JP3622112B2 - 紙塗工塗料用表面改質剤組成物およびその製造方法 - Google Patents

紙塗工塗料用表面改質剤組成物およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は顔料およびラテックスを主体とする紙塗工用塗料に使用する表面改質剤組成物に関するものである。さらに詳しくはダブル塗工紙の塗膜にピンホール等の欠陥がない平滑な表面を与え、かつ印刷適性に優れる塗工紙を得るための表面改質剤組成物およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、印刷物の高級化カラー化指向により、コート紙、アート紙、塗工板紙等の、顔料を多量に含む水性塗料を塗布した紙の要求が高まっている。これらの紙を得る方法としては、顔料、ラテックス、各種添加剤等を含む水性塗料を原紙表面に塗布、乾燥させた後、仕上げ機で塗膜に光沢をつけるシングル塗工法と、一度塗布し乾燥させた塗面上にさらに水性塗料を上塗りし、乾燥させて仕上げ機で塗膜に光沢をつけるダブル塗工法とがあるが、より優れた印刷適性、表面の白色度を求める市場の要望にこたえるため後者の塗工法が一般的となっている。また、紙の生産性の向上のため塗工速度も年々大きくなっており、上塗りをブレードコーターで実施することが標準となっているが、この塗工法においては、ストリークやピンホール等の問題が発生し易い。これは下塗りの乾燥塗面と、新たに上塗りした塗料との馴染みが十分でないために、下地への吸い込みの不均一性や塗布時に巻き込んだ微細空気により生じるものである。特にピンホールは表面光沢の低下やインキ着肉のムラ、乾燥ムラを引き起こすので印刷面の品位の低下を招き、塗工紙の価値を大きく損ねるのでこの点の解決への要望は強かった。
【0003】
従来からこれらの問題を解決する方法として、上塗り塗料または下塗り塗料に濡れ性(湿潤性)を付与するため各種の界面活性剤を添加することが行われていたが、この界面活性剤自体が発泡性を持ち、この泡に起因するピンホールが発生することがあった。これを防ぐために各種消泡剤を新たに添加する必要が生じるが、十分な消泡性を得られるタイプではさらにハジキ、クレーターという問題が発生し易い。そこで一液で十分な湿潤性を与えかつ泡の発生を押さえて平滑な塗工表面を得る表面改質剤の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来の技術では平滑な塗工表面を得ることにおいて十分ではなかった。よって本発明の目的は一液の添加で十分な濡れ性、消泡性等を付与し、平滑な塗工表面を形成して印刷適性に優れる塗工紙を得ることのできる表面改質剤組成物およびその製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果本発明に到達した。すなわち本発明は、非還元性の二、三糖類に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを重合させた化合物[A]と、炭素数8〜15の分岐アルキル基を有する一級モノアルコールまたは炭素数8〜15の直鎖アルキル基を有する二級モノアルコールに、炭素数2〜3のアルキレンオキシドを重合させた化合物[B]とからなり、[A]が非還元性の二、三糖類に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを10〜100モル重合させ、ブチルジグリコール25%水溶液法での曇点が30〜60℃である紙塗工塗料用表面改質剤組成物および[A]をアルキルアミド類の共存下にて得る製造方法、である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明における非還元性の二、三糖類とは、二つまたは三つの単糖がともにヘミアセタール水酸基によって結合している糖類のことで蔗糖、トレハロース、ラフィノース、ゲンチアノースなどが挙げられる。このうち特に好ましいのは蔗糖であり、微粉末化した精製ザラメ糖もしくはグラニュー糖が挙げられる。また、該糖類に付加重合させる炭素数2〜4のアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド(以下、EOと略記)、プロピレンオキシド(以下、POと略記)およびブチレンオキシドが挙げられる。これらのアルキレンオキシドのうち好ましいのはPO、1,2−ブチレンオキシド(以下、BOと略記)である。
【0007】
本発明において該糖類へのアルキレンオキシドの重合モル数は10〜100であり、好ましくは15〜90である。10モルより低い場合、または100モルを越える場合は塗工表面の改質性が十分でなくなる。アルキレンオキシドの付加重合の順序は特に限定されず、また重合形式もブロック、ランダム何れでもよい。
