JP6155451B2 - 消泡剤及びこれを含有してなる水系コーティング組成物 - Google Patents
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Description
たとえば、カチオン電着塗料の場合、従来からUF濾液(限界ろ過膜によってろ過した濾液;以下同じ。)での泡コントロール性が重視されていたが、塗料の高発泡化により益々困難となっている。また、泡コントロールのための消泡剤の使用がコーティング膜の仕上がり性等に大きな影響を与えることから、水洗後の水滴痕や乾きムラ、ハジキ等を低減できる機能も消泡剤に求められている。
電着塗料等の消泡剤としては従来からエアプロダクツ(AIRPRODUCTS)社のアセチレングリコール(非特許文献1)などが知られている。
また、コーティング膜の仕上がり性(水洗等による水滴痕や乾きムラ、残泡痕、及びレベリング性等)の改善を目的としてポリオキシアルキレン化合物からなる消泡剤(特許文献1)等が提案されている。
また、特許文献1に記載の消泡剤では、泡のコントロール性(泡切れ、抑泡性等)、特に冬場の低温時(UF濾液の温度が夏場の30℃から25℃程度に低下)に満足できるレベルでないという問題がある。
すなわち、本発明の目的は、高いコーティング膜の仕上がり性(水洗等による水滴痕や乾きムラ、残泡痕等を防止し且つレベリング性等を付与することを意味し、以下、「表面調整機能」と略記する。)を発揮し、且つ低温時の泡のコントロール性(泡切れ、抑泡性等)に優れた消泡剤を提供することである。
すなわち、本発明の消泡剤の特徴は、一般式(1)で表されるグリシジル化合物(GL)を含有してなる点を要旨とする。
{G(-OA)n}p-Q-{(AO-)nH}t−p (1)
pは1〜4の整数である。但し、tの値は、pの値以上である。すなわち、t≧pである。
なお、表中、「(−OA)n」、「p」、「Q」、「(AO−)n」、「t−p」は、一般式(1)に対応しており、「P」はオキシプロピレン基、「E」はオキシエチレン基、「B」はオキシブチレン基を表し、これらの添え字(数字)はそれぞれの個数を表す。また、「Q1」は蔗糖から3個の1級水酸基の水素原子を除いた反応残基、「Q2」はトレハロースから2個の1級水酸基の水素原子を除いた反応残基、「Q3」はメレチトースから4個の1級水酸基の水素原子を除いた反応残基、「・」はこの・の前後のオキシアルキレン同士がランダム状に結合していること{たとえば、(−P5・B5)はオキシプロピレン基5個とオキシブチレン基5個がランダム状に結合していること}を、「/」はこの/の前後のオキシアルキレン同士がブロック状に逐次結合していること{たとえば、(−P20/B5)はまずオキシプロピレン基が20個、次いでオキシブチレン基が5個結合していること}を表す。
Q-{(AO-)nH}t (2)
塩基の使用量{モル数}は、反応するエピハロヒドリンのモル数(設計値:未反応となる過剰モル数を含まない。)をNとすると、N±0.1が好ましく、さらに好ましくはNである。
反応温度(℃)としては、30〜90程度が好ましく、さらに好ましくは50〜70である。
反応雰囲気としては、エピハロヒドリンを反応系に導入する前に反応装置内を不活性ガス(アルゴン、窒素及び二酸化炭素等)の雰囲気とすることが好ましい。
濾過温度(℃)としては、30〜100程度が好ましく、さらに好ましくは50〜90である。
減圧留去する場合、圧力{ゲージ圧(以下同じ)}は、−0.05〜−0.098MPa程度が好ましく、温度は、60〜100℃程度が好ましい。
ノニオン型界面活性剤としては、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加体、アルコールのアルキレンオキシド付加体、多価アルコール脂肪酸エステル、アルキルアミンのアルキレンオキシド付加体、脂肪酸アミドのアルキレンオキシド付加体、アセチレングリコールのアルキレンオキシド付加体及びポリオキシアルキレン変性シリコーン等が挙げられる。
カチオン型界面活性剤としては、アミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキレンオキシド付加型アンモニウム塩等が挙げられる。
