JP2005054128A - 界面活性剤、これを含有してなる塗料及びこの界面活性剤の製造方法 - Google Patents

界面活性剤、これを含有してなる塗料及びこの界面活性剤の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面張力低下能(抑泡性、破泡性、整泡性及び消泡性等を含む)及び水溶解性に優れた界面活性剤を提供することである。
【解決手段】一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなることを特徴とする界面活性剤を用いる。
【化1】

ただし、一般式(1)において、Qは非還元性の二又は三糖類のt(2〜4の整数)個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、OA1は炭素数2〜4のオキシアルキレン基、OA2は炭素数6〜18のα−オレフィンオキシドに由来するオキシアルキレン基、Hは水素原子、t個のnは同じであっても異なってもよい1〜20の整数、mは1〜3の整数を表し、1分子中のOA1の総数は、t=2のとき2〜40個、t=3〜4のとき5〜46個であり、t−m個の{H-(OA1n-}及びm個の{-[(OA1n/(OA2)]-H}はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は界面活性剤、これを含有してなる塗料及びこの界面活性剤の製造方法に関する。さらに詳しくは水性塗料用、紙塗工塗料用、水性インキ用として最適な界面活性剤、これを含有してなる塗料及びこの界面活性剤の製造方法に関する。
非還元性の二又は三糖類とアルキレンオキシド及びα−オレフィンオキシドとの化学反応により製造され得る構造を有するポリオキシアルキレン化合物を含む界面活性剤は知られていない。
従来から水系塗料、紙塗工塗料、水性インキ等に用いられる界面活性剤としてはアニオン活性剤が圧倒的に多く、例えばジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホン酸塩、エーテルカルボン酸塩(特許文献1)等が知られている。またエアプロダクツ社のアセチレングリコール(非特許文献1)等が知られている。
特開平5−051900号公報 水性塗料用界面活性剤「サーフィノール」山崎一朗、塗装と塗料2000年8月(No.607)77頁、塗料出版社
特許文献1に記載の界面活性剤では、泡立ちが激しいという問題がある。また、特許文献2に記載のアセチレングリコールでは水に対する溶解性又は分散性が低いため、塗料、インキ等の作成時に予め添加してなじませておく必要があり、どの製造工程でも添加できるというものではなく、使用面で大きな制約がある。すなわち、本発明の目的は、表面張力低下能(抑泡性、破泡性、整泡性及び消泡性等を含む)及び水溶解性に優れた界面活性剤を提供することである。
本発明者は前記課題解決すべく鋭意検討を重ねた結果本発明に達した。すなわち、本発明の第1発明は、一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなることを特徴とする界面活性剤である。
ただし、一般式(1)において、Qは非還元性の二又は三糖類のt(2〜4の整数)個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、OA1は炭素数2〜4のオキシアルキレン基、OA2は炭素数6〜18のα−オレフィンオキシドに由来するオキシアルキレン基、Hは水素原子、t個のnは同じであっても異なってもよい1〜20の整数、mは1〜3の整数を表し、1分子中のOA1の総数は、t=2のとき2〜40個、t=3〜4のとき5〜46個であり、t−m個の{H-(OA1n-}及びm個の{-[(OA1n/(OA2)]-H}はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
また、本発明の第2発明は、非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)2〜46モル部及び炭素数6〜18のα−オレフィンオキシド(a3)1〜3モル部の化学反応により製造され得る構造を有するポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなることを特徴とする界面活性剤である。
また、本発明の第3発明は、非還元性の二又は三糖類(a1)、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)及び炭素数6〜18のα−オレフィンオキシド(a3)を反応させて得られるポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなる界面活性剤の製造方法であって、アミドの存在下で(a1)と(a2)及び/又は(a3)とを反応させる工程を含むことを特徴とする界面活性剤の製造方法である。
本発明の界面活性剤は、極めて優れた表面張力低下能(抑泡性及び消泡性を含む)及び水溶解性をもつ。よって、水系塗料の欠点である被塗布面へのなじみ、濡れ性等を飛躍的に改善でき、取り扱い性(添加タイミングに制限がない等)に優れており、ハジキや泡立ちの弊害もない。
一般式(1)について説明する。
非還元性の二又は三糖類のt個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基(Q)を構成することができる二又は三糖類としては、蔗糖(サッカロース)、トレハロース、イソトレハロース、イソサッカロース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース及びプランテオース等が含まれる。これらのうち、表面張力低下能及び水溶解性等の観点から、蔗糖、トレハロース、ゲンチアノース、ラフィノース及びプランテオースが好ましく、さらに好ましくはトレハロース及び蔗糖であり、供給性及びコスト等の観点から特に好ましくは蔗糖である。これらは単独で、または混合して用いられてよい。
tは非還元性の二又は三糖類の1級水酸基の数を表す2〜4の整数であり、好ましくは3である。この範囲であると表面張力低下能及び水溶解性がさらに良好となる傾向がある。
