JP2005104970A - コンタクトレンズ用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、コンタクトレンズ装用時に使用しても、優れた抗アレルギー作用を発揮でき、ケトチフェンのコンタクトレンズへの吸着が抑制されているコンタクト用組成物を提供することである。
【解決手段】 組成物の総重量に対して、ケトチフェン又はその塩を0.001〜0.1重量%、多価アルコールを0.1〜10重量%、及びメントール類を0.001〜0.1重量%含有することを特徴とするコンタクトレンズ用組成物、並びに、ケトチフェン又はその塩、グリセリン及びテルペンを含有することを特徴とするコンタクトレンズ用組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、眼科用組成物に関する。より詳細には、ケトチフェン又はその塩の薬効効果が増強されているコンタクトレンズ用組成物に関する。また本発明は、ケトチフェン又はその塩のコンタクトレンズへの吸着を抑制する方法に関する。
ケトチフェン及びその塩は、優れた抗アレルギー効果を有し、しかも高い安全性を備えているため、抗アレルギー薬として一般に広く使用されている。しかし従来、ケトチフェンのコンタクトレンズへの吸着が懸念される、またコンタクトレンズ装用中に点眼することにより目的とする抗アレルギー効果が適切に得られるか不明である等の理由から、コンタクトレンズ装用中には、ケトチフェン類を配合する組成物の適用は避けられてきた(非特許文献1参照)。
近年、コンタクトレンズが急速に普及し、それに伴ってコンタクトレンズ装用中でも使用可能な抗アレルギー薬が望まれるようになり、コンタクトレンズ装用中に適用できるケトチフェン含有製剤の開発がなされている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、ケトチフェン、非イオン性等張化剤及び保存剤を含有する組成物を開示している。しかしながら、該文献の組成物では、コンタクトレンズ装用中に発揮される抗アレルギー作用は、満足できるものではない。一方、コンタクトレンズ用の抗アレルギー薬については、持続性向上の観点から、抗アレルギー薬と共に高分子化合物及び非イオン性界面活性剤を併用する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2の方法は、発揮される抗アレルギー作用及び抗アレルギー薬のコンタクトレンズへの吸着抑制の点で満足できるものではない。
このように、コンタクトレンズ装用中に使用可能な抗アレルギー薬含有製剤については、その出現が待たれているにも拘わらず、アレルギー症状改善効果と抗アレルギー薬のコンタクトレンズへの吸着抑制の双方を満足する製剤については、未だ開発されていないのが現状である。
一方、テルペン及び多価アルコールは、眼科用組成物に一般に配合されている成分であるが、これらの成分をケトチフェン又はその塩と共に特定の組み合わせ態様で配合することによって、如何なる効果が得られるかについては知られていない。
特表2003-518498号公報 特開2001-158750号公報 上林容子ら、「コンタクトレンズ装着時の患者指導について」、JJSHP、1994年、第30巻、第1号、第77−81頁
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決することである。詳細には、本発明は、コンタクトレンズ装用時に使用しても、優れた抗アレルギー作用を発揮でき、ケトチフェンのコンタクトレンズへの吸着が抑制されているコンタクトレンズ用組成物を提供することを目的とする。また本発明は、ケトチフェン又はその塩のコンタクトレンズへの吸着を抑制する方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ケトチフェン又はその塩、多価アルコール及びメントール類を特定の割合で含有する組成物、並びにケトチフェン又はその塩、グリセリン及びテルペンを含有する組成物は、コンタクトレンズを装用した眼に適用しても顕著に優れた抗アレルギー効果を奏すること、及びケトチフェンのコンタクトレンズへの吸着を抑制できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることによって完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げるコンタクトレンズ用組成物である:
項1. 組成物の総重量に対して、ケトチフェン又はその塩を0.001〜0.1重量%、多価アルコールを0.1〜10重量%、及びメントール類を0.001〜0.1重量%含有することを特徴とするコンタクトレンズ用組成物。
項2. pHが3〜6.2である、項1に記載のコンタクトレンズ用組成物。
項3. 多価アルコールが、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブドウ糖、ラクトース、マルトース、フルクトース、ソルビトール、トレハロース、マルチトース、マンニトール及びキシリトールよりなる群から選択される少なくとも1種である、項1又は2に記載のコンタクトレンズ用組成物。
項4. 更に、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、アネトール、リモネン、オイゲノール、ピネン、フェランドレン、リナロール、シトロネロール、シトロネラール、メントン及びカルボンよりなる群から選択される少なくとも1種のテルペンを含有する、項1乃至3のいずれかに記載のコンタクトレンズ用組成物。
項5. ケトチフェン又はその塩、グリセリン及びテルペンを含有することを特徴とするコンタクトレンズ用組成物。
項6. テルペンが、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、アネトール、リモネン、オイゲノール、ピネン、フェランドレン、リナロール、シトロネロール、シトロネラール、メントン及びカルボンよりなる群から選択される少なくとも1種である、項5記載のコンタクトレンズ用組成物。
項7. 組成物の総重量に対してケトチフェン又はその塩0.001〜0.1重量%、グリセリン0.1〜5重量%、及びテルペン0.001〜0.5重量%の割合で含有する、項5又は6に記載のコンタクトレンズ用組成物。
更に、本発明は、下記に掲げるケトチフェン又はその塩のコンタクトレンズへの吸着抑制方法である:
項8. 項1乃至7のいずれかに記載のコンタクトレンズ用組成物と、コンタクトレンズを接触させることを特徴とする、ケトチフェン又はその塩のコンタクトレンズへの吸着抑制方法。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、コンタクトレンズという語句は、特記しない限り、ハード、酸素透過性ハード、ソフト等のあらゆるタイプのコンタクトレンズを包含する意味で用いる。
(I)コンタクトレンズ用組成物−1
本発明のコンタクトレンズ用組成物は、ケトチフェン又はその塩を0.001〜0.1重量%、多価アルコールを0.1〜10重量%、及びメントール類を0.001〜0.1重量%含有することを特徴とするものである。
本発明のコンタクトレンズ用組成物において使用するケトチフェン、即ち4,9−ジヒドロ−4−(1−メチル−4−ピペリジリデン)−10H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]チオフェン−10−オンは、公知化合物であり、公知の方法により合成したものを使用することができる。また、簡便には、市販品を使用することもできる。
