモールと併用しても充分に防腐効力
を得られない場合がある。
モールの含有量は、特に制限されるものではないが、通
常、組成物中に0.1〜5W/V%、より好ましくは
0.2〜4W/V%、更に好ましくは0.3〜3W/V
%である。配合量が少なすぎると、防腐効力が得られな
い場合があり、一方、多すぎると、浸透圧が高くなりす
ぎるため、眼刺激を生じることがある。
れる範囲であれば特に制限はなく、通常、pH4〜9の
範囲であり、より好ましくは5〜8である。本発明の製
剤の浸透圧は、医薬として許容される範囲であれば特に
制限はなく、通常、0.1〜5圧比であり、より好まし
くは0.2〜2圧比に調整する。
れず、医療用点眼剤又は一般用点眼剤として使用され
る。ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ
を装用した状態でも点眼可能であり、さらに本組成物は
洗眼剤、コンタクトレンズ装着液としても使用すること
ができる。
い限り、前記した成分のほかに前記した製剤の調製に通
常使用するすべての緩衝剤、溶解補助剤、等張化剤、安
定化剤、粘稠化剤、キレート剤、pH調整剤、清涼化剤
等の各種の添加剤、及びその他の薬学的有効成分を通常
使用量において配合することができる。
塩(ホウ砂等)、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリ
ウム等)、リン酸又はその塩(リン酸一水素ナトリウム
等)、酒石酸又はその塩(酒石酸ナトリウム等)、グル
コン酸又はその塩(グルコン酸ナトリウム等)、酢酸又
はその塩(酢酸ナトリウム等)、炭酸又はその塩(炭酸
水素ナトリウム等)、各種アミノ酸類(イプシロン−ア
ミノカプロン酸、アスパラギン酸カリウム、アミノエチ
ルスルホン酸、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム
等)又はそれらの組み合わせが挙げられる。
ングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチ
レン(p=60)硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレ
ン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(p=2
0)ソルビタンモノオレエートなどのポリオキシエチレ
ンソルビタン高級脂肪酸エステル等が挙げられる。
ム、塩化カリウム、マンニトール、グリセリン等が挙げ
られる。
リウム、シクロデキストリン、亜硫酸塩、クエン酸又は
その塩、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
エデト酸ナトリウムであれば、組成中に0.001〜
0.5w/v%配合することができ、好ましくは0.0
1〜0.2w/v%の範囲である。また、ジブチルヒド
ロキシトルエンであれば通常、0.001〜0.1w/
v%配合することができ、好ましくは0.01〜0.0
1w/v%の範囲である。
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセル
ロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、カルボキシビニルポリマー、ヒアルロン酸ナトリウ
ム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等が挙げられる。
トリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
水酸化カリウム、塩酸、クエン酸又はその塩、ホウ酸又
はその塩、リン酸又はその塩、酢酸又はその塩、酒石酸
又はその塩、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が
挙げられる。
カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、
リナロール、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ
油、ローズ油等が挙げられる。
ば、充血除去剤(塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロ
ゾリン、塩酸フェニレフリン、エピネフリン、塩酸エピ
ネフリン、塩酸エフェドリン、dl−塩酸メチルエフェ
ドリン、硝酸テトラヒドロゾリン、硝酸ナファゾリン
等)、消炎・収斂剤(メチル硫酸ネオスチグミン、ε−
アミノカプロン酸、アラントイン、塩化ベルベリン、硫
酸ベルベリン、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化リゾチーム、
グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモ
ニウム、グリチルレチン酸、サリチル酸メチル、トラネ
キサム酸、アズレンスルホン酸ナトリウム、クロモグリ
ク酸ナトリウム等)、抗ヒスタミン剤(塩酸イプロヘプ
チン、塩酸ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン、
塩酸イソチペンジル、マレイン酸クロルフェニラミン
等)、水溶性ビタミン類(フラビンアデニンジヌクレオ
チドナトリウム、塩酸ピリドキシン、シアノコバラミ
ン)、脂溶性ビタミン類(ビタミンA類(例えば酢酸レ
チノール、パルミチン酸レチノール)、ビタミンE類
(酢酸トコフェロール(例えば、酢酸d−α−トコフェ
ロール))、アミノ酸類(L−アスパラギン酸カリウ
ム、L−アスパラギン酸マグネシウム、アミノエチルス
ルホン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム等)、サルフ
ァ剤、殺菌剤(スルファメトキサゾール、スルファメト
キサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール、スルフ
イソミジンナトリウム、イソプロピルメチルフェノー
ル、ヒノキチオール等)、を適宜配合することができ
る。
限されるものではなく、各剤型の常法に従って調製する
ことができ、通常上記各配合成分を精製水(必要に応じ
て滅菌精製水)に溶解することにより調製される。例え
ば点眼剤であれば、まず、薬物及び各配合成分を滅菌精
製水に溶解し、pHを調整した後、ポリエチレンテレフ
タラート製の点眼容器(15mL)に無菌充填すること
により得られる。
は特に制限されるものではなく、各剤型の常法に従って
調製することができる。例えば点眼剤であれば、以下の
ように調製する。約80重量%の精製水にトロメタモー
ルを溶解し、希塩酸を用いpHを約7.3に調整、更に
各配合成分を加え溶解した後、再度pHを7.3に調整
し、ポリエチレンテレフタラート製の点眼容器(15m
L)に無菌充填することにより得られる。
に説明し、試験例によって本発明の効果を明らかにする
が、本発明は、これらの例によってなんら限定されるも
のではない。
に示す組成で点眼剤を調製し(配合量:g/100m
L)、以下に示す試験を行なった。
情報の保存効力試験法を参考にし、一部変更を加えて実
施した。被検菌株は以下に示す細菌および真菌の5種を
用い、各実施例及び比較例の試料1mLあたり105〜1
06個になるように加え25℃に静置し、7日後に菌を
接種した溶液1mLのそれぞれを培養後、生菌数を測定
し、接種菌数に対する残存率(%)を算出した。
者をパネラーとし、点眼したときの眼刺激を下記評価基
準に基づいて評価した。合計が0〜2点を○、3〜5点
を△、6点以上を×とした。 <評価基準> 2:眼刺激性を感じた 1:やや眼刺激性を感じた 0:眼刺激は感じなかった
酸類としてソルビン酸カリウムにトロメタモールを配合
した実施例1〜2ではトロメタモールを配合しない比較
例1〜2に比べ高い防腐効力を示している。また、両性
界面活性剤においても、トロメタモールを配合した実施
例3では塩酸アルキルジアミノエチルグリシン濃度が
0.001w/v%でも充分な抗菌力があることを示し
ている。
剤を調製し、上記実験例の評価を行ったところ、いずれ
も良好な結果が得られた。
Claims (3)
- 【請求項1】ソルビン酸及び/またはその塩、及びトロ
メタモールを含有してなることを特徴とする眼科用組成
物。 - 【請求項2】両性界面活性剤及びトロメタモールを含有
してなることを特徴とする眼科用組成物。 - 【請求項3】両性界面活性剤がアルキルジアミノエチル
グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシンとそれら
の塩酸塩から選ばれる1種または2種以上であることを
特徴とする、請求項2に記載の眼科用組成物。
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