JP5499241B2 - 塗料用グロス向上剤及びこれを含有してなる塗料 - Google Patents

塗料用グロス向上剤及びこれを含有してなる塗料 Download PDF

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Description

本発明は塗料用グロス向上剤及びこれを含有してなる塗料に関する。
近年、水性塗料はその作業安全性や無公害化等の観点から急速にその需要が増加している。しかし水性塗料は溶剤系塗料に比較して一般的に塗膜の光沢が低く、高い付加価値を付与するため種々の改善が試みられている。たとえば、(A)合成樹脂エマルションを結合材とする水性塗料、(B)アミノ基含有シランカップリング剤、(C)アルコキシシランの変性縮合物、を含有し、(A)の合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対して、(B)が0.05〜3.0重量部、(C)がSiO換算で1.0〜40.0重量部配合され、配合後のpHが9.0以下であることを特徴とする水性低汚染塗料組成物(特許文献1)や、共重合成分として塩化ビニルを1〜50重量%含み、ガラス転移温度が−40〜40℃である共重合体エマルション(A)を基体樹脂成分として含有する水性塗料であって、得られる塗膜の隠蔽率が0.95以上で、60°グロスが70以上であることを特徴とする水性塩化ビニル樹脂系塗料(特許文献2)が知られている。
特開2001−106978号公報 特開2004−35741号公報
特許文献1に記載の塗料は、高コスト且つ塗装作業が煩雑になるという問題がある。また、特許文献2に記載の塗料は個々のエマルション樹脂の変性が必要となること、また樹脂そのものの変性であるため、耐水性、耐久性等の塗料としての基本性能に影響を及ぼすことがある等の問題がある。
そこで、本発明は、塗料の基本性能(耐水性、耐久性等)に影響を与えず、グロス(光沢)に優れ、簡便に塗装することができる塗料及びこれに使用する塗料用グロス向上剤を提供することを目的とする。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に達した。すなわち、本発明の塗料用グロス向上剤の特徴は、一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)を含有してなる点を要旨とする。

−G(−P−G−S−G)−P−G−S (1)
ただし、Sは一般式(2)で表される基、Sは一般式(3)で表される基、Gは炭素数10〜50のジグリシジルエーテルの反応残基、Pは一般式(4)で表される基、qは0、1又は2を表す。
Figure 0005499241
Qは非還元性の二又は三糖類のt個の1級水酸基から水素原子を除いた残基、OAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Xは炭素数2〜15のアルキレン又はアリーレン、Oは酸素原子、Hは水素原子、nは3〜20の整数、tは2〜4の整数、mは2〜20の整数を表し、S単位又はS単位に含まれるOAの総数はそれぞれ10〜50の整数であり、S、S、G、P、(OA)n、(OA)m、Q、n、mは、それぞれ同じでも異なってもよい。
また、本発明の塗料用グロス向上剤の製造方法の特徴は、非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部と、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)10〜50モル部との化学反応から化合物(a12)を得る工程(1);
炭素数2〜15のグリコール(a3)1モル部と炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)4〜40モル部との化学反応から化合物(a32)を得る工程(2);
化合物(a12)1モル部と、化合物(a32)0.5〜0.75モル部と、炭素数10〜50のジグリシジルエーテル(a4)1.0〜1.50モル部との化学反応からポリオキシアルキレン化合物(Y)を得る工程(3)を含む点を要旨とする。
また、本発明の塗料の特徴は、水性塗料及び上記のグロス向上剤とからなり、このグロス向上剤を水性塗料の重量に基づいて0.1〜5重量%含有してなる点を要旨とする。
本発明の塗料用グロス向上剤は、塗料の基本性能(耐水性、耐久性等)に影響を与えず、グロス向上性能に優れる。
本発明の塗料用グロス向上剤の製造方法によると、上記の塗料用グロス向上剤を効率的に得ることができる。
本発明の塗料は、上記のグロス向上剤を含むため、塗料の基本性能(耐水性、耐久性等)に影響を与えず、グロス(光沢)を向上でき、簡便に塗装することができる。
一般式(1)において、炭素数10〜50のジグリシジルエーテルの反応残基(G)としては、炭素数10〜50のジグリシジルエーテルのエポキシ基が開環反応した残基が含まれる。
このようなジグリシジルエーテルの反応残基としては、2,11−ジヒドロキシ−4,9−ジオキサドデシレン{−CHCH(OH)CHOCHCHCHCHOCHCH(OH)CH−}、2,6,10−トリヒドロキシ−4,8−ジオキサウンデシレン{−CHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CH−}、2,10−ジヒドロキシ−4,8−ジオキサ−6,6−ジメチルウンデシレン{−CHCH(OH)CHOCHC(CHCHOCHCH(OH)CH−}、2,13−ジヒドロキシ−4,11−ジオキサテトラデシレン{−CHCH(OH)CHOCHCHCHCHCHCHOCHCH(OH)CH−}、2,10−ジヒドロキシ−4,8−ジオキサ−6−ヒドロキシメチル−6−エチルウンデシレン{−CHCH(OH)CHOCHC(C)(CHOH)CHOCHCH(OH)CH−}、2,10−ジヒドロキシ−4,8−ジオキサ−6,6−ビスヒドロキシメチルウンデシレン{−CHCH(OH)CHOCHC(CHOH)CHOCHCH(OH)CH−}、及びポリオキシアルキレン(グリコール/アルキレンオキシド付加物等、炭素数4〜44、アルキレンの炭素数は2〜4)ジグリシジルエーテルの反応残基等が挙げられる。
一般式(1)において、qは、0、1又は2である。この範囲であると、グロス向上性能とともに界面活性能(顔料の分散性等)がさらに良好となる。
一般式(2)及び(3)において、非還元性の二又は三糖類のt個の1級水酸基から水素原子を除いた残基(Q)を構成することができる二又は三糖類としては、蔗糖(サッカロース)、トレハロース、イソトレハロース、イソサッカロース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース及びプランテオース等が含まれる。これらのうち、グロス向上性能等の観点から、蔗糖、トレハロース、ゲンチアノース、ラフィノース及びプランテオースが好ましく、さらに好ましくは蔗糖、トレハロース及びラフィノースであり、供給性及びコスト等の観点から特に好ましくは蔗糖である。
炭素数2〜15のアルキレン又はアリーレン(X)のうち、アルキレンとしては、炭素数2〜9のアルキレン等が用いられ、エチレン、3−オキサペンチレン(−CHCHOCHCH−)、プロピレン、3−オキサ−2,4−ジメチルペンチレン(−CHCH(CH)OCH(CH)CH−)、ブチレン、ヘキサメチレン、シクロヘキシレン、メチレンシクロへキシレンメチレン(−CH10CH−)、メチルシクロヘキシレン及びトリメチルシクロヘキシレン等が挙げられる。
(X)のうち、アリーレンとしては、炭素数6〜15のアリーレン等が用いられ、フェニレン、メチルフェニレン、エチルフェニレン、テトラメチルフェニレン、キシリレン、ナフチレン、ビフェニリレン、ジメチルビフェニリレン、アントリレン、フェナントリレン、-(ph)-CH-(ph)-で表される基、-(ph)-C(CH-(ph)-で表される基、-(ph)-CHCH-(ph)-で表される基及び-CH-(ch)-CH-で表される基等が挙げられる(phはフェニレン基を、chはシクロヘキセニル基を表す)。
