JP4906247B2 - コンタクトレンズを装用したままで点眼できる点眼薬 - Google Patents

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Description

本発明は、コンタクトレンズへのケトチフェンの吸着が抑制されたコンタクトレンズ用組成物、およびコンタクトレンズへのケトチフェンの吸着抑制方法に関する。
頻回交換用あるいは連続装用用のソフトコンタクトレンズの登場などにより、視力矯正が必要な人口のうちコンタクトレンズを使用する割合が増加傾向にあり、コンタクトレンズ使用者が薬剤の点眼を必要とする場合、ほとんどの点眼薬は点眼時にコンタクトレンズをはずすように指導されるのが一般的である(非特許文献1 あたらしい眼科17:945(2000)など)。しかし、コンタクトレンズの着脱に煩わしさがあるため、コンタクトレンズを装用したままの点眼を望んでいる場合がある。コンタクトレンズを装用したままの不用意な点眼行為は、薬剤や防腐剤がコンタクトレンズへ吸着してしまい、変形などの物理的な影響や防腐剤の蓄積による角膜障害が懸念される。このような吸着・蓄積や変形はソフトコンタクトレンズ、特に含水率の高いレンズにおいて起こりやすい(非特許文献2 JJSHP30:77(1994))。
眼疾患の中でアレルギー性結膜炎は、その原因として花粉などの抗原のほかに、コンタクトレンズの汚染やコンタクトレンズと結膜の機械的障害などでも誘発される。したがって、コンタクトレンズ使用者のアレルギー性結膜炎の発症率は一般よりも高いと考えられ、抗アレルギー薬を含有する点眼薬や洗眼薬などの使用頻度も高くなると言える。その上、アレルギー性結膜炎は、別名即時型アレルギー反応とも呼ばれるI型アレルギー反応が主体であり、抗原などとの接触後即座にアレルギー反応が起こるため、急激な眼の痒みなどに襲われることになる。この痒みはコンタクトレンズをはずす余裕がないほどのものであることが多いため、コンタクトレンズを装用したまま点眼できる点眼薬などが切望されている。
コンタクトレンズへの薬物の吸着については、グリチルリチン酸ジカリウムや脂溶性ビタミンAについて検討されており、グリチルリチン酸ジカリウムはアミノ酸および/またはジカルボン酸などを配合すること、脂溶性ビタミンAは高分子化合物および/または非イオン性界面活性剤を配合することで、吸着を抑制できることが報告されている(特許文献1、2 特開2001−2563、特開2001−158734)。
ところでフマル酸ケトチフェンは抗アレルギー薬として広く普及している成分の一つであり、フマル酸ケトチフェンを含有する抗アレルギー点眼薬(ザジテン(登録商標)点眼液など)が医療用医薬品として上市されている。このザジテン(登録商標)点眼液について、ソフトコンタクトレンズを装用したまま点眼することで巨大乳頭結膜炎の治療に使用する試験がなされ、医師の管理下において疾患が改善し、副作用も少なかったことが報告されている(非特許文献3 眼科臨床医報87:2435(1993))。しかし医療現場においては現在もザジテン(登録商標)点眼液などの点眼時にはコンタクトレンズをはずすように指導されることから、フマル酸ケトチフェンを含有するコンタクトレンズ用点眼薬はいまだ開発されていない。
本発明の目的は、コンタクトレンズ、特にソフトコンタクトレンズへのケトチフェンの吸着が抑制された、安全性が高いコンタクトレンズ用組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、ケトチフェンを含有する組成物に特定の無機塩及び多価アルコールを配合する事により、フマル酸ケトチフェンのコンタクトレンズへの吸着が意外にも抑制される事を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)乃至(4)に掲げる、ケトチフェンまたはその塩、特定の無機塩及び多価アルコールを含有するコンタクトレンズ用組成物に関する。
(1)塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛およびチオ硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種、ケトチフェンまたはその塩、および多価アルコールを含有するコンタクトレンズ用組成物。
(2)多価アルコールが直鎖アルコール、糖、糖アルコールまたはポリビニルアルコールである(1)記載のコンタクトレンズ用組成物。
(3)浸透圧比が1.0〜1.8であることを特徴とする(1)または(2)に記載のコンタクトレンズ用組成物。
(4)コンタクトレンズがソフトコンタクトレンズである(1)〜(3)のいずれかに記載のコンタクトレンズ用組成物。
(5)コンタクトレンズ用組成物が、コンタクトレンズ用液剤組成物である(1)〜(4)のいずれかに記載のコンタクトレンズ用組成物。
(6)コンタクトレンズ用組成物が、コンタクトレンズ用点眼薬および/またはコンタクトレンズ用洗眼薬である(1)〜(5)のいずれかに記載のコンタクトレンズ用組成物。
また、本発明はケトチフェンのコンタクトレンズへの吸着抑制方法をも包含する。
(7)無機塩および多価アルコールを併用することによる、ケトチフェンまたはその塩のコンタクトレンズへの吸着抑制方法。
本発明では、ケトチフェンまたはその塩を含有するコンタクトレンズ用組成物に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛およびチオ硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種、および多価アルコールを含有させることによって、ケトチフェンまたはその塩のコンタクトレンズへの吸着を抑制することができる。
発明を実施するための形態
本明細書中、特に言及しない限り、%はw/v%を意味するものとする。また、コンタクトレンズという語句は、特記しない限り、ハード、酸素透過性ハード、ソフト等のあらゆるタイプのコンタクトレンズを包含する意味で用いる。