【0008】
本発明において該糖類へのアルキレンオキシドの重合反応は、窒素原子が活性水素を持たないタイプのアルキルアミド類、特にN,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドの存在下にて実施するのが好ましい。このとき、該糖類/アルキルアミド類の質量比は好ましくは2/1〜1/10、さらに好ましくは1/2〜1/6である。なお、該糖類へアルキレンオキシドを5〜10モル程度重合させた後は、引き続きアルキルアミド類の存在下にて重合させてもよく、また、一旦アルキルアミド類を留去させ、その後は通常の方法にてアルキレンオキシドを目的とするモル数まで重合させてもよい。なお、前者の場合には重合後はアルキルアミド類を留去させ、必要があれば吸着剤等による公知の方法にて処理して精製する。なお精製工程を経た場合でも、アルキルアミド類はごく少量は残存し、通常10〜1ppmは検出される。よって残存物の同定を実施することで製造方法の確定ができる。
【0009】
本発明において、該糖類へアルキレンオキシドを5〜10モル程度重合させた後アルキルアミド類を取り除いた場合は、アルカリあるいはアルカリ土類の水酸化物または炭酸塩等を触媒として用いて重合を継続させる。これらのうち好ましくは、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸セシウム等である。触媒の使用量は重合反応に関与する該糖類と劾アルキレンオキシドの合計質量に対して0.01〜2.0%の範囲であり、好ましくは0.05〜1.0質量%である。
【0010】
本発明において曇点とは非イオン系界面活性剤の親水性の尺度となるもので、曇点の高い化合物ほど親水性が大きいことを表わしている。本発明での測定法はISO1065−1975(E)、「エチレンオキシド系非イオン界面活性剤−曇り点測定法」の中の「測定法B」に準じた。すなわち、まず25質量%のブチルジグリコール(ブタノール/EO2モル付加物)水溶液に、試料を10質量%濃度になるように溶解する。次いでこの試料溶液約5ccを試験管に採り、試験管中に温度計を入れて攪拌しながら徐々に加熱するとついには試料溶液が白濁する。試料溶液が完全に白濁する温度を読みとり、これを曇点とする。本発明の組成物の曇点は30〜60℃、好ましくは35〜55℃である。曇点が60℃を越えても、また30℃を下廻っても親水性/疎水性のバランスが崩れて十分な塗工表面の改質効果が得られない。
【0011】
本発明において[A]に含有されるN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドの定量には一般的に内部標準/検量線方式によるガスクロマトグラフィーを用いるが、これに限定されるものではない。同法によれば0.01ppm程度までの測定が可能である。
【0012】
本発明において[B]の炭素数8〜15の分岐アルキル基を有する一級モノアルコールまたは炭素数8〜15の直鎖アルキル基を有する二級モノアルコールとは、いわゆるY字型構造を持ち、かつ炭素数8〜15のアルキル基を持つアルコールのことで、主にオキソ法、チーグラー法などによる合成アルコールである。例えば2−エチルヘキシルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルオクタノールおよびノルマルパラフィン酸化法による炭素数12〜14の直鎖のアルキル基を持つソフタノール[株式会社日本触媒製]またはこれらの混合物等が挙げられる。水酸基はできるだけアルコール分子の中央部にあることが好ましい。炭素数の平均値が8未満または15を越えると、[A]の塗工表面の改質効果の発現を助長することができない。
【0013】
本発明において[B]の製造に用いる炭素数2〜3のアルキレンオキシドとしては、EO、POが挙げられる。付加モル数は2〜6、好ましくは3〜5である。アルキレンオキシドの付加モル数が2〜6モルの範囲を超えると[A]の塗工性改善効果の発現を助長することができない。アルキレンオキシドの付加重合の順序は特に限定されず、その重合形式もブロック、ランダム何れでもよい。
【0014】
本発明において表面張力とは、ジュヌーイ型表面張力計で測定する静的表面張力のことである。本発明の[B]の表面張力は、25℃、0.1%水溶液での測定で40mN/m以下、好ましくは38mN/m以下の値であることが望ましい。40mN/mを超える場合は[A]の効果の発現を助長することができない。
【0015】
