JP2002322048A - ソフトコンタクトレンズ用組成物 - Google Patents
ソフトコンタクトレンズ用組成物Info
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Abstract
トコンタクトレンズ装着液として使用されるソフトコン
タクトレンズ用組成物であって、重量平均分子量5万〜
40万であるヒドロキシプロピルメチルセルロース、好
ましくは更に金属キレート剤を含有し、特にソフトコン
タクトレンズ用防汚組成物、ソフトコンタクトレンズ用
タンパク質付着防止組成物又はソフトコンタクトレンズ
用薬物吸着防止組成物として好適に使用されるソフトコ
ンタクトレンズ用組成物。 【効果】 本発明によれば、ソフトコンタクトレンズへ
のタンパク質等の汚れ又は薬物の吸着を抑制するソフト
コンタクトレンズ用組成物が提供される。
Description
レンズ用点眼剤又はソフトコンタクトレンズ装着液とし
て使用されるソフトコンタクトレンズ用組成物に関し、
より詳しくは、ソフトコンタクトレンズへの汚れの付
着、特にタンパク質のソフトコンタクトレンズへの付着
と、組成物に含有されている薬物のソフトコンタクトレ
ンズへの吸着を抑制することができるソフトコンタクト
レンズ用組成物に関する。
より、手指の脂質やゴミ、涙液中のタンパク質、脂質、
無機質、ムチンなどの汚れが付着することが避けられな
い。特に、涙液中のタンパク質は、コンタクトレンズの
表面あるいは内部に付着し、徐々に蓄積する。このため
にコンタクトレンズが曇ってきて透明度が低下したり、
コンタクトレンズ装用中に異物感を生じたりするという
現象が発生し、使用者に不快感を与える。また変性した
タンパク質が原因となってアレルギー症を起こすことさ
えある。特に含水率が高いソフトコンタクトレンズの場
合は、涙液中のタンパク質や脂質などが吸着し易く、こ
のような現象が顕著であった。
成分、防腐剤、清涼化剤等の薬物の中には、ソフトコン
タクトレンズに吸着しやすいものが多く、特にカチオン
基を有する防腐剤や疎水性化合物である清涼化剤は、ソ
フトコンタクトレンズとの親和性が高いために、これら
の成分が配合された点眼剤組成物を適用すると、ソフト
コンタクトレンズに吸着し、ソフトコンタクトレンズ中
に逐次蓄積されていく。これらの成分の吸着や蓄積が起
因してレンズの変質や物理的変化が生じることがあり、
また、そのようなレンズを装用していると、眼障害を起
こす可能性もある。
タンパク質の付着又はレンズに吸着しやすい薬物の吸着
を防止させる様々な方法が検討されている。タンパク質
の付着を防止する方法としては、親水化成分であるアラ
ビアゴムを含有し、レンズの表面を親水化する方法(特
開平09−159975号公報)、合成スメクタイト微
粒子を含有し、レンズ表面に皮膜を形成させる方法(特
開平11−281937号公報)等が提案されている
が、いずれの提案も眼に対する安全性が懸念される。ま
た、ソフトコンタクトレンズ、特に含水性ソフトコンタ
クトレンズについて、十分なタンパク質付着防止効果を
有するものはなかった。コンタクトレンズへの薬物の付
着を防止させる方法としては、カチオン基を有する防腐
剤を含有する点眼剤に非イオン界面活性剤を添加する方
法(特開昭52−109953号公報)、カチオン基を
有する防腐剤を含有する点眼剤にシクロデキストリンを
添加する方法(特開平08−175974号公報)等が
提案されているが、いずれの提案も防腐剤の吸着抑制効
果は認められるものの、タンパク質の付着抑制(防汚)
効果は、十分ではなかった。
鑑みなされたもので、ソフトコンタクトレンズへの防汚
効果、特にタンパク質の付着防止効果とソフトコンタク
トレンズへの薬物の吸着防止効果を有するのみならず、
眼に対する安全性も高く、且つ使用感に優れたソフトコ
ンタクトレンズ用組成物を提供することを目的としたも
のである。
発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った
結果、眼科用剤の実績があるセルロース系高分子化合物
であるヒドロキシプロピルメチルセルロースに着目する
に至り、更に鋭意検討を重ねた結果、後述する実施例に
示すように重量平均分子量5万〜40万のヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースを水溶液とした溶液を、ソフト
コンタクトレンズ用点眼剤、ソフトコンタクトレンズ装
着液として使用すると、ソフトコンタクトレンズへのタ
ンパク質等の汚れの付着と薬物の吸着が格段に防止され
ることを見出し、本発明をなすに至った。
用点眼剤又はソフトコンタクトレンズ装着液として使用
されるソフトコンタクトレンズ用組成物であって、重量
平均分子量5万〜40万であるヒドロキシプロピルメチ
ルセルロースを含有することを特徴とするソフトコンタ
クトレンズ用組成物を提供する。ここで、上記ソフトコ