本発明のコンタクトレンズ用組成物において、ケトチフェン、すなわち、4,9−ジヒドロ−4−(1−メチル−4−ピペリジリデン)−10H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]チオフェン−10−オンは、公知化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
本発明のコンタクトレンズ用組成物において、ケトチフェンは医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される塩が使用できる。このような塩としては、有機酸塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩など)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩など)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩など)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩など)など]、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩など)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリンなどの有機アミンとの塩など)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)、アルミニウムなどの金属との塩など]などが例示でき、特にフマル酸塩が好ましい。
また、ケトチフェン又はその塩は、水和物の形態でも使用できる。
これらのケトチフェンまたはその塩は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明のコンタクトレンズ用組成物におけるケトチフェンまたはその塩の配合割合は、ケトチフェンまたはその塩の総量として、0.0001〜10%、好ましくは0.0001〜5%、さらに好ましくは0.0001〜1%程度である。また、コンタクトレンズ用液剤組成物として用いる場合には、組成物全体に対して、0.0001〜1%、好ましくは0.001〜1%、さらに好ましくは0.001〜0.5%、特に0.005〜0.1%程度である。
本発明のコンタクトレンズ用組成物において、ケトチフェンまたはその塩の1回あたりの投与量は、効果を十分に発揮させつつも副作用の発現を回避する観点から、ケトチフェンまたはその塩の総量として、1〜5000μgが好ましく、5〜1000μgがより好ましく、10〜300μgがさらに好ましい。
また、成人1日当たりの各眼への投与量は0.01〜15mgが好ましく、0.01〜10mgがより好ましく、0.01〜5mgがさらに好ましいが、これらに限定されるものではない。
本発明のコンタクトレンズ用組成物に用いる塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛およびチオ硫酸ナトリウムは眼科領域に用いることのできる無機塩であり、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸亜鉛およびチオ硫酸ナトリウムが好ましく、塩化ナトリウム、塩化カリウムが最も好ましい。
また、これらの無機塩は、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
本発明のコンタクトレンズ用組成物におけるこれらの無機塩の含有割合は、通常0.001〜25%、好ましくは0.005〜12.5%、特に好ましくは0.01〜10%、さらに好ましくは0.1〜5%、最も好ましくは0.2〜0.9%である。
本発明のコンタクトレンズ用組成物において、多価アルコールは眼科領域に用いることができるものであれば特に制限されないが、直鎖アルコール(好ましくは炭素数5以下)、糖(好ましくは単糖または二糖)、糖アルコールまたはポリビニルアルコールなどが好ましく、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリビニルアルコール、ブドウ糖、ラクトース、マルトース、フルクトース、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、トレハロースなどが挙げられ、好ましくはグリセリン、プロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ブドウ糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、トレハロースである。ポリビニルアルコールは分子量500以上であれば特に制限されず、けん化度は完全であっても部分であっても良い。これらの多価アルコールは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
本発明のコンタクトレンズ用組成物における多価アルコールの配合割合は、通常0.001〜15%、好ましくは0.005〜6%、さらに好ましくは0.01〜5%、特に好ましくは0.2〜3%程度である。
また、本発明の組成物中における特定の無機塩と多価アルコールの配合比(重量比:多価アルコール/無機塩)は、0.01〜1000が好ましく、0.05〜100がより好ましく、0.1〜30が特に好ましい。
該配合比は、無機塩によるケトチフェンの安定性への影響の観点から0.01以上が好ましく、多価アルコールによるコンタクトレンズへの影響の観点から1000以下が好ましい。