炭素数2〜4のオキシアルキレン基(OA1)としては、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン及びこれらの混合等が含まれる。これらのうち表面張力低下能及び水溶解性等の観点から、オキシエチレン、オキシプロピレン及びオキシエチレンを含有する混合物が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン及びオキシエチレンを必ず含有する混合物である。
また、n個のOA1は、同じでも異なっていてもよく、t個の(OA1)nは同じでも異なってもよい。
OA1内に複数種類のオキシアルキレン基を含む場合、これらのオキシアルキレン基の結合順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び含有割合には制限ないが、ブロック状又はブロック状とランダム状の組合せを含むことが好ましい。また、この場合、オキシエチレンを含むことが好ましく、オキシエチレンの含有割合(重量%)は、オキシアルキレン基の全重量に基づいて、20〜90が好ましく、さらに好ましくは25〜85、特に好ましくは30〜80、最も好ましくは35〜75である。すなわち、この場合、オキシエチレンの含有割合(重量%)は、オキシアルキレン基の全重量に基づいて、20以上が好ましく、さらに好ましくは25以上、特に好ましくは30以上、最も好ましくは35以上、また、90以下が好ましく、さらに好ましくは85以下、特に好ましくは80以下、最も好ましくは75以下である。
OA1にオキシエチレン基と、オキシプロピレン基及び/又はオキシブチレン基とを含む場合、反応残基(Q)から離れたところにオキシプロピレン及び/又はオキシブチレンが位置することが好ましい。すなわち、反応残基(Q)にオキシエチレン基が直接的に結合していることが好ましい。
1分子中のOA1の総数(個)は、t=2のとき、2〜40が好ましく、さらに好ましくは5〜38、特に好ましくは7〜35、最も好ましくは10〜30であり、また、t=3〜4のとき、5〜46が好ましく、さらに好ましくは7〜43、特に好ましくは10〜40、最も好ましくは15〜35である。この範囲であると、表面張力低下能及び水溶解性がさらに良好となる傾向がある。また、nは、1〜20の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜18の整数、特に好ましくは3〜17の整数、最も好ましくは4〜15の整数である。この範囲であると、表面張力低下能及び水溶解性がさらに良好となる傾向がある。またt個のnは、同じ値でもよく、異なった値でもよい。
オキシアルキレン基(OA2)としては、炭素数6〜18のα−オレフィンオキシドに由来するオキシアルキレン基等が使用でき、オキシヘキシレン、オキシヘキセニレン、オキシオクチレン、オキシデシレン、オキシデセニレン、オキシドデシレン、オキシドデセニレン、オキシオクタデシレン、オキシオクタデセニレン及びこれらの混合物等が含まれる。これらのうち、界面活性の観点から、オキシオクチレン、オキシデシレン、オキシデセニレン、オキシドデシレン、オキシドデセニレン、オキシテトラデシレン、オキシテトラデセニレン及びこれらの混合物が好ましい。
1分子中のOA2の総数(個)は、1〜3が好ましく、さらに好ましくは2〜3、特に好ましくは2である。この範囲であると、表面張力低下能及び水溶解性がさらに良好となる傾向がある。
mは、1〜3の整数が好ましく、さらに好ましくは2又は3、特に好ましくは2である。この範囲であると、表面張力低下能及び水溶解性がさらに良好となる傾向がある。
Hは水素原子を表す。t−m個は、0〜3の整数が好ましく、さらに好ましくは1又は2、特に好ましくは1である。
t−m個の{H-(OA1n-}及びm個の{-[(OA1n/(OA2)]-H}はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
[(OA1)n/(OA2)]は、(OA1)との関係においてどの位置に(OA2)が存在してもよいことを表す。
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物としては、以下の化学式で示される化合物等が挙げられる。なお、poはオキシプロピレン基を、eoはオキシエチレン基を表し、Q1は蔗糖の反応残基を、Q2はトレハロースの反応残基を、Q3はメレチトースの反応残基を表す(以下同様)。
これらのうち、式(2)、(3)、(5)、(8)、(10)又は(13)で表されるポリオキシアルキレン化合物が好ましく、さらに好ましくは式(2)、(5)、(10)又は(13)で表されるポリオキシアルキレン化合物である。
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物としては、非還元性の二又は三糖類(a1)、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)及び炭素数6〜18のα−オレフィンオキシド(a3)の化学反応により製造され得る構造を有するものが含まれる。すなわち、このような化学反応により製造され得る構造を有するポリオキシアルキレン化合物は、オキシアルキレン基に分布を生じる場合があり、この場合、厳密には複数種類のポリオキシアルキレン化合物の混合物となり、この混合物の中に、一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物が含まれるものである。なお、この場合でも製造方法を限定するものではない。
そして、アルキレンオキシド(a2)の使用量(モル部)としては、非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部に対して、2〜46が好ましく、さらに好ましくは5〜43、特に好ましくは7〜40、最も好ましくは10〜35である。すなわち、アルキレンオキシド(a2)の使用量(モル部)は、非還元性の二又は三糖類1モル部に対して、2以上が好ましく、さらに好ましくは5以上、特に好ましくは7以上、最も好ましくは10以上であり、また46以下が好ましく、さらに好ましくは43以下、特に好ましくは40以下、最も好ましくは35以下である。この範囲であると、表面張力低下能及び水溶解性がさらに良好となる傾向がある。