これらの(X)のうち、アルキレン及びアリーレンが好ましく、さらに好ましくはエチレン、プロピレン、ヘキサメチレン及び-(ph)-C(CH-(ph)-で表される基であり、特に好ましくはプロピレンである。
一般式(2)〜(4)において、炭素数2〜4のオキシアルキレン基(OA)としては、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン及びこれらの混合等が挙げられる。これらのうち、グロス向上性能等の観点から、オキシエチレン及びオキシプロピレンが好ましく、さらに好ましくはオキシプロピレンとオキシエチレンとの混合である。また、塗料の基本性能のうち耐水性の観点等から、オキシプロピレン及びオキシブチレンが好ましく、さらに好ましくはオキシプロピレンとオキシブチレンとの混合である。
(OA−)n又は(OA−)m内に複数種類のオキシアルキレン基を含む場合、これらのオキシアルキレン基の結合順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び含有割合には制限はない。
一般式(2)、(3)において、オキシプロピレン及び/又はオキシブチレンと、オキシエチレンとを含む場合、オキシエチレンの含有割合(モル%)は、オキシアルキレン基の全モル数に基づいて、4〜10が好ましく、さらに好ましくは4〜8である。また、この場合、反応残基(Q)から離れた端部にオキシプロピレン及び/又はオキシブチレンが位置することが好ましい。すなわち、(OA−)nにオキシエチレン基を含む場合、反応残基(Q)にオキシエチレン基が直接的に結合していることが好ましい。また、(OA−)nに複数種類のオキシアルキレン基を含む場合、ブロック状又はランダム状のいずれを含んでいても差し支えない。
一般式(4)において、オキシプロピレン及び/又はオキシブチレンと、オキシエチレンとを含む場合、オキシエチレンの含有割合(モル%)は、オキシアルキレン基の全モル数に基づいて、5〜20が好ましく、さらに好ましくは10〜15である。また、この場合、アルキレン又はアリーレン(X)から離れた端部にオキシエチレンが位置することが好ましい。すなわち、(OA−)mにオキシエチレン基を含む場合、(X)から離れた端部にオキシエチレン基が結合していることが好ましい。また、(OA−)mに複数種類のオキシアルキレン基を含む場合、ブロック状又はランダム状のいずれを含んでいても差し支えない。
nは、3〜20の整数が好ましく、さらに好ましくは3〜18の整数、特に好ましくは5〜18の整数、最も好ましくは5〜15の整数である。この範囲であると、グロス向上性能がさらに良好となる。
tは、2〜4の整数が好ましく、さらに好ましくは3である。この範囲であると、グロス向上性能がさらに良好となる。
mは、2〜20の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜18の整数、特に好ましくは5〜18の整数、最も好ましくは5〜15の整数である。この範囲であると、グロス向上性能がさらに良好となる。
単位又はS単位に含まれるOAの総数は、それぞれ、10〜50の整数が好ましく、さらに好ましくは15〜45の整数、特に好ましくは15〜40の整数、最も好ましくは20〜35の整数である。この範囲であると、グロス向上性能がさらに良好となる。
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)は公知の方法で製造でき、たとえば、非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部と、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)10〜50モル部の化学反応から化合物(a12)を得る工程(1);
炭素数2〜15のグリコール(a3)1モル部と炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)4〜40モル部との化学反応から化合物(a32)を得る工程(2);
化合物(a12)1モル部と、化合物(a32)0.5〜0.75モル部と、炭素数10〜50のジグリシジルエーテル(a4)1.0〜1.50モル部との化学反応からポリオキシアルキレン化合物(Y)を得る工程(3)を含む方法が含まれる。すなわち、これらの化学反応により製造されるポリオキシアルキレン化合物(Y)は、オキシアルキレン基やn、m、qの数等に分布を生じる場合があり、この場合、厳密には複数種類のポリオキシアルキレン化合物の混合物となり、この混合物の中に、一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物が含まれるものである。
化合物(a12)を得る工程(1)において、アルキレンオキシド(a2)の使用量(モル部)としては、非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部に対して、10〜50が好ましく、さらに好ましくは15〜45、特に好ましくは15〜40、最も好ましくは20〜35である。この範囲であると、グロス向上性能がさらに良好となる。
化合物(a32)を得る工程(2)において、アルキレンオキシド(a2)の使用量(モル部)としては、炭素数2〜15のグリコール(a3)1モル部に対して、4〜40モルが好ましく、さらに好ましくは4〜36、特に好ましくは10〜36、最も好ましくは10〜30である。この範囲であると、グロス向上性能がさらに良好となる。
ポリオキシアルキレン化合物(Y)を得る工程(3)において、化合物(a32)の使用量(モル部)としては、化合物(a12)1モル部に対して、0.5〜0.75が好ましく、さらに好ましくは0.5〜0.7、特に好ましくは0.55〜0.7、最も好ましくは0.6〜0.7である。この範囲であると、グロス向上性能がさらに良好となる。また、ジグリシジルエーテル(a4)の使用量(モル部)としては、化合物(a12)1モル部に対して、1.0〜1.5が好ましく、さらに好ましくは1.0〜1.4、特に好ましくは1.2〜1.4、最も好ましくは1.2〜1.3である。この範囲であると、グロス向上性能がさらに良好となる。
非還元性の二又は三糖類(a1)としては、反応残基(Q)を構成することができる二又は三糖類と同じものが使用でき、好ましい範囲も同じである。
アルキレンオキシド(a2)としては、炭素数2〜4のアルキレンオキシド等が使用でき、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシド(BO)及びこれらの混合物等が挙げられる。これらのうち、グロス向上性能等の観点から、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが好ましく、さらに好ましくはプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの混合である。また、塗料の基本性能のうち耐水性の観点等から、プロピレンオキシド及びブチレンオキシドが好ましく、さらに好ましくはプロピレンオキシドとブチレンオキシドとの混合である。
複数種類のアルキレンオキシドを使用する場合、これらのアルキレンオキシドの結合順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び含有割合には制限はない。
工程(1)の非還元性の二又は三糖類(a1)及びアルキレンオキシド(a2)の化学反応において、複数種類のアルキレンオキシドを用いる場合、反応させる順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び使用割合には制限ないが、ブロック状又はブロック状とランダム状の組合せを含むことが好ましい。また、EOを含有する場合、EOの使用割合(モル%)は、アルキレンオキシドの全モル数に基づいて、4〜10が好ましく、さらに好ましくは4〜8である。EOと、PO又は/及びBOとを含む場合、二又は三糖類(a1)とEOとの反応後にPO及び/又はBOを反応させることが好ましい。