本発明のコンタクトレンズ用組成物は、必要に応じて、生体に許容される範囲内のpH及び/又は浸透圧比に調節することができる。適切なpH、浸透圧比は適用部位、剤形等により異なるが、通常、pHは、3.0〜8.0、好ましくは3.0〜7.5、特に好ましくは3.0〜6.5である。浸透圧比は、通常、0.3〜4.2、好ましくは0.3〜2.1、特に好ましくは1.0〜1.8程度である。pHの調整は、緩衝剤、pH調整剤など、浸透圧の調整は無機塩及び多価アルコールなどを用いて行うことができる。浸透圧の調整に用いる無機塩は、本発明における特定の無機塩であっても、それ以外の無機塩であっても良い。
本発明のコンタクトレンズ用組成物において浸透圧比は、第十四改正日本薬局方に基づき0.9%塩化ナトリウム水溶液の浸透圧に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)を用いて測定する。また、試験試料の測定と相前後して浸透圧比測定用標準液の浸透圧を測定し、このときに得られた実測値を用いて浸透圧比を算出する。浸透圧比測定用標準液は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9%塩化ナトリウム水溶液)を用いる。
緩衝剤としては、例えば、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、イプシロン−アミノカプロン酸、アスパラギン酸塩などが挙げられる。これらの緩衝剤は組み合わせて使用しても良い。好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤及びクエン酸緩衝剤である。特に好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤またはリン酸緩衝剤である。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩などのホウ酸塩が挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩などのリン酸塩が挙げられる。クエン酸緩衝剤としては、クエン酸アルカリ金属塩などが挙げられる。また、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤として、ホウ酸塩又はリン酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的には、ホウ酸又はその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウムなど)、リン酸又はその塩(リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムなど)、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなど)、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムなど)などが挙げられる。
緩衝剤として、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤を用いる場合、本発明のコンタクトレンズ用組成物中におけるこれらの緩衝剤の濃度は、例えば、0.0001〜10.0重量%程度である。
pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸など)、有機酸(乳酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、プロピオン酸、酢酸、アスパラギン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、グルタミン酸、アミノエチルスルホン酸など)、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム、無機塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなど)、有機塩基(モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、リジンなど)、ホウ砂、及びその薬理学的に許容される塩類などが挙げられる。
無機塩としては、本発明の特定の無機塩以外には、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
本発明のコンタクトレンズ用組成物は、本発明の効果を妨げない限り、各種成分(薬理活性成分や生理活性成分を含む)を組み合わせて含有してもよい。このような成分の種類は特に制限されず、例えば、充血除去成分、α−アドレナリン作動薬成分、眼筋調節薬成分、抗炎症薬成分、抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、局所麻酔薬成分、ステロイド成分、抗菌薬又は殺菌薬成分、ビタミン、アミノ酸、糖、セルロースまたはその誘導体またはそれらの塩、多糖類またはその誘導体などが例示できる。本発明において好適な成分としては、例えば、次のような成分が挙げられる。
充血除去成分:エピネフリン、エフェドリン、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、フェニレフリン、メチルエフェドリン及びそれらの塩など。
α−アドレナリン作動薬:例えば、イミダゾリン誘導体(ナファゾリン、テトラヒドロゾリンなど)、β−フェニルエチルアミン誘導体(フェニレフリン、エピネフリン、エフェドリン、メチルエフェドリンなど)、及びそれらの薬学上又は生理的に許容される塩(例えば、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリンなどの無機酸塩;酒石酸水素エピネフリンなどの有機酸塩など)など。
眼筋調節薬成分:メチル硫酸ネオスチグミン及びその塩など。
