JP4528910B2 - 界面活性剤及びこの製造方法 - Google Patents
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Description
またカチオン電着塗料用の界面活性剤としては、数平均分子量500〜1500のポリプロピレングリコール(特許文献2)、ポリエーテルの両末端をアルキル化したもの(特許文献3)、またエアプロダクツ(AIRPRODUCTS)社のアセチレングリコール(非特許文献1)などが知られている。
すなわち、本発明の目的は動的表面張力低下能(抑泡性、破泡性、整泡性及び消泡性等の界面活性能を含む)及び水溶解性(又は水分散性)に優れた界面活性剤を提供することである。
非還元性の二又は三糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基(Q)を構成することができる二又は三糖類としては、蔗糖(サッカロース)、トレハロース、イソトレハロース、イソサッカロース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース及びプランテオース等が含まれる。これらのうち、動的表面張力低下能及び水溶解性等の観点から、蔗糖、トレハロース、ゲンチアノース、ラフィノース及びプランテオースが好ましく、さらに好ましくはトレハロース及び蔗糖であり、供給性及びコスト等の観点から特に好ましくは蔗糖である。これらは単独で、または混合して用いられてよい。
iは、1〜mの整数を表し、m個のniは同じ値でも異なった値でもよいが少なくとも1個は1以上である。
また、ni個のOAは、同じでも異なっていてもよく、m個の(OA)niは同じでも異なってもよい。
また、OAにオキシエチレン基と、オキシプロピレン基及び/又はオキシブチレン基とを含む場合、反応残基(Q)から離れたところにオキシプロピレン及び/又はオキシブチレンが位置することが好ましい。すなわち、反応残基(Q)にオキシエチレン基が直接結合していることが好ましい。
アルキル基としてはメチル、エチル、n−プロピル及びiso−プロピルが挙げられ、アルケニル基としては2−プロペニル及び1−プロペニルが挙げられる。これらのうち、メチル、エチル、iso−プロペニル及び2−プロペニルが好ましく、さらに好ましくはメチル、エチル及び2−プロペニル、特に好ましくはメチル及びエチルである。
m個のRは同じでも異なっていてもよい。
また複数種類のアルキレンオキシドを用いる場合、反応させる順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び使用割合には制限ないが、ブロック状又はブロック状とランダム状の組合せを含むことが好ましい。また、この場合、EOを含有することが好ましく、EOの使用割合(重量%)は、アルキレンオキシドの全重量に基づいて、2〜30が好ましく、さらに好ましくは3〜27、特に好ましくは4〜23、最も好ましくは5〜20である。すなわち、この場合、EOの使用割合(重量%)の下限は、アルキレンオキシドの全重量に基づいて、2が好ましく、さらに好ましくは3、特に好ましくは4、最も好ましくは5であり、また同様に上限は、30が好ましく、さらに好ましくは27、特に好ましくは23、最も好ましくは20である。
EOと、PO又は/及びBOとを含む場合、EOの反応後にPO及び/又はBOを反応させることが好ましい。
モノハロゲン化アルケニルとしては、1−クロロプロペン、1−ブロモプロペン、2−ブロモプロペン及び2−クロロプロペン等が挙げられる。
これらのうち、モノクロロメタン、モノブロモメタン、モノクロロエタン、モノブロモエタン、2−ブロモプロパン、2−クロロプロパン、1−クロロプロペン及び1−ブロモプロペンが好ましく、さらに好ましくはモノクロロメタン、モノブロモメタン、モノクロロエタン、モノブロモエタン、1−クロロプロペン及び1−ブロモプロペン、特に好ましくはモノクロロメタン、モノブロモメタン、モノクロロエタン及びモノブロモエタンである。
これらは単独で、または混合して使用してもよい。
一般式(1)において、m個のRのすべてが水素原子である{モノハロゲン化炭化水素(a3)を反応させない}場合、ポリオキシアルキレン化合物の曇点(℃)は、25〜55が好ましく、さらに好ましくは28〜50、特に好ましくは30〜47、最も好ましくは33〜45である。すなわち、ポリオキシアルキレン化合物の曇点(℃)の下限は、25が好ましく、さらに好ましくは28、特に好ましくは30、最も好ましくは33であり、また同様に上限は55が好ましく、さらに好ましくは50、特に好ましくは47、最も好ましくは45である。この範囲であると、動的表面張力低下能及び水溶解性がさらに良好となりやすい。
一般式(1)においてm個のRのうち、少なくとも1個がアルキル基及び/又はアルケニル基である{モノハロゲン化炭化水素(a3)を反応させる}場合、ポリオキシアルキレン化合物の曇点(℃)は、30〜55が好ましく、さらに好ましくは31〜53、特に好ましくは33〜51、最も好ましくは35〜50である。すなわち、ポリオキシアルキレン化合物の曇点(℃)の下限は、30が好ましく、さらに好ましくは31、特に好ましくは33、最も好ましくは35であり、また同様に上限は55が好ましく、さらに好ましくは53、特に好ましくは51、最も好ましくは50である。この範囲であると、動的表面張力低下能及び水溶解性がさらに良好となりやすい。
一般式(1)において、m個のRのすべてが水素原子である{モノハロゲン化炭化水素(a3)を反応させない}場合、ポリオキシアルキレン化合物の25±0.2℃、20Hzにおける0.1重量%水溶液の動的表面張力(mN/m)は、40〜50が好ましく、さらに好ましくは40〜48、特に好ましくは40〜45である。
