JP2005172912A - ソフトコンタクトレンズの装着方法及び装着液原液、並びにコンタクトレンズキット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 重量平均分子量11〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を0.1〜5W/V%含有するソフトコンタクトレンズ用組成物に、ソフトコンタクトレンズを浸漬させた後にこのレンズを取りだし、濯ぐことなく眼に装着することを特徴とするソフトコンタクトレンズの装着方法。
【効果】 本発明によれば、ソフトコンタクトレンズの装着を容易にし、眼の周りの白色析出物や視界のぼやけが改善される、ソフトコンタクトレンズ装着方法、それに使用する装着液原液、並びにディスポーザブルソフトコンタクトレンズキットを提供することを目的とする。
【選択図】 なし
【効果】 本発明によれば、ソフトコンタクトレンズの装着を容易にし、眼の周りの白色析出物や視界のぼやけが改善される、ソフトコンタクトレンズ装着方法、それに使用する装着液原液、並びにディスポーザブルソフトコンタクトレンズキットを提供することを目的とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ソフトコンタクトレンズ、特にディスポーザブルコンタクトレンズを装着する方法と、それに使用する装着液原液、並びにディスポーザブルソフトコンタクトレンズキットに関するものである。
ハードコンタクトレンズを装着する際、装着感を向上させる方法として、指先にのせたハードコンタクトレンズの凹面にコンタクトレンズ装着液を1〜数的落とし、その状態のレンズを眼に装着する方法が知られている。従来、コンタクトレンズ装着液は高分子化合物を含有する比較的高い粘度の液体組成物が用いられている。ハードコンタクトレンズは固い材質であるため、粘度の高いコンタクトレンズ装着液をレンズにつけても装着時の操作に関しては特に大きな問題はなく使用されている。
また、近年、OA化等による眼の乾きが問題となっていることから、装着後の装着感や乾燥からの眼の保護の点から、ソフトコンタクトレンズ装用においても、装着液を使用することが好ましく、ソフトコンタクトレンズに適用されるコンタクトレンズ装着液が提案されている(例えば、特許文献1〜7参照)。
しかしながら、ソフトコンタクトレンズは、レンズ自身に水分を含んでいるため、ハードコンタクトレンズよりも柔らかい。そのため、ソフトコンタクトレンズに装着液を落とすと、使用者の滴下の仕方によっては、装着液の濡れと重みによって一時的なレンズの変形(凹部のつぶれ)が起きる場合があり、かえって装着操作性を損なうという問題があった。特に、急速に普及しつつある1日使い捨て、2週間使い捨て等のディスポーザブルタイプのコンタクトレンズは特に材質が薄く柔らかいため、変形が顕著であり、装着が困難となり、従来提案されている装着液の使用は適さない場合が多い。
また、装着液を滴下したコンタクトレンズを装着する際、過分な装着液が溢れて眼の周囲を濡らすが、これが乾燥すると高分子化合物の白析出物が付着し、使用後の外観上の観点からも改善が望まれている。さらに、高分子化合物による、装着直後の視界のぼやけ改善も望まれていた。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、ソフトコンタクトレンズの装着を容易にし、眼の周りの白色析出物や視界のぼやけが改善される、コンタクトレンズ装着方法、それに使用する装着液原液、並びにディスポーザブルソフトコンタクトレンズキットを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の重量平均分子量セルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を特定量含有するコンタクトレンズ用組成物に、ソフトコンタクトレンズを浸漬させた後にソフトコンタクトレンズを取りだし、濯ぐことなく眼に装着することにより、上記目的が達成されることを知見した。特に、コンタクトレンズ装着液原液をディスポーザブルソフトコンタクトレンズの保存液中に入れて、その液を混ぜ、レンズを装着することにより、ディスポーザブルソフトコンタクトレンズの装着が容易になり、眼の周りの白化析出物が抑えられることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は下記発明を提供する。
[1].重量平均分子量11〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を0.1〜5W/V%含有するソフトコンタクトレンズ用組成物に、ソフトコンタクトレンズを浸漬させた後にこのレンズを取りだし、濯ぐことなく眼に装着することを特徴とするソフトコンタクトレンズの装着方法。