抗炎症薬成分:セレコキシブ(celecoxib)、ロフェコキシブ(rofecoxib)、インドメタシン、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム、プラノプロフェン、ピロキシカム、メロキシカム(meloxicam)、イプシロン−アミノカプロン酸、ベルベリンおよび薬理学的に許容される塩(例えば、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン)、亜鉛塩(乳酸亜鉛、グリコール酸亜鉛、ヒドロキシ酪酸亜鉛、グリセリン亜鉛、リンゴ酸亜鉛、酒石酸亜鉛、クエン酸亜鉛など)、リゾチーム、塩化リゾチーム、サリチル酸メチル、アラントイン、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、など)など。
抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分:例えば、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、イプロヘプチン、ケトチフェン、エメダスチン、クレマスチン、アゼラスチン、レボカバスチン、オロパタジン、クロモグリク酸、トラニラスト、アンレキサノクス、メキタジン、ロラタジン(loratadine)、フェキソフェナジン(fexofenadine)、セチリジン(cetirizine)、イブジラスト、スプラタスト、ペミロラストまたはその塩(例えば、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イプロヘプチン、フマル酸エメダスチン、フマル酸クレマスチン、塩酸アゼラスチン、塩酸レボカバスチン、塩酸オロパタジン、クロモグリク酸ナトリウムなど)など。
局所麻酔薬成分:リドカイン、オキシプロカイン、ジプカイン、プロカイン、アミノ安息香酸エチル、メプリルカイン、及びそれらの塩(塩酸リドカイン、塩酸オキシブプロカインなど)など。
ステロイド成分:ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、及びそれらの塩など。
抗菌薬又は殺菌薬成分:スルホンアミド類(例えば、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン及び薬理学的に許容される塩(スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソミジンナトリウムなど)、アルキルポリアミノエチルグリシン、ニューキノロン剤(ロメフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、塩酸シプロフロキサシンなど)、ベルベリン又はその塩など。
ビタミン:例えば、ビタミンA類[例えば、レチナール、レチノール、レチノイン酸、カロチン、デヒドロレチナール、リコピン及びその薬理学的に許容される塩類(例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなど)など]、ビタミンB類[塩酸チアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硝酸エステル塩、塩酸ジセチアミン、塩酸フルスルチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、ビオチンなど]、ビタミンC類[アスコルビン酸及びその誘導体、エリソルビン酸及びその誘導体及びその薬理学的に許容される塩類(例えば、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウムなど)など]、ビタミンD類[例えば、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロタキステロール及びその薬理学的に許容される塩類など)など]、ビタミンE類[例えば、トコフェロール及びその誘導体、ユビキノン誘導体及びその薬理学的に許容される塩類(酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウムなど)など]、その他のビタミン類[例えば、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、オロチン酸、ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジン及びその薬理学的に許容される塩類(塩化カルニチンなど)など]。
アミノ酸:例えば、ロイシン、イソイロイシン、バリン、メチオニン、トレオニン、アラニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、セリン、グルタミン、グルタミン酸、プロリン、チロシン、システイン、ヒスチジン、オルニチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、グリシルグリシン、アミノエチルスルホン酸(タウリン)またはその塩(例えばアスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、塩酸システインなど)など。
糖:ガラクトース、マンノース、リボース、リブロース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、スクロース、セロビオース、シュークロース、フラクトース、オリゴ糖類(例えば、ラクツロース、ラフィノース、プルランなど)、およびその薬理学的に許容されるなど。
セルロース又はその誘導体又はそれらの塩:メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、セルロースなど。
