JP2008143845A - 点鼻薬組成物及び点鼻薬液噴霧器具 - Google Patents

点鼻薬組成物及び点鼻薬液噴霧器具 Download PDF

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宇一郎 吉村
Koshi Takegami
幸志 竹上
Yukari Noda
ゆかり 野田
Kiyonori Okada
清典 岡田
Kikuko Yoneda
喜久子 米田
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Abstract

【課題】安定した噴霧状態が維持され、長期間にわたって継続的に噴霧して使用可能な点鼻薬組成物を提供する。
【解決手段】クロモグリク酸ナトリウムを0.5〜2.0W/V%、殺菌剤を0.001〜0.1W/V%、及び多価アルコールを0.1〜10.0W/V%含有する点鼻薬組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、アレルギー性鼻炎等に対する点鼻薬として有用なクロモグリク酸ナトリウムを含有する点鼻薬組成物(クロモグリク酸ナトリウム製剤)に関する。
クロモグリク酸ナトリウムを有効成分として含有する外用液剤は、アレルギー性疾患等の苦痛軽減、予防、又は治療を目的とする点眼薬液や点鼻薬液として、医療用や一般用に広く用いられている。このような外用液剤には、一般的に、細菌の発生や増殖を抑制することを目的として殺菌剤(保存剤)が添加される。
アレルギー性疾患は、慢性的で習慣性のある疾患である。このため、外用薬液に添加される殺菌剤は、低濃度であっても十分な効果を発揮するものであることが望ましい。このような要求を満足する殺菌剤として、四級アンモニウム化合物等が好適に使用されている。
しかしながら、クロモグリク酸ナトリウムと四級アンモニウム化合物を含有する外用薬液は、沈殿(白濁)を生じ易いといった問題がある。このような問題を解消すべく、クロモグリク酸ナトリウムを含有する外用液剤に、非イオン性界面活性剤を添加する試みがなされている(例えば、特許文献1,2参照)。
ところで、クロモグリク酸ナトリウムを含有する外用液剤のなかでも、点鼻薬液は、比較的高濃度(例えば、1W/V%前後)のクロモグリク酸ナトリウムを含有させる必要性がある。このような点鼻薬液を実際に使用するには、例えば、ノズル状の噴霧口(噴射口)を有する噴霧用器具に点鼻薬液を充填した点鼻薬液噴霧器具(蓄圧式ポンプ)が用いられている。使用に際しては、噴霧口の先端を鼻孔内に挿入した後、圧力によって点鼻薬液を鼻腔へと噴霧(噴射)する。
しかしながら、非イオン性界面活性剤を添加した点鼻薬液については、使用の初期段階から噴霧し難いか、又は使用の初期段階においては良好な状態で噴霧可能であったが、しばらくすると噴霧し難くなる等の噴霧不良が発生する場合がある。点鼻薬液は長期間にわたって継続的に使用されることが多いため、常に安定した噴霧状態を維持する必要性がある。従って、このような噴霧不良を改善するための対策を講ずる必要があった。
特開昭63−255221号公報 国際公開第2000/16771号パンフレット
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、安定した噴霧状態が維持され、長期間にわたって継続的に噴霧して使用可能な点鼻薬組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討したところ、クロモグリク酸ナトリウムを比較的高濃度に含有する点鼻薬液を蓄圧式ポンプに充填して使用する場合には、ノズル状の噴霧口の内部に留まった点鼻薬液の溶媒が揮発して強固な結晶を形成し易く、噴霧の妨げを生じ易いことが判明した。そして、本発明者らは、クロモグリク酸ナトリウムを含有する点鼻薬液に所定量の多価アルコールを添加することによって、結晶の生成(再結晶)を抑制し、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す点鼻薬組成物、点鼻薬液噴霧器具、クロモグリク酸ナトリウムの再結晶防止方法、及び点鼻薬液の噴霧改善方法が提供される。
[1]クロモグリク酸ナトリウムを0.5〜2.0W/V%、殺菌剤を0.001〜0.1W/V%、及び多価アルコールを0.1〜10.0W/V%含有する点鼻薬組成物。
