JP2002249445A - 眼科用液剤組成物 - Google Patents
眼科用液剤組成物Info
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Abstract
クス製容器に、抗ヒスタミン剤、血管収縮剤および消炎
・収斂剤からなる群より選択される少なくとも1種が吸
着しないようにした防腐剤フリーの眼科用液剤組成物を
提供する。 【解決手段】 1回の使用で使い捨てるタイプのプラス
チックス製容器に充填する眼科用液剤組成物であって、
抗ヒスタミン剤、血管収縮剤および消炎・収斂剤からな
る群より選択される少なくとも1種を含有し、かつ防腐
剤を含有せず、さらにpHが5〜6である眼科用液剤組
成物により達成される。さらには、コンタクトレンズを
装着した状態で該液剤組成物を点眼することにより達成
される。
Description
プのプラスチックス製容器に充填する眼科用組成物であ
って、抗ヒスタミン剤、血管収縮剤および消炎・収斂剤
からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、か
つ該成分の容器への吸着を抑制した防腐剤フリーの眼科
用液剤組成物に関する。さらには、含水性ソフトコンタ
クトレンズを装着した状態で、抗ヒスタミン剤、血管収
縮剤および消炎・収斂剤からなる群より選択される少な
くとも1種を含有する防腐剤フリーの眼科用液剤組成物
を点眼する方法に関する。
により、アレルギー性の目のかゆみや結膜充血等の症状
を訴える患者が年々増加傾向にある。また、これら患者
の中には、コンタクトレンズを装用している患者も多数
存在する。現在、そのような市場のニーズを受けて、頻
回使用タイプの点眼剤が多数販売されているが、それら
の製品の多くは、目に対して障害を生じる恐れのある防
腐剤が配合されているのが現状である。
の中には、ハードコンタクトレンズを装着した状態での
点眼剤の使用方法が提供されている。しかし、昨今のコ
ンタクトレンズ市場は、ハードコンタクトレンズ装用者
よりも、ソフトコンタクトレンズ、特に含水性ソフトコ
ンタクトレンズ装用者の占める割合が大きいのが現状で
ある。それゆえソフトコンタクトレンズを装着した状態
においても点眼可能な点眼剤の開発が待たれていた。
とも言われており、点眼剤に各種の有効成分が配合され
ていようとも、防腐剤の影響により眼障害が改善されな
いばかりか、かえって悪化させてしまうという可能性が
あった。事実、そのような症例も数多く報告されてお
り、防腐剤の使用についての警鐘が行われている。さら
に、防腐剤を含有する点眼剤をコンタクトレンズを装着
した状態で使用した場合に、防腐剤に起因する角膜障害
が惹起されるという危険性も取りざたされている。現在
のところ、含水性ソフトコンタクトレンズを装着した状
態で点眼可能な抗ヒスタミン剤、血管収縮剤および消炎
・収斂剤からなる群より選択される少なくとも1種を含
有する防腐剤フリーの点眼剤は存在しない。
の使用で使い捨てるタイプの容器、いわゆる「ディスポ
容器」に充填することによって、防腐剤フリーとするこ
とが可能と考え、実際に従来公知のプラスチックス製容
器に点眼剤を充填したところ、容器内壁に点眼剤が吸着
するという問題があることが分かった。従って、本発明
は1回の使用で使い捨てるタイプのプラスチックス製容
器に点眼剤を充填したときの容器への吸着を抑制した防
腐剤フリーの眼科用液剤組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、含水性ソフトコンタクトレンズを
装着した状態で、抗ヒスタミン剤、血管収縮剤および消
炎・収斂剤からなる群より選択される少なくとも1種を
含有する防腐剤フリーの眼科用液剤組成物の点眼方法を
提供することにある。
明の上記目的および利点は、以下により達成される。 (1)1回の使用で使い捨てるタイプのプラスチックス
製容器に充填する眼科用液剤組成物であって、抗ヒスタ
ミン剤、血管収縮剤および消炎・収斂剤からなる群より
選択される少なくとも1種を含有し、かつ防腐剤を含有
せず、さらにはpHが5〜6であることを特徴とする眼
科用液剤組成物。 (2)さらに潤滑剤を含有することを特徴とする上記
(1)記載の眼科用液剤組成物 (3)さらにアミノ酸類、抗アレルギー剤およびビタミ
ンからなる群より選択される少なくとも1種を含有する