一般式(1)においてm個のRのうち、少なくとも1個がアルキル基及び/又はアルケニル基である{モノハロゲン化炭化水素(a3)を反応させる}場合、ポリオキシアルキレン化合物の25±0.2℃、20Hzにおける0.1重量%水溶液の動的表面張力(mN/m)は、28〜45が好ましく、さらに好ましくは29〜43、特に好ましくは30〜41である。すなわちこの場合、ポリオキシアルキレン化合物の動的表面張力(mN/m)の上限は、45が好ましく、さらに好ましくは43、特に好ましくは41であり、また同様に下限は、28が好ましく、さらに好ましくは29、特に好ましくは30である。
また、20Hzと0.05Hz(表面寿命:20秒)との動的表面張力の差(mN/m)は、12以下が好ましく、さらに好ましくは11以下、特に好ましくは10以下、最も好ましくは8以下である。
界面活性剤などを含有する水溶液で新たな界面が形成された場合、その表面張力は平衡に達するまでに時間を要する。表面張力の測定法としてはリング法、プレート法などがよく知られているが、これらは平衡に達した表面張力(静的表面張力)を測定するものである。一方、動的表面張力とは平衡に至る中途過程での気液界面における表面張力であり、最大泡圧法(Maximum Bubble Pressure Method)またはバブルプレッシャー差圧法(Differential Maximum Bubble Pressure Method)等と呼ばれる方法により測定され{文献:Journal of Chemical Society,121,p858(1922);Journal of Colloid and Interface Science,166,p6(1944);ASTM D3825−90等}、新たな界面(表面)が形成された場合に、一定時間経過後の{表面寿命(Surface Age)}その界面での表面張力(mN/m)を表すものである。
例えば20Hzの動的表面張力とは新たな界面が形成されて20分の1(50ミリ)秒後の表面張力を意味する。現在では最大泡圧法に基づいた動的表面張力の自動測定機が開発され、協和界面科学社(自動・動的表面張力計BP−D3等)、KRUSS社(バブルプレッシャー型動的表面張力計クルスBP−2等)などから販売されている。
なお、ブランクとして脱イオン水の動的表面張力を同条件で測定し、20〜0.05Hzにおいて73.0〜72.0mN/mの範囲内となるようにキャピラリ(乾燥空気吐出管)の直径値を選択する。
(1)(a1)と(a2)とを反応させる方法。
(2)まず(a1)と(a2)とを反応させ、反応生成物(a12)を得る。次いで(a12)と(a3)とを反応させて反応生成物を得る方法。
(3)炭素数1〜3のモノアルコール(a4)と(a2)とを反応させ、反応生成物(モノアルコールアルキレンオキシド付加体)(a42)を得た後、(a42)をハロゲン化してアルキル(又はアルケニル)ポリオキシアルキレンハライドを得る。次いで、このハライドと(a1)と反応させる方法。
(4)(a1)と(a3)とを反応させ、反応生成物(a13)を得る。次いで(a13)と(a2)とを反応させる方法。
(5)方法(2)〜(4)において、水酸基の一部を保護基でブロックしておいてから、(a2)及び/又は(a3)を反応させた後、保護基を取り除く方法。たとえば、方法(4)において、水酸基の一部を保護基でブロックしておいてから、(a2)と反応させた後、この保護基を取り除き、(a3)と反応させる方法等が含まれる。
これらのうち好ましいのは方法(1)〜(4)、さらに好ましくは方法(1)、(2)及び(4)、特に好ましくは方法(1)及び(2)である。
これらのうち、メタノール、エタノール、iso−プロパノール及びプロペノールが好ましく、さらに好ましくはメタノール、エタノール及びプロペノール、特に好ましくはメタノール及びエタノールである。これらは単独で、または混合して使用してもよい。
水酸基の一部をブロックする保護基としては、炭素数2〜7のアシル基(アセチル、プロパノイル、ブタノイル及びベンゾイル等)等が挙げられる。このような保護基を形成できるブロック化剤としては、炭素数2〜7のカルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸及び安息香酸等)、炭素数2〜7の酸ハロゲン化物(酢酸クロリド、プロピオン酸ブロミド及び安息香酸クロリド等)、炭素数4〜8の酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸及び無水酪酸等)等が挙げられる。ブロック化反応は、公知の方法が適用できる。
反応触媒としては、通常使用されるアルキレンオキシド付加反応用触媒等が使用でき、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウム等)、アルカリ金属のアルコラート(カリウムメチラート及びセシウムエチラート等)、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸カリウム、炭酸セシウム及び炭酸バリウム等)、炭素数3〜24の3級アミン(トリメチルアミン、トリオクチルアミン、トリエチレンジアミン及びテトラメチルエチレンジアミン等)、及びルイス酸(塩化第二錫及びトリフッ化ホウ素等)等が用いられる。これらのうち、アルカリ金属の水酸化物及び3級アミン化合物が好ましく、さらに好ましくは水酸化カリウム、水酸化セシウム及びトリメチルアミンである。
反応触媒の除去の終点としては、JIS K1557−1970に記載のCPR(Controlled Polymerization Rate)値が20以下であることが好ましく、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。
反応終点の確認は、次の方法等により行うことができる。すなわち、反応温度を15分間一定に保ったとき、反応圧力(ゲージ圧)の低下が0.001MPa以下となれば反応終点とする。所要反応時間は通常4〜12時間である。
