JP6298976B2 - 界面活性剤及びこれを含有してなる塗料 - Google Patents

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本発明は界面活性剤及びこれを含有してなる塗料に関する。さらに詳しくは水性塗料(水性コーティング剤を含む)用として好適な界面活性剤(特に表面張力低下能、塗膜表面調整能(レベリング性、泡切れ性、鮮映性、ワキ防止性等)、分散性に優れる)及びこれを含有してなる塗料に関する。
近年、水性塗料はその作業安全性や無公害化等の観点から急速にその需要が増加している。また、工業用塗装ラインにおける熱硬化型塗料の水性化への動きにもめざましいものがあり、自動車用ベースコート、中塗り塗料もその殆どすべてが水性化される勢いとなっている。しかし水性塗料はその溶媒の主成分が表面張力が高い水であることから、被塗布面へのなじみ、濡れ性の不足によるハジキの発生、顔料の分散性に起因する調色性、粘度の増大等の問題や、水の蒸発潜熱が大きいことに起因して、加熱硬化中の発泡によってワキが発生し易いという塗膜表面調整能の問題を解決するために、界面活性剤{分散剤、塗膜表面調整剤(ワキ防止剤等)}の添加が必須となる。
一方、このような界面活性剤を添加すると塗料が泡立ち易くなるため、さらに消泡剤を添加せざるを得なくなり、消泡剤を添加すると塗膜表面調整能が悪化するため、さらに塗膜表面調整剤の添加が必要となるという悪循環が生じている。
水性塗料の塗膜表面調整能を改善するため、エアープロダクツジャパン株式会社のアセチレングリコール系{サーフィノール104(2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール)にエチレンオキシドを重合させた化合物、たとえば、サーフィノール420、440、465及び485)(非特許文献1)や、「非還元性の二、三糖類に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを重合させた化合物[A]からなる紙塗工塗料用表面改質剤」(特許文献1)が提案されている。また、水性塗料用分散剤としては、「アクリル酸とマレイン酸の共重合物の塩からなる炭酸カルシウム用分散剤」(特許文献2)が知られており、さらに、ワキ防止剤としては、「ベンゾインの炭素数1〜4のアルキルエーテル化物」(特許文献3)が知られている。
特開2003−166199号公報 特開昭53−129200号公報 特公平2−390号公報
水性塗料用界面活性剤「サーフィノール」、山崎一朗著、雑誌「塗装と塗料」、2000年8月(No.607)77頁、株式会社塗料出版社
非特許文献1や特許文献1に記載の界面活性剤では塗膜表面調整能が十分でないという問題がある。
また、塗膜表面調整能を向上させるために特許文献2に記載の分散剤を用いる程、塗膜の耐水性が低下するという問題がある他に、この分散剤による泡立ちを解消するためさらに消泡剤を添加する必要があるという問題がある。
さらに、特許文献3に記載のワキ防止剤を熱硬化型水性塗料に用いると、相溶性が不足するため塗膜表面調整能{塗膜の泡切れ性や鮮映性(グロス)等}が不十分となったり、仕上がり外観を損なうという問題がある。このような相溶性を改善するためにさらに相溶化剤の添加を必要とする等の問題がある。
そして、これらの界面活性剤(分散剤、消泡剤、相溶化剤等)の使用量が増加する程、形成される塗膜の耐水性が低下するという問題がある。
すなわち、本発明の目的は、耐水性に悪影響が無く、高い界面活性能{表面張力低下能、塗膜表面調整能(泡切れ性、鮮映性、ワキ防止性等)、分散性等}を持つ界面活性剤を提供することである。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に達した。すなわち、本発明の界面活性剤の特徴は、一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(X)及び/又は一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)を含有してなる点を要旨とする。

〔(T−)b-1U−〕f-a S (1)


〔(T−)b-1U−〕f-1 S−G−S〔−U(−T)b-1f-1 (2)
ただし、Sは一般式(3)で表される有機基、Uは一般式(4)で表される有機基、Tは一般式(5)で表される有機基、Gは2−ヒドロキシプロピレン基{−CH−CH(OH)−CH−}、fは2〜4の整数、aは0又は1、bは3又は4を表す。
{−G−(OA−)f-a Q{−(OA−)H} (3)

Z{−(OA−) (4)

R−(OA−)G− (5)
Qは非還元性の二又は三糖類のf個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、OAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Zは3又は4価の脂肪族アルコール(炭素数3〜6)の水酸基から水素原子を除いた反応残基、Rは炭素数5〜13のアルキル基(j=0の場合に限る。)又は炭素数8〜14のアルコキシ基、Hは水素原子、mは5〜25の整数、nは1〜10の整数、jは0又は4〜8の整数を表し、一般式(3)に含まれるOAの総数は15〜50の整数、一般式(4)に含まれるOAの総数は3〜30の整数であり、T、U、S、Q、Z、R、(OA−)m、(OA−)n、(OA−)j、a、b、f、m、n及びjはそれぞれ同じでも異なってもよい。
本発明の水性塗料用表面調整剤の特徴は、上記の界面活性剤を含有してなる点を要旨とする。
本発明の水性塗料用分散剤の特徴は、上記の界面活性剤を含有してなる点を要旨とする。
本発明の水性塗料の特徴は、塗料及び上記の界面活性剤を含有してなり、この界面活性剤の含有量が塗料の重量に基づいて0.1〜5重量%である点を要旨とする。
本発明の界面活性剤は、高い界面活性能{表面張力低下能、塗膜表面調整能(泡切れ性、鮮映性、ワキ防止性等)、分散性等}を発揮し、さらに耐水性、消泡性の面にも優れている。
本発明の水性塗料用塗膜表面調整剤は、上記の界面活性剤を含有し、高い界面活性能を発揮するので、熱硬化型塗料に於いて加熱硬化時の塗膜表面調整能(泡切れ性、鮮映性、ワキ防止性等)にも優れている。
本発明の水性塗料用分散剤は、上記の界面活性剤を含有し、高い界面活性能を発揮するので、顔料の分散性に優れ、調色性等の向上に効果が大きい。
本発明の水性塗料は、上記の界面活性剤を含んでいるので、塗膜の調色性、表面の平滑性に優れているので意匠性が高い。
実施例1又は比較例1、2で得た界面活性剤について、動的表面張力を測定した結果を示すグラフである。
fは2〜4の整数が好ましく、特に好ましくは3又は4である。この範囲であると、界面活性能(特に表面張力低下能)がさらに良好となる。
aは、0又は1が好ましく、さらに好ましくは0である。この数であると、界面活性能(特に顔料の分散性)がさらに良好となる。
bは、3又は4が好ましい。この数であると、界面活性能(特にワキ防止性)がさらに良好となる。
非還元性の二又は三糖類のt個の1級水酸基から水素原子を除いた残基(Q)を構成することができる糖類としては、蔗糖(サッカロース)、トレハロース、イソトレハロース、イソサッカロース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース及びプランテオース等が含まれる。これらのうち、界面活性能の観点から、蔗糖、トレハロース、ゲンチアノース、ラフィノース及びプランテオースが好ましく、さらに好ましくは蔗糖、トレハロース及びラフィノースであり、供給性及びコスト等の観点から特に好ましくは蔗糖である。
炭素数2〜4のオキシアルキレン基(OA)としては、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン及びこれらの混合等が挙げられる。これらのうち、界面活性能(特に分散性)の観点からオキシエチレンが好ましく、また耐水性の観点からオキシプロピレン及びオキシブチレンが好ましい。
3又は4価の脂肪族アルコール(炭素数3〜6)の水酸基から水素原子を除いた残基(Z)を構成することができる脂肪族アルコールとしては、3価アルコール(トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン及びグリセリン等)、4価アルコール(ソルビタン、ジグリセリン及びペンタエリスリトール等)等が挙げられる。これらのうち、反応のしやすさの観点から、3価アルコールが好ましく、さらに好ましくはグリセリンである。
炭素数5〜13のアルキル基(j=0の場合に限る。)又は炭素数8〜14のアルコキシ基(R)のうち、炭素数5〜13のアルキル基としては、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2−エチルヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル及びトリデシル等が挙げられる。これらのうち、ペンチル、ヘプチル及びノニルが好ましく、さらに好ましくはヘプチル及びノニルである。なお、j=0の場合に限り、Rは炭素数5〜13のアルキル基となりうる。
(R)のうち、炭素数8〜14のアルコキシ基としては、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデカオキシ、シクロヘキシルオキシ及びベンジルオキシ等が挙げられる。これらのうち、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ及びベンジルオキシが好ましく、さらに好ましくは2−エチルヘキシルオキシ及びデシルオキシである。
mは、5〜25の整数が好ましく、さらに好ましくは5〜20の整数、特に好ましくは10〜20の整数である。この範囲であると、界面活性能がさらに良好となる。