ンタクトレンズ用組成物が、更に、金属キレート剤を含
有するものであると、より好適である。更に、上記ソフ
トコンタクトレンズ用組成物を、ソフトコンタクトレン
ズ用防汚組成物、特にソフトコンタクトレンズ用タンパ
ク質付着防止組成物として使用したり、又は薬物吸着防
止組成物として使用すると、特に好適である。
と、本発明のソフトコンタクトレンズ用組成物は、ソフ
トコンタクトレンズ用点眼剤又はソフトコンタクトレン
ズ装着液として使用される液状組成物であって、セルロ
ース系高分子化合物であるヒドロキシプロピルメチルセ
ルロースを必須成分として含有するものである。
ルセルロースの分子量としては、重量平均分子量が5万
〜40万であり、好ましくは10万〜35万である。重
量平均分子量が5万未満であるとソフトコンタクトレン
ズ上に皮膜を形成することができず、タンパク質の付着
防止機能等の防汚機能又は薬物吸着防止機能が十分でな
い。一方、重量平均分子量が40万を超えると、タンパ
ク質の付着防止機能等の防汚機能又は薬物吸着防止機能
が十分でないのみならず、粘度が高すぎ、使用上の面で
ソフトコンタクトレンズ用組成物としてふさわしくな
い。
ピルメチルセルロースのメトキシル基の平均置換度は、
1.3〜2.5が好適であり、より好ましくは1.6〜
2.0である。上記範囲以外では、レンズ上に皮膜を形
成し難く、タンパク質の付着防止機能等の防汚機能と薬
物吸着防止機能が充分ではない場合がある。
におけるヒドロキシプロピルメチルセルロースの配合量
は、特に制限されないが、通常ソフトコンタクトレンズ
用組成物全量に対して好ましくは0.05〜5W/V
(質量/容量)%、より好ましくは0.1〜2W/V%
である。配合量がこの範囲のとき、特にタンパク質の付
着防止効果等の防汚効果又は薬物吸着防止機能、使用感
が良好である。
組成物の粘度は、特に制限されるものではないが、通常
20℃における粘度が200mPa・s以下、好ましく
は100mPa・s以下、より好ましくは50mPa・
s以下であると、好適である。下限は特に制限されな
い。粘度が高すぎると使用上の面で問題となる場合があ
る。
は、上記特定分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースに金属キレート剤を併用することによって、上記ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースのレンズ表面におけ
る皮膜形成能を向上させて、含水率が高いためにヒドロ
キシプロピルメチルセルロースの皮膜が形成し難いソフ
トコンタクトレンズであっても皮膜形成による防汚機能
又は薬物吸着防止機能を確実に発揮させるものであり、
金属キレート剤としては、眼科用製剤に配合可能なもの
であれば、その種類は特に制限されず、このような金属
キレート剤としては、例えばエデト酸,エデト酸塩(エ
デト酸二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウ
ム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム)、
ニトリロ三酢酸及びその塩、トリヒドロキシメチルアミ
ノメタン、ヘキサメタリン酸ソーダ、クエン酸等が挙げ
られ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わ
せて使用することができる。本発明の場合、これらの中
でも特にエデト酸,エデト酸塩等がより効果的である。
に上記金属キレート剤を配合する場合、その配合量は特
に制限されるものではないが、通常上記組成物全量に対
して0.001〜0.5質量%、好ましくは0.01〜
0.3質量%、より好ましくは0.05〜0.15質量
%とすると好適である。配合量が少なすぎるとタンパク
質の付着防止機能又は薬物吸着防止機能が充分ではない
場合があり、多すぎると目刺激を生じて、使用感を損ね
る場合がある。なお、同様の理由により上記ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースに対する配合割合は、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース:金属キレート剤(質量
比)=1:10〜200:1、好ましくは1:1〜10
0:1、より好ましくは5:1〜50:1とすると好適
である。
には、上記必須成分以外に、本発明の効果を妨げない限
り、通常の眼科用剤などに慣用されている各種薬物(本
発明においては、有効成分、防腐剤、清涼化剤)、その
他各種添加剤、例えば等張化剤、緩衝化剤、界面活性
剤、増粘剤などをさらに含有することができ、これらは
1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用するこ
とができる。
リチン酸二カリウム、アラントイン、塩化ベルベリン、
硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、硫酸
亜鉛、乳酸亜鉛、塩化リゾチームなどの抗炎症剤、フラ
ビンアデニンジヌクレオチドナトリウム(活性型ビタミ
ンB2)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、塩酸ピ
リドキシン(ビタミンB6)、ビタミンEアセテート、
パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸
ナトリウム、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール
(ビタミンAパルミテート)などのビタミン類、L−ア
スパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウ
ム、L−アスパラギン酸マグネシウム、L−アスパラギ
ン酸カリウムマグネシウム(等量混合物)、アミノエチ
ルスルホン酸(タウリン)、イプシロンアミノカプロン
酸、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウムな
どのアミノ酸類、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸
クロルフェニラミンなどの抗ヒスタミン剤、エピネフリ
ン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸ナファ
ゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸
テトラヒドロゾリン等の充血除去成分、スルファメトキ
サゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフ
イソキサゾール、スルフイソキジンナトリウムなどのサ
ルファ剤、クロモグリク酸、クロモグリク酸ナトリウ
ム、トラニラスト、ペミロラストカリウムなどの抗アレ
ルギー剤、メチル硫酸ネオスチグミンなどの有効成分な
どが挙げられ、防腐剤としては、例えば塩化ベンザルコ
ニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシ
ジン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、クロロブタノ
ール、パラオキシ安香酸エステルなどが挙げられ、等張
化剤としては、例えば塩化カリウム、塩化ナトリウム、
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリ
セリンなどが挙げられ、緩衝化剤としては、例えばホウ
酸、ホウ砂、リン酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二
水素ナトリウム、結晶リン酸ナトリウム、リン酸二水素
カリウム、氷酢酸などが挙げられ、清涼化剤としては、
例えばカンフル、メントール、ボルネオール、ユーカリ
油、ゲラニオール、ウイキョウ油、ベルガモット油など
が挙げられる。これらは本発明の効果が損なわれること
がない範囲で適宜配合することができる。
薬物、特に防腐剤、清涼化剤などが含有されていると、
ソフトコンタクトレンズ用点眼剤、ソフトコンタクトレ
ンズ装着液として使用する際に、ソフトコンタクトレン
ズへの薬物の吸着を抑制することができるので、特に有
用である。特に、上記薬物が塩化ベンザルコニウム等の
カチオン基を有するカチオン性防腐剤、メントールなど
の疎水性化合物である清涼化剤などであると、より効果
的である。
は、特に制限されるものではないが、通常、0.001
〜0.2質量%、好ましくは0.002〜0.1質量%
とすると好適である。配合量が少なすぎると、薬物自身
の効果が充分に得られない場合があり、配合量が多すぎ
ると、薬物がソフトコンタクトレンズに吸着してしまう
可能性がある。なお、同様の理由により、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースに対する配合割合は、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース:薬物(質量比)=1:5
〜500:1、好ましくは1:1〜100:1とすると
好適である。
ト80、プロクサマー類、モノオレイン酸POE(2
0)ソルビタン等のPOEソルビタン脂肪酸エステル
類、POE(60)硬化ヒマシ油等のPOE硬化ヒマシ
油等が挙げられる。
ス、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸、ヒアル
ロン酸ナトリウム、ブドウ糖などが挙げられ、これらの
配合量は、特に制限されるものではないが、通常上記組
成物全量に対して0.01〜5質量%、好ましくは0.