本発明には、ケトチフェンの代わりに、又はケトチフェンと組み合わせて、ケトチフェンの塩を使用してもよい。ケトチフェンの塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。このような塩としては、例えば有機酸塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩など)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩など)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩など)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩など)など]、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩など)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリンなどの有機アミンとの塩など)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)、アルミニウムなどの金属との塩など]などが例示できる。これらの中で、特にフマル酸塩が好ましい。また、ケトチフェン又はその塩は、水和物の形態でも使用できる。これらのケトチフェンまたはその塩は、1種単独で使用してもよく、また二種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明で使用される多価アルコールは、眼科領域に用いることができるものであれば特に制限されない。一例として、直鎖アルコール(炭素数5以下)、糖(単糖または二糖)、糖アルコール及びポリビニルアルコール等を挙げることができる。より具体的には、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール等の直鎖アルコール;ブドウ糖、ラクトース、マルトース、フルクトース、ソルビトール、トレハロース等の糖;マルチトール、マンニトール、キシリトール等の糖アルコール;及び分子量500以上のポリビニルアルコール等を例示することができる。なお、上記ポリビニルアルコールのけん化度は完全であっても部分であってもよい。これらの中で、好ましくは直鎖アルコール、特に好ましくはグリセリンであり、これらを使用することによって本発明の効果を一層高めることができる。これらの多価アルコールは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
本発明において、メントール類とは、l−メントール、d−メントール及びdl−メントールを意味する。本発明に使用されるメントール類として、好ましくはl−メントールを挙げることができる。これらのメントール類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。なお、本発明では、上記メントール類を含有する精油(例えば、ペパーミント油、クールミント油、ハッカ油、及びこれらの混合物等)を配合することによって、コンタクトレンズ用組成物にメントール類を含有させてもよい。
本発明のコンタクトレンズ用組成物中の上記3成分の含有割合としては、該組成物の形態、用途、使用する成分の種類等によって異なるが、組成物の総重量に対してケトチフェン又はその塩0.001〜0.1重量%、多価アルコール0.1〜10重量%、及びメントール類0.001〜0.1重量%となる割合である。好ましくは、ケトチフェン又はその塩0.005〜0.07重量%、多価アルコール0.2〜5重量%、及びメントール類0.002〜0.07重量%となる割合を挙げることができる。
本発明のコンタクトレンズ用組成物において、上記3成分の配合比率(重量比)としては、例えば、ケトチフェン又はその塩1重量部に対して、多価アルコール1〜10000重量部、及びメントール類0.01〜100重量部;好ましくは、多価アルコール3〜1000重量部、及びメントール類0.03〜14重量部となる割合を挙げることができる。このような割合から著しく逸脱すると、本発明の効果が十分に得られなかったり、不快な刺激が生じたりする傾向がみられるので適当ではない。
本発明のコンタクトレンズ用組成物には、更に、メントール類以外のテルペンを配合することによって、抗アレルギー効果と共に、ケトチフェン又はその塩のコンタクトレンズへの吸着抑制効果をより一層高めることができる。
このようなテルペンとしては、眼科領域に用いることができるものであれば特に限定されず、例えばカンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、アネトール、リモネン、オイゲノール、ピネン、フェランドレン、リナロール、シトロネロール、シトロネラール、メントン及びカルボン等を挙げることができる。これらはd体、l体又はdl体の別を問うものではない。これらの中で、好ましくはd−カンフル、dl−カンフル、d−ボルネオール及びdl−ボルネオールを挙げることができる。また、前記テルペンとして、前記テルペンを含有する精油を使用することもできる。前記テルペンを含有する精油としては、例えば、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油、スペアミント油、ペパーミント油、クールミント油、ハッカ油等を例示することができる。これらのテルペンは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
これらのテルペンを配合する場合、該テルペンの配合割合については、使用するテルペンの種類等に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば、該組成物の総重量に対して、(精油を用いる場合、含有するテルペンとして)0.001〜0.5重量%、好ましくは0.002〜0.2重量%となる割合を挙げられる。
また、本発明のコンタクトレンズ用組成物には、更に緩衝剤を配合してもよい。緩衝剤を配合することによって、ケトチフェン又はその塩のコンタクトレンズへの吸着をより効果的に抑制することが可能となる。本発明のコンタクトレンズ用組成物に配合できる緩衝剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。かかる緩衝剤の一例として、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、イプシロン−アミノカプロン酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸塩などが挙げられる。これらの緩衝剤は組み合わせて使用しても良い。好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤及びクエン酸緩衝剤である。特に好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤またはリン酸緩衝剤である。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩などのホウ酸塩が挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩などのリン酸塩が挙げられる。クエン酸緩衝剤としては、クエン酸アルカリ金属塩などが挙げられる。