また、炭素数6〜18のα−オレフィンオキシド(a3)の使用量(モル部)としては、非還元性の二又は三糖類単位1モル部に対して、1〜3が好ましく、さらに好ましくは1.2〜2.8、特に好ましくは1.5〜2.5、最も好ましくは1.7〜2.3である。すなわち(a3)の使用量(モル部)は、非還元性の二又は三糖類1モル部に対して、1以上が好ましく、さらに好ましくは1.2以上、特に好ましくは1.5以上、最も好ましくは1.7以上であり、また3以下が好ましく、さらに好ましくは2.8以下、特に好ましくは2.5以下、最も好ましくは2.3以下である。この範囲であると、表面張力低下能及び水溶解性がさらに良好となる傾向がある。
化学反応は、通常、非還元性の二又は三糖類(a1)とアルキレンオキシド(a2)との反応性性物(a12)と、α−オレフィンオキシド(a3)とを反応させるが、(a1)と(a3)との反応性性物(a13)と、(a2)とを反応させても、また(a1)と(a2)との反応性性物(a12)及び(a3)の反応性性物(a123)にさらに(a2)を反応させても、また(a1)、(a2)及び(a3)を一度に反応させてもよい。
非還元性の二又は三糖類(a1)としては、一般式(1)における反応残基(Q)を構成することができる二又は三糖類と同じものが使用でき、好ましい範囲も同じである。
アルキレンオキシド(a2)としては、炭素数2〜4のアルキレンオキシド等が使用でき、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシド(BO)及びこれらの混合物等が挙げられる。これらのうち、表面張力低下能及び水溶解性等の観点から、EO、EOを含有する混合物及びPOが好ましく、さらに好ましくはEO及びEOを含有する混合物である。
複数種類のアルキレンオキシドを用いてもよく、この場合、反応させる順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び使用割合には制限ないが、ブロック状又はブロック状とランダム状の組合せを含むことが好ましくい。また、この場合、EOを含有することが好ましく、EOの使用割合(重量%)は、アルキレンオキシドの全重量に基づいて、20〜90が好ましく、さらに好ましくは25〜85、特に好ましくは30〜80、最も好ましくは35〜75である。すなわち、この場合、EOの使用割合(重量%)は、アルキレンオキシドの全重量に基づいて、20以上が好ましく、さらに好ましくは25以上、特に好ましくは30以上、最も好ましくは35以上であり、また、90以下が好ましく、さらに好ましくは85以下、特に好ましくは80以下、最も好ましくは75以下である。
EOと、PO又は/及びBOとを含む場合、EOの反応後にPO及び/又はBOを反応させることが好ましい。
α−オレフィンオキシド(a3)としては、炭素数6〜18のα−オレフィンオキシド等が使用でき、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシ−7−オクテン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシ−9−デセン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシ−11−ドデセン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシ−13−テトラデセン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカン及び1,2−エポキシ−17−オクタデセン等が挙げられる。これらのうち、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシ−7−オクテン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシ−9−デセン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシ−11−ドデセン、1,2−エポキシテトラデカン及び1,2−エポキシ−17−オクタデセンが好ましく、さらに好ましくは1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシ−11−ドデセン及び1,2−エポキシテトラデカン等である。これらは単独で、または混合して使用してもよい。
ポリオキシアルキレン化合物の曇点(℃)は、30〜60が好ましく、さらに好ましくは32〜58、特に好ましくは34〜56、最も好ましくは35〜55である。すなわち、ポリオキシアルキレン化合物の曇点(℃)は、30以上が好ましく、さらに好ましくは32以上、特に好ましくは34以上、最も好ましくは35以上であり、また60以下が好ましく、さらに好ましくは58以下、特に好ましくは56以下、最も好ましくは55以下である。この範囲であると、表面張力低下能及び水溶解性がさらに良好となりやすい。
なお、曇点とは界面活性剤の親水性/疎水性の尺度となる物性値を意味し、曇点が高いほど親水性が大きいことを表し、ISO1065−1975(E)、「エチレンオキシド系非イオン界面活性剤−曇り点測定法」の中の「測定法B」に準じて測定されるものである。すなわち、ブチルジグリコール(3,6−オキサデシルアルコール:ブタノールのEO2モル付加物)25重量%水溶液に、試料を10重量%の濃度になるように投入し、均一溶解させる(通常は25℃で溶解するが、溶解しない場合は透明液体になるまで冷却する)。次いでこの試料溶液約5ccを、外径18mm、全長165mm、肉厚約1mmの試験管に採り、さらに直径約6mm、長さ約250mm、2分の1度目盛り付きの温度計を試料溶液に入れて攪拌しながら、1.0±0.2℃/minにて昇温させて試料溶液を白濁させる。この後攪拌しながら、1.0±0.5 ℃/minにて冷却して試料溶液が完全に透明となる温度を読みとり、これを曇点とする。
