JP2016132771A - 水性塗料用湿潤剤 - Google Patents

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和輝 砂田
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Abstract

【課題】水性塗料に添加することで優れた濡れ性向上効果、動的表面張力低下能、および泡立ち抑制効果を同時に兼ね備えた水性塗料用の湿潤剤を提供する。
【解決手段】式(1)で表される水性塗料用湿潤剤を提供する。 RO−(EO)−(PO)−H ・・・(1) (Rは3,5,5−トリメチルヘキシル基であり、EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基であり、EOおよびPOはブロックで付加している。aはオキシエチレン基の平均付加モル数であって、a=2〜9であり、bはオキシプロピレン基の平均付加モル数であって、b=2〜5、a/b=0.5〜3.0である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、水を主溶媒とする種々用途の水性塗料用の湿潤剤に関する。
自動車用の金属部品、プレコート用メタル材、包装用材料等に使用されるフィルム基材、住宅やビル等の窓ガラス、携帯電話やパーソナルコンピューターのような家電製品のプラスチック、建材等の様々な基材に、その美観性を向上させつつ表面を保護したり、遮熱や防汚と言った機能性を持たせたりするために、油性塗料又は水性塗料で塗装処理が施される。
油性塗料が揮発性で引火性の有機溶剤を主溶媒とするのに対して、水を主溶媒とした水性塗料は、安全で安価な水を主溶媒としている。近年では、環境への配慮、塗装作業環境の衛生上および防災上好ましい条件を備えている水性塗料の需要が増加している。
しかし、水性塗料は、水が主溶媒であることで、水特有の物性に起因する様々な問題点を有する。例えば、水は表面張力が高いため、水性塗料の被塗工物への濡れ性が悪く、ハジキを生じさせたりする問題がある。それらの問題は、塗装を行う職人の減少や自分自身で塗料の塗装を行うこと(DIY)が普及してきたことに伴い顕著に現れている。これは、水性塗料を取り扱う人により塗装の方法や速さ等が異なるために、水特有の物性に起因した問題が生じやすいためである。よって、特別な技術者以外の人にでも簡単に、きれいな塗装が行える様な塗料が求められている。また、工業生産における高速塗装時にも上記と同様の理由により、ハジキやかすれによる塗膜不良が問題となっており、高速塗装時の塗膜不良が生じない水性塗料も求められている。
これらの問題を解決するために、一般に、水性塗料を被塗工物に塗工する際、被塗工物に対する水性塗料の親和性、すなわち濡れ性を改善するために界面活性剤を添加することが知られている。一方で、水性塗料を取り扱う人や工業生産における高速塗装時に生じる問題は、水性塗料の単純な濡れ性向上効果、すなわち静的な表面張力低下能といった点のみでは議論できず、動的な表面張力低下能が重要となる。動的な表面張力低下能に優れる界面活性剤を水性塗料に添加した場合、界面活性剤が気液界面に素早く吸着し表面張力を低下させるため、瞬時に濡れ性が向上する。長鎖アルコールのエチレンオキシド(EO)付加物のような非イオン系界面活性剤の水溶液は、静的な表面張力は低いものの、界面が形成された直後の表面張力は高く、一般的にその差が非常に大きいため、常に新たな界面が形成されているような系では、濡れ性が悪かったり、表面張力に勾配が生じ、水性塗料塗膜の斑やかすれを引き起したりする可能性がある(非特許文献1等)。したがって、界面形成直後の表面張力が低いだけでなく、水性塗料における表面張力が素早く一定となることで、塗膜の斑やかすれ等といった塗膜不良を抑制できる。
従来より、フッ素系の界面活性剤も濡れ性を改善するために使用されているが、コストに加え、特に水系では起泡性があるため、塗装膜の泡痕等の原因となる問題を有している。