nは、1〜10の整数が好ましく、さらに好ましくは1〜5の整数、特に好ましくは2〜5の整数、最も好ましくは2〜4の整数である。この範囲であると、界面活性能(特に分散性)がさらに良好となる。
jは0又は4〜8の整数が好ましく、さらに好ましくは0又は5〜7の整数である。なお、Rが炭素数5〜13のアルキル基の場合、jは0である。この範囲であると、界面活性能(特にワキ防止性)がさらに良好となる。
一般式(3)に含まれるOAの総数は、15〜50の整数が好ましく、さらに好ましくは15〜40の整数、特に好ましくは20〜40の整数、最も好ましくは20〜30の整数である。この範囲であると、界面活性能がさらに良好となる。
一般式(4)に含まれるOAの総数は、3〜30が好ましく、さらに好ましくは3〜20、特に好ましくは5〜20、最も好ましくは10〜20である。この範囲であると、界面活性能(特に表面張力低下能)がさらに良好となる。
(OA−)m、(OA−)n又は(OA−)j内に複数種類のオキシアルキレン基を含む場合、これらのオキシアルキレン基の結合順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び含有割合には制限はない。
(OA−)m内に、オキシプロピレン及び/又はオキシブチレンと、オキシエチレンとを含む場合、オキシエチレンの含有割合(モル%)は、オキシアルキレン基の全モル数に基づいて、5〜20が好ましく、さらに好ましくは5〜10である。また、この場合、反応残基(Q)から離れた端部にオキシプロピレン及び/又はオキシブチレンが位置することが好ましい。すなわち、(OA−)nにオキシエチレンを含む場合、反応残基(Q)にオキシエチレンが直接的に結合していることが好ましい。
(OA−)n内に、オキシエチレンとオキシプロピレン及び/又はオキシブチレンとを含む場合、オキシプロピレン及び/又はオキシブチレンの含有割合(モル%)は、オキシアルキレン基の全モル数に基づいて、5〜50が好ましく、さらに好ましくは10〜40である。この場合、反応残基(Z)から離れた端部にオキシエチレンが位置することが好ましい。すなわち、(OA−)mにオキシエチレンを含む場合、反応残基(Z)にオキシエチレンが直接的に結合していないことが好ましい。
(OA−)j内に、オキシエチレンとオキシプロピレン及び/又はオキシブチレンとを含む場合、オキシプロピレン及び/又はオキシブチレンの含有割合(モル%)は、オキシアルキレン基の全モル数に基づいて、5〜50が好ましく、さらに好ましくは10〜40である。この場合、アルコキシ基(R)から離れた端部にオキシエチレンが位置することが好ましい。すなわち、(OA−)jにオキシエチレンを含む場合、アルコキシ基(R)にオキシエチレンが直接的に結合していないことが好ましい。
本発明の界面活性剤は、ポリオキシアルキレン化合物(X)又はポリオキシアルキレン化合物(Y)のいずれかを含有していればよいが、これらの両方を含んでいてもよい。ポリオキシアルキレン化合物(X)及びポリオキシアルキレン化合物(Y)の両方を含む場合、ポリオキシアルキレン化合物(X)の含有量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物(X)及びポリオキシアルキレン化合物(Y)の重量に基づいて、1〜99が好ましく、さらに好ましくは30〜70である。また、この場合、ポリオキシアルキレン化合物(Y)の含有量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物(X)及びポリオキシアルキレン化合物(Y)の重量に基づいて、1〜99が好ましく、さらに好ましくは30〜70である。
ポリオキシアルキレン化合物(X)及びポリオキシアルキレン化合物(Y)は公知の方法で製造でき、たとえば、以下の工程を含む製造方法により製造できる。
炭素数8〜14の一価アルコール1モル部と、エピハロヒドリン1モル部との化学反応(ウリアムソン合成法)、又は炭素数8〜14の一価アルコール1モル部と炭素数2〜4のアルキレンオキシド4〜8モル部とを化学反応(アルキレンオキシド付加反応)させてアルキレンオキシド付加体を得た後、このアルキレンオキシド付加体1モル部と、エピハロヒドリン1モル部との化学反応(ウリアムソン合成法)から一般式(5)で表される1価の有機基(T)の前駆化合物(d1)を得る工程(1);
3又は4価アルコール(炭素数3〜6)1モル部と炭素数2〜4のアルキレンオキシド3〜30モル部とを化学反応(アルキレンオキシド付加反応)させてアルキレンオキシド付加体{一般式(4)で表される有機基(U)の前駆体}を得た後、このアルキレンオキシド付加体1モル部と1価の有機基(T)の前駆体(d1)又は炭素数8〜16のα−オレフィンエポキシドの2又は3モル部との化学反応(エポキシ開環反応)から前駆体(d2)を得る工程(2);
非還元性の二又は三糖類1モル部と、炭素数2〜4のアルキレンオキシド15〜50モル部の化学反応(アルキレンオキシド付加反応)からアルキレンオキシド付加体を得た後、このアルキレンオキシド付加体1モル部と、エピハロヒドリン1〜4モル部とを反応(ウリアムソン合成法)させて一般式(3)で表される有機基(S)の前駆体(d3)を得てから、この前駆体(d3)1モル部と前駆体(d2)1〜4モル部と化学反応(エポキシ開環反応)させて一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(X)を得る工程(3)を含む方法。
非還元性の二又は三糖類1モル部と、炭素数2〜4のアルキレンオキシド15〜50モル部の化学反応(アルキレンオキシド付加反応)からアルキレンオキシド付加体を得た後、このアルキレンオキシド付加体1モル部と、エピハロヒドリン1〜3モル部とを反応(ウイリアムソン合成法)させて一般式(3)で表される有機基(S)の前駆体(d4)を得てから、この前駆体(d4)1モル部と前駆体(d2)1〜3モル部と化学反応(エポキシ開環反応)させて一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(X)のうちa=1である前駆体(d5)を得る工程(4);
前駆体(d5)2モル部とエピハロヒドリン1モル部とを化学反応(ウイリアムソン合成法及びエポキシ開環反応)させて一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)を得る工程(5)を含む方法。
これらの工程を含む方法により製造されるポリオキシアルキレン化合物(X)又はポリオキシアルキレン化合物(Y)には、オキシアルキレン基やQ、a、b、f、m、n、jの数等に分布を生じる場合があり、この場合、厳密には複数種類のポリオキシアルキレン化合物の混合物となり、この混合物の中に、ポリオキシアルキレン化合物(X)又はポリオキシアルキレン化合物(Y)が含まれるものである。
炭素数8〜14の一価アルコールとしては、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、シクロヘキサノール及びベンジルアルコール等が挙げられる。これらのうち、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール及びベンジルアルコールが好ましく、さらに好ましくは2−エチルヘキシルアルコール及びデシルアルコールである。
炭素数2〜4のアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド(以下、EOと略記する。)、プロピレンオキシド(以下、POと略記する。)、ブチレンオキシド(以下、BOと略記する。)及びこれらの混合物等が挙げられる。これらのうち、界面活性能(特に分散性)の観点からEOが好ましく、また、耐水性の観点からPO及びBOが好ましい。
複数種類のアルキレンオキシドを使用する場合、これらのアルキレンオキシドの結合順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び含有割合には制限はない。
エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン及びエピブロモヒドリン等が使用できる。これらのうち、エピクロルヒドリンが好ましい。
3又は4価アルコール(炭素数3〜6)としては、反応残基(Z)を構成することができる3又は4価の脂肪族アルコールと同じものが使用でき、好ましい範囲も同じである。
非還元性の二又は三糖類としては、反応残基(Q)を構成することができる二又は三糖類と同じものが使用でき、好ましい範囲も同じである。
炭素数8〜16のα−オレフィンエポキシドとしては、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシテトラデカン及び1,2−エポキシヘキサデカン等が挙げられる。これらのうち、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン及び1,2−エポキシテトラデカンが好ましく、さらに好ましくは1,2−エポキシドデカンである。
アルキレンオキシド付加反応は、アニオン重合、カチオン重合又は配位アニオン重合等のいずれの形式で実施してもよい。また、これらの重合形式は単独でも、重合度等に応じて組み合わせて用いてもよい。
アルキレンオキシド付加反応には反応触媒が使用できる。なお、反応溶媒として以下に説明するアミドを用いる場合、反応触媒を用いる必要がない。