反応溶媒を用いる場合、その使用量(重量%)は、反応生成物の重量に基づいて、20〜200が好ましく、さらに好ましくは40〜180、特に好ましくは60〜150である。すなわち、この場合、反応溶媒の使用量(重量%)の下限は、反応生成物の重量に基づいて、20が好ましく、さらに好ましくは40、特に好ましくは60であり、また同様に上限は200が好ましく、さらに好ましくは180、特に好ましくは150である。
反応溶媒の除去方法としては、減圧留去及び吸着除去等が適用でき、減圧留去した後さらに吸着除去することが好ましい。減圧留去する条件としては、200〜5mmHgの減圧下にて100〜150℃にて留去する条件等が適用できる。さらに吸着除去する場合、合成アルミノシリケート等のアルカリ吸着剤{例えば、商品名:キョーワード700、協和化学工業(株)製}を用いて処理する方法等が適用できる。例えば、キョーワード700を用いる場合、アルカリ吸着剤の添加量(重量%)は、反応生成物{(a12)又は(a42)}の重量に基づいて0.1〜10程度、処理温度は60〜120℃程度、処理時間は0.5〜5時間程度である。続いて、ろ紙又はろ布等を用いてろ別してアルカリ吸着剤を取り除く。
反応終了後は生成した中和塩及び残存する塩基性物質を除去することが好ましく、その方法としては、(1)有機溶剤による抽出法及び(2)食塩等による塩析法等が挙げられる。
(2)の塩析法とは反応生成物にこれとほぼ同体積量の水と適量(水に対して3〜10重量%)の食塩等を加えて振とうすることで反応性生物を水層から析出させて、塩基性物質は水層に分離する方法である。
いずれの場合も、当該処理の後に、合成アルミノシリケートなどのアルカリ吸着剤(例えばキョーワード700)を用いて塩基性物質を完全に除去することが好ましい。
塩基性物質の除去の終点としては、JIS K1557−1970に記載のCPR(Controlled Polymerization Rate)値が20以下であることが好ましく、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。
さらに水分をも除去することが好ましい。この場合、減圧(100〜1mmHg)下100〜130℃にて1〜2時間減圧留去することにより、水分を除去できる。生成物中の水分は0.5重量%以下、さらには0.05重量%以下とすることが好ましい。
反応終点の確認は、次の方法等により行うことができる。すなわち、反応温度を15分間一定に保ったとき、反応圧力(ゲージ圧)の低下が0.001MPa以下となれば反応終点とする。所要反応時間は通常6〜12時間である。
他の界面活性剤としては、ノニオン型、カチオン型、アニオン型又は両性型の公知の界面活性剤が使用できる。ノニオン型界面活性剤としては、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加体、アルコールのアルキレンオキシド付加体、多価アルコール脂肪酸エステル、アルキルアミンのアルキレンオキシド付加体、脂肪酸アミドのアルキレンオキシド付加体、アセチレングリコールのアルキレンオキシド付加体及びポリオキシアルキレン変性シリコーン(ポリエーテル変性シリコーン)等が挙げられる。
カチオン型界面活性剤としては、アミン塩、4級アンモニウム塩、アルキレンオキシド付加型アンモニウム塩等が挙げられる。
アニオン型界面活性剤としては、脂肪酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸とその塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、N−アシルアルキルタウリン塩及びアルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
両性型界面活性剤としては、アラニン、イミダゾリニウムベタイン、アミドベタイン及び酢酸ベタイン等が挙げられる。
他の界面活性剤を含有させる場合、その含有量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物の重量に基づいて、1〜40が好ましく、さらに好ましくは5〜30、特に好ましくは10〜25である。すなわち、この場合、他の界面活性剤の含有量(重量%)の下限は、ポリオキシアルキレン化合物の重量に基づいて、1が好ましく、さらに好ましくは5、特に好ましくは10であり、また同様に上限は40が好ましく、さらに好ましくは30、特に好ましくは25である。なお、この範囲は次に説明するカーテンフローコート塗料用界面活性剤については適用されない。
ポリエーテル変性シリコーンは、ポリ(ジアルキルシロキサン)のアルキル基の一部をポリオキシアルキレン基を持つ置換基に置き換えた構造を有する。
ポリ(ジアルキルシロキサン)に含まれるアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル等が用いられ、メチル、エチル、プロピル及びフェニル等が挙げられる。
ポリ(ジアルキルシロキサン)としては、ポリジメチルシロキサン、メチルエチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー及びメチルフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン基としては、数平均分子量100〜2000のポリオキシアルキレン等が使用でき、ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン(重量比40〜95:60〜5)等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン基を持つ置換基としては、ヒドロキシ(ポリオキシアルキレン)プロピレン、メトキシ(ポリオキシアルキレン)プロピレン、エトキシ(ポリオキシアルキレン)プロピレン、ヒドロキシポリオキシアルキレン、メトキシポリオキシアルキレン、エトキシポリオキシアルキレン及びポリオキシアルキレン等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン基の含有量(重量%)は、ポリエーテル変性シリコーンの総重量に基づいて、40〜95が好ましく、さらに好ましくは45〜92、特に好ましくは50〜87、最も好ましくは55〜85である。