[2]ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80からなる群より選択される少なくとも一種の非イオン性界面活性剤を更に含有する前記[1]に記載の点鼻薬組成物。
[3]前記非イオン性界面活性剤を、0.01〜0.5W/V%含有する前記[2]に記載の点鼻薬組成物。
[4]前記殺菌剤が、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、及びアクリノールからなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の点鼻薬組成物。
[5]前記多価アルコールが、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、及びポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の点鼻薬組成物。
[6]塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸エピネフリン、dl−塩酸メチルエフェドリン、硝酸テトラヒドロゾリン、硝酸ナファゾリン、及びエピネフリンからなる群より選択される少なくとも一種の血管収縮薬を更に含有する前記[1]〜[5]のいずれかに記載の点鼻薬組成物。
[7]マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸イプロヘプチン、ジフェンヒドラミン、及び塩酸ジフェンヒドラミンからなる群より選択される少なくとも一種の抗ヒスタミン薬を更に含有する前記[1]〜[6]のいずれかに記載の点鼻薬組成物。
[8]開口径が0.1〜0.6mmである少なくとも一の噴霧口を有する噴霧用器具と、前記噴霧用器具の内部に充填される前記[1]〜[7]のいずれかに記載の点鼻薬組成物と、を備えた点鼻薬液噴霧器具。
[9]前記噴霧用器具の噴霧方式が、蓄圧式である前記[8]に記載の点鼻薬液噴霧器具。
[10]クロモグリク酸ナトリウムを0.5〜2.0W/V%、及び殺菌剤を0.001〜0.1W/V%含有する点鼻薬液に、0.1〜10.0W/V%の多価アルコールを添加するクロモグリク酸ナトリウムの再結晶防止方法。
[11]開口径が0.1〜0.6mmである少なくとも一の噴霧口を有する噴霧用器具の内部に充填された、クロモグリク酸ナトリウムを0.5〜2.0W/V%、及び殺菌剤を0.001〜0.1W/V%含有する点鼻薬液に、0.1〜10.0W/V%の多価アルコールを添加する点鼻薬液の噴霧改善方法。
[12]前記噴霧用器具の噴霧方式が、蓄圧式である前記[11]に記載の点鼻薬液の噴霧改善方法。
本発明の点鼻薬組成物は、安定した噴霧状態が維持され、長期間にわたって継続的に噴霧して使用可能であるといった効果を奏するものである。
また、本発明の点鼻薬液噴霧器具は、安定した噴霧状態が維持され、長期間にわたって継続的に噴霧して使用可能であるといった効果を奏するものである。
本発明のクロモグリク酸ナトリウムの再結晶防止方法によれば、クロモグリク酸ナトリウムの再結晶を効果的に抑制し、安定した噴霧状態が維持され、長期間にわたって継続的に噴霧して使用可能な点鼻薬液を提供することができる。
また、本発明の点鼻薬液の噴霧改善方法によれば、クロモグリク酸ナトリウムの再結晶を効果的に抑制し、安定した噴霧状態が維持され、長期間にわたって継続的に噴霧して使用可能な点鼻薬液を提供することができる。
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
1.点鼻薬組成物:
本発明の点鼻薬組成物の一実施形態は、クロモグリク酸ナトリウムを0.5〜2.0W/V%、殺菌剤を0.001〜0.1W/V%、及び多価アルコールを0.1〜10.0W/V%含有するものである。以下、その詳細について説明する。
本発明の点鼻薬組成物に含有されるクロモグリク酸ナトリウムは、鼻や目のアレルギー性疾患に対する点鼻薬・点眼薬の有効成分として使用されるものである。クロモグリク酸ナトリウムの含有割合(濃度)は、水溶液の場合、0.5〜2.0W/V%、好ましくは1.0〜2.0W/V%である。クロモグリク酸ナトリウムの濃度が上記範囲外であると、アレルギー性疾患等に対して十分な効果を発揮し難くなる。なお、本明細書にいう「W/V%」とは、点鼻薬組成物(点鼻薬液)100ml中に含有される、ある成分の重量(g)を意味する。
