JP2007133001A - コンタクトレンズ用ケア用剤 - Google Patents

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透 松永
Kenji Uno
憲治 宇野
Kazufumi Tsubaki
和文 椿
Yoshikazu Shoji
義和 東海林
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Abstract

【課題】本発明の課題は、ベタつかず使用感が良好であり、眼に対しても安全にコンタクトレンズの装用感を向上させることができる新規なコンタクトレンズ用ケア用剤を提供することである。また、本発明の課題は、新たな装用感の判断に有用である眼組織に対する安全性を評価する方法を提供することである。
【解決手段】本発明は、β−グルカンを含有してなることを特徴とするコンタクトレンズ用ケア用剤である。また、本発明は、コンタクトレンズをβ−グルカン含有水溶液に浸漬または接触させることで、該コンタクトレンズの装用感を改善する方法である。さらに本発明は、ヒト角膜上皮細胞の人工培養によって形成させたコロニーの相対的割合によって、コンタクトレンズの装用感にも影響を及ぼすコンタクトレンズ用ケア用剤の眼組織への安全性を評価する方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、コンタクトレンズ用ケア用剤に関する。更に詳しくは、装用感を改良でき、かつ眼に対して安全なコンタクトレンズ用ケア用剤の提供に関する。
コンタクトレンズは、含水性コンタクトレンズと非含水性コンタクトレンズに分類される。これらのコンタクトレンズの装用に際しては、レンズ表面が涙液で覆われることが必要である。レンズ表面が涙液で覆われていないと、乾燥感や汚れの付着に起因する異物感などによって装用感の低下を招く。乾燥感は装用感の低下のみならず、角結膜表面が乾燥することで、酸素不足、栄養不足などに陥ることにもなり、細胞や組織の壊死に陥り脱落していく。さらに角結膜表面が乾燥することは、細菌の繁殖による眼病の原因ともなる。また、角膜は紫外線に曝露されることで障害を受けることも知られている。そのメカニズムについては完全に解明されていないが、最近では、紫外線等の曝露により誘発される異常なアポトーシスが眼組織に悪影響を及ぼすと考えられている。
一般的なコンタクトレンズ用のケア用剤中には、洗浄、保存、消毒作用を有する成分の他に、装用感を向上させる親水性成分も含まれることが多い。コンタクトレンズの装用感とは、レンズ装着時に装用者が感じる異物感、乾燥感、くもり等をいい、一般的に、レンズの水濡れ性、保水性及び実使用による装用性などの試験によって評価されている。装用感を改善する手段としては、コンタクトレンズ材料自体を親水化する方法や、特定成分の溶液にコンタクトレンズを浸漬して、レンズ表面に濡れ性を付与する方法がある。
高粘性の親水性高分子は、その増粘効果によってレンズ表面に濡れ性を付与できることが一般的に知られ、セルロース誘導体化合物やポリビニル系化合物などによる技術が開示されている。例えば、特定の性状を有するポリビニルアルコールを含有する水溶液にコンタクトレンズを浸漬することで装用感を向上する方法(特許文献1参照)、水溶性カチオン化ポリマーと両性界面活性剤とを含有する水溶液にコンタクトレンズを浸漬することで装用感を向上する方法(特許文献2参照)などが挙げられる。
特開平10−130448号公報 特開平10−221654号公報
しかし、コンタクトレンズ用ケア用剤では、これら増粘効果によってレンズ表面に濡れ性を付与する方法は、高粘度とするとベタツキが生じて使用感が低下し、低粘度とするとその効果が発揮できず、その取り扱いが煩雑となる課題があった。また、従来からの装用感の評価方法は、レンズの水濡れ性や保水性などのレンズ材料面からの評価、及び実際にレンズを眼に入れた装用者に感想を聞いて判断する官能試験である。そこで本発明者は、新たな装用感の判断基準として、装用感にも関係する眼組織に対する影響の評価方法が必要と考えた。
そこで本発明の目的は、ベタつかず使用感が良好であり、眼に対しても安全にコンタクトレンズの装用感を向上させることができる新規なコンタクトレンズ用ケア用剤を提供することである。また、本発明の目的は、新たな装用感の判断に有用である眼組織に対する安全性を評価する方法を提供することである。
本発明は、β−グルカンを含有させることで、コンタクトレンズの装用感を改善できるコンタクトレンズ用ケア用剤を提供する。
また本発明は、コンタクトレンズをβ−グルカン含有水溶液に浸漬または接触させることで、該コンタクトレンズの装用感を改善する方法を提供する。即ち、本発明はβ−グルカンを含有したコンタクトレンズ用ケア用剤にコンタクトレンズを浸漬または接触させることでコンタクトレンズの装用感を改善するものである。