また、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤として、ホウ酸塩又はリン酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、ホウ酸又はその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂など)、リン酸又はその塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウムなど)、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウムなど)、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウムなど)酢酸又はその塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウムなど)、アスパラギン酸又はその塩(アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カリウムなど)等が例示できる。これらの緩衝剤は1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明のコンタクトレンズ用組成物に緩衝剤を配合する場合、該緩衝剤の配合割合については、使用する緩衝剤の種類や期待される効果等に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば、組成物の総重量に対して該緩衝剤が0.001〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量程度%となるような割合を挙げることができる。より具体的には、組成物中の緩衝剤の割合が、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤を用いる場合であれば、例えば0.0001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%程度;炭酸緩衝剤を用いる場合であれば、例えば0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%程度;クエン酸緩衝剤を用いる場合であれば、例えば0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%程度;酢酸緩衝剤を用いる場合であれば、例えば0.001〜5重量%程度、好ましくは0.005〜3重量%;イプシロン−アミノカプロン酸を用いる場合であれば、例えば0.005〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%程度;アスパラギン酸又はその塩を用いる場合であれば、例えば0.005〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%程度となるような割合が例示される。
なお、本発明のコンタクトレンズ用組成物は、液状若しくはゲル状、好ましくは液状であり、該組成物の基材として、眼科的に許容される水、好ましくは精製水や超純水が使用される。
本発明のコンタクトレンズ用組成物のpHについては、薬学的に許容できる範囲内であれば特に限定されるものではない。本発明のコンタクトレンズ用組成物のpHの一例として、3〜6.2、好ましくは3.3〜5.8、更に好ましくは3.5〜5.4となる範囲を挙げることができる。本発明のコンタクトレンズ用組成物をかかるpH範囲となるように調整すれば、優れた抗アレルギー効果を実現でき、またケトチフェン又はその塩がコンタクトレンズに吸着するのを抑制することが可能となる。また、上記pH範囲内であれば、眼に適用しても安全であり、眼科用の製剤として実用可能である。
上記範囲となるように、pHを調整するには、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるpH調整剤を用いて、当該技術分野で公知の方法で行うことができる。
使用できるpH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸など)、有機酸(乳酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、プロピオン酸、酢酸、アスパラギン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、グルタミン酸、アミノエチルスルホン酸など)、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム、無機塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなど)、有機塩基(モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、リジンなど)、ホウ砂、及びその薬理学的に許容される塩類などが挙げられる。これらのpH調整剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明のコンタクトレンズ用組成物の浸透圧については、生体に許容される範囲内であれば、特に制限されない。例えば、コンタクトレンズ用組成物の用時の浸透圧比として、通常0.3〜4.2、好ましくは0.3〜2.1、更に好ましくは、0.7〜1.8、特に好ましくは1.1〜1.5程度を挙げることができる。浸透圧の調整は無機塩及び多価アルコールなどを用いて行うことができる。浸透圧の調整は前述又は後述する成分を用いて、当該技術分野で公知の方法に従って行うことができる。
本発明において、浸透圧比は、第十四改正日本薬局方に基づいて、0.9g/100mLの塩化ナトリウム水溶液の浸透圧に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)を用いて測定する。また、試験試料の測定と相前後して浸透圧比測定用標準液の浸透圧を測定し、このときに得られた実測値を用いて浸透圧比を算出する。浸透圧比測定用標準液は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9g/100mLの塩化ナトリウム水溶液)を用いる。
本発明のコンタクトレンズ用組成物は、本発明の効果を妨げないことを限度として、ケトチフェン又はその塩の他に、種々の成分(薬理活性成分や生理活性成分を含む)を組み合わせて含有することができる。このような成分の種類は特に制限されず、例えば、充血除去成分、眼調節薬成分、抗炎症薬成分または収斂薬成分、抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、ビタミン類、アミノ酸類、抗菌薬成分、殺菌薬成分、オリゴ糖類、多糖類またはその誘導体、セルロース又はその誘導体又はそれらの塩、前述以外の水溶性高分子、局所麻酔薬成分、ステロイド成分、緑内障治療成分、白内障治療成分などが例示できる。好適な成分としては、例えば、次のような成分が挙げられる。
充血除去成分:α−アドレナリン作動薬、例えば、イミダゾリン誘導体(ナファゾリン、テトラヒドロゾリンなど)、β−フェニルエチルアミン誘導体(フェニレフリン、エピネフリン、エフェドリン、メチルエフェドリンなど)、及びそれらの薬学上又は生理的に許容される塩(例えば、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリンなどの無機酸塩;酒石酸水素エピネフリンなどの有機酸塩など)など。
眼筋調節薬成分:アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、例えばメチル硫酸ネオスチグミン等の第4級アンモニウム化合物及びそれらの塩等。