ポリオキシアルキレン基を持つ置換基は、シロキサン骨格の側鎖、末端及び各シロキサン骨格を連結する形に位置していてもよいが、シロキサン骨格の側鎖に位置していることが好ましい。
ポリエーテル変性シリコーンの静的表面張力(mN/m)は、20〜30が好ましく、さらに好ましくは21〜29、特に好ましくは22〜28、最も好ましくは23〜27である。この範囲であると、界面活性剤を高速塗工用水性塗料に適用した場合等に下地(被塗工材)へさらになじみやすくなる。なお、本発明において、静的表面張力は、0.05重量%水溶液についてJIS K2241:2000の7.3表面張力試験方法に準拠して測定される。
また、ポリエーテル変性シリコーンを含有する場合、必要により、さらに他の界面活性剤等を含有させることができる。
ポリエーテル変性シリコーンを含有する場合、本発明の界面活性剤は、水性塗料の高速塗工における被塗布面へのなじみ、濡れ性等を改善できるので、高速で塗工されるタイプの水性塗料{例えば、水性スプレーコート塗料、カーテンフローコート塗料、紙塗工塗料及び水性インキ(インクジェット及び高速グラビア用インキ等)}等に好適である。
なお、動的表面張力は、サンプル濃度:0.05重量%、表面寿命:50Hz(20ミリ秒)、ブランクとして脱イオン水の動的表面張力を同条件で測定し、キャピラリーの直径の選択を100〜0.05Hzにおいて73.0〜71.5mN/mの範囲内とすること以外は上記と同じである。
他の溶媒を含有させる場合、この含有量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物の重量に基づいて、1〜20が好ましく、さらに好ましくは3〜17、特に好ましくは5〜15である。すなわち、この場合、他の溶媒の含有量(重量%)の下限は、ポリオキシアルキレン化合物の重量に基づいて、1が好ましく、さらに好ましくは3、特に好ましくは5であり、また同様に上限は20が好ましく、さらに好ましくは17、特に好ましくは15である。
均一混合温度(℃)は、0〜70が好ましく、さらに好ましくは5〜60、特に好ましくは10〜50、最も好ましくは20〜40である。
カチオン電着塗料は、1)カチオン性樹脂エマルション、2)顔料ペースト、3)水性媒体からなっており、電着塗装浴に投入される直前に3者を配合、均一に混合して塗装に供される。カチオン性樹脂エマルションは、(1)カチオン変性された樹脂を、(2)それの硬化剤(ブロックドイソシアネートなど)、(3)中和剤{無機酸(塩酸及び硝酸リン酸等)又は有機酸(蟻酸、酢酸及び乳酸等)}、(4)分散助剤{有機溶媒(エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、メタノール及びエタノール等)や界面活性剤(ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル等の非イオン系界面活性剤)}等を蒸留水又は脱イオン水等に分散させて得られる。顔料ペーストは、カチオン変性された樹脂、分散助剤及び水と顔料(カオリン、タルク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、酸化亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム及びリンモリブデン酸アルミニウム亜鉛等)からなる。水性媒体は、必要により分散助剤を含んでもよい水(脱イオン水等)からなる。
(1)カチオン性樹脂エマルション又は(2)顔料ペーストに添加する場合、本発明の界面活性剤の添加量(重量%)は、エマルション又はペーストの重量に基づいて、0.01〜5が好ましく、さらに好ましくは0.05〜3、特に好ましくは0.1〜2である。すなわち、この場合、本発明の界面活性剤の添加量(重量%)の下限は、エマルション又はペーストの重量に基づいて、0.01が好ましく、さらに好ましくは0.05、特に好ましくは0.1であり、また同様に上限は、5が好ましく、さらに好ましくは3、特に好ましくは2である。
(3)電着塗料に添加する場合、本発明の界面活性剤の添加量(重量%)は、電着塗料の重量に基づいて、0.01〜3が好ましく、さらに好ましくは0.03〜2.5、特に好ましくは0.05〜2である。すなわち、この場合、本発明の界面活性剤の添加量(重量%)の下限は、電着塗料の重量に基づいて、0.01が好ましく、さらに好ましくは0.03、特に好ましくは0.05であり、また同様に上限は、3が好ましく、さらに好ましくは2.5、特に好ましくは2である。
(4)UF濾液に添加する場合、本発明の添加量(重量%)は、UF濾液の重量に基づいて、0.001〜0.3が好ましく、さらに好ましくは0.002〜0.2、特に好ましくは0.003〜0.15である。すなわち、この場合、本発明の添加量(重量%)の下限は、UF濾液の重量に基づいて、0.001が好ましく、さらに好ましくは0.002、特に好ましくは0.003であり、また同様に上限は、0.3が好ましく、さらに好ましくは0.2、特に好ましくは0.15である。
カーテンフローコート塗料に使用する場合、本発明の添加量(重量%)は、カーテンフローコート塗料の重量に基づいて、0.05〜5が好ましく、さらに好ましくは0.1〜4、特に好ましくは0.2〜3、最も好ましくは0.3〜2である。すなわち、この場合、界面活性剤の添加量(重量%)の下限は、カーテンフローコート塗料の重量に基づいて、0.05が好ましく、さらに好ましくは0.1、特に好ましくは0.2、最も好ましくは0.3であり、また同様に上限は、5が好ましく、さらに好ましくは4、特に好ましくは3、最も好ましくは2である。