[2].ソフトコンタクトレンズ用組成物が、重量平均分子量11〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を0.5〜10W/V%含有する装着液原液を、レンズ浸漬前に希釈した組成物であることを特徴とする[1]に記載のソフトコンタクトレンズの装着方法。
[3].ソフトコンタクトレンズ用組成物が、装着液原液をコンタクトレンズ保存液で希釈した希釈溶液であることを特徴とする[2]に記載のソフトコンタクトレンズの装着方法。
[4].ソフトコンタクトレンズ用組成物が、ソフトコンタクトレンズが保存されている保存液に、コンタクトレンズ装着液原液を添加することにより得られることを特徴とする、[3]に記載のソフトコンタクトレンズの装着方法。
[5].ソフトコンタクトレンズが、ディスポーザブルコンタクトレンズであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のソフトコンタクトレンズの装着方法。
[6].重量平均分子量11〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を含有する装着液原液であって、前記化合物が0.1〜5W/V%となるように装着液原液を希釈したソフトコンタクトレンズ用組成物に、ソフトコンタクトレンズを浸漬させた後にこのレンズを取りだし、濯ぐことなく眼に装着する方法に用いられることを特徴とするソフトコンタクトレンズ装着液原液。
[7].重量平均分子量11万〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を0.1〜5W/V%含有するソフトコンタクトレンズ用組成物を収納したコンタクトレンズ保存容器に、ディスポーザブルソフトコンタクトレンズを封入してなるディスポーザブルソフトコンタクトレンズキット。
[1].重量平均分子量11〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を0.1〜5W/V%含有するソフトコンタクトレンズ用組成物に、ソフトコンタクトレンズを浸漬させた後にこのレンズを取りだし、濯ぐことなく眼に装着することを特徴とするソフトコンタクトレンズの装着方法。
[2].ソフトコンタクトレンズ用組成物が、重量平均分子量11〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を0.5〜10W/V%含有する装着液原液を、レンズ浸漬前に希釈した組成物であることを特徴とする[1]に記載のソフトコンタクトレンズの装着方法。
[3].ソフトコンタクトレンズ用組成物が、装着液原液をコンタクトレンズ保存液で希釈した希釈溶液であることを特徴とする[2]に記載のソフトコンタクトレンズの装着方法。
[4].ソフトコンタクトレンズ用組成物が、ソフトコンタクトレンズが保存されている保存液に、コンタクトレンズ装着液原液を添加することにより得られることを特徴とする、[3]に記載のソフトコンタクトレンズの装着方法。
[5].ソフトコンタクトレンズが、ディスポーザブルコンタクトレンズであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のソフトコンタクトレンズの装着方法。
[6].重量平均分子量11〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を含有する装着液原液であって、前記化合物が0.1〜5W/V%となるように装着液原液を希釈したソフトコンタクトレンズ用組成物に、ソフトコンタクトレンズを浸漬させた後にこのレンズを取りだし、濯ぐことなく眼に装着する方法に用いられることを特徴とするソフトコンタクトレンズ装着液原液。
[7].重量平均分子量11万〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を0.1〜5W/V%含有するソフトコンタクトレンズ用組成物を収納したコンタクトレンズ保存容器に、ディスポーザブルソフトコンタクトレンズを封入してなるディスポーザブルソフトコンタクトレンズキット。
なお、ソフトコンタクトレンズ用組成物としては、装着剤、洗浄剤、殺菌剤、タンパク除去剤、保存液が知られている。洗浄・殺菌剤は、コンタクトレンズに付着したタンパク汚れや細菌を定期的に除去するために使用され、通常、多量の洗浄成分、酵素、殺菌剤等を含んでおり、多孔性で親水性が高いソフトコンタクトレンズでは、使用後に濯ぎ操作を行ってから装着するものである。また、保存液は、コンタクトレンズ洗浄後の濯ぎに使用したり、ケース内のレンズ保存液として使用されるものである。
本発明によれば、ソフトコンタクトレンズの装着を容易にし、眼の周りの白色析出物や視界のぼやけが改善される、ソフトコンタクトレンズ装着方法、それに使用する装着液原液、並びにディスポーザブルソフトコンタクトレンズキットを提供することを目的とする。