本発明において[A]/[B]の比は質量に基づいて100/0〜90/10であり、好ましくは98/2〜92/8である。[B]が10を超えると[A]の効果の発現を妨げる。
【0016】
本発明において、付加重合反応は通常の条件下で実施されてよく、例えば温度は80〜130℃、好ましくは90〜110℃である。また、重合中の圧力(ゲージ圧)は0.8MPa以下、好ましくは0.5MPa以下である。
【0017】
本発明において、重合により得られる該重合体からの触媒除去の方法としては、例えば特公昭47−3745号公報に記載のように、酸性成分によりアルカリ性触媒を中和し、生じた塩を濾過除去する方法、特開昭53−123499号公報のアルカリ吸着剤を用いる方法、特公昭49−14359号公報の溶媒に溶かして水洗する方法、特開昭51−23211号公報のイオン交換樹脂を用いる方法、特公昭52−33000号公報のアルカリ性触媒を炭酸ガスで中和して、生じた炭酸塩を濾過する方法および各種有機酸、無機酸により中和する方法などがあるが、そのいずれを用いても差し支えない。
【0018】
本発明の紙塗工塗料用表面改質剤組成物は水に可溶性または易分散性のため、いずれのpH領域の紙塗工用塗料にも任意の割合でかつ直接添加することが可能である。顔料およびラテックスを主体とする紙塗工用塗料に添加すれば少量で紙塗工用塗料に高い湿潤性、消泡性等を付与するので良好なダブル塗工性を与え、ピンホール等紙面の欠陥の発生を防止する。また、添加する塗料は下塗り、上塗りのいずれの塗料側でも構わないが、双方に用いればより良好な結果を得ることができる。
【0019】
紙塗工用塗料は、1)クレイ、炭酸カルシウムなどの無機顔料、ポリスチレン系プラスチックピグメントなどの有機顔料、2)スチレンブタジエンラテックス、アクリル系樹脂エマルション、酢酸ビニル系樹脂エマルション、塩化ビニル系樹脂エマルション、ABSラテックス、NBRラテックス、CRラテックスなどのラテックス、3)澱粉等の粘度調整剤、4)酸化防止剤、潤滑剤、紫外線吸収剤、耐水化剤、防腐防黴剤、消泡剤、分散剤、香料などの添加剤および、5)保水剤、流動特性改質剤等と、6)分散媒である水、からなるが、塗料中の固形分量は通常30〜70質量%、本発明の表面改質剤組成物の添加量は塗工用塗料に対して0.1〜5質量%、好ましくは0.3〜3質量%である。
【0020】
本発明の紙塗工塗料用表面改質剤組成物を添加した紙塗工用塗料は公知の方法で、例えばエアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ロッドコーターなどにより紙にコーティングできる。コーティング後、乾燥し必要に応じてスーパーカレンダーリングなどのカレンダーリング仕上げを行う。コーティング温度は通常10〜60℃、乾燥温度は通常80〜150℃、スーパーカレンダーリングあるいはソフトニップカレンダーリングの温度は通常30〜160℃である。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例や試験方法などにおける部は質量部を意味する。尚、評価結果は表1に記載した。
【0022】
[評価用の下塗り塗料の作成]
実施例、比較例および標準例に用いる(ただし、実施例6は別記)下塗りの紙塗工用塗料の組成は下記のとおりとした。
重質炭酸カルシウム(カービタル90) 70部
2級カオリン(カオブライト) 30部
分散剤〔サンノプコ(株)製、SNディスパーサント5040〕 0.2部
SBRラテックス〔ジェイエスアール(株)製JSR0629〕 10部
燐酸エステル化澱粉 10部
水酸化ナトリウム(50%水溶液) 0.2部
水 120部
合計 240.4部
【0023】
[評価用の上塗り塗料の作成]
実施例、比較例に用いる(ただし、実施例6は別記)上塗りの紙塗工用塗料の組成は下記のとおりとした。
重質炭酸カルシウム(カービタル90) 10部
1級カオリン(ウルトラホワイト90) 50部
2級カオリン(カオブライト) 20部
軽質炭酸カルシウム(ブリリアント15) 20部
分散剤〔サンノプコ(株)製、SNディスパーサント5040〕 0.2部
SBRラテックス〔ジェイエスアール(株)製JSR0629〕 20部
燐酸エステル化澱粉 5部
紙塗工塗料用表面改質剤組成物またはそれに替わるもの 2.0部
水 120部
合計 247.2部
【0024】
[標準例用の上塗り塗料の作成]
標準例に用いる上塗りの紙塗工用塗料の組成は下記のとおりとした。
重質炭酸カルシウム(カービタル90) 10部
1級カオリン(ウルトラホワイト90) 50部
2級カオリン(カオブライト) 20部
軽質炭酸カルシウム(ブリリアント15) 20部