工程(2)の炭素数2〜15のグリコール(a3)とアルキレンオキシド(a2)の化学反応において、複数種類のアルキレンオキシドを用いる場合、反応させる順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び使用割合には制限ないが、ブロック状又はブロック状とランダム状の組合せを含むことが好ましい。EOを使用する場合、EOの使用割合(モル%)は、アルキレンオキシドの全モル数に基づいて、5〜20が好ましく、さらに好ましくは10〜15である。また、この場合、プロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドを反応させてから、エチレンオキシドを反応させることが好ましい。
炭素数2〜15のグリコール(a3)としては、アルキレンジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキシルグリコール、メチルシクロヘキシルグリコール、トリメチルヘキシルグリコール及びジ(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等)及びアリーレンジオール(ヒドロキノン、カテコール、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、テトラメチルヒドロキノン、キシリレングリコール、ナフタレングリコール、ビフェニルグリコール、ジメチルビフェニルグリコール、アントラセンビフェニル、フェナントレンビフェニル、ビスフェノールF{HO−C−CH−C−OH }、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン{HO−C−CHCH−C−OH }及びビスフェノールA{HO−C−C(CH−C−OH }等が挙げられる。これらのうち、アルキレンジオール及びアリーレンジオールが好ましく、さらに好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール及びビスフェノールA、特に好ましくはプロピレングリコールである。
炭素数10〜50のジグリシジルエーテル(a4)としては、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル及びペンタエリスリトールジグリシジルエーテル等が挙げられ、さらにポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル(ポリオキシエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールジグリシジルエーテル及びポリオキシテトラメチレンエーテルグリコールジグリシジルエーテル等のうち炭素数が10〜50のもの)等が挙げられる。これらのうち、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル及びポリオキシプロピレングリコールジグリシジルエーテルが好ましく、さらに好ましくはポリオキシプロピレングリコールジグリシジルエーテルである。
非還元性の二又は三糖類(a1)及びアルキレンオキシド(a2)の化学反応、並びに炭素数2〜15のグリコール(a3)及び(a2)の化学反応は、アニオン重合、カチオン重合又は配位アニオン重合等のいずれの形式で実施してもよい。また、これらの重合形式は単独でも、重合度等に応じて組み合わせて用いてもよい。
アルキレンオキシド(a2)との化学反応には反応触媒が使用できる。なお、反応溶媒として以下に説明するアミドを用いる場合、反応触媒を用いる必要がない。
反応触媒としては、通常使用されるアルキレンオキシド付加反応用触媒等が使用でき、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウム等)、アルカリ金属のアルコラート(カリウムメチラート及びセシウムエチラート等)、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸カリウム、炭酸セシウム及び炭酸バリウム等)、炭素数3〜24の第3級アミン(トリメチルアミン、トリオクチルアミン、トリエチレンジアミン及びテトラメチルエチレンジアミン等)、及びルイス酸(塩化第二錫及びトリフッ化ホウ素等)等が用いられる。これらのうち、アルカリ金属の水酸化物及び第3級アミンが好ましく、さらに好ましくは水酸化カリウム、水酸化セシウム及びトリメチルアミンである。
反応触媒を使用する場合、その使用量(重量%)は、非還元性の二又は三糖類(a1)及びアルキレンオキシド(a2)の合計重量、又はグリコール(a3)及びアルキレンオキシド(a2)の合計重量に基づいて、0.05〜2が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1、特に好ましくは0.2〜0.6である。
反応触媒を使用する場合、反応触媒は反応生成物から除去することが好ましく、その方法としては、合成アルミノシリケートなどのアルカリ吸着剤{例えば、商品名:キョーワード700、協和化学工業(株)製}を用いる方法(特開昭53−123499号公報等)、キシレン又はトルエン等の溶媒に溶かして水洗する方法(特公昭49−14359号公報等)、イオン交換樹脂を用いる方法(特開昭51−23211号公報等)及びアルカリ性触媒を炭酸ガスで中和して生じる炭酸塩を濾過する方法(特公昭52−33000号公報)等が挙げられる。
反応触媒の除去の終点としては、CPR(Controlled Polymerization Rate)値が20以下であることが好ましく、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。なお、CPRは、JIS K1557−4:2007に準拠して測定される。
反応容器としては、加熱、冷却及び撹拌が可能な耐圧性反応容器を用いることが好ましい。反応雰囲気としては、アルキレンオキシド(a2)を反応系に導入する前に反応装置内を真空又は乾燥した不活性気体(アルゴン、窒素及び二酸化炭素等)の雰囲気とすることが好ましい。また、反応温度(℃)としては80〜150が好ましく、さらに好ましくは90〜130である。反応圧力(ゲージ圧:MPa)は0.8以下が好ましく、さらに好ましくは0.5以下である。
反応終点の確認は、次の方法等により行うことができる。すなわち、反応温度を15分間一定に保ったとき、反応圧力(ゲージ圧)の低下が0.001MPa以下となれば反応終点とする。所要反応時間は通常4〜12時間である。
非還元性の二又は三糖類(a1)及びアルキレンオキシド(a2)の化学反応には、反応溶媒を用いることが好ましい。反応溶媒としては、活性水素を持たないものが好ましく、さらに好ましくは非還元性の二又は三糖類(a1)、アルキレンオキシド(a2)及びこれらの反応により生成する生成物(a12)を溶解するものが好ましい。
このような反応溶媒としては、炭素数3〜8のアルキルアミド及び炭素数5〜7の複素環式アミド等が使用できる。
アルキルアミドとしては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−N−プロピルアセトアミド及び2−ジメチルアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール等が挙げられる。
複素環式アミドとしては、N−メチルピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム及びN,N−ジメチルピロールカルボン酸アミド等が挙げられる。