以下、本発明につき、さらに詳しく説明する。
本発明のソフトコンタクトレンズ用組成物は、重量平均分子量11〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を0.1〜5W/V(質量/容積,g/100mL)%含有するものである。
本発明のソフトコンタクトレンズ用組成物は、重量平均分子量11〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を0.1〜5W/V(質量/容積,g/100mL)%含有するものである。
セルロース系高分子化合物としては、特に制限されるものではなく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。この中でも、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースが特に好適である。
ポリビニル系高分子化合物としては、通常、眼科用として使用されるものであれば、特に制限されない。ポリビニル系高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。本発明においては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンが好適である。
本発明においては、セルロース系高分子化合物、ポリビニル系高分子化合物のいずれかを単独で用いてもよいが、装着性がさらに良好となる点から、セルロース系高分子化合物及びポリビニル系高分子化合物を併用することが好ましい。
本発明のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物の重量平均分子量は、11〜150万である。重量平均分子量の下限は20万以上が好ましく、上限は50万以下が好ましい。重量平均分子量が11万未満又は150万を超えると、白化析出物が出やすくなる。なお、本発明において、重量平均分子量はGPCカラムを用いた液体クロマトクラフィーで測定したものである。
重量平均分子量11〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物の含有量は、ソフトコンタクトレンズ用組成物中0.1〜5W/V%であり、下限は、0.5W/V%以上が好ましく、上限は3W/V%以下が好ましい。この範囲内とすることで、眼への装着性、装着感が特に良好で、しかも高分子化合物による装着直後の視界のぼやけが低減される。
ソフトコンタクトレンズ用組成物の粘度は、特に制限されないが、通常、20℃・E型回転粘度計で測定した粘度が、5〜100mPa・s、好ましくは15〜50mPa・sである。5mPa・s未満の粘度であると装着後のフィット感が充分でない場合があり、100mPa・s以上を超えると装着後べたつく場合がある。
ソフトコンタクトレンズ用組成物のpHは、4.8〜8.0であり、特に5.2から7.5の範囲で調整されることが好ましい。
ソフトコンタクトレンズ用組成物の浸透圧は、好ましくは150〜500mOsmであり、特に240〜450mOsmの範囲に調整されることが好ましい。
ソフトコンタクトレンズ用組成物は、残部を水とし、公知の製造方法で製造することができる。例えば上記必須成分及び後述する任意成分を、滅菌精製水、イオン交換水等の水、あるいはエタノール等のアルコールとの混合溶媒等に溶解させた後、pH、さらに必要に応じて浸透圧等をpH調整剤、等張化剤により適宜調整することによって得ることができる。
本発明においては、ソフトコンタクトレンズ用組成物を、重量平均分子量11〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を0.5〜10W/V%含有する装着液原液をレンズ浸漬前に希釈して得ることが好ましい。装着液原液を希釈して用いることにより、装着液原液の保存安定性が向上し、希釈液中の防腐剤の量を減らすことができる。
希釈は本発明のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物が、希釈溶液(ソフトコンタクトレンズ用組成物)中0.1〜5W/V%となるように希釈しなければならない。通常、保存容器の容積と保存液量を考慮すれば、2〜10倍の希釈倍率とすることが使用上好ましい。従って、コンタクトレンズ装着液原液中のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物の配合量は、0.5〜10W/V%が好ましく、配合量の下限は1W/V%以上がより好ましく、上限は8W/V%以下がより好ましい。