ポリオキシアルキレン化合物の25±0.2℃、20Hzにおける0.5重量%水溶液の動的表面張力(mN/m)は、45〜25が好ましく、さらに好ましくは44〜28、特に好ましくは43〜30である。すなわち、ポリオキシアルキレン化合物の動的表面張力(mN/m)は、45以下が好ましく、さらに好ましくは44以下、特に好ましくは43以下であり、また、25以上が好ましく、さらに好ましくは28以上、特に好ましくは30以上である。
また、20Hzと0.05Hzとの動的表面張力の差(mN/m)は、12以下が好ましく、さらに好ましくは11以下、特に好ましくは10以下である。
ここで、動的表面張力について簡単に説明する。
界面活性剤などを含有する水溶液で新たな界面が形成された場合、その表面張力は平衡に達するまでに時間を要する。表面張力の測定法としてはリング法、プレート法などが良く知られているが、これらは平衡に達した表面張力(静的表面張力)を測定するものであり、かたや動的表面張力とは動きのある気液界面における表面張力であり、最大泡圧法(Maximum Bubble Pressure Method)またはバブルプレッシャー差圧法(Differential Maximum Bubble Pressure Method)等と呼ばれる方法により測定され{文献:Journal of Chemical Society,121,p858(1922) ;Journal of Colloid and Interface Science,166,p6(1944);ASTM D3825−90等}、新たな界面(表面)が形成された場合に、その界面での表面張力(mN/m)をミリ秒単位で表すものである。例えば20Hzの動的表面張力とは新たな界面が形成されて20分の1(50ミリ)秒後の表面張力を意味する。現在では最大泡圧法に基づいた動的表面張力の自動測定機が開発され、協和界面科学社( 自動・動的表面張力計BP−D3等)、KRUSS社(バブルプレッシャー型動的表面張力計クルスBP−2等)などから販売されている。
本発明において、動的表面張力は、サンプル濃度:0.1重量%、希釈媒体:イオン交換水、気泡発生用ガス:乾燥空気、測定時間間隔:500ミリ秒、測定温度;25.0±0.2℃の条件で、最大泡圧法により測定される。なお、ブランクとして脱イオン水の動的表面張力を同条件で測定し、20〜0.05Hzにおいて73.0〜72.0mN/mであることを測定毎に確認する。
ポリオキシアルキレン化合物は、非還元性の二又は三糖類(a1)、アルキレンオキシド(a2)及びα−オレフィンオキシド(a3)を反応させて得ることができる。反応させる順としては、
(1)まず(a1)と(a2)とを反応させ、反応生成物(a12)を得る。次いで(a12)と(a3)を反応させて反応生成物(a123)を得る方法。
(2)まず(a1)と(a3)とを反応させ、反応生成物(a13)を得る。次いで反応生成物(a13)と、(a2)を反応させて反応生成物(a123)を得る方法。
(3)まず(a1)と(a2)とを反応させて(a12)を得、次いで(a3)を反応させて(a123)を得て、さらに(a2)を反応させて反応生成物(a1232)を得る方法。
(4)(a1)と、(a2)及び(a3)の混合物とを反応させて反応生成物(a123)を得る方法。
以上が有り得る。これらのいずれもが好ましい方法であるが特に好ましいのは(1)である。
非還元性の二又は三糖類(a1)とアルキレンオキシド(a2)及び/又はα−オレフィンオキシド(a3)との反応は、アニオン重合、カチオン重合又は配位アニオン重合等のいずれの形式で実施してもよい。また、これらの重合形式は単独でも、重合度等に応じて組み合わせて用いてもよい。
非還元性の二又は三糖類(a1)とアルキレンオキシド(a2)及び/又はα−オレフィンオキシド(a3)との反応には反応触媒が使用できる。なお、反応溶媒として以下に説明するアミドを用いる場合、反応触媒を用いる必要がない。
反応触媒としては、通常使用されるアルキレンオキシド付加反応用触媒等が使用でき、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウム等)、アルカリ金属のアルコラート(カリウムメチラート及びセシウムエチラート等)、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸カリウム、炭酸セシウム及び炭酸バリウム等)、炭素数3〜24の3級アミン(トリメチルアミン、トリオクチルアミン、トリエチレンジアミン及びテトラメチルエチレンジアミン等)、及びルイス酸(塩化第二錫及びトリフッ化ホウ素等)等が用いられる。これらのうち、アルカリ金属の水酸化物及び3級アミン化合物が好ましく、さらに好ましくは水酸化カリウム、水酸化セシウム及びトリメチルアミンである。
反応触媒を使用する場合、その使用量(重量%)は、(a1)並びに(a2)及び/又は(a3)の合計重量に基づいて、0.05〜2が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1、特に好ましくは0.2〜0.6である。すなわちこの場合、反応触媒の使用量(重量%)は、(a1)並びに(a2)及び/又は(a3)の重量に基づいて、0.05以上が好ましく、さらに好ましくは0.1以上、特に好ましくは0.2以上であり、また2以下が好ましく、さらに好ましくは1以下、特に好ましくは0.6以下である。
反応触媒を使用する場合、反応触媒は反応生成物から除去することが好ましく、その方法としては、合成アルミノシリケートなどのアルカリ吸着剤{例えば、商品名:キョーワード700、協和化学工業(株)製}を用いる方法(特開昭53−123499号公報等)、キシレン又はトルエンなどの溶媒に溶かして水洗する方法(特公昭49−14359号公報等)、イオン交換樹脂を用いる方法(特開昭51−23211号公報等)及びアルカリ性触媒を炭酸ガスで中和して生じる炭酸塩を濾過する方法(特公昭52−33000号公報)等が挙げられる。
反応触媒の除去の終点としては、JIS K1557−1970に記載のCPR(Controlled Polymerization Rate)値が20以下であることが好ましく、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。