ことを特徴とする上記(1)または(2)記載の眼科用
液剤組成物。 (4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の眼科用液
剤組成物を、コンタクトレンズを装着した状態で点眼す
る方法。 (5)コンタクトレンズが含水性ソフトコンタクトレン
ズであることを特徴とする上記(4)記載の方法。
抗ヒスタミン剤、血管収縮剤および消炎・収斂剤からな
る群より選択される少なくとも1種の薬剤を含む水溶液
である。この眼科用液剤組成物に配合することができる
抗ヒスタミン剤としては、例えば、マレイン酸クロルフ
ェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、フマル酸クレマ
スチンおよびメキタジン等が挙げられ、それらの群から
適宜1種類以上を配合する。それらの中でも、製剤的に
安定で、取扱い易く、かつ眼科用剤として使用実績のあ
るマレイン酸クロルフェニラミンが特に好ましい。抗ヒ
スタミン剤は製剤中に、0.0001〜1.0(w/
v)%、好ましくは0.001〜0.5(w/v)%の
濃度で配合される。抗ヒスタミン剤は、目の炎症、特に
目の掻痒感を除去することを目的として配合することが
できる。
することができる血管収縮剤としては、例えば、塩酸テ
トラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリ
ン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸
フェニレフリン、塩酸メトキサミン、オキシメタゾリ
ン、エピネフリンおよびこれらの塩類等が挙げられ、そ
れらの群から適宜1種類以上を配合する。それらの中で
も眼科用剤として使用実績のある塩酸テトラヒドロゾリ
ンが特に好ましい。血管収縮剤は製剤中に、0.000
1〜1.0(w/v)%、好ましくは0.001〜0.
5(w/v)%の濃度で配合される。血管収縮剤は、ア
レルギー等により充血した目の赤みを除去することを目
的として配合することができる。
することができる消炎・収斂剤としては、例えば、グリ
チルリチン酸二カリウム、硫酸亜鉛、メチル硫酸ネオス
チグミン、イプシロン−アミノカプロン酸、アラントイ
ン、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、乳酸亜鉛、塩化
リゾチーム、アズスレンスルホン酸ナトリウム等が挙げ
られ、それらの群から適宜1種類以上を配合する。それ
らの中でも眼科用剤として使用実績のある、グリチルリ
チン酸二カリウムおよび/または硫酸亜鉛が特に好まし
い。消炎・収斂剤は製剤中に、0.0001〜1.0
(w/v)%、好ましくは0.001〜0.5(w/
v)%の濃度で配合される。消炎・収斂剤は、目の充血
などの目の不快症状を改善することを目的として配合す
ることができる。なお、上記の抗ヒスタミン剤、血管収
縮剤および消炎・収斂剤を混合して利用する場合には、
合計で製剤中に0.0001〜3.0(w/v)%、好
ましくは0.001〜1.5(w/v)%の範囲となる
よう配合される。
成分を精製水等の目に無害な液状媒体に溶解した液剤で
あるが、なかでも、次の各有効成分を精製水中に含むも
のが特に好適である。 (A) マレイン酸クロルフェニラミン 0.001〜
0.5w/v% (B) 塩酸テトラヒドロゾリン 0.001〜0.5
w/v% (C) 硫酸亜鉛 0.001〜0.5w/v%
ン剤、血管収縮剤および消炎・収斂剤は、本来酸性領域
で安定な成分である。しかし点眼剤として使用する場
合、pHが酸性領域にあると点眼による眼刺激を誘発す
るため、あまり好ましくない。一方で、眼刺激を抑制す
るために、pHを中性領域にして、1回の使用で使い捨
てるタイプのポリエチレンまたはポリプロピレン等のプ
ラスチックス製の容器に抗ヒスタミン剤、血管収縮剤お
よび消炎・収斂剤からなる群より選択される少なくとも
1種を含有する点眼剤を保存した場合、ガラス製容器に
比べて該成分が吸着し、目的とした効果が得られない場
合があることが分かった。しかしながら、該成分の容器
への吸着を抑制する目的で、1回の使用で使い捨てるタ
イプの点眼剤をガラス製容器に充填するのは、持ち運び
の面からも好ましくない。そこで、本発明者らは該成分
の1回の使用で使い捨てるタイプのポリエチレンまたは