本発明の装着液原液には、上記高分子化合物の他に、多価アルコールを含有することが好ましい。多価アルコールを配合することにより、原液を希釈する際に希釈溶媒への拡散性が良好になりすばやく均一な希釈液を得ることができ、操作性が良好になる。多価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン等のグリセリン類、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも好ましい多価アルコールは、グリセリン、プロピレングリコールである。
多価アルコールの配合量の下限は、装着液原液中0.2W/V%以上が好ましく、より好ましくは0.5W/V%以上である。上限は10W/V%以下が好ましく、より好ましくは5W/V%以下である。この範囲内で、装着液原液の希釈性が特に優れ、しかもレンズ装用感が良好となる。
さらに、溶解補助剤として、ポリソルベート80、プロクサマー類、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE(60)硬化ヒマシ油等のPOE硬化ヒマシ油等の界面活性剤を配合することが好ましい。溶解補助剤の配合量は、装着液原液中0.01〜3W/V%の範囲であることが好ましい。
本発明の装着液原液には、眼科組成物に使用される各種成分を、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。好ましい配合成分としては、薬物、pH調整剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、溶解補助剤、抗酸化剤、防腐剤、清涼化剤等が挙げられる。本発明においては、各剤を1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
薬物としては、例えばグリチルリチン酸二カリウム、アラントイン、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化リゾチーム等の抗炎症剤、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム(活性型ビタミンB2)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)、ビタミンEアセテート、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール(ビタミンAパルミテート)等のビタミン類、L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、L−アスパラギン酸カリウムマグネシウム(等量混合物)、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、イプシロンアミノカプロン酸、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム等のアミノ酸類、ブドウ糖、D−マンニトール、キシリトール等の糖類、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等のムコ多糖類の角膜保護成分、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸テトラヒドロゾリン等の充血除去成分、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール、スルフイソキジンナトリウム等のサルファ剤、クロモグリク酸、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト等の抗アレルギー剤が挙げられる。これらの中でも、コンタクトレンズ装用による眼の疲労、炎症抑制の点から、ビタミン又はその誘導体、アミノ酸又はその塩、抗炎症剤、ムコ多糖類等の角膜保護成分等を含有することが好ましい。
薬物の配合量は、各薬物の有効な適性量を選択することができるが、眼への刺激、組成物の安定性等の点から、装着液原液中0.001〜7W/V%の範囲が好ましい。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、ホウ酸、ホウ砂、リン酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、氷酢酸、トロメタモール、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、塩酸、硫酸等が挙げられる。この中でも、緩衝剤としても作用するクエン酸、ホウ酸、ホウ砂、リン酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、氷酢酸、トロメタモール、炭酸水素ナトリウムを使用することが好ましい。特に、緩衝剤としては、トロメタモール、ホウ酸、ホウ砂が好ましい。
装着液原液のpHは、4〜8に維持されるよう調整することが好ましい。また、調整緩衝剤の配合量は、コンタクトレンズ装着液原液中0.003〜4W/V%の範囲が好ましい。