抗炎症薬成分または収斂薬成分:プラノプロフェン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、インドメタシン、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム、ピロキシカム、メロキシカム、アスピリン、メフェナム酸、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、イブプロフェン、チアプロフェン酸、ロキソプロフェンナトリウム、塩酸チアラミド、イプシロン−アミノカプロン酸、ベルベリンおよび薬理学的に許容される塩(例えば、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン)、アズレンスルホン酸および薬理学的に許容される塩(例えば、アズレンスルホン酸ナトリウム、など)、亜鉛塩(例えば、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、など)、リゾチーム、塩化リゾチーム、サリチル酸メチル、アラントイン、グリチルリチン酸および薬理学的に許容される塩(例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、など)など。
抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分:例えば、アシタザノラスト、ベポタスチン、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、イプロヘプチン、エメダスチン、クレマスチン、アゼラスチン、レボカバスチン、オロパタジン、クロモグリク酸、トラニラスト、アンレキサノクス、メキタジン、ロラタジン、フェキソフェナジン、セチリジン、イブジラスト、スプラタスト、ペミロラスト、レピリナスト、タザノラスト、オキサトミド、テルフェナジン、エピナスチン、アステミゾール、エバスチンまたはその塩(例えば、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イプロヘプチン、フマル酸エメダスチン、フマル酸クレマスチン、塩酸アゼラスチン、塩酸レボカバスチン、塩酸オロパタジン、クロモグリク酸ナトリウムなど)など。
ビタミン類:例えば、ビタミンA類[例えば、レチナール、レチノール、レチノイン酸、カロチン、デヒドロレチナール、リコピン及びその薬理学的に許容される塩類(例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなど)など]、ビタミンB類[チアミン、ジセチアミン、塩酸チアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硝酸エステル塩、塩酸ジセチアミン、塩酸フルスルチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、フラビンアデニンジヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビン、ピリドキシン、塩酸ピリドキシン、ピリドキサール、リン酸ピリドキサール、リン酸ピリドキサールカルシウム、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メチルコバラミン、デオキシアデノコバラミン、葉酸、テトラヒドロ葉酸、ジヒドロ葉酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチニックアルコール、パンテノール、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、ビオチン、コリン、イノシトールなど]、ビタミンC類[アスコルビン酸及びその誘導体、エリソルビン酸及びその誘導体及びその薬理学的に許容される塩類(例えば、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウムなど)など]、ビタミンD類[例えば、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロタキステロール及びその薬理学的に許容される塩類など]など]、ビタミンE類[例えば、トコフェロール及びその誘導体、ユビキノン誘導体及びその薬理学的に許容される塩類(酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウムなど)など]、その他のビタミン類[例えば、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、オロチン酸、シアノコバラミン、ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジン及びその薬理学的に許容される塩類(塩化カルニチンなど)など]。
アミノ酸類:例えば、ロイシン、イソイロイシン、バリン、メチオニン、トレオニン、アラニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、セリン、グルタミン、グルタミン酸、プロリン、チロシン、システイン、ヒスチジン、オルニチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、グリシルグリシン、アミノエチルスルホン酸(タウリン)またはその塩(例えばアスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、塩酸システインなど)など。
抗菌薬成分または殺菌薬成分:スルホンアミド類(例えば、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン及び薬理学的に許容される塩(スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソミジンナトリウムなど)、アクリノール、第4級アンモニウム化合物(例えば、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、セチルピリジニウム、及び薬理学的に許容される塩(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウムなど)、アルキルポリアミノエチルグリシン、ニューキノロン剤(ロメフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、塩酸シプロフロキサシンなど)、ベルベリン又はその塩(例えば、硫酸ベルベリンなど)、βラクタム系抗菌薬(スルベニシリン、セフメノキシムなど)、アミノグリコシド系抗菌薬(カナマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、シソマイシン、ミクロノマイシンなど)、テトラサイクリン系抗菌薬(オシテトラサイクリンなど)、マクロライド系抗菌薬(エリスロマイシンなど)、クロラムフェニコール系抗菌薬(クロラムフェニコールなど)、ポリペプチド系抗菌薬(コリスチンなど)など。また、抗ウイルス薬(ドクスウリジン、アシクロビル、アデニンアラビノシド、ガンシクロビル、ホスカルネット、バラシクロビル、トリフルオロチミジン、シドフォビア、カルボサイクリック・オキセタノシンGなど)、抗真菌薬(ピマリシン、フルコナゾール、イトラコナゾール、ミコナゾール、フルシトシン、アムホテリシンBなど)など。
オリゴ糖類:例えば、ラクツロース、ラフィノース、プルラン、シクロデキストリンなど)。
多糖類又はその誘導体:アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、キャロブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、ダルマンガム、トラガント、ベンゾインゴム、ローカストビーンガム、カゼイン、寒天、アルギン酸、デキストリン、デキストラン、カラギーナン、ゼラチン、コラーゲン、ペクチン、デンプン、ポリガラクツロン酸(アルギン酸)、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、エラスチン、ヘパリン、ヘパリノイド、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸またはその塩(アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウムなど)など。