さらに本発明は、ヒト角膜上皮細胞の人工培養によって形成させたコロニーの相対的割合によって、コンタクトレンズの装用感にも影響を及ぼすコンタクトレンズ用ケア用剤の眼組織への安全性を評価する方法を提供する。従来、装用感の評価は主に実使用による試験である装用試験によってなされていたが、この方法を採用することで新たな面からの評価基準が得られると期待できる。
本発明のケア用剤は、コンタクトレンズの水濡れ性を向上できる。また、増粘作用によるベタツキがないため良好な使用感をもって装用感の向上を実感することができる。さらに、眼組織に対しても安全であり、かつ、コンタクトレンズに悪影響を及ぼさないので、浸漬または接触させて用いるだけでなく、レンズを眼に装用した状態で点眼して用いることもできる。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、β−グルカンを含有したコンタクトレンズ用溶液にコンタクトレンズを浸漬または接触させることで、コンタクトレンズの装用感を改善しえることを見出し、本発明に至ったものである。
グルカンは、グルコース同士の結合様式によってα型とβ型に分類される。α−グルカンの代表的なものにデンプンやグリコーゲンがあるが、α−グルカンは酵素により消化分解を受ける傾向があり、効果的なコンタクトレンズ用ケア用剤としては不適当である。β−グルカンの代表的なものにセルロースがあり、ヒドロキシエチルセルロースやカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体が、従来よりコンタクトレンズ表面の濡れ性付与に用いられている。しかし、β−グルカン自体がコンタクトレンズの装用感を改善できることは知られていない。
β−グルカンは多糖類の一種であり、一般的にグルコース同士の結合位置の組み合わせにより、(1−1)、(1−2)、(1−3)、(1−4)、(1−6)の5種類に分類され、自然界には(1−3)、(1−4)、(1−6)の3種が多く存在する。
本発明におけるβ−グルカンとは、1−2−β−D−グルコピラノース結合、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合、1−6−β−D−グルコピラノース結合を有するものである。本発明では、これらのうちの少なくとも2種類以上の結合を有する植物由来好ましくは穀物由来のβ−グルカン、微生物由来のβ−グルカン、担子菌由来のβ−グルカンを単独または2種類以上を混合して用いることができる。その中で、1−3−β−D−グルコピラノース結合および1−4−β−D−グルコピラノース結合よりなるβ−グルカン、1−3−β−D−グルコピラノース結合および1−6−β−D−グルコピラノース結合よりなるβ−グルカン、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合および1−6−β−D−グルコピラノース結合よりなるβ−グルカンが好ましく用いられる。
β−グルカンは天然物である植物好ましくは穀物、担子菌、微生物等から得られるものを使用できるが、より良好な効果を得るには不純物を極力低下させる必要がある。特に推奨されるものとして、アウレオバシジウム(Aureobasidium)属の微生物から得られるβ−グルカンと大麦から得られるβ−グルカンがある。前者のβ−グルカンは、栄養源である炭素源、窒素源、無機塩類及び有機栄養源を含有させた培地に当該微生物を接種し、好気的条件下で2〜8日間培養させるという公知の方法で得ることができる。培養条件や使用菌株によっては不純物を含むことがあり、その場合は公知の方法で精製することが好ましい。
また、後者のβ−グルカンは、大麦自体や糠、胚乳部位などの粉末に水、温水、塩溶液、酸、アルカリ性水溶液、有機溶媒等による抽出液を固液分離するという公知の方法で得ることができる。抽出時に抽出促進剤を加えても良いし、不純物を含む場合には公知の方法で精製することが好ましい。
この種のβ−グルカンの製造方法は、特開平06−340701号、特開平07−51080号、特開2002−97203号、特開2002−105103号、特開2004−49013号等の公報に具体的に開示されている。この中で、特開2004−49013号公報で開示されているアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pulullans)のADK−34菌株から得られるβ1−3,1−6グルカンは、高品質、高純度であるので取り扱い易く、好ましく用いられる。
また、原料穀物から直接抽出する場合には特開2002−97203号、特開2002−105103号で開示されているβ1−3,1−4グルカンも好ましく用いることができる。