アニオン型界面活性剤としては、脂肪酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸とその塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、N−アシルアルキルタウリン塩及びアルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
両性型界面活性剤としては、アラニン、イミダゾリニウムベタイン、アミドベタイン及び酢酸ベタイン等が挙げられる。
水としては、イオン交換水、蒸留水、水道水及び工業用水等が挙げられる。
水溶性有機溶剤としては、炭素数1〜3のアルコール(メタノール、エタノール及びイソプロパノール等)、炭素数3〜6のケトン(アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)、炭素数2〜6のエーテル(ジメチルエーテル、エチルセロソルブ及びブチルセロソルブ等)及び炭素数4〜6のエーテルエステル(ブチルセロソルブアセテート等)等が挙げられる。
本発明の消泡剤を水性コーティング組成物に適用した場合、特に低温時での消泡性の改善が図れ、又ハジキ等の塗膜欠損を効果的に抑えることができるのでコーティング膜面への優れた表面調整機能を発揮する。
一方、焼付け型の水性コーティング組成物に適用する場合、本発明の消泡剤は、塗装工程直前に、また電着塗料の場合には塗装後の水洗工程で、水洗に供するUF濾液に添加するのが好ましい。一方、本発明の消泡剤を電着塗料に添加しておく(特に、添加した後保存しておく)と、塗料中の樹脂と本発明の消泡剤との反応が進行して次第に消泡効果を発揮しなくなる。
加熱、攪拌、冷却、滴下、窒素による加圧及び真空ポンプによる減圧の可能な耐圧反応容器に、精製グラニュー糖{台糖(株)製}342部(1モル部)及びN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略する。)600部を投入した後、「窒素ガスを用いて、ゲージ圧で0.4MPaになるまで加圧し、次いで0.02MPaになるまで排出する操作を3回繰り返した」(以下、この「 」内の操作を窒素置換と略する。)。さらに、攪拌しつつ100℃まで昇温した後、この温度にてプロピレンオキシド(po)870部(15モル部)を7時間かけて滴下し、次いでこの温度にて3時間攪拌を続けて残存する(po)を反応させた。次いでDMFを減圧(−0.05〜−0.098MPa:以下、単に「減圧」と略する。)下に留去し、ポリオキシアルキレン化合物前駆体(1){蔗糖/(po)15モル付加物}を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物前駆体(1){蔗糖/(po)15モル付加物}1212部(1モル部)及び水酸化カリウム4部を加えて脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、(po)870部(15モル部)を4時間かけて滴下し、さらに120℃にて4時間攪拌を続けた。次いで精製処理し、ポリオキシアルキレン化合物(P2){蔗糖/(po)30モル付加物}を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物前駆体(1){蔗糖/(po)15モル付加物}1212部(1モル部)及び水酸化カリウム5部を加えて脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、(po)1450部(25モル部)を5時間かけて滴下し、さらに120℃にて4時間攪拌を続けた。次いで精製処理し、ポリオキシアルキレン化合物(P3){蔗糖/(po)40モル付加物}を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P2){蔗糖/(po)30モル付加物}2082部(1モル部)及び水酸化カリウム7部を加えて脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、(po)1160部(20モル部)を6時間かけて滴下し、さらに120℃にて4時間攪拌を続けた。次いで精製処理し、ポリオキシアルキレン化合物(P4){蔗糖/(po)50モル付加物}を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P2){蔗糖/(po)30モル付加物}2082部(1モル部)及び水酸化カリウム8部を加えて脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、(po)1740部(30モル部)を7時間かけて滴下し、さらに120℃にて4時間攪拌を続けた。次いで精製処理し、ポリオキシアルキレン化合物(P5){蔗糖/(po)60モル付加物}を得た。