反応触媒としては、通常使用されるアルキレンオキシド付加反応用触媒等が使用でき、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウム等)、アルカリ金属のアルコラート(カリウムメチラート及びセシウムエチラート等)、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸カリウム、炭酸セシウム及び炭酸バリウム等)、炭素数3〜24の第3級アミン(トリメチルアミン、トリオクチルアミン、トリエチレンジアミン及びテトラメチルエチレンジアミン等)、及びルイス酸(塩化第二錫及びトリフッ化ホウ素等)等が用いられる。これらのうち、アルカリ金属の水酸化物及び第3級アミンが好ましく、さらに好ましくは水酸化カリウム、水酸化セシウム及びトリメチルアミンである。
反応触媒を使用する場合、その使用量(重量%)は、1価アルコール、と3若しくは4価アルコール又は非還元性の二又は三糖類と、アルキレンオキシドとの合計重量に基づいて、0.05〜2が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1、特に好ましくは0.1〜0.5である。
反応触媒を使用する場合、反応触媒は反応生成物から除去することが好ましく、その方法としては、合成アルミノシリケートなどのアルカリ吸着剤{例えば、商品名:キョーワード600、キョーワード700等、協和化学工業株式会社、「キョーワード」は同社の登録商標である。}を用いる方法(特開昭53−123499号公報等)、キシレン又はトルエン等の溶媒に溶かして水洗する方法(特公昭49−14359号公報等)、イオン交換樹脂を用いる方法(特開昭51−23211号公報等)及びアルカリ性触媒を炭酸ガスで中和して生じる炭酸塩を濾過する方法(特公昭52−33000号公報)等が挙げられる。
反応触媒の除去の終点としては、CPR(Controlled Polymerization Rate)値が20以下であることが好ましく、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。なお、CPRは、JIS K1557−4:2007に準拠して測定される。
反応容器としては、加熱、冷却及び撹拌が可能な耐圧性反応容器を用いることが好ましい。反応雰囲気としては、アルキレンオキシドを反応系に導入する前に反応装置内を真空又は乾燥した不活性気体(アルゴン、窒素及び二酸化炭素等)の雰囲気とすることが好ましい。また、反応温度(℃)としては80〜150が好ましく、さらに好ましくは90〜130である。反応圧力(MPa)は0.8以下が好ましく、さらに好ましくは0.5以下である。
反応終点の確認は、次の方法等により行うことができる。すなわち、反応温度を15分間一定に保ったとき、反応圧力の低下が0.001MPa以下となれば反応終点とする。所要反応時間は通常4〜12時間である。
非還元性の二又は三糖類や3又は4価のアルコール(特にペンタエリスリトール、ソルビタン等)とアルキレンオキシドとのアルキレンオキシド付加反応には、反応溶媒を用いることが好ましい。反応溶媒としては、活性水素を持たないものが好ましく、さらに好ましくは非還元性の二又は三糖類、アルキレンオキシド及びこれらの反応により生成する生成物を溶解するものが好ましい。
このような反応溶媒としては、炭素数3〜8のアルキルアミド及び炭素数5〜7の複素環式アミド等が使用できる。
アルキルアミドとしては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−N−プロピルアセトアミド及び2−ジメチルアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール等が挙げられる。
複素環式アミドとしては、N−メチルピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム及びN,N−ジメチルピロールカルボン酸アミド等が挙げられる。
これらのうち、アルキルアミド及びN−メチルピロリドンが好ましく、さらに好ましくはDMF、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン、特に好ましくはDMF及びN−メチルピロリドン、最も好ましくはDMFである。
反応溶媒を用いる場合、その使用量(重量%)は、非還元性二又は三糖類とアルキレンオキシドとの反応により生成する生成物の重量に基づいて、20〜200が好ましく、さらに好ましくは40〜180、特に好ましくは60〜150である。
反応溶媒を用いた場合、反応後に反応溶媒を除去することが好ましい。反応溶媒の残存量(重量%)は、アルキレンオキシド付加反応により生成する生成物の重量に基づいて、0.1以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05以下、特に好ましくは0.01以下である。なお、反応溶媒の残存量は、内部標準物質を用いるガスクロマトグラフィー法にて求めることができる。
反応溶媒の除去方法としては、減圧留去及び吸着除去等が適用でき、減圧留去した後さらに吸着除去することが好ましい。減圧留去する条件としては、0.6〜27kPaの減圧下にて100〜150℃にて留去する条件等が適用できる。吸着除去としては、合成アルミノシリケート等のアルカリ吸着剤{例えば、商品名:キョーワード600、協和化学工業株式会社}を用いて処理する方法等が適用できる。例えば、キョーワード600を用いる場合、アルカリ吸着剤の添加量は、生成物の重量に基づいて、0.1〜10重量%程度、処理温度は60〜120℃程度、処理時間は0.5〜5時間程度である。続いてろ紙またはろ布等を用いてろ別してアルカリ吸着剤を取り除くことにより、反応溶媒の残存量を減少させることができる。
ウイリアムソン合成法(グリシジルエーテル化反応)には、公知の方法(特開2013−032317号公報等)が適用でき、塩基による脱ハロゲン化水素反応(Willamson合成法:反応中に逐次生成するハロゲン化水素を塩基により中和することにより反応を駆動する)で適用される反応条件が適用できる。
エピハロヒドリンの反応モル数は、使用する塩基の量で決まり、反応の進行により発生するハロゲン化水素(塩酸等)を中和できなくなると反応が終了する。なお、エピハロヒドリンは目的の反応モル数よりも過剰に用いて反応を完結させてもよい(過剰のエピハロヒドリンは留去が容易である。)。
塩基としては、アルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)等が使用できる。
塩基の使用量{モル数}は、反応するエピハロヒドリンのモル数(設計値:未反応となる過剰モル数を含まない。)をNとすると、N±0.1が好ましく、さらに好ましくはNである。
反応容器としては、加熱・冷却、撹拌及び滴下(圧入)が可能な反応容器を用いることが好ましい。反応温度(℃)としては、30〜60程度が好ましく、さらに好ましくは40〜50である。反応雰囲気としては、エピハロヒドリンを反応系に導入する前に反応装置内を不活性ガス(アルゴン、窒素及び二酸化炭素等)の雰囲気とすることが好ましい。
ウイリアムソン合成法による反応の開始に先立ち、水の含有量を以下の範囲に調整することが好ましい。すなわち、その水の含有量(重量%)は、エピハロヒドリンと反応させる基質{アルキレンオキシド付加体、前駆体(d3)}、塩基及びエピハロヒドリンの重量に基づいて、2〜5が好ましく、さらに好ましくは2.5〜4.5、特に好ましくは3〜4である。この範囲であると、生成した中和塩が大きく結晶化し、脱塩濾過工程(例えば、濾紙No.2:ADVANTEC東洋株式会社製、保留粒子径:5μm)にて容易に除去できる。なお、ウイリアムソン合成法による反応中において、中和塩と共に水が副生するが、反応開始時に水の含有量が上記の範囲であれば、反応途中において、この範囲を上回っても何ら差し支えない。
ウイリアムソン合成法による反応系内に水が存在すると、特開平5−163260号公報に記載の副反応が生じ、導入された一部のグリシジル基(エポキシ基)が開環反応しやすくなると考えられるが、もし、部分的に開環反応しても本発明においては問題ない。
ウイリアムソン合成法による反応終点の確認は、次の方法等により行うことができる。すなわち、反応液のpHを測定し7〜8となれば反応終点とする。所要反応時間は通常1〜5時間である。なお、pHは、反応液を直接リトマス試験紙に付着させて色の変化を観察することにより測定できる(20〜30℃)。
上記反応に引き続き、副生した中和塩を濾過処理により除去することが好ましいが、これには得られた生成物(グリシジルエーテル化物)の重量に基づいて、水の含有量を0.2(好ましくは0.1、さらに好ましくは0.05)重量%以下にした後、反応で副生した中和塩を濾過処理により除去することが好ましい。
濾過は公知の方法が適用でき、通常の自然濾過でも、減圧濾過(吸引濾過)でもよい。濾材や濾過装置も公知のものをそのまま適用できる。濾過温度(℃)としては、30〜80程度が好ましく、さらに好ましくは50〜70である。
エポキシ開環反応には、反応触媒を用いることができ、このような触媒としては、アルキレンオキシド付加反応に用いられるものと同一であり、公知の触媒(特開2004−224945号公報等)等が適用できる。触媒を用いた場合、アルキレンオキシド付加反応の場合のように除去することが好ましい。
エポキシ開環反応の終点は、エポキシ基の消滅により確認できる。エポキシ基の定量としては、過塩素酸と第四級アンモニュウム塩(CTAB)とからハロゲン化水素(HB)を発生させてこれとエポキシ基とを反応させるセチルトリメチルアンモニュウムブロマイド(CTAB)法(JIS K7236:ISO3001:1999に準拠)が適用できる。
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(X)及び一般式(2)で表される、ポリオキシアルキレン化合物(Y)としては、表1で示される化合物等が挙げられる。表中、No.101〜108はポリオキシアルキレン化合物(X)、No.201〜208はポリオキシアルキレン化合物(Y)の例である。