ポリプロピレン等のプラスチックス製容器への吸着を抑
制し、かつ点眼による眼刺激を感じないpHの条件を検
討した結果、液剤のpHを5〜6という極めて限られた
範囲内に調整した場合に限り、1回の使用で使い捨てる
タイプの上記プラスチックス製の容器に、抗ヒスタミン
剤、血管収縮剤および消炎・収斂剤からなる群より選択
される少なくとも1種を含む液剤を充填しても、これら
が容器に吸着することが抑制され、かつ点眼による眼刺
激を生じない眼科用液剤組成物となし得ることが分かっ
た。
プのプラスチックス製容器に眼科用液剤組成物を充填、
密封して保存するが、点眼時に該液剤が容器から出にく
くなる場合がある。それゆえ、本発明の眼科用液剤組成
物に、液剤の滑り性を付与する目的で、潤滑剤を配合す
ることが好ましい。本発明の眼科用液剤組成物において
配合することができる潤滑剤としては、例えば、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセ
ルロースが挙げられ、それらの群から適宜1種類以上を
配合する。潤滑剤は製剤中に、0.0001〜1.0
(w/v)%、好ましくは0.001〜0.01(w/
v)%の濃度で配合される。
じてさらに他の薬効成分を配合することもできる。その
ような例としては、例えばアミノ酸類、抗アレルギー
剤、ビタミン類、サルファ剤、局所麻酔剤および縮瞳剤
等が挙げられる。アミノ酸類としては、例えば、L−ア
スパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウ
ム、L−アスパラギン酸カリウムマグネシウム(等量混
合物)、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、コンド
ロイチン硫酸ナトリウム、イプシロン−アミノカプロン
酸、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム、
リジン、ヒスチジン、ロイシン、メチオニン、フェニル
アラニン、グリシン、L−グルタミン、L−ヒスチジン
等が挙げられ、それらの群から適宜1種類以上を配合す
る。抗アレルギー剤としては、例えば、クロモグリク酸
またはその塩(クロモグリク酸ナトリウム、クロモグリ
ク酸カリウム等)、アンレキサノクス、トラニラスト、
ペミロラストまたはその塩(ペミロラストカリウム
等)、ケトチフェンまたはその塩(フマル酸ケトチフェ
ン等)、オキサトミド、セチリジン等が挙げられ、それ
らの群から適宜1種類以上を配合する。ビタミン類とし
ては、例えば、ビタミンAおよびその誘導体(酢酸レチ
ノール、パルミチン酸レチノール等)、ビタミンB1お
よびその誘導体(ビスイブチアミン等)、ビタミンB2
およびその誘導体(フラビンアデニンジヌクレオチドナ
トリウム等)、ビタミンB6およびその誘導体(ピリド
キシンおよびピリドキサールの塩等)、ビタミンB12
およびその誘導体(ヒドロキシコバランミン、シアノコ
バラミン等)、ビタミンCおよびその誘導体(アスコル
ビン酸塩等)、ビタミンEおよびその誘導体(酢酸トコ
フェロール等)、パンテノール、ニコチン酸塩、パント
テン酸塩、ビオチン等が挙げられ、それらの群から適宜
1種類以上を配合する。サルファ剤としては、例えば、
スルファメトキサゾールおよびその塩類、スルフイソキ
サゾール、スルフイソミジンナトリウム等が挙げられ、
それらの群から適宜1種類以上を配合する。局所麻酔剤
としては、例えば、リドカイン、塩酸リドカイン、塩酸
プロカイン、塩酸ジブカイン等が挙げられ、それらの群
から適宜1種類以上を配合する。縮瞳剤としては、例え
ば、塩酸ピロカルピン、サリチル酸フィゾスチグミン等
が挙げられ、それらの群から適宜1種類以上を配合す
る。これら必要に応じて配合することができる他の薬効
成分は製剤中に、適宜、提供できる濃度範囲で使用する
ことができる。
るpHを達成するために、ホウ酸および/またはそのア
ルカリ金属塩、リン酸および/またはそのアルカリ金属
塩、酢酸および/またはそのアルカリ金属塩およびトリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタン等からなる群より
選択される少なくとも1種の緩衝剤を配合することが好
ましい。緩衝剤は製剤中に、適宜、提供できる濃度範囲
で配合することができる。
ウム、塩化ナトリウム等のアルカリ金属塩からなる無機