1〜2質量%とすると好適である。配合量が多すぎると
粘度が高くなり、使用上の面で問題となる場合がある。
なお、同様の理由により上記ヒドロキシプロピルメチル
セルロースに対する配合割合は、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース:増粘剤(質量比)=1:30〜20:
1、好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは
1:2〜2:1とすると好適である。
の製造方法は、特に制限されるものではなく、例えば上
記各成分を滅菌精製水、イオン交換水などの水、あるい
は水とエタノールなどのアルコールとの混合溶媒などに
溶解させた後、pH、更に必要に応じて浸透圧などをp
H調整剤、等張化剤により適宜調整することによって、
ソフトコンタクトレンズ用組成物を得ることができる。
は、上述したように、ソフトコンタクトレンズ用点眼
剤、ソフトコンタクトレンズ装着液として特に有用であ
る。なお、本発明の組成物をソフトコンタクトレンズ洗
浄剤、ソフトコンタクトレンズ保存液などに用いること
も可能であるが、洗浄及び保存効果が低下する場合があ
る。
組成物が適応できるコンタクトレンズの種類は、ソフト
コンタクトレンズである。即ち、タンパク質とカチオン
性防腐剤又は疎水性化合物である清涼化剤は、上述した
ようにハードコンタクトレンズに比べてソフトコンタク
トレンズに付着しやすく、本発明の組成物は、ソフトコ
ンタクトレンズに対して優れた機能を発揮することか
ら、本発明は、ソフトコンタクトレンズ用組成物として
用いられる。なお、本発明の場合、適用するソフトコン
タクトレンズは、含水率が30質量%以上、好ましくは
30〜80質量%の含水性ソフトコンタクトレンズに対
して特に効果的である。含水率が低い、いわゆる非含水
性ソフトコンタクトレンズであると、タンパク質の付着
防止機能又は薬物吸着防止機能が充分でない場合があ
る。
は、上述したようにソフトコンタクトレンズ用点眼剤、
ソフトコンタクトレンズ装着液として使用されるソフト
コンタクトレンズ用組成物として、それぞれ常法により
使用すると、上記特定の分子量を有するヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースが防汚剤、特にタンパク質付着防
止剤として機能して、ソフトコンタクトレンズにタンパ
ク質等の汚れが付着することを効果的に防止することが
できる。また、本発明の組成物が薬物を含有する場合、
上記特定の分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセ
ルロースが組成物に含有されている薬物吸着防止剤とし
て機能し、ソフトコンタクトレンズへの薬物の吸着を防
止することができる。更に、金属キレート剤を含有する
ことにより、ソフトコンタクトレンズへのタンパク質の
付着防止機能又は薬物吸着防止機能を向上させることが
できる。また、眼に対する安全性も高く、使用感に優れ
ていることから、これらを有効成分として含有するソフ
トコンタクトレンズ用防汚組成物、特にソフトコンタク
トレンズ用タンパク質付着防止組成物又はソフトコンタ
クトレンズ用薬物吸着防止組成物として優れた効果を発
揮する。
具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって何ら
限定されるものではない。
1に示す組成となるように(配合単位W/V%、合計1
00)、表中の各配合成分を常法に準じて滅菌精製水に
溶解した後、各溶液を無菌ろ過して、実施例1〜10及
び比較例1〜10のソフトコンタクトレンズ用組成物を
調製した。なお、各組成物において、共通成分としてエ
デト酸二ナトリウムが0.05W/V%、塩化ベンザル
コニウム(10%)0.1W/V%、l−メントール
0.1W/V%、プロピレングリコール0.5W/V
%、塩化ナトリウム0.9W/V%となるように配合し
た。得られた各製剤について、下記タンパク質付着抑制
評価試験、薬物(塩化ベンザルコニウム、l−メントー
ル)吸着抑制評価試験を実施した。結果を表1に併記す
る。なお、上記実施例で示した製剤は、べたつき感がな
く、使用感は優れていた。
トレンズ(含水率58質量%)を30分間浸し、その
後、0.1%リゾチーム・リン酸緩衝液で1時間振とう
した。その後、軽くふきとった後、1%エリスロシン溶
液に浸し、ソフトコンタクトレンズの染色状態を肉眼で
観察し、コントロールの染色状態と比較して、下記4段
階評価によりレンズへのタンパク質付着抑制効果を評価
した。なお、コントロールは、ソフトコンタクトレンズ
をリゾチーム・リン酸緩衝液でのみ振とうし、その後、
1%エリスロシン溶液に浸して染色した。
(米国食品医薬局)によるソフトコンタクトレンズの4
分類から、代表的なレンズとして、シークエンス(ボシ
ュロムジャパン(株))、ソフトミュー((株)日本コ
ンタクトレンズ)、ハイフローAce(HOYA
(株))、アキュビュー(ジョンソンエンドジョンソン
メディカル(株))を選び、ソフトコンタクトレンズ用
組成物5mLに1枚のレンズを37℃、7日間浸漬後、
残液の薬物量を該薬物の通常の定量方法によって定量し
た。レンズを浸漬しないソフトコンタクトレンズ用組成
物を同様に処理したものをコントロールとし、コントロ
ールに対する比率から各レンズに対する吸着率を計算し
た。
制評価基準) ◎:塩化ベンザルコニウム、l−メントールの4種のレ
ンズに対する平均吸着率が1%未満 ○:塩化ベンザルコニウム、l−メントールの4種のレ
ンズに対する平均吸着率が1%以上5%未満 △:塩化ベンザルコニウム、l−メントールの4種のレ
ンズに対する平均吸着率が5%以上10%未満 ×:塩化ベンザルコニウム、l−メントールの4種のレ
ンズに対する平均吸着率が10%以上
は、下記の通りである。
2)表3に示す組成となるように(配合単位W/V%、
合計100)、表中の各配合成分を常法に準じて滅菌精
製水に溶解した後、各溶液を無菌ろ過して、実施例11
〜14及び比較例11,12のソフトコンタクトレンズ
用組成物を調製した。なお、各成分において、共通成分
として塩化ナトリウム0.9W/V%、塩化ベンザルコ
ニウム(10%)0.1W/V%、l−メントール0.