一般的に、β−グルカンの重量平均分子量は、数百〜数百万程度の範囲にあると言われ、この範囲内であれば好ましく用いられるが、より好ましくは2000〜50万である。本発明の特徴の1つは、高粘度で用いても使用感がベタつかないことであるが、2000よりも小さいものは粘性が低すぎて、取り扱いが煩雑となるだけでなく良好な装用感を得ることができず、50万を超えるものは粘性が高すぎて取り扱いが煩雑となる場合がある。β−グルカンは微量でも効果を示すが、好ましい配合量は0.05〜20.0w/v%の範囲である。β−グルカンは、その種類によって配合量に対する粘性は異なるが、この配合量の範囲内であれば、実使用上の好ましい粘性が得られる。例えば、好ましい粘性が得られる目安としては、微生物由来では0.05〜2.0w/v%であり、担子菌及び穀物由来では0.50〜20.0w/v%である。
本発明で用いるβ−グルカンは、紫外域における光線に対する吸収を持つので、紫外線の曝露を防御できる作用も期待でき、また、天然物である穀物、担子菌、微生物等から抽出したβ−グルカンを使用するため安全性が高いことも大きな特徴である。
本発明で言うコンタクトレンズ用ケア用剤とは、コンタクトレンズの装着、保存、洗浄等の際に用いられる装着剤、保存剤、洗浄剤、洗浄保存剤、溶解水、消毒剤等のことである。使用方法としては本発明のケア用剤からなる溶液の中にコンタクトレンズを浸漬して用いることもできるし、コンタクトレンズ表面に接触させて用いることもできる。また、装着剤として使用する場合には、浸漬や接触による方法のみならず、コンタクトレンズを眼に装用した状態で点眼して用いることもできる。さらに形態としては溶液の他に、用時調整用の顆粒・粉末・タブレット・ゲル等にβ−グルカンを含有させて用いることもできる。
本発明のコンタクトレンズ用ケア用剤は、使用目的によって各種配合成分、例えば各種界面活性剤、各種酵素、薬剤、防腐剤、等張化剤、緩衝剤、安定化剤、キレート剤、溶解補助剤、pH調整剤、香料等を1種又は2種以上を通常使用量の範囲で適宜組み合わせて用いる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸塩、α−オレフィンスルフォン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキロイルベンザルコシンナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、アルキルアンモニウム塩等が表示できる。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。両性界面活性剤としては、N−ラウロイルアミノプリピル−N,Nジメチルグリシン、N−ジメチルグリシン、N−ラウロイルアミノプロピル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルグリシン、N−3−ドデシロキシ−2−ヒドロキシプロピル−N,N−ジメチルグリシン、アルキルグリシン等を挙げられる。
酵素としては、蛋白分解酵素、脂質分解酵素等が挙げられる。蛋白分解酵素としてはパパイン、パンクレアチン、フィシン等の植物由来のプロテアーゼ、ストレプトマイセス、バシラス等の微生物由来のプロテアーゼ、トリプシン、ペプシン等の動物由来のプロテアーゼ、脂質分解酵素としては、アルペルギルス、ストレプトマイセス、バシラス等が挙げられる。
薬剤としては、例えばグリチルリチン酸二カリウム、アラトイン、アズレンスルホン酸ナトリウム、硫酸亜鉛、塩化リゾチーム等の抗炎症剤、水溶性ビタミン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤、塩酸エピネフリン、塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン等の充血除去成分、L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、アミノエチルスルホン酸等のアミノ酸類、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等の酸性ムコ多糖類(多硫酸エステルを除く)、サルファ剤、イオウ、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール等の殺菌剤、リドカイン、塩酸リドカイン、塩酸プロカイン、塩酸ジブカイン等の局所麻酔剤、メチル硫酸ネオスチグミン等のその他の有効成分等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ポリヘキサメチレンビグアニド、グルコン酸クロルヘキシジン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安臭香酸エステル等が挙げられる。
等張化剤としては、例えば塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