塩類や還元性多価アルコールを配合することもできる。
等張化剤の本発明品中での配合濃度は、好ましくは浸透
圧値が180〜465mOsm.の範囲内となるように
配合する。
は、1回点眼した後に捨てるタイプの通称「ディスポ容
器」と呼ばれる容器である。該容器の材質としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレ
ート等が挙げられる。また、1回の使用で使い捨てるた
め、充填する溶液量は、最大で2mLを含有できれば十
分である。
あるのが好ましく、上記各有効成分を順次水に溶解さ
せ、最後に水にて容量を調整する。なお、pHを調整す
る目的でホウ酸および/またはそのアルカリ金属塩から
なる緩衝剤を使用する際には、1(w/v)%のホウ酸
および/またはそのアルカリ金属塩からなる水溶液を作
製し、その溶液を適宜添加することで、pHを調整する
ことも可能である。また、最終調製後に、塩酸あるいは
水酸化ナトリウムにてpH調整することも可能である。
方法について説明する。本発明の眼科用液剤組成物は、
目のかゆみ等の症状を感じた場合、アレルギー刺激や目
の疲れ等により目が充血した場合、瞼がただれた場合、
目やにが多い場合および紫外線等の光線による炎症を生
じた場合等に使用することができる。通常は、コンタク
トレンズ装用者でも、コンタクトレンズをはずした後に
該液剤を点眼するのが好ましいが、ハードコンタクトレ
ンズ、酸素透過性ハードコンタクトレンズおよび非含水
性ソフトコンタクトレンズはもちろんのこと、含水性ソ
フトコンタクトレンズを装着した状態のままでも点眼す
ることができる。その際の1回あたりの点眼量は1〜3
滴が適当であり、1日あたりの点眼回数は1〜6回程度
が好ましく、多くても10回以内とするのが望ましい。
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
した。各サンプルは、配合成分を適当量の水に溶解させ
たのちに、水にて全体量を100mLとした。
タミン剤)のディスポ容器への吸着を、表1に示した点
眼液2、比較液1および比較液2を用いて調べた。上記
各サンプルをポリエチレン製容器およびガラス製容器に
それぞれ分注し、40℃、相対湿度75%の条件下で3
ヶ月間保存し、保存1ヶ月目および3ヶ月目に、各容器
への吸着量について調べた。また、比較液2は安定性が
悪かったため、保存開始後1日目および3日目のデータ
を採用した。
クロマトグラフィー法にて測定し、各測定条件を、カラ
ムはオクタデシルシリル化シリカゲル、検出器は210
nmの紫外線吸光光度計、カラム温度は50℃、移動相
は、0.01mol/Lリン酸二水素カリウム試液/ア
セトニトリル/リン酸混液(72:28:0.05)1
Lに1gの1−オクタンスルホン酸ナトリウムを溶解さ
せたものとした。その際、内標準溶液として、塩酸ナフ
ァゾリン水溶液(1→10000)を使用した。
にして調製した。マレイン酸クロルフェニラミン標準品
を105℃で3時間乾燥し、その約15mgを正確に量
りとった(ここまでを操作Aとする)のち、水にて50
mLとした。そのうちの1mLを正確に量り、内標準溶
液1mLを正確に加え、さらに水にて10mLとした。
次に、各試料溶液(点眼液2、比較液1および比較液
2)0.5mLを正確に量り、内標準溶液0.5mLを
正確に加え、さらに水にて正確に5mLとしたものを定
量用試料溶液として用いた。
下記の式に従って求めた。 マレイン酸クロルフェニラミン(g/100mL)=マ
レイン酸クロルフェニラミン標準品(mg)×Qm/Q
ma×1/500 Qm:試料溶液の内標準物質のピーク面積に対するマレ
イン酸クロルフェニラミンのピーク面積の比 Qma:標準溶液の内標準物質のピーク面積に対するマ
レイン酸クロルフェニラミンのピーク面積の比
中の数値は、保存開始前の測定値〔(w/v)%〕を1
として、保存開始後の各時点における測定値〔(w/
v)%〕を相対百分率表示(%)にて示した。抗ヒスタ
ミン剤であるマレイン酸クロルフェニラミンは、ポリエ
チレン製容器に保存した場合、pHが中性領域からアル
カリ性領域の場合に、酸性領域であるときと比較して、
該容器により吸着し、pH5〜6のときには殆ど吸着し
ないことが分かった。
た際の製剤の安定性について、40℃、相対湿度75%
の条件下で3ヶ月間保存したときの各成分の変化量を調