製造例1と同じ反応容器に、トレハロース{試薬特級、和光純薬工業(株)製}342部(1モル部)及びDMF800部を投入した後、窒素置換を実施した。次いで攪拌しつつ100℃まで昇温した後、この温度にて(po)1160部(20モル部)を7時間かけて滴下し、さらにこの温度にて3時間攪拌を続けて残存する(po)を反応させた。次いでDMFを減圧下に留去し、ポリオキシアルキレン化合物(P6){トレハロース/(po)20モル付加物}を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P6){トレハロース/(po)20モル付加物}1502部(1モル部)及び水酸化カリウム6部を加えて脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、(po)1160部(20モル部)を7時間かけて滴下し、さらに120℃にて4時間攪拌を続けた。次いで精製処理し、ポリオキシアルキレン化合物(P7){トレハロース/(po)40モル付加物}を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P7){トレハロース/(po)40モル付加物}2662部(1モル部)及び水酸化カリウム8部を加えて脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、(po)1160部(20モル部)を8時間かけて滴下し、さらに120℃にて4時間攪拌を続けた。次いで精製処理し、ポリオキシアルキレン化合物(P8){トレハロース/(po)60モル付加物}を得た。
製造例1と同じ反応容器に、メレチトース{試薬特級、和光純薬工業(株)製}504部(1モル部)及びDMF900部を投入した後、窒素置換を実施した。次いで攪拌しつつ100℃まで昇温した後、この温度にてエチレンオキシド(eo)440部(10モル部)を3時間かけて滴下し、さらにこの温度にて2時間攪拌を続けて残存する(eo)を反応させた。次いで(po)580部(10モル部)を4時間かけて滴下し、さらにこの温度にて3時間攪拌を続けて残存する(po)を反応させた。この後、DMFを減圧下に留去し、ポリオキシアルキレン化合物前駆体(2){メレチトース/(eo)10モル/(po)10モル付加物}を得た。
製造例1と同じ反応容器に、メレチトース504部(1モル部)及びDMF1000部を投入した後、窒素置換を実施した。次いで攪拌しつつ100℃まで昇温した後、この温度にて(po)1740部(30モル部)を8時間かけて滴下し、さらにこの温度にて3時間攪拌を続けて残存する(po)を反応させた。次いでDMFを減圧下に留去し、ポリオキシアルキレン化合物(P10){メレチトース/(po)30モルモル付加物}を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P10){メレチトース/(po)30モル付加物}2244部(1モル部)及び水酸化カリウム7部を加えて脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、(po)1160部(20モル部)を6時間かけて滴下し、さらに120℃にて4時間攪拌を続けた。次いで精製処理し、ポリオキシアルキレン化合物(P11){メレチトース/(po)50モル付加物}を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P11){メレチトース/(po)50モル付加物}3404部(1モル部)及び水酸化カリウム10部を加えて脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、(po)1160部(20モル部)を6時間かけて滴下し、さらに120℃にて4時間攪拌を続けた。次いで精製処理し、ポリオキシアルキレン化合物(P12){メレチトース/(po)70モル付加物}を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P1){蔗糖/(po)15モル/(bo)5モル付加物}1572部(1モル部)及び水酸化ナトリウム{試薬特級、和光純薬工業(株)製、純度約97重量%、使用量は水分を除いた純分換算量で表示した。