反応容器としては、加熱、冷却及び撹拌が可能な耐圧性反応容器を用いることが好ましい。反応雰囲気としては、アルキレンオキシド(a2)及び/又はα−オレフィンオキシド(a3)を反応系に導入する前に反応装置内を真空または乾燥した不活性気体(アルゴン、窒素及び二酸化炭素等)の雰囲気とすることが好ましい。また、反応温度(℃)としては80〜150が好ましく、さらに好ましくは90〜130である。反応圧力(ゲージ圧:MPa)は0.8以下が好ましく、さらに好ましくは0.5以下である。
反応終点の確認は、次の方法等により行うことができる。すなわち、反応温度を15分間一定に保ったとき、反応圧力(ゲージ圧)の低下が0.001MPa以下となれば反応終点とする。所要反応時間は通常4〜12時間である。
非還元性の二又は三糖類(a1)とアルキレンオキシド(a2)及び/又はα−オレフィンオキシド(a3)との反応工程には、反応溶媒を用いることが好ましい。
反応溶媒としては、(1)活性水素を持たず、(2)非還元性の二又は三糖類(a1)、アルキレンオキシド(a2)、α−オレフィンオキシド(a3)、(a1)と(a2)との反応生成物(a12)及び(a1)と(a3)との反応生成物(a13)を溶解するものであれば使用できる。
このような反応溶媒としては、炭素数3〜8のアルキルアミド及び炭素数5〜7の複素環式アミド等が使用できる。アルキルアミドとしては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−N−プロピルアセトアミド及び2−ジメチルアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール等が挙げられる。複素環式アミドとしては、N−メチルピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム及びN,N−ジメチルピロールカルボン酸アミド等が挙げられる。
これらのうち、アルキルアミド及びN−メチルピロリドンが好ましく、さらに好ましくはDMF、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン、特に好ましくはDMF及びN−メチルピロリドン、最も好ましくはDMFである。
反応溶媒を用いる場合、その使用量(重量%)は、反応生成物の重量に基づいて、20〜200が好ましく、さらに好ましくは40〜180、特に好ましくは60〜150である。すなわち、この場合、反応溶媒の使用量(重量%)は、反応生成物の重量に基づいて、20以上が好ましく、さらに好ましくは40以上、特に好ましくは60以上であり、また200以下が好ましく、さらに好ましくは180以下、特に好ましくは150以下である。
反応溶媒を用いた場合、反応後に反応溶媒を除去することが好ましい。
反応溶媒の残存量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物の重量に基づいて、0.1以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05以下、特に好ましくは0.01以下である。なお、反応溶媒の残存量は、内部標準物質を用いるガスクロマトグラフィー法にて求めることができる。
反応溶媒の除去方法としては、減圧留去及び吸着除去等が適用でき、減圧留去した後さらに吸着除去することが好ましい。
減圧留去する条件としては、200〜5mmHgの減圧下にて100〜150℃にて蒸留する条件等が適用できる。
さらに吸着除去する場合、合成アルミノシリケート等のアルカリ吸着剤{例えば、商品名:キョーワード700、協和化学工業(株)製}を用いて処理する方法等が適用できる。例えば、キョーワード700を用いる場合、アルカリ吸着剤の添加量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物の重量に基づいて0.1〜10程度、処理温度は60〜120℃程度、処理時間は0.5〜5時間程度である。続いてろ紙又はろ布等を用いてろ別してアルカリ吸着剤を取り除くことにより、反応溶媒の残存量をさらに減少させることができる。
本発明の界面活性剤には、ポリオキシアルキレン化合物以外の成分として、必要により、他の界面活性剤及び/又は他の溶媒等を含有させることができる。
他の界面活性剤としては、ノニオン型、カチオン型、アニオン型又は両性型の公知の界面活性剤が使用できる。ノニオン型界面活性剤としては、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加体、アルコールのアルキレンオキシド付加体、多価アルコール脂肪酸エステル、アルキルアミンのアルキレンオキシド付加体、脂肪酸アミドのアルキレンオキシド付加体、アセチレングリコールのアルキレンオキシド付加体及びポリオキシアルキレン変性シリコーン等が挙げられる。
カチオン型界面活性剤としては、アミン塩、4級アンモニゥム塩、アルキレンオキシド付加型アンモニゥム塩等が挙げられる。
アニオン型界面活性剤としては、脂肪酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸とその塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、N−アシルアルキルタウリン塩及びアルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
両性型界面活性剤としては、アラニン、イミダゾリニウムベタイン、アミドベタイン及び酢酸ベタイン等が挙げられる。