緩衝剤としては、例えば、ホウ酸又はその塩(ホウ砂等)、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム等)、リン酸又はその塩(リン酸一水素ナトリウム等)、酒石酸又はその塩(酒石酸ナトリウム等)、グルコン酸又はその塩(グルコン酸ナトリウム等)、酢酸又はその塩(酢酸ナトリウム等)、各種アミノ酸等又はそれらの組み合わせが挙げられる。安定化剤、キレート剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム、シクロデキストリン、亜硫酸塩、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム等)等が挙げられる。
溶解補助剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、塩酸、クエン酸又はその塩、ホウ酸又はその塩、リン酸又はその塩、酢酸又はその塩、酒石酸又はその塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
本発明のコンタクトレンズ用ケア用剤は、その調製方法が特に制限されるものではなく、例えば上記各成分を滅菌精製水、イオン交換水等の水に溶解させた後、必要に応じてpH調整剤、等張化剤により溶液のpH、浸透圧などを適宜調整し、その後、粘度の確認、調整を行ない、次いでろ過滅菌することによって、コンタクトレンズ用ケア用剤を得ることができる。
以下、本発明における実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明のコンタクトレンズ用ケア用剤は、次の方法で評価した。
(1)水濡れ性の評価
水濡れ性の指標として接触角測定法を用いた。
実施例及び比較例で得られた溶液にハードコンタクトレンズ(シード A−1;(株)シード製)を1時間浸漬した後、精製水ですすぎ、接触角計(協和界面科学(株))を用いて液滴法によって接触角の測定を行なった。
(2)眼組織への安全性の評価
一般的に、致命的なダメージを受けた動物細胞は培養操作を行なっても十分に増殖することはない(明確なコロニーを形成しない)。この事に着目して、装用感にも影響を与える角膜の乾燥や紫外線暴露による角膜に対する悪影響など、眼組織へのダメージの程度を測ることで眼組織への安全性評価方法を見出した。
(2−1)角膜の乾燥に対する評価
乾燥させてダメージを与えた角膜細胞を培養して得られるコロニーの程度によって、乾燥による眼組織へダメージを測るモデル実験を行なった。
(使用器材)
(1) ヒト角膜上皮細胞(独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター製/以下HCE−Tという)
(2) D−MEM/F−12(1:1)(GIBCO社製)培地に牛胎児血清(10v/v%)
を加えて調製した標準培地(以下、標準培地という)
(3) 6ウェルのマイクロプレート(以下、プレートという)
(操作手順)
(1) プレートの各ウェルに標準培地を分注し、HCE−Tを播種する(100個/ウェル)。
(2) HCE−T播種後のプレートをインキュベータ(37℃、5%CO)に入れて培養を5時間行なう。
(3) 培養後、各ウェル中の標準培地を除去し、本実施例及び比較例で調整した溶液を分注し各ウェル中にあるHCE−Tと十分馴染ませた後、該溶液を除去して乾燥させる(6分間)。
(4) その後、乾燥処理でもダメージを受けなかったHCE−Tを計測するため、新たな標準培地にてインキュベータ(37℃、5%CO)中で7日間培養を行ない処置群とする。
(5) ギムザ染色液(MERCK社製)にて7日間培養後のHCE−Tを染色してコロニー数(50個以上からなる集落)を計測する。
(6) また、コントロール群としてHCE−Tを播種した(100個/ウェル)標準培地を(4)と同様に7日間培養処理して得られたコロニー数も同様に計測する。
(評価基準)
コントロール群に形成されたコロニー数に対する処置群のコロニー形成率を求めた。コントロール群との相対評価ではあるが、処置群のコロニー形成率がコントロール群(コロニー形成率100%)に近いほど、眼組織の乾燥に対する抵抗性が高いと考えられるので、これを眼組織に対する安全性の指標とした。
(2−2)角膜への紫外線曝露に対する評価
紫外線を照射してダメージを与えた角膜上皮細胞を培養して得られるコロニーの程度によって、紫外線暴露によるダメージを測るモデル実験を行なった。
(使用器材)
(1) ヒト角膜上皮細胞(独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター製/以下HCE−Tという)
(2) D−MEM/F−12(1:1)(GIBCO社製)培地に牛胎児血清(10v/v%)
を加えて調製した標準培地(以下、標準培地という)
(3) 6ウェルのマイクロプレート(以下、プレートという)
(操作手順)
(1) プレートの各ウェルに標準培地を分注し、HCE−Tを播種する(100個/ウェル)。
(2) HCE−T播種後のプレートをインキュベータ(37℃、5%CO)に入れて培養を6日間行なう。