安定化剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム、エデト酸、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン等が挙げられる。エデト酸類は系の安定性を維持する効果を有し、シクロデキストリン類は、ソフトコンタクトレンズに吸着し易い成分(例えば塩化ベンザルコニウム等)の吸着抑制効果を有する点から好ましい。
安定化剤の配合量は、装着液原液中0.003〜4W/V%の範囲が好ましい。
等張化剤としては、例えば、塩化カリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。等張化剤の配合量は、装着液原液中0.07〜1.0W/V%の範囲が好ましい。
装着液原液の浸透圧は、200〜550mOsmの範囲であり、特に240〜450mOsmの範囲で調整されることが好ましい。
抗酸化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ヒドロキノン、没食子酸プロピル、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。抗酸化剤の配合量は、装着液原液中0.001〜1W/V%の範囲が好ましい。
防腐剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、クロロブタノール、パラオキシ安香酸エステル等が挙げられる。防腐剤の配合量は、装着液原液中0.001〜0.5W/V%の範囲であることが好ましい。本発明の装着方法によれば、希釈後の防腐剤量は1/10〜1/2倍となるため、直接眼に接触する防腐剤の量が減少し、防腐剤による刺激が低減される利点がある。
清涼化剤としては、例えばカンフル、クールミントNo.71212、ゲラニオール、ハッカ水、メントール、ボルネオール、ユーカリ油、ウイキョウ油、ベルガモット油、リナロール、N−エチル−p−メンタン−カルボキシアミド(例えばWS−3、高砂香料工業(株))等が挙げられる。清涼化剤の配合量は、装着液原液中0.0001〜0.1W/V%の範囲が好ましい。
装着液原液の粘度は、10〜100,000mPa・sの範囲であり、特に30〜10,000の範囲であることが好ましい。
装着液原液は、残部を水とし、公知の製造方法で製造することができる。例えば上記必須成分及び任意成分を、滅菌精製水、イオン交換水等の水、あるいはエタノール等のアルコールとの混合溶媒等に溶解させた後、pH、さらに必要に応じて浸透圧等をpH調整剤、等張化剤により適宜調整することによって得ることができる。
希釈はレンズ浸漬前に行うことが好ましい。希釈に用いる溶液は、精製水、生理食塩水、コンタクトレンズ保存液でもよく、上記任意成分のごとき眼科組成物に使用される各種成分を含んでいてもよい。
本発明においては、コンタクトレンズ保存液で希釈することが好ましく、ソフトコンタクトレンズ、特にディスポーザブルコンタクトレンズが保存されている保存液に、コンタクトレンズ装着液原液を添加して希釈液を得ると簡便に希釈することができ、その後の浸漬も容易である。より具体的には、コンタクトレンズ装着原液を、ソフトコンタクトレンズが保存されている保存液の中に数滴(0.1mL〜0.5mL;通常、希釈倍率は2〜10倍となる)添加する方法が好ましい。
この場合のコンタクトレンズ保存液は、塩化ナトリウムを主成分としたものや、マルチパーパスソリューソン等を用いることができ、ディスポーザブルコンタクトレンズの場合は、生理食塩水である場合が多い。
ソフトコンタクトレンズ用組成物に、ソフトコンタクトレンズを浸漬する時間は10秒〜1分間が好ましい。その後、ソフトコンタクトレンズを取りだし、濯ぐことなくそのまま眼に装着する。このような使用方法を採ることで、装着液を添加することによる一時的なレンズの変形(凹部のつぶれ)や、過分な装着液が溢れて眼の周囲に白析出物が付着すること及び装着直後の視界のぼやけ改善が可能となる。
本発明のソフトコンタクトレンズの装着方法が適応できるソフトコンタクトレンズは特に制限はなく、ハードコンタクトレンズにも同様に用いることができる。特に、本発明の装着方法は、上記症状が見られやすく、通常のソフトコンタクトレンズよりも柔らかく、通常の装着液使用が困難な場合が多いディスポーザブルタイプのソフトコンタクトレンズには最適である。なお、ディスポーザブルコンタクトレンズとは、短期間の使用のために供されるいわゆる使い捨てタイプのものをいう。ディスポーザブルコンタクトレンズには、1日使い捨てソフトコンタクトレンズ、1週間使い捨てソフトコンタクトレンズ、2週間使い捨てソフトコンタクトレンズ等がある。
ソフトコンタクトレンズ用組成物は、公知の滴下可能な容器(紫外線防止剤あるいは色素を含有するものが内容物の安定性上好ましい)に充填し、フィルム包装等の包装を施して、保存安定性が良好なソフトコンタクトレンズ装着液として提供することができる。