べた。各成分の定量法は以下に示した方法に従った。
酸テトラヒドロゾリンは、前述した液体クロマトグラフ
ィー法を用いて、同時に両成分の定量を行った。本定量
で用いる標準溶液の調製を、以下に従って行った。マレ
イン酸クロルフェニラミンについて、実施例1の「標準
溶液の調製法」に記載した「操作A」を行った。次に、
血管収縮剤として塩酸テトラヒドロゾリン標準品〔局外
規塩酸テトラヒドロゾリン、かつ塩酸テトラヒドロゾリ
ンを99.0(w/v)%以上含むもの〕を105℃で
2時間乾燥し、その約25mgを正確に量りとった。最
後に、量りとった両成分を混合して水にて50mLとし
たのち、そのうちの1mLを正確に量り、内標準溶液1
mLを正確に加え、さらに水にて10mLとすることで
標準溶液とした。
載した方法に従った。また、マレイン酸クロルフェニラ
ミンの定量は、実施例1記載の定量式にて求めた。な
お、塩酸テトラヒドロゾリンについての定量は下記の式
に従って求めた。 塩酸テトラヒドロゾリン(g/100mL)=塩酸テト
ラヒドロゾリン標準品(mg)×Qt/Qtb×1/5
00 Qt:内標準物質のピーク面積に対する塩酸テトラヒド
ロゾリンのピーク面積の比 Qtb:標準溶液の内標準物質のピーク面積に対する塩
酸テトラヒドロゾリンのピーク面積の比 また、硫酸亜鉛は、第13改正日本薬局方解説書「硫酸
亜鉛」の項記載の定量法に従って求めた。
レイン酸クロルフェニラミン、塩酸テトラヒドロゾリ
ン、硫酸亜鉛(消炎・収斂剤)については、安定性試験
開始前の測定値〔(w/v)%〕を1として、安定性試
験開始後の各時点における測定値〔(w/v)%〕を相
対百分率表示(%)にて示した。また、pHおよび浸透
圧については、測定値をそのまま示した。結果、試験開
始前後で殆ど変化はなく、製剤安定性に優れることが分
かった。
ゾリンの、含水性ソフトコンタクトレンズへの吸収平衡
および放出平衡より、安全性を評価した。本実施例で使
用したソフトコンタクトレンズは、FDA分類の1群に
相当するものとして「シードG−1」(シード社製)、
2群に相当するものとして「ブレスオー」(東レ社
製)、3群に相当するものとして「ハイフローAce」
(HOYAビジョンケアカンパニー社製)および4群に
相当するものとして「シュアビュー」(ジョンソン・エ
ンド・ジョンソン社製)を用いた。
A(点眼液2)中に重ならないように浸漬させ、35℃
の条件下で保存し、1、3、5および24時間後に1.
7mLずつの試料溶液(試料Bとする)を採取した。次
に、試験に使用したレンズの水分を拭き取り、10mL
生理食塩水中に重ならないように浸漬させ(n=2)、
35℃の条件下で保存し、1、3、5および24時間後
に1.7mLずつの試料溶液(試料Cとする)を採取し
た。試料A、試料Bおよび試料Cを用いて、レンズに吸
収された、あるいはレンズから放出されたマレイン酸ク
ロルフェニラミンおよび塩酸テトラヒドロゾリンについ
て、上記に示した液体クロマトグラフィー法に従って定
量した。
従って求めた。 1時間浸漬時のレンズ1枚あたりの吸収量(μg)=
{試料(A)中の含有量(g/100mL)−1時間後
の試料B中の含有量(g/100mL)}×5000×
10 3時間浸漬時のレンズ1枚あたりの吸収量(μg)=
{1時間後の試料B中の含有量(g/100mL)−3
時間後の試料B中の含有量(g/100mL)}×50
00×8.3+1時間後の吸収量(μg) 5時間浸漬時のレンズ1枚あたりの吸収量(μg)=
{3時間後の試料B中の含有量(g/100mL)−5
時間後の試料B中の含有量(g/100mL)}×50
00×6.6+3時間後の吸収量(μg) 24時間浸漬時のレンズ1枚あたりの吸収量(μg)=
{5時間後の試料B中の含有量(g/100mL)−2
4時間後の試料B中の含有量(g/100mL)}×5
000×4.9+5時間後の吸収量(μg)
に従って求めた。 1時間浸漬時のレンズ1枚あたりの放出量(μg)=1
時間後の試料C中の含有量(g/100mL)×10×
10000/2 3時間浸漬時のレンズ1枚あたりの放出量(μg)=
{3時間後の試料C中の含有量(g/100mL)×
8.3×10000+1時間後の試料C中の含有量(g
/100mL)×1.7×10000}/2 5時間浸漬時のレンズ1枚あたりの放出量(μg)=
{5時間後の試料C中の含有量(g/100mL)×