以下同じである。}40部(1モル部)及び水55部を仕込み、これらを60℃にて攪拌しながら、これらの混合物にエピクロルヒドリン{ダイソー(株)製、以下同じ。}139部(1.5モル部)を3時間で滴下した。次いで60℃にて5時間攪拌を続け、反応液のpHが7{リトマス試験紙(TOYO ROSHI CO.LTD製、製品名:UNIV PH 1−11)による。以下同じ。}となったのを確認した。次いで80℃にて減圧下、残存するエピクロルヒドリンの留去及び脱水(水分:0.03%以下、以下、単に減圧下脱水と略する。)した後、濾紙による吸引濾過{以下、単に濾過処理と略記する。}を行い、グリシジル化合物(GL1){蔗糖/(po)15モル/(bo)5モル/エピクロルヒドリン1モル付加物}からなる消泡剤(1)を得た。
消泡剤(1)のエポキシ当量(g/eq.)は1633{エポキシ当量はJIS K7236:1995、(エポキシ樹脂のエポキシ当量試験法)に準拠して測定した。以下、同じである。}であった。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P2){蔗糖/(po)30モル付加物}2082部(1モル部)及び水酸化ナトリウム80部(2モル部)及び水75部を仕込み、これらを60℃にて攪拌しながら、これらの混合物にエピクロルヒドリン278部(3モル部)を5時間で滴下した。次いで60℃にて5時間攪拌を続け、反応液のpHが7となったのを確認した。次いで80℃にて減圧下脱水した後、濾過処理を行い、グリシジル化合物(GL2){蔗糖/(po)30モル/エピクロルヒドリン2モル付加物、エポキシ当量:1100}からなる消泡剤(2)を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P3){蔗糖/(po)40モル付加物}2662部(1モル部)及び水酸化ナトリウム120部(3モル部)及び水100部を仕込み、これらを60℃にて攪拌しながら、これらの混合物にエピクロルヒドリン415部(4.5モル部)を6時間で滴下した。次いで60℃にて5時間攪拌を続け、反応液のpHが7となったのを確認した。次いで80℃にて減圧下脱水した後、濾過処理を行い、グリシジル化合物(GL3){蔗糖/(po)40モル/エピクロルヒドリン3モル付加物、エポキシ当量:945}からなる消泡剤(3)を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P4){蔗糖/(po)50モル付加物}3242部(1モル部)及び水酸化ナトリウム80部(2モル部)及び水110部を仕込み、これらを60℃にて攪拌しながら、これらの混合物にエピクロルヒドリン278部(3モル部)を5時間で滴下した。次いで60℃にて5時間攪拌を続け、反応液のpHが7となったのを確認した。次いで80℃にて減圧下脱水した後、濾過処理を行い、グリシジル化合物(GL4){蔗糖/(po)50モル/エピクロルヒドリン2モル付加物、エポキシ当量:1680}からなる消泡剤(4)を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P5){蔗糖/(po)60モル付加物}3822部(1モル部)及び水酸化ナトリウム40部(1モル部)及び水110部を仕込み、これらを60℃にて攪拌しながら、これらの混合物にエピクロルヒドリン139部(1.5モル部)を3時間で滴下した。次いで60℃にて5時間攪拌を続け、反応液のpHが7となったのを確認した。次いで80℃にて減圧下脱水した後、濾過処理を行い、グリシジル化合物(GL5){蔗糖/(po)60モル/エピクロルヒドリン1モル付加物、エポキシ当量:3880}からなる消泡剤(5)を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P6){トレハロース/(po)20モル付加物}1502部(1モル部)及び水酸化ナトリウム40部(1モル部)及び水75部を仕込み、これらを60℃にて攪拌しながら、これらの混合物にエピクロルヒドリン139部(1.5モル部)を3時間で滴下した。次いで60℃にて5時間攪拌を続け、反応液のpHが7となったのを確認した。