これらのうち、アルキルアミド及びN−メチルピロリドンが好ましく、さらに好ましくはDMF、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン、特に好ましくはDMF及びN−メチルピロリドン、最も好ましくはDMFである。
反応溶媒を用いる場合、その使用量(重量%)は、二又は三糖類(a1)とアルキレンオキシド(a2)との反応により生成する化合物(a12)の重量に基づいて、20〜200が好ましく、さらに好ましくは40〜180、特に好ましくは60〜150である。
反応溶媒を用いた場合、反応後に反応溶媒を除去することが好ましい。反応溶媒の残存量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物(Y)の重量に基づいて、0.1以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05以下、特に好ましくは0.01以下である。なお、反応溶媒の残存量は、内部標準物質を用いるガスクロマトグラフィー法にて求めることができる。
反応溶媒の除去方法としては、減圧留去及び吸着除去等が適用でき、減圧留去した後さらに吸着除去することが好ましい。
減圧留去する条件としては、0.6〜27kPaの減圧下にて100〜150℃にて留去する条件等が適用できる。
吸着除去としては、合成アルミノシリケート等のアルカリ吸着剤{例えば、商品名:キョーワード700、協和化学工業(株)製}を用いて処理する方法等が適用できる。例えば、キョーワード700を用いる場合、アルカリ吸着剤の添加量(重量%)は、化合物(a12)の重量に基づいて、0.1〜10程度、処理温度は60〜120℃程度、処理時間は0.5〜5時間程度である。続いてろ紙又はろ布等を用いてろ別してアルカリ吸着剤を取り除くことにより、反応溶媒の残存量を減少させることができる。
工程(3)の化学反応(エポキシ開環反応)には、反応触媒を用いることができ、このような触媒としては、アルキレンオキシド(a2)の付加反応に用いられるものと同一であり、公知の触媒(特開2004−224945号公報等)等が適用できる。
反応の終点は、エポキシ基の消滅により行うことができる。エポキシ基の定量としては、過塩素酸と第四級アンモニュウム塩(CTAB)とからハロゲン化水素(HB)を発生させてこれとエポキシ基とを反応させるセチルトリメチルアンモニュウムブロマイド(CTAB)法(JIS K7236:ISO3001:1999に準拠)が適用できる。
化合物(a12)と、化合物(a32)と、ジグリシジルエーテル(a4)との反応は、非還元性の二又は三糖類(a1)とアルキレンオキシド(a2)との反応と同じであり、反応装置、触媒及びその除去も同様である。
ポリオキシアルキレン化合物(Y)としては、表1で示される化合物等が挙げられる。
なお、(a12)欄のQ、t及び(OA−)nは一般式(2)又は(3)に対応する。また、Q1は蔗糖の反応残基を、Q2はトレハロースの反応残基を、Q3はラフィノースの反応残基を表す。また、Pはオキシプロピレンを、Eはオキシエチレンを、Bはオキシブチレンを表し、これらの添え字は、それぞれ、非還元性のニ又は三糖類の残基1モルに対するモル数(S単位又はS単位に含まれるOAの総数に相当する)を表す。(OA)n中の/はブロック状を、・はランダム状を意味する。
さらに、(a32)欄のX及び(OA−)mは一般式(4)に対応し、DEGはジエチレングリコールの反応残基を、DPGはジプロピレングリコールの反応残基を、HGはヘキサメチレングリコールの反応残基を、BPAはビスフェノールAの反応残基を表す。また、Pはオキシプロピレンを、Eはオキシエチレンを、Bはオキシブチレンを表し、これらの添え字は、それぞれ、アルキレン又はアリーレン(X)1モルに対するモル数(2mに相当する)を表す。(OA)m中の/はブロック状を、・はランダム状を意味する。
また、(a4)欄のGは一般式(1)に対応し、G1はネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルの反応残基を、G2は1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルの反応残基を、G3はシクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルの反応残基を、G4はポリオキシプロピレングリコール(3モル)ジグリシジルエーテルの反応残基を、G5はポリオキシプロピレングリコール(7モル)ジグリシジルエーテルの反応残基を、G6はポリオキシエチレングリコール(EO9モル)ジグリシジルエーテルの反応残基を、G7はポリオキシエチレン(3モル)・ポリオキシプロピレン(10モル)・ポリオキシエチレン(3モル)(ポリオキシプロピレンの両末端にポリオキシエチレンブロックを付加するプルロニックタイプ)グリコールジグリシジルエーテルの反応残基をそれぞれ表す。
また、qは一般式(1)に対応する。
Figure 0005499241
これらのうち、No.3、4、5、6、7、8、11、12、13、16、17、18、19又は20で表されるのポリオキシアルキレン化合物が好ましく、さらに好ましくはNo.4、5、6、11、12、13、16、18又は20で表されるポリオキシアルキレン化合物、特に好ましくはNo.4、6、11又は18で表されるポリオキシアルキレン化合物である。
本発明の塗料用グロス向上剤には、ポリオキシアルキレン化合物(Y)以外の成分として、必要により、公知の添加剤(粘度調整剤、消泡剤、湿潤剤、造膜調整剤等)及び/又は溶媒等を含有させることができる。
粘度調整剤としては、SNシックナー601及び同612(サンノプコ株式会社製)等、消泡剤としてはSNデフォーマー180及び同184(サンノプコ株式会社製)等、湿潤剤としてはSNウエット125、同126及び同984(サンノプコ株式会社製)等、造膜調整剤としてはテキサノール(イーストマンケミカル社製、「テキサノール」は吉村油化学株式会社の登録商標である。)等が挙げられる。
これらの添加剤を含有する場合、これらの含有量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物(Y)の重量に基づいて、いずれも0.1〜10が好ましい。
溶媒としては、水及び水溶性有機溶剤等を用いることができる。水としては、イオン交換水、蒸留水、水道水及び工業用水等が挙げられる。水溶性有機溶剤としては、炭素数1〜3のアルコール(メタノール、エタノール及びイソプロパノール等)、炭素数3〜6のケトン(アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)、炭素数2〜6のエーテル(ジメチルエーテル、エチルセルソルブ及びブチルセルソルブ等)及び炭素数4〜6のエーテルエステル(ブチルセルソルブアセテート等)等が挙げられ、これらを併用してもよい。
溶媒を含有する場合、この含有量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物(Y)の重量に基づいて、1〜20が好ましい。
添加剤及び/又は溶媒を含有する場合、これらを均一混合できれば製造方法に制限はなく、たとえば、ポリオキシアルキレン化合物(Y)と添加剤及び/又は溶媒とを、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下又は不存在下、20〜80℃程度にて攪拌混合する方法等が適用できる。
本発明の塗料用グロス向上剤は、形成される塗膜の耐水性を殆ど低下させない。さらに顔料の分散性に優れ、塗料中で顔料を安定に分散せしめ、長期に亘ってその沈降、凝集等を防止し、意匠性顔料等の配列を改善するので調色性等の向上にも効果が大きい。さらに消泡効果も発揮する。また、熱硬化型塗料に於いては加熱硬化時のワキ等の不具合を防止し、レベリング性(平滑性)を付与する効果にも優れている。