多糖類又はその誘導体:アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、キャロブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、ダルマンガム、トラガント、ベンゾインゴム、ローカストビーンガム、カゼイン、寒天、アルギン酸、デキストリン、デキストラン、カラギーナン、ゼラチン、コラーゲン、ペクチン、デンプン、ポリガラクツロン酸(アルギン酸)、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、エラスチン、ヘパリン、ヘパリノイド、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸またはその塩(アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウムなど)など
その他の成分:ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールなど。
本発明のコンタクトレンズ用組成物における各種成分の配合量は、製剤の種類、活性成分の種類などに応じて適宜選択され、各種成分の配合量は当該技術分野で既知である。例えば、製剤全体に対して0.0001〜30%、好ましくは、0.001〜10%程度の範囲から選択できる。
より具体的には、コンタクトレンズ用組成物の各種成分の配合量は以下の通りである。
充血除去成分(血管収縮薬又は交感神経興奮薬):例えば、0.0001〜0.5%、好ましくは、0.0005〜0.3%、さらに好ましくは0.001〜0.1%。
眼筋調節薬成分:例えば、0.0001〜0.5%、好ましくは0.001〜0.1%。
抗炎症薬成分または収斂薬成分:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.0001〜5%。
抗ヒスタミン薬成分または抗アレルギー薬成分:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜5%。
ビタミン:例えば、0.0001〜1%、好ましくは、0.0001〜0.5%。
アミノ酸:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜3%。
糖:例えば、0.0001〜5%、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜2%。
局所麻酔薬成分:例えば、0.001〜1%、好ましくは0.01〜1%。
抗菌薬または殺菌薬成分:例えば、0.001〜10%、好ましくは、0.01〜10%。
セルロース又はその誘導体又はそれらの塩:例えば、0.001〜5%、好ましくは0.01〜1%。
多糖類又はその誘導体:例えば、0.0001〜2%、好ましくは0.01〜2%、さらに好ましくは0.01〜1%。
ポリビニルピロリドンまたはポリエチレングリコール:例えば、0.001〜10%、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%。
また、本発明のコンタクトレンズ用組成物には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途や形態に応じて、常法に従い、様々な成分や添加物を適宜選択し、一種またはそれ以上を併用して含有させてもよい。それらの成分または添加物として、例えば、半固形剤や液剤などの調製に一般的に使用される担体(水、水性溶媒、水性または油性基剤など)、増粘剤、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤、抗菌剤、等張化剤、キレート剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、抗酸化剤、香料などの各種添加剤を挙げることができる。
以下に本発明のコンタクトレンズ用組成物に使用される代表的な成分を例示するが、これらに限定されない。
増粘剤:例えば、多糖類又はその誘導体(アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、キャロブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、ダンマルゴム、トラガント、ベンゾインゴム、ローカストビーンガム、カゼイン、寒天、アルギン酸、デキストリン、デキストラン、カラギーナン、ゼラチン、コラーゲン、ペクチン、デンプン、ポリガラクツロン酸、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、エラスチン、ヘパリン、ヘパリノイド、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸など)、セラミド、セルロース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、セルロースなど)、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン、リボ核酸、デオキシリボ核酸など、及びその薬理学的に許容される塩類など。