分散剤〔サンノプコ(株)製、SNディスパーサント5040〕 0.2部
SBRラテックス〔ジェイエスアール(株)製JSR0629〕 20部
燐酸エステル化澱粉 5部
湿潤剤〔サンノプコ(株)製SNウェット50〕 2.0部
消泡剤〔サンノプコ(株)製SNデフォーマー777〕 0.5部
水 120部
合計 247.7部
【0025】
[平滑度、白紙光沢の評価]
[評価用の下塗り塗料の作成]で得た下塗り塗料を市販中質紙(坪量63g/m2)の片面に塗工量が10g/m2になるように塗工速度40m/minでブレード塗工し、下塗り原紙を得た。次いで乾燥後、[評価用の上塗り塗料の作成、標準例用の上塗り塗料の作成]で得た上塗り塗料を下塗りの塗面上に塗工量が13g/m2になるように塗工速度60m/minでブレード塗工した。次いで得られた塗工紙をスーパーカレンダー処理(条件;温度40℃、線圧60Kg/cm、2回通し)を行い評価用紙とした。
【0026】
平滑度:スムースター平滑度試験機(東英電子工業(株)製、形式SM−6A)を用いて平滑度を測定した。数字が小さいほど平滑性は高い。
【0027】
白紙光沢:JIS.P8142法に準じて、日本電色(株)製光沢度計を用い、75度光沢を測定した。数字が大きいほど白紙光沢は高い。
【0028】
[印刷適性]
上記の[平滑度、白紙光沢の評価]で得た評価用紙に、ローランドオフセット印刷機を使用し、湿し水が給水過多の条件と適正な条件で印刷し、12時間室温にて静置した。印刷適性評価はシアンの単色の網点の面積率が50%の印刷部について目視により評価した。評価は下記の4段階とした。
◎(優) :湿し水が給水過多の条件でも印刷ムラが発生しない。
○(良) :湿し水が給水過多の条件でごくわずかな印刷ムラが発生する。
△(可) :湿し水が給水過多の条件で比較的広い面積で印刷ムラが発生する。
×(不可):湿し水が適正な給水の条件で比較的広い面積で印刷ムラが発生する。
【0029】
製造例1
加熱、冷却、EO、PO等の滴下、攪拌可能な耐圧反応容器にグラニュー糖の1モル342部、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記)1000部を仕込み、乾燥窒素にて置換する。次いで100℃にて攪拌しながら、POの8モル464部を0.2MPa以下に保ちつつ滴下させる。10時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで減圧下同温度にてDMFを留去させ、ベース−1(蔗糖/PO8モル)を合成した。
【0030】
製造例2
製造例1と同様な耐圧反応容器にベース−1の1モル、806部および水酸化カリウム(試薬特級、以下同じ)3.0部を仕込み120℃にて減圧脱水を実施、次いで100℃にてBOの4モル288部を0.2MPa以下に保ちつつ滴下させる。5時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで90℃にてイオン交換水20部(以下、得られた重合物の1.5質量%とする)を加えた後、アルカリ吸着剤であるキョーワード600[協和化学工業(株)製]68部(以下、得られた重合物の5.0質量%とする)を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いでヌッチェ/吸引瓶を用いて同温度にてNo.2濾紙[東洋濾紙(株)製]越しに濾過して触媒を吸着除去する。さらにろ過物を減圧下120℃にて脱水処理して、蔗糖糖/PO8モル/BO4モル重合物、曇点59℃、DMF含有量1.5ppmのサンプル[A−1]を得て試験に供した。
【0031】
製造例3
製造例1と同様な耐圧反応容器にベース−1の1モル、806部および水酸化カリウム6.5部を仕込み120℃にて減圧脱水を実施、次いで100℃にてPOの32モル1856部を0.4MPa以下に保ちつつ滴下させる。11時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで製造例2と同様な処理をして、蔗糖/PO40モル重合物、曇点44℃、DMF含有量0.7ppmのサンプル[A−2]を得て試験に供した。
【0032】
製造例4
製造例1と同様な耐圧反応容器にラフィノース(試薬特級)の1モル504部、DMF1000部を仕込み、乾燥窒素にて置換させる。次いで100℃にて攪拌しながら、POの30モル1740部を0.4MPa以下に保ちつつ滴下させ、さらにBOの3モル216部を0.2MPa以下に保ちつつ滴下させる。15時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで減圧下同温度にてDMFを留去させ、ラフィノース/PO30モル/BO3モル重合物、曇点38℃、DMF含有量1.0ppmのサンプル[A−3]を得て試験に供した。