したがって、本発明の塗料用グロス向上剤は、界面活性等に優れているため、塗料のグロス(光沢)を向上させる添加剤としての他に、汚染低減剤、分散剤、乳化剤、表面張力低減剤(カーテンフローコート性向上剤、スプレー適正化剤を含む)、消泡剤(抑泡剤、破泡剤及び整泡剤等を含む)、氷結防止剤、曇り防止剤、指紋付着防止剤、皮張り防止剤(水性塗料が容器内貯蔵中に塗料の表面が固化する現象を防止する)及びその他の塗料添加剤等として広く使用でき、これらの原材料等としても使用できる。
本発明の塗料用グロス向上剤の使用量(重量%)は用途等に応じて適宜決定されるが、例えば水性塗料等(紙塗工塗料、各種インキを含む)に使用する場合、水性塗料等の重量に基づいて、0.1〜5が好ましく、さらに好ましくは0.3〜4、特に好ましくは0.5〜3である。
本発明の塗料用グロス向上剤は、水性塗料及び非水性塗料のいずれにも適用することができ、これらのうち水性塗料に好適であり、さらに水性エマルション塗料に適し、特に建築用水性塗料又は熱硬化型水性塗料(自動車上塗り水性塗料、建材用水性塗料等)に最適である。水性エマルション塗料としては、アクリル系、酢酸ビニル系、スチレン系、ハロゲン化オレフィン系、ウレタン系、アクリル−シリコン系又はフッ素系等の塗料が挙げられる。
本発明の塗料用グロス向上剤は、塗料に後添加することにより高い光沢を付与できるが、塗料へ添加するタイミングとしては、塗料の製造工程途中(例えば塗料樹脂溶解工程、エマルション希釈工程、顔料分散工程、又は各種添加剤を塗料に配合する工程等)でもよい。意匠性顔料等を分散する場合、顔料分散時に添加するのが好ましい。
本発明のグロス向上剤を添加した塗料等は、通常の方法により被塗装体に塗装することができ、ハケ塗り、ローラー塗装、ベル塗装、エアスプレー塗装、エアレス塗装、ロールコーター塗装及びフローコーター塗装等の塗装方法等が適用できる。乾燥方法は常乾であっても焼付け乾燥であってもよく、焼付け乾燥は常法に従い、例えば電気式熱風乾燥機、間接熱風炉、直接熱風炉、遠赤外炉等を用い、約100〜250℃にて数10秒〜30分間塗膜を保持することで実施できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。
<製造例1>
攪拌、加熱、冷却、滴下、窒素による加圧及び真空ポンプによる減圧の可能な耐圧反応容器に、精製グラニュー糖{台糖(株)製蔗糖}342部(1モル部)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF){三菱ガス化学(株)製、以下同じ}1000部を加えた。次いで窒素ガスを用いて、ゲージ圧で0.4MPaになるまで加圧し0.02MPaになるまで排出する操作を3回繰り返した(以下、「窒素置換」と略す)。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてプロピレンオキシド(PO)580部(10モル部)を4時間かけて滴下し、さらに同温度にて4時間攪拌を続け残存するPOを完全に反応させた(以下、残存するPO等を完全に反応させる操作の記載を「反応させた」と略す)。次いでオイル拡散式真空ポンプ{MODEL SW−150、佐藤真空(株)製}を用い、120℃にて1.3〜13kPaの減圧下にてDMFを除去(以下、「DMFを除去」と略す)し、蔗糖/PO10モル付加物(S1)を得た。
<製造例2>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、精製グラニュー糖342部(1モル部)及びDMF1500部を加えて窒素置換した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてエチレのキシド(EO)88部(2モル部)を滴下、反応させた。次いで同温度にて(PO)1044部(18モル部)を滴下、反応させた。次いでDMFを除去し、蔗糖/EO2モル/PO18モル付加物(S2)を得た。
<製造例3>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、ラフィノース{試薬特級、和光純薬工業(株)製}504部(1モル部)及びDMF1500部を加えて窒素置換した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にて(PO)464部(8モル部)を滴下、反応させた。さらに同温度にて(EO)132部(3モル部)を滴下、反応させた。次いでDMFを除去し、ラフィノース/PO8モル/EO3モル付加物(S3’)を得た。
製造例1と同様な耐圧反応容器に、ラフィノース/PO8モル/EO3モル付加物(S3’)1100部(1モル)及び水酸化カリウム{試薬特級、和光純薬工業(株)製、使用量は水分を除いた純分換算量で表示した。以下同じ。}6.0部を加えて窒素置換した後、さらに120℃にてオイル拡散式真空ポンプを用いて0.6〜1.3kPaの減圧下にて脱水した(以下、「脱水」と略す)。次いで減圧のまま100℃にて、(PO)1972(34モル部)を滴下、反応させた。次いで90℃にて脱イオン水50部を加えた後、キョーワード700{協和化学工業(株)製、「キョーワード」は同社の登録商標である}40部を加え、同温度にて1時間攪拌し、同温度にてNo.2濾紙{東洋濾紙(株)製}を用いて濾過してキョーワード700を取り除き、さらに1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水(以下、「キョーワード処理」と略する。)して、ラフィノースPO8モル/EO3モル/PO34モル付加物(S3)を得た。
<製造例4>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO10モル付加物(S1)922部(1モル部)及び、水酸化カリウム2.0部を加えて窒素置換し、さらに脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、(PO)290部(5モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理して、蔗糖/PO15モル付加物(S4)を得た。
<製造例5>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO10モル付加物(S1)922部(1モル)及び水酸化カリウム3.0部を加えて窒素置換、脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、(PO)580部(10モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理して、蔗糖/PO20モル付加物(S5)を得た。
<製造例6>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO10モル付加物(S1)922部(1モル)及び水酸化カリウム4.0部を加えて窒素置換、脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、(PO)1160部(20モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理して、蔗糖/PO30モル付加物(S6)を得た。
<製造例7>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO10モル付加物(S1)922部(1モル)及び水酸化カリウム5.0部を加えて窒素置換、脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、(PO)1450部(25モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理して、蔗糖/PO35モル付加物(S7)を得た。