界面活性剤として市場より入手できる商品名としては、SNウエット123及び同970等(サンノプコ株式会社);ライオノールTDL−30、50及び70等(ライオン株式会社);イオネットT−80C、S−80及びDO−600等(三洋化成工業株式会社);ソフタノール30、30S及びMES−5等(株式会社日本触媒);並びにサーフィノール104、440及びエンバイルジェムAD01等(エアプロダクツ社)等が挙げられる。他の界面活性剤を含有させる場合、その含有量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物の重量に基づいて、40〜1が好ましく、さらに好ましくは30〜5、特に好ましくは25〜10である。すなわち、この場合、他の界面活性剤の含有量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物の重量に基づいて、1以上が好ましく、さらに好ましくは5以上、特に好ましくは10以上であり、また40以下が好ましく、さらに好ましくは30以下、特に好ましくは25以下である。
他の溶媒としては、水及び水溶性有機溶剤等を用いることができる。水としてはイオン交換水、蒸留水、水道水及び工業用水等が挙げられる。水溶性有機溶剤としてはアルコール(メタノール、エタノール及びイソプロパノール等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)、エーテル(エチルセルソルブ及びブチルセルソルブ等)及びエーテルエステル(ブチルセルソルブアセテート等)等が挙げられる。
他の溶媒を含有させる場合、この含有量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物の重量に基づいて、20〜1が好ましく、さらに好ましくは17〜3、特に好ましくは15〜5である。すなわち、この場合、他の溶媒の含有量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物の重量に基づいて、1以上が好ましく、さらに好ましくは3以上、特に好ましくは5以上であり、また20以下が好ましく、さらに好ましくは17以下、特に好ましくは15以下である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。
<表面張力低下能(動的表面張力)の評価>
25℃において、評価サンプルを脱イオン水に溶解して0.5%の評価サンプル水溶液を調製した。このとき、水に対する溶解性及び耐泡立ち性を評価した。さらに25℃において、クルス社製のバブルプレッシャー型動的表面張力計クルスBP−2を用いて、20Hzの表面張力(T1)と0.1Hzの表面張力(T2)とを測定した。そして、表面張力の差ΔT{(T1)−(T2)}を算出した。表1に、20Hzの表面張力(T1)、表面張力の差ΔT{(T1)−(T2)}及び標準{脱イオン水のみの表面張力}を示した。
<水溶解性の評価>
次の3段階で評価し、表1に示した。
○:均一に溶解する。
△:白濁が見られるが、油滴、油膜の発生はない。
×:油滴、油膜の発生が見られる。
<耐泡立ち性>
次の3段階で評価し、表1に示した。
○:泡立ちが殆どない
△:泡立ちが少しある
×:泡立ちが激しい
<実施例1>
加熱、攪拌、冷却、滴下、加圧及び減圧の可能な反応容器に精製グラニュー糖{蔗糖、台糖(株)製}の342部(1モル部)、DMF{三菱ガス化学(株)製、水分含有量0.005%、以下同じ}1000部を投入した後、窒素ガスを用いて、ゲージ圧で0.4MPaになるまで加圧し0.02MPaになるまで排出する操作(加圧窒素置換)を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてEO440部(10モル部)を4時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで110℃に昇温した後、この温度にてPO1160部(20モル部)を6時間かけて滴下し、さらに同温度にて2時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで120℃に昇温した後、1,2−エポキシドデカン{試薬特級、シグマアルドリッチジャパン社(株)製、以後シグマ社と略記}の184部(1モル部)を120℃にて2時間かけて滴下し、さらに同温度にて8時間攪拌を続けて反応させた。
その後120℃、100〜10mmHgの減圧下にてDMFを留去し、次いで90℃にてイオン交換水20部を加えた後、キョーワード700{協和化学工業(株)製}100部を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いで同温度にてNo.2濾紙{東洋濾紙(株)製}を用いて濾過してキョーワード700を取り除き、さらに20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水して、蔗糖/EO10モル/PO20モル/1,2−エポキシドデカン1モル付加物(A1)を得た。
(A1)のDMF含有量(内部標準物質を用いるガスクロマトグラフィー法;以下同じ)は0.02%であり、曇点(ISO1065−1975(E)の測定法Bに準拠;以下同じ)は45.0℃であった。
<実施例2>
実施例1と同様な反応容器に精製グラニュー糖の342部(1モル部)、DMF1000部を投入した後、実施例1と同様の方法で加圧窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてEO660部(15モル部)を5時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで110℃に昇温した後、この温度にてPO870部(15モル部)を6時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで1,2−エポキシデカン{試薬特級、シグマ社(株)製}の312部(2モル部)を110℃にて3時間かけて滴下し、さらに同温度にて8時間攪拌を続けて反応させた。
その後実施例1と同様にしてDMF留去/キョーワード処理を実施し、蔗糖/EO15モル/PO15モル/1,2−エポキシデカン2モル付加物(A2)を得た。
(A2)のDMF含有量は0.01%であり、曇点は40.5℃であった。
<実施例3>