水性インキに使用する場合、本発明の界面活性剤の添加量(重量%)は、水性インキの重量に基づいて、0.01〜5が好ましく、さらに好ましくは0.05〜3、特に好ましくは0.1〜2である。すなわち、この場合、本発明の界面活性剤の添加量(重量%)の下限は、水性インキの重量に基づいて、0.01が好ましく、さらに好ましくは0.05、特に好ましくは0.1であり、また同様に上限は、5が好ましく、さらに好ましくは3、特に好ましくは2である。
紙塗工塗料に使用する場合、本発明の界面活性剤の添加量(重量%)は、紙塗工塗料の重量に基づいて、0.01〜5が好ましく、さらに好ましくは0.05〜3、特に好ましくは0.1〜2である。すなわち、この場合、本発明の界面活性剤の添加量(重量%)の下限は、紙塗工塗料の重量に基づいて、0.01が好ましく、さらに好ましくは0.05、特に好ましくは0.1であり、また同様に上限は、5が好ましく、さらに好ましくは3、特に好ましくは2である。
次いで90℃にてイオン交換水85部を加えた後、キョーワード700{協和化学工業(株)製}170部を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いで同温度にてNo.2濾紙{東洋濾紙(株)製}を用いて濾過してキョーワード700を取り除き、さらに20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水して、界面活性剤(蔗糖/PO13モル/PO・EO各5モルランダム/PO40モル:A1)を得た。ブチルジグリコール25重量%水溶液によるサンプル濃度10重量%法(ISO1065−1975(E)の測定法Bに準拠;以下同じ)による(A1)の曇点は36.0℃であり、JIS K1557(1970)に準じた測定法によるCPR値(以下同じ)は3.0であった。
その後120℃、100〜5mmHgの減圧下にてDMFを留去した後50℃以下にて水酸化ナトリウム{試薬特級(有効成分96%)、シグマアルドリッチジャパン社(株)製、以後シグマ社と略記}の112部(2.8モル部、水分を減じた有効成分量、以下同じ)を加えた。減圧下攪拌しつつ昇温し80℃とした後に減圧を止めて、攪拌下同温度にてメチルクロライド{試薬特級、シグマ社(株)製}の126.3部(2.5モル部)を4時間かけて滴下した。さらに3時間同温度にて攪拌を続けた後に40℃まで冷却した。得られた反応混合物のうち500部を分液ロートに採り、イオン交換水500部とn−ヘキサン{試薬特級、シグマ社(株)製}500部を加えて振とうした後静置して分離させ、n−ヘキサン層を得た。このn−ヘキサン層は、100℃、100〜5mmHgの減圧下にてn−ヘキサンを留去した後、さらに実施例1と同様にして50部のキョーワード700にて処理して界面活性剤(蔗糖/EO5モル/PO45モル/メチルクロライド2.5モル:A14)を得た。(A14)のDMF含有量は0.01%であり、曇点は38.5℃であった。
実施例1と同様な反応容器にペンタエリスリトール136部(1モル部)、水酸化カリウム4.0部を加え80℃、20〜10mmHgの減圧下0.5時間脱水した後、同減圧下でPO1160部(20モル部)を100〜120℃にて10時間で滴下した。さらに4時間同温度に保ち残存するPOを反応させた。次いで実施例1と同様に25部の水/50部のキョーワード700にて処理して、界面活性剤(ペンタエリスリトール/PO20モル:B1)を得た。(B1)の曇点は、27.0℃、CPR値は1.5であった。
<比較例2>
実施例1と同様な反応容器にプロピレングリコール76部(1モル部)、水酸化カリウム4.0部を加え80℃、20〜10mmHgの減圧下0.5時間脱水した後、同減圧下でPO870部(15モル部)を100〜120℃にて6時間で滴下した。さらに4時間同温度に保ち残存するPOを反応させた。次いで実施例1と同様に15部の水/50部のキョーワード700にて処理して、界面活性剤(プロピレングリコール/PO15モル:B2)を得た。(B2)の曇点は、39.5℃であり、CPR値は1.5であった。
実施例1と同様な反応容器にプロピレングリコール/PO15モル付加物(B2)946部(1モル部)、水酸化カリウム200部を加え100℃、20〜10mmHgの減圧下1時間脱水した後、同減圧下、80〜90℃でメチルクロライド105部(2.04モル部)を6時間で滴下した。さらに同温度で2時間反応させた後、分液ロートを用いて反応生成物の水洗を5度繰り返した。次いで実施例1と同様にして100部のキョーワード700にて処理して、界面活性剤(プロピレングリコール/PO15モル/メチルクロライド2モル:B3)を得た。(B3)の曇点は26.5℃であり、CPR値は3.5であった。
<比較例4>
アセチレングリコール{商品名:サーフィノールDF−110D、エアプロダクツ社製、溶剤希釈品、固形分32%品}を比較用の界面活性剤(B4)とした。
実施例1と同様な反応容器に精製グラニュー糖の342部(1モル部)、DMF1000部を投入した後、実施例3と同様の方法で窒素置換した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてEO220部(5モル部)を3時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで110℃に昇温した後、この温度にてPO2610部(45モル部)を5時間かけて滴下し、さらに同温度にて4時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。その後実施例3と同様にしてDMFを除去さらに実施例1と同様にして100部のキョーワード700にて処理して、比較用の界面活性剤(蔗糖/EO5モル/PO45モル:B5)を得た。(B5)のDMF含有量は0.01%であり、曇点は43.0℃であった。