<製造例8>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO10モル付加物(S1)922部(1モル)及び水酸化カリウム6.0部を加えて窒素置換、脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、(PO)1740部(30モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理して、蔗糖/PO40モル付加物(S8)を得た。
<製造例9>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO10モル付加物(S1)922部(1モル)及び水酸化カリウム7.0部を加えて窒素置換、脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、(EO)132部(3モル部)を滴下、反応させた。さらに(PO)2146部(37モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理して、蔗糖/PO10モル/EO3モル/PO37モル付加物(S9)を得た。
<製造例10>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/EO2モル/PO18モル付加物(S2)1474部(1モル)及び水酸化カリウム3.0部を加えて窒素置換、脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、(PO)290部(5モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理して、蔗糖/EO2モル/PO23モル付加物(S10)を得た。
<製造例11>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/EO2モル/PO18モル付加物(S2)1474部(1モル)及び水酸化カリウム5.0部を加えて窒素置換、脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、(PO)870部(15モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理して、蔗糖/EO2モル/PO33モル付加物(S11)を得た。
<製造例12>
製造例1と同じ耐圧反応容器に、ジエチレングリコール{試薬特級、和光純薬工業(株)製、以下、「deg」と略す}106部(1モル部)及び水酸化カリウム1.0部を投入した後、窒素置換した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にて(PO)116部(2モル部)を、さらにブチレンオキシド(BO)144部(2モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理して、deg/PO2モル/BO2モル付加物(P1)を得た。
<製造例13>
製造例1と同じ耐圧反応容器に、deg106部(1モル部)及び水酸化カリウム3.0部を投入した後、窒素置換した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にて(PO)1305部(22.5モル部)を滴下、反応させた。次いで(EO)110部(2.5モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理して、deg/PO22.5モル/EO2.5モル付加物(P2)を得た。
<製造例14>
製造例1と同じ耐圧反応容器に、deg106部(1モル部)及び水酸化カリウム4.0部を投入した後、窒素置換した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にて(PO)2088部(36モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理して、deg/PO36モル付加物(P3)を得た。
<製造例15>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、ジプロピレングリコール{試薬特級、和光純薬工業(株)製、以下、「dpg」と略す}134部(1モル部)及び水酸化カリウム1.5部を投入した後、窒素置換した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にて(PO)580部(10モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理して、dpg/PO10モル付加物(P4)を得た。
<製造例16>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、dpg/PO10モル付加物(P4)714部(1モル部)及び水酸化カリウム3.5部を投入した後、窒素置換、脱水した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にて(PO)812部(14モル部)を滴下、反応させた。さらに(EO)220部(5モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理して、dpg/PO24モル/EO6モル付加物(P5)を得た。
<製造例17>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、dpg/PO10モル付加物(P4)714部(1モル部)及び水酸化カリウム4部を投入した後、窒素置換、脱水した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にて(PO)1073部(18.5モル部)を滴下、反応させた。さらに(EO)66部(1.5モル部)の均一混合液を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理して、dpg/PO28.5モル/EO1.5モル付加物(P6)を得た。
<製造例18>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、dpg/PO10モル付加物(P4)714部(1モル部)及び水酸化カリウム4部を投入した後、窒素置換、脱水した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にて(PO)812部(14モル部)を滴下、反応させた。さらに(PO)464部(8モル部)と(EO)352部(8モル部)の均一混合液を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理して、dpg/PO24モル/PO8モル・EO8モル付加物(P7)を得た。
<製造例19>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、ヘキサメチレングリコール{試薬特級、和光純薬工業(株)製、以下、「hg」と略す}118部(1モル部)及び水酸化カリウム1.5部を投入した後、窒素置換した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にて(PO)493部(8.5モル部)を滴下、反応させた。さらに(EO)66部(1.5モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理して、hg/PO8.5モル/EO1.5モル付加物(P8)を得た。