なお、T、U、S、(OA−)m、(OA−)n、(OA−)j、a、b、f、Q、Z、Rは一般式(1)〜(5)のそれぞれに対応する。そして、TのR欄において、R1は2−エチルヘキシルオキシを、R2はデシルオキシを、R3はドデシルオキシを、R4はドデシルを表し、(OA−)j欄において、Eはオキシエチレンを、Pはオキシプロピレンを表し、これらの添え字はRの1モルに対する各オキシアルキレン基のモル数であり、これらの合計はjに対応し、−はj=0であることを意味し、/はブロック状を表し、左側のPがRに結合していることを表す。
Uの(OA−)nの欄において、Eはオキシエチレンを、Pはオキシプロピレンを表し、これらの添え字はZの1モルに対する各オキシアルキレン基のモル数であり、この合計は一般式(3)に含まれるOAの総数に対応し、/はブロック状を表し、左側のPがZに結合していることを表す。また、Zの欄において、GLはグリセリンの反応残基を、TMはトリメチロールプロパンの反応残基を、DGはジグリセリンの反応残基を、PEはペンタエリスリトールの反応残基を表す。
SのQ欄において、Q1は蔗糖の反応残基を、Q2はトレハロースの反応残基を、Q3はメレチトースの反応残基を表し、また、(OA−)m欄において、Pはオキシプロピレンを、Eはオキシエチレンを、Bはオキシブチレンを表し、これらの添え字はQの1モルに対する各オキシアルキレン基のモル数であり、この合計は一般式(3)に含まれるOAの総数を、/はブロック状を、・はランダム状を表し、左側のP又はEがQに結合していることを表す。
Figure 0006298976
これらのうち、No.103、104、105、106、108、202、204、206又は207で表されるのポリオキシアルキレン化合物が好ましく、とくに好ましくはNo.104、108、206又は207で表されるポリオキシアルキレン化合物である。
本発明の界面活性剤剤には、ポリオキシアルキレン化合物(X)及びポリオキシアルキレン化合物(Y)以外の成分として、必要により、公知の添加剤(粘度調整剤、湿潤剤、造膜調整剤等)及び/又は溶媒等を含有させることができる。
粘度調整剤としては、SNシックナー601及び同612(サンノプコ株式会社製)等、湿潤剤としてはSNウエット125、同126及び同984(サンノプコ株式会社製)等、造膜調整剤としてはテキサノール(イーストマンケミカル社製、「テキサノール」は吉村油化学株式会社の登録商標である。)等が挙げられる。
これらの添加剤を含有する場合、これらの含有量は、ポリオキシアルキレン化合物(X)及びポリオキシアルキレン化合物(Y)の重量に基づいて、いずれも0.1〜10重量%が好ましい。
溶媒としては、水及び水溶性有機溶剤等を用いることができる。水としては、イオン交換水、蒸留水、水道水及び工業用水等が挙げられる。水溶性有機溶剤としては、炭素数1〜3のアルコール(メタノール、エタノール及びイソプロパノール等)、炭素数3〜6のケトン(アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)、炭素数2〜6のエーテル(ジメチルエーテル、エチルセルソルブ及びブチルセルソルブ等)及び炭素数4〜6のエーテルエステル(ブチルセルソルブアセテート等)等が挙げられ、これらを併用してもよい。
溶媒を含有する場合、この含有量は、ポリオキシアルキレン化合物(X)及びポリオキシアルキレン化合物(Y)の重量に基づいて、1〜20重量%が好ましい。
本発明の界面活性剤に、ポリオキシアルキレン化合物(X)及びポリオキシアルキレン化合物(Y)の両方を含む場合、製造過程で両方を含有する場合の他に、それぞれ、別々に製造してから、均一混合して得てもよい。
本発明の界面活性剤に添加剤及び/又は溶媒を含有する場合、これらを均一混合できれば製造方法に制限はない。
界面活性能は、表面張力低下能、塗膜表面調整能(泡切れ性、鮮映性、ワキ防止性等)、分散性等により評価される。
表面張力低下能は、動的表面張力低下能と静的表面張力低下能とに大別される。
動的表面(界面)張力低下能とは、界面活性剤等を添加することにより、新たな界面が形成された後、比較的短時間で表面張力を低下させる能力のことであり、ジェミニ型界面活性剤に代表される性能である。動的表面張力とは、新たな界面が形成されてから10分の1秒〜1秒(100ミリ秒〜1000ミリ秒、または10Hz〜1Hzとも表記する)程度の後に測定される表面張力のことであり、通常の界面活性剤は動的表面張力低下能が低く、界面が新たに形成された場合、10分の1秒〜1秒程度の経過では殆ど表面張力が低下しない(動的表面張力低下能が低い)。なお、動的表面張力の測定法としては、バブルプレッシャー法が一般的であり、例えばクルス社製のBP2バブルプレッシャー動的表面張力計等を用いて測定できる。
本発明の界面活性剤の動的表面張力{mN/m、0.1重量%水溶液、25℃、表面寿命(泡寿命)}は、100ミリ秒(10Hz)で40〜50、1000ミリ秒(1Hz)で35〜40を示す。
静的表面張力(一般的に、表面張力と表記する)とは、新たに形成された気液界面に、界面活性剤が平衡濃度に達した状態(平衡に達するには通常、1分〜5分程度を要する)での表面張力である。
本発明の界面活性剤の静的表面張力{mN/m、0.1重量%水溶液、25℃}は、27〜33を示す。
静的表面張力は、JIS K2241:2000の「7.3表面張力試験方法」に準拠して、例えば協和界面科学株式会社製の自動表面張力計CBVP−Z型を用いて測定できる。
本発明の界面活性剤は、動的表面張力低下能及び静的表面張力低下能に優れると共に、形成される塗膜の耐水性を殆ど低下させない。さらに熱硬化型塗料に於いては加熱硬化時のワキ発生等の不具合を防止し、レベリング性(平滑性)を付与する効果にも優れている。また、顔料の分散性に優れ、塗料中で顔料を安定に分散せしめ、長期に亘ってその沈降、凝集等を防止し、意匠性顔料等の配列を改善するので調色性等の向上にも効果が大きい。さらに消泡性向上効果も発揮する。
すなわち、本発明の界面活性剤は、塗料の樹脂−樹脂間、樹脂−顔料間、顔料−顔料間の凝集力を緩和させる(界面張力を低下させる)効果が優れていることから、レベリング性(平滑性)を改善できると考えられる。また、本発明の界面活性剤は泡膜/空気間、泡膜/泡膜間の凝集力を緩和させる(界面張力を低下させる)効果が優れていることから、泡切れ性を改善できると考えられる。
さらに、本発明の界面活性剤は、塗料の液状成分(樹脂、活性剤、水等)−顔料間の凝集力を緩和させる(界面張力を低下させる)ことで相互間の濡れを改善できることから、塗膜の欠損(顔料が塗膜から突出している状態)の発生を防止し、また下地−塗料間の界面張力を低下させることで、塗料の乗っていない下地ができないようにすることで光の散乱を極力阻止し、優れた鮮映性が得られると考えられる。また、本発明の界面活性剤は多くのアルキル基を持つので、加熱硬化時にアルキル基の分子運動が活発となり、塗料樹脂などが滑りやすくなることでワキ防止性が発揮されると考えられる。
さらに、本発明の界面活性剤は、多くの二級水酸基を持ち、これが顔料の表面に配位することで顔料の二次凝集を防ぎ、また本発明の界面活性剤の持つ多くのアルキル基により、本発明の界面活性剤を介して顔料付近に塗料の樹脂等を呼び込み、顔料が二層構造のコーティング膜で覆われる状態になることで安定した顔料分散性が得られると考えられる。
したがって、本発明の界面活性剤は、分散剤、乳化剤、表面張力低減剤(カーテンフローコート性向上剤、スプレー適正化剤を含む)、消泡性向上剤(抑泡剤、破泡剤及び整泡剤等を含む)及びその他の塗料添加剤等として広く使用でき、これらの原材料等としても使用できる。特に、水性塗料用塗膜表面調整剤及び水性塗料用分散剤に好適である。
本発明の界面活性剤の使用量(重量%)は用途等に応じて適宜決定されるが、例えば水性塗料等(紙塗工塗料、各種インキを含む)に使用する場合、水性塗料等の重量に基づいて、0.1〜5が好ましく、さらに好ましくは0.3〜4、特に好ましくは0.3〜3である。
本発明の界面活性剤は、水性塗料に後添加することにより高い各種効果を付与できるが、塗料へ添加するタイミングとしては、塗料の製造工程途中(例えば塗料樹脂溶解工程、エマルション希釈工程、顔料分散工程、又は各種添加剤を塗料に配合する工程等)でもよい。さらに、鉱物油系消泡剤製造時に添加しても、消泡向上性が得られる。また、意匠性顔料等を分散する場合、顔料分散時に添加するのが好ましい。
本発明の界面活性剤を添加した塗料等は、通常の方法により被塗装体に塗装することができ、ハケ塗り、ローラー塗装、ベル塗装、エアスプレー塗装、エアレス塗装、ロールコーター塗装及びフローコーター塗装等の塗装方法等が適用できる。乾燥方法は常乾であっても焼付け乾燥であってもよく、焼付け乾燥は常法に従い、例えば電気式熱風乾燥機、間接熱風炉、直接熱風炉、遠赤外炉等を用い、約100〜250℃にて数10秒〜30分間塗膜を保持することで実施できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。
<製造例1>
攪拌、加熱、冷却、滴下、窒素による加圧及び真空ポンプによる減圧の可能な耐圧反応容器に、精製グラニュー糖{台糖株式会社製蔗糖}342部(1モル部)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF){三菱ガス化学株式会社製、以下同じ。}1000部を加えてDMF溶液を調製した。次いで、「窒素ガスを用いて、1.4MPaになるまで加圧し1.02MPaになるまで排出する操作を3回繰り返した」(以下、この「 」内の操作を「窒素置換」と略す。)。その後、DMF溶液を攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にて(PO)580部(10モル部)を4時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続け、残存するPOを完全に反応させた。次いで同温度にて(BO)360部(5モル部)を4時間かけて滴下し、同温度で3時間攪拌を続け、残存するBOを完全に反応させた。次いで、「オイル拡散式真空ポンプ{MODEL SW−150、佐藤真空株式会社製}を用い、120℃にて1.3〜13kPaの減圧下にてDMFを除去」(以下、この「 」内の操作を「DMFを除去」と略す。)し、蔗糖/PO10モル/BO5モル付加物(S1)を得た。