【0033】
製造例5
製造例1と同様な耐圧反応容器にベース−1の1モル、806部および水酸化カリウム14.5部を仕込み120℃にて減圧脱水を実施、次いで100℃にてPOの87モル5046部を0.4MPa以下に保ちつつ滴下させる。14時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで製造例2と同様な処理をして、蔗糖/PO95モル重合物、曇点32℃、DMF含有量0.4ppmのサンプル[A−4]を得て試験に供した。
【0034】
製造例6
製造例1と同様な耐圧反応容器にグラニュー糖の1モル342部、トリメチルアミン(有効成分70%の水溶液)5部を仕込み、乾燥窒素にて置換する。次いで100℃にて攪拌しながら、POの10モル580部を0.5MPa以下に保ちつつ滴下させる。15時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで水酸化カリウム8.0部を仕込み120℃にて減圧脱水を実施後100℃にてPOの45モル2610部を0.5MPa以下に保ちつつ滴下させる。12時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで製造例2と同様な処理をして、蔗糖/PO55モル重合物、曇点41℃のサンプル[A−5]を得て試験に供した。
【0035】
製造例7
ベース−1を製造例2と同様な処理をして、蔗糖/PO8モル重合物、曇点83℃、DMF含有量2.5ppmのサンプル[a−1]を得て試験に供した。
【0036】
製造例8
製造例1と同様な耐圧反応容器にベース−1の1モル、922部および水酸化カリウム17部を仕込み120℃にて減圧脱水を実施、次いで100℃にてPOの102モル5916部を0.4MPa以下に保ちつつ滴下させる。25時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで製造例2と同様な処理をして、蔗糖/PO110モル重合物、曇点26℃、DMF含有量0.3ppmのサンプル[a−2]を得て試験に供した。
【0037】
製造例9
製造例1と同様な反応容器にイソデシルアルコール[エクソン化学(株)製、EXXAL10]1モル153部に水酸化カリウム0.3部を加え、常温にて減圧下脱気の後POの2モル116部を110℃にて約4時間で、次いでEOの2モル88部を120〜130℃にて約2時間で反応させた。次いで製造例2と同様にして触媒を吸着除去、脱水処理して、イソデシルアルコール/PO2モル/EO2モル付加物のサンプル[B−1]を得た。表面張力は36mN/mであった。
【0038】
製造例10
製造例1と同様な反応容器にソフタノール30[(株)日本触媒製、ソフタノール/EO3モル品]1モル335部に水酸化カリウム0.2部を加え、80℃にて減圧下脱気の後、POの2モル116部を100℃にて約4時間で反応させた。次いで製造例2と同様にして触媒を吸着除去、脱水処理して、ソフタノール/EO3モル/PO2モル付加物のサンプル[B−2]を得た。表面張力は33mN/mであった。
【0039】
製造例11
製造例1と同様な反応容器にn−ドデカノール1モル186部に水酸化カリウム0.4部を加え、100℃にて減圧下脱水の後、EOの3.5モル154部を130℃にて約3時間で付加重合させた。次いで製造例2と同様にして触媒を吸着除去、脱水処理して、n−ドデカノール/EO3.5モル付加物のサンプル[b−1]を得た。表面張力は47mN/mであった。
【0040】
製造例12
製造例1と同様な反応容器に2−ブチルオクタノール1モル186部に水酸化カリウム0.8部を加え、常温にて減圧下脱気の後、POの3モル174部を100〜110℃にて約4時間で反応させた。次いでEOの7モル308部を120〜130℃にて約4時間で反応させた。次いで製造例1と同様にして触媒を吸着除去、脱水処理して、2−ブチルオクタノール/PO3モル/EO7モル付加物のサンプル[b−2]を得た。表面張力は44mN/mであった。
【0041】
実施例1
[評価用の上塗り塗料の作成]で、紙塗工塗料用表面改質剤組成物またはそれに替わるもの、として、製造例−2作成のサンプル[A−1]2.0部を配合した塗料を作成、これを用いて評価した。(以下、実施例4、5、6を除いて評価用の上塗り塗料に添加する湿潤剤組成物のサンプル名のみを記載する)
【0042】
実施例2
[A−2]/[B−1]=97/3の配合品を用いた。
【0043】