また、シリコーン系湿潤剤を含有する塗料は、シリコーン構造に起因してその塗料の表面張力を低下させ、被塗工物表面に優れたレベリング性を示すことが知られている一方で、低い表面張力によりリコート性が低下する問題がある。また、添加量が少ないと濡れ性向上効果が発現しにくく、反対に添加量が多いと水溶性塗料中の水系溶媒との相溶性が悪い場合、シリコーン分子が凝集し、ハジキやブツが生じてしまう問題がある。
さらに、アルキルフェノール又はアルコールのEO付加物、およびエチレンオキシド/プロピレンオキシド(EO/PO)共重合体のような低分子非イオン系界面活性剤や、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムのような低分子アニオン系界面活性剤を湿潤剤として用いた場合、被塗工物に対しての濡れ性が不十分であったり、フッ素系と同様に泡立ちが起こりやすかったりすることから、多量の消泡剤と併用するなどしなければならないため、配合の手間もかかり、かつ塗膜物性に悪影響を与える原因となっていた。
それらの問題を解決するために、低泡性の非イオン系湿潤剤が求められている。
従来、アセチレングリコール系活性剤が低泡性、濡れ性かつ動的表面張力にも優れていることから、塗料用の非イオン系濡湿潤剤として使用されていた。しかし、濡れ性および低泡性に優れるアセチレングリコール系活性剤は水への溶解性が低く、水の含有量が多い水性塗料に使用しても十分な湿潤効果が発揮されないため、塗膜不良が生じる問題があった。一方で、水溶性の高いアセチレングリコール系活性剤は低泡性および濡れ性が不十分であった。
他の低泡性の非イオン系湿潤剤として、特許文献1には、C9〜C19の第2級アルコールのアルキレンオキシド(AO)付加物が開示されている。
特許文献2には、浸透性、表面張力低下能、洗浄力や乳化力、分散力、可溶化力といった性能を十分に有する界面活性剤として、C8〜C20のアルコールにAOを付加した非イオン界面活性剤化合物が開示されている。
また、特許文献3には、水性コーティング系用消泡湿潤剤として、C6〜C12アルコールのPO付加物が開示されている。
さらに、特許文献4には、低発泡性湿潤剤として、種々分岐もしくは直鎖アルコールのAO付加物の組成物が開示されている。
特表2011−509334号公報 特開2003−226892号公報 特表2013−540846号公報 特開平7−308561号公報
山口由岐夫監修,「分散・塗布・乾燥の基礎と応用」,株式会社テクノシステム,2014年3月10日,第111頁
特許文献1の実施例に記載のように、C12〜C15アルコールのAO付加物を水性塗料用の湿潤剤として用いた場合、動的表面張力低下能および低泡性が不十分であり、塗装膜に泡痕が発生する等の問題を満足に解決できるものではなかった。
特許文献2では、塗料用の湿潤剤として用いた場合、AOの付加形態から低泡性が不十分であり、特許文献1と同様に満足できる性能が得られていなかった。
また、特許文献3、4記載の湿潤剤は、低泡性には優れるものの、水性塗料への溶解性や分散性が悪く、さらに濡れ性に関しても不十分であったため、それに伴う塗膜不良が生じやすいといった問題があった。
したがって、水性塗料に添加することで優れた濡れ性向上効果を発揮し、かつ低泡性もしくは消泡性を有することから塗装膜の泡痕等の発生が抑制できる、水性塗料用の湿潤剤が望まれていた。
本発明の課題は、水性塗料に添加することで優れた濡れ性向上効果、動的表面張力低下能、および泡立ち抑制効果を同時に兼ね備えた水性塗料用の湿潤剤を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、特定のアルコールにオキシエチレン基やオキシプロピレン基を特定の割合かつ特定の順序で付加させた化合物が、湿潤剤として上記の課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の〔1〕および〔2〕である。
〔1〕下記式(1)で表される水性塗料用湿潤剤。