セルロース又はその誘導体又はそれらの塩:セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ニトロセルロース、など。
前述以外の水溶性高分子:ポリビニルピロリドン、分子量500未満のポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)など。
局所麻酔薬成分:リドカイン、オキシブプロカイン、ジプカイン、プロカイン、アミノ安息香酸エチル、メプリルカイン、メピバカイン、ブピバカイン、コカイン及びそれらの塩(塩酸リドカイン、塩酸オキシブプロカインなど)など。
ステロイド成分:ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、コルチゾール、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、パラメタゾン、ベタメタゾン及びそれらの塩など。
緑内障治療成分:マレイン酸チモロール、塩酸カルテオロール、塩酸ベタキソロール、ラタノプロスト、ウノプロストン、塩酸ジピベフリン、エピネフリン、塩酸アプラクロニジン、塩酸ピロカルピン、カルバコール、塩酸ドルゾラミド、アセタゾラミド、メタゾラミド及びそれらの塩など。
白内障治療成分:ピレノキシン、グルタチオン、唾液腺ホルモン、チオプロニン、Dihydro azapentacene disulfonate及びそれらの塩(例えばSodium5,12-dihydro azapentacene disulfonateなど)など。
これらの成分の配合割合は、組成物の形態、活性成分の種類等に応じて選択でき、各種成分の配合割合は当該技術分野で既知である。例えば、組成物の総重量に対して、これらの成分を0.0001〜30重量%、好ましくは、0.001〜10重量%程度の割合で含有させることができる。より具体的には,用時に、組成物の総重量に対して各成分を以下に例示する割合で含有させることができる。
充血除去成分(血管収縮薬又は交感神経興奮薬):例えば、0.0001〜0.5重量%、好ましくは、0.0005〜0.3重量%、さらに好ましくは0.001〜0.1重量%。
眼筋調節薬成分:例えば、0.0001〜0.5重量%、好ましくは、0.0005〜0.1重量%、さらに好ましくは0.0005〜0.01重量%。
抗炎症薬成分または収斂薬成分:例えば、0.0001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%。
抗ヒスタミン薬成分または抗アレルギー薬成分:例えば、0.0001〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%。
ビタミン類:例えば、0.0001〜1重量%、好ましくは、0.0001〜0.5重量%。
アミノ酸類:例えば、0.0001〜10重量%、好ましくは0.001〜3重量%。
抗菌薬成分または殺菌薬成分:例えば、0.00001〜10重量%、好ましくは、0.0001〜10重量%。
オリゴ糖類:例えば、0.0001〜5重量%、好ましくは0.001〜5重量%、さらに好ましくは0.01〜2重量%。
多糖類又はその誘導体:例えば、0.0001〜2重量%、好ましくは0.01〜2重量%、さらに好ましくは0.01〜1重量%。
セルロース又はその誘導体又はそれらの塩:例えば、0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜1重量%。
前述以外の水溶性高分子:例えば、0.001〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%、さらに好ましくは0.01〜3重量%。
局所麻酔薬成分:例えば、0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜1重量%。
ステロイド成分:例えば、0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜1重量%。
緑内障治療成分:例えば、0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜1重量%。
白内障治療成分:例えば、0.0001〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%。
本発明のコンタクトレンズ用組成物を各種所望の形態に調製するために、本発明の効果を損なわない範囲で、常法に従い、様々な成分や添加物を適宜選択し、一種またはそれ以上を併用して配合することができる。それらの成分または添加物として、例えば、眼科用局所適用製剤、液剤などの調製に一般的に使用される担体(水性溶媒、水性または油性基剤など)、増粘剤、糖類、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤、等張化剤、香料または清涼化剤、キレート剤、緩衝剤などの各種添加剤を挙げることができる。以下に、使用できる代表的な成分を例示するが、これらに限定されない。
増粘剤:例えば、多糖類又はその誘導体(アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、キャロブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、ダンマルゴム、トラガントガム、ベンゾインゴム、ローカストビーンガム、カゼイン、寒天、アルギン酸、デキストリン、デキストラン、カラギーナン、ゼラチン、コラーゲン、ペクチン、デンプン、ポリガラクツロン酸、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、エラスチン、ヘパリン、ヘパリノイド、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸など)、セラミド、セルロース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、セルロース、ニトロセルロースなど)、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、リボ核酸、デオキシリボ核酸、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体など、及びその薬理学的に許容される塩類(例えば、アルギン酸ナトリウム)など。