次いで、蔗糖/PO10モル/BO5モル付加物(S1)1282部(1モル部)と、48%水酸化ナトリウム水溶液{製品名:液体苛性ソーダ、東ソー株式会社製、以下同じ。}166部(水酸化ナトリウムとして2モル部)を仕込み、40〜50℃にて攪拌しつつ、エピクロルヒドリン{ダイソー株式会社製、以下同じ。}278部(3モル部)を2時間で滴下した。次いで50℃にて3時間攪拌を続け、反応系のpHが7〜8(リトマス試験紙による、以下同じ。)となったのを確認した。次いでアルカリ吸着剤{キョーワード700、協和化学工業株式会社、「キョーワード」は同社の登録商標である}20部{(S1)とエピクロルヒドリンの合計量の約1〜2%量)}を加え、80℃にて1時間攪拌した。次いで同温度にて「1.3〜2.7kPaの減圧下脱水」(以下、この「 」内の操作を「脱水」と略記する。水分:0.02%)し、その後、濾紙による吸引濾過(濾紙No.2:アドバンテック東洋株式会社、保留粒子径:5μm、以下同じ。)を行い、均一透明なエポキシ当量(g/eq.)700{エポキシ当量はJIS K7236:1995、(エポキシ樹脂のエポキシ当量試験法)に準拠して測定した。以下同じ。}の反応物{(S1)−2グリシジルエーテル化物}(G1)を得た。
<製造例2>
「(PO)580部(10モル部)」を「(PO)1160部(20モル部)」に変更したこと、「(BO)360部(5モル部)」を反応させなかったこと以外、製造例1と同様にして、蔗糖/PO20モル付加物(S2)を得た。
「蔗糖/PO10モル/BO5モル付加物(S1)1282部(1モル部)」を「蔗糖/PO20モル付加物(S2)1502部(1モル部)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、均一透明なエポキシ当量810の反応物{(S2)−2グリシジルエーテル化物}(G2)を得た。
<製造例3>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO20モル付加物(S2)1502部(1モル部)及び、水酸化カリウム{試薬特級、和光純薬工業株式会社製、約15%の水分を含有するため、この水分量を除いた量で使用量を表示している。以下同じ。}4部を加えて「窒素置換」し、さらに120℃にて1時間「脱水」した。次いで減圧のまま100℃にて、(PO)580部(10モル部)を4時間かけて滴下した後、同温度で3時間攪拌して残存する(PO)を完全に反応させた。
<次いで90℃にて脱イオン水25部(投入後の水分量を1〜2%に調整できる量)を加えた後、アルカリ吸着剤{キョーワード600、協和化学工業株式会社製}30部(投入した水酸化カリウム量の約5〜10倍量)を加え、同温度にて1時間攪拌し、同温度にて濾紙による吸引濾過ののち、さらに120℃にて1時間「脱水」>(以下、この< >内の操作を「アルカリ吸着処理」と略す。ただし、脱イオン水及びアルカリ吸着剤の使用量は上記のカッコ内の量になるよう調整する。)して、蔗糖/PO30モル付加物(S3)を得た。
「蔗糖/PO10モル/BO5モル付加物(S1)1282部(1モル部)」を「蔗糖/PO30モル付加物(S3)2082部(1モル部)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、均一透明なエポキシ当量1100の反応物{(S3)−2グリシジルエーテル化物}(G3)を得た。
<製造例4>
「水酸化カリウム4部」を「水酸化カリウム5部」に変更したこと及び「(PO)580部(10モル部)」を「(PO)870部(15モル部)」に変更したこと以外、製造例3と同様にして、蔗糖/PO35モル付加物(S4)を得た。
「蔗糖/PO10モル/BO5モル付加物(S1)1282部(1モル部)」を「蔗糖/PO35モル付加物(S4)2372部(1モル部)」に変更したこと、「48%水酸化ナトリウム水溶液166部(2モル部)」を「48%水酸化ナトリウム水溶液250部(3モル部)」に変更したこと及び「エピクロルヒドリン278部(3モル部)」を「エピクロルヒドリン370部(4モル部)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、均一透明なエポキシ当量845の反応物{(S4)−3グリシジルエーテル化物}(G4)を得た。
<製造例5>
「水酸化カリウム4部」を「水酸化カリウム5部」に変更したこと及び「(PO)580部(10モル部)」を「(PO)1160部(20モル部)」に変更したこと以外、製造例3と同様にして、蔗糖/PO40モル付加物(S5)を得た。
「蔗糖/PO10モル/BO5モル付加物(S1)1282部(1モル部)」を「蔗糖/PO40モル付加物(S5)2662部(1モル部)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、均一透明なエポキシ当量1390の反応物{(S5)−2グリシジルエーテル化物}(G5)を得た。
<製造例6>
「精製グラニュー糖342部(1モル部)」を「トレハロース{試薬特級、和光純薬工業株式会社製}342部(1モル部)」に変更したこと、「DMF1000部」を「DMF800部」に変更したこと、「(PO)580部(10モル部)」を「(PO)870部(15モル部)」に変更したこと及び「(BO)360部(5モル部)」を反応させなかったこと以外、製造例1と同様にして、トレハロース/PO15モル付加物(S6ベース)を得た。
「蔗糖/PO20モル付加物(S2)1502部(1モル部)」を「トレハロース/PO15モル付加物(S6ベース)1212部(1モル部)」に変更したこと、「水酸化カリウム4部」を「水酸化カリウム7部」に変更したこと及び「(PO)580部(10モル部)」を「(PO)1450部(25モル部)」に変更したこと以外、製造例3と同様にして、トレハロース/PO40モル付加物(S6)を得た。
「蔗糖/PO10モル/BO5モル付加物(S1)1282部(1モル部)」を「トレハロース/PO40モル付加物(S6)2662部(1モル部)」に変更したこと、「48%水酸化ナトリウム水溶液166部(2モル部)」を「48%水酸化ナトリウム水溶液83部(1モル部)」に変更したこと及び「エピクロルヒドリン278部(3モル部)」を「エピクロルヒドリン140部(1.5モル部)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、均一透明なエポキシ当量2720の反応物{(S6)−1グリシジルエーテル化物}(G6)を得た。
<製造例7>
「精製グラニュー糖342部(1モル部)」を「メレチトース{試薬特級、和光純薬工業株式会社製}504部(1モル部)」に変更したこと、「(PO)580部(10モル部)」を「(EO)220部(5モル部)」に変更したこと及び「(BO)360部(5モル部)」を「(PO)870部(15モル部)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、メレチトース/EO5モル/PO15モル付加物(S7ベース)を得た。
「蔗糖/PO20モル付加物(S2)1502部(1モル部)」を「メレチトース/EO5モル/PO15モル付加物(S7ベース)1594部(1モル部)」に変更したこと、「水酸化カリウム4部」を「水酸化カリウム7部」に変更したこと及び「(PO)580部(10モル部)」を「(PO)1160部(20モル部)」に変更したこと以外、製造例3と同様にして、メレチトース/EO5モル/PO35モル付加物(S7)を得た。
「蔗糖/PO10モル/BO5モル付加物(S1)1282部(1モル部)」を「メレチトース/EO5モル/PO35モル付加物(S7)2754部(1モル部)」に変更したこと、「48%水酸化ナトリウム水溶液166部(2モル部)」を「48%水酸化ナトリウム水溶液249部(3モル部)」に変更したこと及び「エピクロルヒドリン278部(3モル部)」を「エピクロルヒドリン416部(4.5モル部)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、均一透明なエポキシ当量985の反応物{(S7)−3グリシジルエーテル化物}(G7)を得た。
<製造例8>
「蔗糖/PO20モル付加物(S2)1502部(1モル部)」を「メレチトース/EO5モル/PO15モル付加物(S7ベース)1594部(1モル部)」に変更したこと、「水酸化カリウム4部」を「水酸化カリウム8部」に変更したこと及び「(PO)580部(10モル部)」を「(PO)1740部(30モル部)」に変更したこと以外、製造例3と同様にして、メレチトース/EO5モル/PO45モル付加物(S8)を得た。
「蔗糖/PO10モル/BO5モル付加物(S1)1282部(1モル部)」を「メレチトース/EO5モル/PO45モル付加物(S8)3334部(1モル部)」に変更したこと、「48%水酸化ナトリウム水溶液166部(2モル部)」を「48%水酸化ナトリウム水溶液250部(3モル部)」に変更したこと及び「エピクロルヒドリン278部(3モル部)」を「エピクロルヒドリン370部(4モル部)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、均一透明なエポキシ当量1170の反応物{(S8)−3グリシジルエーテル化物}(G8)を得た。