実施例1と同様な反応容器に精製グラニュー糖の342部(1モル部)、N−メチルピロリドン{試薬特級、和光純薬工業(株)製、水分含有量0.007%、以下同じ}1500部を投入した後、実施例1と同様の方法で窒素置換した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてEO572部(13モル部)を4時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで100℃でPO986部(17モル部)及びBO222部(3モル部)の混合液を8時間かけて滴下し、さらに同温度にて4時間攪拌を続けて残存するPO、BOを反応させた。次いで1,2−エポキシオクタン{試薬特級、シグマ社(株)製}の192部(1.5モル部)を100℃にて3時間かけて滴下し、さらに同温度にて8時間攪拌を続けて反応させた。
その後実施例1と同様にしてN−メチルピロリドン留去/キョーワード処理を実施し、蔗糖/EO13モル/(PO17モル/BO3モル)/1,2−エポキシオクタン1.5モル付加物(A3)を得た。
(A3)のN−メチルピロリドン含有量は0.02%であり、曇点は51.0℃であった。
<実施例4>
実施例1と同様な反応容器に精製グラニュー糖の342部(1モル部)、DMF1250部を投入した後、実施例1と同様の方法で加圧窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてEO870部(15モル部)を4時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで110℃に昇温した後、1,2−エポキシヘキサデカン{試薬特級、シグマ社(株)製}の480部(2モル部)を110℃にて3時間かけて滴下し、さらに同温度にて8時間攪拌を続けて反応させた。
その後実施例1と同様にしてDMF留去/キョーワード処理を実施し、蔗糖/EO15モル/1,2−エポキシヘキサデカン2モル付加物(A4)を得た。
(A4)のDMF含有量は0.01%であり、曇点は35.5℃であった。
<実施例5>
実施例1と同様な反応容器にトレハロース{試薬特級、和光純薬工業(株)製}342部(1モル部)、DMF1500部を投入した後、実施例1と同様の方法で窒素置換した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてEO220部(5モル部)/PO870部(15モル部)の混合液を5時間かけて滴下した後、同温度にて3時間攪拌を続けて残存するEO、POを反応させた。その後110℃に昇温し、1,2−エポキシオクタンの256部(2モル部)を110℃にて3時間かけて滴下し、さらに同温度にて8時間攪拌を続けて反応させた。
その後実施例1と同様にしてDMF留去/キョーワード処理を実施し、トレハロース/(EO5モル/PO15モル)/1,2−エポキシオクタン2モル付加物(A5)を得た。
(A5)のDMF含有量は0.01%であり、曇点は43.5℃であった。
<実施例6>
実施例1と同様な反応容器にメレチトース{試薬特級、東京化成工業(株)製}504部(1モル部)、DMF2500部を投入した後、実施例1と同様の方法で窒素置換した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてEO440部(10モル部)を4時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させ、さらにPO580部(10モル部)を7時間かけて滴下した。同温度にて4時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで1,2−エポキシオクタン256部(2モル部)及び1,2−エポキシデカン156部(1モル部)の混合液を同温度にて3時間かけて滴下し、さらに同温度にて8時間攪拌を続けて反応させた。その後実施例1と同様にしてDMF留去/キョーワード処理を実施し、メレチトース/EO10モル/PO10モル/(1,2−エポキシオクタン2モル、1,2−エポキシデカン1モル)付加物(A6)を得た。
(A6)のDMF含有量は0.02%であり、曇点は34.0℃であった。
<比較例1>
実施例1と同様な反応容器に精製グラニュー糖の342部(1モル部)、DMF1050部を投入した後、実施例1と同様の方法で加圧窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてEO132部(3モル部)を4時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで110℃に昇温した後、この温度にてPO1160部(20モル部)とBO370部(5モル部)の混合液を6時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPO、BOを反応させた。
その後実施例1と同様にしてDMF留去/キョーワード処理を実施し、蔗糖/EO3モル/(PO20モル/BO5モル)付加物(B1)を得た。
(B1)のDMF含有量は0.01%であり、曇点は52.5℃であった。
<比較例2>
実施例1と同様な反応容器に精製グラニュー糖の342部(1モル部)、DMF1050部を投入した後、実施例1と同様の方法で加圧窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、PO4060部(70モル部)を8時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。
その後実施例1と同様にしてDMF留去/キョーワード処理を実施し、蔗糖/PO70モル付加物(B2)を得た。
(B2)のDMF含有量は0.01%であり、曇点は33.5℃であった。
<比較例3>
実施例1と同様な反応容器にプロピレングリコール76部(1モル部)、水酸化カリウム4.0部を加え80℃、20〜10mmHgの減圧下0.5時間脱水した後、同減圧下でPO2030部(35モル部)を100〜120℃にて約10時間で滴下した。さらに約4時間同温度に保ち残存するPOを反応させた。次いで実施例1に準じて45部の水/250部のキョーワード700にて処理してプロピレングリコール/PO35モル付加物(B3)を得た。(B3)の曇点は20.5℃であった。
<比較例4>
アセチレングリコール{商品名:サーフィノール−104、エアプロダクツ社製}を比較例4の界面活性剤(B4)とした。