<比較例6>
実施例1と同様な反応容器にプロピレングリコール76部(1モル部)、水酸化カリウム4.0部を加え80℃、20〜10mmHgの減圧下0.5時間脱水した後、同減圧下でPO2030部(35モル部)を100〜120℃にて10時間で滴下した。さらに4時間同温度に保ち残存するPOを反応させた。次いで実施例1に準じて45部の水/250部のキョーワード700にて処理して比較用の界面活性剤(プロピレングリコール/PO35モル:B6)を得た。(B6)の曇点は20.5℃であった。
アセチレングリコール{商品名:サーフィノール−104、エアプロダクツ社製}を比較用の界面活性剤(B7)とした。
<比較例8>
ジアルキルスルホコハク酸塩{商品名:サンモリンOT−70、三洋化成工業(株)製}を比較用の界面活性剤(B8)とした。
<表面張力低下能(動的表面張力)の評価>
評価サンプルを脱イオン水に溶解して0.1%の評価サンプル水溶液を調製した。このとき、水に対する溶解性及び耐泡立ち性を評価した。さらに25±0.2℃において、クルス社製のバブルプレッシャー型動的表面張力計クルスBP−2を用いて、20Hz(表面寿命:50ミリ秒)の表面張力(T1)と0.05Hz(表面寿命:20秒)の表面張力(T2)とを測定した。そして、表面張力の差ΔT{(T1)−(T2)}を算出した。表1に、20Hzの動的表面張力(T1)、表面張力の差ΔT{(T1)−(T2)}及び標準{脱イオン水のみの表面張力}を示した。
表面張力低下能の評価と共に、水溶解性を次の3段階で評価し、表1に示した。
○:均一に溶解する。
△:白濁が見られるが、油滴、油膜の発生はない。
×:油滴、油膜の発生が見られる。
表面張力低下能の評価と共に、耐泡立ち性を次の3段階で評価し、表1に示した。
○:泡立ちが殆どない
△:泡立ちが少しある
×:泡立ちが激しい
<カチオン電着塗料のUF濾液に対する消泡性の評価>
バワーニックスエクセル1100{エポキシ高耐食性、鉛フリータイプ、日本ペイント(株)製}:脱イオン水=2:1(重量比)を均一に混合し、評価用電着塗料ベースとした。評価用電着塗料ベース100部に評価サンプル0.1部を添加して均一に混合して、溶解性の評価をした後、その約1リットルを28〜20℃に温調、旭化成(株)製UFモジュール、KCP−1010にて限外濾過して、UF濾液を約0.2リットルを得た。この濾液を評価用UF濾液とした。
<カチオン電着塗料に対する分散性の評価>
25℃に於いて次の3段階で評価し、表2に示した。
○:短時間内に均一に分散する。
△:分散に時間を要する。
×:分散し難い、又は油滴、油膜の発生が見られる。
注2;比較例7の界面活性剤(B7)は、油膜、油滴が発生したため{JIS P3801−1995;ASTM E 832に対応;2号濾紙;東洋濾紙(株)}にて濾別し、透明となった濾液を用いて評価した。
したがって、本発明の界面活性剤(実施例1〜19)が、動的表面張力低下能及び水溶性に極めて優れており、さらに耐泡立ち性にも優れていることが明らかである。なお、特許文献1に見られるような従来の技術による界面活性剤(比較例8)では0.05Hz(表面寿命:20秒)程度で初めて表面張力の低下(46.2mN/mまで低下)が観測でき、新たな表面が形成されて20秒程度を経て初めて界面活性剤としての機能を発揮し始めることが分かる。
その後実施例14と同様のn−ヘキサンによる抽出、キョーワード700による吸着処理、脱水によりポリオキシアルキレン化合物(蔗糖/PO42モル/メチルクロライド2モル:A20)を得た。(A20)のDMF含有量は0.01%であり、曇点は42.5℃であった。
次いで、このポリオキシアルキレン化合物(A20)500部及びSNウエット123{サンノプコ(株)製、曇点:83℃、静的表面張力:23mN/m}(P1)500部を均一混合して、本発明の界面活性剤(S20)を得た。
(A21)のDMF含有量は0.01%であり、曇点は35.5℃であった。
次いで、このポリオキシアルキレン化合物(A21)525部、SNウエット125{サンノプコ(株)製、曇点:87℃、静的表面張力:26mN/m}(P2)400部及び水75部を均一混合して、本発明の界面活性剤(S21)を得た。
その後実施例14と同様のn−ヘキサンによる抽出、キョーワード700による吸着処理、脱水して、ポリオキシアルキレン化合物(メレチトース/EO4モル/PO64モル/エチルクロライド1モル:A22)を得た。(A22)のDMF含有量は0.01%であり、曇点は48.5℃であった。
次いで、このポリオキシアルキレン化合物(A22)400部、SILWET FZ−2161{信越化学工業(株)製、曇点:92℃、静的表面張力:28mN/m}(P3)550部及び水50部を均一混合して、本発明の界面活性剤(S22)を得た。
次いで120℃、100〜5mmHgの減圧下にてDMFを留去した後水酸化ナトリウムの128部(3.2モル部)を加えた。120℃にて2時間減圧下脱水した後、攪拌しつつ冷却し90℃として減圧を止めて、攪拌下同温度にてメチルクロライドの151.5部(3.0モル部)を3時間かけて滴下した。さらに1時間同温度にて攪拌を続けた後に40℃まで冷却した。その後実施例14と同様のn−ヘキサンによる抽出、キョーワード700による吸着処理、脱水して、ポリオキシアルキレン化合物(蔗糖/EO6モル/PO54モル/メチルクロライド3モル:A23)を得た。(A23)のDMF含有量は0.01%であり、曇点は35.0℃であった。
次いで、このポリオキシアルキレン化合物(A23)500部、SNウエット123(A1)400部及び水100部を均一混合して、本発明の界面活性剤(S23)を得た。
SNウエット123(P1)を比較用の界面活性剤(Y9)とした。