1W/V%、プロピレングリコール0.5W/V%とな
るように配合した。得られた各製剤について、上述のタ
ンパク質付着抑制評価試験、薬物(塩化ベンザルコニウ
ム、l−メントール)吸着抑制評価試験を実施した。結
果を表3に併記する。なお、上記実施例で示した製剤は
べたつき感がなく、使用感は優れていた。
7]表4,5に示す組成となるように(配合単位W/V
%、合計100)、表中の各配合成分を常法に準じて滅
菌精製水に溶解した後、各溶液を無菌ろ過して、実施例
15〜24及び比較例13〜17のソフトコンタクトレ
ンズ用点眼剤及びソフトコンタクトレンズ装着液を調製
した。得られた各製剤について、上述のタンパク質付着
抑制評価試験、薬物(塩化ベンザルコニウム、l−メン
トール、dl−カンフル、d−ボルネオール)吸着抑制
評価試験及び下記の使用感の評価試験を実施した。結果
を表4,5に併記する。なお、上記薬物吸着抑制評価試
験における評価基準は、下記評価基準に代えた。
制評価基準) ◎:10%塩化ベンザルコニウム、l−メントール、d
l−カンフル、d−ボルネオールの4種のレンズに対す
る平均吸着率が1%未満 ○:10%塩化ベンザルコニウム、l−メントール、d
l−カンフル、d−ボルネオールの4種のレンズに対す
る平均吸着率が1%以上5%未満 △:10%塩化ベンザルコニウム、l−メントール、d
l−カンフル、d−ボルネオールの4種のレンズに対す
る平均吸着率が5%以上10%未満 ×:10%塩化ベンザルコニウム、l−メントール、d
l−カンフル、d−ボルネオールの4種のレンズに対す
る平均吸着率が10%以上
に下記の基準でソフトコンタクトレンズ用組成物の使用
感の評価を行った。5段階評価の平均点が4以上を◎、
3以上4未満を○、2以上3未満を△、2未満を×とし
た。 (べたつき感) 5:べたつきがない 4:べたつきがほとんどない 3:べたつきがややある 2:べたつきがある 1:非常にべたつきがある
ズ用点眼剤、ソフトコンタクトレンズ装着液として使用
されるソフトコンタクトレンズ用組成物に、分子量5万
〜40万のヒドロキシプロピルメチルセルロースを配合
し、より好ましくは更に金属キレート剤を配合すること
によって、ソフトコンタクトレンズへのタンパク質等の
汚れの付着と薬物の吸着を抑制するソフトコンタクトレ
ンズ用組成物が提供される。従って、本発明のソフトコ
ンタクトレンズ用組成物は、ソフトコンタクトレンズ用
防汚剤組成物、特にソフトコンタクトレンズ用タンパク
質付着防止組成物又はソフトコンタクトレンズ用薬物吸
着防止組成物として特に有用である。
Claims (5)
- 【請求項1】 ソフトコンタクトレンズ用点眼剤又はソ
フトコンタクトレンズ装着液として使用されるソフトコ
ンタクトレンズ用組成物であって、重量平均分子量5万
〜40万であるヒドロキシプロピルメチルセルロースを
含有することを特徴とするソフトコンタクトレンズ用組
成物。 - 【請求項2】 更に、金属キレート剤を含有する請求項
1記載のソフトコンタクトレンズ用組成物。 - 【請求項3】 ソフトコンタクトレンズ用防汚組成物で
ある請求項1又は2記載のソフトコンタクトレンズ用組
成物。 - 【請求項4】 ソフトコンタクトレンズ用タンパク質付
着防止組成物である請求項1、2又は3記載のソフトコ
ンタクトレンズ用組成物。 - 【請求項5】 ソフトコンタクトレンズへの薬物吸着防
止組成物である請求項1又は2記載のソフトコンタクト
レンズ用組成物。
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