次いで80℃にて減圧下脱水した後、濾過処理を行い、グリシジル化合物(GL6){トレハロース/(po)20モル/エピクロルヒドリン1モル付加物、エポキシ当量:1560}からなる消泡剤(6)を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P7){トレハロース/(po)40モル付加物}2662部(1モル部)及び水酸化ナトリウム80部(2モル部)及び水100部を仕込み、これらを60℃にて攪拌しながら、これらの混合物にエピクロルヒドリン278部(3モル部)を5時間で滴下した。次いで60℃にて5時間攪拌を続け、反応液のpHが7となったのを確認した。次いで80℃にて減圧下脱水した後、濾過処理を行い、グリシジル化合物(GL7){トレハロース/(po)40モル/エピクロルヒドリン2モル付加物、エポキシ当量:1390}からなる消泡剤(7)を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P8){トレハロース/(po)40モル付加物}3822部(1モル部)及び水酸化ナトリウム80部(2モル部)及び水140部を仕込み、これらを60℃にて攪拌しながら、これらの混合物にエピクロルヒドリン278部(3モル部)を5時間で滴下した。次いで60℃にて5時間攪拌を続け、反応液のpHが7となったのを確認した。次いで80℃にて減圧下脱水した後、濾過処理を行い、グリシジル化合物(GL8){トレハロース/(po)60モル/エピクロルヒドリン2モル付加物、エポキシ当量:1960}からなる消泡剤(8)を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P10){メレチトース/(po)30モル付加物}2244部(1モル部)及び水酸化ナトリウム80部(2モル部)及び水100部を仕込み、これらを60℃にて攪拌しながら、これらの混合物にエピクロルヒドリン278部(3モル部)を5時間で滴下した。次いで60℃にて5時間攪拌を続け、反応液のpHが7となったのを確認した。次いで80℃にて減圧下脱水した後、濾過処理を行い、グリシジル化合物(GL9){メレチトース/(po)30モル/エピクロルヒドリン2モル付加物、エポキシ当量:1180}からなる消泡剤(9)を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P11){メレチトース/(po)50モル付加物}3404部(1モル部)及び水酸化ナトリウム120部(3モル部)及び水140部を仕込み、これらを60℃にて攪拌しながら、これらの混合物にエピクロルヒドリン370部(4モル部)を7時間で滴下した。次いで60℃にて6時間攪拌を続け、反応液のpHが7となったのを確認した。次いで80℃にて減圧下脱水した後、濾過処理を行い、グリシジル化合物(GL10){メレチトース/(po)50モル/エピクロルヒドリン3モル付加物、エポキシ当量:1190}からなる消泡剤(10)を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P12){メレチトース/(po)70モル付加物}4564部(1モル部)及び水酸化ナトリウム160部(4モル部)及び水140部を仕込み、これらを60℃にて攪拌しながら、これらの混合物にエピクロルヒドリン550部(6モル部)を8時間で滴下した。次いで60℃にて6時間攪拌を続け、反応液のpHが7となったのを確認した。次いで80℃にて減圧下脱水した後、濾過処理を行い、グリシジル化合物(GL11){メレチトース/(po)70モル/エピクロルヒドリン4モル付加物、エポキシ当量:1200}からなる消泡剤(11)を得た。
製造例1と同じ反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(P9){メレチトース/(eo)10モル/(po)60モル付加物}4424部(1モル部)及び水酸化ナトリウム80部(2モル部)及び水140部を仕込み、これらを60℃にて攪拌しながら、これらの混合物にエピクロルヒドリン278部(3モル部)を5時間で滴下した。次いで60℃にて5時間攪拌を続け、反応液のpHが7となったのを確認した。次いで80℃にて減圧下脱水した後、濾過処理を行い、グリシジル化合物(GL12){メレチトース/(eo)10モル/(po)60モル/エピクロルヒドリン2モル付加物、エポキシ当量:2280}からなる消泡剤(12)を得た。
サーフィノール104A{日信化学工業(株)製、「サーフィノール」はエアー.プロダクツ.アンド.ケミカルス.インコーポレーテッドの登録商標である。}を比較用の消泡剤(Y1)とした。