<製造例9>
「精製グラニュー糖342部(1モル部)」を「グリセリン{試薬特級、和光純薬工業株式会社製}92部(1モル部)」に変更したこと、「DMF1000部」を「DMF500部」に変更したこと、「(PO)580部(10モル部)」を「(EO)220部(5モル部)」に変更したこと及び「(BO)360部(5モル部)」を反応させなかったこと以外、製造例1と同様にして、グリセリン/EO5モル付加物(U1)を得た。
<製造例10>
「精製グラニュー糖342部(1モル部)」を「グリセリン92部(1モル部)」に変更したこと、「DMF1000部」を「DMF800部」に変更したこと、「(PO)580部(10モル部)」を「(PO)290部(5モル部)」に変更したこと及び「(BO)360部(5モル部)」を「(EO)440部(10モル部)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、グリセリン/PO5モル/EO10モル付加物(U2)を得た。
<製造例11>
「精製グラニュー糖342部(1モル部)」を「ジグリセリン{商品名ジグリセリンS、坂本薬品工業株式会社}166部(1モル部)」に変更したこと、「DMF1000部」を「DMF600部」に変更したこと、「(PO)580部(10モル部)」を「(PO)290部(5モル部)」に変更したこと及び「(BO)360部(5モル部)」を「(EO)440部(10モル部)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、ジグリセリン/PO5モル/EO10モル付加物(U3)を得た。
<製造例12>
「蔗糖/PO10モル/BO5モル付加物(S1)1282部(1モル部)」を「デシルアルコール/EO5モル付加物{商品名:FINESURF D−1305、青木油脂工業株式会社製}378部(1モル部)」に変更したこと、「48%水酸化ナトリウム水溶液166部(2モル部)」を「48%水酸化ナトリウム水溶液83部(1モル部)」に変更したこと及び「エピクロルヒドリン278部(3モル部)」を「エピクロルヒドリン139部(1.5モル部)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、エポキシ当量435の反応物{デシルアルコール/EO5モル付加物−1グリシジルエーテル化物}(RG1)を得た。
<製造例13>
「蔗糖/PO10モル/BO5モル付加物(S1)1282部(1モル部)」を「デシルアルコール/EO7モル付加物{商品名:FINESURF D−1307、青木油脂工業株式会社製}460部(1モル部)」に変更したこと、「48%水酸化ナトリウム水溶液166部(2モル部)」を「48%水酸化ナトリウム水溶液83部(1モル部)」に変更したこと及び「エピクロルヒドリン278部(3モル部)」を「エピクロルヒドリン139部(1.5モル部)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、エポキシ当量516の反応物{デシルアルコール/EO7モル付加物−1グリシジルエーテル化物}(RG2)を得た。
<実施例1>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、グリセリン/EO9モル付加物{商品名:BLAUNON GL−9、青木油脂工業株式会社製}976部(2モル部)及び水酸化カリウム4部を仕込み、120℃にて「脱水」した。その後、α−ドデセンオキシド{商品名:エポサイザーM−24、DIC株式会社製、エポキシ当量:210}840部(4モル部)を60℃にて仕込み、攪拌しつつ120℃にて3時間反応させ、「CTAB法によりエポキシ基の喪失を確認」(以下、この「 」の操作を「エポキシ基の喪失を確認」と略記する。)した。次いで製造例1で得た反応物{蔗糖/PO10モル/BO5モル付加物−2グリシジルエーテル化物}(G1)1400部(1モル部)を80℃にて仕込み、攪拌しつつ120℃にて5時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。
引き続き、50℃まで冷却して、耐圧反応容器に48%水酸化ナトリウム水溶液58部(0.7モル部)を仕込み、均一攪拌した後、50℃にてエピクロルヒドリン47部(0.5モル部)を投入、同温度にて2時間攪拌した。次いで攪拌しつつ「脱水」を開始し、120℃まで昇温して「脱水」を終了した。引き続き同温度で5時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。次いで「アルカリ吸着処理」をして本発明の界面活性剤{ポリオキシアルキレン化合物(Y1)}を得た。ポリオキシアルキレン化合物(Y1)の重量平均分子量(Mw)は6,300(理論分子量:6,490)であった。なお、重量平均分子量は、分子量既知のポリスチレンを標準物質としてゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ(GPC)を用いて下記の条件で測定、算出した(以下、同じ。)。
装置:東ソ−株式会社製(型式HLC−8120GPC)
カラム:東ソ−株式会社製型式SuperH−4000×2本及び同型式SuperH−3000×1本をそれぞれ直列に接続したカラム
検出器:示差屈折検出器
データ処理機:東ソー株式会社製データ処理機(形式SC−8020)
カラム温度:40℃
溶離液:THF(試薬1級、片山化学工業株式会社製)
流速:0.5ml/min.
試料濃度:1%
試料溶液注入量:20μl
<実施例2>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、製造例9で得たグリセリン/EO5モル付加物(U1)624部(2モル部)及び水酸化カリウム3部を仕込み、80℃にて「脱水」した。その後、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル{商品名:エピオールEH、日油株式会社製、エポキシ当量:180}720部(4モル部)を60℃にて仕込み、攪拌しつつ120℃にて5時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。次いで製造例2で得た反応物{蔗糖/PO20モル付加物−2グリシジルエーテル化物}(G2)1620部(1モル部)を80℃にて仕込み、攪拌しつつ120℃にて5時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。
引き続き、50℃まで冷却して、耐圧反応容器に48%水酸化ナトリウム水溶液67部(0.8モル部)を仕込み、均一攪拌した後、50℃にてエピクロルヒドリン56部(0.6モル部)を投入、同温度にて2時間攪拌した。次いで攪拌しつつ「脱水」を開始し、120℃まで昇温して「脱水」を終了した。引き続き同温度で5時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。次いで「アルカリ吸着処理」をして本発明の界面活性剤{ポリオキシアルキレン化合物(Y2)}を得た。ポリオキシアルキレン化合物(Y2)のMwは6,700(理論分子量:7,100)であった。
<実施例3>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、製造例11で得たジグリセリン/PO5モル/EO10モル付加物(U3)896部(1モル部)及び水酸化カリウム10部を仕込み、120℃にて「脱水」した。その後、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル540部(3モル部)を60℃にて仕込み、攪拌しつつ120℃にて3時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。次いで製造例3で得た反応物{蔗糖/PO30モル付加物−2グリシジルエーテル化物}(G3)2200部(1モル部)を80℃にて仕込み、攪拌しつつ120℃にて5時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。
引き続き、50℃まで冷却して、耐圧反応容器に48%水酸化ナトリウム水溶液58部(0.7モル部)を仕込み、均一攪拌した後、50℃にてエピクロルヒドリン47部(0.5モル部)を投入、同温度にて2時間攪拌した。次いで攪拌しつつ「脱水」を開始し、120℃まで昇温して「脱水」を終了した。引き続き同温度で5時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。次いで「アルカリ吸着処理」をして本発明の界面活性剤{ポリオキシアルキレン化合物(Y3)}を得た。ポリオキシアルキレン化合物(Y3)のMwは7,000(理論分子量:7,330)であった。
<実施例4>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、トリメチロールプロパン/EO9モル付加物{商品名:BLAUNON TMP−9、青木油脂工業株式会社製}1590部(3モル部)及び水酸化カリウム10部を仕込み、100℃にて「脱水」した。次いで製造例13で得た反応物{デシルアルコール/EO7モル付加物−1グリシジルエーテル化物}(RG2、エポキシ当量:516)3096部(6モル部)を80℃にて仕込み、攪拌しつつ120℃にて5時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。次いで製造例4で得た反応物{蔗糖/PO35モル付加物−3グリシジルエーテル化物}(G4)2535部(1モル部)を80℃にて仕込み、攪拌しつつ120℃にて5時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。