<比較例5>
ジアルキルスルホコハク酸塩{商品名:サンモリンOT−70、三洋化成工業(株)製}を比較例5の界面活性剤(B5)とした。
注1;比較例3のプロピレングリコール/PO35モル付加物(B3)は水に溶解しなかったため、測定できなかった。
注2;比較例4の界面活性剤(B4)は、油膜、油滴が発生したため2号濾紙(JIS P3801)にて濾別し、透明となった濾液を用いて評価した。
20Hzの表面張力及び表面張力の差ΔTは、小さいほど表面張力低下能が優れていることを示し、また、水溶性及び耐泡立ち性は○が優れており、次いで△が優れていることを示している。
したがって、本発明の界面活性剤(実施例1〜6)が、表面張力低下能及び水溶性に極めて優れており、さらに耐泡立ち性にも優れていることが明らかである。
なお、特許文献1に見られるような従来の技術による界面活性剤では0.05Hz(20秒)程度で初めて表面張力の低下が観測でき、新たな表面が形成されて20秒程度を経て初めて活性剤としての機能を発揮し始めることが分かる(表1、比較例 参照)。
本発明の界面活性剤は、あらゆる用途に用いることができるが、特に水系塗料用として適しており、さらに高速で塗工又は印刷される塗料(例えばカーテンフローコート用塗料、紙塗工用塗料及び水性インキ等)等に好適である。
また、本発明の界面活性剤は、消泡剤(抑泡剤、破泡剤及び整泡剤等を含む)、乳化分散剤及びこれらの原材料等として使用できる。消泡剤としては、紙塗工塗料用消泡剤、水系塗料用消泡剤、各種インキ用消泡剤、抄紙工程用消泡剤、各種合成工程用消泡剤(モノマーストリッピング用など)、また分散剤としては紙塗工塗料、水系塗料、各種インキの顔料分散剤等に、また各種水系塗料用樹脂の乳化剤として用いることができる。本発明の界面活性剤は紙塗工塗料用、水系塗料用、各種インキ用の消泡剤、分散剤として用いる場合には、その製造工程の途中で、または仕上がった後に添加する。添加量としては仕上がった塗料、各種インキの重量に基づいて0.01〜10%が好ましい。また、抄紙工程、各種合成工程の消泡剤としては原液のまま、または水などの溶媒に希釈して直接泡立っている工程に添加できる。添加量としては対象となる発泡系に対して0.001〜1.0重量%が好ましい。また各種水系塗料用樹脂の乳化剤として用いる場合には、乳化工程にて塗料用樹脂に添加し、添加量は塗料用樹脂の重量に基づいて0.1〜10%が好ましい。
本発明の界面活性剤を添加した塗料は、通常の方法により被塗装体に塗装することができ、ハケ塗り、ローラー塗装、エアスプレー塗装、エアレス塗装、ロールコーター塗装及びフローコーター塗装及びカーテンフローコーター塗装等の塗装方法が適用できる。

Claims (11)

  1. 一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなることを特徴とする界面活性剤。
    ただし、一般式(1)において、Qは非還元性の二又は三糖類のt(2〜4の整数)個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、OA1は炭素数2〜4のオキシアルキレン基、OA2は炭素数6〜18のα−オレフィンオキシドに由来するオキシアルキレン基、Hは水素原子、t個のnは同じであっても異なってもよい1〜20の整数、mは1〜3の整数を表し、1分子中のOA1の総数は、t=2のとき2〜40個、t=3〜4のとき5〜46個であり、t−m個の{H-(OA1n-}及びm個の{-[(OA1n/(OA2)]-H}はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
  2. 非還元性の二又は三糖類の反応残基(Q)が蔗糖の反応残基である請求項1に記載の界面活性剤。
  3. 非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)2〜46モル部及び炭素数6〜18のα−オレフィンオキシド(a3)1〜3モル部の化学反応により製造され得る構造を有するポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなることを特徴とする界面活性剤。
  4. ポリオキシアルキレン化合物の曇点{ISO1065−1975(E)の測定法Bに準拠}が30〜60℃である請求項1〜3のいずれかに記載の界面活性剤。
  5. ポリオキシアルキレン化合物が、20Hzで45〜25mN/mの動的表面張力{0.5重量%水溶液、25℃}をもち、かつ20Hz及び0.05Hzにおける動的表面張力の差が12mN/m以下である請求項1〜4のいずれかに記載の界面活性剤。
  6. 水系塗料用である請求項1〜5のいずれかに記載の界面活性剤。
  7. 紙塗工塗料用である請求項1〜5のいずれかに記載の界面活性剤。
  8. 水性インキ用である請求項1〜5のいずれかに記載の界面活性剤。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の界面活性剤を塗料の重量に基づいて0.1〜5重量%含有してなる塗料。
  10. 非還元性の二又は三糖類(a1)、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)及び炭素数6〜18のα−オレフィンオキシド(a3)を反応させて得られるポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなる界面活性剤の製造方法であって、アミドの存在下で(a1)と(a2)及び/又は(a3)とを反応させる工程を含むことを特徴とする界面活性剤の製造方法。
  11. アミドがN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−(ジメチルアミノ)アセトアルデヒドジメチルアセタール及びN−メチルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項10に記載の製造方法。
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