<比較例10>
実施例1と同様な反応容器にプロピレングリコール76部(1モル部)、水酸化カリウム2.0部を加え80℃、20〜10mmHgの減圧下0.5時間脱水した後、同減圧下でEO220部(5モル部)とPO1160部(20モル部)の混合物を100〜120℃にて7時間で滴下した。さらに2時間同温度に保ち残存するEO、POを反応させた。その後水酸化ナトリウムの88部(2.2モル部)を加えて120℃にて2時間減圧攪拌下脱水した後、冷却し90℃とした後に減圧を止め、攪拌下同温度にてメチルクロライドの101部(2.0モル部)を2時間かけて滴下した。次いで1時間120℃に保ち残存するメチルクロライドを反応させた。
その後実施例14と同様のn−ヘキサンによる抽出、キョーワード700による吸着処理、脱水して、比較用のポリオキシアルキレン化合物(プロピレングリコール/(EO5モル/PO20モル)/メチルクロライド2モル:T10)を得た。(T10)の曇点は42.0℃であった。
次いで、このポリオキシアルキレン化合物(T10)425部、SNウエット123(P1)500部及び水75部を均一混合して、比較用の界面活性剤(Y10)を得た。
分岐型高級アルコール/アルキレンオキシド付加体{商品名:ライオノールTDL−50、ライオン(株)製、曇点:63.0℃}400部、SNウエット125(P2)500部及び水100部を均一混合して、比較用の界面活性剤(Y11)を得た。
25±0.2℃において、評価サンプルを脱イオン水に溶解して0.05重量%(固形分換算)の評価サンプル水溶液を調製し、25±0.2℃において、クルス社製のバブルプレッシャー型動的表面張力計クルスBP−2を用いて、50Hz(表面寿命:20ミリ秒)での表面張力を測定し、表3に記載した。
次の組成のベース塗工液をインペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザー(日本精器会社製、モデルED)を用いて調製した。JIS K5600−2−5:1999(ISO 1524:1983に対応する)に準拠して分散度を測定し、5ミクロン以上の粒の無いことを確認した。このベース塗工液990部及び界面活性剤10部を上記ホモジナイザーにて均一混合してカーテン塗工液を調製した。
重質炭酸カルシウム(カービタル90) 40部
1級カオリン(ウルトラホワイト90) 200部
2級カオリン(カオブライト) 80部
軽質炭酸カルシウム(ブリリアント15) 80部
分散剤〔サンノプコ(株)製、SNディスパーサント5040〕 2部
SBRラテックス〔ジェイエスアール(株)製JSR0629〕 83部
燐酸エステル化澱粉 20部
水 485部
次いで、このカーテン塗工液をカーテンフローコーター(フローコータ FL−W6G、アネスト岩田社製)にて塗工速度200m/分、塗工量(乾燥時の坪量)15g/m2の条件で、坪量64g/m2の上質巻き取りロール紙に塗工し、このカーテン塗工する際に発生する膜切れの回数(1分間当たりの発生回数)を数えた。数値が小さい程、塗工性に優れている。
カーテン塗工液を塗工した巻き取りロール紙をカレンダー処理(オートドライヤー L−3D、ジャポー社製、130℃、1分間、処理圧力0.3kg/cm2)して、カーテン塗工紙を得た。このカーテン塗工紙をスムースター平滑度試験機(東英電子工業(株)製、形式SM−6A)を用いて平滑度を25±0.2℃、50±5%相対湿度条件下にて、測定した。数字が小さいほど平滑性は高い。
また、本発明の界面活性剤は、消泡剤(抑泡剤、破泡剤及び整泡剤等を含む)、乳化分散剤及びこれらの原材料等として使用できる。消泡剤としては、紙塗工塗料用消泡剤、水性塗料用消泡剤、各種インキ用消泡剤、抄紙工程用消泡剤、各種合成工程用消泡剤(モノマーストリッピング用など)、また分散剤としては紙塗工塗料、水性塗料、各種インキの顔料分散剤等に、また各種水性塗料用樹脂の乳化剤として用いることができる。
本発明の界面活性剤は紙塗工塗料用、水性塗料用、各種インキ用の消泡剤、分散剤として用いる場合には、その製造工程の途中で、または仕上がった後に添加する。添加量としては仕上がった塗料、各種インキの重量に基づいて0.01〜10%が好ましい。また、抄紙工程、各種合成工程の消泡剤としては原液のまま、または水などの溶媒に希釈して直接泡立っている工程に添加できる。添加量としては対象となる発泡系に対して0.001〜1.0重量%が好ましい。また各種水性塗料用樹脂の乳化剤として用いる場合には、乳化工程にて塗料用樹脂に添加し、添加量は塗料用樹脂の重量に基づいて0.1〜10%が好ましい。
本発明の界面活性剤を添加した塗料は、通常の方法により被塗装体に塗装することができ、ハケ塗り、ローラー塗装、エアスプレー塗装、エアレス塗装、ロールコーター塗装及びフローコーター塗装及びカーテンフローコーター塗装等の塗装方法が適用できる。
Claims (21)
- 一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなることを特徴とする界面活性剤。
{R−(OA)ni−}mQ (1)
ただし、一般式(1)において、Qは非還元性の二又は三糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、OAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Rは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数3のアルケニル基及び/又は水素原子を表し、m個のR及びm個の(OA)niは同じでも異なっていてもよく、すべてのRのうち、水素原子の数は、mが4のとき0〜3、mが3のとき0〜2、mが2のとき0又は1であり、niは0〜100の整数、mは2〜4の整数、iは1〜mの整数を表し、m個のniは同じでも異なってもよいが少なくとも1個は1以上であり、OAの総数(Σni×m)は20〜100である。 - 非還元性の二又は三糖類の反応残基(Q)が蔗糖の反応残基である請求項1に記載の界面活性剤。