6.6×10000+〔1時間後の試料C中の含有量
(g/100mL)+3時間後の試料C中の含有量(g
/100mL)〕×1.7×10000}/2 24時間浸漬時のレンズ1枚あたりの放出量(μg)=
{24時間後の試料C中の含有量(g/100mL)×
4.9×10000+〔1時間後の試料C中の含有量
(g/100mL)+3時間後の試料C中の含有量(g
/100mL)+5時間後の試料C中の含有量(g/1
00mL)〕×1.7×10000}/2
レイン酸クロルフェニラミンは表4に、塩酸テトラヒド
ロゾリンは表5に示した。マレイン酸クロルフェニラミ
ンおよび塩酸テトラヒドロゾリンともに、レンズに対し
て急速(殆ど1時間以内)に吸収され、レンズへの吸収
量は5時間で平衡に達した。また、レンズからの放出
は、吸収された成分量の殆どが1時間以内に放出されて
おり、レンズからの放出量は5時間で平衡に達した。こ
のことから、点眼により、レンズ中に両成分が取り込ま
れるが、取り込まれる該両成分の量には限界があるこ
と、また該両成分は涙液中に急速に放出され、その後は
平衡状態となるため、徐々に涙液中に該両成分が放出さ
れ続けることで、長期に亘り角膜が該両成分に触れつづ
けるという危険性がないことが示された。また、レンズ
上に残存した該両成分の量は、市販されている点眼薬中
に含まれる成分量と比較して、軽微な量であるため、該
残存量程度が残存することによる問題はないことが分か
った。従って、本発明品を、ソフトコンタクトレンズを
装着した状態で点眼しても、安全性に問題がないことが
分かった。
ロルフェニラミンおよび塩酸テトラヒドロゾリンのソフ
トコンタクトレンズへの蓄積性について、FDAの4群
レンズに相当する「シュアビュー」(ジョンソン・エン
ド・ジョンソン社製)を用いて調べた。即ち、レンズ1
枚を、「点眼液2」2mL中に35℃で5分間浸漬さ
せ、そのレンズの水分を拭き取り、生理食塩水5mLに
35℃で115分間浸漬させた。同一レンズに対し、こ
の操作を連続して繰返し6回行った。各処理回数毎のレ
ンズへのマレイン酸クロルフェニラミンおよび塩酸テト
ラヒドロゾリンの吸着量および放出量を、実施例2に記
載した定量法に従って測定した。
た該両成分は、ほぼ全量放出されており、連続使用にお
けるレンズへの該両成分の蓄積性についても問題がない
ことが分かった。
明は、1回の使用で使い捨てるタイプのプラスチックス
製容器に充填することを特徴とする眼科用液剤組成物で
あって、抗ヒスタミン剤、血管収縮剤および消炎・収斂
剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、
かつ防腐剤を含有せず、さらにpHが5〜6であること
を特徴とする眼科用液剤組成物を提供できる。さらに、
本発明の眼科用液剤組成物は、目のかゆみ等の症状を感
じた場合、アレルギー刺激や目の疲れ等により目が充血
した場合、瞼がただれた場合、目やにが多い場合および
紫外線等の光線による炎症を生じた場合等に使用するこ
とができる。さらには、コンタクトレンズ装用者の半数
以上を占める含水性ソフトコンタクトレンズ装用者にお
いても、コンタクトレンズを装着した状態で該液剤組成
物を点眼することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 1回の使用で使い捨てるタイプのプラス
チックス製容器に充填する眼科用液剤組成物であって、
抗ヒスタミン剤、血管収縮剤および消炎・収斂剤からな
る群より選択される少なくとも1種を含有し、かつ防腐
剤を含有せず、さらにはpHが5〜6であることを特徴
とする眼科用液剤組成物。 - 【請求項2】 さらに潤滑剤を含有することを特徴とす
る請求項1記載の眼科用液剤組成物 - 【請求項3】 さらにアミノ酸類、抗アレルギー剤およ
びビタミンからなる群より選択される少なくとも1種を
含有することを特徴とする請求項1または請求項2記載
の眼科用液剤組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の眼科用
液剤組成物を、コンタクトレンズを装着した状態で点眼
する方法。 - 【請求項5】 コンタクトレンズが含水性ソフトコンタ
クトレンズであることを特徴とする請求項4記載の方
法。
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