JP4801300B2 - 外用液状組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アレルギー症状を緩和・治療するための外用液状組成物に関し、特に、粘膜用、眼科用等の用途に好適な外用液状組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、1,3−ビス(2−カルボキシクロモン−5−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロパンのジナトリウム塩(以下、「クロモグリク酸ナトリウム」と称することがある。)等は、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、及び、アレルギー性鼻炎の治療剤として用いられている。しかし、この治療剤には、特に粘膜へ刺激を与える作用があるため、アレルギー症状を発症している患者には刺激が強い場合があった。特に、眼等は、刺激に対する感受性が強く、痛みや痒みなどの症状を感じ易いため問題があった。
【0003】
一方、塩化ベンザルコニウムなどの第4級アンモニウム性陽イオン界面活性剤は、他の防腐剤等に比べて、幅広い抗菌スペクトルを持ち、少量の配合でもより効果的に働く防腐剤として非常に多用されている。例えば、日本における市販点眼剤では、第4級アンモニウム性陽イオン活性剤は61.8%(塩化ベンザルコニウム60.5%、グルコン酸クロルヘキシジン1.3%)に用いられている(日本コンタクトレンズ学会誌 35 238〜241頁 1993年)。また点眼液に用いられる第4級アンモニウム性陽イオン活性剤は、通常0.01〜0.05質量/容量%の濃度範囲で使用されている。しかし、この防腐剤を、クロモグリク酸等と併用すると、更に粘膜への刺激が強くなるという問題があった。また、クロモグリク酸及び4級アンモニウム塩を併用すると、両者が反応し白濁するため、安定性の点において問題があった。
【0004】
そこで、このような白濁を解消するため、クロモグリク酸ナトリウム及びキレート剤を含む液と防腐剤を含む液との2種類を各々調製し、これら2種類の水溶液を長時間かけて混合する方法(特公昭54−25082号公報)や非イオン性界面活性剤を添加する方法(特公平4−88452号公報)などが提案されているが、いまだ満足できるものではなかった。特に、特公昭54−25082号公報に記載された方法においては、2種類の水溶液を各々調製する必要があり、しかもこれらを混合する際には、長時間かけて混合しなければならず、煩雑さの点で問題があった。
【0005】
特公平4−88452号公報に記載された方法において、使用される非イオン性界面活性剤は、一般的に、その可溶化能力に優れた物質であるが、溶血作用、粘膜刺激作用等の副作用が懸念されるという問題があった。更には、保存剤の抗菌力を低下させたり、不活性化させるという問題があった。
【0006】
また、第4級アンモニウム性陽イオン界面活性剤は、点眼剤に配合する際、副作用を引き起こす場合がある。例えば、塩化ベンザルコニウムを含む点眼剤を頻回点眼したり、角膜に創傷のある人、ドライアイ症状等を示す涙液の動態が性状でない人等に点眼すると、角膜に障害をきたすことがあり、問題があった(眼科31 43〜48頁 1989年及び眼科33 533〜538頁 1991年)。
【0007】
第4級アンモニウム性陽イオン界面活性剤を、クロモグリク酸ナトリウム含有点眼剤の防腐剤として用いる場合に発生する問題点を解決するため、各種の技術が提案・開示されている。例えば、塩化ベンザルコニウムに、クロロブタノール又はパラオキシ安息香酸エステルを配合し、塩化ベンザルコニウムの濃度を低くした技術等が挙げられる(特開平2−121920)。
しかしながら、塩化ベンザルコニウムの配合濃度は未だ比較的高いものであり、またアルコール誘導体やパラオキシ安息香酸エステルにも、角膜に対する障害性が懸念され(あたらしい眼科 10 1909〜1911頁 1993年)、眼への安全性の問題が解決されたとは言えず問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、患部(特に眼等)への刺激性が低く、防腐力及び安定性に優れた外用液状組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 1,3−ビス(2−カルボキシクロモン−5−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロパン及びその塩の少なくともいずれかと、トロメタモールと、を含有し、塩化ベンザルコニウムを含有しないことを特徴とする外用液状組成物である。
<2> 粘膜用剤、及び、眼科用剤の少なくともいずれかに用いられる前記<1>に記載の外用液状組成物である。
<3> 1,3−ビス(2−カルボキシクロモン−5−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロパン及びその塩の少なくともいずれかを0.05質量/容積%〜10質量/容積%含有し、トロメタモールを0.1質量/容積%〜5質量/容積%含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の外用液状組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の外用液状組成物は、1,3−ビス(2−カルボキシクロモン−5−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロパン及びその塩の少なくともいずれかと、トロメタモールと、を含有し、必要に応じてその他の成分を含有する。