さらに、本発明は、重量平均分子量11万〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を0.1〜5W/V%含有するソフトコンタクトレンズ用組成物を収納したコンタクトレンズ保存容器に、ディスポーザブルソフトコンタクトレンズを封入してなるディスポーザブルソフトコンタクトレンズキットを提供することもできる。
このようなディスポーザブルソフトコンタクトレンズキットにすることにより、使用者は、重量平均分子量11万〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を0.1〜5W/V%含有するソフトコンタクトレンズ用組成物が、保存液及び装着液となり、保存液中に浸漬されたレンズを濯ぐことなく眼に装着することができる。
なお、コンタクトレンズ保存容器及びディスポーザブルソフトコンタクトレンズは、公知のものを使用することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」はW/V(質量/容積)%を示す。
[実施例1,2、比較例1〜5]
表1に示す組成となるように、各成分を常法に準じて滅菌精製水に溶解した後、各溶液を無菌ろ過して、ソフトコンタクトレンズ用組成物を調製した。なお、表1の組成は各使用方法における使用時の濃度である。得られた各組成物について、下記評価を行った。結果を表1に併記する。
表1に示す組成となるように、各成分を常法に準じて滅菌精製水に溶解した後、各溶液を無菌ろ過して、ソフトコンタクトレンズ用組成物を調製した。なお、表1の組成は各使用方法における使用時の濃度である。得られた各組成物について、下記評価を行った。結果を表1に併記する。
(方法A)
ディスポーザブルコンタクトレンズ使用者10人(1日使い捨てソフトコンタクトレンズ使用者5人、2週間使い捨てソフトコンタクトレンズ使用者5人)をパネラーとした。各パネラーが、コンタクトレンズケースにソフトコンタクトレンズ用組成物を入れ、その中にディスポーザブルコンタクトレンズを1分間浸漬して、濯ぐことなく眼に装着したときのレンズの装着のしやすさ、装着後の眼の周りの白化析出物及び視界のぼやけについて、下記評価基準に基づいて評価した。
ディスポーザブルコンタクトレンズ使用者10人(1日使い捨てソフトコンタクトレンズ使用者5人、2週間使い捨てソフトコンタクトレンズ使用者5人)をパネラーとした。各パネラーが、コンタクトレンズケースにソフトコンタクトレンズ用組成物を入れ、その中にディスポーザブルコンタクトレンズを1分間浸漬して、濯ぐことなく眼に装着したときのレンズの装着のしやすさ、装着後の眼の周りの白化析出物及び視界のぼやけについて、下記評価基準に基づいて評価した。
(方法B)
ディスポーザブルコンタクトレンズ使用者10人(1日使い捨てソフトコンタクトレンズ使用者5人、2週間使い捨てソフトコンタクトレンズ使用者5人)をパネラーとした。
各パネラーが、ディスポーザブルコンタクトレンズ上にソフトコンタクトレンズ用組成物を2,3適つけた後、レンズを眼に装着したときのレンズの装着のしやすさ、装着後の眼の周りの白化析出物及び視界のぼやけについて、下記評価基準に基づいて評価した。
ディスポーザブルコンタクトレンズ使用者10人(1日使い捨てソフトコンタクトレンズ使用者5人、2週間使い捨てソフトコンタクトレンズ使用者5人)をパネラーとした。
各パネラーが、ディスポーザブルコンタクトレンズ上にソフトコンタクトレンズ用組成物を2,3適つけた後、レンズを眼に装着したときのレンズの装着のしやすさ、装着後の眼の周りの白化析出物及び視界のぼやけについて、下記評価基準に基づいて評価した。
<装着のしやすさ評価基準>
5:非常に装着しやすい
4:装着しやすい
3:装着しやすさは変わらない
2:やや装着しにくい
1:装着しにくい
上記5段階評価での平均値が4以上のものについては◎とし、3以上4未満のものについては○とし、2以上3未満のものについては△とし、2未満のものについては×として使用感を評価した。なお、コンタクトレンズ装着液としては○以上が好ましく、より好ましくは◎である。
5:非常に装着しやすい
4:装着しやすい
3:装着しやすさは変わらない
2:やや装着しにくい
1:装着しにくい
上記5段階評価での平均値が4以上のものについては◎とし、3以上4未満のものについては○とし、2以上3未満のものについては△とし、2未満のものについては×として使用感を評価した。なお、コンタクトレンズ装着液としては○以上が好ましく、より好ましくは◎である。
<眼の周りの白化析出物評価基準>
5:眼の周りの白化析出物が全く目立たない
4:眼の周りの白化析出物がほとんど目立たない
3:眼の周りの白化析出物がわずかに目立つ
2:眼の周りの白化析出物が目立つ
1:眼の周りの白化析出物が非常に目立つ