本発明の点鼻薬組成物に含有される殺菌剤は、点鼻薬組成物中における細菌の発生や増殖を抑制する作用を示す成分であり、保存剤として使用される成分である。殺菌剤の濃度は、0.001〜0.1W/V%、好ましくは0.01〜0.05W/V%である。殺菌剤の濃度が0.001W/V%未満であると、保存剤としての十分な効果が発揮され難くなる傾向にある。一方、0.1W/V%超であると、点鼻薬組成物が白濁を生じ易くなる傾向にある。
殺菌剤の好適例としては、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、アクリノールを挙げることができる。これらの殺菌剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の点鼻薬組成物に含有される多価アルコールは、クロモグリク酸ナトリウムの再結晶を効果的に抑制することのできる成分である。多価アルコールの濃度は、0.1〜10.0W/V%、好ましくは0.2〜5.0W/V%である。多価アルコールの濃度が0.1W/V%未満であると、クロモグリク酸ナトリウムの再結晶を抑制することが困難になる。一方、10.0W/V%超であると、薬液の浸透圧が高張となり過ぎ、刺激感が増す傾向にある。
多価アルコールの具体例としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコールを挙げることができる。なかでも、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコールが好ましい。これらの多価アルコールは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の点鼻薬組成物には、非イオン性界面活性剤を更に含有させることができる。非イオン性界面活性剤を含有させると、白濁等の原因となる固形物を可溶化し易くなるために好ましい。なお、非イオン性界面活性剤のHLB値は、10〜16であることが好ましい。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80を挙げることができる。なかでも、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートが好ましい。これらの非イオン性界面活性剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の点鼻薬組成物に非イオン性界面活性剤を添加する場合に、非イオン性界面活性剤の濃度は、0.005〜0.5W/V%とすることが好ましく、0.01〜0.5W/V%とすることが更に好ましく、0.01〜0.2W/V%とすることが特に好ましい。非イオン性界面活性剤の濃度が0.005W/V%未満であると、白濁等の原因となる固形物を可溶化する効果が十分に発揮されなくなる傾向にある。一方、0.5W/V%超であると、界面活性剤の臭気が増大し使用時に不快感が発生する傾向にある。
本発明の点鼻薬組成物には、上記の各成分以外にも、血管収縮薬、抗ヒスタミン薬等を佐薬成分として配合することができる。血管収縮薬を配合する場合に、血管収縮薬の濃度は、通常、0.01〜0.1W/V%、好ましくは0.02〜0.05W/V%である。
血管収縮薬の好適例としては、塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸エピネフリン、dl−塩酸メチルエフェドリン、硝酸テトラヒドロゾリン、硝酸ナファゾリン、エピネフリンを挙げることができる。これらの血管収縮薬は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明の点鼻薬組成物に抗ヒスタミン薬を配合する場合に、抗ヒスタミン薬の濃度は、通常、0.1〜1.0W/V%、好ましくは0.2〜0.5W/V%である。抗ヒスタミン薬の好適例としては、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸イプロヘプチン、ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミンを挙げることができる。これらの抗ヒスタミン薬は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