RO−(EO)−(PO)−H ・・・(1)

(式(1)中、
Rは3,5,5−トリメチルヘキシル基であり、
EOはオキシエチレン基であり、
POはオキシプロピレン基であり、EOおよびPOはブロックで付加している。
aはオキシエチレン基の平均付加モル数であって、a=2〜9であり、
bはオキシプロピレン基の平均付加モル数であって、b=2〜5、a/b=0.5〜3.0である。)
〔2〕 水溶性樹脂と水分散性樹脂との少なくとも一方と、0.05〜5質量部の請求項1に記載の水性塗料用湿潤剤とを含有することを特徴とする、水性塗料。
本発明により、低泡性または抑泡性を有し、0.1質量%水溶液の界面寿命100ms時の表面張力が50mN/m以下と動的表面張力低下能に優れ、かつ各種基板に対する濡れ性向上効果に優れる水性塗料用の湿潤剤を提供でき、今まで以上に塗装膜の泡痕等によって発生する塗膜不良が抑制できるため、大変有用である。
((1)式で表される化合物)
本発明は、水溶性塗料に対して式(1)で表される化合物を使用することに顕著な特徴を有する。
Rは3,5,5−トリメチルヘキシル基である。Rが炭素数8以下のアルキル基であると、各種水性塗料を塗布する基材に対する濡れ性が劣り、炭素数が10以上のアルキル基であると、低泡性に劣る。また、炭素数9のアルキル基の内、水溶性塗料に添加した際の低泡性、動的表面張力低下能および濡れ性の両立といった観点から、3つのメチル分岐を有する、3,5,5−トリメチルヘキシル基が優れている。
EOはオキシエチレン基である。aはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、2〜9である。aは、好ましくは2.5以上であり、また8.0以下である。aが小さすぎると水性塗料への溶解性や分散性が悪く、湿潤剤として最大限の効果を発揮できない。また、aが大きすぎると濡れ性に劣る。
POはオキシプロピレン基であり、好ましくはプロピレンオキサイド由来のオキシプロピレン基(メチルオキシエチレン基)である。bはオキシプロピレン基の平均付加モル数で、2〜5である。bは、好ましくは3.0以上であり、また、4.0以下である。bが2よりも小さいと低泡性に劣り、5よりも大きいと、水性塗料への溶解性および分散性が悪く、湿潤剤として最大限の効果を発揮できない。
a/bはオキシエチレン基の平均付加モル数aとオキシプロピレン基の平均付加モル数bとの比を意味し、0.5〜3.0である。a/bは、好ましくは0.8以上であり、また、2.8以下であり、より好ましくは2.6以下である。a/bが0.5よりも小さい場合、水性塗料への溶解性および分散性が悪く、湿潤剤として最大限の効果を発揮できない。この観点から、好ましくはa/bは0.8以上である。また、a/bが3.0よりも大きい場合、親水性が強くなり、濡れ性や低泡性に劣る。
EOおよびPOはブロックで付加しており、互いに位置を入れ替えることは出来ない。ランダムで付加した場合や位置を入れ替えた場合、いずれも低泡性に劣る。
なお、式(1)で表される化合物は、単独で使用しても、2種類以上を併用しても良い。
式(1)で表される化合物は、水性塗料用組成物100質量部中に、0.05〜5質量部含有され、使用される。0.05質量部よりも少ない添加量であると濡れ性が劣り、5質量部よりも添加量が多くとも、5質量部添加時と濡れ性が変わらないだけでなく、塗膜の耐水性や強度の低下を引き起こす原因となり得る。
(水溶性樹脂および/または水分散性樹脂について)
本発明に用いる水溶性樹脂もしくは水分散性樹脂とは、溶解型(水溶性高分子)、分散型(エマルションなど)などを含む。また、単独で使用しても2種類以上を併用しても良い。対象とする樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル系樹脂、ポリブタジエン樹脂などで、遊離の酸または塩基性の官能基をポリマーの主鎖に導入させ、酸やアルカリにより中和することで水溶化した樹脂または水分散性の樹脂、ポリビニルアルコールなどのようにポリマー中に水酸基が導入されている水溶性または水分散性の樹脂、さらに上記樹脂を乳化剤等で強制乳化することで水に分散される上記樹脂等が挙げられる。
水性塗料用組成物100質量部中における水溶性樹脂および/または水分散性樹脂の含有量(合計量)は、3質量部以上とすることが好ましく、5質量部以上とすることが更に好ましい。また、水性塗料用組成物100質量部中における水溶性樹脂および/または水分散性樹脂の含有量(合計量)は、60質量部以下とすることが好ましく、50質量部以下とすることが更に好ましく、30質量部以下とすることがより好ましい。
(添加剤)
また、水性塗料として通常添加される他の配合物、例えば、着色剤;タルク等の体質顔料;アルミフレーク、マイカ粉等の光輝材;中和剤、安定剤、増粘剤、消泡剤、分散剤、表面調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤;シリカ等の無機充填剤や、導電性カーボン、導電性フィラー、金属粉等の導電性充填剤、有機改質剤、可塑剤等の補助配合剤等を必要に応じて配合できる。前記着色剤としては、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、紺青等の無機顔料;アゾ系顔料、アントラセン系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機顔料;染料などがある。