界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレン(POE)−ポリオキシプロピレン(POP)ブロックコポリマー (例えば、ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188など) 、エチレンジアミンのポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー付加物(例えば、ポロキサミン)、モノラウリル酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20) 、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン (ポリソルベート80) 、ポリソルベート60などのPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE(60)硬化ヒマシ油などのPOE硬化ヒマシ油、POE(9)ラウリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類、POE(20)POP(4) セチルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル類、POE(10)ノニルフェニルエーテルなどのPOEアルキルフェニルエーテル類、POE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類などの非イオン性界面活性剤;アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシン型、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの酢酸ベタイン型、イミダゾリン型などの両性界面活性剤;POE(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのPOEアルキルエーテルリン酸及びその塩、ラウロイルメチルアラニンナトリウムなどのN−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、N−ココイルメチルタウリンナトリウムなどのN−アシルタウリン塩、テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、POE(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのPOEアルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などの陰イオン界面活性剤;アルキルアミン塩、アルキル4級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなど)、アルキルピリジニウム塩(塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウムなど)などの陽イオン界面活性剤など。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、ソルビン酸またはその塩(ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸トリクロカルバンなど)、パラオキシ安息香酸エステル(パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなど)、アクリノール、塩化メチルロザニリン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン又はその塩、ポリヘキサメチレンビグアニド、アルキルポリアミノエチルグリシン、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、クロロブタノール、イソプロパノール、プロパノール、エタノール、フェノキシエタノール、リン酸ジルコニウムの銀、マーキュロクロム、ポピドンヨードなどの担持体、チメロサール、デヒドロ酢酸、クロルキシレノール、クロロフェン、レゾルシン、オルトフェニルフェノール、イソプロピルメチルフェノール、チモール、ヒノキチオール、スルファミン、リゾチーム、ラクトフェリン、トリクロサン、8−ヒドロキシキノリン、ウンデシレン酸、カプリル酸、プロピオン酸、安息香酸、プロピオン酸、ハロカルバン、チアベンダゾール、ポリミキシンB、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ポリリジン、過酸化水素、塩化ポリドロニウム、Glokill(商品名例えばGlokill PQ、ローディア社製)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン−(ジメチルイミニオ)エトレンジクロリド]、ポリエチレンポリアミン・ジメチルアミンエピクロルヒドリン重縮合物(商品名例えばBusan1157、バックマン社製)、ビグアニド化合物(コスモシルCQ(商品名、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩を約20重量%含有、アピシア社製))など、及びその薬理学的に許容される塩類等。
等張化剤:例えば、無機塩類(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、チオ硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなど)など。
キレート剤:例えば、エデト酸、クエン酸、ポリリン酸、ヘキサメタリン酸、メタリン酸、アスコルビン酸、コハク酸、トリヒドロキシメチルアミノメタン、ニトリロトリ酢酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸等、及びその薬理学的に許容される塩類等。
緩衝剤:ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、イプシロン−アミノカプロン酸、アスパラギン酸塩など。例えば、ホウ酸又はその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂など)、リン酸又はその塩(リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウムなど)、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウムなど)、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウムなど)酢酸又はその塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウムなど)、アスパラギン酸又はその塩(アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カリウムなど)等。
これらの各種成分や添加物の配合割合は、組成物の形態・種類等に応じて適宜設定すればよい。
本発明によるコンタクトレンズ用組成物は、例えば、精製水、生理食塩水、コンタクトレンズケア用液剤等の水性溶媒等に、ケトチフェン又はその塩、多価アルコール及びメントール類、必要に応じて上記任意添加剤や成分を所望の濃度となるように添加し、常法に準じて調製される。
本発明のコンタクトレンズ用組成物は、コンタクトレンズに接触されるように使用されるものであれば、その形態や用途については制限されない。例えば、コンタクトレンズ用点眼薬(剤)(コンタクトレンズを装着したまま使用可能な点眼薬)、コンタクトレンズ用洗眼液(コンタクトレンズを装着したまま使用可能な洗眼液)、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用液剤(コンタクトレンズ消毒液、コンタクトレンズ用保存液、コンタクトレンズ用洗浄液、及びコンタクトレンズ用洗浄保存液)等を挙げることができる。使用の簡便性、得られる抗アレルギー効果の観点から、好ましくはコンタクトレンズ用点眼薬及びコンタクトレンズ用洗眼液である。
本発明のコンタクトレンズ用組成物は、いずれの容器で保管しても良いが、水分透過率の低い容器が好ましく、更には、各成分が吸着し難い容器を用いることが好ましい。特に容器としては、硬質プラスチック製容器を用いる事が好ましく、例えば、硬質プラスチック製容器は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はこれらの群から選択された2種以上を有するプラスチックを含んで形成されることが好ましい。