界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレン(POE)−ポリオキシプロピレン(POP)ブロックコポリマー(例えば、ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188など)、エチレンジアミンのポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー付加物(例えば、ポロキサミン)、モノラウリル酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)などのPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE(60)硬化ヒマシ油などのPOE硬化ヒマシ油、POE(9)ラウリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類、POE(20)POP(4)セチルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル類、POE(10)ノニルフェニルエーテルなどのPOEアルキルフェニルエーテル類などの非イオン性界面活性剤;アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシン型、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの酢酸ベタイン型、イミダゾリン型などの両性界面活性剤;POE(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのPOEアルキルエーテルリン酸及びその塩、ラウロイルメチルアラニンナトリウムなどのN−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、N−ココイルメチルタウリンナトリウムなどのN−アシルタウリン塩、テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、POE(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのPOEアルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などの陰イオン界面活性剤;アルキルアミン塩、アルキル4級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなど)、アルキルピリジニウム塩(塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウムなど)などの陽イオン界面活性剤などが挙げられる。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、ソルビン酸またはその塩(ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸トリクロカルバンなど)、パラオキシ安息香酸エステル(パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなど)、アクリノール、塩化メチルロザニリン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン又はその塩、ポリヘキサメチレンビグアニド、アルキルポリアミノエチルグリシン、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、クロロブタノール、イソプロパノール、エタノール、フェノキシエタノール、リン酸ジルコニウムの銀などの担持体、チメロサール、デヒドロ酢酸、クロルキシレノール、クロロフェン、レゾルシン、チモール、ヒノキチオール、スルファミン、リゾチーム、ラクトフェリン、トリクロサン、8−ヒドロキシキノリン、ウンデシレン酸、カプリル酸、プロピオン酸、安息香酸、ハロカルバン、チアベンダゾール、ポリミキシンB、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ポリリジン、過酸化水素、塩化ポリドロニウム、Glokill(商品名、例えばGlokill PQ、ローディア社製)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン−(ジメチルイミニオ)エチレンジクロリド]、ポリエチレンポリアミン・ジメチルアミンエピクロルヒドリン重縮合物(商品名、例えばBusan1157、バックマン社製)など。
キレート剤:エデト酸ナトリウムなど。
香料又は清涼化剤:例えば、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、アネトール、リモネン、オイゲノール等が挙げられる。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよいが、清涼感や香りなどの官能面や安全性の面から、1−メントール、d−メントール、dl−メントール、d−カンフル、dl−カンフル、d−ボルネオール及びdl−ボルネオールが好ましい。ゲラニオール、1−メントール、d−カンフル及びd−ボルネオールが特に好ましい。また、前記モノテルペンは、精油に含有した状態で使用することもでき、好ましい精油は、ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ウイキョウ油、ハッカ油、ケイヒ油、ローズ油等である。これらのモノテルペンを1種類または2種類以上み合わせて用いることもできる。
本発明のコンタクトレンズ用組成物は、特定の形態に限定されず、目的に応じて、ゼリー状、液状、半固形(軟膏など)などの様々な剤形に製剤化することができる。具体的には、使用の簡便性から液剤であることが好ましい。
本発明のコンタクトレンズ用組成物は、高い吸着抑制力と優れた安全性を有するので、直接・間接的な適用を問わず、コンタクトレンズに用時液状にて接触しうる組成物であれば良く、例えば、液剤の場合は、溶液であっても懸濁液であっても、混合又は溶解してコンタクトレンズと接触させる組成物であっても良い。半固形剤の具体例としては眼軟膏薬、液剤の具体例としては、コンタクトレンズ用点眼薬(剤)、コンタクトレンズ用洗眼薬(剤)、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用組成物(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤)等を挙げる事ができるが、これらに限定されない。本発明のコンタクトレンズ用組成物はコンタクトレンズの装着前、装着時あるいは装用中に使用しうる。