【0012】
[1,3−ビス(2−カルボキシクロモン−5−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロパン及びその塩]
前記1,3−ビス(2−カルボキシクロモン−5−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロパン及びその塩(「薬学的に許容し得る塩」を指す。以下同様である。)としては、例えば、ジナトリウム塩やジカリウム塩等が挙げられる。
尚、本発明において、「1,3−ビス(2−カルボキシクロモン−5−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロパン及びその塩」を「クロモグリク酸類」と称することがある。
これらのクロモグリク酸類は、1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。これらの中でも、有効性、薬効効果の点で、ジナトリウム塩(クロモグリク酸ナトリウム)が特に好ましい。
【0013】
前記クロモグリク酸類の濃度としては、特に制限はないが、通常0.05〜10w/v%(「質量/容積%」を意味する。以下、同様である。)が好ましく、0.1〜5w/v%がより好ましく、0.5〜3w/v%が更に好ましい。
前記含有量が、0.05w/v%に満たないと、充分な薬効が得られないことがある一方、10w/v%を超えると、白濁を充分に解消することが困難なことがある。
【0014】
[トロメタモール]
前記トロメタモールの、前記外用液状組成物における含有量としては、通常、0.1〜5w/v%が好ましく、0.3〜4w/v%がより好ましく、0.5〜3w/v%がより好ましい。
前記含有量が、0.1w/v%に満たないと、充分な防腐効果が得られないことがある一方、5w/v%を超えると、浸透圧が高くなり、特に眼に対する刺激が強いことがある。
【0015】
[その他の成分]
本発明の外用液状組成物においては、本発明の効果を妨げない限り、目的に応じて各種の成分を含有させることができる。該その他の成分としては、例えば、防腐剤、緩衝剤、溶解補助剤、等張化剤、安定化剤、粘稠化剤、キレート剤、pH調整剤、清涼化剤等の各種の添加剤、及びその他の薬学的有効成分等が挙げられる。これらその他の成分は、通常使用量において好適に使用することができる。これらの中でも、特に防腐剤が好ましい。
【0016】
前記防腐剤としては、例えば、メチル、エチル、プロピル若しくはブチルパラベン等のパラベン類、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、第4級アンモニウム性陽イオン界面活性剤や塩酸クロルヘキシジン等のカチオン系防腐剤等が挙げられる。第4級アンモニウム性陽イオン界面活性剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、及び、塩化セチルピリジニウム等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、特に防腐効果の点で、第4級アンモニウム性陽イオン界面活性剤及びソルビン酸(塩)等が好ましい。
【0017】
前記防腐剤の、前記外用液状組成物における含有量としては、0.003w/v%以下が好ましく、0.002w/v%以下がより好ましく、0.001w/v%以下が更に好ましい。
前記含有量が、0.003w/v%を超えると、粘膜刺激や皮膚刺激等の副作用を生ずることがある。
【0018】
前記緩衝剤としては、例えば、ホウ酸又はその塩(ホウ砂等)、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム等)、リン酸又はその塩(リン酸一水素ナトリウム等)、酒石酸又はその塩(酒石酸ナトリウム等)、グルコン酸又はその塩(グルコン酸ナトリウム等)、酢酸又はその塩(酢酸ナトリウム等)、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム等)、各種アミノ酸類(イプシロン−アミノカプロン酸、アスパラギン酸カリウム、アミノエチルスルホン酸、グルタミン酸、及び、グルタミン酸ナトリウム等)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0019】
前記溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン(p=60)硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、及び、ポリオキシエチレン(p=20)ソルビタンモノオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0020】
前記等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、及び、グリセリン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0021】
前記安定化剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム、シクロデキストリン、亜硫酸塩、クエン酸又はその塩、及び、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】
前記粘稠化剤としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ヒアルロン酸ナトリウム、及び、コンドロイチン硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0023】