<製造例20>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、dpg134部(1モル部)及び水酸化カリウム1.5部を投入した後、窒素置換した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にて(PO)464部(8モル部)を滴下、反応させた。さらに(EO)264部(6モル部)を滴下、反応させ、dpg/PO8モル/EO6モル付加物(P9)(EO3モル−PO10モル−EO3モルのプルロニックグリコール)を得た。次いで水酸化カリウム112.2部(2モル部)を50%水溶液として投入した後、脱水した。さらにエピクロルヒドリン{鹿島ケミカル(株)製}189.6部(2.05モル部)を攪拌下40℃にて3時間で滴下した。さらに同温度にて3時間攪拌した後キョーワード処理して、プルロニックグリコール(EO3モル−PO10モル−EO3モル)ジグリシジルエーテル(g1)を得た。エポキシ当量は480(g/eq)であった。
<実施例1>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、製造例1で得た蔗糖/PO10モル付加物(S1)2766部(3モル部)、製造例12で得たdeg/PO2モル/BO2モル付加物(P1)732部(2モル部)及び水酸化カリウム7.3部(最終的な合計仕込み量のおよそ0.1%量)を仕込み脱水した。その後製造例20で得たプルロニックグリコール(EO3モル−PO10モル−EO3モル)ジグリシジルエーテル(g1)3840部(4モル部)を加え130℃にて6時間反応させエポキシ基の消失を確認した。次いでキョーワード処理してポリオキシアルキレン化合物(Y1)を得た。そして、このポリオキシアルキレン化合物(Y1)を本発明のグロス向上剤(1)とした。
<実施例2〜16>
「蔗糖/PO10モル付加物(S1)2766部(3モル部)」、「deg/PO2モル/BO2モル付加物(P1)732部(2モル部)」及び「プルロニックグリコール(EO3モル−PO10モル−EO3モル)ジグリシジルエーテル(g1)3840部(4モル部)」をそれぞれ表2に示した化合物及び使用モル数に変更したこと以外、実施例1と同様にして、ポリオキシアルキレン化合物(Y2)〜(Y16)及び本発明のグロス向上剤(2)〜(16)を得た。
なお、水酸化カリウムの使用量は、合計仕込み量のおよそ0.1%となるように調整した。
Figure 0005499241
g2はネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル{エピオールNPG−100、日油(株)製、エポキシ当量150g/eq、「エピオール」は同社の登録商標である}、g3は1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル{1,6HD−DEP(D)、四日市合成(株)製、エポキシ当量116g/eq}、g4はシクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル{EX−216L、ナガセケムテックス(株)製、エポキシ当量128g/eq}、g5はポリオキシプロピレングリコール(3モル)ジグリシジルエーテル{エピオールP−200、日油(株)製、エポキシ当量155g/eq}、g6はポリオキシプロピレングリコール(7モル)ジグリシジルエーテル{グリシエールPP−300P、三洋化成工業(株)製、エポキシ当量290g/eq、「グリシエール」は同社の登録商標である}、g7はポリオキシエチレングリコール(EO9モル)ジグリシジルエーテル{エピオールE−400、日油(株)製、エポキシ当量285g/eq}であり、各エポキシ当量を2倍した数値をそれぞれの分子量とした。
<比較例1>
サンニックスジオールPL−2100{三洋化成工業株式会社製、ポリオキシプロピレンの両末端にポリオキシエチレンブロックを付加するプルロニック型ポリエーテル、EO含有量約30%品(分子量約2400)、「サンニックス」は同社の登録商標である}を比較用のグロス向上剤(H1)とした。
<比較例2>
PEG#300{日油株式会社製、ポリオキシエチレングリコール(分子量約300)}を比較用のグロス向上剤(H2)とした。
実施例及び比較例で得た塗料用グロス向上剤を用いて、常乾型水性塗料及び熱硬化型水性塗料を調製し、常乾型水性塗料に於いてはグロス値(入射角60度での測定)、調色性、消泡性及び耐水性を、また、熱硬化型水性塗料に於いてはグロス値、ワキ防止性、平滑性及び耐水性を評価し、結果を表5に示した。
1.常乾型水性塗料による評価
<顔料分散液の調製>JIS K5600−2−5:1999に準拠
インペラー型羽根を備えたエクセルオートホモジナイザー(日本精器株式会社製、モデルED、以下同じ)を用い、表3に示した使用量で、イオン交換水、エチレングリコール、SNウェット及びノプコサイドからなる混合液に、タイペーク(「タイペーク」は石原産業(株)の登録商標である)を撹拌しながら添加し、均一になるまで顔料分散を行って、顔料分散液を得た。
なお、つぶゲージ法(JIS K5600−2−5:1999に準拠)により、顔料分散液に5ミクロン以上の粒の無いことを確認した。
また、顔料分散液を脱泡機{あわとり練太郎(株)製、モデルAR−250、「あわとり練太郎」は株式会社シンキーの登録商標である}にて3分間脱泡した。
<塗料の調製>JIS K5600−2−5:1999に準拠
得られた顔料分散液に、表3に示した使用量で、プライマル、テキサノール、SNデフォーマー、SNシックナー及びユニラントを加えて、インペラー型羽根を備えたエクセルオートホモジナイザーでレッドダウン工程を行い、常乾型水性塗料を得た。なお、常乾型水性塗料はつぶゲージ法にて5ミクロン以上の粒の無いことを確認した。
Figure 0005499241
※1 サンノプコ(株)製湿潤剤
※2 サンノプコ(株)製消泡剤
※3 サンノプコ(株)製防腐剤
※4 石原産業(株)製二酸化チタン、「タイペーク」は同社の登録商標である。
※5 日本アクリル(株)製アクリル−スチレン樹脂、「プライマル」はローム エンド ハースコムパニーの登録商標である。
※6 イーストマンケミカル社製造膜調整剤、「テキサノール」は吉村油化学株式会社の登録商標である。
※7 サンノプコ(株)製増粘剤
※8 横浜化成(株)製着色顔料(黒)、「unirant」は同社の登録商標である。
<評価用塗料(1)の調製>
常乾型水性塗料100gに対して、実施例及び比較例で得たグロス向上剤2.0gを添加(ブランクとしては、グロス向上剤に代えてイオン交換水2.0gを添加)し、エクセルオートホモジナイザーを用いて攪拌(2000rpm×5分間)の後、脱泡機{あわとり練太郎}にて3分間脱泡して、実施例及び比較例に対応する各評価用塗料(1)を得た。
<評価用塗膜の作成>
各評価用塗料(1)を、アセトンにて脱脂したポリエステルフィルム(縦:150mm、横:150mm、厚み:0.10mm、東レルミラーL−100T60、東レ株式会社製)上にアプリケーターを用いてウェット膜厚0.3mmにて塗布し、温度:25℃、湿度:40%RHにて7日間乾燥して、評価用塗膜を得た。
<グロスの評価>
評価用塗膜を、光沢計(日本電色工業株式会社製、VGS−300A)にて入射角60゜でのグロスをそれぞれ6個所測定し、平均値を算出し、これをグロス値とした。
<耐水性の評価>
グロスの評価を終えた評価用塗膜を、イオン交換水(25〜30℃)に7日間浸漬する。次いで水から引き上げて中央部分の100mm×100mm面積内のブリスター(水膨れ)痕(直径1.0mm以上)を数えて、耐水性の評価とした。
<調色性の評価>
各評価用塗料(1)をイオン交換水にて85KU値(25℃)に希釈し、アセトンにて脱脂したステンレス板(200mm×120mm、1.2mm厚)の全体に、スプレーガン{ワイダーW−88カップガン(岩田塗装(株)製)}を用いて、スプレー塗装し(ウェット膜厚:約0.3mm)、その直後にそのうち半面(およそ100mm×120mmの範囲)をハケ塗りして(ハケ;大塚刷毛製造株式会社製、水性ペイント用#70)、常乾(約25℃、40%RH)にて、7日間乾燥後、色差計(日本電色工業(株)製、SPECTRO COLOR METERMODEL PF-10)を用いて、スプレー塗装した部分の色差{ΔE(スプレー)}と、ハケ塗りした部分の色差{△E(ハケ)}とを測定し、次式により両者の差を算出して、この値を調色性とした。この値は小さいほど、調色性が良好であることを意味する。なお、|ΔE|は、ΔEの絶対値を意味する。