(3) 培養後、各ウェル中の標準培地を除去し、本実施例及び比較例で調整した溶液を分注した後、直ちに1000μW/cmのUV(UV−B、302nm)を60秒間照射する。
(4) その後、紫外線照射でもダメージを受けなかったHCE−Tを計測するため、新たな標準培地にてインキュベータ(37℃、5%CO)中で24時間培養をしたものを処置群とする。
(5) ギムザ染色液(MERCK社製)にて7日間の培養後のHCE−Tを染色してコロニー数(50個以上からなる集落)を計測する。
(6) また、コントロール群としてHCE−Tを播種した(100個/ウェル)標準培地を(4)と同様に7日間培養処理して得られたコロニー数も同様に計測する。
(評価基準)
コントロール群に形成されたコロニー数に対する処置群のコロニー形成率を求め、アポトーシスの指標とした。コントロール群との相対評価ではあるが、処置群のコロニー形成率がコントロール群(コロニー形成率100%)に近いほど、眼組織の紫外線曝露に対する抵抗性が高いと考えられるので、これを眼組織に対する安全性の指標とした。
(3)コンタクトレンズに対する試験
実施例および比較例で得られた水溶液にコンタクトレンズを24時間浸漬して、浸漬前後におけるレンズのサイズ測定と目視による外観検査を行なって、下記基準により評価した。サンプルとして、ハードコンタクトレンズ(シード A−1;(株)シード製)をレンズ1、イオン性高含水ソフトコンタクトレンズ(シード ツーウィークピュア;(株)シード製)をレンズ2、非イオン性低含水ソフトコンタクトレンズ(シード ツーウィークファイン;(株)シード製)をレンズ3として選択した。
この試験では、レンズのサイズ変化の有無によって間接的に装用感を評価すると同時に、本発明のケア用剤がコンタクトレンズの外観に影響を及ぼさないことが確認できる。
○:浸漬前と浸漬後のサイズ変化が±0.05mm未満、かつ浸漬後のレンズに変色等の外観変化が見られない。
△:浸漬前と浸漬後のサイズ変化が±0.05〜0.10mmの範囲内にあり、かつ浸漬後のレンズに変色等の外観変化が見られない。
×:浸漬前と浸漬後のサイズ変化が±0.10mm以上、または浸漬後のレンズに変色等の外観変化が見られる。
(実施例1〜4)
β−グルカンとして、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pulullans)ADK−34(FERM P-18932)を定法にしたがい培養して得られたβ1−3,1−6グルカン(旭電化工業社製)をサンプル1とした。サンプル1に対してダルベッコのリン酸緩衝液(PBS(−))(和光純薬工業(株)製)および非イオン性界面活性剤であるLutrol(商標)F127(BASF社製)を、表1に示す濃度で配合し、上記評価方法に従って評価した。
(実施例5〜8)
β−グルカンとして、大麦から定法にしたがい抽出して得られたβ1−3,1−4グルカン(旭電化工業社製)をサンプル2とした。サンプル2に対してダルベッコのリン酸緩衝液(PBS(−))(和光純薬工業(株)製)および非イオン性界面活性剤であるLutrol(商標)F127(BASF社製)を、表1に示す濃度で配合し、上記評価方法に従って評価した。
(比較例1〜2)
β−グルカンを配合しない例として、ダルベッコのリン酸緩衝液(PBS(−))のみあるいは該緩衝液と非イオン性界面活性剤を組み合わせて調製した溶液の場合を、実施例1と同様の手順で評価した。
(実施例9)
実際の装用による評価
実施例1〜3及び実施例5〜7に対してβ−グルカンを配合しない比較例1を対照とし、実施例4及び8に対してはβ−グルカン配合しない比較例2を対照として、実使用による装用感の試験を行なった。
モニターとして、ハードコンタクトレンズ(シード A−1;(株)シード製)装用者5人、ソフトコンタクトレンズ(シード SXブルー;(株)シード製)装用者10人に対して、実施例1〜8、比較例1〜2で得られた水溶液に各々のコンタクトレンズを十分に接触させた後に装着させて、下記評価基準に基づいてアンケートをとった。
○:比較例の水溶液と比べて装用感が良好となった。
△:比較例の水溶液と比べても装用感が変わらない。
×:比較例の水溶液と比べて装用感が悪くなった。
上記試験の結果、ハードコンタクトレンズ装用者の場合は、5人共に○との評価であり、ソフトコンタクトレンズ装用者の場合は、10人中8人が○であり、残る2名は△との評価であった。
Figure 2007133001

Claims (3)

  1. β−グルカンを含有してなることを特徴とするコンタクトレンズ用ケア用剤。
  2. コンタクトレンズをβ−グルカン含有水溶液に浸漬または接触させることで、該コンタクトレンズの装用感を改善する方法。
  3. ヒト角膜上皮細胞の人工培養によって形成させたコロニーの相対的割合によって、コンタクトレンズの装用感にも影響を及ぼすコンタクトレンズ用ケア用剤の眼組織への安全性を評価する方法。
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