(希釈溶剤)
水性塗料の希釈溶剤は、一般的に用いられる有機溶剤であれば、特に限定されず、使用しなくても良い。例えば、ヘキサンのような炭化水素系溶剤、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系溶剤、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなエーテル系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールのようなグリコール系溶剤、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートのようなエステル系溶剤、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、シクロヘキサノール、2−エチルヘキサノール、3−メチル−3−メトキシブタノールのようなアルコール系溶剤が挙げられる。これらの溶剤は、単独で使用されてもよく、混合して使用されてもよく、さらに水と混合して使用されてもよい。なお、希釈溶剤の添加量としては、特に限定されないが、近年の環境への配慮の必要性と本発明の湿潤剤の効果を最大限得るといったことを考慮すると、水性塗料全体の30質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
本発明にかかる化合物の合成例を以下に示す。合成した化合物は、H−NMR分析により構造を同定した。なお、表1に合成した化合物を示す。
(合成例1:化合物E1の合成)
5Lオートクレーブに、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール(商品名:ノナノール、KHネオケム(株)製)433g(3mol)および水酸化カリウム5gを仕込み、窒素置換後、撹拌しながら120℃に昇温した。次に滴下装置によりエチレンオキシド396g(9mol)を滴下し、1時間反応させた。続いて滴下装置によりプロピレンオキシド523g(9mol)を滴下し、3時間反応させた。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和して、pH6〜7とし、含有する水分を除去するため、100℃、1時間、減圧処理を行い、最後に濾過により塩を除去して、1282gの化合物E1を得た。
(合成例2〜6:化合物E2〜E6の合成)
上記合成例1に準じて、表1に示す化合物E2〜E6を合成した。
(比較合成例1〜8:化合物P1〜P8の合成)
上記合成例1に準じて、下記の表1に示す化合物P1〜P8を合成した。
(化合物P9およびP10)
表2〜5における化合物P9およびP10の詳細は以下のとおりである。
化合物P9:2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールジ(ポリオキシエチレン(1.3))エーテル(商品名:サーフィノール420、エアープロダクツアンドケミカル社製)
化合物P10:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(商品名:BYK−307、ビックケミー・ジャパン(株)製)
本発明にかかる化合物の評価は以下の通り行った。
Figure 2016132771
(実施例1−1)
(試験溶液1−1の調製)
三角フラスコにポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製、PVA、重合度2000、けん化度98%以上)3.4gおよびイオン交換水:88.5gを秤量し、水を還流させながら90℃で2時間マグネチックスターラーにより撹拌を行うことで、PVA水溶液を調製した。調製したPVA水溶液を40℃以下まで冷却後、1−ブタノール2.0gおよび2−プロパノール6.0gを添加し、さらに1時間の攪拌を行った。その後、化合物E1を0.1g添加し1時間攪拌することで、試験溶液1−1を調製した。
(低泡性の評価:泡立ち試験)
50mLスクリュー管に30gの試験溶液1−1を秤量し、上下に20回振とうし、5分後の泡立ちを確認した。泡立ちは、スクリュー管の液面からの高さを測定した。なお、評価は以下の基準で行った。結果を表2に示す。
○:1mm以下
×:1mm超
(動的表面張力の評価:動的表面張力測定)
下記表1記載の化合物E1の0.1質量%水溶液の動的表面張力測定を行った。KRUSS製バブルプレッシャー型動的表面張力計クルスBP−2を用いて、水溶液の25℃における界面寿命10ms、および100msにおける表面張力を測定した。なお、評価は以下の基準で行った。結果を表2に示す。
◎:界面寿命が10ms時の表面張力が50mN/m以下かつ100ms時の表面張力との差が5mN/m以内
○:界面寿命が10ms時の表面張力が55mN/m以下かつ100ms時の表面張力との差が5mN/m以内
×:上記以外
(濡れ性の評価:接触角測定)