上記5段階評価での平均値が4以上のものについては◎とし、3以上4未満のものについては○とし、2以上3未満のものについては△とし、2未満のものについては×として使用感を評価した。
5:眼の周りの白化析出物が全く目立たない
4:眼の周りの白化析出物がほとんど目立たない
3:眼の周りの白化析出物がわずかに目立つ
2:眼の周りの白化析出物が目立つ
1:眼の周りの白化析出物が非常に目立つ
上記5段階評価での平均値が4以上のものについては◎とし、3以上4未満のものについては○とし、2以上3未満のものについては△とし、2未満のものについては×として使用感を評価した。
<視界のぼやけ評価基準>
5:装着後、15秒間ぼやける
4:装着後、15〜30秒間ぼやける
3:装着後、30秒〜1分間ぼやける
2:装着後、1分〜1分30秒間ぼやける
1:装着後、1分30秒〜2分間ぼやける
上記5段階評価での平均値が4以上のものについては◎とし、3以上4未満のものについては○とし、2以上3未満のものについては△とし、2未満のものについては×として視界のぼやけを評価した。
5:装着後、15秒間ぼやける
4:装着後、15〜30秒間ぼやける
3:装着後、30秒〜1分間ぼやける
2:装着後、1分〜1分30秒間ぼやける
1:装着後、1分30秒〜2分間ぼやける
上記5段階評価での平均値が4以上のものについては◎とし、3以上4未満のものについては○とし、2以上3未満のものについては△とし、2未満のものについては×として視界のぼやけを評価した。
[実施例3〜30、比較例6]
表2〜6になるように(配合単位W/V%)、表中の各配合成分を定法に準じて滅菌精製水に溶解した後、各溶液を無菌ろ過して装着液原液を調製した。得られた各装着液原液について、下記評価を行った。なお、表中には使用時の重量平均分子量11〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物濃度を示した(高分子化合物と表示した)。
表2〜6になるように(配合単位W/V%)、表中の各配合成分を定法に準じて滅菌精製水に溶解した後、各溶液を無菌ろ過して装着液原液を調製した。得られた各装着液原液について、下記評価を行った。なお、表中には使用時の重量平均分子量11〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物濃度を示した(高分子化合物と表示した)。
ディスポーザブルコンタクトレンズ使用者10人(1日使い捨てソフトコンタクトレンズ使用者5人、2週間使い捨てソフトコンタクトレンズ使用者5人)をパネラーとした。各パネラーがそれぞれ1day ACUVUEの保存液の中に、コンタクトレンズ装着液原液を表中の各希釈倍率になるように入れ、その液をよくかき混ぜ装着し、以下の方法で装着液原液の保存液との混じりやすさ、実施例1と同様の方法で、装着のしやすさ、眼の周りの白化析出物評価を行った。
装着液原液の保存液との混じりやすさ評価
装着液原液にエリスロシン試薬を少量いれ着色した。
その液をACUVUEの保存液の中に各希釈倍率になるように入れ、軽くかき混ぜて液のまじりやすさを観察し、下記評価基準に基づいて評価した。
<保存液との混じりやすさ評価基準>
5:非常によくまざる
4:まざる
3:わずかにまざる
2:ほとんどまざらない
1:全くまざらない
上記5段階評価での平均値が4以上のものについては◎とし、3以上4未満のものについては○とし、2以上3未満のものについては△とし、2未満のものについては×として混じりやすさを評価した。
装着液原液にエリスロシン試薬を少量いれ着色した。
その液をACUVUEの保存液の中に各希釈倍率になるように入れ、軽くかき混ぜて液のまじりやすさを観察し、下記評価基準に基づいて評価した。
<保存液との混じりやすさ評価基準>
5:非常によくまざる
4:まざる
3:わずかにまざる
2:ほとんどまざらない
1:全くまざらない
上記5段階評価での平均値が4以上のものについては◎とし、3以上4未満のものについては○とし、2以上3未満のものについては△とし、2未満のものについては×として混じりやすさを評価した。
表1〜6の結果によれば、平均重量分子量11万〜150万のセルロース系高分子化合物及び/又はポリビニル系高分子化合物を含有するディスポーザブルコンタクトレンズ装着液はディスポーザブルコンタクトレンズの装着性に優れ、使用後の白色析出物が低減できることが認められた。
表中は下記のものを使用した。
・HPMC 60SH−400(平均重量分子量11万):ヒドロキシプロピルメチルセルロース メトローズ60SH−400,信越化学工業(株)・HPMC 60SH−1500(平均重量分子量20万):ヒドロキシプロピルメチルセルロース メトローズ60SH−1500,信越化学工業(株)
・HPMC 60SH−4000(平均重量分子量35万):ヒドロキシプロピルメチルセルロース メトローズ60SH−4000,信越化学工業(株)