本発明のコンタクトレンズ用組成物は、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズを含めたあらゆるコンタクトレンズに使用できるが、酸素透過性のハードコンタクトレンズまたはソフトコンタクトレンズにはケトチフェンが吸着し易いため、特に酸素透過性のハードコンタクトレンズ又はソフトコンタクトレンズに使用することが好ましい。
本発明のコンタクトレンズ用組成物は、いずれの容器で保管しても良いが、水分透過率の低い容器が好ましく、更には、各成分が吸着し難い容器を用いる事が好ましい。特に容器としては、硬質プラスチック製容器を用いる事が好ましく、例えば、硬質プラスチック製容器は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、U−ポリマー、ポリプロピレン又はこれらの群から選択された2種以上を有するプラスチックを含んで形成されることが好ましい。
コンタクトレンズ用組成物の使用方法としては、該コンタクトレンズ用組成物をコンタクトレンズに接触させる工程を有する公知の方法であれば、特に限定はない。例えば点眼薬の場合、コンタクトレンズを装用したままで本発明のコンタクトレンズ用組成物を点眼に使用できる。また洗眼薬の場合も、コンタクトレンズを装用したままで本発明のコンタクトレンズ用組成物により洗眼に使用できる。なお、本発明のコンタクトレンズ用組成物は、コンタクトレンズを装用している場合はもちろん、装用していない場合でもコンタクトレンズの洗浄や保存用などに使用する事ができる。
また本発明は、ケトチフェンのコンタクトレンズへの吸着抑制方法をも包含する。本発明の方法において、ケトチフェンのコンタクトレンズへの吸着抑制は、ケトチフェンまたはその塩に、無機塩および多価アルコールを併用することによって達成できる。
本発明の方法において、無機塩は、無機酸(炭素を含まない酸および炭酸)の塩または無機塩基の塩で水溶性であれば特に制限されず、例えば、塩酸、硫酸、チオ硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸、ホウ酸、炭酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、亜鉛塩などが挙げられ、具体的には塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、硫酸亜鉛およびチオ硫酸ナトリウムなど、好ましくは塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛およびチオ硫酸ナトリウムが挙げられる。また、これらの無機塩は、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。本発明の方法における無機塩の配合割合は、通常0.001〜10%、好ましくは0.005〜5%、特に好ましくは0.01〜3%程度である。
本発明の方法におけるケトチフェンおよび多価アルコール、およびその配合比、配合量などは、前記組成物で用いたものと同様である。
また、ケトチフェンまたはその塩に、無機塩および多価アルコールを併用する方法については、同一製剤中に含有させても良いが、別製剤中に含有しているものを使用直前に混合、または相前後して使用することでも達成することができ、該組成物の製剤形態に応じて、1日あたり1回から数回に分けて、公知あるいは慣用されている方法を用いることができる。
なお、コンタクトレンズに対するケトチフェンの吸着抑制は、後述の実施例に記載の方法に基づいて評価する事ができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例1 ケトチフェンのコンタクトレンズ吸着試験
表1に記載の処方に従い、各成分を滅菌精製水に溶解して全量を100mLとして試験液を調製した。これらの試験液を下記の試験法に従って、ケトチフェンのコンタクトレンズに対する吸着試験を行い、評価した。
《ケトチフェンの吸着試験》
試験レンズは、FDA(米国食品医薬品局)によるソフトコンタクトレンズ分類グループIVから、代表的なレンズとして、主材料がヒドロキシエチルメタクリレート・メタクリル酸共重合体のレンズを使用した。
吸着試験は、ISO11986「眼科光学−コンタクトレンズ及びコンタクトレンズケア製品−防腐剤の取り込みと放出量決定のガイドライン」を応用して次のように行った。
(1)0.9%食塩液100mlにレンズを8枚浸漬し、1時間以上室温で放置する。
(2)密封性の高いガラスバイアル3本に比較例1の試験液を5mlずつ入れ、1本はそのままアルミシールを施し(ブランク1)、残る2本に(1)で浸漬したレンズ各1枚を、水分を軽く拭き取った後浸漬し、アルミシールを施す(試料1a、1b)。実施例1〜3の試験液についても同様に試料を作成する。
(3)(2)で作成した比較例1および実施例1〜3の試料(計12本)を、34℃ 20回/分にて24時間振とうする。
(4)別のガラスバイアル3本に比較例1の試験液を5mlずつ入れ、1本はそのままアルミシールを施し(ブランク2)、残る2本に(3)で振とうした比較例1のレンズを1枚ずつ移しかえた後アルミシールを施す(試料2a、2b)。実施例1〜3の試験液についても同様に試料を作成する。
(5)(4)で作成した比較例1および実施例1〜3の試料(計12本)を、34℃ 20回/分にて24時間振とうする。
(6)さらに別のガラスバイアル3本に比較例1の試験液を5mlずつ入れ、1本はそのままアルミシールを施し(ブランク3)、残る2本に(5)で振とうした比較例1のレンズを1枚ずつ移しかえた後アルミシールを施す(試料3a、3b)。実施例1〜3の試験液についても同様に試料を作成する。
(7)(6)で作成した比較例1および実施例1〜3の試料(計12本)を、34℃ 20回/分にて24時間振とうする。