前記キレート剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム、及び、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】
前記pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸、クエン酸又はその塩、ホウ酸又はその塩、リン酸又はその塩、酢酸又はその塩、酒石酸又はその塩、炭酸ナトリウム、及び、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
前記清涼化剤としては、例えば、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リナロール、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ローズ油等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】
前記薬学的有効成分としては、例えば、充血除去剤(塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリン、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、dl−塩酸メチルエフェドリン、硝酸テトラヒドロゾリン、硝酸ナファゾリン等)、消炎・収斂剤(メチル硫酸ネオスチグミン、ε−アミノカプロン酸、アラントイン、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化リゾチーム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、グリチルレチン酸、サリチル酸メチル、トラネキサム酸、アズレンスルホン酸ナトリウム、クロモグリク酸ナトリウム等)、抗ヒスタミン剤(塩酸イプロヘプチン、塩酸ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン、塩酸イソチペンジル、マレイン酸クロルフェニラミン等)、局所麻酔剤(塩酸リドカイン、リドカイン)、水溶性ビタミン類(フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、塩酸ピリドキシン、シアノコバラミン)、脂溶性ビタミン類(ビタミンA類(例えば酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール)、ビタミンE類(酢酸トコフェロール(例えば、酢酸d−α−トコフェロール))、アミノ酸類(L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、アミノエチルスルホン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム等)、サルファ剤、及び、殺菌剤(スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール、スルフイソミジンナトリウム、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール等)、鎮咳剤(リン酸ジヒドロコデイン、リン酸コデイン)、去痰剤(塩酸ブロムヘキシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン)等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】
<外用液状組成物の物性等>
本発明の外用液状組成物の液性(pH)としては、医薬として許容される範囲であれば特に制限はなく、通常、pH4〜9が好ましく、5〜8.5がより好ましい。
【0028】
本発明の外用液状組成物の浸透圧としては、医薬として許容される範囲であれば特に制限はなく、通常、0.1〜5圧比が好ましく、0.2〜2圧比がより好ましい。
【0029】
<外用液状組成物の製造方法>
以上説明した本発明の外用液状組成物は、各剤型の公知の常法に従って調製することができる。通常、上記各配合成分等を、精製水(必要に応じて滅菌精製水)に溶解して調製することができる。
例えば点眼剤用途であれば、先ず、薬学的有効成分及び各配合成分等を、滅菌精製水に溶解し、pHを調整した後、ポリエチレンテレフタラート製の点眼容器(15mL)に無菌充填することにより得られる。
【0030】
<外用液状組成物の用途>
本発明の外用液状組成物の用途としては、特に制限はなく、例えば、眼科用剤(点眼剤等)のほか、点鼻剤、点耳剤、喉治療剤等、粘膜に適用する粘膜用剤、注射液等のその他の剤型の外用液剤等として用いることができる。これらの中でも、特に眼科用剤及び粘膜用剤等として用いるのが好ましく、特に、点眼剤、点鼻剤等として用いるのが特に好ましい。
【0031】
以上説明した本発明によれば、防腐剤として、特にカチオン系防腐剤である第4級アンモニウム性陽イオン界面活性剤を併用した場合であっても、患部(眼等)への刺激性が低く、防腐力及び安定性に優れた外用液状組成物を提供することができる。
【0032】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0033】
(実施例1、参考例2及び比較例1〜3(点眼剤))