本発明のコンタクトレンズ用組成物は、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズを含めたあらゆるコンタクトレンズに使用できる。中でも、酸素透過性のハードコンタクトレンズ及びソフトコンタクトレンズ、特にソフトコンタクトレンズに対しては、ケトチフェンの吸着を効果的に抑制できるので、ソフトコンタクトレンズは好適な使用対象である。
コンタクトレンズ用組成物の使用方法としては、該コンタクトレンズ用組成物をコンタクトレンズに接触させる工程を有する公知の方法であれば、特に限定はない。例えば点眼薬(点眼剤、点眼液)の場合、コンタクトレンズの装着前、装着時、又は装用中に本発明のコンタクトレンズ用組成物を点眼に使用できる。また洗眼薬(点眼剤、点眼液)の場合も、コンタクトレンズを装用したままで本発明のコンタクトレンズ用組成物により洗眼に使用できる。なお、本発明のコンタクトレンズ用組成物が点眼薬(点眼剤、点眼液)又は洗眼薬(点眼剤、点眼液)である場合、コンタクトレンズを装用している時はもちろん、装用していない時でも点眼や洗眼の目的で使用することができる。また、コンタクトレンズケア用液剤の場合であれば、該液剤中にコンタクトレンズを浸漬することによって使用される。
本発明のコンタクトレンズ用組成物が点眼薬(点眼剤、点眼液)である場合、眼への該点眼薬(点眼剤、点眼液)の投与量については、特に制限されるものではないが、1回の投与においてケトチフェンまたはその塩が、1〜5000μg、好ましくは5〜1000μg、更に好ましくは10〜300μgとなる量が望ましい。また、成人1日当たりの各眼への投与量としては、ケトチフェンまたはその塩が例えば0.01〜15mg程度、好ましくは0.01〜10mg程度、更に好ましくは0.01〜5mg程度となる量を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明のコンタクトレンズ用組成物は、コンタクトレンズを装用している眼に適用しても、優れた抗アレルギー作用を発揮することができるので、コンタクトレンズ装用中に使用されるアレルギー症状改善剤として有用である。
(II)コンタクトレンズ用組成物−2
また、他の観点から、本発明は、ケトチフェン又はその塩、グリセリン及びテルペンを含有するコンタクトレンズ用組成物を提供する。
当該コンタクトレンズ用組成物において、使用されるケトチフェン又はその塩は、前記(I)の組成物と同様である。
また、当該コンタクトレンズ用組成物に使用されるテルペンは、眼科領域に用いることができるものであれば特に限定されない。テルペンの一例として、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、アネトール、リモネン、オイゲノール、ピネン、フェランドレン、リナロール、シトロネロール、シトロネラール、メントン及びカルボン等を挙げることができる。これらはd体、l体又はdl体の別を問うものではない。これらの中で、好ましくはl−メントール、d−メントール、dl−メントール、d−カンフル、dl−カンフル、d−ボルネオール及びdl−ボルネオール、更に好ましくはl−メントール、d−メントール及びdl−メントール、特に好ましくはl−メントールを挙げることができる。これらのテルペンは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。なお、本発明では、前記テルペンを含有する精油を配合することによって、コンタクトレンズ用組成物にテルペンを含有させてもよい。前記テルペンを含有する精油としては、例えば、ペパーミント油、クールミント油及びハッカ油等のメントール類を含有する精油の他、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油、スペアミント油等の精油を例示することができる。
本発明においてテルペンとして、好適には、前記(I)に記載するメントール類を使用することができる。
当該コンタクトレンズ用組成物中の上記3成分の含有割合としては、該組成物の形態、用途、使用する成分の種類等によって異なるが、一例として、組成物の総重量に対してケトチフェン又はその塩0.001〜0.1重量%、グリセリン0.1〜5重量%、及びテルペン0.001〜0.5重量%;好ましくは、ケトチフェン又はその塩0.005〜0.07重量%、グリセリン0.1〜3.5重量%、及びテルペン0.002〜0.2重量%となる割合を挙げることができる。
本発明のコンタクトレンズ用組成物において、上記3成分の配合比率(重量比)としては、例えば、ケトチフェン又はその塩1重量部に対して、グリセリン1〜5000重量部、及びテルペン0.01〜500重量部;好ましくは、グリセリン1.5〜700重量部、及びテルペン0.03〜40重量部となる割合を挙げることができる。このような割合から著しく逸脱すると、本発明の効果が十分に得られなかったり、不快な刺激が生じたりする傾向がみられるので適当ではない。
また、当該コンタクトレンズ用組成物は、前記(I)の組成物と同様に、液状若しくはゲル状、好ましくは液状であり、該組成物の基材として、眼科的に許容される水、好ましくは精製水や超純水が使用される。当該コンタクトレンズ用組成物は、グリセリン以外の他の多価アルコール(具体的には、前記(I)の組成物に配合可能な多価アルコール)を任意に含有してもよい。その他、当該コンタクトレンズ用組成物に配合できる他の成分や添加物、それらの配合割合については、前記(I)の組成物と同様である。
また、当該コンタクトレンズ用組成物のpH、浸透圧、調製方法、形態、用途、収容される容器、使用対象コンタクトレンズ、使用方法等についても、前記(I)の組成物と同様である。
当該コンタクトレンズ用組成物は、前記(I)の組成物と同様、コンタクトレンズを装用している眼に適用しても、優れた抗アレルギー作用を発揮することができるので、コンタクトレンズ装用中に使用されるアレルギー症状改善剤として有用である。
(III)ケトチフェン又はその塩のコンタクトレンズへの吸着抑制方法
本発明のケトチフェンのコンタクトレンズへの吸着抑制方法は、前記(I)又は(II)に記載のコンタクトレンズ用組成物と、コンタクトレンズを接触させることを特徴とするものである。
本発明の方法において、前記(I)又は(II)のコンタクトレンズ用組成物の具体的な形態については特に制限されない。例えば、コンタクトレンズ用点眼液、コンタクトレンズ用洗眼液、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用液剤(コンタクトレンズ消毒液、コンタクトレンズ用保存液、コンタクトレンズ用洗浄液、コンタクトレンズ用洗浄保存液)等であればよい。好ましくは、コンタクトレンズ装着液及びコンタクトレンズケア用液剤であり、更に好ましくはコンタクトレンズケア用液剤である。
本発明の吸着抑制方法において、前記(I)又は(II)のコンタクトレンズ用組成物とコンタクトレンズとの接触は、使用する組成物の形態や用途に応じた通常の使用方法に従って行えばよい。具体的には、前記(I)又は(II)に記載のコンタクトレンズ用組成物の使用方法に従って、該コンタクトレンズ用組成物を使用することにより、コンタクトレンズと接触させる方法を挙げることができる。
本発明のコンタクトレンズ用組成物によれば、コンタクトレンズ装用中に使用しても、優れた抗アレルギー作用を発揮でき、またケトチフェンのコンタクトレンズへの吸着を抑制できる。故に、本発明のコンタクトレンズ用組成物を使用することによって、コンタクトレンズ使用者にとって簡便かつ効果的にアレルギー症状を緩和することが可能となる。
また、本発明のケトチフェン又はその塩の吸着抑制方法によれば、簡便な方法で、ケトチフェン又はその塩がコンタクトレンズに吸着するのを抑制できる。それ故、該方法は、例えばコンタクトレンズ使用者の点眼、洗眼、或いはコンタクトレンズのケア等に有用である。