(8)(7)で振とうした試料から全てのレンズを取り出し、別途保管する。
(9)比較例1および実施例1〜3のブランク1〜3、試料1a〜3a、1b〜3bの溶液中のフマル酸ケトチフェン含量をそれぞれ測定する。
各試験液のコンタクトレンズへの吸着量総量を、ブランク1〜3のフマル酸ケトチフェン含量の和から、試料1a〜3aあるいは試料1b〜3bのフマル酸ケトチフェン含量の和を差し引いた量とし、以下の式により比較例1の吸着量総量に対する吸着率を算出し、その平均値を表1に示した。
吸着率(%)=各実施例の吸着量総量×100/比較例1の吸着量総量
Figure 0004906247
実施例1〜3で得られた点眼剤は無機塩及び多価アルコールを含有していない比較例1の点眼剤に比べて、フマル酸ケトチフェンの吸着率を80%以下に抑制することができた。
また、24時間後のブランク中のケトチフェン含量は全て95%以上を保っており、無機塩を含有していても安定性が保たれることが確認された。さらに、吸着したケトチフェンの溶出についても検討し、96時間後にはほぼ100%が溶出していることが確認された。
このようにケトチフェンのコンタクトレンズへの吸着を、特定の無機塩および多価アルコールを配合することで抑制できることを知見した。したがって、本発明のコンタクトレンズ用組成物は、長期間にわたって使用してもよく、花粉症などのコンタクトレンズ装用中の目のアレルギー症状に迅速かつ安全に対処できるため、特に有用である。
試験例2 ケトチフェンのコンタクトレンズ吸着試験
表2に記載の処方に従い、各成分を滅菌精製水に溶解して全量を100mLとして試験液を調製した。これらの試験液を下記の試験法に従って、ケトチフェンのコンタクトレンズに対する吸着試験を行い、評価した。
《ケトチフェンの吸着試験》
試験レンズは、FDA(米国食品医薬品局)によるソフトコンタクトレンズ分類グループIVから、代表的なレンズとして、ワンデーアキュビュー(ジョンソン&ジョンソン社製)を使用した。
吸着試験は、ISO11986「眼科光学−コンタクトレンズ及びコンタクトレンズケア製品−防腐剤の取り込みと放出量決定のガイドライン」を応用して次のように行った。
(1)0.9%食塩液10mlにレンズを1枚浸漬したものを10個用意し、一晩室温で放置する。
(2)密封性の高いガラスバイアル4本に比較例1の試験液を5mlずつ入れ、2本はそのままアルミシールを施し(ブランク4a、4b)、残る2本に(1)で浸漬したレンズ各1枚を、水分を軽く拭き取った後浸漬し、アルミシールを施す(試料4a、4b)。実施例4〜7の試験液についても同様に試料を作成する。
(3)(2)で作成した比較例1および実施例4〜7の試料(計20本)を、34℃ 20回/分にて24時間振とうする。
(4)(3)で振とうした試料から全てのレンズを取り出し、別途保管する。
(5)比較例1および実施例4〜7のブランク4a、4b、試料4a、4bの溶液中のフマル酸ケトチフェン含量をそれぞれ測定する。
各試験液のコンタクトレンズへの吸着量総量を、ブランク4aのフマル酸ケトチフェン含量から試料4aのフマル酸ケトチフェン含量を差し引いた量、またはブランク4bのフマル酸ケトチフェン含量から試料4bのフマル酸ケトチフェン含量を差し引いた量とし、以下の式により比較例1の吸着量総量に対する吸着率を算出し、その平均値を表2に示した。
吸着率(%)=各実施例の吸着量総量×100/比較例1の吸着量総量
Figure 0004906247
実施例4〜7で得られた点眼剤は無機塩及び多価アルコールを含有していない比較例1の点眼剤に比べて、フマル酸ケトチフェンの吸着率を75%以下に抑制することができた。
以下に製剤実施例を挙げる。
Figure 0004906247
上記の各成分を秤量し、適当量の精製水に溶解し、pH、浸透圧比を調製し、ろ過滅菌した後、点眼容器に充填してコンタクトレンズ用点眼薬を得た。
Figure 0004906247
上記の各成分を秤量し、適当量の精製水に溶解し、pH、浸透圧比を調製し、ろ過滅菌した後、容器に充填してコンタクトレンズ用組成物を得た。
Figure 0004906247
上記の各成分を秤量し、適当量の精製水に溶解し、pH、浸透圧比を調製し、ろ過滅菌した後、点眼容器に充填してコンタクトレンズ用点眼薬を得た。

Claims (10)

  1. コンタクトレンズを装用したままで点眼できる点眼薬であって、塩化ナトリウム、及び塩化カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の無機塩;ケトチフェンまたはその塩;並びにグリセリン、ブドウ糖、マンニトール、及びプロピレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の多価アルコールを含有する点眼薬。
  2. 浸透圧比が1.0〜1.8である請求項1記載の点眼薬。
  3. コンタクトレンズがソフトコンタクトレンズである請求項1または2に記載の点眼薬。
  4. 前記ケトチフェンまたはその塩の配合割合が、0.001〜1w/v%である、請求項1乃至3のいずれかに記載の点眼薬。
  5. 前記無機塩の配合割合が、0.001〜25w/v%である、請求項1乃至4のいずれかに記載の点眼薬。
  6. 前記多価アルコールの配合割合が、0.001〜15w/v%である、請求項1乃至5のいずれかに記載の点眼薬。
  7. 前記無機塩と多価アルコールの配合比(重量比:多価アルコール/無機塩)が、0.01〜1000である、請求項1乃至6のいずれかに記載の点眼薬。
  8. さらに、ホウ酸緩衝剤を含有する、請求項1乃至7のいずれかに記載の点眼薬。
  9. ホウ酸緩衝剤の配合割合が、0.0001〜10.0重量%である、請求項8に記載の点眼薬。
  10. pHが、3.0〜8.0である、請求項1乃至7のいずれかに記載の点眼薬。
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