製造例1で得たポリオキシアルキレン化合物(P1){蔗糖/(po)15モル/(bo)5モル付加物}90部とサンニックスPP−400{三洋化成工業(株)製、ポリプロピレングリコール、数平均分子量約400、「サンニックス」は三洋化成工業(株)の登録商標である。}10部とを均一混合して、比較用の消泡剤(Y2)を得た。
製造例2で得たポリオキシアルキレン化合物(P2){蔗糖/(po)30モル付加物}を比較用の消泡剤(Y3)とした。
製造例7で得たポリオキシアルキレン化合物(P7){トレハロース/(po)40モル付加物}を比較用の消泡剤(Y4)とした。
製造例12で得たポリオキシアルキレン化合物(P12){メレチトース/(po)70モル付加物}を比較用の消泡剤(Y5)とした。
<カチオン電着塗料の調製>
(1)エマルションの調製
エピコート 1004{商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量:950、「エピコート」は、リソリューション リサーチ ネーデルランド ベスローテン フエンノートシャップの登録商標である。}200部、エピコート828EL{商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量:190}200部、メチルイソブチルケトン(MIBK)200部、N−メチルエタノールアミン60部及びジケチミン化物溶液{ジエチレントリアミンのMIBKジケチミン化物を75%含有するMIBK溶液}90部を均一混合して、ベースエマルションを得た。
ベースエマルション22部、二酸化チタン{石原産業(株)、商品名:タイペーク R−930、「タイペーク」は同社の登録商標である。}28.5部、カオリン{土屋カオリン(株)品、商品名:ウルトラホワイト 90}15部、リンモリブデン酸アルミニウム{和光純薬工業(株)製試薬特級}3.5部、カーボンブラック{和光純薬工業(株)製試薬特級}1部、サンノニックSS−70{三洋化成工業(株)製、ノニオン性界面活性剤、「サンノニック」は同社の登録商標である。}1部、SN−ウェット984{サンノプコ(株)製、ノニオン性界面活性剤}1部及び脱イオン水28部をインペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザー(日本精器会社製、モデルED、以下同じ)にて最大粒度10μm以下(JIS K5600−2−5:1999に準拠して測定した。)まで分散(3000rpm×30分間 )させ、顔料ペーストを得た。
上記で得たエマルション400部を30℃にて2時間、マグメチックスターラーを用いて均一攪拌した後、脱イオン水500部を加え、30℃にて1時間均一混合し、これに上記で得た顔料ペースト100部を加えてさらに30℃にて1時間均一混合して、電着塗料を得た。
上記にて調製した電着塗料を30℃に温調し、KCP−1010{旭化成(株)製UFモジュール}にて限外濾過して、電着塗料1リットルにつき200部の割合で濾液を得た。この濾液200部に、評価試料{本発明の消泡剤(1)〜(12)及び比較用の消泡剤(Y1)〜(Y5)のいずれか}0.2部を添加し、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて3000rpm×1分間攪拌して評価用UF濾液とした。また、評価試料の替わりにイオン交換水を添加した濾液をブランク用UF濾液とした。
上記で得た評価用及びブランク用UF濾液について、30℃で1時間静置した後、次の基準で、消泡剤のUF濾液に対する分散性を評価し、評価結果は表2に記載した。
△:評価用UF濾液の表面にごく僅かの油膜の発生が見られる
×:評価用UF濾液の表面に油滴の発生が見られる
30℃、60%相対湿度の雰囲気下で、30℃に温度調節した評価用及びブランク用UF濾液をNo.4フォードカップ{JIS K5600−2−2:1999、容量100ml}に入れ、フォードカップの吐出口から1.0m下のテーブルに置いた500mLガラス製メスシリンダー(内径:50.0mm、円筒長さ:340mm)中に落下させて、濾液の全量がメスシリンダーに落下した直後をスタートとし、メスシリンダーの開口部から観察した時、メスシリンダー内の泡層の一部が切れて、濾液の液面が見え始めるまでの時間を消泡時間(秒)とした。