更に、本発明の点鼻薬組成物には、必要に応じて、本発明の点鼻薬組成物の効果を損なわない範囲で、ホウ酸、ホウ砂、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等の緩衝剤;塩化ナトリウム等の等張化剤;l−メントール、dl−カンフル、d−ボルネオール、ウイキョウ油、ハッカ油、ハッカ水等の清涼化剤;及び可溶化剤等の各種添加剤を添加することができる。
2.点鼻薬液噴霧器具:
次に、本発明の点鼻薬液噴霧器具について説明する。本発明の点鼻薬液噴霧器具の一実施形態は、開口径が0.1〜0.6mmである少なくとも一の噴霧口を有する噴霧用器具と、噴霧用器具の内部に充填される前述の点鼻薬組成物とを備えたものである。
本実施形態の点鼻薬液噴霧器具の構成要素である噴霧用器具は、特に限定されない。その噴霧方式として蓄圧式のものやエアゾール式のものが挙げられるが、好ましくは蓄圧式のものである。「噴霧方式が蓄圧式」である噴霧用器具の具体例としては、点鼻薬の噴霧器として広く一般的に用いられている蓄圧式ポンプを挙げることができる。この蓄圧式ポンプは、少なくとも一の噴霧口を有するものである。噴霧口は、その外形状が、通常はノズル状であり、噴霧用器具の内部に形成された薬液充填部と連通している。このため、実際の使用に際しては、ノズル状の噴霧口の先端を鼻孔内に挿入した後、薬液充填部に充填された点鼻薬組成物(点鼻薬液)を、噴霧口を通じて圧力によって鼻腔へと噴霧(噴射)すればよい。
噴霧用器具の噴霧口の開口径は、0.1〜0.6mm、好ましくは0.3〜0.5mmである。噴霧口の開口径が0.1mm未満であると、目詰まり等の不具合が容易に起こり易くなる。一方、噴霧口の開口径が0.6mm超であると、薬液が霧状に噴射されずに勢いよくストレートに噴射されてしまい、鼻腔等への刺激が強くなり過ぎてしまう。
噴霧用器具の内部には、前述の点鼻薬組成物が充填される。充填される点鼻薬組成物には、所定量の多価アルコールが配合されている。このため、本実施形態の点鼻薬液噴霧器具は、そのノズル状の噴霧口の内部においてクロモグリク酸ナトリウムが再結晶し難い。従って、本実施形態の点鼻薬液噴霧器具は、安定した噴霧状態が維持され、長期間にわたって継続的に噴霧して使用可能なものである。
3.クロモグリク酸ナトリウムの再結晶防止方法、及び点鼻薬液の噴霧改善方法:
本発明のクロモグリク酸ナトリウムの再結晶防止方法の一実施形態は、クロモグリク酸ナトリウムを0.5〜2.0W/V%、及び殺菌剤を0.001〜0.1W/V%含有する点鼻薬液に、0.1〜10.0W/V%の多価アルコールを添加する再結晶防止方法である。また、本発明の点鼻薬液の噴霧改善方法の一実施形態は、開口径が0.1〜0.6mmである少なくとも一の噴霧口を有する噴霧用器具(好ましくは蓄圧式)の内部に充填された、クロモグリク酸ナトリウムを0.5〜2.0W/V%、及び殺菌剤を0.001〜0.1W/V%含有する点鼻薬液に、0.1〜10.0W/V%の多価アルコールを添加する噴霧改善方法である。
これまで述べてきたように、クロモグリク酸ナトリウムを比較的高濃度で含有する点鼻薬液であっても、所定量の多価アルコールを配合することにより、クロモグリク酸ナトリウムの再結晶を効果的に抑制することができる。従って、本発明のクロモグリク酸ナトリウムの再結晶防止方法、及び点鼻薬液の噴霧改善方法によれば、特に開口径の小さいノズル状の噴霧口を有する蓄圧式ポンプ等の噴霧器具を用いた点鼻薬液の噴霧に際し、安定した噴霧状態が維持され、長期間にわたって継続的に噴霧して使用可能な点鼻薬液を提供することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
(実施例1〜10、比較例1,2)
表1に示す配合成分(100ml中の処方量(g))に従って各成分を秤量し、精製水に溶解させて全量を100mlとすることにより点鼻薬組成物を調製した。調製したそれぞれの点鼻薬組成物について、以下に示す方法によりその噴霧評価を行った。結果を表1に示す。
[噴霧評価]:調製した点鼻薬組成物を、内容量:15ml、噴霧口(ノズル)の内径:0.3mm、噴霧口(ノズル)の長さ:30mmの蓄圧式ポンプに充填した。点鼻薬組成物を5〜6回噴射してノズルの内部に点鼻薬組成物を溜め、この状態で60℃の恒温槽で5日間保管した。その後、1,3,5,10回噴霧した(ポンプを駆動させた)ときの噴霧状態を観察し、噴霧した場合を「○」、噴霧しなかった場合を「×」と評価した。
Figure 2008143845