(調色性)=|△E(スプレー)−△E(ハケ)|
<消泡性の評価>
各評価用塗料(1)をイオン交換水にて85KU値(25℃)に希釈し、インペラー型羽根を備えたエクセルオートホモジナイザーにて500rpmにて2分間攪拌した直後にアセトンにて脱脂したステンレス板(200mm×120mm、1.2mm厚)にハケ塗り(ウェット膜厚:約0.3mm)して(ハケ;大塚刷毛製造株式会社製、水性ペイント用#70)、25℃、40%RHで1日間乾燥した後、中央部分の100mm×100mm面積内の泡痕(直径1.0mm以上)を数えて、この数を消泡性とした。この数は小さいほど、消泡性が良好であることを意味する。
2.熱硬化型水性塗料による評価
<塗料>JIS K5600−2−5:1999に準拠
表4に示した原料及び使用量を用いて、インペラー型羽根を備えたエクセルオートホモジナイザーで混合分散して、熱硬化型水性塗料を得た。なお、つぶゲージ法にて、この塗料に5ミクロン以上の粒の無いことを確認した。
Figure 0005499241
※1 大日本インキ化学(株)製水溶性アクリル樹脂、「ボンコート」は同社の登録商標である。
※2 三井サイアナミッド(株)製水溶性メラミン樹脂、「サイメル」はサイテツク テクノロジー コーポレーションの登録商標である。
※3 石原産業(株)製二酸化チタン、「タイペーク」は同社の登録商標である。
※4 サンノプコ(株)製消泡剤、「ノプコ」は、コグニス・ドイッチュランド・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシヤフトの登録商標である。
※5 サンノプコ(株)製増粘剤
<評価用塗料(2)の調製>
熱硬化型水性塗料100gに対して実施例及び比較例で得たグロス向上剤2.0gを添加(ブランクとしては、グロス向上剤に代えてイオン交換水2.0gを添加)し、エクセルオートホモジナイザーを用いて攪拌(2000rpm×5分間)の後、脱泡機{あわとり練太郎}にて3分間脱泡して、実施例及び比較例に対応する各評価用塗料(2)を得た。
<評価用塗膜の作成>
各評価用塗料(2)をイオン交換水で、フォードカップNo.4(JIS K−5600−2−2に準拠)で20秒(25℃)になるように希釈した。次いでアセトンにて脱脂したポリエステルフィルム(縦:150mm、横:150mm、厚み:0.10mm)上にアプリケーターを用いてウェット膜厚0.2mmにて塗布した。1分後、100℃の乾燥機内で20分加熱乾燥させて評価用塗膜を得た。
<グロスの評価>
評価用塗膜を、光沢計(日本電色工業株式会社製、VGS−300A)にて入射角60度でのグロスをそれぞれ6個所測定し、平均値を算出し、これをグロス値とした。
<耐水性の評価>
グロスの評価を終えた評価用塗膜を、イオン交換水(25〜30℃)に7日間浸漬する。次いで水から引き上げて中央部分の100mm×100mm面積内のブリスター(水膨れ)痕(直径1.0mm以上)を数えて、耐水性の評価とした。
<ワキ防止性の評価>
各評価塗料(2)をイオン交換水で、フォードカップNo.4(JIS K−5600−2−2に準拠)で20秒(25℃)になるように希釈し、アセトンにて脱脂したステンレス板(200mm×120mm、1.2mm厚)に、スプレーガン{ワイダーW−88カップガン、岩田塗装(株)製}を用いて、膜厚傾斜塗装した後、10分間セッテイング(25℃、40%相対湿度)した後、140℃、10分間焼き付けし、膜厚差のある塗膜を形成して、ワキ限界膜厚値を評価し、この値をワキ防止性とした。この値が高いほどワキ防止性が良好であることを意味する。
なお、ワキ限界膜厚値は、傾斜塗装して膜厚差のある塗膜を形成し、焼き付け乾燥を行うと、膜厚の薄い部分から厚い部分にかけてワキを発生するが、このワキが発生し始める部分の膜厚を意味し、電磁微膜厚計{オーウエル(株)製、SEM−100型}にて測定した(単位:μm)。
<平滑性の評価>
各評価塗料(2)をイオン交換水で、フォードカップNo.4で20秒(25℃)になるように希釈し、アセトンにて脱脂したステンレス板(200mm×120mm、1.2mm厚)に、スプレーガン(ワイダーW−88カップガン)を用いて、ウェット膜厚0.2mmに塗装し、10分間セッテイング(25℃、40%相対湿度)した後、140℃、10分間焼き付けした。塗膜表面全体において、肉眼でハジキ、クレーター(それぞれ直径1.0mm以上)の数を数え、この数を平滑性とした。
Figure 0005499241
評価結果から、本発明の塗料用グロス向上剤(実施例1〜16)は、比較例1、2に比べて、グロス値(光沢)、耐水性、調色性、消泡性、ワキ防止性及び平滑性に著しく優れていた。また、ブランクに比較して、グロス値が向上しており、グロス向上性能に著しく優れていた。
本発明の塗料用グロス向上剤は水性塗料及び非水性塗料に適用することができるが、これらのうち水性塗料に好適であり、さらに水性エマルション塗料に適し、特に建築用水性塗料又は熱硬化型水性塗料(自動車上塗り水性塗料、建材用水性塗料等)に最適である。水性エマルション塗料としては、アクリル系、酢酸ビニル系、スチレン系、ハロゲン化オレフィン系、ウレタン系、アクリル−シリコン系又はフッ素系等の塗料が挙げられる。そして、本発明のグロス向上剤は、水性の常乾塗料、水性の熱硬化型塗料に極めて有用である。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)を含有してなることを特徴とする塗料用グロス向上剤。

    −G(−P−G−S−G)−P−G−S (1)

    ただし、Sは一般式(2)で表される基、Sは一般式(3)で表される基、Gは炭素数10〜50のジグリシジルエーテルの反応残基、Pは一般式(4)で表される基、qは0、1又は2を表す。
    Figure 0005499241

    Qは非還元性の二又は三糖類のt個の1級水酸基から水素原子を除いた残基、OAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Xは炭素数2〜15のアルキレン又はアリーレン、Oは酸素原子、Hは水素原子、nは3〜20の整数、tは2〜4の整数、mは2〜20の整数を表し、S単位又はS単位に含まれるOAの総数はそれぞれ10〜50の整数であり、S、S、G、P、(OA)n、(OA)m、Q、n、mは、それぞれ同じでも異なってもよい。
  2. 非還元性の二又は三糖類の反応残基(Q)が蔗糖の反応残基である請求項1に記載のグロス向上剤。
  3. 水性塗料用である請求項1又は2に記載のグロス向上剤。
  4. 非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部と、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)10〜50モル部との化学反応から化合物(a12)を得る工程(1);
    炭素数2〜15のグリコール(a3)1モル部と炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)4〜40モル部との化学反応から化合物(a32)を得る工程(2);
    化合物(a12)1モル部と、化合物(a32)0.5〜0.75モル部と、炭素数10〜50のジグリシジルエーテル(a4)1.0〜1.50モル部との化学反応からポリオキシアルキレン化合物(Y)を得る工程(3)を含むことを特徴とする塗料用グロス向上剤の製造方法。
  5. 水性塗料及び請求項1〜3のいずれかに記載のグロス向上剤とからなり、このグロス向上剤を水性塗料の重量に基づいて0.1〜5重量%含有してなることを特徴とする塗料。
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