上記<電着塗料の調製>で得た電着塗料1000部に、評価試料{本発明の消泡剤(1)〜(12)、比較用の消泡剤(Y1)〜(Y5)及びイオン交換水(ブランクとした)のいずれか}5部を添加し、マグネチックスターラーを用いて25℃にて15分間均一混合して、評価用電着塗料を得た。この評価用電着塗料を用いて、燐酸亜鉛処理したテストパネル{商品名:燐酸亜鉛処理鋼板、日本テストパネル社製、寸法、150mm×70mm×0.8mm}に25℃にて150V、5分間電着塗装を実施し、次いで塗装浴から引き上げ、水道水にてシャワリングして水洗した。25℃、40%相対湿度雰囲気下にて10分間自然乾燥させた後、160℃に調節した電気熱風乾燥機中にて20分間焼付けた後、室温まで冷却し、次の基準で仕上がり性を目視評価した。
◎:塗膜表面に水滴痕の発生が見られない
○:塗膜表面に水滴痕の発生が1〜2箇所見られる
△:塗膜表面に水滴痕の発生が3〜5箇所見られる
×:塗膜表面に水滴痕の発生が6箇所以上見られる
◎:塗膜表面に残泡痕等の発生が見られない
○:塗膜表面に残泡痕等の発生が1〜3箇所見られる
△:塗膜表面に残泡痕等の発生が4〜9箇所見られる
×:塗膜表面に残泡痕等の発生が10箇所以上見られる
(1)顔料分散液の調製(JIS K5600−2−5:1999に準拠)
インペラー型羽根を備えたエクセルオートホモジナイザーを用い、表3に示した使用量で、イオン交換水、エチレングリコール、SNウェットL及びノプコサイドSN−215からなる混合液に、混合液を撹拌しながらタイペークCR−95を添加し、均一混合分散して、顔料分散液を得た。
なお、つぶゲージ法(JIS K5600−2−5:1999に準拠)により、顔料分散液に5ミクロン以上の粒の無いことを確認した。
得られた顔料分散液に、表3に示した使用量で、プライマルAC−2507、テキサノール、SNデフォーマー399、SNシックナー612及びユニラント88(黒)を加えて、インペラー型羽根を備えたエクセルオートホモジナイザーでレッドダウン工程を行い、塗料を得た。なお、塗料はつぶゲージ法にて5ミクロン以上の粒の無いことを確認した。
※2 サンノプコ(株)製消泡剤
※3 サンノプコ(株)製防腐剤
※4 石原産業(株)製二酸化チタン、「タイペーク」は同社の登録商標である。
※5 日本アクリル(株)製アクリル−スチレン樹脂、「プライマル」はローム エンド ハースコムパニーの登録商標である。
※6 イーストマンケミカル社製造膜調整剤、「テキサノール」は吉村油化学株式会社の登録商標である。
※7 サンノプコ(株)製増粘剤
※8 横浜化成(株)製着色顔料(黒)、「unirant」は同社の登録商標である。
塗料100gに、評価試料{本発明の消泡剤(1)〜(12)及び比較用の消泡剤(Y1)〜(Y5)のいずれか}0.20gを添加し、25℃の室温下、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて3000rpm×5分間攪拌して評価用塗料を得た。直ちに、25℃雰囲気下にて、評価用塗料を50mLの比重カップ(JISK5600−2−4:1999に準拠)にて比重を測定した。消泡性が良好であれば、泡噛みが少なく、比重値は大きくなる。
また、評価試料をイオン交換水に変更したこと以外、上記と同様にして得た評価用塗料(ブランク)についても、同様にして比重を測定し、これらの値を表4に記載した。
Claims (3)
- 一般式(1)で表されるグリシジル化合物(GL)を含有してなることを特徴とする消泡剤。
{G(-OA)n}p-Q-{(AO-)nH}t−p (1)
一般式(1)において、Gはグリシジル(2,3−エポキシプロピル)基、Qは非還元性の二又は三糖類のt個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、OA及びAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Hは水素原子、nは4〜40の整数、tは2〜4の整数、pは1〜4の整数を表し(但し、t≧p)、一般式(1)で表されるグリシジル化合物(GL)中のオキシアルキレン基(OA及びAO)の総数は20〜70の整数である。 - Qが蔗糖の3個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基である請求項1に記載の消泡剤。
- 水系コーティング材及び請求項1又は2に記載された消泡剤からなり、この消泡剤の含有量が水系コーティング材の重量に基づいて0.05〜1重量%であることを特徴とする水系コーティング組成物。
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