次いで「アルカリ吸着処理」をして本発明の界面活性剤{ポリオキシアルキレン化合物(X1)}を得た。ポリオキシアルキレン化合物(X1)のMwは5,700(理論分子量:5,630)であった。
<実施例5>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、グリセリン/EO3モル付加物{商品名:BLAUNON GL−3、青木油脂工業株式会社製}448部(2モル部)及び水酸化カリウム4部を仕込み、80℃にて「脱水」した。次いで製造例12で得た反応物{デシルアルコール/EO5モル付加物−1グリシジルエーテル化物}(RG1、エポキシ当量:435)1740部(4モル部)を80℃にて仕込み、攪拌しつつ120℃にて5時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。次いで製造例5で得た反応物{蔗糖/PO40モル付加物−2グリシジルエーテル化物}(G5)2780部(1モル部)を80℃にて仕込み、攪拌しつつ120℃にて5時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。
次いで「アルカリ吸着処理」をして本発明の界面活性剤{ポリオキシアルキレン化合物(X2)}を得た。ポリオキシアルキレン化合物(X2)のMwは5,100(理論分子量:4,970)であった。
<実施例6>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、製造例11で得たジグリセリン/PO5モル/EO10モル付加物(U3)896部(1モル部)及び水酸化カリウム10部を仕込み、120℃にて「脱水」した。その後、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル540部(3モル部)を60℃にて仕込み、攪拌しつつ120℃にて3時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。次いで製造例6で得た反応物{トレハロース/PO40モル付加物−1グリシジルエーテル化物}品(G6)2720部(1モル部)を80℃にて仕込み、攪拌しつつ120℃にて5時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。
引き続き、50℃まで冷却して、耐圧反応容器に48%水酸化ナトリウム水溶液58部(0.7モル部)を仕込み、均一攪拌した後、50℃にてエピクロルヒドリン47部(0.5モル部)を投入、同温度にて2時間攪拌した。次いで攪拌しつつ「脱水」を開始し、120℃まで昇温して「脱水」を終了した。引き続き同温度で5時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。次いで「アルカリ吸着処理」をして本発明の界面活性剤{ポリオキシアルキレン化合物(Y4)}を得た。ポリオキシアルキレン化合物(Y4)のMwは8,100(理論分子量:8,370)であった。
<実施例7>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、グリセリン/EO9モル付加物{商品名:BLAUNON GL−9、青木油脂工業株式会社製}976部(2モル部)及び水酸化カリウム4部を仕込み、120℃にて「脱水」した。その後、α−ドデセンオキシド{商品名:エポサイザーM−24、DIC株式会社製、エポキシ当量:210}840部(4モル部)を60℃にて仕込み、攪拌しつつ120℃にて3時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。次いで製造例7で得た反応物{メレチトース/EO5モル/PO35モル付加物−3グリシジルエーテル化物}(G7)2955部(1モル部)を80℃にて仕込み、攪拌しつつ120℃にて5時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。
引き続き、50℃まで冷却して、耐圧反応容器に48%水酸化ナトリウム水溶液50部(0.6モル部)を仕込み、均一攪拌した後、50℃にてエピクロルヒドリン37部(0.4モル部)を投入、同温度にて2時間攪拌した。次いで攪拌しつつ「脱水」を開始し、120℃まで昇温して「脱水」を終了した。引き続き同温度で5時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。次いで「アルカリ吸着処理」をして本発明の界面活性剤{ポリオキシアルキレン化合物(Y5)}を得た。ポリオキシアルキレン化合物(Y5)のMwは9,000(理論分子量:9,600)であった。
<実施例8>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、製造例10で得たグリセリン/PO5モル/EO10モル付加物(U2)2466部(3モル部)及び水酸化カリウム12部を仕込み、100℃にて「脱水」した。次いで製造例12で得た反応物{デシルアルコール/EO5モル付加物−1グリシジルエーテル化物}(RG1、エポキシ当量:435)2610部(6モル部)を80℃にて仕込み、攪拌しつつ120℃にて5時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。次いで製造例8で得た反応物{メレチトース/EO5モル/PO45モル付加物−3グリシジルエーテル化物}(G8)3510部(1モル部)を80℃にて仕込み、攪拌しつつ120℃にて5時間反応させ、「エポキシ基の喪失を確認」した。
次いで「アルカリ吸着処理」をして本発明の界面活性剤{ポリオキシアルキレン化合物(X3)}を得た。ポリオキシアルキレン化合物(X3)のMwは8,400(理論分子量:8,570)であった。
<実施例9>
実施例1で得たポリオキシアルキレン化合物(Y1)70部と、実施例8で得たポリオキシアルキレン化合物(X3)30部とを均一に混合して、本発明の界面活性剤{ポリオキシアルキレン化合物(XY1)}を得た。
<実施例10>
実施例3で得たポリオキシアルキレン化合物(Y3)30部と、実施例5で得たポリオキシアルキレン化合物(X2)70部とを均一に混合して、本発明の界面活性剤{ポリオキシアルキレン化合物(XY2)}を得た。
<比較例1:非特許文献1に記載されたもの>
サーフィノール465{エアープロダクツジャパン株式会社、アセチレン型界面活性剤(2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキシド10モル付加物)}を比較用の界面活性剤(H1)とした。
<比較例2>
特許文献1(特開2003−166199号公報)の製造例3と同様にして、比較用の界面活性剤(H2;蔗糖/PO40モル付加物)を得た。
<比較例3>
特許文献2(特開昭53−129200号公報)の実施例(実施試料No.7)の記載等を準拠して、比較用の界面活性剤(H3;アクリル酸ナトリウム/マレイン酸ジナトリウム(モル比100/25)共重合体の40%水溶液、重量平均分子量4000)を得た。
<比較例4>
ベンゾインn−プロピルエーテル{試薬特級、和光純薬工業株式会社製}を比較用の界面活性剤(H4)とした。
<比較例5>
ベンゾインiso−ブチルエーテル{試薬特級、和光純薬工業株式会社製}を比較用の界面活性剤(H5)とした。
実施例1〜10及び比較例1、2で得た界面活性剤を用いて、動的表面張力及び静的表面張力を測定し、結果を表2(ブランクは界面活性剤をイオン交換水に変更した例を示す。)及び図1(図1は実施例1の(Y1)及び比較例の(H1)(H2)のみ)に示した。さらに、実施例1〜10及び比較例3で得た界面活性剤を用いて、常乾型水性塗料を調製し、塗膜表面調整能(光沢、調色性)、消泡性及び耐水性を評価し、結果を表5に示した(表中、ブランクは、界面活性剤の添加しない例を表す。)。また、実施例1〜10及び比較例4、5で得た界面活性剤を用いて、熱硬化型水性塗料を調製し、塗膜表面調整能(ワキ限界膜厚値、平滑性及び鮮映性)を評価し、結果を表6に示した。なお、比較例3で得た界面活性剤については、ポリマー濃度(40%)を考慮して、2.5倍の使用量を用いた。
1.動的表面張力及び静的表面張力
実施例1〜10及び比較例1、2で得た界面活性剤に、イオン交換水を加えて均一混合して0.10%水溶液を調製し、25℃にてクルス社製のBP2バブルプレッシャー動的表面張力計等を用いて動的表面張力を測定し、また、協和界面科学株式会社製の自動表面張力計CBVP−Z型を用いて静的表面張力を測定した。
Figure 0006298976
2.常乾型水性塗料による評価
(1)顔料分散液の作成
JIS K5600−2−5:1999に準拠して、インペラー型羽根を備えたエクセルオートホモジナイザー(日本精器株式会社製、モデルED、以下同じ)を用い、表3に示した使用量で、イオン交換水、エチレングリコール、評価用界面活性剤、ハイドロパラート、デヒドラン及びノプコサイドからなる混合液に、タイペークを撹拌しながら添加し、均一になるまで顔料分散を行って、顔料分散液を得た。
なお、つぶゲージ法(JIS K5600−2−5:1999に準拠)により、顔料分散液に5ミクロン以上の粒の無いことを確認した。また、顔料分散液を脱泡機{あわとり練太郎株式会社製、モデルAR−250}にて3分間脱泡した後、ブルックフィールド型粘度計(25℃、60rpm)で粘度測定して、表5に示した(単位:mPa・s)。
(2)評価用水性塗料の作成
JIS K5600−2−5:1999に準拠して、得られた顔料分散液に、表3に示した使用量で、プライマル、テキサノール、デヒドラン、SNシックナー及びユニラントを加えて、インペラー型羽根を備えたエクセルオートホモジナイザーでレッドダウン工程を行い、評価用水性塗料を得た。なお、評価用水性塗料はつぶゲージ法にて5ミクロン以上の粒の無いことを確認した。