- 非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部と、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)20〜100モル部及び炭素数1〜3のモノハロゲン化炭化水素(a3)1〜4モル部の化学反応により製造され得る構造を有するポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなることを特徴とする界面活性剤。
- ポリオキシアルキレン化合物の曇点{ISO1065−1975(E)の測定法Bに準拠}が25〜55℃である請求項1〜3のいずれかに記載の界面活性剤。
- ポリオキシアルキレン化合物が、20Hzで28〜50mN/mの動的表面張力{0.1重量%水溶液、25℃}をもち、かつ20Hzと0.05Hzとの動的表面張力の差が12mN/m以下である請求項1〜4のいずれかに記載の界面活性剤。
- 一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物を必須成分とし、さらにポリエーテル変性シリコーンを含有してなる界面活性剤。
{R−(OA)ni−}mQ (1)
ただし、一般式(1)において、Qは非還元性の二又は三糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、OAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Rは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数3のアルケニル基及び/又は水素原子を表し、m個のR及びm個の(OA)niは同じでも異なっていてもよく、niは0〜100の整数、mは2〜4の整数、iは1〜mの整数を表し、m個のniは同じでも異なってもよいが少なくとも1個は1以上であり、OAの総数(Σni×m)は20〜100である。 - 非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)20〜100モル部及び炭素数1〜3のモノハロゲン化炭化水素(a3)1〜4モル部の化学反応により製造され得る構造を有するポリオキシアルキレン化合物;又は非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部及び炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)20〜100モル部の化学反応により製造され得る構造を有するポリオキシアルキレン化合物を必須成分とし、さらにポリエーテル変性シリコーンを含有してなる界面活性剤。
- ポリエーテル変性シリコーンの曇点{ISO1065−1975(E)の測定法B、試料10重量%}が65〜95℃、静的表面張力{0.05%水溶液/25℃}が20〜30mN/mである請求項6又は7に記載の界面活性剤。
- ポリエーテル変性シリコーン(P)とポリオキシアルキレン化合物(A)との含有比(重量比P:A)が(80〜20):(20〜80)である請求項6〜8のいずれかに記載の界面活性剤。
- 50Hzでの動的表面張力{0.05重量%水溶液/25℃}が49〜59mN/mである請求項6〜9のいずれかに記載の界面活性剤。
- 界面活性剤と水の合計重量に基づいて、水を1〜25重量%含有してなる請求項1〜10のいずれかに記載の界面活性剤。
- 水性塗料用である請求項1〜11のいずれかに記載の界面活性剤。
- カーテンフローコート塗料用である請求項1〜11のいずれかに記載の界面活性剤。
- カチオン電着塗料用である請求項1〜11のいずれかに記載の界面活性剤。
- 紙塗工塗料用である請求項1〜11のいずれかに記載の界面活性剤。
- 水性インキ用である請求項1〜11のいずれかに記載の界面活性剤。
- 非還元性の二又は三糖類(a1)、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)及び炭素数1〜3のモノハロゲン化炭化水素(a3)を反応させて得られるポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなる界面活性剤;又は非還元性の二又は三糖類(a1)及び炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)を反応させて得られるポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなる界面活性剤の製造方法であって、アミドの存在下で少なくとも(a1)と(a2)とを反応させる工程を含むことを特徴とする界面活性剤の製造方法。
- アミドがN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−(ジメチルアミノ)アセトアルデヒドジメチルアセタール及びN−メチルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項17に記載の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の界面活性剤を含んでなる水性塗料。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の界面活性剤を含んでなる紙塗工塗料。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の界面活性剤を含んでなる水性インキ。
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