・HEC CF−G(平均重量分子量32万):ヒドロキシエチルセルロース,住友精化(株)製
・HEC CF−V(平均重量分子量80万):ヒドロキシエチルセルロース,信越化学工業(株)
・MC SM−4000(平均重量分子量35万):メチルセルロース メトローズSM−4000,信越化学工業(株)
・HPMC 60SH−50(平均重量分子量10万):ヒドロキシプロピルメチルセルロース メトローズ60SH−50,信越化学工業(株)製
・PVP コリドン90F(平均重量分子量125万):ポリビニルピロリドン,BASF(株)
・PVA ゴーセノールEG−40(平均重量分子量12万):ポリビニルアルコール,日本合成化学工業(株)製
・グリセリン:日局・濃グリセリン
・ポリソルベート80:モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン
・HPMC 60SH−400(平均重量分子量11万):ヒドロキシプロピルメチルセルロース メトローズ60SH−400,信越化学工業(株)・HPMC 60SH−1500(平均重量分子量20万):ヒドロキシプロピルメチルセルロース メトローズ60SH−1500,信越化学工業(株)
・HPMC 60SH−4000(平均重量分子量35万):ヒドロキシプロピルメチルセルロース メトローズ60SH−4000,信越化学工業(株)
・HEC CF−G(平均重量分子量32万):ヒドロキシエチルセルロース,住友精化(株)製
・HEC CF−V(平均重量分子量80万):ヒドロキシエチルセルロース,信越化学工業(株)
・MC SM−4000(平均重量分子量35万):メチルセルロース メトローズSM−4000,信越化学工業(株)
・HPMC 60SH−50(平均重量分子量10万):ヒドロキシプロピルメチルセルロース メトローズ60SH−50,信越化学工業(株)製
・PVP コリドン90F(平均重量分子量125万):ポリビニルピロリドン,BASF(株)
・PVA ゴーセノールEG−40(平均重量分子量12万):ポリビニルアルコール,日本合成化学工業(株)製
・グリセリン:日局・濃グリセリン
・ポリソルベート80:モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン
Claims (7)
- 重量平均分子量11〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を0.1〜5W/V%含有するソフトコンタクトレンズ用組成物に、ソフトコンタクトレンズを浸漬させた後にこのレンズを取りだし、濯ぐことなく眼に装着することを特徴とするソフトコンタクトレンズの装着方法。
- ソフトコンタクトレンズ用組成物が、重量平均分子量11〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を0.5〜10W/V%含有する装着液原液を、レンズ浸漬前に希釈した組成物であることを特徴とする請求項1に記載のソフトコンタクトレンズの装着方法。
- ソフトコンタクトレンズ用組成物が、装着液原液をコンタクトレンズ保存液で希釈した希釈溶液であることを特徴とする請求項2に記載のソフトコンタクトレンズの装着方法。
- ソフトコンタクトレンズ用組成物が、ソフトコンタクトレンズが保存されている保存液に、コンタクトレンズ装着液原液を添加することにより得られることを特徴とする、請求項3に記載のソフトコンタクトレンズの装着方法。
- ソフトコンタクトレンズが、ディスポーザブルコンタクトレンズであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のソフトコンタクトレンズの装着方法。
- 重量平均分子量11〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を含有する装着液原液であって、前記化合物が0.1〜5W/V%となるように装着液原液を希釈したソフトコンタクトレンズ用組成物に、ソフトコンタクトレンズを浸漬させた後にこのレンズを取りだし、濯ぐことなく眼に装着する方法に用いられることを特徴とするソフトコンタクトレンズ装着液原液。
- 重量平均分子量11万〜150万のセルロース系及び/又はポリビニル系高分子化合物を0.1〜5W/V%含有するソフトコンタクトレンズ用組成物を収納したコンタクトレンズ保存容器に、ディスポーザブルソフトコンタクトレンズを封入してなるディスポーザブルソフトコンタクトレンズキット。
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- 2003-12-08 JP JP2003408844A patent/JP2005172912A/ja active Pending
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