表2に示す組成(配合量:w/v%)に従って、外用液状組成物を調製した。即ち、約80質量%の精製水に、表2に記載した量のトロメタモールを溶解し、希塩酸を用いてpHを約7.3に調整し、更に、エデト酸ナトリウム、クロモグリク酸ナトリウム(1,3−ビス(2−カルボキシクロモン−5−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロパン塩)、を加えて溶解し、第4級アンモニウム性陽イオン界面活性剤として塩化ベンザルコニウムを加え、更に希塩酸を用いてpHを7.3に調整した後、精製水で所定の容量に調製し、各外用液状組成物(点眼剤)を作製した。
【0034】
<評価>
得られた各外用液状組成物を、外観上目視観察し、下記使用感の評価及び防腐効力の評価を行った。結果を表2に示す。
【0035】
<<使用感の評価>>
男女各5名をパネラーとして点眼してもらい、その時の眼刺激性を、下記評価基準に基づいて評価した。
−評価基準−
・○:眼刺激性を感じた人が0名である
・×:眼刺激性を感じた人が1名以上である
【0036】
<<防腐効力試験>>
第14改正日本薬局方・参考情報の保存効力試験法に従って実施した。被検菌株は、表1に示す細菌及び真菌の5種を用い、各試料1mL当たり105〜106個になるように加えて25℃に静置し、14日後及び28日後に菌を接種した溶液1mLのそれぞれを培養後、生菌数を測定し、接種菌数に対する生存率を算出し、表1に示す総ての菌種に対して下記「防腐効力の判定基準」を満たす場合を、防腐効力試験に「適合」と判断した。
【0037】
−防腐効力の判定基準−
14日後の生存率が、細菌では接種菌数の0.1%以下、真菌では接種菌数の同レベルもしくはそれ以下であって、かつ、28日後の生存率が、細菌では14日後のレベルと同等もしくはそれ以下、真菌では接種菌数の同レベルもしくはそれ以下であること。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
表2より、トロメタモール及びクロモグリク酸ナトリウムを配合した実施例1では、塩化ベンザルコニウムを配合しなくとも、防腐効力試験に適合する強い防腐効力を有していることがわかった。またこれに、0.0005w/v%の塩化ベンザルコニウムを配合した参考例2においても、眼刺激性、防腐効力、共に良好であった。更に、実施例1、参考例2は、いずれも外観上良好であり、安定性に優れていた。
一方、トロメタモールを配合しない比較例1〜3においては、眼刺激を感じるパネラーが若干名おり、また塩化ベンザルコニウムが低濃度であれば、白濁は生じないものの、充分な防腐効力は得られず(比較例1)、逆に、塩化ベンザルコニウムが高濃度となると、防腐効力はあるが、白濁が生じていた(比較例2及び3)。
【0041】
(実施例4、6、9、11、13、15、16、18、20、22、23、参考例3、5、7、8、10、12、14、17、19、21)
表3〜5に示す成分組成に従い、常法により、実施例1、参考例2及び比較例1〜3と同様にして、点眼剤、点鼻剤、及び、喉治療剤を調製し、実施例1、参考例2及び比較例1〜3と同様にして外観上目視観察し、防腐効力の評価を行った。また、各々の使用感を、下記評価基準に従い、実施例1、参考例2及び比較例1〜3における男女各5名のパネラーに評価してもらった。これらの結果を表3〜5に示す。
−評価基準−
・○:刺激性を感じた人が0名である
・×:刺激性を感じた人が1名以上である
【0042】
【表3】
【0043】
尚、表3における成分の詳細は、以下の通りである。
・メチルセルロース:信越化学工業(株)製 メトローズSM−4000
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース:信越化学工業(株)製 同60SH−4000
・ポリビニルアルコール:日本合成化学(株)製 ゴーセノールEG−05
【0044】
【表4】
【0045】
尚、表4における成分の詳細は、以下の通りである。
・メチルセルロース:信越化学工業(株)製 メトローズSM−4000
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース:信越化学工業(株)製 同60SH−4000
・ポリビニルアルコール:日本合成化学(株)製 ゴーセノールEG−05
【0046】
【表5】
【0047】
尚、表5における各成分の詳細は、以下の通りである。
・メチルセルロース:信越化学工業(株)製 メトローズSM−4000
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース:信越化学工業(株)製 同60SH−4000
・ポリビニルアルコール:日本合成化学(株)製 ゴーセノールEG−05
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、患部(特に眼等)への刺激性が低く、防腐力及び安定性に優れた外用液状組成物を提供することができる。
Claims (3)
- 1,3−ビス(2−カルボキシクロモン−5−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロパン及びその塩の少なくともいずれかと、トロメタモールと、を含有することを特徴とする外用液状組成物(但し、カチオン系防腐剤を含有するものを除く)。
- 粘膜用剤、及び、眼科用剤の少なくともいずれかに用いられる請求項1に記載の外用液状組成物。
- 1,3−ビス(2−カルボキシクロモン−5−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロパン及びその塩の少なくともいずれかを0.05質量/容積%〜10質量/容積%含有し、トロメタモールを0.1質量/容積%〜5質量/容積%含有する請求項1から2のいずれかに記載の外用液状組成物。
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