ガラス、アルミニウム、アクリル板に対する、下記の通り調製した試験溶液の接触角(測定装置:協和界面化学(株)製、Drop Masterシリーズ、DM−501)を測定した。試験溶液1−1をテフロンコート針18Gを装着したガラスシリンジに充填、液滴量を2.0μLに調整し、着滴後10秒後の接触角の測定を行った。なお、1サンプルにつき5回の測定を行い、その平均値を接触角の値とすることとした。下記比較例におけるブランク1の調製項の通り調製したブランク1と、試験溶液1−1の各種基材に対する接触角を比較し、下記式にて接触角の減少率を算出した。なお、評価は以下の基準で行った。結果を表2に示す。
接触角減少率(%)={1−(試験溶液1−1の接触角)/(ブランク1の接触角)}×100
○:接触角減少率が15%以上
×:接触角減少率が15%未満
(実施例1−2〜1−6)
上記実施例1−1に準じて、表2に示す通り試験溶液を調製し評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2016132771
(実施例2−1〜2−4)
上記実施例1−1に準じて、表3に示す通り試験溶液を調製した。上記実施例1−1濡れ性の評価項において、ブランク1の代わりに、下記比較例にて調製したブランク2を用いて、比較、評価を行った。それ以外の評価は、実施例1−1に準じて評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2016132771
(比較例)
(ブランク1の調製)
上記実施例1−1に準じて、表2に示す通りブランク1を調製し、評価を行った。調製したブランク1は、低泡性および濡れ性の評価を行った。なお、ブランク1に関しては、濡れ性の評価は行わず、接触角のみ測定を行った。結果を表4に示す。
(比較例1−1〜1―10)
上記実施例1−1に準じて、表4に示す通り試験溶液を調製し評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2016132771
(ブランク2の調製)
上記ブランク1の調製に準じて、表5に示す通りブランク2を調製し、評価を行った。結果を表5に示す。
(比較例2−1〜2−4)
上記実施例1−1に準じて、表5に示す通り試験溶液を調製し、ブランク2と比較し評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2016132771
表2、表4の結果から、化合物E1〜E6は動的表面張力低下能に優れており、その化合物を添加し調製した実施例1−1〜1−6および実施例2−1〜2−4は、優れた濡れ性を示し、低泡性であることが分かる。
これに対して、比較例1−1は、式(1)で表される化合物のオキシエチレン基の付加モル数が本発明の範囲より大きいため、動的表面張力低下能が劣り、低泡性および濡れ性にも劣る。
比較例1−2、2−1は、式(1)で表される化合物のオキシエチレン基とオキシプロピレン基の付加順序が逆であるため、低泡性に劣る。
比較例1−3は、式(1)で表される化合物のオキシプロピレン基の付加モル数が本発明の範囲より小さいため、低泡性に劣る。
比較例1−4、2−2は、式(1)で表される化合物のオキシエチレン基とオキシプロピレン基の付加モル数の比率が本発明の範囲外であるため、低泡性に劣る。
比較例1−5は、式(1)で表される化合物のオキシアルキレン基の付加形態が本発明と異なるため、低泡性および濡れ性に劣る。
比較例1−6、2−3は、式(1)で表される化合物のアルキル基が3,5,5−トリメチルヘキシル基でなく、炭素数9よりも大きいため、動的表面張力低下能および低泡性に劣る。
比較例1−7、2−4は、式(1)で表される化合物のアルキル基が3,5,5−トリメチルヘキシル基でなく、炭素数9よりも小さいため、濡れ性に劣る。
比較例1−8は、式(1)で表される化合物のアルキル基は炭素数9であるが、3,5,5−トリメチルヘキシル基でないため、動的表面張力低下能に劣る。
比較例1−9は、一般的なアセチレングリコール系湿潤剤であり、式(1)で表される化合物を用いていないため、濡れ性に劣る。
比較例1−10は、一般的なシリコーン系湿潤剤であり、水性塗料に対する溶解性が低く、調製した試験溶液が濁っており、動的表面張力を測定できなかった。また、式(1)で表される化合物を用いていないため、濡れ性に劣る。

Claims (2)

  1. 下記式(1)で表される水性塗料用湿潤剤。

    RO−(EO)−(PO)−H ・・・(1)

    (式(1)中、
    Rは3,5,5−トリメチルヘキシル基であり、
    EOはオキシエチレン基であり、
    POはオキシプロピレン基であり、EOおよびPOはブロックで付加している。
    aはオキシエチレン基の平均付加モル数であって、a=2〜9であり、
    bはオキシプロピレン基の平均付加モル数であって、b=2〜5、a/b=0.5〜3.0である。)
  2. 水溶性樹脂と水分散性樹脂との少なくとも一方と、0.05〜5質量部の請求項1に記載の水性塗料用湿潤剤とを含有することを特徴とする、水性塗料。
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JP2019065149A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 大日本塗料株式会社 塗料組成物及び塗装方法

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