以下に、試験例、実施例等に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
試験例1 アレルギー症状改善効果確認試験
本発明のコンタクトレンズ用組成物が奏するアレルギー症状改善効果を評価するために、以下の試験を行った。
下表1に示す処方のコンタクトレンズ点眼液(実施例1及び比較例1)を調製した。アレルギー既往歴のある男女でソフトコンタクトレンズ装用者6名をパネラーとし、ソフトコンタクトレンズ装用中にアレルギー症状(かゆみ)を感じた時に、実施例1及び比較例1の点眼液をレンズを装用したまま投与し、かゆみの改善度合いを下記の評価基準に基づいて自己採点で評価した。また、レンズを装用していない状態でも同様の試験を実施した。
《かゆみ改善効果の評価基準》
5点:非常に改善された
4点:かなり改善された
3点:やや改善された
2点:殆ど改善されない
1点:全く改善されない
得られた結果を表1に併せて示す。表1には、各パネラーが判定したかゆみ改善効果の評価値の平均点(平均評価値)を示す。表1からわかるように、実施例1の点眼液を適用した場合では、コンタクトレンズの装用時及び非装用時共に、比較例1の点眼液を適用した場合に比べて、顕著に優れたかゆみ改善効果が認められた。また、比較例1の点眼液では、コンタクトレンズを装用した眼への適用は、裸眼への適用に比べてかゆみ改善効果が著しく低減していた。これに対して、実施例1の点眼液では、コンタクトレンズを装用した眼への適用は、裸眼への適用に比べて、かゆみ改善効果が高かった。
以上の結果から、本発明のコンタクトレンズ用組成物は、コンタクトレンズ装用時の点眼液や洗眼液として有用であることが明らかである。
Figure 2005104970
試験例2 吸着抑制試験
本発明のコンタクトレンズ用組成物がケトチフェンのコンタクトレンズへの吸着に与える影響を検討するために、以下の試験を行った。
下表2に示すコンタクトレンズ用組成物(実施例2−3及び比較例2)を常法に従って調製した。なお、本試験には、ソフトコンタクトレンズは、商品名「ソフィーナDX」(チバビジョン社製、非含水、主材料:ブチルアクリレート・ブチルメタクリレート重合体)を使用した。
<試験方法>
(1) ISO10344「光学及び光学機械-コンタクトレンズ-コンタクトレンズ検査用食塩水」(以下、ISOコンタクトレンズ用生理食塩液と略す)5mL中に、コンタクトレンズを各1枚浸漬し、一晩室温(約25℃)で放置した。次いで、ISOコンタクトレンズ用生理食塩液中からコンタクトレンズを抜き取り、水分を軽くふき取った。
(2) 密封性の高い透明ガラスバイアル瓶に実施例1−2及び比較例1のコンタクトレンズ用組成物を5mLづつ分注し、それぞれのコンタクトレンズ用組成物中に、(1)で得られたコンタクトレンズを浸漬して、34℃で20回/分にて約24時間振とうした後、コンタクトレンズを抜き取った。次いで、コンタクトレンズ浸漬処理後の各コンタクトレンズ用組成物中に残存するフマル酸ケトチフェン量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定した。
(3) 再度、密封性の高い透明ガラスバイアル瓶に実施例1−2及び比較例1のコンタクトレンズ用組成物を5mLづつ分注し、それぞれのコンタクトレンズ用組成物中に、前記工程で得られたコンタクトレンズを浸漬して、34℃で20回/分にて約24時間振とうした後、コンタクトレンズを抜き取った。次いで、コンタクトレンズ浸漬処理後の各コンタクトレンズ用組成物中に残存するフマル酸ケトチフェン量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定した。
(4) (3)と同様の浸漬処理を2回繰り返した。
(5) コンタクトレンズを浸漬しない以外は、上記(2)〜(4)と同様の工程を行い、コンタクトレンズを浸漬しない場合におけるコンタクトレンズ用組成物中に残存するフマル酸ケトチフェン量を測定した(ブランク)。
(5) (2)〜(4)の工程で測定したコンタクトレンズ浸漬処理後の各コンタクトレンズ用組成物中のフマル酸ケトチフェン量(計4回分)の和と、(5)のブランクの各コンタクトレンズ用組成物中のフマル酸ケトチフェン量(計4回分)の和との差から、コンタクトレンズに吸着したフマル酸ケトチフェン量を算出した。
得られた結果を表2に併せて示す。表2から分かるように、比較例2のコンタクトレンズ用組成物に比べて、実施例2及び3のコンタクトレンズ用組成物では、コンタクトレンズへのフマル酸ケトチフェンの吸着が顕著に抑制されていた。特に、実施例3のコンタクトレンズ用組成物では、フマル酸ケトチフェンの吸着抑制がより一層顕著に発揮されていることが確認された。
以上の結果から、本発明のコンタクトレンズ用組成物は、ケトチフェン又はその塩のコンタクトレンズへの吸着を効果的に抑制できることが明らかとなった。
Figure 2005104970
実施例4−24
常法により、以下の表3−5に記載の処方の点眼剤、洗眼剤、コンタクトレンズ装着液(表中、CL装着液という)及びコンタクトレンズ用消毒剤(表中、CL消毒剤という)を調製した。
Figure 2005104970
Figure 2005104970
Figure 2005104970

Claims (8)

  1. 組成物の総重量に対して、ケトチフェン又はその塩を0.001〜0.1重量%、多価アルコールを0.1〜10重量%、及びメントール類を0.001〜0.1重量%含有することを特徴とするコンタクトレンズ用組成物。
  2. pHが3〜6.2である、請求項1に記載のコンタクトレンズ用組成物。
  3. 多価アルコールが、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブドウ糖、ラクトース、マルトース、フルクトース、ソルビトール、トレハロース、マルチトース、マンニトール及びキシリトールよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズ用組成物。
  4. 更に、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、アネトール、リモネン、オイゲノール、ピネン、フェランドレン、リナロール、シトロネロール、シトロネラール、メントン及びカルボンよりなる群から選択される少なくとも1種のテルペンを含有する、請求項1乃至3のいずれかに記載のコンタクトレンズ用組成物。
  5. ケトチフェン又はその塩、グリセリン及びテルペンを含有することを特徴とするコンタクトレンズ用組成物。
  6. テルペンが、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、アネトール、リモネン、オイゲノール、ピネン、フェランドレン、リナロール、シトロネロール、シトロネラール、メントン及びカルボンよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項5記載のコンタクトレンズ用組成物。
  7. 組成物の総重量に対して、ケトチフェン又はその塩0.001〜0.1重量%、グリセリン0.1〜5重量%、及びテルペン0.001〜0.5重量%の割合で含有する、請求項5又は6に記載のコンタクトレンズ用組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のコンタクトレンズ用組成物と、コンタクトレンズを接触させることを特徴とする、ケトチフェン又はその塩のコンタクトレンズへの吸着抑制方法。
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