実施例3
[A−3]を用いた。
【0044】
実施例4
[A−5]/[B−2]=93/7の配合品を4.5部(合計は249.7部となる)用いた。
【0045】
実施例5
[A−1]/[A−4]/[B−2]=40/55/5の配合品を1.0部(合計は246.2部となる)用いた。
【0046】
実施例6
[A−2]を下塗り塗料と上塗り塗料に分け、[評価用の下塗り塗料の作成]で0.5部(下塗り塗料の合計は240.9部となる)、[評価用の上塗り塗料の作成]で1.0部(上塗り塗料の合計は246.2部となる)を用い、それぞれの塗料を用いて評価した。
【0047】
標準例1
標準例用の紙塗工用塗料を用いて評価した。
【0048】
比較例1
[a−1]/[b−1]=90/10を1.5部用いた。
【0049】
比較例2
[a−2]/[b−2]=95/5を1.5部用いた。
【0050】
比較例3
[A−1]/[B−1]=85/15の配合品を用いた。
【0051】
比較例4
アルギン酸ソーダ[君津化成(株)製、キミツアルギンL−2]を有効成分として1.5部、およびSNデフォーマー777を0.5部用いた。
【0052】
比較例5
ヒドロキシエチルセルロース[ダイセル化学(株)製、SP−800]を有効成分として1.5部、およびSNデフォーマー777を0.5部用いた。
【0053】
【表1】
Figure 0003622112
【0054】
【発明の効果】
本発明による紙塗工塗料用表面改質剤組成物は塗料の塗工性、とくにダブル塗工性を改善し、また別途に消泡剤を用いなくともピンホール等の紙欠陥のない良好な表面平滑性を与えることができ、かつ良好な印刷適性が得られるので、紙塗工塗料用の表面改質剤として有効である。また、本発明の製造方法は本表面改質剤組成物を得るのに最適である。

Claims (10)

  1. 非還元性の二、三糖類に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを重合させた化合物[A]と、炭素数8〜15の分岐アルキル基を有する一級モノアルコールまたは炭素数8〜15の直鎖アルキル基を有する二級モノアルコールに、炭素数2〜3のアルキレンオキシドを重合させた化合物[B]からなり、[A]が非還元性の二、三糖類に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを10〜100モル重合させ、ブチルジグリコール25%水溶液法での曇点が30〜60℃である紙塗工塗料用表面改質剤組成物。
  2. [A]をなす非還元性の二、三糖類が蔗糖である、請求項1 記載の紙塗工塗料用表面改質剤組成物。
  3. [A]をなすアルキレンオキシドがプロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドである、請求項1又は2記載の紙塗工塗料用表面改質剤組成物。
  4. [B]が炭素数8〜15の分岐アルキル基を有する一級モノアルコールまたは炭素数8〜15の直鎖アルキル基を有する二級モノアルコールに、炭素数2〜3のアルキレンオキシド2〜6モルを重合させた化合物で、0.1質量%水溶液、25℃での表面張力が40mN/m以下である、請求項1〜3のいずれか記載の紙塗工塗料用表面改質剤組成物。
  5. [A]/[B]が質量比で98/2〜92/8である、請求項1〜のいずれか記載の紙塗工塗料用表面改質剤組成物。
  6. 印刷用紙向け塗工塗料用の表面改質剤である、請求項1〜のいずれか記載の紙塗工塗料用表面改質剤組成物。
  7. 印刷用紙向けのダブル塗工塗料用の表面改質剤である、請求項1〜のいずれか記載の紙塗工塗料用表面改質剤組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか記載の紙塗工塗料用表面改質剤組成物を得る方法において、アルキルアミド類の共存下で非還元性の二、三糖類に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを重合させることを特徴とする紙塗工塗料用表面改質剤組成物の製造方法。
  9. アルキルアミド類がN,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドである、請求項記載の紙塗工塗料用表面改質剤組成物の製造方法。
  10. N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドを 含有する、請求項1〜のいずれか記載の紙塗工塗料用表面改質剤組成物。
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