Figure 0006298976
※1 サンノプコ株式会社製湿潤剤
※2 サンノプコ株式会社製消泡剤
※3 サンノプコ株式会社製防腐剤
※4 石原産業株式会社製二酸化チタン、「タイペーク」は同社の登録商標である。
※5 日本アクリル株式会社製アクリル−スチレン樹脂、「プライマル」はローム エンド ハースコムパニーの登録商標である。
※6 イーストマンケミカル社製造膜調整剤、「テキサノール」は吉村油化学株式会社の登録商標である。
※7 サンノプコ株式会社製増粘剤
※8 横浜化成株式会社製着色顔料(黒)、「unirant」は同社の登録商標である。
<試験用塗装片の調製>
評価用水性塗料を用いて、次の塗装条件で塗装して塗膜表面調整能(光沢及び調色性)、消泡性及び耐水性の試験を行った。
[塗装条件]
被塗装体:アセトンにて脱脂したステンレス板(縦:200mm、横:120mm、厚み:1.2mm)
塗装方法:スプレーガン{ワイダーW−88カップガン(岩田塗装株式会社製)、「ワイダー」は同社の登録商標である。}によるスプレー塗装及びハケ(大塚刷毛製造株式会社製、水性ペイント用#70)によるハケ塗装
乾燥方法:常乾(温度:25℃、湿度:35%RH)
[光沢]
評価用水性塗料をそれぞれイオン交換水にて85KU値(25℃)に希釈し、アセトンにて脱脂したポリエステルフィルム(縦:150mm、横:150mm、厚み:0.10mm、東レルミラーL−100T60、東レ株式会社製、「ルミラー」は同社の登録商標である。)にスプレーガンで塗装(ウェット膜厚:約0.3mm)、常乾にて、7日間乾燥後、光沢計(日本電色工業株式会社製、VGS−300A)にて入射角60゜での光沢(グロス)をそれぞれ6個所測定し、平均値を算出(四捨五入して整数表示)し、これを光沢とした。
[調色性]
評価用水性塗料をそれぞれイオン交換水にて85KU値(25℃)に希釈し、アセトンにて脱脂したステンレス板に全体にスプレー塗装し(ウェット膜厚:約0.3mm)、その直後にそのうち半面をハケ塗りして、常乾にて、7日間乾燥後、日本電色工業株式会社製の、SPECTROCOLOR METER MODEL PF−10を用いて、スプレー塗装した部分と、ハケ塗りした部分の色差(△E値)を測定し、次式により両者の差を算出して、その絶対値を調色性とした。この値は小さいほど、調色性が良好であることを意味する。
(調色性)=|△E(スプレー)−△E(ハケ)|
[消泡性]
評価用水性塗料をそれぞれイオン交換水にて85KU値(25℃)に希釈し、インペラー型羽根を備えたエクセルオートホモジナイザーにて500rpmにて2分間攪拌した直後に、アセトンにて脱脂したステンレス板にローラー塗り(ウェット膜厚:約0.3mm)して、25℃、1日間乾燥後、中央部分の10cm×10cm面積内の泡痕(直径0.5mm以上)を数えて、消泡性とした。
[耐水性]
評価用水性塗料をそれぞれイオン交換水にて85KU値(25℃)に希釈し、アセトンにて脱脂したポリエステルフィルム{東レルミラーL−100T60、(東レ株式会社製、「ルミラー」は同社の登録商標である。)縦:150mm、横:150mm、厚み:0.10mm)}にスプレーガンで塗装(ウェット膜厚:約0.3mm)、常乾にて、7日間乾燥後、イオン交換水(25℃)に7日間浸漬した。次いで水から引き上げて中央部分の10cm×10cm面積内のブリスター(水膨れ)痕(直径0.5mm以上)を数えて、耐水性とした。
3.熱硬化型水性塗料による評価
(1)熱硬化型水性塗料の作成
JIS K5600−2−5:1999に準拠して、表4に示した原料及び使用量を用いて、インペラー型羽根を備えたエクセルオートホモジナイザーで評価用熱硬化型水性塗料を得た。なお、つぶゲージ法にて、この塗料に5ミクロン以上の粒の無いことを確認した。
Figure 0006298976
※1 大日本インキ化学株式会社製水溶性アクリル樹脂、「ボンコート」は同社の登録商標である。
※2 三井サイアナミッド株式会社製水溶性メラミン樹脂、「サイメル」はサイテツク テクノロジー コーポレーションの登録商標である。
※3 石原産業株式会社製二酸化チタン、「タイペーク」は同社の登録商標である。
※4 サンノプコ株式会社製消泡剤
※5 サンノプコ株式会社製増粘剤
(2)試験用塗装片の調製
評価用熱硬化型水性塗料をそれぞれイオン交換水でフォードカップNo.4(JIS K−5600−2−2に準拠)で20秒(25℃)になるように希釈し、次の塗装条件で塗装して、塗膜表面調整能(ワキ限界膜厚値、平滑性及び鮮映性)の測定を行い、その結果を表6に示した。
[塗装条件]
被塗装体:アセトンにて脱脂したブリキ板(縦:120mm、横:80mm、厚み:0.06mm)
塗装方法:スプレーガン{ワイダーW−88カップガン(岩田塗装株式会社)}を用いて、膜厚傾斜塗装
焼付条件:塗装後10分間ブース内でセッテイングした後、160℃、20分間焼き付け
[ワキ限界膜厚値]
上記[塗装条件]にて傾斜塗装して膜厚差のある塗膜を形成し、次いで焼き付け乾燥を行うと、膜厚の薄い部分から厚い部分にかけてワキを発生するが、このワキによる塗膜異常の発生し始める部分の膜厚(ワキ限界膜厚値)を電磁微膜厚計{オーウエル株式会社製、SEM−100型}にて3点測定し、平均値を表示した(単位:μm)。評価数値の高いほどワキ防止能が高いことを意味する。
[平滑性]
ワキ限界膜厚値を評価した試験用塗装片を用いて、ワキ限界膜厚値より薄い部分の塗膜表面の平滑性を肉眼にて評価した。評価はワキ限界膜厚値から薄い部分において、幅20mm×長さ100mm塗膜表面のハジキ、クレーター(それぞれ直径0.5mm以上)の数を数え、平滑性とした。
[鮮映性]
ワキ限界膜厚値を評価した試験用塗装片を用いて、このワキ限界膜厚より薄い部分の入射角20゜の光沢(グロス)を光沢計にてそれぞれ3個所測定し、平均値を算出し、これを鮮映性とした。この値が高いほど鮮映性に優れる。
Figure 0006298976
Figure 0006298976
表2から、本発明の界面活性剤(実施例1〜10)を用いた水溶液は、比較例1、2の界面活性剤を用いた水溶液に比べて、特に1000ミリ秒での動的表面張力の低下能に優れており、また、静的表面張力も良好な値を示している。
さらに、表5から、本発明の界面活性剤(塗膜表面調整剤)は、これを用いた水性塗料が、比較例3の界面活性剤を用いた水性塗料に比べて、顔料分散性の向上により顔料分散液の低粘度化、光沢、調色性の高度化が図れており、また、耐水性も良好であることから非常に優れた塗膜表面調整剤であることが確認できた。さらにブランク(界面活性剤無添加)と比べ、何れの実施例も消泡性が大幅に改善できていた。
また、表6から、本発明の界面活性剤(分散剤)は、これを用いた水性塗料が、比較例4、5の界面活性剤を用いた水性塗料に比べて、ワキ防止性、平滑性、鮮映性等が良好であることから非常に優れた分散剤であることが確認できた。すなわち、本発明の界面活性剤は、比較用の界面活性剤に比べて、高い界面活性能{顔料分散性、ワキ防止性、レベリング性(平滑性、鮮映性等)等}を発揮しており、また、形成される塗膜の耐水性を低下させず、さらに消泡性向上の効果も発揮していた。
本発明の界面活性剤は、各種産業用の界面活性剤として使用でき、水性塗料用の界面活性剤として適しており、水性エマルション塗料用界面活性剤として最適であり、建築用水性塗料又は水系加熱硬化用塗料(電着塗料、自動車用ベースコート)等に有用である。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(X)及び/又は一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)を含有してなることを特徴とする界面活性剤。

    〔(T−)b-1U−〕f-a S (1)


    〔(T−)b-1U−〕f-1 S−G−S〔−U(−T)b-1f-1 (2)

    ただし、Sは一般式(3)で表される有機基、Uは一般式(4)で表される有機基、Tは一般式(5)で表される有機基、Gは2−ヒドロキシプロピレン基{−CH−CH(OH)−CH−}、fは2〜4の整数、aは0又は1、bは3又は4を表す。

    {−G−(OA−)f-a Q{−(OA−)H} (3)

    Z{−(OA−) (4)

    R−(OA−)G− (5)

    Qは非還元性の二又は三糖類のf個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、OAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Zは3又は4価の脂肪族アルコール(炭素数3〜6)の水酸基から水素原子を除いた反応残基、Rは炭素数5〜13のアルキル基(j=0の場合に限る。)又は炭素数8〜14のアルコキシ基、Hは水素原子、mは5〜25の整数、nは1〜10の整数、jは0又は4〜8の整数を表し、一般式(3)に含まれるOAの総数は15〜50の整数、一般式(4)に含まれるOAの総数は3〜30の整数であり、T、U、S、Q、Z、R、(OA−)m、(OA−)n、(OA−)j、a、b、f、m、n及びjはそれぞれ同じでも異なってもよい。
  2. 非還元性の二又は三糖類の反応残基(Q)が蔗糖の反応残基である請求項1に記載の界面活性剤。
  3. 請求項1又は2に記載された界面活性剤を含有してなることを特徴とする水性塗料用塗膜表面調整剤。
  4. 請求項1又は2に記載された界面活性剤を含有してなることを特徴とする水性塗料用分散剤。
  5. 塗料及び請求項1又は2に記載の界面活性剤を含有してなり、この界面活性剤の含有量が塗料の重量に基づいて0.1〜5重量%であることを特徴とする水性塗料。
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