表1に示すように、多価アルコール(プロピレングリコール、グリセリン)を含有していない比較例1及び2の点鼻薬組成物は、ポンプを10回駆動させた場合であっても噴霧されなかった。これに対して、多価アルコールを含有する実施例1〜10の点鼻薬組成物は噴霧状態が改善された。好ましくはプロピレングリコールを0.5W/V%以上含有する実施例2〜5の点鼻薬組成物、及びグリセリンを0.1W/V%以上含有する実施例6〜10の点鼻薬組成物であるが、特に、プロピレングリコールを1.0W/V%以上含有する実施例3〜5の点鼻薬組成物、及びグリセリンを0.2W/V%以上含有する実施例7〜10の点鼻薬組成物、は、ポンプを1〜3回駆動させれば適正に噴霧されることが明らかである。なお、多価アルコールのうち、プロピレングリコールを含有させた場合(実施例1〜5)と、グリセリンを含有させた場合(実施例6〜10)とを比較すると、グリセリンは、プロピレングリコールに比してより少量で噴霧改善の効果が得られることが判明した。
本発明の点鼻薬組成物は、噴霧用器具に充填され、長期間にわたって継続的に噴霧して使用される点鼻薬として特に有用である。

Claims (12)

  1. クロモグリク酸ナトリウムを0.5〜2.0W/V%、殺菌剤を0.001〜0.1W/V%、及び多価アルコールを0.1〜10.0W/V%含有する点鼻薬組成物。
  2. ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80からなる群より選択される少なくとも一種の非イオン性界面活性剤を更に含有する請求項1に記載の点鼻薬組成物。
  3. 前記非イオン性界面活性剤を、0.01〜0.5W/V%含有する請求項2に記載の点鼻薬組成物。
  4. 前記殺菌剤が、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、及びアクリノールからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1〜3のいずれか一項に記載の点鼻薬組成物。
  5. 前記多価アルコールが、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、及びポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1〜4のいずれか一項に記載の点鼻薬組成物。
  6. 塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸エピネフリン、dl−塩酸メチルエフェドリン、硝酸テトラヒドロゾリン、硝酸ナファゾリン、及びエピネフリンからなる群より選択される少なくとも一種の血管収縮薬を更に含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の点鼻薬組成物。
  7. マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸イプロヘプチン、ジフェンヒドラミン、及び塩酸ジフェンヒドラミンからなる群より選択される少なくとも一種の抗ヒスタミン薬を更に含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の点鼻薬組成物。
  8. 開口径が0.1〜0.6mmである少なくとも一の噴霧口を有する噴霧用器具と、前記噴霧用器具の内部に充填される請求項1〜7のいずれか一項に記載の点鼻薬組成物と、
    を備えた点鼻薬液噴霧器具。
  9. 前記噴霧用器具の噴霧方式が、蓄圧式である請求項8に記載の点鼻薬液噴霧器具。
  10. クロモグリク酸ナトリウムを0.5〜2.0W/V%、及び殺菌剤を0.001〜0.1W/V%含有する点鼻薬液に、
    0.1〜10.0W/V%の多価アルコールを添加するクロモグリク酸ナトリウムの再結晶防止方法。
  11. 開口径が0.1〜0.6mmである少なくとも一の噴霧口を有する噴霧用器具の内部に充填された、クロモグリク酸ナトリウムを0.5〜2.0W/V%、及び殺菌剤を0.001〜0.1W/V%含有する点鼻薬液に、0.1〜10.0W/V%の多価アルコールを添加する点鼻薬液の噴霧改善方法。
  12. 前記噴霧用器具の噴霧方式が、蓄圧式である請求項11に記載の点鼻薬液の噴霧改善方法。
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